JP2817879B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物Info
- Publication number
- JP2817879B2 JP2817879B2 JP63018455A JP1845588A JP2817879B2 JP 2817879 B2 JP2817879 B2 JP 2817879B2 JP 63018455 A JP63018455 A JP 63018455A JP 1845588 A JP1845588 A JP 1845588A JP 2817879 B2 JP2817879 B2 JP 2817879B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- block
- weight
- tpe
- polyester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ゴム弾性、柔軟性、耐熱性、耐オゾン性及
び成形加工性に優れた熱可塑性エラストマー(以下「TP
E」と略称する)に関するものである。
び成形加工性に優れた熱可塑性エラストマー(以下「TP
E」と略称する)に関するものである。
近年、ゴム的な軟質材料であって、加硫工程を要せ
ず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有するTPEが、
自動車部品、家電部品、医療、食品用機器部品、電線、
雑貨等の分野で注目されている。
ず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有するTPEが、
自動車部品、家電部品、医療、食品用機器部品、電線、
雑貨等の分野で注目されている。
このようなTPEには現在、ポリオレフィン系、ポリウ
レタン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等の種々の
形式のポリマーが開発され、市販されている。
レタン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等の種々の
形式のポリマーが開発され、市販されている。
しかしながら、これ等TPEは、ゴムとしての広い用途
分野の一つである加硫ゴムの用途に於いて品質面で加硫
ゴムの水準には達しておらず、従って、加硫ゴム分野で
の利用は極めて限定されているのが実情である。
分野の一つである加硫ゴムの用途に於いて品質面で加硫
ゴムの水準には達しておらず、従って、加硫ゴム分野で
の利用は極めて限定されているのが実情である。
例えば、ポリオレフィン系TPEは比較的安価で、耐熱
性や耐候性にすぐれている反面柔軟性に劣り、最も柔軟
なものでもJIS-A硬度(JIS-K-6301)で70程度であり、
一般の加硫ゴムの硬度60に比べて未だ硬すぎる欠点を有
する。
性や耐候性にすぐれている反面柔軟性に劣り、最も柔軟
なものでもJIS-A硬度(JIS-K-6301)で70程度であり、
一般の加硫ゴムの硬度60に比べて未だ硬すぎる欠点を有
する。
同様に、ポリエステル系TPEやポリウレタン系TPEも市
販品中最も柔軟なものでもJIS-A硬度が70〜90程度と硬
く、加硫ゴムの用途に適さないものである。
販品中最も柔軟なものでもJIS-A硬度が70〜90程度と硬
く、加硫ゴムの用途に適さないものである。
また、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブロックポ
リマー(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレン(SI
S)ブロックポリマー等のポリスチレン系TPEは、前記の
TPEに比べてすぐれた柔軟性を有するが、ポリマー内の
ポリブタジエンブロックあるいはポリイソプレンブロッ
クに二重結合を有しているため耐熱老化性(熱安定
性)、耐候性及び耐オゾン性に問題がある。
リマー(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレン(SI
S)ブロックポリマー等のポリスチレン系TPEは、前記の
TPEに比べてすぐれた柔軟性を有するが、ポリマー内の
ポリブタジエンブロックあるいはポリイソプレンブロッ
クに二重結合を有しているため耐熱老化性(熱安定
性)、耐候性及び耐オゾン性に問題がある。
例えば、スチレン系エラストマーとポリエステル系エ
ラストマーの配合物として、スチレン系エラストマーに
SBSやSISを用いたものが特開昭50-82162号公報に紹介さ
れているが、これ等は耐オゾン性や熱安定性等に十分な
性能を有するものではなかった。
ラストマーの配合物として、スチレン系エラストマーに
SBSやSISを用いたものが特開昭50-82162号公報に紹介さ
れているが、これ等は耐オゾン性や熱安定性等に十分な
性能を有するものではなかった。
一方、スチレンと共役ジエンのブロック共重合体の分
子内二重結合を水素添加することによって熱安定性の向
上したブロック共重合体を得ることができることはよく
知られている。このようなブロック共重合体をゴム成分
として用い、これとポリオレフィン樹脂、オイル、フィ
ラー等を配合したいわゆるスチレン系TPEは、オレフィ
ン系TPEに比べてすぐれた柔軟性加工性等を有するもの
であるが、まだ加硫ゴムに比べてゴム弾性の点で劣って
いる。
子内二重結合を水素添加することによって熱安定性の向
上したブロック共重合体を得ることができることはよく
知られている。このようなブロック共重合体をゴム成分
として用い、これとポリオレフィン樹脂、オイル、フィ
ラー等を配合したいわゆるスチレン系TPEは、オレフィ
ン系TPEに比べてすぐれた柔軟性加工性等を有するもの
であるが、まだ加硫ゴムに比べてゴム弾性の点で劣って
いる。
なお、ここで「ゴム弾性」とは、特に引張り特性に於
いて降伏点のような変曲点が出来るだけ少なく、かつあ
る硬度に於いて従来のTPEに比べて、高モジュラス(例
えば、300%伸長時の応力が高いこと)であることを意
味するものである。つまり、このような特性を有するTP
Eは加硫ゴムに近いゴム弾性を示すものである。
いて降伏点のような変曲点が出来るだけ少なく、かつあ
る硬度に於いて従来のTPEに比べて、高モジュラス(例
えば、300%伸長時の応力が高いこと)であることを意
味するものである。つまり、このような特性を有するTP
Eは加硫ゴムに近いゴム弾性を示すものである。
本発明者等は、柔軟性とゴム弾性に秀れ、かつ良好な
耐熱性、耐オゾン性および成形加工性を有するTPEを開
発すべく鋭意検討した。
耐熱性、耐オゾン性および成形加工性を有するTPEを開
発すべく鋭意検討した。
その結果、特定のモノビニル置換芳香族炭化水素と共
役ジエンとのブロック共重合体の水素添加誘導体、ゴム
用軟化剤及びポリエステル系エラストマーを配合するこ
とにより、柔軟性、耐熱性、耐オゾン性および成形加工
性に秀れ、かつ加硫ゴムに匹敵するゴム弾性を有するTP
Eが得られることを見い出し本発明を完成した。
役ジエンとのブロック共重合体の水素添加誘導体、ゴム
用軟化剤及びポリエステル系エラストマーを配合するこ
とにより、柔軟性、耐熱性、耐オゾン性および成形加工
性に秀れ、かつ加硫ゴムに匹敵するゴム弾性を有するTP
Eが得られることを見い出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、成分Aとして、一般式 AB−
A)n又はA−BA−B)n〔但し、式中のAはモノ
ビニル置換芳香族炭化水素の重合体ブロック、Bはその
中のオレフィン型二重結合の80%以上が水素添加されて
いる共役ジエンのエラストマー性重合体ブロックであ
り、nは1〜5の整数〕で表されるブロック共重合体の
水素添加誘導体30〜70重量%と、成分Bとして、ゴム用
軟化剤70〜30重量%の合計100重量部に対し、さらに、
成分Cとして、ポリエステル系エラストマー20〜150重
量部を配合してなることを特徴とする熱可塑性エラスト
マーである。
A)n又はA−BA−B)n〔但し、式中のAはモノ
ビニル置換芳香族炭化水素の重合体ブロック、Bはその
中のオレフィン型二重結合の80%以上が水素添加されて
いる共役ジエンのエラストマー性重合体ブロックであ
り、nは1〜5の整数〕で表されるブロック共重合体の
水素添加誘導体30〜70重量%と、成分Bとして、ゴム用
軟化剤70〜30重量%の合計100重量部に対し、さらに、
成分Cとして、ポリエステル系エラストマー20〜150重
量部を配合してなることを特徴とする熱可塑性エラスト
マーである。
本発明で用いられる上記成分Aは、上記一般式で表わ
されるブロック共重合体の水素添加誘導体である。
されるブロック共重合体の水素添加誘導体である。
重合体ブロックAを構成する単量体のモノビニル置換
芳香族炭化水素としては、種々のものが挙げられるが、
特にスチレン、α−メチルスチレンが好適である。ま
た、重合体ブロックBの共役ジエン単量体としては、ブ
タジエンもしくはイソプレンが好適で、それら両者の混
合物でもよい。ブタジエンを単一の共役ジエン単量体と
して使用して重合体ブロックBを形成する場合には、エ
ラストマー性を保持する目的で、ポリブタジエンにおけ
るミクロ構造中の1,2−ミクロ構造が20〜50%となる重
合条件を採用することが好ましく、特に1,2−ミクロ構
造が35〜45%のものが適している。また、重合体ブロッ
クBの前記共重合体中に占める割合は、少なくとも65重
量%にすることが好ましい。
芳香族炭化水素としては、種々のものが挙げられるが、
特にスチレン、α−メチルスチレンが好適である。ま
た、重合体ブロックBの共役ジエン単量体としては、ブ
タジエンもしくはイソプレンが好適で、それら両者の混
合物でもよい。ブタジエンを単一の共役ジエン単量体と
して使用して重合体ブロックBを形成する場合には、エ
ラストマー性を保持する目的で、ポリブタジエンにおけ
るミクロ構造中の1,2−ミクロ構造が20〜50%となる重
合条件を採用することが好ましく、特に1,2−ミクロ構
造が35〜45%のものが適している。また、重合体ブロッ
クBの前記共重合体中に占める割合は、少なくとも65重
量%にすることが好ましい。
上記重合体ブロックAの平均分子量は5000から12500
0、ブロックBは15000から250000の範囲にあることが好
ましい。
0、ブロックBは15000から250000の範囲にあることが好
ましい。
上記一般式のブロック共重合体の水素添加誘導体の製
造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表
的な方法としては、例えば特公昭42-8704号、同43-6636
号公報等に記載された方法がある。
造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表
的な方法としては、例えば特公昭42-8704号、同43-6636
号公報等に記載された方法がある。
その製造に際しての水素添加において、重合体ブロッ
クB中のオレフィン型二重結合の80%以上が水素添加さ
れ、中でも重合体ブロックA中の芳香族性不飽和結合の
25%以下が水素添加されたものが好適である。このよう
なブロックポリマーとしては、市販のポリマーである
「KRATON G」(シエルケミカル社製商品名)等を使用で
きる。
クB中のオレフィン型二重結合の80%以上が水素添加さ
れ、中でも重合体ブロックA中の芳香族性不飽和結合の
25%以下が水素添加されたものが好適である。このよう
なブロックポリマーとしては、市販のポリマーである
「KRATON G」(シエルケミカル社製商品名)等を使用で
きる。
本発明で使用できる上記成分Bのゴム用軟化剤として
は、鉱物油系もしくは合成樹脂系が好適である。
は、鉱物油系もしくは合成樹脂系が好適である。
鉱物油系軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラ
フィン鎖三者の組み合わせ混合物であって、パラフィン
鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィ
ン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナ
フテン系、また芳香族炭素数が30%より多いものが芳香
族系と呼ばれて区分されている。これらの中で、本発明
の成分Bとして好ましい鉱物油系軟化剤は、ナフテン系
及びパラフィン系であり、芳香族炭素数が30%以下のも
のである。芳香族系は、本発明で用いる上記成分Aとの
分散上あまり好ましくない。
フィン鎖三者の組み合わせ混合物であって、パラフィン
鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィ
ン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナ
フテン系、また芳香族炭素数が30%より多いものが芳香
族系と呼ばれて区分されている。これらの中で、本発明
の成分Bとして好ましい鉱物油系軟化剤は、ナフテン系
及びパラフィン系であり、芳香族炭素数が30%以下のも
のである。芳香族系は、本発明で用いる上記成分Aとの
分散上あまり好ましくない。
性状的には、37.8℃動粘度が20〜500cst、流動点が−
10〜−15℃および引火点(COC)が170〜300℃の如きも
のである。
10〜−15℃および引火点(COC)が170〜300℃の如きも
のである。
合成樹脂系軟化剤としては、ポリブテン、低分子量ポ
リブタジエン等が使用可能であるが、鉱物油系軟化剤の
方が好ましい。
リブタジエン等が使用可能であるが、鉱物油系軟化剤の
方が好ましい。
本発明で使用される上記成分Cのポリエステル系エラ
ストマーとしては、 芳香族ポリエステルブロック(a)と非芳香族ポリエ
ステルブロック(b)とからなるブロック共重合体、 芳香族ポリエステルブロック(a)とポリエーテルブ
ロック(c)とからなるブロック共重合体、 芳香族ポリエステルブロック(a)と前記ブロック
(b)およびブロック(c)とからなるブロック共重合
体等がある。
ストマーとしては、 芳香族ポリエステルブロック(a)と非芳香族ポリエ
ステルブロック(b)とからなるブロック共重合体、 芳香族ポリエステルブロック(a)とポリエーテルブ
ロック(c)とからなるブロック共重合体、 芳香族ポリエステルブロック(a)と前記ブロック
(b)およびブロック(c)とからなるブロック共重合
体等がある。
芳香族ポリエステルブロック(a)とは、芳香族ジカ
ルボン酸とジオールとが縮合した構造のポリエステルオ
リゴマーであり、ポリエチレンテレフタレートオリゴマ
ー、ポリプロピレンテレフタレートオリゴマー、ポリテ
トラメチレンテレフタレートオリゴマー、ポリペンタメ
チレンテレフタレートオリゴマー等が例示できる。
ルボン酸とジオールとが縮合した構造のポリエステルオ
リゴマーであり、ポリエチレンテレフタレートオリゴマ
ー、ポリプロピレンテレフタレートオリゴマー、ポリテ
トラメチレンテレフタレートオリゴマー、ポリペンタメ
チレンテレフタレートオリゴマー等が例示できる。
非芳香族ポリエステルブロック(b)とは、(1)脂
肪族または脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジオールとが縮
合したポリエステルオリゴマー、(2)脂肪族ラクトン
または脂肪族モノオールカルボン酸から合成されたポリ
エステルオリゴマーであり、前者(1)の例として、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4′−ジカルボン
酸等の脂環式ジカルボン酸またはコハク酸、シュウ酸、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸のうち
の一種以上とエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール等のジオールのうちの一種以上とを縮合した構造の
ポリエステルオリゴマーがあげられ、後者(2)の例と
してε−カプロラクトン、ω−オキシカプロン酸等から
合成されたポリカプロラクトン系ポリエステルオリゴマ
ーがあげられる。
肪族または脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジオールとが縮
合したポリエステルオリゴマー、(2)脂肪族ラクトン
または脂肪族モノオールカルボン酸から合成されたポリ
エステルオリゴマーであり、前者(1)の例として、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4′−ジカルボン
酸等の脂環式ジカルボン酸またはコハク酸、シュウ酸、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸のうち
の一種以上とエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール等のジオールのうちの一種以上とを縮合した構造の
ポリエステルオリゴマーがあげられ、後者(2)の例と
してε−カプロラクトン、ω−オキシカプロン酸等から
合成されたポリカプロラクトン系ポリエステルオリゴマ
ーがあげられる。
ポリエーテルブロック(c)としては、例えば、ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールなどの平均分子量が
約400〜約6000のポリエーテルオリゴマーがあげられ
る。ここで、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
しては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2および1,3
プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシ
ド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドのブロック又はランダム共重合体、エチレンオキシド
とテトラヒドロフランのブロック又はランダム共重合体
などが挙げられる。
(アルキレンオキシド)グリコールなどの平均分子量が
約400〜約6000のポリエーテルオリゴマーがあげられ
る。ここで、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
しては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2および1,3
プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシ
ド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドのブロック又はランダム共重合体、エチレンオキシド
とテトラヒドロフランのブロック又はランダム共重合体
などが挙げられる。
ポリエステルエラストマー(成分C)の製造方法とし
ては、その成分からなるオリゴマーのブロックをそれぞ
れ先に合成してから、さらにブロック間をエステル結合
により縮合して製造しても良いし、別の方法として、例
えば、ブロック(b)を先に重合しておいて、さらにブ
ロック(a)の成分単量体と混合して縮合する方法等も
とり得る。
ては、その成分からなるオリゴマーのブロックをそれぞ
れ先に合成してから、さらにブロック間をエステル結合
により縮合して製造しても良いし、別の方法として、例
えば、ブロック(b)を先に重合しておいて、さらにブ
ロック(a)の成分単量体と混合して縮合する方法等も
とり得る。
このようなポリエステル系エラストマーとしては、市
販のポリマーである「ペルプレンP」または「同S」
(東洋紡績社製商品名)や「ハイトレル」(東レ・デュ
ポン社製商品名)などがある。
販のポリマーである「ペルプレンP」または「同S」
(東洋紡績社製商品名)や「ハイトレル」(東レ・デュ
ポン社製商品名)などがある。
本発明のTPEを構成する各成分の配合割合は、成分A
が成分Aと成分Bの合計量に対して30〜70重量%、好ま
しくは35〜60重量%である。この範囲未満では得られる
TPEのゴム弾性、耐熱性が劣り、一方、この範囲を超え
るものは柔軟性、成形加工性が悪化する。また、成分B
は同じく70〜30重量%、好ましくは65〜40重量%であ
る。この範囲を超えるものはゴム弾性、耐熱性が劣り、
一方、この範囲未満では柔軟性、成形加工性が悪化す
る。また、成分Cは成分Aと成分Bの合計100重量部に
対して20〜150重量部、好ましくは30〜100重量部であ
る。この範囲未満では成形加工性が劣り、一方、この範
囲を超えた場合は柔軟性が失われる。
が成分Aと成分Bの合計量に対して30〜70重量%、好ま
しくは35〜60重量%である。この範囲未満では得られる
TPEのゴム弾性、耐熱性が劣り、一方、この範囲を超え
るものは柔軟性、成形加工性が悪化する。また、成分B
は同じく70〜30重量%、好ましくは65〜40重量%であ
る。この範囲を超えるものはゴム弾性、耐熱性が劣り、
一方、この範囲未満では柔軟性、成形加工性が悪化す
る。また、成分Cは成分Aと成分Bの合計100重量部に
対して20〜150重量部、好ましくは30〜100重量部であ
る。この範囲未満では成形加工性が劣り、一方、この範
囲を超えた場合は柔軟性が失われる。
本発明は、TPEを得る際にこれらの必須成分を所定量
含有させることを特徴としているが、本発明TPEの基本
的性能をそこなわない範囲でオレフィン系ポリマー、ス
チレン系ポリマー等の必須成分以外のポリマーまたは炭
酸カルシウム、タルク、マイカ、カーボンブラック等の
無機フィラーなどの付加的成分を加えることができる。
さらに目標の品質に合わせて酸化防止剤、紫外線吸収
剤、スリップ剤、流動性改良剤(ポリエチレン系WAX
等)などの添加剤を配合できる。また、成分Aと成分C
の相溶化をさらに高める目的で相溶化剤(例えば、マレ
イン化ポリオレフィン等)を配合することもできる。
含有させることを特徴としているが、本発明TPEの基本
的性能をそこなわない範囲でオレフィン系ポリマー、ス
チレン系ポリマー等の必須成分以外のポリマーまたは炭
酸カルシウム、タルク、マイカ、カーボンブラック等の
無機フィラーなどの付加的成分を加えることができる。
さらに目標の品質に合わせて酸化防止剤、紫外線吸収
剤、スリップ剤、流動性改良剤(ポリエチレン系WAX
等)などの添加剤を配合できる。また、成分Aと成分C
の相溶化をさらに高める目的で相溶化剤(例えば、マレ
イン化ポリオレフィン等)を配合することもできる。
本発明のTPEを製造する方法は、機械的溶融混練によ
ることができる。具体的には、バンバリーミキサー、各
種ニーダー、単軸または二軸押出機等の一般的溶融混練
機を用いることができる。
ることができる。具体的には、バンバリーミキサー、各
種ニーダー、単軸または二軸押出機等の一般的溶融混練
機を用いることができる。
また、本発明のTPEは、射出成形、押出成形、ブロー
成形等の熱可塑性樹脂の成形法が適用可能である。
成形等の熱可塑性樹脂の成形法が適用可能である。
本発明のTPEの用途としては、家電、自動車部品等の
工業用部品、食品包装材、医療機器部品、日用雑貨等に
用いることができる。
工業用部品、食品包装材、医療機器部品、日用雑貨等に
用いることができる。
実施例において各種の評価に用いた試験法は以下の通
りである。但し、測定試料はすべて5オンスインライン
スクリュータイプ射出成形機にて射出圧力500kg/cm2、
射出速度220℃、金型温度40℃にて成形した2mm厚シート
の横方向打抜きにより得た。
りである。但し、測定試料はすべて5オンスインライン
スクリュータイプ射出成形機にて射出圧力500kg/cm2、
射出速度220℃、金型温度40℃にて成形した2mm厚シート
の横方向打抜きにより得た。
(1)JIS-A硬度〔−〕 JIS-K-6301 (2)300%応力〔kg/cm2〕 JIS-K-6301 (3)圧縮永久歪 〔%〕 JIS-K-6301 (70℃×22時間) (4)耐オゾン性 JIS-K-6301 50pphm、20%伸長、40℃、500時間、クラ
ックの有無で評価 (5)成形加工性 先の成形条件にて得られた120mm×80mm×2mm厚さの射
出成形加工シートにて、ショートショットのないこと及
び著しく外観(フローマーク、デラミネーション)が悪
くない場合に成形加工性を良好とした。
ックの有無で評価 (5)成形加工性 先の成形条件にて得られた120mm×80mm×2mm厚さの射
出成形加工シートにて、ショートショットのないこと及
び著しく外観(フローマーク、デラミネーション)が悪
くない場合に成形加工性を良好とした。
また、実施例に用いた各配合成分は次のとおりであ
る。
る。
(1)成分A:スチレン−ブタジエンブロック共重合体の
水素添加誘導体としては、シエルケミカル社製「KRATON
G1651」(Brookfield粘度;20重量%トルエン溶液で200
0cps、77゜F)を用いた。
水素添加誘導体としては、シエルケミカル社製「KRATON
G1651」(Brookfield粘度;20重量%トルエン溶液で200
0cps、77゜F)を用いた。
(2)成分B:ゴム用軟化剤としては、出光興産社製「PW
380」(40℃動粘度381.6cSt)を用いた。
380」(40℃動粘度381.6cSt)を用いた。
(3)成分C:ポリエステル系エラストマーとしては、東
洋紡績社製「ペルプレン」(ポリエステルエーテルエラ
ストマー)の下記3種類を用いた。
洋紡績社製「ペルプレン」(ポリエステルエーテルエラ
ストマー)の下記3種類を用いた。
P30B(JIS-A硬度70〔−〕、結晶融点160〔℃〕) P70B(JIS-A硬度96〔−〕、結晶融点200〔℃〕) P150B(JIS-A硬度98〔−〕、結晶融点212〔℃〕) (4)その他:次の2成分を用いた。
オレフィン系樹脂;ポリプロピレン樹脂(「三菱ポリ
プロBC5C」、MFR5g/10分) スチレン−ブタジエンブロック共重合体;シエルケミ
カル社製「カリフレックス TR1102」(Brookfield粘
度;25重量% トルエン溶液で12000cps、77゜F) 実験例 第1表に示した配合に、さらに、この100重量部に対
してフェノール系酸化防止剤「イルガノックス1010」0.
1重量部を添加し、L/D33、シリンダー径45mmの2軸押出
機にて220℃設定で溶融混練し、TPEペレットを得た。こ
のペレットを用いて、先述の如く射出成形により厚さ2m
mのシートを成形した。得られたシートにより各種評価
した結果を第1表に示す。
プロBC5C」、MFR5g/10分) スチレン−ブタジエンブロック共重合体;シエルケミ
カル社製「カリフレックス TR1102」(Brookfield粘
度;25重量% トルエン溶液で12000cps、77゜F) 実験例 第1表に示した配合に、さらに、この100重量部に対
してフェノール系酸化防止剤「イルガノックス1010」0.
1重量部を添加し、L/D33、シリンダー径45mmの2軸押出
機にて220℃設定で溶融混練し、TPEペレットを得た。こ
のペレットを用いて、先述の如く射出成形により厚さ2m
mのシートを成形した。得られたシートにより各種評価
した結果を第1表に示す。
また、第1図からも分かるとおり、実施例のものは比
較例のものに比べて、同等の硬度において応力が高く、
降伏点形状も小さく、かつ応力−伸びがより直線的で良
好なゴム弾性を示すものである。
較例のものに比べて、同等の硬度において応力が高く、
降伏点形状も小さく、かつ応力−伸びがより直線的で良
好なゴム弾性を示すものである。
〔発明の効果〕 本発明の熱可塑性エラストマーは、柔軟性、ゴム弾
性、耐熱性、耐オゾン性及び成形加工性に優れた品質バ
ランスを有するものであるため、広範な用途分野への適
用が可能である。
性、耐熱性、耐オゾン性及び成形加工性に優れた品質バ
ランスを有するものであるため、広範な用途分野への適
用が可能である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例1と比較例2の引張特性を示す図面で
ある。曲線Aが実施例、同Bが比較例である。
ある。曲線Aが実施例、同Bが比較例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 91:00) (56)参考文献 特開 昭50−82162(JP,A) 特開 昭58−206644(JP,A) 特開 昭61−131746(JP,A) 特開 昭63−142056(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】下記の成分A30〜70重量%と成分B70〜30重
量%の合計100重量部に対し、成分C20〜150重量部を配
合してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成
物。 成分A:一般式 AB−A)n又はA−BA−B)n
〔但し、式中のAはモノビニル置換芳香族炭化水素の重
合体ブロック、Bはその中のオレフィン型二重結合の80
%以上が水素添加されている共役ジエンのエラストマー
性重合体ブロックであり、nは1〜5の整数〕で表され
るブロック共重合体の水素添加誘導体 成分B:ゴム用軟化剤 成分C:ポリエステル系エラストマー
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63018455A JP2817879B2 (ja) | 1988-01-28 | 1988-01-28 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63018455A JP2817879B2 (ja) | 1988-01-28 | 1988-01-28 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01193352A JPH01193352A (ja) | 1989-08-03 |
JP2817879B2 true JP2817879B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=11972104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63018455A Expired - Fee Related JP2817879B2 (ja) | 1988-01-28 | 1988-01-28 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2817879B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008123316A1 (ja) | 2007-03-26 | 2008-10-16 | Kuraray Co., Ltd. | 重合体組成物およびそれからなる成形品 |
CN103568427A (zh) * | 2013-11-05 | 2014-02-12 | 苏州万隆汽车零部件股份有限公司 | 一种汽车层状制品 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8802770B2 (en) | 2008-01-24 | 2014-08-12 | Lubrizol Advanced Materials, Inc. | Hydrophobic thermoplastic polyurethane |
WO2009094332A2 (en) * | 2008-01-24 | 2009-07-30 | Lubrizol Advanced Materials, Inc. | Soft thermoplastic elastomer composition |
JPWO2018198831A1 (ja) * | 2017-04-25 | 2020-05-14 | クラレプラスチックス株式会社 | 樹脂組成物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5231216B2 (ja) * | 1973-11-21 | 1977-08-13 | ||
JPS58206644A (ja) * | 1982-05-27 | 1983-12-01 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | エラストマ−状組成物 |
JPS61131746A (ja) * | 1984-11-30 | 1986-06-19 | 塩谷エムエス株式会社 | 凍結乾燥製剤用止栓 |
JPS63142056A (ja) * | 1986-12-03 | 1988-06-14 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 熱可塑性エラストマ−組成物 |
-
1988
- 1988-01-28 JP JP63018455A patent/JP2817879B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008123316A1 (ja) | 2007-03-26 | 2008-10-16 | Kuraray Co., Ltd. | 重合体組成物およびそれからなる成形品 |
US8129030B2 (en) | 2007-03-26 | 2012-03-06 | Kuraray Co., Ltd. | Acrylic block copolymer composition and molded article thereof |
CN103568427A (zh) * | 2013-11-05 | 2014-02-12 | 苏州万隆汽车零部件股份有限公司 | 一种汽车层状制品 |
CN103568427B (zh) * | 2013-11-05 | 2015-05-27 | 苏州万隆汽车零部件股份有限公司 | 一种汽车层状制品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01193352A (ja) | 1989-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4772657A (en) | Hydrogenated block copolymer compositions | |
EP1086991B1 (en) | Thermoplastic elastomeric resin composition and a granule thereof | |
JP4030664B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP2817879B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3628779B2 (ja) | 水素化ポリ(ブタジエン)ブロックコポリマーを含むポリマーブレンド | |
JPS60166339A (ja) | 熱可塑性エラストマ−状組成物 | |
EP0369164B1 (en) | Gasket and medical device using the same | |
JPH0613628B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPS6225149A (ja) | 高弾性な水添ブロツク共重合体組成物 | |
JPS6220551A (ja) | エラストマ−状組成物 | |
JP4909467B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 | |
JP3984073B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3743198B2 (ja) | 変性ポリエステル弾性体の製造方法 | |
JP2618360B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2673265B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPH02308845A (ja) | 熱可塑性エラストマー成形体 | |
JP2007169662A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPH0253849A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3755325B2 (ja) | ポリエステル系エラストマー組成物 | |
JP2004210933A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH0539386A (ja) | 耐油性に優れた水添ブロツク共重合体組成物 | |
JP3393818B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPS60158224A (ja) | エラストマー状組成物のストランドカッティング法 | |
JP4005489B2 (ja) | 医療用シール部材 | |
JPH0262584B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |