JP2817624B2 - 希土類磁石合金の製造方法 - Google Patents
希土類磁石合金の製造方法Info
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Description
原料となる合金の製造方法に関する。特に、最近、希土
類合金系の優れた磁気特性を活かした希土類焼結磁石あ
るいは希土類ボンド磁石が注目されてきており、本発明
は、かかる希土類磁石に用いられる原料用の合金の製造
方法に関するものである。特にNd−Fe−B系磁石用
合金、あるいはSm−Fe−N系磁石の窒化処理前の出
発原料となるSm−Fe系合金等の、凝固時に主相が包
晶反応で生成するため、Feあるいは遷移金属が生成し
やすく、またミクロ、マクロ的な成分元素の偏析が生じ
やすい合金の製造方法に関する。
いて、磁気特性をさらに向上させた磁石の開発が行われ
ている。このような高性能磁石においては磁性を担うN
d2 Fe14Bの比率を高める必要性から化学量論組成に
近い組成とする必要が生じる。ところで、平衡状態図か
らNd2 Fe14Bは、溶解鋳造時に、初晶のγFeと液
相との包晶反応で溶湯から生成することが知られてお
り、化学量論組成に近い合金ほど、凝固過程でγFeが
生成しかつ残留しやすい。このようなγFeは冷却途中
でαFeに変態し、凝固後のインゴットにはαFeとし
て残留する。
は全て化学量論組成より希土類元素が若干多い組成とな
っており、磁石合金インゴット中にはNd等の希土類元
素の濃度の高い相(Rリッチ相と呼ぶ)も生成する。R
リッチ相はNd系磁石合金において次の様な重要な役割
を果たす。 融点が低く、磁石化工程の焼結時に液相となり、磁石
の高密度化、したがって磁化の向上に寄与する。 粒界の凹凸をなくし、逆磁区のニュークリエーション
サイトを減少させ保磁力を高める。 Rリッチ相は非磁性であり主相を磁気的に絶縁するこ
とから、保磁力を高める。
が遅いほどより大きく生成し、均一分散性が悪くなる。
このようにRリッチ相の均一分散性が悪い磁石合金イン
ゴットを出発原料として粉砕すると、粉砕性が低下した
り、粒径が揃いにくい等の問題が生じ、さらに、液相焼
結が進みにくく、高密度となりにくく、また比較的結晶
粒度が細かく、かつ粒径が揃った高性能の磁石を得るこ
とは難しくなる。
いほど生成しやすく、またより粗大に、不均一に分散生
成しやすくなる。このようなαFeも粉砕性を著しく害
し、また粉砕時の組成変動の原因となり、磁気特性の低
下やバラツキの増加を引き起こす。
って、低減可能である。しかし、生成量が多く、あるい
は粗大に生成している場合、熱処理で完全に消すために
は極めて長時間の熱処理が必要となり実用的でない。
単ロール、双ロール等の薄板連鋳法(ストリップキャス
ティング法)を用いて、薄いインゴットを連続的に鋳造
し、冷却速度を高め、微細な組織の希土類磁石合金を製
造する方法が提案されている(例えば、特開平5-22248
8、特開平5-295490、特開平5-320832)。しかし、これ
らの方法では鋳造に時間がかかり、高活性の希土類元素
を含む溶湯を長時間保持し少量ずつ供給するため、ルツ
ボ、保持炉あるいはタンディッシュと溶湯との反応によ
り成分が変動しやすい。また、温度を一定に保ち定常状
態で安定した鋳造を持続させるのが極めて難しく、収率
が低いといった問題がある。さらに、特殊な高価な鋳造
設備を必要とする等の問題もある。
雰囲気アトマイズ法にて粉末状の合金を得る方法も提案
されている。しかしながら、アトマイズするにはまず溶
湯の細流を造り、それに高速のガス流を当てる必要があ
るが、希土類元素は極めて活性で耐火物と反応しやす
く、そのような用途に使える耐火物製ノズルが存在しな
いため、実用化は極めて難しい。また、もしアトマイズ
が可能としても、この場合の冷却速度は1000℃/s
程度と極めて速く、結晶粒径は粉砕粒度(約3μm)よ
り小さくなってしまい、したがって、得られたアトマイ
ズ粉末を粉砕しても単結晶とはならず、磁場成型、焼結
後の製品磁石の配向度は悪く、高性能の磁石を製造する
のは不可能となる。
上に堆積させてインゴットを得る、いわゆるスプレーフ
ォーミング法で製造する方法についても提案されてい
る。この場合も、前述のアトマイズ法と同じく溶湯の細
流を得るための耐火物ノズルの問題があり、さらに、特
殊な高価な設備を必要とし、また基板上に堆積しないで
飛散してしまういわゆるオーバースプレー粉となる比率
も高く、収率が低いといった問題がある。
題点を解決した、高性能希土類磁石合金の製造方法を提
供するものである。すなわち、管状の鋳物の製造法とし
て工業的に確立している遠心鋳造法に着目し、さらに溶
湯の供給方法、鋳造速度、冷却方法等を工夫することに
より、αFeの生成の無い、あるいはあっても容易に熱
処理で消去が可能なインゴット、あるいは極めて微細な
組織の偏析のないインゴットの製造が可能となることを
見出し開発したものである。
はあるが(特開平1-171217)、その場合円筒状の磁石の
製造方法として提案されているに過ぎず、鋳造速度の制
御等により、より微細なαFeの生成の無いあるいは熱
処理により容易に消去可能なインゴットの製造技術につ
いては何ら言及されていない。
ナイトロマグの開発が行われている。この磁石は異方性
磁界が大きく、キュリー点もNd2 Fe14Bより高い等
の本質的な磁気特性に優れていることから、高性能の磁
石となりうる素質を有しており、各社で開発が進められ
ている。ナイトロマグの場合、窒化前の原料として結晶
相としてSm2 Fe17を主相とする合金を準備する必要
があり、このSm2 Fe17も鋳造凝固時に液相から初晶
として生成するγFeと液相との包晶反応で生成するた
め、凝固後のインゴットにαFeが残留しやすい。本発
明はNd系磁石合金に限定されず、発明の主旨からして
このようなSm系ナイトロマグ、あるいは、包晶反応等
により、磁気特性に有害な相の生成する合金に有効であ
ることは明白であり、それらの合金の製造方法にも適用
される。
じようにまず真空あるいはArガス等の不活性雰囲気中
にて希土類元素を含む磁石用の合金を溶解する。次に溶
解後、鋳造する際遠心鋳造を行い、その時の単位時間当
たりの溶湯供給量Mを鋳型内壁総面積Sで除したM/S
を、次式の範囲内になるようにして鋳造する。 M/S≦0. 5g/cm2 ・秒 このような条件で鋳造することにより、既に鋳造された
溶湯は、次の溶湯が供給される前に、凝固がほとんど終
了するようになり、すなわち表面近傍が常に半凝固状態
となるため、例えばNd系磁石合金やSmFe系磁石合
金の場合、初晶のαFeの少ない、微細組織で偏析の少
ない合金インゴットを得ることが可能となる。特に、例
えばNdFeB系磁石合金において、Nd2 Fe14B化
学量論組成より適度に過剰の希土類元素が存在する合金
では、鋳造のままでもαFeが全く存在しないインゴッ
トの製造が可能となる。それよりも化学量論組成に近い
合金でも、もしαFeが生成したとしても微細に生成
し、また偏析が少ないため、短時間の熱処理でαFeの
消去が可能となる。
箇所以上から行うことによって、また、さらに鋳型の長
手方向に往復運動させながら鋳造することによって、鋳
型内壁により均一に薄く供給することが可能となり、さ
らに凝固層の発達を促進することができる。
ズルから、鋳型内壁に向けてガスを吹込み冷却しながら
鋳造することにより、冷却効果を高め凝固を促進するこ
とが可能となる。特に遠心鋳造法では、鋳型の内部には
十分な空間が存在し構造的にこのような冷却設備を設け
ることが容易となる。
系磁石合金あるいはSmFe合金等の希土類磁石合金の
製造方法として最適である。なお、鋳造後、合金インゴ
ットを熱処理することによって、さらにインゴットの均
質性を高めることが可能となる。特に、化学量論組成に
近い合金ではαFeが生成する場合があり、そのような
場合、熱処理によりαFeを消去することが望ましい。
熱処理温度としては900℃以上1150℃以下が望ま
しい。900℃以下では原子の拡散が不十分であり、α
Feの消去には長時間かかるため適当でない。一方、1
150℃以上では組織の粗大化が著しく、Rリッチ相の
分布も不均一になるため不適当である。
解設備は特に限定されない。通常用いられている真空誘
導溶解炉を用いて真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で
溶解することが可能である。遠心鋳造設備も基本的に
は、通常の反応管等の製造に用いられている設備と同
様、主に回転駆動機構と円筒状の鋳型より構成される。
但し、本発明では得られる合金インゴットの組織が重要
であり、形状については設備の作りやすさや鋳造のしや
すさ、鋳型の保守やセットのしやすさ、鋳造インゴット
の取りだしやすさ等の作業性を考慮して決めることがで
きる。そのような要因を考慮して、鋳型の内径は少なく
とも200mm以上とし、長さは鋳型内径の5倍以下と
するのが適当である。
部に達した時に、落下しないよう少なくとも1G以上と
なるような回転速度とすれば良い。さらに遠心力を大き
くすることにより、鋳造された溶湯が遠心力で広がりや
すくなり、冷却効果が高まり均質性も向上させることが
できる。このような効果を高めるためには、回転速度は
3G以上、さらに好ましくは5G以上となるように設定
する。
由から極めて重要であり、通常の管状の鋳造体を得る時
の条件とは全く異なる条件が選定される。通常の遠心鋳
造では、溶湯が溶けている状態で長手方向に均一な厚さ
で流れ込むように、また湯境等の鋳造欠陥が生じないよ
う鋳造は短時間で行われる。
先に鋳型に供給された溶湯の凝固が進行していることが
重要であり、単位時間の溶湯供給量Mを、鋳型内壁の総
面積Sで除したM/Sの値は小さい方が望ましい。具体
的には、M/Sは次式の範囲内として、鋳造する。 M/S≦0. 5g/cm2 ・秒 ‥‥‥ (1) さらに望ましくは M/S≦0. 3g/cm2 ・秒 ‥‥‥ (2) とする。このような条件で鋳造することにより、既に鋳
造された溶湯は、次の溶湯が供給される前に、凝固がほ
とんど終了するようになり、すなわち表面近傍が常に半
凝固状態となるため、例えばNd系磁石合金やSmFe
系磁石合金の場合、初晶のαFeの少ない、微細組織で
偏析の少ない合金インゴットを得ることが可能となる。
ところで、湯道上あるいは供給口での湯流れ性を確保
し、供給口の閉塞等の問題を起こさないようにするため
にはMはあるレベル以上とする必要がある。しかし、設
備の大型化とともに溶解量が増加し、鋳型の総面積Sも
大きくなるため、Mを小さくしなくても、M/Sを低い
値に設定するのが技術的に容易となる。
を2箇所以上から行うことによって、またさらに鋳型の
長手方向に往復運動させながら鋳造することによって、
鋳型内壁により均一に薄く供給することが可能となり、
さらに凝固層の発達を促進することができる。
心鋳造においては、鋳型の溶損を防止して鋳肌を改善
し、さらに鋳造インゴットを抜出しやすくするため、十
分な塗型剤が事前に塗布される。また、希土類磁石合金
の従来の鋳造法においても、鋳型の溶損を防止するため
鋳型には塗型材が塗布される場合が多い。これらの塗型
材は一般的に水ガラス等の水分を含むバインダを用いて
塗布されるため、使用前に十分乾燥する必要がある。ま
た、塗型材が合金内に巻き込まれ、磁石化後の磁気特性
に悪影響を及ぼす可能性もある。本プロセスでは単位面
積当たりの鋳型への熱負荷が小さいため、鋳型が溶損す
る危険性は無い。そのため、塗型材の使用は必ずしも必
要でない。そのため塗型材の塗布や乾燥等の工程を省く
ことが可能であり、生産性向上やコストの低減の上でも
工業プロセスとして適している。
ても内部に十分な空間が残されているため、インゴット
を取り出さずに次の原料をルツボに装入して溶解後、既
に鋳造済みの合金インゴットの内面に積層させて鋳造す
ることも可能となる。このような方法を用いることによ
り、金型の準備やインゴット取りだし等の作業を減ら
し、作業効率を大幅に高めることが可能となる。
造条件を規定し、さらに必要に応じて、溶湯の供給口を
増やし、供給口を鋳型の長手方向に往復運動させ、さら
に鋳型内面にAr等の不活性ガスを吹きつけ冷却を強化
することにより、鋳造された溶湯は次の溶湯が注ぎ込ま
れる前に凝固が進行するため、微細な組織で偏析の無
い、また後工程の粉砕工程に有害でかつ磁気特性に有害
なαFe等の生成の少ない、あるいは生成しても鋳造後
の熱処理で容易に消去可能な良好な合金インゴットの生
産が可能となる。
する。 実施例1 表1に示すように、合金インゴットの組成が、Nd:3
1. 5重量%、Dy:1. 5重量%、B:1. 05重量
%、Al:0. 35重量%、残部鉄になるように、鉄ネ
オジム合金、金属ディスプロシウム、フェロボロン、ア
ルミニウム、鉄を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、ア
ルミナるつぼを使用して高周波溶解炉で溶解し、図1に
示すような鋳型内径500mm長さ1000mmの遠心
鋳造装置を用いて、溶湯供給速度0. 25g/cm2 ・
秒で鋳造した。この時の鋳型の回転数は、遠心力が10
Gとなるように189rpmに設定した。得られた合金
インゴットの厚さは5〜6mmであり、その断面のマク
ロ組織は柱状晶であった。さらに、その断面の組織を反
射電子顕微鏡で観察した結果、表2に示すようにαFe
の存在しないRリッチ相も微細に分散した良好な組織と
なっていた。
中においてブラウンミルで35メッシュ以下まで粉砕し
た後、さらに窒素ガス中においてジェットミルで4μm
まで微粉砕した。次いで得られた微粉末を10KOe、
1tonf/cm2 の条件で磁場成形し、10×10×
10mmの成形体を得た後、真空中1060℃にて2時
間焼結し、さらに真空中580℃にて1時間の時効処理
した。得られた焼結磁石の磁気特性を表3に示す。最大
磁気エネルギー積は37. 5MGOeと極めて良好な磁
気特性を示した。
と以外は実施例1と同様の方法で合金インゴットを製造
した。得られた合金インゴットの断面のマクロ組織は柱
状晶組織であったが、反射電子顕微鏡観察では、表2に
示すように自由面側から約2mmの深さまでの範囲に多
量の樹枝状晶αFeが認められた。
と同様の方法で粉砕を行った。しかし粉砕性は悪く、同
じ4μmの粉末を得るのに、実施例1の場合よりも約
1. 5倍の時間を要した。つぎに実施例1と同様な条件
で焼結磁石を作製し、得られた焼結磁石の磁気特性を評
価した。その結果は表3に示すようにBrが低下し、最
大エネルギー積も不十分な値となった。
1. 0重量%、Dy:1. 5重量%、B:1. 05重量
%、Al:0. 35重量%、残部鉄になるように配合
し、組成以外については実施例1と同じ装置、同じ条件
で鋳造しインゴットを製作した。得られたインゴットの
マクロ組織は、ほぼ全面柱状晶組織であった。さらに断
面の組織を反射電子顕微鏡で観察したところ、表2に示
すように樹枝状晶αFeは自由面側から約0. 1mmの
深さまでの範囲に少量認められた以外は認められなかっ
た。またRリッチ相が微細に分散していた。
と同様の方法で粉砕を行ったところ、粉砕性は良好であ
り、4μmの粉末を得るのに要した時間は実施例1とほ
とんど同じであった。つぎに実施例1と同様な条件で焼
結磁石を作製し、得られた焼結磁石の磁気特性を評価し
た。その結果は表3に示すように最大エネルギー積は4
0. 2MGOeと極めて良好な磁気特性を示した。
だし、鋳造開始から合金インゴットが十分冷却するまで
鋳型内壁に向けてアルゴンガスを吹込み続けた。得られ
た合金インゴットの厚さは5〜6mmであった。その断
面のマクロ組織は柱状晶組織であった。さらに断面の組
織を反射電子顕微鏡で観察したところ、表2に示すよう
にαFeの存在しない、Rリッチ相も微細に分散した良
好な組織となっていた。
と同様の方法で粉砕を行ったところ、粉砕性は良好であ
り、4μmの粉末を得るのに要した時間は実施例1とほ
とんど同じであった。つぎに実施例1と同様な条件で焼
結磁石を作製し、得られた焼結磁石の磁気特性を評価し
た。その結果は表3に示すように最大エネルギー積は4
0. 7MGOeと極めて良好な磁気特性を示した。
ディスプロシム、フェロボロン、アルミニウム、鉄を配
合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナるつぼを使用
して高周波溶解炉で溶解し、銅製水冷箱型鋳型に鋳造し
た。得られた合金インゴットの厚さは30mmであっ
た。その断面のマクロ組織は中央部付近が幅約5mmの
等軸晶組織であった。さらに断面の組織を反射電子顕微
鏡で観察したところ、表2に示すように中央部付近の幅
約10mmの範囲で、多量の樹枝状のαFeが生成して
いた。またマクロ偏析も認められ、Rリッチ相が少ない
部分と、逆に樹枝状晶αFeの生成量は少ないがRリッ
チ相が多い部分が散見された。さらに合金インゴットの
中央部付近には、磁気特性を低下させるR2 Fe17相が
生成していた。
と同様の方法で粉砕を行った。しかし粉砕性はかなり悪
く、同じ4μmの粉末を得るのに、実施例1〜実施例3
の場合の約3倍の時間を要した。つぎに実施例1と同様
な条件で焼結磁石を作製し、得られた焼結磁石の磁気特
性を評価した。その結果は表3に示すようにBrがかな
り低下し、最大エネルギー積も極めて不十分な値となっ
た。
9. 4重量%、Dy:1. 5重量%、B:1. 05重量
%、Al:0. 35重量%、残部鉄になるように、溶解
し、図2に示す装置を用いて、鋳型内壁に向けてアルゴ
ンガスを吹込み続けながら、189rpmで回転してい
る内径500mmφ長さ1000mmの鋳型に、溶湯を
供給速度0. 25g/cm2 ・秒で鋳造した。他の鋳造
条件は実施例1と同じとした。アルゴンガスは合金イン
ゴットが十分冷却するまで吹込み続けた。得られたイゴ
ットのマクロ組織は柱状晶組織であった。さらに断面の
組織を反射電子顕微鏡で観察したところ、自由面側から
測定して約0. 5mmから約3mmの深さまでの範囲に
樹枝状晶αFeが微細に生成していた。そこで、合金イ
ンゴットに真空中1050℃にて3時間の熱処理を施
し、断面の組織を反射電子顕微鏡で観察したところ、表
2に示すようにαFeは完全に消滅していることが確認
できた。
と同様の方法で粉砕を行ったところ、粉砕性は良好であ
り、4μmの粉末を得るのに要した時間は実施例1とほ
とんど同じであった。つぎに実施例1と同様な条件で焼
結磁石を作製し、得られた焼結磁石の磁気特性を評価し
た。その結果は表3に示すように最大エネルギー積は4
3. 0MGOeと極めて良好な磁気特性を示した。
解鋳造方法にて、インゴット厚さ30mm用の銅製水冷
箱型鋳型に鋳造した。得られたインゴットの断面のマク
ロ組織は、鋳肌付近は柱状晶組織であったが、大部分は
等軸晶組織であった。さらに断面の組織を反射電子顕微
鏡で観察したところ、ほぼ全面に、多量の樹枝状晶αF
eが生成しており、さらに偏析により、Rリッチ相が少
ない部分と、逆に樹枝状晶αFeの生成量は少ないがR
リッチ相が多い部分がかなり認められた。また磁気特性
を低下させるR2 Fe17相も広い範囲で多量に生成して
いた。この合金インゴットに真空中1050℃にて24
時間の熱処理を施したが、表2に示すようにαFeはな
かり残存しており、R2Fe17相も残存していた。ま
た、主相のNd2 Fe14B結晶粒が粗大化し、Rリッチ
相は大きなプール状となって偏在していた。
と同様の方法で粉砕を行った。しかし粉砕性はかなり悪
く、同じ4μmの粉末を得るのに、実施例1〜実施例4
の約2倍の時間を要した。つぎに実施例1と同様な条件
で焼結磁石を作製し、得られた焼結磁石の磁気特性を評
価した。その結果は表3に示すようにBrが低下し、減
磁曲線の角型性も悪く、そのため最大エネルギー積が極
めて不十分な値となった。
料として最適な、磁性を担う主相に近い合金を経済的に
製造することが可能となり、極めて有用である。
た遠心鋳造設備の概略図である。
た遠心鋳造設備の概略図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 希土類元素を含む磁石用の合金を溶解
後、単位時間当たりの溶湯供給量Mを鋳型内壁面積Sで
除した値M/Sを次式の範囲内として、遠心鋳造するこ
とを特徴とする希土類磁石合金の製造方法。 M/S≦0. 5g/cm2 ・秒 ‥‥‥ (1) - 【請求項2】 鋳型内面への溶湯の供給を2箇所以上か
ら行うことを特徴とする請求項1に記載の希土類磁石合
金の製造方法。 - 【請求項3】 溶湯の供給口を鋳型の長手方向に往復運
動させながら鋳造することを特徴とする請求項1または
請求項2に記載の希土類磁石合金の製造方法。 - 【請求項4】 鋳型内空間部に設けたガス冷却ノズルか
ら、鋳型内壁に向けてガスを吹込み、冷却しながら、鋳
造することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載
の希土類磁石合金の製造方法。 - 【請求項5】 希土類磁石合金がNdFeB系磁石合金
であることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載
の希土類磁石合金の製造方法。 - 【請求項6】 鋳造後、合金インゴットを900℃以上
1150℃以下で熱処理することを特徴とする請求項1
ないし請求項5に記載の希土類磁石合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6147808A JP2817624B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 希土類磁石合金の製造方法 |
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JP6147808A JP2817624B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 希土類磁石合金の製造方法 |
Publications (2)
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JPH0813078A JPH0813078A (ja) | 1996-01-16 |
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1994
- 1994-06-29 JP JP6147808A patent/JP2817624B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7442262B2 (en) | 2001-12-18 | 2008-10-28 | Showa Denko K.K. | Alloy flake for rare earth magnet, production method thereof, alloy powder for rare earth sintered magnet, rare earth sintered magnet, alloy powder for bonded magnet and bonded magnet |
US7571757B2 (en) | 2001-12-18 | 2009-08-11 | Showa Denko K.K. | Alloy flake for rare earth magnet, production method thereof, alloy powder for rare earth sintered magnet, rare earth sintered magnet, alloy powder for bonded magnet and bonded magnet |
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Publication number | Publication date |
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JPH0813078A (ja) | 1996-01-16 |
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