JP2002301554A - 遠心鋳造方法、遠心鋳造装置、それにより製造した合金 - Google Patents

遠心鋳造方法、遠心鋳造装置、それにより製造した合金

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JP2002301554A JP2001262227A JP2001262227A JP2002301554A JP 2002301554 A JP2002301554 A JP 2002301554A JP 2001262227 A JP2001262227 A JP 2001262227A JP 2001262227 A JP2001262227 A JP 2001262227A JP 2002301554 A JP2002301554 A JP 2002301554A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝固冷却速度の高い鋳造方法、鋳造装置を提
供する。そしてこの鋳造方法により、デントライト状α
Fe相の発生、あるいはMn等の偏在相を抑え、高性能
のR-T-B系希土類磁石用合金やミッシュメタルニッケ
ル系水素吸蔵合金等を提供する。また従来では鋳造する
ことが困難であった、Ti、Mo等の高融点金属を含む
合金の鋳造方法、鋳造装置を提供する。 【解決手段】 溶湯31を回転体5に注ぎ、回転体の回
転によって溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転す
る円筒状鋳型4の内面で堆積凝固させる遠心鋳造方法で
あって、回転体の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとが
平行にならないように設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、希土類金
属、高融点金属、非金属等の急冷凝固による鋳造方法、
鋳造装置、鋳造した合金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、HDD(ハードディスクドライ
ブ)等のパソコン周辺機器、AV機器、家電機器等の高
性能化,軽量化,小型化に伴いNd系(ネオジム系)に
代表される希土類焼結磁石の需要が急激に増加してい
る。その代表的な合金は、鉄,ボロンを加えたNd2
14B組成に代表されるNd−Fe−B系合金である。
これら希土類磁石は磁気特性の向上あるいは資源的に制
限の多い希土類元素を有効活用し経済性を高めるため、
更には耐熱性,耐食性等の使用性能を高めるため、Nd
の一部をDy(ディスプロジム)、Pr(プラセオジ
ム)等の希土類元素で置換される場合が多く、Feの一
部はCo,Al,Cu等で置換あるいはこれらの元素が
添加される場合が多い。以下、これらの磁石を含めて、
特に希土類元素をNdに限定する必要が無い場合、R−
T−B系希土類磁石(R:希土類元素、T:遷移金属元
素)と総称する。一般に工業生産されているR−T−B
系希土類磁石は全て化学量論組成であるR214B組成
よりR含有量を若干多くした組成としており、磁石合金
インゴット中には希土類元素の濃度の高い相(以下Rリ
ッチ相と呼ぶ。)が生成する。Rリッチ相はR−T−B
系希土類磁石において次のような重要な役割を果たすこ
とが知られている。 (1)融点が低いため、磁石化工程の焼結時に液相とな
り磁石の高密度化、従って残留磁束密度の向上に寄与す
る。 (2)粒界の凹凸を無くし逆磁区のニュークリエーショ
ンサイト(nucleation site)を減少さ
せる働きをもつ。また、Rリッチ相は非磁性であり主相
を磁気的に絶縁することから保磁力を高める。 (3)Rリッチ相が水素を吸収し膨張することを利用
し、鋳造塊を解砕する場合に水素を吸収させRリッチ相
を膨張させ、その結果、合金鋳塊内部にクラックを発生
させ解砕することができる。Rリッチ相はいわゆる水素
解砕の基点となる。
【0003】近年、R−T−B系希土類磁石において磁
気特性、特に最大磁気エネルギー積(BHmax)をさ
らに向上させた磁石の開発が行われている。このような
高性能磁石においては磁性を担うR214B相(以下T
1相と呼ぶ。)の比率を高め、Rリッチ相を減少させる
必要性から希土類元素の合計含有量(以下TRE量と呼
ぶ。)を減らし、化学量論組成に近い組成とする必要が
生じている。その場合、合金の製造工程、磁石の製造工
程において最終製品の磁石磁気特性に影響する次のよう
な問題点が発生する。第一に、合金の溶解鋳造時の、例
えばNd−Fe−B三元系合金において、T1相は初相
のγFeと液相との包晶反応により生成することから、
TRE量(Rの合計量)の減少と共にγFeの変態した
αFe相が生成し易くなる。このαFe相はデンドライ
ト状に生成し、合金内に三次元的に繋がっているため磁
石製造工程における粉砕性を著しく阻害する。第二に、
TRE量を減少させると、Rリッチ相の存在割合が減少
するため、先に述べたRリッチ相による磁石の高密度
化、保磁力の向上効果が期待できなくなる。
【0004】このような問題を解決する鋳造方法として
ストリップキャスティング法(SC法)が開発された
(例えば特開平5−222488号公報、特開平5−2
95490号公報)。SC法とは、溶解した合金を水冷
した銅製の回転ロールにタンディッシュを介して導き、
ロールに触れて凝固したストリップ状のインゴットを連
続して生成させ、その後、粗粉砕して最終的にフレーク
状のインゴットを得る方法である。R−T−B系希土類
磁石合金をSC法にて鋳造する場合、厚さは0.2〜
0.4mm程度の非常に薄いものとすることができ、凝
固冷却を急速にできるため、溶湯はγFeの共存する液
相を通りぬけ、γFeを生成せず直接T1相が生成す
る。例えばNd−Fe−B三元系合金では、400kJ/
3以上の高性能磁石の製造が可能な、Nd含有量が1
2.7原子%(28.5質量%)程度の低いNd範囲ま
でデントライト状αFe相の生成なしに鋳造が可能とな
っている(Y.Hirose,H.Hasegawa,
S.Sasaki and M.Sagawa,Pro
ceedings of the 15th inte
rnational Workshop on Rar
e−Earth Magnetsand their
Applications,Volume 1,pag
e77−86,30 August−3 Septem
ber 1998,Dresden,German
y)。
【0005】SC法により鋳造された合金は凝固速度が
速いため短軸方向の結晶粒径が20〜30μmと比較的
小さい。図7に、SC法にて鋳造され、R含有量が1
1.8原子%(26.5質量%)以上のR−T−B系希
土類合金の断面組織を略図として示す。図7において
は、下面がインゴットの鋳型に接した面(鋳型面と称す
る)であり、上面がその反対側の面(自由面と称する)
になる。R214Bの化学量論組成より過剰のR成分は
凝固の際、凝固界面から排出され、3〜10μm程度の
間隔の、ラメラー状のRリッチ相30を生成する。この
Rリッチ相30は結晶粒29の結晶粒界28及び粒内に
も生成され、従来の箱型の鋳型に鋳込んだ合金と比べて
Rリッチ相30が微細均一に分布している。従って水素
解砕時の粉砕性は著しく改善され、解砕粒子は結晶粒径
の数分の一の大きさとなる。すなわちすべて単結晶粒子
からなる粉末を得ることができる。なお、図中、符号3
2で示される領域がT1相である。このような単結晶粒
子よりなる粉末は、その後の磁場成形時に磁化容易軸の
C軸方向に配向した成形体を得やすく都合がよい。しか
し、水素解砕を行わない機械的な解砕のみの場合、割れ
は粒界、粒内のRリッチ相を利用せずヘキ開破壊様式に
て粒内を貫通して伝播するため、粉砕粒の中に結晶粒界
28が含まれ単結晶でない粉末粒子が増えることにな
る。この結果、磁場成形時に配向度が低下するため焼結
後の磁化、磁気エネルギー積が低下することになる。
【0006】本発明者らは別の急冷凝固法として、回転
する鋳型の内側に配置した、往復運動し複数個のノズル
を備えた箱型のタンディッシュを介して、溶湯を回転鋳
型の内側に堆積凝固させる方法(CC(Centrif
ugal Casting)法)と装置を発明した(特
開平08−13078号公報、特開平08−33255
7号公報)。CC法では既に堆積凝固したインゴットの
上に次の溶湯が順次注がれ、追加鋳造されたその溶湯は
鋳型が1回転する間に凝固するため、凝固速度を速める
ことができる。そして、後から注がれる溶湯は既に凝固
したインゴットの表面で溶け合い、結晶はエピタキシャ
ルに成長するため、SC法より数倍大きな結晶粒径を有
した合金の製造が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CC法
でR含有量の低い合金を製造しようとすると、高温域の
冷却速度が遅いためSC法と比較してデントライト状α
Fe相の生成が避けられない。例えばNd−Fe−B三
元系合金では、Ndが14.4原子%(31.5質量
%)程度以下になるとデントライト状αFe相の生成が
みられてしまう。SC法ではこれが見られない。CC法
で凝固冷却速度を速めようとするために溶湯の堆積速度
を小さくすれば、凝固インゴットの温度が低下し、追加
された溶湯堆積層の温度低下速度が速まり凝固冷却速度
が速まることになる。しかし、CC法にて堆積速度を小
さくするには、以下のような課題がある。 (1)堆積速度は溶湯の単位時間あたりの供給量(供給
体積)を、鋳型の有効内面積で除した値であり、鋳型の
有効面積を大きくすれば良いことになる。すなわち溶解
鋳造量に対して大きな内径、あるいは大きな長さの鋳型
を用いればよいことになるが,設備が大型化し大きなチ
ャンバーが必要となり、不活性ガスの消費量も増加し経
済性が低下する。 (2)溶湯の供給量を減らし堆積速度を小さくするため
には、タンディッシュ内の溶湯のヘッドを小さくする必
要がある。その場合、溶湯供給が不均一となり鋳型の長
手方向に均一の厚さのインゴットを得ることが難しくな
る。従って溶湯の堆積速度も長手方向でばらつくことに
なり、インゴットの組織が不均一となる。 (3)溶湯の供給量を減らすとタンディッシュ内での溶
湯の温度低下が著しくなり安定した鋳造が難しくなる。 (4)堆積速度を小さくすると得られたインゴットの表
面に凹凸が形成しやすくなり商品価値が低下する。
【0008】以上は、R−T−B系希土類磁石合金につ
いて述べたが、二次電池の一つとして近年需要が増えて
いるニッケル水素電池の負極用材料として用いられるミ
ッシュメタルニッケル系の水素吸蔵合金についても同様
な問題がある。ミッシュメタルニッケル系の水素吸蔵合
金の基本となる金属間化合物は、Ce,La,Nd,P
r等の希土類元素の混合物であるミッシュメタルMと、
Niを基本とする遷移金属Tの比率が1:5のM15
である。遷移金属TはNiを主要元素として、水素吸収
放出の平衡圧の調整ならびに負極としての触媒特性、電
池としての充放電繰り返し特性等の諸特性を改善するた
め、Co,Al,Mn,Cu等の元素が添加されてい
る。M15相は、デントライト状αFe相の生成のよう
な問題は生じないが、通常の箱型の鋳型を用いた鋳造で
は添加元素中のMnが偏析し、充放電繰返し特性を低下
させる。そのため磁石用合金と同様に、ミッシュメタル
ニッケル系水素吸蔵合金においても超急冷法やSC法で
製造する方法が提案されている(特開平05−3207
92号公報)。
【0009】しかしながらこのような急冷法では、イン
ゴットに残留ひずみが残りやすく、それにより水素吸蔵
特性が低下するといった問題がある。発明者らは、ミッ
シュメタルニッケル系水素吸蔵合金についてもCC法に
よる製造法を考案したが(特開平09−180716号
公報)、凝固冷却速度が遅いためMnの偏析が避けられ
なかった。また、Ti、Mo、Nb、V、W、Ta、C
r等の高融点金属およびそれを含む合金や金属間化合物
は、均一に溶解すること自体も難しく、適当な急冷凝固
法は未だ開発されていない。
【0010】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、従来のCC法よりも凝固冷却速度の高い鋳造
方法、鋳造装置を提供することを目的とする。そしてこ
の鋳造方法により、デントライト状αFe相の発生、あ
るいはMn等の偏在相を抑え、高性能のR-T-B系希土
類磁石用合金やミッシュメタルニッケル系水素吸蔵合金
等を提供することを目的とする。また従来では鋳造する
ことが困難であった、Ti、Mo、Nb、V、W、T
a、Cr等の高融点金属を含む合金の鋳造方法、鋳造装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意努力検討した結果、本発明に到達した。
本発明に係る遠心鋳造方法の1つは、溶湯を回転体に注
ぎ、該回転体の回転によって溶湯を飛散させ、その飛散
した溶湯を回転する円筒状鋳型の内面で堆積凝固させる
遠心鋳造方法で、回転体の回転軸Rと前記円筒状鋳型の
回転軸Lとが平行にならないようにしたものである。こ
の回転体として底部と側壁を有した容器状で、該側壁に
孔部が形成されたものを使用し、該容器状回転体の開口
部に溶湯を注ぐことにより前記孔部から溶湯を飛散させ
るようにしたものが望ましい。回転体の回転方向と前記
円筒状鋳型の回転方向とは同一方向であることが望まし
い。本発明の他の遠心鋳造方法は、金属含有原料体を回
転させながら加熱溶解して、溶解した溶湯を回転により
飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型の内
面に堆積凝固させる遠心鋳造方法で、金属含有原料体の
回転軸Rと前記円筒状鋳型の回転軸Lとが平行にならな
いようにしたものである。この場合、金属含有原料体の
回転方向と円筒状鋳型の回転方向とが同一方向であるこ
とが望ましい。
【0012】これらの遠心鋳造方法では、溶湯が回転体
の回転により、または金属含有原料体の回転により1G
以上の力を受けるようにすることが望ましい。さらに、
溶湯が円筒状鋳型の回転により3G以上の遠心力を受け
るようにすることが望ましい。また、回転体の回転軸R
と前記円筒状鋳型の回転軸Lとで形成される傾斜角度θ
が5度〜40度の範囲内であることが望ましい。同様
に、金属含有原料体の回転軸Rと前記円筒状鋳型の回転
軸Lとで形成される傾斜角度θは5度〜40度の範囲内
であることが望ましい。また、円筒状鋳型内壁へ溶湯を
堆積凝固させるときの平均堆積速度は0.015cm/
秒以下とすることが望ましい。さらに、円筒状鋳型内壁
へ溶湯を堆積凝固させるときの平均堆積速度を0.01
0cm/秒以下とすることがより望ましい。さらに、円
筒状鋳型内壁へ溶湯を堆積凝固させるときの平均堆積速
度を0.005cm/秒以下とすることがより望まし
い。また、溶湯の凝固開始温度をT(K)としたとき、
該溶湯が円筒状鋳型内壁へ堆積凝固する時のインゴット
の平均表面温度が0.4T〜0.8Tとなるようにする
ことが望ましい。
【0013】本発明に係る遠心鋳造装置の1つは、回転
可能な円筒状鋳型と、該円筒状鋳型内に設けられた回転
体と、該回転体に溶湯を注ぐ供給装置とを具備し、回転
体は、前記円筒状鋳型の回転軸Lと前記回転体の回転軸
Rとが平行にならないように設けられ、回転体に注がれ
た溶湯が回転体の回転力によって飛散し、前記円筒状鋳
型の鋳型内壁に堆積凝固するようにしたものである。本
発明の他の遠心鋳造装置は、回転可能な円筒状鋳型と、
金属含有原料体をその少なくとも先端が該円筒状鋳型内
に位置するように装着し、金属含有原料体を回転させる
回転駆動機構と、アークまたはプラズマアークを発生さ
せて前記金属含有原料体を溶解する溶解装置とを具備
し、円筒状鋳型の回転軸Lと前記金属含有原料体の回転
軸Rとが平行にならないように設けられ、溶解した金属
含有原料体が回転による遠心力によって飛散し、前記円
筒状鋳型の鋳型内壁に堆積凝固するようにしたものであ
る。これらの遠心鋳造装置では、円筒状鋳型の回転軸L
と前記回転体の回転軸Rとで形成される傾斜角度θ、ま
たは、円筒状鋳型の回転軸Lと前記金属含有原料体の回
転軸Rとで形成される傾斜角度θが、溶湯の堆積時に可
変とされていることが望ましい。これらの遠心鋳造装置
では、円筒状鋳型及び/または回転体が、または、円筒
状鋳型及び/または金属含有原料体が、溶湯の堆積時
に、回転軸Lに沿って往復運動可能とされていることが
望ましい。
【0014】本発明の遠心鋳造方法では、円筒状鋳型の
回転軸Lと前記回転体の回転軸Rとで形成される傾斜角
度θ、または、円筒状鋳型の回転軸Lと前記金属含有原
料体の回転軸Rとで形成される傾斜角度θを溶湯の堆積
時に変化させることが望ましい。また、円筒状鋳型及び
/または回転体を、溶湯の堆積時に、回転軸Lに沿って
往復運動させることが望ましい。同様に、円筒状鋳型及
び/または金属含有原料体を、溶湯の堆積時に、回転軸
Lに沿って往復運動させることが望ましい。本発明の遠
心鋳造方法は、希土類磁石合金の鋳造に適している。希
土類磁石合金としては、希土類元素としてNd、Pr、
Dyのいずれか一種以上を含むものが好適である。特
に、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計
で11.0〜15.2原子%含むことが望ましい。さら
には、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合
計で11.8〜14.4原子%含むことがより望まし
い。また、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素
を合計で11.8〜13.5原子%含むことがより望ま
しい。また、本発明は、R(R:少なくともNd、P
r、Dyのいずれか一種を含む希土類元素)−T(T:
Feを含む遷移金属)−B系希土類磁石合金の鋳造に好
適である。
【0015】本発明の遠心鋳造方法で得られた希土類磁
石合金を900〜1150℃の範囲内の温度で熱処理す
ることで希土類磁石合金を製造できる。また、本発明の
遠心鋳造方法で得られた希土類磁石合金を、粉砕、又
は、900〜1150℃の範囲内の温度で熱処理後に粉
砕することで希土類磁石用合金粉末を製造できる。ま
た、この製造方法で得られた希土類磁石用合金粉末を使
用して焼結磁石が得られる。また、これらの製造方法で
得られた希土類磁石用合金粉末をHDDR処理して異方
性ボンド用磁石粉末が製造できる。そして、この異方性
ボンド用磁石粉末を使用して異方性ボンド磁石を製造で
きる。
【0016】また、本発明により、鋳造後未処理の希土
類磁石用合金で、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上
の元素を合計で11.0〜15.2原子%の範囲内で含
有し、鋳造品の厚さ方向断面にてデントライト状αFe
相を含む組織が占める面積率が10%以下であり、前記
鋳造品の厚さが3〜30mmの範囲内である希土類磁石
用合金が得られる。また、鋳造後未処理の希土類磁石用
合金で、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を
合計で11.0〜15.2原子%の範囲内で含有し、鋳
造品の厚さ方向断面にてデントライト状αFe相を含む
組織が占める面積率が10%以下であり、長軸径が10
00μm以上の結晶粒が占める面積率が10〜98%の
範囲内である希土類磁石用合金が得られる。また、鋳造
後未処理の希土類磁石合金で、鋳造品厚さ方向断面にて
デントライト状αFe相を含む組織が占める面積率が1
0%以下であり、前記鋳造品の厚さが3〜30mmの範
囲内であるR−T−B系希土類磁石用合金が得られる。
また、鋳造後未処理の希土類磁石合金で、鋳造品厚さ方
向断面にてデントライト状αFe相を含む組織が占める
面積率が10%以下であり、長軸径が1000μm以上
の結晶粒が占める面積率が10〜98%の範囲内である
R−T−B系希土類磁石用合金が得られる。また、鋳造
後未処理の希土類磁石用合金で、Nd、Pr、Dyのい
ずれか一種以上の元素を合計で11.0〜15.2原子
%の範囲内で含有し、鋳造品厚さ方向断面にて実質的に
デントライト状αFe相を含まず、鋳造品の厚さが3〜
30mmの範囲内である希土類磁石用合金が得られる。
また、鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、Nd、P
r、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.0〜
15.2原子%の範囲内で含有し、鋳造品の厚さ方向断
面にて実質的にデントライト状αFe相を含まず、長軸
方向1000μm以上の結晶粒が占める面積率が50〜
98%の範囲内であり、鋳造品の厚さが3〜30mmの
範囲内である希土類磁石用合金が得られる。また、鋳造
後未処理の希土類磁石用合金で、Nd、Pr、Dyのい
ずれか一種以上の元素を合計で11.0〜15.2原子
%の範囲内で含有し、鋳造品厚さ方向断面にて実質的に
デントライト状αFe相を含まず、長軸方向1000μ
m以上の結晶粒が占める面積率が50〜98%でかつ短
軸方向の平均結晶粒径が60μm以上であり、鋳造品の
厚さが3〜30mmの範囲内である希土類磁石用合金が
得られる。これらの希土類磁石用合金においては、N
d、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素の合計が、1
1.8〜14.4原子%の範囲内であることが望まし
い。さらに、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元
素の合計が、11.8〜13.5原子%の範囲内である
ことがより望ましい。また、鋳造品の厚さが、5〜20
mmの範囲内のものが望ましい。
【0017】本発明は、希土類系水素吸蔵合金の鋳造に
好適である。特に、希土類系水素吸蔵合金がミッシュメ
タルニッケル系であることが望ましい。鋳造する金属、
合金、金属間化合物の融点または凝固開始温度は140
0℃以上であることが望ましい。また、金属、合金、金
属間化合物にTiが含まれるものを鋳造できる。上記希
土類磁石合金を二合金混合法による希土類磁石用の主相
系合金とした希土類磁石合金が望ましい。また、上記希
土類磁石用合金粉末を二合金混合法による希土類磁石用
の主相系合金粉末とした希土類磁石粉末が望ましい。上
記希土類磁石用合金を使用して焼結磁石が製造される。
特に、上記希土類磁石粉末からなる主相系合金粉末と、
Nd、Pr、Dyの元素の合計割合が前記主相系合金粉
末中のNd、Pr、Dyの元素の合計割合よりも多い粒
界相系合金粉末とを混合して焼結磁石が製造される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る1つの遠心鋳造方法
は、溶湯を回転体(この回転体の回転軸をRとする。)
に受け、該回転体の回転によって溶湯を飛散させ、その
飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型(この円筒状鋳型の
回転軸をLとする。)の内面で堆積凝固させ、溶湯の堆
積凝固物(インゴット)を製造する遠心鋳造方法であっ
て、回転軸Rと回転軸Lとの間に形成される傾斜角度θ
が0にならないように、即ち、回転軸Rと回転軸Lとが
平行にならないようにしたものである。この方法を実施
する遠心鋳造装置を図1を用いて説明する。図示例の遠
心鋳造装置では、溶解チャンバー1と鋳造チャンバー2
とが接続されて、密封されている。そして、溶解チャン
バー1中にルツボ3が配備され、鋳造チャンバー2中
に、円筒状鋳型4が配備されている。ルツボ3は、金
属、合金、金属間化合物等を加熱溶解し液体状として溶
湯31とする。溶解方法としては抵抗加熱、誘導加熱に
よる方法やアーク溶解、プラズマアーク溶解による方法
等が例示できる。また溶解する雰囲気としては、大気
中、真空中、不活性ガス雰囲気中などがある。本発明の
遠心鋳造方法は特に、希土類元素や高融点金属を含む物
質の鋳造に適しており、この場合の溶解方法としては、
真空中あるいは不活性ガス中での高周波誘導加熱、ある
いはプラズマ加熱が適している。不活性ガスとしては、
通常アルゴンガスが使用されるが、冷却速度を速めると
きには熱伝導度が大きいヘリウムガスが好ましい。ま
た、溶解方法としてプラズマアークを用いる場合は、不
活性ガスと共に水素ガスを併用すると溶解エネルギーを
増加できるため好ましい。
【0019】円筒状鋳型4は回転軸Lを中心に回転可能
に鋳造チャンバー2内に設けられ、図示例では、その外
周面に鋳型駆動機構8が接続されており、この鋳型駆動
機構8の回転駆動力に応じて回転されるようになってい
る。円筒状鋳型4の一側面には、貫通孔が形成されてお
り、後述する溶湯の供給装置が挿入される。この円筒状
鋳型4内には、回転体5が配備され、また、ルツボ3中
の溶湯を回転体5に注ぐ供給装置が溶解チャンバー1か
ら鋳造チャンバー2にかけて設けられている。図1に示
す例では、供給装置は溶湯を流動させて回転体5に導く
湯道6により構成されている。回転体5には、回転駆動
機構9が接続されており、回転軸Rを中心に回転するよ
うになっている。即ち、回転駆動機構9に設けられてい
る駆動モータ10により発生した駆動力が回転体5に伝
達され、回転するようになっている。そして、回転体5
に注がれた溶湯31は、回転体5の回転によって周囲に
向けて飛散し、円筒状鋳型4の内壁に堆積凝固し、イン
ゴット7が製造される。尚、図1に示す例では、回転駆
動機構9は供給装置である湯道6と同方向側から回転体
5に接続されているが、これに限られるものではない。
例えば、円筒状鋳型の2つの側面の貫通孔を形成し、湯
道6とは反対側から回転体5に回転駆動機構9を接続し
てもよい。
【0020】回転体の形状としては回転軸Rを中心とし
た回転対称形や、その回転対称形に部分的に突起物、溝
部、孔部等を有するものが好ましい。例えば、図2
(a)に示すように円盤状の回転体、図2(b)に示す
ように中心が窪むような斜面からなる回転体、図2
(c)に示すように中心が突出するようなコーン状の回
転体が挙げられる。さらに、これらの表面に突起部や溝
部を有する形状でもよく、また、図1に示されているよ
うに、底部と側壁を有する容器状で、その側壁に複数の
孔部11を有する形状でもよく、特にこの容器状回転体
が好ましい。容器状回転体の場合、溶湯はその内部に供
給され、回転する回転体の遠心力により、溶湯は側壁に
形成されている孔から飛散する。尚、図2においては、
溶湯の供給方向は図の上方からで、各回転体には、溶湯
の供給の反対側に回転駆動機構9が接続されている例を
示している。このように、溶湯を回転体で飛散させるこ
とにより、しかも、回転体の熱容量を小さくすることに
より、溶湯を回転体上で凝固させず、円筒状鋳型の内壁
にて堆積凝固させることができる。
【0021】本発明の回転体5は、従来のCC法で用い
る箱型のタンディッシュより体積をかなり小さくするこ
とができるため、熱容量を小さくできる。すなわち、溶
湯の単位時間当たりの供給量が少なくても、放熱が少な
く、溶湯の温度低下が避けられるようになる。溶湯の円
筒状鋳型への平均堆積速度は溶湯の単位時間当たりの鋳
造量(体積)Vを鋳造面積Sで除した値V/S(単位
は、cm/秒)であるが、本発明の遠心鋳造方法および
遠心鋳造装置は、Vを小さく、Sを大きくできるため従
来の鋳造装置よりV/Sを小さくすることが容易とな
る。本発明の回転体5の材質は、耐熱性、熱伝導度等を
考慮すれば、鋼材、ステンレス鋼や銅合金等を用いて作
製するのが好ましい。また溶湯と直接接する部分には断
熱保温性の良好な耐火物をライニングすることが好まし
い。具体的な耐火物としては、アルミナ質、ムライト
質、ジルコニア質、カルシア質、マグネシア質等が例示
できる。特に、R−T−B系希土類合金あるいはミッシ
ュメタルニッケル系水素吸蔵合金を鋳造する場合におい
てはライニング材としてアルミナ質の耐火物を用いるこ
とが好ましい。また、高融点の金属を鋳造する場合に
は、熱伝導性の良い純銅あるいは銅合金を選択し、必要
に応じて水冷することが好ましい。
【0022】本発明の回転体5の寸法は、溶解鋳造量お
よび注湯速度に合わせて選ぶ必要がある。例えば溶解鋳
造量が50kgから500kgの範囲において、上部が
開口した側壁が円筒状の容器状回転体を用いる場合は、
内径として200mmから400mmの範囲内で選ぶこ
とが好ましい。容器状回転体の長さは必ずしも制約はな
いが一般的には内径よりやや小さめとするのが好まし
い。回転体が容器状回転体であって、溶湯を飛散させる
ための孔部11を形成する場合、孔部11は容器状回転
体の内側から外側に側壁を貫通させて形成し、また、鋳
型内に均一に分散させ、より均質の微細組織のインゴッ
トを得るためにも孔部11の数は複数個設けることが望
ましい。個々の孔部11は、特に溶湯の温度低下のため
に鋳造初期に発生しやすい孔部閉塞を防ぐためには、直
径を1mm以上とし、より望ましくは直径1.5mm以
上とする。一方で、インゴットの均質性を向上するため
には直径は5.0mm以下、さらに望ましくは直径が
3.0mm以下とするのが望ましい。孔部の径は容器状
回転体5に設ける孔部の数を多くするときは小さめと
し、少なくするときは大きめとする必要がある。目安と
して、孔部の開口部の総面積、すなわち、各孔部の直径
をD、個数をNとして、N×πD2/4が一定となるよ
うな種々の組合せの中から選択することが好ましい。回
転体の回転速度は、次のような要因を考慮して決める。
即ち、回転体から噴出される溶湯流の流出速度が、上部
方向に飛ぶときも鋳型の内壁に到達できるよう、さらに
十分な速度を維持して衝突できるように、十分な回転速
度となるようにする。例えば容器状回転体の場合、溶湯
の粘性を無視すれば、溶湯の容器状回転体の半径方向へ
流出速度Vrは、容器状回転体の側壁に遠心力によって
押しつけられた円筒状の溶湯の幅をh、容器状回転体の
内壁面での遠心力をαとして、Vr=(2αh)1/2
与えられる。αは、容器状回転体の内壁面の直径をD
i、回転速度をRt(単位時間当り回転数)として、α
=2Di×(πRt)2で与えられるため、Vr=2πR
t(Dih)1/2となる。この速度と容器状回転体の円周
方向の周速度Vsとのベクトル和、すなわち、容器状回
転体の外壁部の直径をRoとして、Vs=π×R0×Rt
とのベクトル和が、重力の影響による減速を考慮しても
十分な速度を維持して、鋳型の内壁面に衝突するような
条件を選定する必要がある。回転体5の回転によって飛
散された溶湯は、回転軸Lで回転する円筒状鋳型4の内
面で堆積凝固する。この際、回転体の回転軸Rと円筒状
鋳型の回転軸Lとで形成される傾斜角度θが0でないよ
うに、即ち、回転軸Rと回転軸Lとが平行にならないよ
うにする。堆積凝固とは、溶湯を一度鋳型壁または既に
堆積凝固しているインゴット上にて衝突させた後に凝固
させることを意味する。また、鋳造中に既に堆積凝固し
ている凝固膜をかき落としながら鋳造を行っても良い
し、また凝固膜の上に更に追加して溶湯を堆積させ凝固
させても良い。本発明では特に、既に凝固している膜の
上に更に追加して溶湯を堆積させることにより、エピタ
キシャル成長を促進し、大きな結晶粒径を実現すること
ができる。
【0023】本発明で堆積凝固する溶湯は、円筒状鋳型
の内壁への遠心力による押しつけにより均質性を増し、
また円筒状鋳型への熱移動が促進されるため、冷却速度
を増やすことができる。この際、回転体5の回転軸Rと
円筒状鋳型4の回転軸Lとで形成される傾斜角度θが0
にならないように配置し、更に回転体ならびに円筒状鋳
型をともに回転させることにより、円筒状鋳型の内壁の
広い範囲に溶湯を堆積凝固させることが可能となる。こ
の場合、両者の回転速度(単位時間あたりの回転数、例
えば単位rpm)を一致させると、溶湯が堆積する場所
が限定されてしまい、円筒状鋳型の内側の限定された領
域に厚いインゴットが形成されてしまう。この場合に
は、目的とする堆積速度を小さくしたインゴットを得る
ことができなくなるため、このような鋳造条件は避けな
ければいけない。また両者の回転速度が近い場合も、溶
湯の堆積場所が限定されやすくなるため、均一なマイク
ロ組織のインゴットを得るのが難しくなる。また、両者
の回転数が特定の値の場合、円筒状鋳型の内面の、特定
の部位に溶湯が選択的に堆積し、堆積物の均一性が損な
われる場合があり、このような条件も避ける必要があ
る。このような鋳造条件に起因する組織の不均一化を避
けるため、両者の回転速度は少なくとも10%以上さら
に望ましくは20%以上差を設けるのが好ましい。本発
明では、回転体5の回転軸Rと円筒状鋳型4の回転軸L
とで形成される傾斜角度θは、一般的には、0゜<θ<
90゜である。この場合、回転軸Rと回転軸Lが同一平
面内にない場合も含み、この際の傾斜角は、一方の回転
軸を他方の回転軸を含む平面に射影し、その射影した平
面における回転軸Rと回転軸Lのなす傾斜角を用いる。
【0024】本発明の遠心鋳造装置を、円筒状鋳型の回
転軸Lが地面に対して水平となるよう設置する場合、鋳
型の回転速度は溶湯が鋳型の上部に達した時に溶湯が重
力により落下しないように、少なくとも溶湯に加わる遠
心力が1G以上となるように円筒状鋳型の回転速度を設
定することが望ましい。さらに遠心力を大きくすると、
鋳造された溶湯が遠心力で鋳型内壁に広がりやすくな
り、冷却効果が高まり均質性も向上する。このため本発
明の遠心鋳造方法では、円筒状鋳型の回転速度を好まし
くは3G以上、さらに好ましくは5G以上となるように
設定する。鋳型の回転軸Lを地面に対し鉛直方向に設置
するときも、その回転速度を選定するときの基準は水平
方向にするときと基本的には大きく変わらない。従来の
CC法では、溶湯は箱型のタンディッシュの孔部を介し
て、回転移動する鋳型面に、重力による自然落下により
供給される。この方法では、堆積凝固したインゴットの
凸部に溶湯が衝突し易く、堆積凝固したインゴットの凹
凸はさらに成長する傾向がある。特に、凝固冷却速度を
速くするため堆積速度を小さくした場合、溶湯が遠心力
により均一に広がる前に凝固するため、凹凸が顕著にな
る傾向にある。このような現象により、従来のCC法で
堆積速度を小さく設定すると、得られるインゴットの商
品価値が極めて下がる。対して、本発明では、溶湯の飛
散に回転体や容器状回転体を用いることにより、溶湯に
遠心力等を加え、溶湯をより高速度で鋳型内壁に供給す
るため、既に堆積凝固したインゴットに凹凸が生じてい
たとしても、溶湯は凹部にも均一に供給され易くなる。
また、円筒状鋳型の遠心力が加わって、溶湯はより均一
に広がり凝固するようになる。すなわち、凹凸の少ない
滑らかな表面のインゴットを造ることができる。
【0025】本発明に用いる円筒状鋳型の形状について
は、装置の作りやすさ、鋳造のしやすさ、鋳型の保守や
セットのしやすさ、鋳造インゴットの取り出しやすさ等
の作業性を考慮して、決めることができる。特に本発明
では、回転体の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとがあ
る傾斜角度θを成し、あるいはその傾斜角度θが可変な
構造として、また、回転体が鋳型のほぼ中央部に配置さ
れる構造であるため、円筒状鋳型の内径は少なくとも5
00mm以上とし、円筒状鋳型の幅は鋳型内径の2倍以
下とするのが適当である。本発明で円筒状鋳型の配置方
向は必ずしも限定されない。例えばその回転軸Lが鉛直
方向になるようにすることもできるし、円筒状鋳型の回
転軸Lを水平方向とすることもできる。本発明の円筒状
鋳型の材質としては、一般的には入手性、加工のし易さ
から鋳鉄、あるいは例えば、JIS G 3193で規定
される熱間圧延鋼板や、JISG 3106で規定され
る溶接構造用圧延鋼材等の鋼材を用いて造ることが望ま
しい。さらに鋼材より熱伝導の良好な銅あるいは銅合金
を用いることができる。鋳型の厚さは、インゴットの冷
却能に影響することから、その選定は重要である。本発
明では、鋳造しようとするインゴットの厚さに対し3倍
以上の鋳型厚さ、さらに好ましくはインゴットの厚さに
対し5倍以上の鋳型厚さとすることにより冷却能を大き
くすることができる。これにより、鋳造終了後のインゴ
ットの冷却速度を高め、また鋳造後のインゴットを取り
出す際のインゴットの酸化を抑制し、また作業者への熱
的な負荷を低減することができる。
【0026】上述した例では、ルツボから溶湯を回転体
に供給し、その回転体を回転させることによって溶湯を
飛散させて円筒状鋳型の内壁に堆積凝固する手段を説明
したが、これに限られるものではない。例えば、図3に
示すように、棒状に成形した金属含有原料体25を回転
駆動機構9に装着し、この金属含有原料体25を回転さ
せながら、アークまたはプラズマアーク27を発生する
溶解手段で溶解しても良い。即ち、溶解手段としてプラ
ズマトーチ26を用い、金属含有原料体25をプラズマ
アーク27で溶解すればよい。プラズマトーチ26には
アーク電流導入線33により電流が供給される。この
際、図4に示すように、溶解位置を金属含有原料体25
の先端における回転軸R上から若干ずらすことにより、
溶湯は金属含有原料体25の回転に伴う遠心力により回
転軸Rとほぼ直角方向に飛散させることができる。この
飛散した溶湯を、回転軸Lを中心にして回転する円筒状
鋳型4の内表面に堆積凝固させる。金属含有原料体25
の回転駆動機構9への装着手段は特に制限されるもので
はなく、ねじ込みや、挟持、溶接等の周知の種々の手段
を適用できる。この方法であれば、溶解手段を要する
が、金属含有原料体を直接回転させるものなので、ルツ
ボ、湯道、回転体を省略することができる。上述した本
発明の遠心鋳造方法では、回転体または金属含有原料体
の回転方向と円筒状鋳型の回転方向とを同じにするのが
好ましい。回転方向を逆にした方が回転体または容器状
回転体と円筒状鋳型との相対速度は上がるが、この場合
には溶湯が円筒状鋳型に衝突する際の溶湯の入射角が小
さくなり、溶湯が円筒状鋳型に乗らずに飛散する溶湯ス
プラッシュと呼ばれる現象が発生しやすく、歩留まりの
低下を招く。
【0027】本発明では、溶湯の平均堆積速度を小さく
する効果を増すため、回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸L
とが成す傾斜角度θを、好ましくは5度以上、より好ま
しくは10度以上、最も好ましくは15度以上とする。
しかしながら、40度を超えて円筒状鋳型と容器状回転
体等を配置するのは装置の構造上困難であるだけでな
く、回転体等から飛散し鋳型に衝突した溶湯の溶湯スプ
ラッシュが発生し易くなり、鋳型の外に飛散してしまう
溶湯の比率が増え、歩留まりが低下しやすくなる。この
ため本発明の鋳造方法では傾斜角度θは、35度以下が
好ましく、30度以下がより好ましい。さらに、円筒状
鋳型の回転軸Lと回転体または金属含有原料体の回転軸
Rとの成す傾斜角度θを、上記の範囲内で変化させなが
ら鋳造することがより望ましい。これは、傾斜角度θを
固定すると、円筒状鋳型の内壁の両端付近でインゴット
が厚くなり、逆に内壁の中央付近でインゴットが薄くな
りやすいからである。傾斜角度θを変化させながら鋳造
することにより、得られるインゴットの厚さ分布をより
均一化することができる。この場合は、一時的に傾斜角
度θが0となることは当然含まれて良い。例えば、傾斜
角度θを−20度から20度の範囲で連続的あるいは不
連続的に変化させることができる。この際、傾斜角度θ
が、5度〜40度の範囲内の角度を含むようにすること
が好ましい。
【0028】また、本発明では、円筒状鋳型4または回
転体5を鋳造中に回転軸Lに沿って往復運動させること
も、溶湯の堆積凝固物を円筒状鋳型の内面で、均一な厚
さ分布としやすくなる。即ち、円筒状鋳型4と回転体5
とを相対的に移動させればよく、円筒状鋳型4を往復運
動させなくとも、回転体5のみを回転軸Lに沿って往復
運動させても良い。この際、傾斜角度θを変化させる機
構、および回転軸Lに沿って円筒状鋳型等を往復運動さ
せる機構は、それぞれを単独で作動させてもよいが、同
時に作動させるとより好ましい。本発明において凝固冷
却速度を速くするためには溶湯の、円筒状鋳型内壁への
平均堆積速度を小さく設定することが望ましい。具体的
には平均堆積速度を、0.015cm/秒〜0.001
cm/秒の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは
0.010cm/秒〜0.001cm/秒の範囲内とす
る。さらに希土類元素を含む合金の鋳造で、希土類元素
が約12.5原子%以下の組成では、0.005cm/
秒〜0.001cm/秒の範囲内とすることによりデン
トライト状αFe相の発生が低減され特に好ましい。こ
のような範囲の堆積凝固速度とすることにより、インゴ
ットへの単位時間、単位面積当たりの入熱が小さくな
り、鋳造中のインゴットの表面温度が低下し、追加供給
された溶湯の堆積層の凝固冷却速度を速くすることが可
能となる。
【0029】本発明によると、追加供給された溶湯の堆
積層は既に凝固しているインゴット表面層と融着し合
い、結晶はエピタキシャルに成長させることができるの
で、結晶は厚さ方向と直角方向にも成長し、SC法に比
べて十分大きな結晶の合金を得ることができる。しかし
ながら、堆積速度を低く設定しすぎると、鋳造中のイン
ゴット表面温度が低くなりすぎ、融着効果が不十分とな
り、結晶はエピタキシャルに成長しにくくなる。この場
合、目標とする結晶粒径の大きなインゴットを得るのが
難しくなると共に、融着が不十分な場合には、積層界面
にギャップが生じることがある。このようなギャップは
熱の移動を阻害するため、十分な冷却効果が得られなく
なる。このような、現象を避けるために、本発明者らは
種々の組成の合金について研究を行ったところ、鋳造す
る合金の凝固開始点をT(K)として、鋳造中のインゴ
ットの平均表面温度を0.4T〜0.8Tの範囲内、よ
り好ましくは0.5T〜0.8Tの範囲内となるように
すれば良いことが分かった。鋳造中のインゴットの表面
温度は、鋳造チャンバーに測定窓を形成し、その測定窓
を通して放射温度計等を用いることにより測定すること
ができる。なお、測定温度の精度を上げるためには、熱
電対を用いて温度測定が可能な金属片を実際に加熱し、
同じ測定窓を通して光高温計で温度を測り、熱電対の測
定結果と照合し、キャリブレーションカーブを予め作成
しておくことでなされる。
【0030】本発明による遠心鋳造方法は、円筒状鋳型
の内壁に溶湯を重ねながら堆積凝固させる場合の他に、
溶湯を既に堆積しているインゴットの上に堆積させずに
薄いインゴットまたはリボン状の堆積凝固物として得る
こともできる。その場合、円筒状鋳型の周速度を高速に
すればするほど、より薄いリボンを得ることができ、凝
固速度を速くすることができる。このような薄いインゴ
ットまたはリボン状の堆積凝固物を連続的に量産するた
めには、円筒状鋳型に堆積した凝固物を連続的に回収す
ることが必要である。具体的には、堆積凝固物をエアナ
イフや機械的なスクレッパー等で鋳型から連続的にはぎ
取る方法、円筒状鋳型を下側に開いた形状として堆積凝
固物を下側に落とす方法、また瞬間的に鋳型を分離する
ことによりインゴットをはぎ落とす方法を用いることが
できる。本発明の鋳造方法は、従来の鋳造方法で製造す
ることが困難であった、希土類磁石合金、希土類系水素
吸蔵合金、高融点元素を含む合金の鋳造に適している。
希土類磁石合金としては、希土類元素としてNd,P
r,Dyのいずれか一種以上を含む合金、特にR−T−
B系希土類磁石合金の鋳造に適している。希土類系水素
吸蔵合金としては、基本となる金属間化合物が、Ce,
La,Nd,Pr等の希土類元素の混合物であるミッシ
ュメタルMと、Niを基本とする遷移金属Tの比率が
1:5のM15相であるミッシュメタルニッケル系合金
の鋳造に特に適している。高融点元素を含む合金として
は、融点または凝固開始温度が1400℃以上である金
属、合金、金属間化合物、特にTiを含む合金、金属間
化合物の鋳造に適している。
【0031】本発明の鋳造方法を用いることにより従来
法では鋳造が困難であった組織の合金や、均質性の高い
合金を製造することが可能となったが、鋳造後のインゴ
ットを熱処理することによって、さらにインゴットの組
織の改質や、組織の均質性を高めることが可能となる。
R−T−B系希土類磁石合金の場合、熱処理温度として
は900℃〜1150℃の範囲内が好ましい。熱処理温
度が900℃より低いと原子の拡散が不十分であり、一
方、1150℃より高いとγFeが生成する温度領域に
なり、冷却後にγFeの変態したαFe相が生成してし
まう。また、組織の粗大化も著しくなるため不適当であ
る。R−T−B系希土類磁石合金の場合は、通常の鋳造
方法(いわゆるブックモールド法)による鋳造品では、
デントライト状αFe相の消去のために1000℃以上
1150℃以下の温度で長時間の熱処理を行う場合もあ
るが、本発明の鋳造合金(インゴット)では、熱処理せ
ずに粉砕のみで磁石用合金粉末として使用することが可
能となる。粉砕方法は特に限定されないが、水素解砕、
機械粉砕、水素解砕と機械粉砕を組み合わせた粉砕等が
適用可能である。特に本発明の鋳造方法で製造したR−
T−B系希土類磁石合金は鋳造後未処理(デントライト
状αFe相の消去や結晶組織改質等の為の、鋳造後の熱
処理等を行わない状態を指す。)のR−T−B系希土類
磁石合金であっても、鋳造品厚さ方向断面にて点在して
析出するデントライト状αFe相を含む組織の比率を減
少させることができる。デントライト状αFe相を含む
組織とは、インゴット断面の反射電子像においてデント
ライト状αFe相、T1相、Rリッチ相等が混在して生
成している組織のことである。この組織状態になってい
る領域はデントライト状αFe相が生成していない主に
T1相とRリッチ相からなる組織と区別することができ
る。また後述するように、TRE量が11.8原子%未
満の場合で、デントライト状αFe相が生成していない
主にT1相とラメラー状Feからなる組織とも区別する
こともできる。デントライト状αFe相を含む組織の面
積率は、インゴットの断面観察において、厚さ方向に沿
って等間に10箇所の反射電子顕微鏡写真を撮り、これ
らの写真を画像処理装置で解析して、上記のデントライ
ト状αFe相を含む領域の面積を特定、算定し、写真全
体の面積で割った値をパーセント表示したものである。
【0032】本発明の鋳造方法によると従来法では得ら
れなかった、鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、N
d、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1
1.0〜15.2原子%(25.0〜33.0質量
%)、より好ましくは、11.8〜14.4原子%(2
6.5〜31.5質量%)、最も好ましくは、11.8
〜13.5原子%(26.5〜30.0質量%)含有
し、鋳造品厚さ方向断面にてデントライト状αFe相を
含む組織が占める面積率が10%以下であり、鋳造品の
厚さが3〜30mm、より好ましくは、5〜20mmの
範囲内であることを特徴とする希土類磁石合金を得るこ
とができる。また、鋳造後未処理の希土類磁石用合金
で、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計
で11.0〜15.2原子%(25.0〜33.0質量
%)、より好ましくは、11.8〜14.4原子%(2
6.5〜31.5質量%)、最も好ましくは、11.8
〜13.5原子%(26.5〜30.0質量%)含有
し、鋳造品厚さ方向断面にてデントライト状αFe相を
含む組織が占める面積率が10%以下であり、長軸径が
1000μm以上の結晶粒が占める面積率が10〜98
%の範囲内である希土類磁石用合金を得ることができ
る。ここで、長軸径が1000μm以上の結晶粒が占め
る面積率とは、インゴットの鋳型に接した面(鋳型面)
からその反対側の面(自由面)までの断面において偏光
顕微鏡で連続写真を撮り、長軸径が1000μm以上で
ある結晶粒を識別し、画像処理装置で解析して合計の面
積を特定し、写真全体の面積で割った値をパーセント表
示したものである。
【0033】また、本発明によると、鋳造後未処理の希
土類磁石合金で、鋳造品厚さ方向断面にてデントライト
状αFe相を含む組織が占める面積率が10%以下であ
り、鋳造片の厚さが3〜30mm、より好ましくは、5
〜20mmの範囲内であることを特徴とするR−T−B
系希土類磁石用合金を得ることができる。また、鋳造後
未処理の希土類磁石合金で、鋳造品厚さ方向断面にてデ
ントライト状αFe相を含む組織が占める面積率が10
%以下であり、長軸径が1000μm以上の結晶粒が占
める面積率が10〜98%の範囲内であることを特徴と
するR−T−B系希土類磁石用合金を得ることができ
る。また、鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、Nd、
Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.0
〜15.2原子%(25.0〜33.0質量%)、より
好ましくは、11.8〜14.4原子%(26.5〜3
1.5質量%)、最も好ましくは、11.8〜13.5
原子%(26.5〜30.0質量%)含有し、鋳造品厚
さ方向断面にて実質的にデントライト状αFe相を含ま
ず、鋳造品の厚さが3〜30mm、より好ましくは、5
〜20mmの範囲内であることを特徴とする希土類磁石
用合金を得ることができる。ここで実質的にデントライ
ト状αFe相を含まない希土類磁石合金とは、鋳造品厚
さ方向断面にて主に点在して析出するαFe相を含む組
織が占める面積率が5%以下、より好ましくは3%以下
の合金をいう。
【0034】また本発明により、鋳造後未処理の希土類
磁石用合金で、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の
元素を合計で11.0〜15.2原子%(25.0〜3
3.0質量%)、より好ましくは、11.8〜14.4
原子%(26.5〜31.5質量%)、最も好ましく
は、11.8〜13.5原子%(26.5〜30.0質
量%)含有し、鋳造品厚さ方向断面にて実質的にデント
ライト状αFe相を含まず、長軸方向1000μm以上
の結晶粒が占める面積率が50〜98%、より好ましく
は、80〜98%であり、鋳造片の厚さが3〜30m
m、より好ましくは、5〜20mmの範囲内であること
を特徴とする希土類磁石用合金を得ることができる。ま
た、鋳造後未処理の希土類磁石合金で、Nd、Pr、D
yのいずれか一種以上の元素を合計で11.0〜15.
2原子%(25.0〜33.0質量%)、より好ましく
は、11.8〜14.4原子%(26.5〜31.5質
量%)、最も好ましくは、11.8〜13.5原子%
(26.5〜30.0質量%)含有し、鋳造品厚さ方向
断面にて実質的にデントライト状αFe相を含まず、長
軸方向1000μm以上の結晶粒が占める面積率が50
〜98%、より好ましくは、80〜98%でかつ短軸方
向の平均結晶粒径が60μm以上であり、鋳造品の厚さ
が3〜30mm、より好ましくは、5〜20mmの範囲
内であることを特徴とする希土類磁石用合金を得ること
ができる。
【0035】図8と図9に、Nd:11.6原子%、
B:5.9原子%、残部Feからなる本発明の希土類磁
石合金断面の反射電子顕微鏡写真を示す。図9は図8の
一部を拡大したものである。図8においては、上方が自
由面、下方が鋳型面である。図9においては、右方が自
由面、左方が鋳型面である。図8において、マトリック
ス相はT1相であり、極微量ではあるが、断面の一部に
見られる濃い黒い点状の相がデントライト状αFe相で
ある。このデントライト状αFe相の付近にある多数の
白い点状の相は、組成バランスが崩れたために生成した
Rリッチ相である。さらに図9において、T1相の内部
に、黒く非常に細い線状に見える相はラメラー状αFe
相である。ラメラー状αFe相の付近には、デントライ
ト状αFe相の付近に生成しているような白い点状のR
リッチ相は生成しない。図8、9より、デントライト状
αFe相とラメラー状αFe相を区別することは極めて
容易である。また、図10に、SC法にて鋳造した同組
成の合金の、断面の反射電子顕微鏡写真を示す。図10
では、灰色に見えるマトリックス相のT1相の他、断面
中央部付近から自由面側(図中、右側)に渡って多数の
濃い黒い点状のデントライト状αFe相が見られる。こ
のデントライト状αFe相の付近には、組成バランスが
崩れたために生成した多数の白い点状のRリッチ相がみ
られる。一方、ロール面側(図中、左側)から断面中央
部付近にかけて、細く黒い線状のラメラー状αFe相が
みられる。一般に、Nd-Fe-B系希土類磁石合金で
は、Nd量が少なくなるほど、デントライト状αFeが
生成し易くなる。このようなデントライト状αFeが生
成しないようにするには、Ndの一部をDyで置換する
か、B量を増やす等の対策が必要となる。実際に、上述
のSC法にて鋳造したNd-Fe-B三元系希土類磁石合
金では、多量のデントライト状αFeが生成している。
ところが、本発明の希土類磁石合金では、Ndの一部を
Dyで置換したりB量を増やしたりすることなく、デン
トライト状αFeの生成を抑えることができる。
【0036】以上のように、本発明の希土類磁石合金の
場合、TRE量(Rの合計量)がR 214B相のR量以
下の11.8原子%未満であっても、公知の組織で見ら
れるようなデントライト状のαFeの生成を抑え、余分
のFe成分をラメラー状に生成させることができる。ま
た、ラメラー状αFe相の厚みは非常に薄いので、磁石
製造工程における粉砕性には何の悪影響も与えない。こ
こで短軸方向の平均結晶粒径とは、次の手順で測定す
る。インゴット断面の鋳型面から自由面までの断面にお
いて、厚さ方向に沿って等間に10箇所の偏光顕微鏡写
真を撮る。これらの写真上で柱状結晶の成長方向に対し
て垂直に各写真5本づつ等間隔に直線を引き、一つの直
線と結晶粒界の交点の数をNとする。直線の長さをLと
すると、次式により1点の平均結晶粒径が得られる。 (短軸方向の平均結晶粒径)=L/(N+1) そして、50点の値を平均してそのインゴットの短軸方
向の平均結晶粒径とする。
【0037】本発明の遠心鋳造方法を用いることによ
り、磁気特性に優れた希土類合金を製造することができ
る。特に、従来のSC法、CC法より厚い3〜30mm
厚のインゴットを鋳造することができる。また従来はブ
ックモールド法でしか得られなかった、長軸径1000
μm以上の結晶粒が占める面積率が10〜98%の範囲
内であるような大きな結晶粒が得られ、かつブックモー
ルド法では得られない、デントライト状αFe相を含む
組織の面積率10%以下の鋳造品が鋳造後未処理であっ
ても得られる。この鋳造合金を解砕し、焼結磁石として
製造したものは、磁場成形時の配向度が低下せず焼結磁
石として好適である。またこの鋳造合金を粉砕後、水素
雰囲気にて高温加熱、排気処理を行い配向した結晶粒を
得るいわゆるHDDR処理(水素化相分解・脱水素再結
合処理)を行うことにより、異方性ボンド磁石用の粉末
として好適であり、これを用いて製造した異方性ボンド
磁石は優れた磁気特性を有する。鋳造したインゴットあ
るいはその熱処理品の粉砕にはジェットミル、ボールミ
ル、振動ミル等の粉砕機を用いることが可能であり、粒
径を好ましくは2〜5μmの範囲内、より好ましくは3
〜4μmの範囲内とする。粉砕粒の粒度測定には、例え
ばFSSS(フィッシャー・サブ・シーブ・サイザー)
を用いることができる。
【0038】希土類焼結磁石の製造方法には、1種類の
希土類磁石合金粉末を磁場成形した後に焼結する一合金
法がある。また、主相系合金と呼ばれるR成分プアなR
−T−B系希土類合金の粉末と、粒界相合金と呼ばれる
R成分リッチなR−T-B系希土類合金またはR-T系希
土類合金の粉末とを混合する二合金混合法がある。この
二合金混合法における主相系合金は、R成分が少ないほ
ど高特性磁石用合金として適したものとなる。ところ
が、上述したように、CC法の場合、R成分の含有量が
14.4原子%(31.5重量%)以下になると有害な
デントライト状αFe相が生成してしまう。また、SC
法の場合でも、12.7原子%(28.5重量%)以下
になると有害なデントライト状αFe相が生成してしま
う。従って、デントライト状αFe相を消失するための
高価な溶体化処理をすることなく、よりR成分が少ない
主相系合金を製造することは困難であった。しかし、本
発明の遠心鋳造法で製造した合金は、Nd、Pr、Dy
のいずれか一種以上の元素が合計で11.0原子%ま
で、鋳造品厚さ方向断面にてデントライト状αFe相を
含む組織が占める面積率が10%以下であることから、
得られた合金は、二合金混合法における主相系合金とし
ても好適である。さらに、長軸方向1000μm以上の
結晶粒が占める面積率が50〜98%であり、結晶粒が
大きいことから、磁石の配向率を向上させ、その結果、
残留磁束密度Brと磁気エネルギ積(BH)maxを向上
させることができる。従って、本発明の遠心鋳造法で製
造した合金は、一合金法用の希土類磁石合金として好適
であるばかりではなく、二合金混合法の主相系合金とし
ても好適である。即ち、本発明の遠心鋳造法で製造した
合金を二合金混合法の主相系合金として使用し、粒界相
合金としてそれよりもR成分が多い通常の製法による合
金粉末と混合して磁石を作ることで優れた磁石を得るこ
とができる。
【0039】本発明の遠心鋳造法で製造した希土類磁石
合金から焼結磁石を製造する方法の概略を述べる。但
し、本発明は以下の方法に限定されることはない。まず
希土類磁石用合金を、水素解砕、中粉砕、微粉砕の順
に、粒径を好ましくは2〜5μmの範囲内、より好まし
くは3〜4μmの範囲内まで粉砕する。粉砕粒の粒度測
定には、例えばFSSS(フィッシャー・サブ・シーブ
・サイザー)を用いることができる。水素解砕とは、2
00Torr〜50kg/cm2の圧力の水素ガス雰囲
気で、主に合金片のRリッチ相に水素を吸収させ、この
時に生成されるR−水素化物によりRリッチ相が体積膨
張することを利用して、合金片自体を微細に割ることま
たは無数の微細な割れ目を生じさせることである。R成
分が11.8原子%以上の合金のR214B相結晶粒の
粒界にはRリッチ相がほぼ必ず存在するため、この水素
解砕により、R214B相結晶粒でほぼ必ず割れ目を生
じさせることができる。中粉砕に使用する粉砕装置に
は、例えばブラウンミル装置やディスクミル装置があ
り、この装置を用いてアルゴンガスや窒素ガス等の不活
性雰囲気中で粒径500μm以下まで粉砕される。微粉
砕に使用する粉砕機には例えばジェットミル装置があ
り、この装置を用いてアルゴンガスや窒素ガス等の不活
性雰囲気中で粒径2〜5μmまで粉砕される。本発明の
遠心鋳造法で製造した希土類磁石合金の場合、結晶粒が
大きいため、水素解砕工程を省いて、ブラウンミル装置
やジェットミル装置による機械粉砕のみで粉砕しても、
ほとんど単結晶からなる粉末を製造することもできる。
一方、水素解砕した場合は、中粉砕工程を省くことも可
能である。
【0040】本発明の遠心鋳造法で製造した希土類磁石
合金のTRE量が11.8原子%以下になると、実質的
にラメラー状のRリッチ相が存在しないため、上述のメ
カニズムを利用した水素解砕はできない。しかし、R2
14B相も少量の水素を吸収して膨張するので、水素雰
囲気中で合金片の表面から内部へ向かって膨張・解砕さ
せることができる。このようなTRE量が11.8原子
%以下の場合でも、原子どうしの結合力はR214B相
結晶内よりもR214B相結晶粒界の方が弱いので、ほ
ぼ必ず結晶粒界で割れ目を生じさせることができる。次
に、得られた粉末を磁場成形機で成形する。金型は、キ
ャビティ内の磁界方向を考慮して、磁性材と非磁性材を
組み合わせて作製される。成型圧力は0.5〜2t/c
2が好ましい。成型時のキャビティ内の磁界は0.5
〜2Tが好ましい。また、磁場成型時に粉末と金型内壁
との摩擦を低減し、また粉体どうしの摩擦も低減させて
配向性を向上させるため、粉末にはステアリン酸亜鉛等
の潤滑剤を添加することが好ましい。好ましい添加量は
0.01〜1wt%である。添加は微粉砕前でも微粉砕
後でも良いが、磁場成形前に、アルゴンガスや窒素ガス
などの不活性ガス雰囲気中でV型ブレンダー等を用いて
十分に混合することが好ましい。二合金混合法で焼結磁
石を製造する場合、磁場成形機で成形する前に、主相系
合金と粒界相合金を混合しておく必要がある。混合は、
水素解砕前、中粉砕前、微粉砕前、微粉砕後のうちのど
の段階で実施しても良いが、磁場成形前に、アルゴンガ
スや窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中でV型ブレンダ
ー等を用いて十分に混合することが好ましい。特に本発
明の遠心鋳造法で製造した主相系合金のTRE量が1
1.8原子%以下の場合、ラメラー状のRリッチ相が実
質的に存在しないため、粉砕工程および粉末での耐酸化
性が向上する。
【0041】次に、得られた磁場成形体を1000〜1
150℃で焼結させる。焼結時の雰囲気はアルゴンガス
雰囲気または10-2Torr以下の真空雰囲気が好まし
い。保持時間は1時間以上が好ましい。なお、焼結温度
に到達する前に、成形体に含まれている潤滑剤と水素を
完全に除去しておく必要がある。潤滑剤の好ましい除去
条件は、10-2Torr真空中またはAr減圧フロー雰
囲気中、300〜500℃で30分以上保持することで
ある。また、水素の好ましい除去条件は、10 -2Tor
r以下の真空中、700〜900℃で30分以上保持す
ることである。焼結後、保磁力向上のため、必要に応じ
て450〜650℃で熱処理することができる。好まし
い雰囲気はアルゴンガス雰囲気または真空雰囲気であ
る。好ましい保持時間は30分以上である。また、本発
明の遠心鋳造方法により、希土類系水素吸蔵合金、特に
ミッシュメタルニッケル系水素吸蔵合金の鋳造を行った
ものでは、Mn等の偏析はみられずニッケル水素電池の
負極用材料として好適である。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが本発
明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)組成が、Nd:12.6原子%(28.0
質量%)、Dy:0.6原子%(1.5質量%)、B:
6.0原子%(1.0質量%)、Al:0.7原子%
(0.30質量%)、残部が鉄となるように、金属ネオ
ジム、金属ディスプロジム、フェロボロン、アルミニウ
ム、電解鉄の各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中
で、アルミナるつぼを使用して高周波誘導加熱で溶解
し、図1に示す遠心鋳造装置で鋳造を行った。円筒状鋳
型4は、内径が500mm、長さが500mmの大きさ
のものとした。容器状回転体5は、内径が250mm
で、側壁に直径が2mmの孔部11を8個形成したもの
とした。また、容器状回転体5の回転軸Rと円筒状鋳型
の回転軸Lとの成す傾斜角度θは25度で鋳造中固定と
した。鋳型内壁への平均溶湯堆積速度は0.01cm/
秒とした。この時の鋳型の回転数は、遠心力が3Gとな
るように、103rpmに設定し、容器状回転体5の回
転速度は378rpmとし、溶湯に約20Gの遠心力を
加えた。得られた合金インゴットの厚さは円筒状鋳型4
の中央部で7mm、両端部近傍の最も厚い部分で約12
mmであった。その断面のマクロ組織は鋳肌部分の極一
部を除いてほとんど柱状晶であった。さらに、その断面
の組織を反射電子顕微鏡で観察した。その結果、デント
ライト状αFe相の全く存在しない、Rリッチ相も微細
に分散した良好な組織となっていた。偏光顕微鏡を用い
て結晶粒径を測定した結果、短軸方向の平均結晶粒径が
90μmで、長軸径1000μm以上の組織の占める面
積率が89%であり、磁石用合金用の原料として好適な
結晶粒径であった。
【0043】(比較例1)実施例1で使用した原料と同
じ原料を用いて、かつ同じ組成となるように溶解原料を
配合し、図5に示すように、往復運動する箱型のタンデ
ィッシュ13を用いる方法により、遠心鋳造を行った。
即ち、フランジ19で接合したチャンバー17内に、ル
ツボ15と円筒状鋳型12を設け、ルツボ15で溶解し
た溶湯20を湯道14でタンディッシュ13に導き、タ
ンディッシュ13に多数形成された孔部18から回転す
る円筒状鋳型12の内壁面に堆積する方法である。この
際、タンディッシュ13はタンディッシュ往復運動機構
16により往復運動を繰返すようになっている。用いた
円筒状鋳型12は、内径が500mm、長さが1000
mmである。円筒状鋳型12の回転速度は実施例1と同
様、遠心力が3Gとなるよう、103rpmに設定し
た。また、円筒状鋳型の内壁への平均溶湯堆積速度は
0.018cm/秒とした。この鋳造方式では、これ以
上堆積速度を小さくしようとすると、溶湯の温度維持が
難しくなり、孔部18の閉塞等の問題が発生し易く、さ
らにインゴットの表面の凹凸が激しくなり商品価値が低
下する。そのため堆積速度をそれより小さくすることは
避けた。得られたインゴットの平均厚さは8mmであっ
た。このインゴットの断面の組織観察を行った結果、厚
さ方向のほぼ半分、自由面側にデントライト状αFe相
が多量に析出しており、デントライト状αFe相を含む
組織が占める面積率が15%であった。
【0044】(比較例2)実施例1と同じ原料を用いて
かつ同じ組成となるように溶解原料を配合し、図6に示
す鋳造装置を用いてストリップキャストを行った。即
ち、ルツボ21で溶解した溶湯をタンディッシュ22か
ら水冷した銅製の回転ロール23に導き、回転ロール2
3に触れて凝固したストリップ状のインゴット24を連
続して生成させ、その後、粗粉砕した。用いた水冷式の
銅製の回転ロール23は、外径が400mm、周速度を
1m/sとした。最終的に得られたインゴットは、フレ
ーク状で、平均厚さが0.32mmであった。得られた
インゴットの断面の組織観察を行った結果、デントライ
ト状αFe相は認められなかったものの、偏光顕微鏡を
用いて結晶粒径を測定した結果、短軸方向の平均結晶粒
径が26μmで、長軸径は最大で283μmであり、ま
たロール面付近では、微細な結晶粒が多量に見られた。
【0045】(実施例2)TREをさらに低くした例と
して、組成が、Nd:12.4原子%(28.0質量
%)、B:5.9原子%(1.0質量%)、Al:0.
7原子%(0.30質量%)、残部が鉄になるように、
金属ネオジム、フェロボロン、アルミニウム、電解鉄を
配合し、実施例1と同様の装置にて、同様に鋳造した。
但し、鋳造中、容器状回転体5を変位させて、容器状回
転体5の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとで形成され
る傾斜角度θを0〜25度の間で連続的に変化させるよ
うにした。また、平均溶湯堆積速度は0.004cm/
秒とした。この結果、インゴット断面では、デントライ
ト状αFe相を含む組織が占める面積率が3%であり、
短軸方向の平均結晶粒径が75μmで、長軸径1000
μm以上の結晶粒が占める面積率は90%であった。ま
た、インゴットの厚さは、ほぼ均一となり平均10mm
であった。
【0046】(実施例3)TREをより低くした例とし
て、原料を組成が、Nd:11.6原子%、B:5.9
原子%、残部が鉄になるように、金属ネオジム、フェロ
ボロン、電解鉄を配合し、実施例1同様の装置にて、容
器状回転体5の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとの成
す傾斜角度θを0〜25度の間で連続的に変化させて、
平均溶湯堆積速度を0.003cm/秒とし、他は実施
例1と同条件にて、鋳造を行った。インゴットの厚さ
は、ほぼ均一となり平均6mmであった。反射電子顕微
鏡によるインゴット断面の組織写真を図8と図9に示
す。図9は図8の一部を拡大した写真である。図8で
は、灰色に見えるマトリックス相のT1相の他、少量の
デントライト状αFe相と、このデントライト状αFe
相の付近には、組成バランスが崩れたために生成した白
い点状のNdリッチ相が生成していることが分かる。さ
らに図9から、T1相の内部に、黒く非常に細い線状の
ラメラー状αFe相が生成していることが分かる。図
8、9より、デントライト状αFe相とラメラー状αF
e相を区別することは極めて容易であり、デントライト
状αFe相を含む組織が占める面積率は8%であった。
また、短軸方向の平均結晶粒径が78μmであり、長軸
径1000μm以上の結晶粒が占める面積率は86%で
あった。
【0047】(比較例3)実施例3と同じ原料を用いて
かつ同じ組成となるように溶解原料を配合し、比較例2
の鋳造装置を用いてストリップキャストを行った。回転
ロールの周速度を1m/s、回転ロールへの単位時間当
たりの溶湯の供給量を比較例2の場合の80%とし、平
均厚さが0.25mmのフレーク状のインゴットを得
た。得られたインゴットの断面の反射電子顕微鏡写真を
図10に示す。図10から、このインゴットにはマトリ
ックス相のT1相の他、デントライト状αFe相と組成
バランスが崩れたために生成した白い点状のNdリッチ
相、および黒く非常に細い線状のラメラー状αFe相が
生成していることが分かる。このうち、デントライト状
αFe相と組成バランスが崩れたために生成した白い点
状のNdリッチ相は断面の自由面側に多く生成している
ことも分かる。任意のフレーク状インゴット10枚につ
いて図10のような反射電子顕微鏡写真を撮り、画像処
理装置で解析して求めたデントライト状αFe相を含む
組織が占める面積率は35%であった。また、偏光顕微
鏡を用いて測定した短軸方向の平均結晶粒径は25μm
であり、長軸方向の平均結晶粒径は最大で228μmで
あった。
【0048】(実施例4)原料を組成が、Nd:11.
4原子%、B:6.7原子%、残部が鉄になるように、
金属ネオジム、フェロボロン、電解鉄を配合し、実施例
1同様の装置を用いて、実施例3と同様の条件で鋳造を
行った。インゴットの厚さは、ほぼ均一となり平均6m
mであった。反射電子顕微鏡を用いてインゴット断面の
組織観察をしたところ、マトリックス相のT1相の他、
非常に細い線状のラメラー状αFe相、および微量のデ
ントライト状αFe相とその周囲には点状のNdリッチ
相が生成していた。デントライト状αFe相を含む組織
が占める面積率は1%であった。また、短軸方向の平均
結晶粒径が79μmであり、長軸径1000μm以上の
結晶粒が占める面積率は87%であった。実施例3と比
較して、TREを低くしたにもかかわらず、デントライ
ト状αFe相を含む組織が占める面積率が極めて少ない
理由は、B量を増やしたためのであると考えられる。
【0049】(比較例4)実施例4と同じ原料を用いて
かつ同じ組成となるように溶解原料を配合し、比較例2
の鋳造装置を用いて、比較例3と同様の条件で鋳造し
た。得られたフレーク状のインゴットの平均厚さは0.
25mmであった。比較例3と同様の方法で求めたデン
トライト状αFe相を含む組織が占める面積率は14%
であり、短軸方向の平均結晶粒径は24μmであり、長
軸方向の平均結晶粒径は最大で225μmであった。
【0050】(実施例5)実施例1にて鋳造したインゴ
ットを用いて、水素解砕せずに、ディスクミルにて粗粉
砕後、ジェットミルにより平均粒径3.3μmの粉末を
得た後、1.5Tの磁場印可、1t/cm2の加圧条件
で横磁場成形法で成形し、真空中1050℃にて4時間
焼結、600℃にて1時間熱処理後、加工して20mm
の立方体の焼結磁石を得た。なおジェットミル粉砕前
に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛粉末を0.07重量
%混合した。また、この粉末の主成分の含有量を蛍光X
線分析装置とICP分析装置を用いて測定したことろ、
Nd:12.4原子%、Dy:0.6原子%、B:6.
0原子%、Al:0.7原子%、Fe:残部であった。
BHカーブトレーサーでこの焼結磁石の特性を評価した
ところ、Br1.37T、iHc1114kA/m、
(BH)max354kJ/m3であり、磁気特性に優
れた磁石が得られた。
【0051】(比較例5)比較例1にて鋳造された合金
インゴットを用い、実施例5と同様に、水素解砕せず、
ディスクミルにて粗粉砕後、ジェットミルにより平均粒
径3.4μmの粉末を得た後、実施例5と同様の方法で
焼結磁石を作製した。なお、この粉末の主成分の含有量
を蛍光X線分析装置とICP分析装置を用いて測定した
ことろ、Nd:12.8原子%、Dy:0.6原子%、
B:6.0原子%、Al:0.7原子%、Fe:残部で
あった。BHカーブトレーサーでこの焼結磁石の磁気特
性を測定したところ、Br1.35T、iHc915k
A/m、(BH)max318kJ/m3であり、磁気
特性は不良であった。この原因として、合金インゴット
内に生成している多量のデントライト状αFeは粉砕さ
れにくいため、粉砕機中に滞留してしまい、粉砕後の混
合粉末の成分が高TRE側へシフトしてしまったこと
や、粉末中にも多量にデントライト状αFeが含まれて
いるため磁場成形時における金型キャビティ内の磁界分
布の乱れによる配向率の低下、焼結体内にαFeが残存
したことによる角型性の低下等が考えられる。
【0052】(比較例6)比較例2にて鋳造された合金
インゴットを用い、実施例5と同様に水素解砕せず、デ
ィスクミルにて粗粉砕後、ジェットミルにより平均粒径
3.3μmの粉末を得た後、実施例5と同様の方法で焼
結磁石を作製した。なお、この粉末の主成分の含有量を
蛍光X線分析装置とICP分析装置を用いて測定したと
ころ、Nd:12.4原子%、Dy:0.6原子%、
B:6.0原子%、Al:0.7原子%、Fe:残部で
あった。この結果、磁石特性として、Br1.34T、
iHc1154kA/m、(BH)max332kJ/
3が得られた。この原因として、内部に粒界を持つ単
結晶ではない粉末が多数含まれており、このため配向率
が低下したことが考えられる。この結果から、結晶粒径
が小さいため、磁化、磁気エネルギー積が実施例1より
低い結果となったものといえる。
【0053】(実施例6)組成がNd:16.8原子
%、Dy:5.7原子%、B:6.8原子%、Al:
0.8原子%、Co:3.1原子%、Cu:0.6原子
%:残部がFeになるように、金属ネオジム、金属ディ
スプロシウム、フェロボロン、アルミニウム、電解コバ
ルト、銅、電解鉄を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、
アルミナるつぼを使用して高周波誘導加熱で溶解し、鉄
製の箱型鋳型に鋳造して厚さ30mmのインゴットを製
造した。このインゴットを粒界相合金とし、実施例2の
インゴットを主相系合金として、それぞれ5mm以下ま
で粗粉砕した後、主相系合金と粒界相合金を重量比8
0:20の割合で混合し、水素解砕、窒素ガス雰囲気中
でのブラウンミル粉砕、窒素ガス中でのジェットミル粉
砕を行ない、窒素ガス中でのV型ブレンダーによる十分
な混合を経て、FSSSで3.2μmの粉末を作製し
た。なおブラウンミル粉砕前に、潤滑剤としてステアリ
ン酸亜鉛粉末を0.07重量%混合した。この混合粉末
の主成分の含有量を蛍光X線分析装置とICP分析装置
を用いて測定したことろ、Nd:13.0原子%、D
y:1.0原子%、B:6.1原子%、Al:0.7原
子%、Co:0.6原子%、Cu:0.1原子%、F
e:残部であった。この混合粉末を、1.5Tの磁場印
可、1t/cm2の加圧条件で磁場成形し、真空中10
50℃にて4時間焼結、520℃にて1時間熱処理後、
加工して20mmの立方体の焼結磁石を得た。BHカー
ブトレーサーでこの焼結磁石の磁気特性を測定したとこ
ろ、Br1.32T、iHc1321kA/m、(B
H)max330kJ/m3であり、磁気特性に優れた
磁石が得られた。
【0054】(実施例7)組成がNd:34.0原子
%、Dy:4.2原子%、Al:7.5原子%、Co:
5.7原子%、Cu:1.1原子%:残部がFeになる
ように、金属ネオジム、金属ディスプロシウム、アルミ
ニウム、電解コバルト、銅、電解鉄を配合し、比較例1
の鋳造装置を用いて、比較例1と同様の条件で遠心鋳造
を行ない、インゴットの平均厚さが8mmのインゴット
を得た。このインゴットを粒界相合金とし、実施例4の
インゴットを主相系合金として、それぞれ5mm以下ま
で粗粉砕した後、主相系合金と粒界相合金を重量比8
7:13の割合で混合し、水素解砕、窒素ガス雰囲気中
でのブラウンミル粉砕、窒素ガス中でのジェットミル粉
砕を行ない、窒素ガス中でのV型ブレンダーによる十分
な混合を経て、FSSSで3.2μmの粉末を作製し
た。なおブラウンミル粉砕前に、潤滑剤としてステアリ
ン酸亜鉛粉末を0.07重量%混合した。この混合粉末
の主成分の含有量を蛍光X線分析装置とICP分析装置
を用いて測定したところ、Nd:13.4原子%、D
y:0.4原子%、B:6.0原子%、Al:0.7原
子%、Co:0.5原子%、Cu:0.1原子%、F
e:残部であった。この混合粉末を、1.5Tの磁場印
可、1t/cm2の加圧条件で磁場成形し、真空中10
80℃にて4時間焼結、520℃にて1時間熱処理後、
加工して20mmの立方体の焼結磁石を得た。BHカー
ブトレーサーでこの焼結磁石の磁気特性を測定したとこ
ろ、Br1.35T、iHc1050kA/m、(B
H)max343kJ/m3であり、磁気特性に優れた
が磁石が得られた。
【0055】(比較例7)比較例4にて鋳造された合金
インゴットを主相系合金とし、実施例7にて遠心鋳造法
で鋳造された合金インゴットを粒界相合金として、実施
例7と同様の方法で混合し、粉砕した。得られた混合粉
末の主成分の含有量を蛍光X線分析装置とICP分析装
置を用いて測定したことろ、Nd:13.8原子%、D
y:0.4原子%、B:6.1原子%、Al:0.7原
子%、Co:0.5原子%、Cu:0.1原子%、F
e:残部であった。この混合粉末を用いて、実施例7と
同様の方法で焼結磁石を作製した。BHカーブトレーサ
ーでこの焼結磁石の磁気特性を測定したところ、Br
1.32T、iHc1044kA/m、(BH)max
321kJ/m3であり、磁気特性は良くなかった。こ
の原因として、合金インゴット内に生成している多量の
デントライト状αFeは粉砕されにくいため、粉砕機中
に滞留してしまい、粉砕後の混合粉末の成分が高TRE
側へシフトしてしまったことや、粉末中にも多量にデン
トライト状αFeが含まれているため磁場成形時におけ
る金型キャビティ内の磁界分布の乱れによる配向率の低
下等が考えられる。
【0056】(実施例8)組成が、La:9.2原子%
(19.0質量%),Ce:4.5原子%(9.4質量
%),Pr:0.4原子%(0.9質量%),Nd:
1.3原子%(2.8質量%),Co:8.5原子%
(7.5質量%),Al:11.9原子%(4.8質量
%),Mn:8.8原子%(7.2質量%),残部Niに
なるように、Laリッチミッシュメタル,Ceリッチミ
ッシュメタル、電解ニッケル、電解コバルト、アルミニ
ウム、電解マンガンを使用し、水素吸蔵合金組成にて配
合したものを図1に示す装置により、実施例1と同じ条
件で鋳造を行った。この結果、断面のミクロ組織を観察
したが、Mn濃度が高い偏在相は観察されず、均一な組
織であった。
【0057】(比較例8)実施例8と同一組成の合金
を、図5に示す従来のCC法装置にて、比較例1と同じ
条件にて鋳造を行った。この結果、断面のミクロ組織を
観察したが、網目状のMn偏在相がインゴット全体に形
成されており、不均一な組織であった。
【0058】(実施例9)組成が、Nd:12.6原子
%(28.1質量%)、B:6.5原子%(1.09質
量%)、Co:17.3原子%(15.8質量%)、G
a:0.3原子%(0.32質量%)、Zr:0.1原
子%(0.14質量%)、残部鉄になるように、金属ネ
オジム、フェロボロン、電解コバルト、ガリウム、フェ
ロジルコニウム、電解鉄を配合し、図1の鋳造装置によ
り鋳造を行った。条件は、平均溶湯堆積速度を0.00
5cm/秒で鋳造し、円筒状鋳型を回転軸L上で往復運
動させ、他は実施例1と同条件にて鋳造を行った。得ら
れた合金インゴットの厚さは、均一で約10mmであっ
た。その断面のマクロ組織は鋳肌部分の極一部を除いて
ほとんど柱状晶であった。さらに、その断面の組織を反
射電子顕微鏡で観察した結果、デントライト状αFe相
は全く観察されなかった。偏光顕微鏡を用いて結晶粒径
を測定した結果、短軸方向の平均結晶粒径が83μm
で、長軸径1000μm以上の面積率が88%であり、
HDDR異方性ボンド磁石用合金の原料として好適な結
晶粒径であった。この鋳造品を、粉砕した後、均質化の
ためのアニールなしに、HDDR処理した。HDDR条
件は1気圧の水素雰囲気中で室温から850℃まで昇温
し2時間保持した。その後、温度を維持したまま、炉内
を真空にして30分間保持した後、アルゴンを導入して
室温まで急冷した。HDDR処理後の粉末は、ディスク
ミルで平均粒度200μmに粉砕した。得られた粉末に
2.5質量%のエポキシ樹脂を混合し、磁場中6t/c
2の圧力にて成型した後、150℃で1時間の条件で
樹脂を硬化させてボンド磁石を製造した。この結果、磁
石特性は、HDDR処理粉末でBr:1.35T、iH
c:987kA/m、(BH)max:319kJ/m
3であり、この粉末を使用したボンド磁石は、Br:
1.02T、iHc:955kA/m、(BH)ma
x:177kJ/m3であった。インゴットはHDDR
磁石に最適な組織のため、アニールなしでも良好な磁気
特性が得られた。
【0059】(実施例10)Al:6原子%、V:4原
子%、残部Tiとなるようにチタン、アルミニウム、バ
ナジウムを配合し、図3及び図4に示す装置にて実験を
行った。金属含有原料体として25として、アーク溶解
炉にて溶解後、直径5cmの円柱状に加工した円柱状イ
ンゴットを用いた。この円柱状インゴットを回転駆動機
構9に取付け、75kwのプラズマアークをあてなが
ら、1200rpmで回転させた。直径750mmの銅
製の円筒状鋳型4の回転軸Lは鉛直方向、円柱状インゴ
ットの回転軸Rとの傾斜角度は20度とし、鋳型内壁の
周速度を30m/sにて回転させた。この方法にて鋳造
を行い、厚さ60μmのリボン状インゴットを得ること
ができた。
【0060】
【発明の効果】本発明の鋳造方法によって、溶湯の温度
低下等の問題を回避して、平均堆積速度を小さくするこ
とが可能となり、高温域においても凝固冷却速度を著し
く大きくすることが可能となった。さらに、回転軸Rと
円筒状鋳型の回転軸Lとの成す傾斜角度θを溶湯の堆積
時に可変することにより、または円筒状鋳型を、溶湯の
堆積時に、回転軸L上で往復運動させることにより、イ
ンゴット厚さがより均一となり、更に良好な組織の合金
を得ることが可能となった。本発明により、例えばR−
T−B系希土類磁石用合金ではストリップキャスト法よ
りもよりTREの少ない合金においてもデントライト状
αFe相の生成の無い合金の製造が可能となった。また
結晶の長軸粒径を大きくすることができ、高性能磁石用
合金、HDDR異方性ボンド磁石用合金として好適な鋳
造方法が実現された。また、従来の方法では鋳造が困難
であった、Tiに代表される高融点金属およびそれを含
む合金や金属間化合物、またMnの偏在相の少ないミッ
シュメタル遷移金属系の水素吸蔵合金を提供することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鋳造装置の一例を示す側断面図であ
る。
【図2】 回転体の一例を示す側面図である。
【図3】 本発明の鋳造装置の一例を示す側断面図であ
る。
【図4】 金属含有原料体をプラズマアークで溶解する
方法の一例を示す側面図である。
【図5】 従来のCC法による鋳造装置を示す側断面図
である。
【図6】 従来のSC法による製造装置を示す側断面図
である。
【図7】 SC法にて鋳造されたNd−Fe−B系イン
ゴットの断面の組織の一例を示す模式図である。
【図8】 本発明の鋳造装置で作製したNd:11.6
原子%、B:5.9原子%、残部Feからなる合金断面
の反射電子顕微鏡写真である。
【図9】 図8の合金断面の反射電子顕微鏡による拡大
倍率写真である。
【図10】 SC法にて鋳造したNd:11.6原子
%、B:5.9原子%、残部Feからなる合金の断面の
反射電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 溶解チャンバー 2 鋳造チャンバー 3 ルツボ 4 円筒状鋳型 5 回転体 6 湯道 7 インゴット 8 鋳型駆動機構 9 回転駆動機構 11 孔部 12 円筒状鋳型 13 タンディッシュ 14 湯道 15 ルツボ 16 タンディッシュ往復運動機構 17 チャンバー 18 孔部 20 溶湯 22 タンディッシュ 25 金属含有原料体 27 プラズマアーク 28 結晶粒界 29 結晶粒 30 Rリッチ相 31 溶湯 40 鋳型面 41 自由面 L 円筒状鋳型の回転軸 R 回転体または金属含有原料体の回転軸
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 27/02 B22D 27/02 C C22C 14/00 C22C 14/00 Z 19/00 19/00 F 33/02 33/02 J 38/00 303 38/00 303D H01F 1/053 H01F 41/02 G 41/02 1/04 H (72)発明者 細野 宇礼武 埼玉県秩父市大字下影森1505番地 昭和電 工株式会社秩父生産・技術統括部内 (72)発明者 広瀬 洋一 埼玉県秩父市熊木町2−14 Fターム(参考) 4K018 AA06 AA08 AA27 BA03 BA04 BA18 BC12 BD07 KA45 5E040 AA04 AA19 CA01 HB11 HB17 5E062 CD04 CE01 CG02

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯を回転体に注ぎ、該回転体の回転に
    よって溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円
    筒状鋳型の内面で堆積凝固させる遠心鋳造方法で、 前記回転体の回転軸Rと前記円筒状鋳型の回転軸Lとが
    平行とされていないことを特徴とする遠心鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記回転体が底部と側壁を有した容器状
    で、該側壁に孔部が形成され、該容器状回転体の開口部
    に溶湯を注ぐことにより前記孔部から溶湯を飛散させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠心鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記回転体の回転方向と前記円筒状鋳型
    の回転方向とが同一方向であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の遠心鋳造方法。
  4. 【請求項4】 金属含有原料体を回転させながら加熱溶
    解して、溶解した溶湯を回転により飛散させ、その飛散
    した溶湯を回転する円筒状鋳型の内面に堆積凝固させる
    遠心鋳造方法で、 前記金属含有原料体の回転軸Rと前記円筒状鋳型の回転
    軸Lとが平行とされていないことを特徴とする遠心鋳造
    方法。
  5. 【請求項5】 金属含有原料体の回転方向と円筒状鋳型
    の回転方向とが同一方向であることを特徴とする請求項
    4に記載の遠心鋳造方法。
  6. 【請求項6】 溶湯が回転体の回転により1G以上の力
    を受けることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に
    記載の遠心鋳造方法。
  7. 【請求項7】 溶湯が金属含有原料体の回転により1G
    以上の力を受けることを特徴とする請求項4または5に
    記載の遠心鋳造方法。
  8. 【請求項8】 溶湯が円筒状鋳型の回転により3G以上
    の遠心力を受けることを特徴とする請求項1〜7の何れ
    か1項に記載の遠心鋳造方法。
  9. 【請求項9】 前記回転体の回転軸Rと前記円筒状鋳型
    の回転軸Lとで形成される傾斜角度θが5度〜40度の
    範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    項に記載の遠心鋳造方法。
  10. 【請求項10】 前記金属含有原料体の回転軸Rと前記
    円筒状鋳型の回転軸Lとで形成される傾斜角度θが5度
    〜40度の範囲内であることを特徴とする請求項4また
    は5に記載の遠心鋳造方法。
  11. 【請求項11】 円筒状鋳型内壁へ溶湯を堆積凝固させ
    るときの平均堆積速度を0.015cm/秒以下とする
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の遠心鋳造方法。
  12. 【請求項12】 円筒状鋳型内壁へ溶湯を堆積凝固させ
    るときの平均堆積速度を0.010cm/秒以下とする
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の遠心鋳造方法。
  13. 【請求項13】 円筒状鋳型内壁へ溶湯を堆積凝固させ
    るときの平均堆積速度を0.005cm/秒以下とする
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の遠心鋳造方法。
  14. 【請求項14】 溶湯の凝固開始温度をT(K)とした
    とき、該溶湯が円筒状鋳型内壁へ堆積凝固する時のイン
    ゴットの平均表面温度を、0.4T〜0.8Tとするこ
    とを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の
    遠心鋳造方法。
  15. 【請求項15】 回転可能な円筒状鋳型と、該円筒状鋳
    型内に設けられた回転体と、該回転体に溶湯を注ぐ供給
    装置とを具備し、 前記回転体は、前記円筒状鋳型の回転軸Lと前記回転体
    の回転軸Rとが平行にならないように設けられ、 回転体に注がれた溶湯が回転体の回転力によって飛散
    し、前記円筒状鋳型の鋳型内壁に堆積凝固するようにし
    たことを特徴とする遠心鋳造装置。
  16. 【請求項16】 回転可能な円筒状鋳型と、金属含有原
    料体をその少なくとも先端が該円筒状鋳型内に位置する
    ように装着し、金属含有原料体を回転させる回転駆動機
    構と、アークまたはプラズマアークを発生させて前記金
    属含有原料体を溶解する溶解装置とを具備し、 前記円筒状鋳型の回転軸Lと前記金属含有原料体の回転
    軸Rとが平行にならないように設けられ、 溶解した金属含有原料体が回転による遠心力によって飛
    散し、前記円筒状鋳型の鋳型内壁に堆積凝固するように
    したことを特徴とする遠心鋳造装置。
  17. 【請求項17】 前記円筒状鋳型の回転軸Lと前記回転
    体の回転軸Rとで形成される傾斜角度θが、溶湯の堆積
    時に可変とされていることを特徴とする請求項15に記
    載の遠心鋳造装置。
  18. 【請求項18】 前記円筒状鋳型の回転軸Lと前記金属
    含有原料体の回転軸Rとで形成される傾斜角度θが、溶
    湯の堆積時に可変とされていることを特徴とする請求項
    16に記載の遠心鋳造装置。
  19. 【請求項19】 円筒状鋳型及び/または回転体が、溶
    湯の堆積時に、回転軸Lに沿って往復運動可能とされて
    いることを特徴とする請求項15または17に記載の遠
    心鋳造装置。
  20. 【請求項20】 円筒状鋳型及び/または金属含有原料
    体が、溶湯の堆積時に、回転軸Lに沿って往復運動可能
    とされていることを特徴とする請求項16または18に
    記載の遠心鋳造装置。
  21. 【請求項21】 前記円筒状鋳型の回転軸Lと前記回転
    体の回転軸Rとで形成される傾斜角度θを溶湯の堆積時
    に変化させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    項に記載の遠心鋳造方法。
  22. 【請求項22】 前記円筒状鋳型の回転軸Lと前記金属
    含有原料体の回転軸Rとで形成される傾斜角度θを溶湯
    の堆積時に変化させることを特徴とする請求項4または
    5に記載の遠心鋳造方法。
  23. 【請求項23】 円筒状鋳型及び/または回転体を、溶
    湯の堆積時に、回転軸Lに沿って往復運動させることを
    特徴とする請求項1〜3、21のいずれか1項に記載の
    遠心鋳造方法。
  24. 【請求項24】 円筒状鋳型及び/または金属含有原料
    体を、溶湯の堆積時に、回転軸Lに沿って往復運動させ
    ることを特徴とする請求項4、5、22のいずれか1項
    に記載の遠心鋳造方法。
  25. 【請求項25】 希土類磁石合金を鋳造することを特徴
    とする請求項1〜14の何れか1項に記載の遠心鋳造方
    法。
  26. 【請求項26】 前記希土類磁石合金が、希土類元素と
    してNd、Pr、Dyのいずれか一種以上を含むことを
    特徴とする請求項25に記載の遠心鋳造方法。
  27. 【請求項27】 Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上
    の元素を合計で11.0〜15.2原子%含むことを特
    徴とする請求項26に記載の遠心鋳造方法。
  28. 【請求項28】 Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上
    の元素を合計で11.8〜14.4原子%含むことを特
    徴とする請求項26に記載の遠心鋳造方法。
  29. 【請求項29】 Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上
    の元素を合計で11.8〜13.5原子%含むことを特
    徴とする請求項26に記載の遠心鋳造方法。
  30. 【請求項30】 R(R:少なくともNd、Pr、Dy
    のいずれか一種を含む希土類元素)−T(T:Feを含
    む遷移金属)−B系希土類磁石合金を鋳造することを特
    徴とする請求項25〜29の何れか1項に記載の遠心鋳
    造方法。
  31. 【請求項31】 請求項25〜30のいずれか1項に記
    載の遠心鋳造方法で得られた希土類磁石合金を900〜
    1150℃の範囲内の温度で熱処理することを特徴とす
    る希土類磁石合金の製造方法。
  32. 【請求項32】 請求項25〜30のいずれか1項に記
    載の遠心鋳造方法で得られた希土類磁石合金を、粉砕、
    又は、900〜1150℃の範囲内の温度で熱処理後に
    粉砕することを特徴とする希土類磁石用合金粉末の製造
    方法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の製造方法によって
    製造された希土類磁石用合金粉末を使用して作製された
    焼結磁石。
  34. 【請求項34】 請求項32に記載の製造方法によって
    製造された希土類磁石用合金粉末をHDDR処理して製
    造されたことを特徴とする異方性ボンド用磁石粉末。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の異方性ボンド用磁
    石粉末を使用して製造されたことを特徴とする異方性ボ
    ンド磁石。
  36. 【請求項36】 鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、
    Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1
    1.0〜15.2原子%の範囲内で含有し、鋳造品の厚
    さ方向断面にてデントライト状αFe相を含む組織が占
    める面積率が10%以下であり、前記鋳造品の厚さが3
    〜30mmの範囲内であることを特徴とする希土類磁石
    用合金。
  37. 【請求項37】 鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、
    Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1
    1.0〜15.2原子%の範囲内で含有し、鋳造品の厚
    さ方向断面にてデントライト状αFe相を含む組織が占
    める面積率が10%以下であり、長軸径が1000μm
    以上の結晶粒が占める面積率が10〜98%の範囲内で
    あることを特徴とする希土類磁石用合金。
  38. 【請求項38】 鋳造後未処理の希土類磁石合金で、鋳
    造品厚さ方向断面にてデントライト状αFe相を含む組
    織が占める面積率が10%以下であり、前記鋳造品の厚
    さが3〜30mmの範囲内であることを特徴とするR−
    T−B系希土類磁石用合金。
  39. 【請求項39】 鋳造後未処理の希土類磁石合金で、鋳
    造品厚さ方向断面にてデントライト状αFe相を含む組
    織が占める面積率が10%以下であり、長軸径が100
    0μm以上の結晶粒が占める面積率が10〜98%の範
    囲内であることを特徴とするR−T−B系希土類磁石用
    合金。
  40. 【請求項40】 鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、
    Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1
    1.0〜15.2原子%の範囲内で含有し、鋳造品厚さ
    方向断面にて実質的にデントライト状αFe相を含ま
    ず、鋳造品の厚さが3〜30mmの範囲内であることを
    特徴とする希土類磁石用合金。
  41. 【請求項41】 鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、
    Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1
    1.0〜15.2原子%の範囲内で含有し、鋳造品の厚
    さ方向断面にて実質的にデントライト状αFe相を含ま
    ず、長軸方向1000μm以上の結晶粒が占める面積率
    が50〜98%の範囲内であり、鋳造品の厚さが3〜3
    0mmの範囲内であることを特徴とする希土類磁石用合
    金。
  42. 【請求項42】 鋳造後未処理の希土類磁石用合金で、
    Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1
    1.0〜15.2原子%の範囲内で含有し、鋳造品厚さ
    方向断面にて実質的にデントライト状αFe相を含ま
    ず、長軸方向1000μm以上の結晶粒が占める面積率
    が50〜98%でかつ短軸方向の平均結晶粒径が60μ
    m以上であり、鋳造品の厚さが3〜30mmの範囲内で
    あることを特徴とする希土類磁石用合金。
  43. 【請求項43】 Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上
    の元素の合計が、11.8〜14.4原子%の範囲内で
    あることを特徴とする請求項36、37、40〜42の
    何れか1項に記載の希土類磁石用合金。
  44. 【請求項44】 Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上
    の元素の合計が、11.8〜13.5原子%の範囲内で
    あることを特徴とする請求項36、37、40〜42の
    何れか1項に記載の希土類磁石用合金。
  45. 【請求項45】 鋳造品の厚さが、5〜20mmの範囲
    内であることを特徴とする請求項36、38、40〜4
    2の何れか1項に記載の希土類磁石用合金。
  46. 【請求項46】 希土類系水素吸蔵合金を鋳造すること
    を特徴とする請求項1〜14または21〜24の何れか
    1項に記載の遠心鋳造方法。
  47. 【請求項47】 希土類水素吸蔵合金がミッシュメタル
    ニッケル系であることを特徴とする請求項46に記載の
    遠心鋳造方法。
  48. 【請求項48】 鋳造する金属、合金、金属間化合物の
    融点または凝固開始温度が1400℃以上であることを
    特徴とする請求項1〜14または21〜24の何れか1
    項に記載の遠心鋳造方法。
  49. 【請求項49】 鋳造する金属、合金、金属間化合物に
    Tiが含まれることを特徴とする請求項48に記載の遠
    心鋳造方法。
  50. 【請求項50】 請求項31に記載の方法で製造された
    希土類磁石合金を二合金混合法による希土類磁石用の主
    相系合金としたことを特徴とする希土類磁石合金。
  51. 【請求項51】 請求項32に記載の製造方法で製造さ
    れた希土類磁石用合金粉末を二合金混合法による希土類
    磁石用の主相系合金粉末としたことを特徴とする希土類
    磁石粉末。
  52. 【請求項52】 請求項32に記載の製造方法で製造し
    た希土類磁石用合金粉末からなる主相系合金粉末と、N
    d、Pr、Dyの元素の合計割合が前記主相系合金粉末
    中のNd、Pr、Dyの元素の合計割合よりも多い粒界
    相系合金粉末とを混合して製造された焼結磁石。
  53. 【請求項53】 請求項36〜42のいずれか1項に記
    載した希土類磁石用合金を使用して作製した焼結磁石。
  54. 【請求項54】 請求項36〜42のいずれか1項に記
    載した希土類磁石用合金の粉末と、Nd、Pr、Dyの
    いずれか一種以上の元素を含む合金粉末とが混合されて
    製造された焼結磁石であり、該合金粉末中に含まれるN
    d、Pr、Dyの合計割合は、前記希土類磁石用合金中
    におけるNd、Pr、Dyの合計割合よりも多いことを
    特徴とする焼結磁石。
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