JP2817129B2 - 樹脂着色組成物 - Google Patents
樹脂着色組成物Info
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Description
い黒色〜灰色の着色樹脂成形品を得るのに有用な樹脂着
色組成物に関する。
は、無機充填剤(一般にタルク等)を含み得るエチレン
・プロピレン−ブロック共重合体を主体とする樹脂であ
り、この樹脂は耐衝撃性が大きいことが特徴で、自動車
部品、家電製品、その他の必要な成形品として広く使用
されている。ポリエチレンやポリプロピレン樹脂等のポ
リオレフィン樹脂を、黒色〜灰色に着色するための着色
用顔料としては、一般にカーボンブラック及び二酸化チ
タンが用いられている。顔料の中でも、特にカーボンブ
ラック及び二酸化チタンは着色力が優れており、経済的
にも安価であることから多量に使用されている。
填剤を0〜40重量部含有するエチレン・プロピレン−
ブロック共重合体を主体とする樹脂を黒色〜灰色に着色
するには、通常のカーボンブラック及び二酸化チタンを
配合し、これを溶融押出してペレット化している。しか
し、このペレットを押出成形機や、射出成形機に供して
成形品に成形した場合、成形加工時の溶融樹脂の流れ方
向の異方性によって、部分的に着色されずに成形品表面
が筋状又は帯状に白くなる色むら(色分れ)が生じる欠
陥があった。尚、この色むら(色分れ)は成形品のほぼ
同一ケ所に発生する特徴があり、一般的な着色剤の混ざ
りむら(混合不足)とは異なっている。前記の色むら
(色分れ)発生を防止するために、例えば、エチレン・
プロピレン−ブロック共重合体を主体とする樹脂の黒色
着色においてカーボンブラックに替えて鉄黒を使用する
方法が提案されている(特公昭62−14576号公
報)。
して着色濃度が乏しいため、カーボンブラックと同じよ
うな着色濃度を出すためには、カーボンブラックの約7
〜10倍の量の鉄黒を必要とする。その結果、エチレン
・プロピレン−ブロック共重合体を主体とする複合材料
の着色においては、着色剤の経費がかかるうえ、鉄黒を
多量に使用すると耐衝撃性の高いことに特徴のあるエチ
レン・プロピレン−ブロック共重合体を主体とする樹脂
成形品の強度が損なわれる欠点がある。従って本発明の
目的は、エチレン・プロピレン−ブロック共重合体を主
体とする樹脂をカーボンブラック及び二酸化チタンで着
色する際、樹脂の物性低下を起こさないで、しかも無機
質充填剤とともに使用した場合にも、色むら(色分れ)
なく着色成形することができる樹脂着色組成物を提供す
ることを目的とする。
明によって達成される。即ち、本発明は、エチレン・プ
ロピレン−ブロック共重合体を主体とする樹脂100重
量部当たり、無機充填剤0〜40重量部、カーボンブラ
ック0.01〜20重量部、二酸化チタン0.01〜2
0重量部及びモンタン酸化エステルワックス0.05〜
10重量部含有することを特徴とする樹脂着色組成物で
ある。
むらを防止する着色処方について、種々研究を重ねた結
果、樹脂組成物にモンタン酸エステルワックスを配合す
ることにより、前記色むら(色分れ)の発生が防止され
ることを見出し、この知見に基づき本発明を完成した。
発明を更に詳細に説明する。本発明で使用するエチレン
・プロピレン−ブロック共重合体を主体とする樹脂と
は、実際はポリプロピレン樹脂にエチレン・プロピレン
共重合体をブレンドされた樹脂組成物であり、通常、ホ
モポリプロピレン樹脂50〜99重量部に対してエチレ
ン・プロピレン共重合体を1〜50重量部の割合でブレ
ンドされたものである。即ち、この様な樹脂は、例え
ば、第一重合槽でプロピレンを重合してポリプロピレン
樹脂を生成させ、該ポリプロピレン樹脂を含有した重合
液をそのまま第二反応槽に移し、プロピレンガスととも
にエチレンガスを第二反応槽に供給して、エチレン・プ
ロピレン共重合体を生成させ、この際、第一反応槽で生
成したポリプロピレン樹脂との均一なブレンド物として
製造することができる。
ロック共重合体を主体とする樹脂の製造方法は、特公昭
40−11623号公報等に記載されている。上記の製
造方法において、原料ガスのプロピレン又はエチレンに
少量の炭素数4〜6のオレフィンを混合して同様に製造
した樹脂組成物も本発明のエチレン・プロピレン−ブロ
ック共重合体を主体とする樹脂として使用することがで
きる。本発明に用いるエチレン・プロピレン−ブロック
共重合体を主体とする樹脂の平均分子量は、特に制限は
ないが、通常MFRで表して0.1〜30程度のものを
使用することができる。
は、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、無水石膏等であり、好まし
くはタルクが一般的である。これらの無機充填剤は、エ
チレン・プロピレン−ブロック共重合体に対して0〜4
0重量部の割合で配合される。本発明で使用するカーボ
ンブラックは、ファーネスタイプ、チャンネルタイプの
いずれかでもよい。又、二酸化チタンは硫酸法及び塩素
法で製造されたもののいずれでもよい。これらのカーボ
ンブラックは、エチレン・プロピレン−ブロック共重合
体を主体とする樹脂100重量部当たり0.01〜20
重量部の割合で配合される。又、二酸化チタンは、エチ
レン・プロピレン−ブロック共重合体を主体とする樹脂
100重量部当たり0.01〜20重量部の割合で配合
される。
クスとは、密度:0.94〜1.10g/cc、酸価:
1〜200、鹸化価:50〜200程度のもので、エチ
レン・プロピレン−ブロック共重合体を主体とする樹脂
100重量部当たり0.05〜10重量部、好ましくは
0.1〜2%重量部の割合で使用することが好適であ
る。モンタン酸エステルワックスの含有量が0.05重
量部未満では、本発明の目的とする色むら(色分れ)の
発生をなくすことができず、一方、10重量部より多く
含有するものは、得られる成形品の物性を低下させるこ
とがあるので好ましくない。尚、本発明においては前記
のカーボンブラック顔料及び二酸化チタン顔料の他、従
来プラスチックの着色に一般に使用されている顔料、例
えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ア
ンスラキノン系、ジオキサジン系、ペリレン系、インジ
コ系、インダスレン系等の有機顔料、コバルトブルー、
黄鉛、ベンガラ、酸化クロム、群青、紺青等の無機顔料
も併用することができる。
記の成分であるが、その他必要に応じて各種担体樹脂、
分散剤、紫外線吸収剤、安定剤等の添加剤を適宜配合す
ることができる。本発明の樹脂着色組成物は、各種の形
態をとることができるが、例えば、必須成分を混合機
(ヘンシェルミキサー)で混合後、この混合物を押出機
等の混練機で溶融混練し、ペレット状に賦形して成形材
料として供給することができる。又、バンバリーミキサ
ー、ミキシングロール等の混練機でもよい。又、樹脂に
添加する着色剤等が低濃度範囲の場合には、いわゆるカ
ラーコンパウンドとして使用し、そのまま成形に供する
ことが出来、又、着色剤等が高濃度範囲のものは、これ
を樹脂で希釈して使用する着色マスターバッチとして使
用することが出来る。
具体的に説明する。 実施例1 エチレン・プロピレン−ブロック共重合体を主体とする
樹脂(エチレン含有量8重量部、MFR=1.8)7
8.4重量部、タルク(平均粒子径:2.3μm)2
0.0重量部、ファーネスタイプカーボンブラック(粒
子径:30μm)0.5重量部、二酸化チタン(粒子
径:0.3μm)1.0重量部及びモンタン酸エステル
ワックスA(酸価:90、鹸化価:120)0.1重量
部をヘンシェルミキサーで均一に混合し、常法に従って
押出成形機で押出成形を行い着色ペレットを得た。上記
ペレットを射出成形機(名機製作所製 70Z)を用い
て120×100×3mmの板状成形品を成形した(成
形条件=温度:220℃、金型温度:40℃)。この成
形品の色むら(色分れ)発生の状況を肉眼で観察した。
その結果を下記表1に示す。
樹脂(エチレン含有量8重量部、MFR=1.8)7
6.0重量部、タルク(平均粒子径:2.3μm)2
0.0重量部、ファーネスタイプカーボンブラック(粒
子径:30μm)1.0重量部、二酸化チタン(粒子
径:0.3μm)1.0重量部及びモンタン酸エステル
ワックスA(酸価:90、鹸化価:120)2.0重量
部を混合し、以下実施例1と同様に評価してその結果を
下記表1に示した。
樹脂(エチレン含有量8重量部、MFR=1.8)7
8.4重量部、タルク(平均粒子径:2.3μm)2
0.0重量部、ファーネスタイプカーボンブラック(粒
子径:30μm)0.5重量部、二酸化チタン(粒子
径:0.3μm)1.0重量部及びモンタン酸エステル
ワックスB(酸価:50、鹸化価:150)0.1重量
部を混合し、以下実施例1と同様に評価してその結果を
下記表1に示した。
樹脂(エチレン含有量8重量部、MFR=1.8)7
6.0重量部、タルク(平均粒子径:2.3μm)2
0.0重量部、ファーネスタイプカーボンブラック(粒
子径:30μm)1.0重量部、二酸化チタン(粒子
径:0.3μm)1.0重量部及びモンタン酸エステル
ワックスB(酸価:50、鹸化価:150)2.0重量
部を混合し、以下実施例1と同様に評価してその結果を
下記表1に示した。
樹脂(エチレン含有量8重量部、MFR=1.8)7
8.5重量部、タルク(平均粒子径:2.3μm)2
0.0重量部、ファーネスタイプカーボンブラック(粒
子径:30μm)0.5重量部及び二酸化チタン(粒子
径:0.3μm)1.0重量部を混合し、以下実施例1
と同様に評価してその結果を下記表1に示した。
樹脂(エチレン含有量8重量部、MFR=1.8)7
8.0重量部、タルク(平均粒子径:2.3μm)2
0.0重量部、ファーネスタイプカーボンブラック(粒
子径:30μm)1.0重量部及び二酸化チタン(粒子
径:0.3μm)1.0重量部を混合し、以下実施例1
と同様に評価してその結果を下記表1に示した。
る。 ×:白っぽい線が出る。
色組成物を常法に従って、各種の形状に成形加工する
と、その成形品が複雑な形状を有するものであっても、
その際に受ける複雑な溶融樹脂の流れ方向による色むら
(色分れ)がなく、表面の着色が非常に均一で優れた着
色成形品を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレン・プロピレン−ブロック共重合
体を主体とする樹脂100重量部当たり、無機充填剤0
〜40重量部、カーボンブラック0.01〜20重量
部、二酸化チタン0.01〜20重量部及びモンタン酸
化エステルワックス0.05〜10重量部含有すること
を特徴とする樹脂着色組成物。 - 【請求項2】 エチレン・プロピレン−ブロック共重合
体を主体とする樹脂が、ホモポリプロピレン樹脂50〜
99重量部とエチレン・プロピレン共重合体1〜50重
量部とからなる請求項1に記載の樹脂着色組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264126A JP2817129B2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 樹脂着色組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264126A JP2817129B2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 樹脂着色組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0688009A JPH0688009A (ja) | 1994-03-29 |
JP2817129B2 true JP2817129B2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=17398838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4264126A Expired - Lifetime JP2817129B2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 樹脂着色組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2817129B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001262073A (ja) * | 2000-03-01 | 2001-09-26 | Clariant Gmbh | 着色粉体塗装材料の製造 |
JP6175876B2 (ja) * | 2012-05-08 | 2017-08-09 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリオレフィン樹脂組成物及び成形体 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63112639A (ja) * | 1986-10-30 | 1988-05-17 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ポリオレフイン系樹脂組成物 |
JP2769836B2 (ja) * | 1989-02-23 | 1998-06-25 | 富士写真フイルム株式会社 | 写真フィルムパトローネ用容器本体 |
-
1992
- 1992-09-08 JP JP4264126A patent/JP2817129B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0688009A (ja) | 1994-03-29 |
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