JP2817026B2 - 建物の免震二重床構造 - Google Patents

建物の免震二重床構造

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JP2817026B2
JP2817026B2 JP21793294A JP21793294A JP2817026B2 JP 2817026 B2 JP2817026 B2 JP 2817026B2 JP 21793294 A JP21793294 A JP 21793294A JP 21793294 A JP21793294 A JP 21793294A JP 2817026 B2 JP2817026 B2 JP 2817026B2
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良成 河合
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幸雄 畑中
文宏 大山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建物の免震二重床構造に
係り、さらに詳しく言えば、設計自由度が増すとともに
施工性に優れた建物の免震二重床構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、建物の床構造としては、建物内部
に設置された機器等に地震等の震動が伝わらないように
するために、床上に多数立設された支持柱に床パネルを
支持させ、これらの床パネルに地震等の震動が伝わらな
いように構成された免震二重床構造が知られている。こ
のような建物の免震二重床構造は各種提案されていて、
例えば図9〜図11に示す建物の免震二重床構造90は
特開平4−24364号公報によるものである。
【0003】この免震二重床構造90は、建物の床91
に所定間隔で配設された支持体92と、前記支持体92
の上に摺動可能に載置されるスライド部材93と、前記
スライド部材93と前記建物の床91との間に連結され
て前記スライド部材93を位置決めするバネ部材94
と、隣り合う前記スライド部材93を相互に連結する連
結部材95と、前記スライド部材93に支持柱96を介
して前記建物の床91から所定高さに水平支持された床
パネル97とを含んで構成されている。
【0004】支持体92は、床91に固定された固定部
材92Aと、この固定部材92Aに対して球面当接する
支持部材92Bと、この支持部材92Bの上部平面に設
けられた摩擦材92Cとを備え、床91に対して等間隔
に多数配設されている。スライド部材93は、プレス成
形された平面矩形状のスライドパネル93Aと、このス
ライドパネル93Aにおける前記支持体92と向かい合
う面に貼設されて前記摩擦材92Cに摺接するスライド
板93Bとを備えている。このスライド部材93は、隣
り合う他のスライド部材93との相対位置が連結部材9
5により保持されているとともに、バネ部材94により
床91に対する所定位置に位置決めされている。
【0005】バネ部材94は引っ張りコイルバネとさ
れ、その一端が床91に固設された据付金具94Aに接
続されているとともに、他端が前記スライド部材93に
設けられたL字金具94Bに接続されている。連結部材
95は断面略C字形状とされ、長手方向の両端部がボル
ト等により前記スライド部材93に固定されている。
【0006】支持柱96は、前記スライド部材93に平
面略十字形状の二重床基盤98を介して立設される柱本
体96Aと、この柱本体96Aの上端に取り付けられて
床パネル97の角部を支持する受部96Bとを有してい
る。床パネル97は所定厚みを有する平面略正方形の板
状とされ、各角部が前記受部96Bの上に載置されるこ
とにより、これらの受部96B同士を連結するように敷
設されている。
【0007】このような建物の免震二重床構造90にお
いて、床91に生じた水平方向への震動は摩擦材92C
がスライド板93Bに対して摺動することにより吸収さ
れ、床91に生じた傾くような震動は固定部材92Aが
支持部材92Bに対して球面当接を保持したまま摺動す
ることにより吸収され、これらにより床パネル97の上
に設置された機器等に震動が伝わらないようにしてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9および
図11に示すように、各支持体92の設置間隔は、支持
柱96の受部96Bが床パネル97の平面角部を支持す
る関係上、床パネル97の辺縁寸法と同一にしておく必
要がある。すなわち、建物の免震二重床構造90を施工
するにあたっては、あらかじめ支持体92を床パネル9
7の辺縁寸法と同一の間隔で設置する必要があり、施工
作業が煩雑になるという問題があった。また、この免震
二重床構造90では、各支持体92が上述のように床パ
ネル97の辺縁寸法と同一の等間隔で設置されているた
め、辺縁寸法が異なる複数種類の床パネルを併用でき
ず、設計自由度が小さいという問題もあった。本発明
は、このような従来の問題を解決するためになされたも
ので、その目的は、複数種類の床パネルに対応できるこ
とにより設計自由度が増すとともに、施工作業が容易に
行える建物の免震二重床構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載した発明は、建物の床に所
定間隔で配設された支持体と、前記支持体の上に摺動可
能に載置されるスライド部材と、前記スライド部材と前
記建物の床との間に連結されて前記スライド部材を位置
決めするバネ部材と、隣り合う前記スライド部材を相互
に連結する連結部材と、前記スライド部材に支持柱を介
して前記建物の床から所定高さに水平支持された床パネ
ルとを有する建物の免震二重床構造において、前記スラ
イド部材間にはフレームが掛け渡され、前記フレームは
その上の任意位置に前記支持柱が立設可能に形成されて
いることを特徴としている。
【0010】ここで、支持体,スライド部材,バネ部
材,連結部材,支持柱,床パネルとしては従来と同様な
ものを採用すればよい。一方、フレームとしては、支持
柱が立設可能な平坦面や、支持柱を固定するためのボル
ト挿通孔や溶接可能領域等が確保できる形状であればよ
く、建物建設に用いられる断面略C字形状,断面T字形
状等の構造材、あるいは平面略正方形,平面三角形等の
平面任意形状の面材を採用すればよい。
【0011】また、本発明の請求項2に記載した発明
は、前記フレームが前記スライド部材間に掛け渡された
第1フレームと、前記第1フレームとこの第1フレーム
に隣り合う他の第1フレームとの間に掛け渡された第2
フレームとを有していることを特徴としている。ここ
で、第1フレームおよび第2フレームとしては、前述し
たフレーム形状と同様な構造材や面材等を採用すればよ
い。そして、第1フレームとこの第1フレームに隣り合
う他の第1フレームとしては、これらが互いに並行に配
置されていてもよく、あるいはそれぞれの長手方向が互
いに交差する方向を向くように配置されていてもよい。
【0012】さらに、本発明の請求項3に記載した発明
は、前記第1フレームの長手方向端部が前記スライド部
材の平面中央部に連結されていることを特徴としてい
る。ここで、第1フレームは、その長手方向中央部分が
他のスライド部材に支持されていてもよく、すなわち複
数のスライド部材にまたがって掛け渡されていてもよ
い。
【0013】また、本発明の請求項4に記載した発明
は、前記第1フレームが断面略T字形状とされ、前記第
2フレームが断面略C字形状とされていることを特徴と
している。ここで、第1フレーム,第2フレームとして
は、支持柱を立設可能な平坦面が床面から離れる方向、
すなわち上方を向くように用いればよい。
【0014】そして、本発明の請求項5に記載した発明
は、前記第2フレームはその端部が前記第1フレームの
上に載置されるとともに、当該第2フレームに接続され
た略鍵形状の係止部材の先端が前記第1フレームの下側
リブに係止されて固定されていることを特徴としてい
る。ここで、係止部材としては、丸棒部材の一端を略J
字形状に形成するとともに他端に雄ねじ部を形成してお
き、この雄ねじ部をナットで第2フレームに接続する構
造等が採用できる。
【0015】
【作用】このような本発明の請求項1に記載した発明に
おいては、支持柱がスライド部材間に掛け渡されるフレ
ームの上の任意位置に立設可能であるため、支持柱の立
設間隔と支持体の設置間隔との間の因果関係が解消され
ることになる。すなわち、フレーム上において敷設する
床パネルの辺縁寸法に対応して支持柱の立設間隔を任意
に設定することにより、支持体の設置間隔に関係なく床
パネルが敷設できることになる。したがって、建物の免
震二重床構造を施工するにあたって、あらかじめ床パネ
ルの辺縁寸法と同一の間隔で支持体を設置する煩雑作業
が不要になるとともに、フレーム上において支持柱の立
設位置を適宜選択することにより辺縁寸法の異なる複数
種類の床パネルを併用できることになる。
【0016】また、本発明の請求項2に記載した発明に
おいては、フレームが複数部材により構成されているた
め、施工現場に搬入するまで分解しておくことにより、
保管,運搬等の取り扱いが容易に行えることになる。こ
の際、第1フレームおよび第2フレームとして構造材を
用いれば、面状の第1フレームおよび第2フレームに比
較して取り扱いが一層容易に行えるとともに、当該第1
フレームおよび第2フレームが配線,配管等の取り回し
の障害になりにくく、施工後の配線,配管等の保守,点
検等も容易に行えることになる。
【0017】さらに、本発明の請求項3に記載した発明
においては、第1フレームの長手方向端部がスライド部
材の平面中央部に連結されているため、床パネル上の機
器荷重が第1フレームの長手方向端部を介してスライド
部材に対する鉛直方向、すなわちこのスライド部材と支
持体との接触部分に対する鉛直方向に作用し、当該部分
が震動吸収するための摺動が阻害されないことになる。
【0018】また、本発明の請求項4に記載した発明に
おいては、第1フレームが断面略T字形状とされ、第2
フレームが断面略C字形状とされているため、平板状の
フレームに比較して優れた剪断強度が得られるととも
に、支持柱を立設させるための平坦部が容易に確保でき
ることになる。
【0019】そして、本発明の請求項5に記載した発明
においては、第2フレームの端部が第1フレームの上に
載置されるため、第2フレームが第1フレームに対して
安定的に載置されるとともに、第2フレームに作用する
荷重が確実に第1フレームに伝わることになる。一方、
係止部材として例えば丸棒部材の一端を略J字形状に形
成するとともに、他端に雄ねじ部を形成しておけば、こ
の係止部材の一端を第1フレームの下側リブに係止し、
次いで他端を第2フレームに貫通させてナット固定する
という簡単な作業を行うだけで第2フレームを第1フレ
ームに固定でき、作業を簡略化できる。その上、第1フ
レームと第2フレームとは溶接のような永久結合ではな
く任意に着脱可能であるため、支持柱の立設位置を再選
択することにより辺縁寸法の異なる床パネルが敷設可能
となり、これらにより前記目的が達成される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、以下に説明する実施例において、既に図9
〜図11において説明した部材については、図中に同一
符号を付すことにより説明を簡略あるいは省略する。
【0021】図1および図2には、本発明に係る一実施
例が示されている。なお、図2は、図1において一点鎖
線で示されたA部の斜視図である。本実施例における建
物の免震二重床構造10は、建物の床91に所定間隔で
配設された支持体92と、前記支持体92の上に摺動可
能に載置されるスライド部材93と、前記スライド部材
93と前記建物の床91との間に連結されて前記スライ
ド部材93を位置決めするバネ部材94と、隣り合う前
記スライド部材93を相互に連結する連結部材95と、
前記スライド部材93に支持柱11を介して前記建物の
床91から所定高さに水平支持された床パネル97とを
含んで構成されている。
【0022】そして、本実施例における建物の免震二重
床構造10では、前記支持柱11が前記スライド部材9
3間に掛け渡されたフレーム12の上に立設されてい
る。図3に示すように、支持柱11は、円筒形状の柱本
体11Aの一端側(図中上方)に図示しない床パネルの
平面角部を支持する受部(例えば図9に示す96B参
照)の取付部11Bが形成されているとともに、柱本体
11Aの他端側(図中下方)に前記フレーム12と面当
接可能な当接板11Cが設けられている。この支持柱1
1は、前記当接板11Cを貫通する支持柱固定ボルト1
1Dを用いてフレーム12の上の任意位置に立設されて
いる。
【0023】図1および図2に戻って、フレーム12
は、前記スライド部材93間に掛け渡される第1フレー
ム13と、前記第1フレーム13とこの第1フレーム1
3に隣り合う他の第1フレーム13との間に掛け渡され
る第2フレーム14とを備えている。
【0024】図4にも示すように、第1フレーム13は
建物建設に用いられるリブ13Aが形成された断面略T
字形状の構造材とされ、支持柱11を介して作用する床
パネル上に設置される機器の荷重に耐えうる強度を有し
ている。この第1フレーム13は、長手方向両端部にお
いてリブ13Aが突出するように形成され、長手方向両
端部に突出部15が設けられている。このような第1フ
レーム13は、リブ13Aの設けられていない平坦面1
3Bが床91から離れる方向、すなわち上方を向くよう
に用いられ、各突出部15が前記スライド部材93の平
面中央部に固設された第1フレーム接続部材16に連結
されている。そして、第1フレーム13は、他の第1フ
レーム13と平面略正方形の枠を形成するようにスライ
ド部材93間に掛け渡されている。
【0025】図2に示すように、第1フレーム接続部材
16は、平面略正方形の平板部17と、平板部17から
平面略十字形状に立ち上がる取付部18とを有し、前記
突出部15を貫通する第1フレーム固定ボルト19を用
いてボルト結合することにより、第1フレーム13をス
ライド部材93の平面中央部に連結可能としている。
【0026】図5および図6にも示すように、第2フレ
ーム14は建物建設に用いられる断面略C字形状の構造
材とされ、支持柱11を介して作用する床パネル97上
の機器荷重に耐えうる強度を有するとともに、その長手
方向端部にはフランジ14Aに段差を設けた段付部20
が形成されている。このような第2フレーム14は、フ
ランジ14Aの設けられていない平坦面14Bが床91
から離れる方向、すなわち上方を向くように用いられ、
前記段付部20が第1フレーム13の平坦面13B上に
載置されるとともに、当該第2フレーム14に接続され
た係止部材21により第1フレーム13に固定されてい
る。このような第2フレーム14は、その長手方向が前
記第1フレーム13の長手方向と略直交するように第1
フレーム13間に掛け渡されている。
【0027】係止部材21は、丸棒部材の一端が略J字
形状に形成された係止部21Aと、丸棒部材の他端に設
けられた雄ねじ部21Bとを有する略鍵形状とされてい
る。この係止部材21は、係止部21Aが第1フレーム
13のリブ13Aに係止されるとともに、第2フレーム
14の平坦面14Bに貫通させた雄ねじ部21Bが固定
ナット22により第2フレーム14に接続され、これら
により第2フレーム14が第1フレーム13に固定され
る。
【0028】以上のようなフレーム12は、図2および
図4〜図6に示すように、第1フレーム13の平坦面1
3Bおよび第2フレーム14の平坦面14Bに支持柱固
定ボルト11Dが螺合可能とされ、これらにより支持柱
11が任意位置に立設可能とされている。一方、図2に
示すように、フレーム12を構成する第1フレーム接続
部材16の直上に支持柱11を立設する場合には、第1
フレーム接続部材16において第1フレーム接続部材1
6を挟む第1フレーム13,13と反対側の取付部18
に支持柱補助部材23,23が連結される。そして、支
持柱11は、これらの第1フレーム13,13および支
持柱補助部材23,23の各平坦面13B,23Bに固
定ボルトを用いて水平固定された支持柱立設板24を介
してフレーム12に立設される。
【0029】支持柱補助部材23は、第1フレーム13
からその長手方向端部を切断したような形状,寸法とさ
れ、第1フレーム13と同様に固定ボルト25により第
1フレーム接続部材16に連結されている。支持柱立設
板24は平面略八角形の板材とされ、平面辺縁に沿って
設けられた挿通孔24Aと、平面中央に設けられた支持
柱用挿通孔24Bとを有している。挿通孔24Aは支持
柱立設板固定ボルト25が挿通可能とされ、前記第1フ
レーム13の平坦部13Bおよび支持柱補助部材23の
平坦部23Bに形成された雌ねじ13C,23Cの形成
位置に対応する位置に設けられている。一方、支持柱用
挿通孔24Bは、支持柱11の当接板11Cを貫通する
支持柱固定ボルト11Dが挿通可能とされている。
【0030】このような第1フレーム接続部材16は、
第1フレーム13の連結形態やその直上に立設される支
持柱11の有無により、図2に示す第1フレーム接続部
材16Aと、図7に示す第1フレーム接続部材16Bと
が適宜選択されて用いられている。第1フレーム接続部
材16Bの基本構成は前記第1フレーム接続部材16A
と同様とされているが、第1フレーム接続部材16Aで
は平板部17から立ち上がる取付部18が平面略十字形
状であるのに対し、第1フレーム接続部材16Bでは取
付部25が平面略T字形状である点が第1フレーム接続
部材16Aとの相違点である。そして、図2で示す第1
フレーム接続部材16Aは図1中のA部,B部,C部,
D部に用いられるものであり、図7に示す第1フレーム
接続部材16Bは図1中のE部に用いられるものであ
る。
【0031】図1のA部は、2本の第1フレーム13が
互いに交差する方向に向けてスライド部材93に連結さ
れているとともに、支持柱11がその直上に立設される
箇所である。図1のB部は、3本の第1フレーム13が
すべて交差する方向に向けてスライド部材93に連結さ
れているとともに、支持柱11がその直上に立設される
箇所である。図1のC部は、4本の第1フレーム13が
すべて交差する方向に向けてスライド部材93に連結さ
れているとともに、支持柱11がその直上に立設されな
い箇所である。図1のD部は、4本の第1フレーム13
がすべて交差する方向に向けてスライド部材93に連結
されているとともに、支持柱11がその直上に立設され
る箇所である。図1のE部は、3本の第1フレーム13
がすべて交差する方向に向けてスライド部材93に連結
されているとともに、支持柱11がその直上に立設され
ない箇所である。
【0032】次に、以上のような本実施例における建物
の免震二重床構造10の施工手順を説明する。まず、工
場等において生産された支持体92,スライド部材9
3,バネ部材94,連結部材95,支持柱11,床パネ
ル97、フレーム12を建物の免震二重床構造10の施
工現場に搬入する。この際、フレーム12は、分解した
状態すなわち個別の第1フレーム13,第2フレーム1
4,第1フレーム接続部材16等の部品状態で施工現場
に搬入する。施工現場においては、床91に支持体92
を所定間隔で多数配設し、次いでこれらの支持体21の
上にスライド部材93を載置するとともにスライド部材
93同士を連結部材95で連結し、互いに一体化した各
スライド部材93をバネ部材94により床91に対して
位置決めする。
【0033】そして、フレーム12を組み立てるにあた
っては、まず、スライド部材93の直上に立設される支
持柱11の有無や第1フレーム13の連結形態等を考慮
して第1フレーム接続部材16A,16Bを適宜選択
し、各スライド部材93に固設する。次に、これらのス
ライド部材93間に前記第1フレーム接続部材16を介
して第1フレーム13を掛け渡すとともに、これらの第
1フレーム13間に第2フレーム14を掛け渡し、係止
部材21により第2フレーム14を第1フレーム13に
固定してフレーム12を組み立てる。この際、第2フレ
ーム14は、長手方向両端部に形成された段付部20が
第1フレーム13の平坦面13Bに当接するように第1
フレーム13上に載置し、これにより第1フレーム13
への載置安定性が確保される。
【0034】このフレーム12の上において、床パネル
97の平面角部が配置される位置に支持柱11を立設さ
せる。この際、フレーム12は、第1フレーム13の平
坦面13B上,第2フレーム14の平坦面14B上,第
1フレーム接続部材16の直上のいずれにも支持柱11
が立設可能であるため、様々な辺縁寸法を有する床パネ
ル97に対応可能であり、かつ辺縁寸法の異なる複数種
類の床パネルを併用することも可能である。最後に、支
持柱11の取付部11Bを介して取り付けられた受部
(例えば図9に示す96B参照)の上に床パネル97の
角部を載せて床パネル97を多数敷設し、建物の免震二
重床構造10の施工作業を終了する。
【0035】以上のような本実施例によれば、支持柱1
1がフレーム12の上の任意位置に立設可能であるた
め、床パネル97の辺縁寸法に応じて自由に立設位置を
選択できることになる。したがって、支持体92を配設
するにあたって、床パネル97の辺縁寸法や、敷設位置
等を考慮する必要がなくなり、建物の免震二重床構造1
0の施工作業を簡略化できる。また、辺縁寸法の異なる
複数種類の床パネルを併用して敷設できるため、床面の
機能的,意匠的バリエーションが増し、設計自由度を拡
大できる。
【0036】さらに、フレーム12が第1フレーム1
3,第2フレーム14を組み合わせることにより構成さ
れているため、これらを施工時まで分解しておくことに
より保管,運搬等の取り扱いが容易となり、施工現場へ
の搬入作業も容易に行える。特に、第1フレーム13,
第2フレーム14が建物建設に用いられる構造材である
ため、資材の調達も容易である上、面状のフレームに比
較して取り扱いが一層簡便となる。そして、フレーム1
2が面材状に構成されていないため、施工終了後に配
線,配管等を取り回す際にも障害とならずに作業が容易
に行えるとともに、これらの配線,配管等の保守,点検
等も容易に行える。
【0037】また、第1フレーム13は、その長手方向
端部がスライド部材93の平面中央部に連結されている
ため、床パネル97の上に設置された機器荷重がスライ
ド部材93に対する鉛直方向、すなわちこのスライド部
材93と支持体92との接触部分に対する鉛直方向に作
用する。したがって、摩擦材92Cがスライド板93B
に対して摺動する作用や、固定部材92Aが支持部材9
2Bに対して球面当接を保持したまま摺動する作用を阻
害することがなく、床91に生じた震動を前記各部で確
実に吸収させることができる。
【0038】さらに、第1フレーム13は断面略T字形
状、第2フレーム14は断面略C字形状であるため、支
持柱11を介して作用する床パネル97上に設置される
機器の荷重に耐えうる剪断強度が得られるとともに、支
持柱11を立設させるための平坦部13B,14Bが容
易に確保できる。そして、第2フレーム14は、長手方
向端部が第1フレーム13の上に載置されているため、
当該第2フレーム14に作用する床パネル97の上に設
置された機器荷重が確実に第1フレーム13に伝達でき
る。
【0039】また、第2フレーム14は、係止部材21
の係止部21Aを第1フレーム13のリブ13Aに係止
し、次いで雄ねじ部21Bを第2フレーム14に貫通さ
せてナット固定するという簡単な作業を行うだけで第1
フレーム13に固定できるため、固定作業を簡略化でき
る。特に、第2フレーム14を第1フレーム13に固定
するにあたっては、ボルト結合に付随するボルト挿通孔
を形成しておく事前作業が必要なく、作業を一層簡略化
できる。
【0040】さらに、第2フレーム14は、第1フレー
ム13に対して固定溶接のように永久的に結合されるわ
けではなく、任意に着脱可能である。このため、建物の
免震二重床構造10では、支持柱11の立設位置を微調
整したり、あるいは立設位置を再選択することにより、
辺縁寸法の異なる他の床パネル97を敷設する場合や、
辺縁寸法の異なる複数種類の床パネルを併用する場合に
も容易に対応できる。そして、第2フレーム14は、長
手方向端部に段付部20が形成されているため、これら
の段付部20を第1フレーム13の平坦面13B上に載
置することにより、第1フレーム13への載置安定性が
得られる。
【0041】なお、本発明は前述した実施例に限定され
るものではなく、本発明を達成できる範囲での改良,変
形等は本発明に含まれるものである。例えば、前述した
本実施例におけるフレームは、建物建設に用いられる構
造材を第1フレームおよび第2フレームとして採用し、
これらを組み合わせることにより構成されていたが、本
発明のフレーム形状としては面状であってもよい。この
ような面状のフレームとしては平面四角形,平面三角形
等、平面形状は任意であり、任意位置に支持柱が立設可
能に形成されていればよい。
【0042】さらに、フレームを第1フレームと第2フ
レームとにより構成する場合でも、第1フレームとして
面状の部材を採用してもよい。例えば、図8(A)に示
す建物の免震二重床構造30では、前記実施例で例示さ
れた第1フレーム13に加えて、各スライド部材93間
に掛け渡される第1フレームとして平面四角形,平面三
角形の第1フレーム33が採用されている。これらの第
1フレーム33は、隣り合う他の第1フレーム33との
間に間隔を設けてスライド部材93間に掛け渡されてい
て、これにより床91が一部露出している。そして、こ
れらの第1フレーム13,33間に建物建設に用いられ
る構造材の第2フレーム34が掛け渡されている。この
ようにすれば、第1フレーム33の上における支持柱の
立設可能領域が拡大して床パネルの敷設位置の更なる多
様化に対応できるとともに、床91が一部露出している
ため配管,配線等の取り回しも阻害されることがない。
【0043】また、前記実施例における第2フレーム1
4は、第1フレーム13と略直交するように第1フレー
ム13間に掛け渡されていたが、前記第1フレーム13
とこの第1フレーム13に隣り合う他の第1フレーム1
3との間に掛け渡されていればよい。例えば、図8
(B)に示すように、互いに交差方向に向けて配置され
た一対の第1フレーム13間に第2フレーム14を掛け
渡してもよい。
【0044】さらに、前記実施例において第1フレーム
13に支持柱11を立設する場合、支持柱11は第1フ
レーム13にボルト結合されていたが、図8(C)に示
すように、支持柱立設部材26を介して第1フレーム1
3に立設させてもよい。支持柱立設部材26は、第2フ
レーム14の長手方向端部を切断したような形状とさ
れ、フランジ26Aに段付部20が形成されているとと
もに、平坦面26Bに支持柱11が立設可能とされてい
る。この支持柱立設部材26は、一対の係止部材21に
より第1フレーム13に係止固定される。このような支
持柱立設部材26を用いれば、第1フレーム13に支持
柱11を立設させるにあたって、あらかじめ第1フレー
ム13に固定ボルト挿通孔を形成しておく事前作業が不
要になるとともに、立設位置の微調整や立設位置の変更
等が容易に行える。
【0045】その他、前記実施例で示した支持体,スラ
イド部材,バネ部材,連結部材,支持柱,床パネル,フ
レームおよびフレームを構成する第1フレーム,第2フ
レーム,第1フレーム接続部材等の形状,形態,数,設
置個所,立設位置,接続形態等は本発明を達成できるも
のであれば任意であり、限定されない。
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載した発明によれ
ば、支持体の設置位置に関係なく任意位置に支持柱が立
設可能であるため、辺縁寸法の異なる複数種類の床パネ
ルを併用して敷設できるとともに、あらかじめ床パネル
の辺縁寸法に対応して支持体を設置する煩雑作業が不要
になって施工作業を簡略化できる。
【0047】また、本発明の請求項2に記載した発明に
よれば、フレームが複数部材により構成されているた
め、施工現場に分解状態で搬入することにより搬入作業
を容易に行える。さらに、本発明の請求項3に記載した
発明によれば、第1フレームの長手方向端部がスライド
部材の平面中央に連結されているため、床パネル上に設
置された機器等の荷重がスライド部材に対して鉛直方向
に加わり、震動を吸収するための摺接作用を確実に行う
ことができる。
【0048】また、本発明の請求項4に記載した発明に
よれば、第1フレームが断面略T字形状、第2フレーム
が断面略C字形状であるため、所定の強度と支持柱を立
設させるための平坦部が容易に確保できる。そして、本
発明の請求項5に記載した発明によれば、第2フレーム
の端部が第1フレームの上に載置されているため、第2
フレームを第1フレームに安定載置できるとともに、第
2フレームに作用する荷重を確実に第1フレームに伝達
できる。また、略鍵形状の係止部材により第2フレーム
が第1フレームに係止固定されているため、第1フレー
ムおよび第2フレームにボルト固定用の挿通孔を形成す
る事前作業が不要になるとともに、固定作業も簡略化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す模式平面図である。
【図2】前記実施例の要部を示す斜視図である。
【図3】支持柱を示す全体斜視図である。
【図4】第1フレームを示す全体斜視図である。
【図5】第2フレームを示す全体斜視図である。
【図6】第1フレームへの第2フレームの固定状態を示
す側面図である。
【図7】第1フレーム接続部材を示す全体斜視図であ
る。
【図8】本発明の変形例を示す模式平面図および側面図
である。
【図9】従来の建物の免震二重床構造を示す要部斜視図
である。
【図10】従来の建物の免震二重床構造を示す要部側面
図である。
【図11】従来の建物の免震二重床構造を示す模式平面
図である。
【符号の説明】
10 建物の免震二重床構造 11 支持柱 12 フレーム 13 第1フレーム 13A リブ 14 第2フレーム 16 フレームを構成する第1フレーム接続部材 21 係止部材 91 床 92 支持体 93 スライド部材 94 バネ部材 95 連結部材 97 床パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 15/024 605 E04F 15/024 606 E04F 15/024 603

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の床に所定間隔で配設された支持体
    と、前記支持体の上に摺動可能に載置されるスライド部
    材と、前記スライド部材と前記建物の床との間に連結さ
    れて前記スライド部材を位置決めするバネ部材と、隣り
    合う前記スライド部材を相互に連結する連結部材と、前
    記スライド部材に支持柱を介して前記建物の床から所定
    高さに水平支持された床パネルとを有する建物の免震二
    重床構造において、前記スライド部材間にはフレームが
    掛け渡され、前記フレームはその上の任意位置に前記支
    持柱が立設可能に形成されていることを特徴とする建物
    の免震二重床構造。
  2. 【請求項2】 前記フレームは前記スライド部材間に掛
    け渡された第1フレームと、前記第1フレームとこの第
    1フレームに隣り合う他の第1フレームとの間に掛け渡
    された第2フレームとを有していることを特徴とする前
    記請求項1に記載した建物の免震二重床構造。
  3. 【請求項3】 前記第1フレームの長手方向端部が前記
    スライド部材の平面中央部に連結されていることを特徴
    とする前記請求項2に記載した建物の免震二重床構造。
  4. 【請求項4】 前記第1フレームは断面略T字形状とさ
    れ、前記第2フレームは断面略C字形状とされているこ
    とを特徴とする請求項2あるいは請求項3に記載した建
    物の免震二重床構造。
  5. 【請求項5】 前記第2フレームはその端部が前記第1
    フレームの上に載置されるとともに、当該第2フレーム
    に接続された略鍵形状の係止部材の先端が前記第1フレ
    ームの下側リブに係止されて固定されていることを特徴
    とする請求項4に記載した建物の免震二重床構造。
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