JP2815867B2 - 洗浄用組成物 - Google Patents

洗浄用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、洗顔料、ボディーシャンプー等の皮膚に
対する洗浄用組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、洗顔料、ボディーシャンプー等の洗浄剤の商品
価値を高める目的から、しばしば真珠光沢を与えること
が行なわれて来た。このような真珠光沢を付与するため
に、高級脂肪酸もしくはエチレングリコール脂肪酸エス
テル等の真珠光沢を呈する結晶を晶出させる技術が採ら
れて来たが、高級脂肪酸を使用する際は優れた真珠光沢
を生成せしめると同時に洗浄力および温度安定性をも満
足させる処方を開発することは容易ではなく、また、エ
チレングリコール脂肪酸エステルを用いたときには、pH
値がアルカリ領域にあって不安定であり好ましくない。
さらにこのような高級脂肪酸およびエチレングリコール
脂肪酸エステルは、優れた真珠光沢を有する結晶として
晶出させるために熟成工程、すなわち一定時間の温度状
態に保持する工程、が必要となり、製造が簡便であると
はいえない。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の技術においては、製造が簡便で優
れた真珠光沢を発現し、同時に優れた温度安定性、優れ
た洗浄力を有し、しかも皮膚に対する反応は緩和である
ような洗浄用組成物は得られないという問題点があり、
これらを解決することが課題となっていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明は飽和高級ア
ルコールと高級脂肪酸塩とを主要成分とした洗浄用組成
物とする手段を採用するものである。以下その詳細を述
べる。
まず、この発明における飽和高級アルコールは主とし
て飽和炭化水素基の炭素数が22のベヘニルアルコールか
らなり、このベヘニルアルコールの配合割合は高級アル
コール全体の80重量%以上、好ましくは85重量%以上で
あり、かつ高級アルコール全体の炭素数20以上の飽和高
級アルコールの含有率が90重量%以上のものである。こ
のようなベヘニルアルコールは、たとえば菜種油から得
られる脂肪酸を還元した後蒸留することにより容易に得
られる物質であり、従来から化粧品、医薬品等の原料と
して広く使用されているものの高純度品である。
つぎにこの発明の高級脂肪酸塩は、炭素数8〜22の飽
和脂肪酸および不飽和脂肪酸の両方もしくは一方からな
る脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくはア
ルカノールアミン塩の1種または2種以上の混合物であ
り、このような塩を形成する物質としては、たとえば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン等の有機塩基などを例示することができる。そ
して、この高級脂肪酸塩は予め別途製造されたものであ
っても、またこの発明の洗浄用組成物を調製する工程中
で生成されるものであってもよい。
ここで、飽和高級アルコールと高級脂肪酸塩とを配合
する際に際しては界面活性剤を用いるのが望ましく、そ
の界面活性剤としては陰イオン界面活性剤、両性界面活
性剤、非イオン界面活性剤の1種もしくは2種用いるこ
とができる。すなわち、陰イオン界面活性剤としては、 I.アルキル硫酸エステル塩 R1−O−SO3M (式中R1は炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基、
Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアルカノールア
ミンなどの基) II.ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩 R1−O−(CH2CH2O)nSO3M (式中R1およびMは前記のとおり。nは平均で1〜5) III.ジアルキルスルホコハク酸エステル塩 (式中R1およびMは前記のとおり。またR2も炭素数8〜
18のアルキル基またはアルケニル基) IV.アシルイセチオネート R1−COOCH2CH2SO3M (式中R1およびMは前記のとおり。) V.α−オレフィンスルホン酸塩 R1CH=CHCH2SO3M または (式中R1およびMは前記のとおり。) VI.N−アシルグルタミン酸塩 (式中R3は炭素数7〜21のアルキル基、アルケニル基、
M1およびM2は水素、アルカリ金属、アンモニウムまたは
アルカノールアミンなどの基) VII.N−アシルメチルタウリン塩 (式中R4は炭素数10〜18のアルキル基、アルケニル基。
Mは前記のとおり。) VIII.N−アシルアミノ酸塩 (式中R5は炭素数10〜16のアルキル基、アルケニル基、
R6は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基ま
たは水素。Mは前記のとおり。mは1または2の整数) 両性界面活性剤としては、 アミノ酸型(アルキルアミノプロピオン酸メチル、塩
酸アルキルアミノエチルグリシン)、ベタイン型(ラウ
リルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−
カルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾニウムベタ
イン)、スルホン酸型(N−ラウリル−N,N−ジメチル
アミノプロピルスルホン酸)、 非イオン界面活性剤としては、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(Span型)、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween
型)、ショ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノール
アミド、アルキルアミンオキシド、 などを例示することが出来る。そして、これら界面活性
剤は上記例に限定されるものではなく、界面活性剤であ
ればいずれも支障なく使用することが可能である。
なお、飽和高級アルコールと高級脂肪酸塩との配合割
合(重量比)は1:20から20:1の範囲にあることが好まし
い。ここで飽和高級アルコール配合比がこの範囲より少
ないと、優れた真珠光沢が得られず、逆にこの範囲より
多くなると洗浄力および使用感が悪くなり好ましくな
い。
また、ベヘニルアルコールの配合量は1〜30重量%と
する。なぜならば1重量%未満の少量のときは優れた真
珠光沢が得られず、逆に30重量%を越える多量のとき
は、洗浄力および起泡力が悪くなるためである。
さらに、高級脂肪酸塩の配合量は1〜50重量%とする
ことが好ましい。なぜならば1重量%未満もしくは50重
量%を越えるときは、優れた真珠光沢が得られないから
である。
なお、界面活性剤の配合量は1〜80重量%であること
が望ましいが、これは1重量%未満または80重量%を越
えるときは、いずれも優れた真珠光沢が得られないから
である。
この発明の洗浄用組成物には上記の諸成分のほかに、
通常洗顔料、ボディーシャンプー等に使用されている防
腐殺菌剤、酸化防止剤、着色料、着香料、過脂肪剤、保
湿剤、金属イオン封鎖剤、各種薬効成分などを適宜配合
してもよい。
〔作用〕
この発明における飽和高級アルコールは、短時間に真
珠光沢を発現させる作用、耐酸耐アルカリ作用のほか
に、飽和高級アルコール特有の加脂作用をも現わす。
〔実施例〕
実施例および比較例において使用した原材料を一括し
て示すとつぎのとおりである。なお、配合割合はすべて
重量%である。
飽和高級アルコール: ベヘニルアルコールA(第1表参照) ベヘニルアルコールB(第1表参照) 高級脂肪酸塩: ヤシ油脂肪酸ナトリウム ミリスチン酸トリエタノールアミン 界面活性剤: ポリオキシエチレン[POE](2)ラウリル硫酸ナト
リウム ラウリル硫酸ナトリウム α−オレフィンスルホン酸ナトリウム N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタノール
アミン ラウロイルサルコシンナトリウム ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキ
シエチルイミダゾリウムベタイン POE(10)ラウリルエーテル POE(20)ソルビタンモノステアレート ショ糖ラウレート 湿潤剤その他: グリセリン プロピレングリコール 実施例1〜8: 第2表に示す配合割合で洗顔料(実施例1〜6)、お
よびにボディーシャンプー(実施例7、8)を調製し
た。調製方法はベヘニルアルコール、高級脂肪酸塩、界
面活性剤、精製水およびその他の成分を80℃に加温し、
均一混合した後、40℃まで冷却する。得られた洗浄料は
調製直後から真珠光沢に優れ、ただちに洗顔料およびボ
ディーシャンプー等として使用できるものである。な
お、得られた洗浄用組成物の性状を調べる目的で真珠光
沢性試験、真珠光沢の高温安定性試験、洗浄力試験を行
ない、その結果を第3表にまとめた。
ここで、各試験の方法および評価基板はつぎのとおり
である。
真珠光沢性試験: 視覚判定により、非常に優れている(5)、優れてい
る(4)、普通(3)、劣っている(2)、非常に劣っ
ている(1)の5段階に評価する。
真珠光沢の高温安定性試験: 試料を45℃の恒温室に1カ月間放置後の状態を つぎの基準で評価した。真珠光沢に全く変化が認められ
ない(○印)、やや変化が認められる(△印)、真珠光
沢が消失しているかまたは調製時から真珠光沢がない
(×印)の3段階に評価する。
洗浄力試験: 男女20名による洗浄力試験を行ない、良い(+1)、
普通(0)、悪い(−1)の3段階に官能的に評価し、
その平均値を求め、1.0〜5.0(○印)、0.5〜−0.5(△
印)、−0.5〜−1.0(×印)の3段階で示す。
比較例1および2: 第2表に示した配合とした以外は実施例1と全く同じ
操作をして洗浄用組成物を調製し、同様の試験を行な
い、得られた結果を第3表に併記した。
第3表から明らかなように、比較例1および2は実施
例1〜8に比べ真珠光沢性がなく、しかもゲル状もしく
は乳液状を呈するため、洗浄力もなく使用感の悪いもの
であった。
〔効果〕
この発明の洗浄剤組成物は、製造時の条件、処方上の
制約が少なく、容易に短時間で製造が可能である。また
生産コストが安価になるばかりでなく、大量生産も可能
である。その上、優れた真珠光沢性を有し、しかも熱お
よびアルカリによる加水分解安定性にも優れたものであ
るから、高温で長時間経過してもその真珠光沢に異常が
認められず、さらに広いpH値の領域においても使用が可
能であるばかりでなく、この発明の洗浄用組成物中の飽
和高級アルコールのもつ独自の良好な使用感も付加さ
れ、従来の市販品には見られない幾多の効果が現われ
る。よって、この発明の意義はきわめて大きいと言え
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−294800(JP,A) 特開 昭57−167398(JP,A) 特開 昭53−29315(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 3/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高級アルコールと高級脂肪酸塩を主要成分
    とする洗浄用組成物において、前記高級アルコールが、
    飽和炭化水素基の炭素数22のベヘニルアルコールを80重
    量%以上含有し、かつ炭素数20以上の飽和高級アルコー
    ルの含有率が90重量%以上の高級アルコールであり、前
    記高級脂肪酸塩が、炭素数8〜22の飽和脂肪酸および不
    飽和脂肪酸の両方もしくは一方からなる脂肪酸のアルカ
    リ金属塩、アンモニウム塩もしくはアルカノールアミン
    塩の1種または2種以上の混合物からなる高級脂肪酸塩
    であることを特徴とする洗浄用組成物。
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