JP2815859B2 - 糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルの精製法 - Google Patents

糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルの精製法

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JP2815859B2 JP62311183A JP31118387A JP2815859B2 JP 2815859 B2 JP2815859 B2 JP 2815859B2 JP 62311183 A JP62311183 A JP 62311183A JP 31118387 A JP31118387 A JP 31118387A JP 2815859 B2 JP2815859 B2 JP 2815859B2
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【発明の詳細な説明】 (従来技術) 糖アルコールやショ糖の脂肪酸エステルは、食品用の
乳化剤として多量に使用されている。その製造方法とし
ては、公知のごとく、溶媒法と呼ばれ、例えば、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの様な溶媒を用
いて反応する方法、又は溶媒を使用せず、糖アルコール
又はショ糖、脂肪酸エステル、及びアルカリ石鹸を加熱
溶融し、130〜180℃の高温で反応させる方法がある。溶
媒法による反応方法は、無溶媒法にくらべて反応温度が
90〜110℃と比較的低温で良く、糖アルコールやショ糖
の脂肪酸エステルの精製方法として優れており、糖アル
コールやショ糖の脂肪酸エステルは一般に、この溶媒法
により製造されている。しかし使用する溶媒の沸点が14
0〜202℃と高く、又、毒性の強い溶媒もあり、食品用の
活性剤として使用される事から、溶媒の残存量が問題と
なる。市販されているショ糖脂肪酸エステル中には、ほ
とんど検出されないまでに取り除かれており、使用上問
題はないが、残存する可能性もあり、常に大きな危険を
持っている。 反応物から溶媒を除去する方法として、例えば特公昭
41−2538号公報において、反応後プロピレングリコール
を添加し、その後5〜10mmHgの減圧下、95℃以下の温度
で分留することにより溶媒を除去する方法が開示されて
いる。しかしながらこの方法ではプロピレングリコール
を用い、分留温度を95℃以下として溶媒を除去している
ため、溶媒の除去率が低く、精製される糖アルコール又
はショ糖の脂肪酸エステルは溶媒の含有率が高く安全性
が低いものとなってしまうという問題点が存在した。ま
た、溶媒の除去率を高めるために温度を上げると、糖ア
ルコール又はショ糖の脂肪酸エステルが着色してしまう
だけでなく、プロピレングリコールと反応溶媒の両方が
蒸発し、反応溶媒のみを除去することができないため、
分留温度を上げて溶媒の除去率を高めることはできなか
った。 (本発明の目的) 本発明の発明者は、ショ糖脂肪酸エステル又は、マル
チトール、マルトース、ラクチトール、マルトトリイト
ールの様な糖アルコールの脂肪酸エステルを含む反応液
に糖アルコールやショ糖の脂肪酸エステルに流動性を与
える流動化剤を加え、加温溶解し、減圧下に蒸留すると
き、きわめて安易に高沸点の反応溶媒を蒸留除去出来る
事を発見し、本発明を完成した。 添加する流動化剤としては、炭素数8〜22の一価アル
コール、例えば、ラウリルアルコール,セチルアルコー
ル,ステアリルアルコール,オレイルアルコール,イリ
ステアリルアルコール,2−オクチルドデカノール等の一
価のアルコール、又はグリセリン,ポリグリセリン,ポ
リエチレングリコールである多価アルコール、又は炭素
数8〜10,12〜22の脂肪酸、又は前記アルコールと炭素
数2〜22の脂肪酸とのエステル化物、或いは炭素数8〜
22の脂肪酸と炭素数1〜6のアルコールとのエステル化
物で、しかも、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド等の溶媒よりも沸点が高い物質が用いられる。 添加する流動化剤の量は、糖アルコールやショ糖の脂
肪酸エステルが50〜150℃の加温時に流動性が得られる
量であれば良く、特に限定するものではない。 蒸留時の温度は100〜150℃とされ、使用する流動化剤
に応じて、反応溶媒を容易に蒸留除去できる温度とすれ
ばよい。また、真空度は5mmHg未満とされる。5mmHg以上
では糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルが着色す
る恐れがあり好ましくないからである。 後述する実施例及び比較例の結果の通り、溶媒回収時
に上記した流動化剤を添加する事により、きわめて微量
にまで反応溶媒を留去する事が出来る。又、使用した流
動化剤は、n−ヘキサン等の溶媒で抽出するか、又はメ
チルエチルケトン等の糖アルコールやショ糖の脂肪酸エ
ステルを溶解する溶媒に加温溶解後、冷却、再結晶し、
ろ過する事により、取り除く事が出来る。又、回収した
流動化剤は、再使用する事ができる。 (実施例1) 内容量500ccの撹拌機付反応器にショ糖68.4g、ジメチ
ルスルホキシド205.2gを加え、90℃に加温し、ショ糖を
完全に溶解した。次にラウリン酸メチル21.4g及び炭酸
カリウム160mgを添加し、窒素ガスを流しながら30〜50m
mHgに減圧し、90〜95℃にて6時間反応した反応液に0.5
Nの硫酸を加え中和し、茶かっ色の反応液を得た。この
反応液にはショ糖脂肪酸エステルが20.8%含まれてい
た。この反応液に、流動化剤としてラウリン酸メチル38
g(ショ糖エステルと同量)を加え、最初90℃、2mmHgに
て、溶媒の80%以上を回収し、その後、重量温度を110
℃に上げ、真空度1mmHg以下にして残存する溶媒を1%
以下にした。次に蒸留器内に窒素ガスを流し、同様の条
件にて、5時間蒸留した。5時間後、残存するジメチル
スルホキシドを、ガスクロマトグラフィーにより定量し
た結果、1ppm以下であった。 (実施例2) 実施例1と同様の条件にて表−1の処方により、反応
物を得た後、流動化剤を表−2の通り添加し、減圧下に
蒸留した後、ガスクロマトグラフィーにて残存溶媒量を
定量した。結果は表−2の通りであった。 表−1、表−2の結果の通り、いずれの条件にても、
効率良く、高沸点の反応溶媒を蒸留除去する事が出来
た。 (実施例3) 内容量5000ccの撹拌機付反応器にショ糖684g、ジメチ
ルスルホキシド2052gを加え90℃に加温し、ショ糖を完
全に溶解する。次にラウリン酸メチル214g及び炭酸水素
カリウム1.6gを添加し、窒素ガスを流しながら30〜50mm
Hgに減圧し、90〜95℃にて6時間反応した反応液に0.5N
の硫酸を加え中和し、茶かっ色の反応液を得た。この反
応液にショ糖脂肪酸エステルが20.5%含まれており、反
応率は92.5%であった。この反応液に、流動化剤として
ラウリン酸メチル380gを加え、最初90℃、2mmHgにて、
溶媒の95%以上を回収し、次に真空度1×10-2mmHg、温
度100℃にて分子蒸留を行った。ジメチルスルホキシド
の残存量は1ppm以下であった。 (比較例1) 内容量500ccの撹拌機付反応器にショ糖68.4g、ジメチ
ルスルホキシド205.2gを加え、90℃に加温し、ショ糖を
完全に溶解した。次にラウリン酸メチル21.4g及び炭酸
カリウム160mgを添加し、窒素ガスを流しながら30〜50m
mHgに減圧し、90〜95℃にて6時間反応した。反応液に
0.5Nの硫酸を加え、中和し、茶っ色の反応液を得た。こ
の反応液にはショ糖脂肪酸エステルが20.1%含まれてい
た。この反応液を最初90℃、2mmHgにて溶媒の80%以上
を回収しその後、蒸留温度110℃に上げ真空度1mmHg以下
にして残存する溶媒を蒸留したが、蒸留途中にて反応物
粘度が急激に上昇し、流動性がなくなり、蒸留器内に付
着してしまったが、そのままの条件にて蒸留を5時間続
けた。残存するジメチルスルホキシドをガスクロマトグ
ラフィーにて定量した結果、9.6%含まれていた。 (比較例2) 反応溶媒にN−メチル−2−ピロリドン、205.2gを使
用して比較例1と同様に、反応後、溶媒回収を行った。
蒸留途中にて反応物の粘度が急激に上昇し、流動性がな
くなり、蒸留器内に付着してしまったが、そのままの条
件にて蒸留を5時間続けた。残存するN−メチル−2−
ピロリドンをガスクロマトグラフィーにて定量した結
果、10.1%含まれていた。 (比較例3) 内容量500ccの撹拌器付反応器にショ糖68.4g、ジメチ
ルスルホキシド205.2gを加え、90℃に加温し、ショ糖を
完全に溶解した。次にラウリン酸メチル221.4g及び炭酸
カリウム100mgを添加し、窒素ガスを流しながら30〜50m
mHgに減圧し、90〜95℃にて6時間反応した反応液に0.5
Nの硫酸を加え中和し、茶かっ色の反応液を得た。この
反応液はショ糖脂肪酸エステルが20.8%含まれていた。
この反応液に、流動化剤としてプロピレングリコール38
g(ショ糖エステルと同量)を加え、真空度5〜6mmHg、
温度95℃以下にて蒸留を行った。蒸留後、残存するジメ
チルスルホキシドを、ガスクロマトグラフィーにより定
量した結果、100ppm含まれていた。 (本発明の効果) 以上詳述した如く、本発明は、溶媒法により糖アルコ
ール又はショ糖の脂肪酸エステルを製造するにあたり、
反応終了後残存する反応溶媒を除去する方法として、糖
アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルに流動性を与え
る流動化剤を加え、真空度5mmHg未満、温度100〜150取
にて蒸留し、反応に使用した溶媒を蒸留除去する糖アル
コール又はショ糖の脂肪酸エステルの精製法であって、
前記流動化剤が炭素数8〜22の1価アルコール、又はグ
リセリン,ポリグリセリン,ポリエチレングリコールで
ある多価アルコール、又は炭素数8〜10,12〜22の脂肪
酸、又は前記アルコールと炭素数2〜22の脂肪酸とのエ
ステル化物、或いは炭素数8〜22の脂肪酸と炭素数1〜
6のアルコールとのエステル化物で、且つその沸点が前
記反応溶媒よりも高いことを特徴とする糖アルコール又
はショ糖の脂肪酸エステル打の精製法に関するものであ
るから、以下のような効果を奏する。 即ち、糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルに流
動性を与える流動化剤を加えることにより、蒸留中に糖
アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルが粘度を増して
蒸留器内に付着してしまうことがない。また、真空度5m
mHg未満、温度100〜150℃にて蒸留することにより、反
応溶液の除去率を高めることができるとともに、精製さ
れる糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルが着色す
るのを防ぐことができる。更に、流動化剤として、炭素
数8〜22の1価アルコール、又はグリセリン,ポリグリ
セリン,ポリエチレングリコールである多価アルコー
ル、又は炭素数8〜10,12〜22の脂肪酸、又は前記アル
コールと炭素数2〜22の脂肪酸とのエステル化物、或い
は炭素数8〜22の脂肪酸と炭素数1〜6のアルコールと
のエステル化物で、且つその沸点が前記反応溶媒よりも
高いものを使用することにより、蒸留温度を100〜150℃
として反応溶媒の除去率を高めることができ、安全性に
優れた糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルを得る
ことができるという効果を奏する。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.溶媒法により糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エス
    テルを製造するにあたり、反応終了後残存する反応溶媒
    を除去する方法として、糖アルコール又はショ糖の脂肪
    酸エステルに流動性を与える流動化剤を加え、真空度5m
    mHg未満、温度100〜150℃にて蒸留し、反応に使用した
    溶媒を蒸留除去する糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エ
    ステルの精製法であって、前記流動化剤が炭素数8〜22
    の1価アルコール、又はグリセリン,ポリグリセリン,
    ポリエチレングリコールである多価アルコール、又は炭
    素数8〜10,12〜22の脂肪酸、又は前記アルコールと炭
    素数2〜22の脂肪酸とのエステル化物、或いは炭素数8
    〜22の脂肪酸と炭素数1〜6のアルコールとのエステル
    化物で、且つその沸点が前記反応溶媒よりも高いことを
    特徴とする糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルの
    精製法。
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KR20180000680A (ko) * 2016-06-23 2018-01-03 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 당알코올 화합물의 금속 저감 방법 및 당알코올 화합물

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KR20180000680A (ko) * 2016-06-23 2018-01-03 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 당알코올 화합물의 금속 저감 방법 및 당알코올 화합물

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