JP2815663B2 - 光磁気記録用媒体及び光磁気情報記録方法 - Google Patents

光磁気記録用媒体及び光磁気情報記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [概要] 光磁気記録用媒体及び光磁気情報記録方法に関し、 ピックアップ光学系の回折限界によって制限される以
上に記録密度を向上させることができる光磁気記録用媒
体及び光磁気情報記録方法を提供することを目的とし、 基板上に光磁気材料からなる記録層が形成された光磁
気記録用媒体において、3つのレベルの光磁気記録によ
りそれぞれ形成された、前記記録層に垂直な第1の方向
に磁化されている第1の磁化部分と、前記第1の方向と
反対方向の第2の方向に磁化されている第2の磁化部分
と、前記第1の方向の磁化と前記第2の方向の磁化とが
混在する第3の磁化部分とを有するように構成する。
[産業上の利用分野] 本発明は、光磁気記録用媒体及び光磁気情報記録方法
に関する。
[従来の技術] 近年、コンピュータ等の外部メモリーとして、記録容
量の大きいいわゆる光磁気デイスク等の光磁気記録再生
装置が注目され、その構成やその装置を用いた情報の光
磁気記録再生方法も種々提案されている。
従来の光磁気デイスクにおいては、その記録状態は、
記録状態と消去状態の2つであった。即ち、第2図
(a),(b)に示されるように、光磁気デイスクの記
録層4に、例えば下向きに磁化されている消去部分8
と、上向きに磁化されている記録部分12とが形成され、
2値の記録レベルで記録されている。
従ってその出力レベルも、第2図(c)に示されるよ
うに、消去部分8に対応する情報“−1"と記録部分12に
対応する情報“1"との2値情報となる。
[発明が解決しようとする課題] このように従来の光磁気デイスクにおいては、記録状
態が記録と消去との2つの状態しかないため、その記録
密度を向上させようとする場合には、記録時における入
射光束のビーム径を小さくするしかなかった。
しかし、この入射光束のビーム径の大きさは、主とし
て、ピックアップレンズの開口数と入射光束の波長とで
規定される、いわゆるピックアップレンズの回折限界に
よって制限される。即ち、一旦ピックアップレンズの仕
様を決定すれば、この回折限界以下には、入射光束のビ
ーム径を小さくすることは出来ず、ビーム径を絞ること
によっては、これ以上の記録密度の向上は有り得ないこ
とになる。
そこで本発明は、ピックアップ光学系の回折限界によ
って制御される以上に記録密度を向上させることができ
る光磁気記録用媒体及び光磁気情報記録方法を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、基板上に光磁気材料からなる記録層が形
成された光磁気記録用媒体において、3つのレベルの光
磁気記録によりそれぞれ形成された、前記記録層に垂直
な第1の方向に磁化されている第1の磁化部分と、前記
第1の方向と反対方向の第2の方向に磁化されている第
2の磁化部分と、前記第1の方向の磁化と前記第2の方
向の磁化とが混在する第3の磁化部分とを有することを
特徴とする光磁気情報用媒体によって達成される。
また、基板上に光磁気材料からなる記録層が形成され
た光磁気記録用媒体に情報を記録する光磁気情報記録方
法において、前記記録層を記録層に垂直な第1の方向に
磁化して第1の磁化部分を形成することにより前記記録
層を初期化し、前記記録層に第1のパワーレベルの光束
を照射することにより、前記第1の方向と反対方向の第
2の方向に磁化して第2の磁化部分を形成して情報を記
録し、前記記録層に前記第1のパワーレベルよりも小さ
な第2のパワーレベルの光束を照射することにより、前
記第1の方向の磁化と前記第2の方向の磁化とが混在す
る第3の磁化部分を形成して情報を記録することによ
り、記録レベルが“−1"、“0"、“1"の3つのレベルと
なることを特徴とする光磁気情報記録方法によって達成
される。
[作用] 本発明によれば、記録層に、光磁気記録により、記録
層に垂直な第1の方向に磁化されている第1の磁化部分
と、第1の方向と反対方向の第2の方向に磁化されてい
る第2の磁化部分と、第1の方向の磁化と第2の方向の
磁化とが混在する第3の磁化部分とを形成することによ
り、3つのレベルで情報を記録することができる。
[実施例] 以下、本発明を図示する実施例に基づいて具体的に説
明する。
第1図(a)は本発明の一実施例による光磁気記録用
媒体を示す断面図、第1図(b)はその記録層における
記録状態を示す概念図、第1図(c)は記録層の平面
図、第1図(d)は出力レベルを示すグラフである。
本実施例による光磁気記録用媒体は、ディスク状基板
2上に、磁性材料からなる記録層4が設けられている。
そしてこの記録層4上には、金属膜等からなる反射層6
が設けられている。
次に、この光磁気記録用媒体の作成方法について説明
する。
ディスク状基板2としては、3インチGGG(GdGaガー
ネット)を用い、このディスク状基板2上にBi置換ガー
ネットをスパッタして記録層4を形成する。更にこの記
録層上に、Alを蒸着して反射層6を形成する。
なおこのとき、Bi置換ガーネットの代わりにR3Fe5O12
(Rは希土類元素を表わす)を用いてもよい。またガー
ネットのスパッタは、ターゲット組成としてBi2DyGa0.8
Fe4.2O12を用い、スパッタガスArのガス圧1.5Pa、スパ
ッタパワー200Wの条件で行なった。またAl蒸着前の真空
度は、4×10-4Paとした。
次に、記録方法について説明する。
記録時においては、まず最初に初期化される。即ち、
第1図(b)において、記録層4における磁化の方向を
矢印で示すと、初期化により、例えば上方から下方へと
磁化の方向が揃えられる。こうして消去部分8が形成さ
れる。
次いで、デイスクをその円周方向に線速7m/sで光学系
と外部磁界に対して相対移動させながらディスク状基板
2に向けて、半導体レーザ等の光源から、所定のピック
アップ光学系を介し、ライトパワー4mWの光束を導き、
記録層4に入射する。これにより、記録層4の温度が上
昇する。同時に、この光束の照射位置に、記録層4に対
して適宜下方から上方に1500e(エルステッド)の大き
さの限界を外部から印加することにより、上方から下方
に向いた磁化と下方から上方に向いた磁化が実質的に等
しくなり、いわゆる見掛けの磁化がゼロとなる磁化部
分、即ち磁化反転部分10が形成される。
また、デイスクをその円周方向に線速7m/sで光学系と
外部磁界に対して相対移動させながら、ライトパワー10
mWの光束を導き、記録層4に入射する。このように記録
層4に光束を入射することにより、記録層4の温度が更
に上昇し、キューリー点付近又はそれ以上まで上昇す
る。同時に、この光束の照射位置に、外部磁界が印加さ
れることにより、下方から上方に向いた磁化部分、即ち
記録部分12が形成される。
こうして第1図(c)に示されるように、下向きに磁
化され、情報“−1"に対応する消去部分8へと上向きの
磁化と下向きの磁化とが混在して見掛けの磁化がゼロと
なり、情報“0"に対応する磁化反転部分10と、上向きに
磁化され、情報“1"に対応する記録部分12とがそれぞれ
形成される。
そしてデイスクをその円周方向に光束及び外部磁界に
対して相対的に移動しながら、順次上記の記録過程で記
録周波数100KHzで繰り返すことにより、これらの消去部
分8、磁化反転部分10、記録部分12が順次形成されて、
“−1"、“0"、“1"の3値の記録レベルの情報が記録さ
れる。
次に、再生方法について説明する。
上記のように記録した情報を再生する再生時において
は、消去部分8、磁化反転部分10、記録部分12に順次ラ
イトパワーよりも低いパワーレベルの光束をあて、反射
層6からの反射光束を再びその光学系を用いてピックア
ップし、所定の検出系に導き、この所定の検出系で各々
のファラデー回転角の大きさを検出し、情報を再生す
る。
第1図(d)は、このように再生された情報の出力レ
ベルを示すものである。下向きに磁化された消去部分8
は“−1"レベルで再生され、みかけの磁化がゼロである
磁化反転部分10は“0"レベルで再生され、上向きに磁化
された記録部分12は“1"レベルで再生されており、3値
の情報の再生が行われたことになる。
このように本実施例によれば、ライトパワーを制御す
ることにより、記録層4に、下向きに磁化される消去部
分8と、上向きの磁化と下向きの磁化とが混在して見掛
けの磁化がゼロとなる磁化反転部材10と、上向きに磁化
される記録部分12とを形成して、記録及び出力のレベル
を3レベルとすることができる。従って、従来の光磁気
記録用媒体を用いた場合よりも1.5倍の記録密度を実現
することができる。更にビットエッジ記録を行なうと、
2倍以上の記録密度にすることができる。
なお、本発明は上記実施例に限らず種々の変形が可能
である。例えば、上記実施例では、光磁気記録用媒体が
デイスク形状である場合について説明したが、例えばカ
ード状の光磁気記録用媒体にも適用が可能である。
また、上記実施例の光磁気記録用媒体は反射型であっ
たが、反射層を省いた構成とし、透過光を検出する透過
型としてもよい。
[発明の効果] 以上の通り本発明によれば、記録層に、光磁気記録に
より、記録層に垂直な第1の方向に磁化されている第1
の磁化部分と、第1の方向と反対方向の第2の方向に磁
化されている第2の磁化部分と、第1の方向の磁化と第
2の方向の磁化とが混在する第3の磁化部分とを形成す
ることにより、3値の情報の記録又は再生が可能とな
り、記録密度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による光磁気記録用媒体及び
光磁気情報記録方法を説明するための図、 第2図は従来の光磁気記録用媒体及び光磁気情報記録方
法を説明するための図である。 図において、 2……ディスク状基板、 4……記録層、 6……反射層、 8……消去部分、 10……磁化反転部分、 12……記録部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−230341(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 506 G11B 11/10 586

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に光磁気材料からなる記録層が形成
    された光磁気記録用媒体において、 3つのレベルの光磁気記録によりそれぞれ形成された、 前記記録層に垂直な第1の方向に磁化されている第1の
    磁化部分と、 前記第1の方向と反対方向の第2の方向に磁化されてい
    る第2の磁化部分と、 前記第1の方向の磁化と前記第2の方向の磁化とが混在
    する第3の磁化部分と、 を有することを特徴とする光磁気情報用媒体。
  2. 【請求項2】基板上に光磁気材料からなる記録層が形成
    された光磁気記録用媒体に情報を記録する光磁気情報記
    録方法において、 前記記録層を記録層に垂直な第1の方向に磁化して第1
    の磁化部分を形成することにより前記記録層を初期化
    し、 前記記録層に第1のパワーレベルの光束を照射すること
    により、前記第1の方向と反対方向の第2の方向に磁化
    して第2の磁化部分を形成して情報を記録し、 前記記録層に前記第1のパワーレベルよりも小さな第2
    のパワーレベルの光束を照射することにより、前記第1
    の方向の磁化と前記第2の方向の磁化とが混在する第3
    の磁化部分を形成して情報を記録することにより、 記録レベルが“−1"、“0"、“1"の3つのレベルとなる
    ことを特徴とする光磁気情報記録方法。
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