JP2814467B2 - 果実ジュースの高濃縮方法 - Google Patents
果実ジュースの高濃縮方法Info
- Publication number
- JP2814467B2 JP2814467B2 JP4176052A JP17605292A JP2814467B2 JP 2814467 B2 JP2814467 B2 JP 2814467B2 JP 4176052 A JP4176052 A JP 4176052A JP 17605292 A JP17605292 A JP 17605292A JP 2814467 B2 JP2814467 B2 JP 2814467B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stage unit
- fruit juice
- reverse osmosis
- membrane module
- juice
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
法に関する。果実ジュースの高濃縮品が中間製品とし
て、また最終製品として広く利用されている。該高濃縮
品には果実本来の品質(色、味、香等)を保有するもの
であることが要請される。本発明は果実本来の品質を保
有する高濃縮品を継続して安定製造することができる果
実ジュースの高濃縮方法に関するものである。
般に真空濃縮が行なわれている。ところが、この従来法
には、その条件によって程度の差はあるが、水を蒸発さ
せる相変換を伴うため、果実本来の品質劣化が避けられ
ないという欠点がある。
て果実本来の品質を保有する果実ジュースの濃縮方法と
して逆浸透濃縮が提案されている。これには例えば、搾
汁してパルプ質含量を調整した果実ジュースを同じ膜モ
ジュールを備える1段のユニットへ一過式で流過させて
逆浸透濃縮する方法(特公昭59−53824)、搾汁
した果実ジュースを異なる膜モジュールを備える多段の
ユニットへ循環式で流過させて逆浸透濃縮する方法(特
開平3−21326)、搾汁した果実ジュースから精密
濾過や限外濾過で分離した濾液を異なる膜モジュールを
備える多段のユニットへ循環式で流過させて逆浸透濃縮
する方法(特開平3−58774)等がある。ところ
が、これらの従来法には、実際のところ、過大な操作圧
力、雑菌による汚染、煩雑な操作等により、果実ジュー
スからBrix30%以上の高濃縮品を継続して安定製造す
ることが難しいという欠点がある。
する課題は、従来の濃縮方法では、果実本来の品質が劣
化したり、或は果実ジュースからBrix30%以上の高濃
縮品を継続して安定製造することが難しい点である。
プ質含量5%以上に調整した果実ジュースを、直列に接
続された食塩阻止率90%以上の膜モジュールを備える
第1段ユニットと食塩阻止率30%以下の膜モジュール
を備える第2段ユニットとへ、該第2段ユニットからの
透過液を該第1段ユニットに返送しつつ、一過式で流過
させて、Brix30%以上に逆浸透濃縮することを特徴と
する果実ジュースの高濃縮方法に係る。
果実類を破砕し、搾汁した果実ジュースであって、その
パルプ質含量を5%以上に調整した果実ジュースを逆浸
透濃縮する。ここにパルプ質含量は、果実ジュースを3
000rpm×10分間で遠心分離したときの全体に対す
る容積率である。パルプ質含量の調整は、条件設定によ
り搾汁の際に同時に行なうこともできるが、確実を期す
るため、搾汁した果実ジュースを遠心分離や篩分け等に
供して行なうのが好ましい。
のパルプ質含量が高いと、濃縮に伴って高粘性になり、
高濃縮が難しくなるため、パルプ質含量をできるだけ低
く調整したものを濃縮している。例えば、前述した従来
の真空濃縮ではパルプ質含量1%以下に調整した果実ジ
ュースを真空濃縮しているのが実情であり、また前述し
た従来の逆浸透濃縮(特開平3−58774)では搾汁
した果実ジュースを精密濾過や限外濾過に供して分離し
た濾液を逆浸透濃縮している。
えて調整した果実ジュースを後述するような2段階のユ
ニットへ一過式で流過させて逆浸透濃縮すると、パルプ
質含量5%以上の果実ジュースを逆浸透濃縮する場合に
Brix30%以上の高濃縮品を継続して安定製造すること
ができるのである。本発明において、パルプ質含量5%
以上に調整した果実ジュースを逆浸透濃縮する由縁であ
る。もっとも、パルプ質含量を余り高くすると、その逆
浸透濃縮に際し、それだけ高粘性になり、またそれだけ
膜モジュール内の圧損も大きくなるので、装置面及び操
作面も考慮して、パルプ質含量は10〜20%程度に調
整するのが好ましい。
含量を調整した果実ジュースを逆浸透濃縮する。逆浸透
濃縮では、パルプ質含量5%以上に調整した果実ジュー
スを、直列に接続された食塩阻止率90%以上の膜モジ
ュールを備える第1段ユニットと食塩阻止率30%以下
の膜モジュールを備える第2段ユニットとへ一過式で流
過させる。第1段ユニットから得られる濃縮品を該第1
段ユニットに返送したり、或は第2段ユニットから得ら
れる濃縮品を該第1段ユニット又は該第2段ユニットに
返送する循環式も考えられるが、このような循環式を採
用すると、単に装置構造が複雑になり、またその操作が
煩雑になるだけでなく、菌管理が難しくなって、最終的
に得られる濃縮品が雑菌により汚染され易くなる。
の透過液を廃棄し、第2段ユニットからの透過液を該第
1段ユニットに返送する。第1段ユニットには食塩阻止
率90%以上の逆浸透膜が装着された膜モジュールが装
備されており、かかる高阻止率の逆浸透膜を透過する液
中には果実本来の有効成分が殆ど含まれてこないので、
これを廃棄する。しかし第2段ユニットには食塩阻止率
30%以下の逆浸透膜が装着された膜モジュールが装備
されており、かかる低阻止率の逆浸透膜を透過する液中
には果実本来の有効成分が含まれてくるので、該有効成
分を回収するためにこれを第1段ユニットに返送する。
第1段ユニットの膜モジュールとして食塩阻止率90%
未満のものを用いると、果実本来の有効成分が失われて
しまい、また第2段ユニットの膜モジュールとして食塩
阻止率30%超のものを用いると、必要とされる透過液
量が得られず、膜面積を大きくすることが必要となるた
め、全体として膜モジュール内の圧損が大きくなり、Br
ix30%以上の高濃縮品を継続して安定製造することが
できなくなってしまう。
ールの膜面積と第2段ユニットに装備されている膜モジ
ュールの膜面積との相互関係は任意に設定できるが、第
1段ユニットへの果実ジュースの供給量、第1段ユニッ
トにおける圧損と濃縮度、第2段ユニットにおける圧損
と濃縮度、第2段ユニットから第1段ユニットへの透過
液の返送量、第2段ユニットから得られる濃縮品の量と
濃縮度等、これら全体のバランスを維持して、Brix30
%以上の高濃縮品をより良く継続して安定製造するため
には、第2段ユニットの膜面積を第1段ユニットの膜面
積よりも小さくするのが好ましく、この場合、第2段ユ
ニットの膜面積を第1段ユニットの膜面積の10〜70
%にするのが更に好ましい。
図である。第1段ユニット11と第2段ユニット12と
が直列に接続されている。第1段ユニット11には食塩
阻止率90%以上の膜モジュール21が装備されてお
り、また第2段ユニット12には食塩阻止率30%以下
の膜モジュール22が装備されていて、第2段ユニット
12の膜面積は第1段ユニット11の膜面積の10〜7
0%に設定されている。パルプ質含量5%以上に調整し
た果実ジュースを第1段ユニット11と第2段ユニット
12とへ一過式で流過させ、この際の第1段ユニット1
1からの透過液を廃棄し、第2段ユニット22からの透
過液を第1段ユニット11に返送している。
する果実ジュースのパルプ質含量を0〜20%で変化さ
せたときの第2段ユニットから得られる濃縮品の濃度を
例示するグラフである。ここでは搾汁したBrix11.5
%のリンゴジュースであって、そのパルプ質含量を遠心
分離で調整したリンゴジュースを、食塩阻止率95%で
合計膜面積15m2のチューブラ型膜モジュールが装備さ
れた第1段ユニットと、食塩阻止率20%で合計膜面積
9m2のチューブラ型膜モジュールが装備された第2段ユ
ニットとへ、200リットル/時で10時間、一過式で
連続流下させている。図2からも明らかなように、パル
プ質含量5%以上に調整したリンゴジュースを逆浸透濃
縮する場合にBrix30%以上の高濃縮品を継続して安定
製造することができるのである。
されている膜モジュールの食塩阻止率を10〜40%で
変化させたときの該第2段ユニットから得られる濃縮品
の濃度を例示するグラフである。ここではBrix11.5
%でパルプ質含量15%に調整したリンゴジュースを、
食塩阻止率99%で合計膜面積15m2のチューブラ型膜
モジュールが装備された第1段ユニットと、食塩阻止率
10〜40%で合計膜面積9m2のチューブラ型膜モジュ
ールが装備された第2段ユニットとへ、200リットル
/時で10時間、一過式で連続流下させている。図3か
らも明らかなように、第2段ユニットの食塩阻止率が3
0%以下である場合にBrix30%以上の高濃縮品を継続
して安定製造することができるのである。
ゴジュースを10時間連続して逆浸透濃縮した。リンゴ
本来の品質を保有するBrix37%の高濃縮品を継続して
安定製造することができた。
%、20℃。リンゴジュースの供給量:250リットル
/時。第1段ユニット:食塩阻止率99%の逆浸透膜
(PCI社製のAFC99)を装着したチューブラ型膜
モジュール、合計膜面積20.0m2。第2段ユニット:
食塩阻止率10%の逆浸透膜(日東電工社製のNTR7
410)を装着したチューブラ型膜モジュール、合計膜
面積9.0m2。操作圧力:50〜70kg/cm2。第1段ユ
ニットの入口線速:0.80m/秒。第1段ユニットか
らの廃棄透過液量:185リットル/時。第2段ユニッ
トの入口線速:0.38m/秒。第2段ユニットからの
返送透過液量:105リットル/時。
チジュースを10時間連続して逆浸透濃縮した。ピーチ
本来の品質を保有するBrix35%の高濃縮品を継続して
安定製造することができた。
%、20℃。ピーチジュースの供給量:300リットル
/時。第1段ユニット:食塩阻止率99%の逆浸透膜
(PCI社製のAFC99)を装着したチューブラ型膜
モジュール、合計膜面積20.0m2。第2段ユニット:
食塩阻止率30%の逆浸透膜(PCI社製のAFC3
0)を装着したチューブラ型膜モジュール、合計膜面積
13m2。操作圧力:50〜70kg/cm2。第1段ユニット
の入口線速:1.01m/秒。第1段ユニットからの廃
棄透過液量:232リットル/時。第2段ユニットの入
口線速:0.49m/秒。第2段ユニットからの返送透
過液量:150リットル/時。
明には、果実ジュースから果実本来の品質を保有するBr
ix30%以上の高濃縮品を継続して安定製造することが
できるという効果がある。
ュースのパルプ質含量を変化させたときの第2段ユニッ
トから得られる濃縮品の濃度を例示するグラフ。
膜モジュールの食塩阻止率(%)を変化させたときの該
第2段ユニットから得られる濃縮品の濃度を例示するグ
ラフ。
ト、21,22・・・膜モジュール
Claims (2)
- 【請求項1】 パルプ質含量5%以上に調整した果実ジ
ュースを、直列に接続された食塩阻止率90%以上の膜
モジュールを備える第1段ユニットと食塩阻止率30%
以下の膜モジュールを備える第2段ユニットとへ、該第
2段ユニットからの透過液を該第1段ユニットに返送し
つつ、一過式で流過させて、Brix30%以上に逆浸透濃
縮することを特徴とする果実ジュースの高濃縮方法。 - 【請求項2】 第2段ユニットの膜面積を第1段ユニッ
トの膜面積よりも小さくした請求項1記載の果実ジュー
スの高濃縮方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4176052A JP2814467B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 果実ジュースの高濃縮方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4176052A JP2814467B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 果実ジュースの高濃縮方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05336937A JPH05336937A (ja) | 1993-12-21 |
JP2814467B2 true JP2814467B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=16006879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4176052A Expired - Lifetime JP2814467B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 果実ジュースの高濃縮方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2814467B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6417826B2 (ja) * | 2014-09-29 | 2018-11-07 | 栗田工業株式会社 | 濃縮システムおよび濃縮方法 |
JP2018108551A (ja) * | 2016-12-28 | 2018-07-12 | 三菱重工業株式会社 | 水処理装置及び水処理方法 |
CN109821420A (zh) * | 2017-11-23 | 2019-05-31 | 神华集团有限责任公司 | 反渗透系统和反渗透水处理方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5953824A (ja) * | 1982-09-21 | 1984-03-28 | Ricoh Co Ltd | マイクロフイルムの駒検索装置 |
JPS59228988A (ja) * | 1983-06-10 | 1984-12-22 | Jgc Corp | 逆浸透膜法により高電導度水から純水を得る方法 |
JPH0817913B2 (ja) * | 1989-06-19 | 1996-02-28 | 農林水産省食品総合研究所長 | 多段逆浸透濃縮装置 |
-
1992
- 1992-06-09 JP JP4176052A patent/JP2814467B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05336937A (ja) | 1993-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2725889B2 (ja) | ジュース類から糖の分離 | |
EP2086358B1 (en) | Method of producing a reduced-calorie food product | |
EP0404390B1 (en) | Reverse osmosis concentration of juice products with improved flavor | |
US4925690A (en) | Method of preparing vegetable or fruit juices | |
CA1243540A (en) | Method of producing sterile and concentrated juices with improved flavor and reduced acid | |
EP0402121B1 (en) | Process to make juice products with improved flavor | |
HUT61447A (en) | Method for selective removing sugar from drinks and apparatus for carrying out the method | |
US4491600A (en) | Process for concentrating aqueous solutions having temperature-sensitive components | |
JP2814467B2 (ja) | 果実ジュースの高濃縮方法 | |
US5202142A (en) | Process for the production of cloudy juice which is clouding-stable | |
JP2814468B2 (ja) | ニンジンジュースの高濃縮方法 | |
JP2911975B2 (ja) | コーヒー、茶類等の嗜好飲料の濃縮方法 | |
JP2504728B2 (ja) | トマトジュ―スの高濃縮方法 | |
GB2091585A (en) | Process and apparatus for concentrating juices | |
EP0498829B1 (en) | Method for production of a fruit or vegetable juice concentrate | |
JPH10271980A (ja) | 低カロリージュースの製造方法 | |
KR890003695B1 (ko) | 초여과막 및 역삼투막을 이용한 고농축사과쥬우스의 제조방법 | |
JPS5925675A (ja) | 野菜及び/又は果実の搾汁液の濃縮方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080814 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090814 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100814 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110814 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814 Year of fee payment: 14 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |