JP2814364B2 - 可撓性を有する塗工用ブレード - Google Patents

可撓性を有する塗工用ブレード

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JP2814364B2
JP2814364B2 JP7238151A JP23815195A JP2814364B2 JP 2814364 B2 JP2814364 B2 JP 2814364B2 JP 7238151 A JP7238151 A JP 7238151A JP 23815195 A JP23815195 A JP 23815195A JP 2814364 B2 JP2814364 B2 JP 2814364B2
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昭 高林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被塗工紙の製造工程に
おいて原紙に顔料を主成分とする塗工液等を塗布する工
程で使用される塗工用ブレードに関する技術の分野に属
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塗工用ブレードは、バックアップ
ロールの外面を通る原紙の表面に塗料溜の塗料を一定量
塗布するもので、その厚さは0.3mm〜0.8mm、
板幅が75mm〜150mm、長さが1.500mm〜
7.000mmのものが主として使用されている。
【0003】そして、この塗工用ブレードは、原紙とバ
ックアップロールに対して撓んだ状態で押し当てられて
おり、主に焼き入れ調質された鋼板で形成されている。
【0004】この塗工用ブレードは、板幅端部を長手方
向に斜めにカットされた部分を塗工原紙に押し当てるベ
ベル方式と、板幅端部上面の長手方向を塗工原紙に押し
当てるベント方式に大別され、これらはユーザー別の品
質要求などによって塗布する塗料の量、紙種、使用する
機械の種類によって使い分けられる。
【0005】いずれも高速で走行する塗工原紙や塗料に
よって連続的にブレード材の小部分が急速かつ不均一な
摩耗を受け、平均的には8時間から12時間といった短
時間で寿命となっている。
【0006】理論的には、焼き入れ調質されたばね鋼よ
りも耐摩耗性の大きい硬い金属材料を使用することによ
り寿命を増大させることは可能ではあるが、この種の材
料では必ずしも可撓性が充分ではなく、また、あまりに
も板厚が薄いためにきわめて脆く容易に破損しやすい。
【0007】そこで、塗工用ブレードの寿命を延ばし、
耐久性を大きくし、塗工紙製造中のブレード交換回数を
低減して長時間の操業安定性を図る目的で、例えば、特
開昭59−88995号公報に開示されているように、
ブレード表面の一部にセラミック材料等を溶射によって
被覆したものがある。しかし、この塗工用ブレードは、
従来からのばね鋼を素材とするブレードと比べて3〜5
倍の長寿命を得ることができるが、セラミックス特有の
性質である脆さと多孔性のため欠落したり、さらにセラ
ミックス材料が高融点(数千度)で一回の溶射が10μ
程度しかできないといった制約があるために、ブレード
自体の変形や、多層盛りによる内部の欠落などの問題が
発生しやすい。
【0008】また、上記のものは、塗工用ブレードとし
ての平坦性、平滑性の保持のため、再研磨が必要である
等の問題を有している。
【0009】また、セラミック材料等の溶射によって被
覆する方法以外の方法として、例えば、特開平3ー64
595号に開示されているように、塗工用ブレードの表
面の一部に硬いクロームメッキで被覆することにより、
従来のブレードと比べて3〜5倍の長寿命を得ることが
できるものであるが、この方法は、クロームメッキが元
来持っている性質であるマイクロクラックにより、塗工
紙面上に初期の段階でストリークが発生するとか、電気
メッキ法が必須とする電極によるメッキ層の厚さのばら
つきが塗工ムラを生じさせるという問題点を有してお
り、また、耐摩耗性が良すぎて初期損紙を大量に発生さ
せ、はなはだ不経済で完全に満足し得る結果をもたらし
ていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した被
覆の脆さによる欠落や多孔質による不完全性及び微小割
れによる原紙へのストリークの発生やメッキ厚さのバラ
ツキによる塗工ムラの発生といった従来技術が有する問
題を解決し、原紙へのストリークや塗工ムラの発生をさ
せることなく、容易且つ安価に製造することができると
ともに、耐摩耗性を大幅に向上させた可撓性を有する塗
工用ブレードの提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る可撓性を有
する塗工用ブレードは、ばね鋼からなる弾力性を有する
薄板状基板の表面に熱処理が施されていない高速度工具
鋼からなる薄板状塗工板が重ね合わせ接合されて一体に
形成されており、薄板状塗工板の長手方向端部が塗工部
とされているものである。
【0012】 本発明に係る可撓性を有する塗工用ブレ
ードにおける塗工部は、薄板状塗工板の長手方向端部に
摩耗代としての肉厚部と斜めにカットして形成された斜
面部とからなるものである。
【0013】本発明に係る可撓性を有する塗工用ブレー
ドは、ばね鋼からなる弾力性を有する薄板状基板の表面
に合金工具鋼からなる薄板状塗工板が重ね合わせ接合さ
れて一体に形成されており、薄板状塗工板の長手方向端
部に摩耗代としての肉厚部と斜めにカットして形成され
た斜面部とからなる塗工部を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1から図3は本発明に係る可撓
性を有する塗工用ブレードの実施の形態を示すものであ
り、図1は本発明の第1実施例の可撓性を有する塗工用
ブレードの横断面図、図2は本発明の第2実施例の可撓
性を有する塗工用ブレードの横断面図、図3は本発明の
第3実施例の可撓性を有する塗工用ブレードの横断面図
である。
【0015】図1において、1は可撓性を有する塗工用
ブレードで、この塗工用ブレード1は、ばね鋼からなる
弾力性を有する薄板状基板2の表面に熱処理が施されて
いない高速度工具鋼からなる薄板状塗工板3が重ね合わ
せ接合されて一体に形成されており、薄板状塗工板3の
長手方向端部が塗工部4とされている。
【0016】 塗工用ブレード1の塗工部4は、薄板状
塗工板3の長手方向端部に摩耗代としての肉厚部5と斜
めにカットして形成された斜面部6とから構成されてい
る。
【0017】図2に示す本発明の第2実施例の可撓性を
有する塗工用ブレード1は、ばね鋼からなる弾力性を有
する薄板状基板2の表面に熱処理が施されていない高速
度工具鋼からなる薄板状塗工板3が重ね合わせ接合され
て一体に形成されており、塗工原紙に押し当てる薄板状
塗工板3の長手方向端部の塗工部4は、斜めにカットし
て形成された斜面部6を有しない構造とされている。
【0018】図3に示す本発明の第3実施例の可撓性を
有する塗工用ブレード1は、ばね鋼からなる弾力性を有
する薄板状基板2の表面に合金工具鋼からなる薄板状塗
工板7が重ね合わせ接合されて一体に形成されており、
薄板状塗工板7の長手方向端部に摩耗代としての肉厚部
4と斜めにカットして形成された斜面部5とからなる塗
工部4を有するものである。
【0019】上記、第1実施例、第2実施例及び第3実
施例のものにおける、高速度工具鋼からなる薄板状塗工
板3及び合金工具鋼からなる薄板状塗工板7は、塗工用
ブレード1の板幅及び長さの全面にわたってばね鋼から
なる薄板状基板2の表面に重ね合わせてエポキシ樹脂等
の接着剤によって接合されて一体のものとして構成され
ている。また、薄板状基板2は、焼き入れ処理したばね
鋼であってもよい。
【0020】ばね鋼からなる薄板状基板2と高速度工具
鋼からなる塗工板3とを重ね合わせ接合して一体とする
こと、及び、ばね鋼からなる薄板状基板2と合金工具鋼
からなる塗工板7とを重ね合わせ接合して一体とするこ
とは、接着に限られるものではなく、ばね鋼からなる薄
板状基板2と高速度工具鋼からなる塗工板3或いは合金
工具鋼からなる薄板状塗工板7を重ね合わせて熱間圧接
によって一体としても、常温圧接によって接合して一体
としてもよい。また、ばね鋼からなる薄板状基板2と高
速度工具鋼からなる塗工板3或いは合金工具鋼からなる
薄板状塗工板7を重ね合わせてガス溶接、アーク溶接或
いはテルミット溶接によって一体にしてもよく、ステラ
イト溶接等の肉盛り溶接によって一体にしてもよい。
【0021】塗工用ブレード1は、原紙(図示せず)と
バックアップロール(図示せず)に対して撓んだ状態で
原紙の表面に塗料を一定量塗布するが、その際、耐摩耗
性を有する塗工板3の塗工部4が直接原紙や塗料に接触
する。
【0022】ばね鋼からなる薄板状基板2と高速度工具
鋼からなる塗工板3とは、塗工用ブレード1の板幅及び
長さの全面にわたって接合されて一体に形成されている
が、塗工用ブレード板1の接合部8は、上記した接合手
段によって、原紙をバックアップロールに押し当てて塗
料を原紙に塗布する過程で生ずる薄板状塗工板3の塗工
部4に作用する摩擦力に対して十分な接合強度を有する
ように堅固に接合されている。また、ばね鋼からなる薄
板状基板2と合金工具鋼からなる薄板状塗工板7の接合
も、ばね鋼からなる薄板状基板2と高速度工具鋼からな
る薄板状塗工板3との接合と同じく、堅固に接合されて
いることは言うまでもない。
【0023】本発明に係る可撓性を有する塗工用ブレー
ド1の薄板状塗工板3の素材である高速度工具鋼或いは
合金工具鋼は、本発明者が、塗工用ブレード1の材料を
選定するために行った試験の結果によって選択したもの
である。そして、その試験結果を示す表1によると、高
速度工具鋼の摩耗量は基板2であるばね鋼の摩耗量に対
して5倍、合金工具鋼の摩耗量は基板2であるばね鋼の
摩耗量に対して3.2倍の耐磨耗性を示している。
【表1】
【0024】塗工用ブレードの摩耗は原紙と連続的に接
触しながら塗料に含まれる成分、特に無機質材料により
塗工用ブレードの塗工部の摩耗が促進され、比較的短時
間で交換を余儀なくされている。そして、塗料の顔料に
使用される無機質成分としては、クレー、タルク、炭酸
カルシュウム、サチンホワイト、二酸化チタン、水酸化
アルミニウムなどが代表的なものであり、塗工紙に要求
される性能に応じて各顔料を選択混合して行っているの
が現状である。
【0025】そこで、塗工用ブレードの塗工板の材料選
定においては上記のように、摩耗量の比較試験を行った
が、試験に当たっては、実状に近い状態で塗料の配合が
必要であるので、表2に示す配合の塗料を使用して試験
を行った。
【0026】上記の試験は、各種材料の表面を研磨後上
記の顔料の中に浸して固定し、擦り合わせる相手材は紙
の原料でもある木材とし、これに荷重1kgを加えて1
時間後の摩耗量の比較を行った。
【表2】
【0027】ばね性を持たせるために熱処理をした場
合、塗工用ブレードは薄いものとなり割れ易く、また、
複雑な熱処理になるため素材が高価なものになり不経済
であるので、本発明においては、熱処理が施されていな
い高速度工具鋼のばね性を補完するために、熱処理が施
されていない高速度工具鋼とばね鋼とを重ね合わせ接合
して一体に形成することで、耐摩耗性の良い、薄い素材
が使用でき、脆さによる欠落、微小割れ、或いは、メッ
キ斑等による不具合のない可撓性を有する塗工用ブレー
ドを得ることができた。
【0028】また、本発明においては、熱処理が施され
ていない合金工具鋼のばね性を補完するために、熱処理
が施されていない合金工具鋼とばね鋼とを重ね合わせ接
合して一体に形成することで、耐摩耗性の良い、薄い素
材が使用でき、脆さによる欠落、微小割れ、或いは、メ
ッキ斑等による不具合のない可撓性を有する塗工用ブレ
ードを得ることができた。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る可撓性を有する塗工用ブレ
ードは、従来の技術では解決することができなかった、
原紙に発生するストリークや塗工ムラをなくし、可撓性
を有しつつ耐摩耗性を大幅に向上させることができると
ともに、容易且つ安価に製造することができるという効
果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
各図は本発明に係る可撓性を有する塗工用ブレードの実
施の形態について説明するためのものである。
【図1】 本発明の第1実施例の塗工用ブレードの横
断面図である。
【図2】 本発明の第2実施例の塗工用ブレードの横
断面図である。
【図3】 本発明の第3実施例の塗工用ブレードの横
断面図である。
【符号の説明】
1 塗工用ブレード 2 薄板状基板 3 高速度工具鋼からなる薄板状塗工板 4 塗工部 5 肉厚部 6 斜面部 7 合金工具鋼からなる薄板状塗工板 8 接合部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね鋼からなる弾力性を有する薄板状基
    板の表面に熱処理が施されていない高速度工具鋼からな
    る薄板状塗工板が重ね合わせ接合されて一体に形成され
    ており、薄板状塗工板の長手方向端部が塗工部とされて
    いることを特徴とする可撓性を有する塗工用ブレード。
  2. 【請求項2】 塗工部は、薄板状塗工板の長手方向端部
    に摩耗代としての肉厚部と斜めにカットして形成された
    斜面部とからなることを特徴とする請求項1に記載の可
    撓性を有する塗工用ブレード。
  3. 【請求項3】 ばね鋼からなる弾力性を有する薄板状基
    板の表面に合金工具鋼からなる薄板状塗工板が重ね合わ
    せ接合されて一体に形成されており、薄板状塗工板の長
    手方向端部に摩耗代としての肉厚部と斜めにカットして
    形成された斜面部とからなる塗工部を有することを特徴
    とする可撓性を有する塗工用ブレード。
JP7238151A 1995-09-18 1995-09-18 可撓性を有する塗工用ブレード Expired - Fee Related JP2814364B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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