JP2813176B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2813176B2
JP2813176B2 JP9024696A JP2469697A JP2813176B2 JP 2813176 B2 JP2813176 B2 JP 2813176B2 JP 9024696 A JP9024696 A JP 9024696A JP 2469697 A JP2469697 A JP 2469697A JP 2813176 B2 JP2813176 B2 JP 2813176B2
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彰 石川
忠幸 船場
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
ディスク及び磁気ドラム等の磁気記録媒体、特に、走行
性が安定し、且つバックコート層の磁性層への転写が生
じず、従って該転写による磁気特性の低下が起こらない
磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】高性能の磁気記録媒体(特に磁気テー
プ)では、良好な電磁特性を得るために、表面性の良い
支持体(非磁性)を用い、また磁性層を該支持体上に塗
設後カレンダリング等の表面仕上げをする必要がある
が、支持体の表面性が良すぎると、また磁気記録媒体が
帯電すると、磁気記録媒体の走行性が不良になる。そこ
で、通常、このような不良発生の防止手段として、支持
体の裏面に、カーボン及びバインダーを主成分とするバ
ックコート層を設けることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気テ
ープは、製造時及び使用時にテープを巻き取った状態に
するため、表面の粗いバックコート層を施すと、バック
コート層が磁性層に転写し、その結果磁性層の表面状態
が損なわれ、磁気特性が低下する問題が生じる。そこ
で、バックコート層に配合するカーボンの粒子を微粒子
化することが検討されているが、この方法では、バック
コート層の表面性が良くなりすぎる結果、粘着傾向が生
じ、ガイドピン、キャプスタン等の接触部による障害に
より、走行性が充分には改良されない。また、上述の点
を考慮し、粒子径が0.1μm以下の微粒子無機粉末
(TiO2、CaCO3 、ZnO 等)又は微粒子の有機物粉末をバ
ックコート層に添加する試みが多数提案されているが、
何れの場合も、繰返し走行後、摩擦係数が上昇する等、
走行性が充分に改良されていない。
【0004】従って、本発明の目的は、走行性が安定
し、且つバックコート層の磁性層への転写が生じず、従
って該転写による磁気特性の低下が起こらない磁気記録
媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、バックコート層中に特定の形状および粒子径
を有する特定の無機粉末を特定量含有させることによ
り、繰返し走行前の摩擦係数が低く且つ繰返し走行後の
摩擦係数の上昇が少なく、またテープを巻き取った状態
で保存しても磁性層の表面粗さが悪化しない(表面状態
が損なわれない)磁気記録媒体が得られること、即ち前
記目的を達成する磁気記録媒体が得られることを知見し
た。本発明は、上記知見に基づきなされたもので、非磁
性支持体の一方の面に磁性層を設け、他方の面にバック
コート層を設けてなる磁気記録媒体において、上記バッ
クコート層中に、バインダー100重量部当り下記化合
物の無機粉末群から選択された少なくとも1種の無機粉
末であって、粒子径が0.005〜0.1μmである粒
状又は球状のものを2重量部〜20重量部未満含有させ
ることを特徴とする磁気記録媒体を提供するものであ
る。チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン
酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、コーディエライ
ト、チタン酸アルミニウム及び硅酸バリウム。
【0006】以下、本発明の磁気記録媒体について詳述
する。本発明の磁気記録媒体のバックコート層に用いら
れる前記化合物の無機粉末は、粒状又は球状で且つ粒子
径が0.005〜0.1μmの粒子サイズのものであ
【0007】上記無機粉末の使用量は、バインダー10
0重量部に対し、2重量部〜20重量部未満であり、
重量部未満であると、磁気記録媒体の走行性が不十分で
ある。また0重量部以上であると、接着性の低下によ
り粉落ち現象が起こり、ドロップアウトの原因となる。
【0008】本発明の磁気記録媒体のバックコート層に
は、この種のバックコート層に通常含有されるバインダ
ー、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/
酢酸ビニル/ポリビニルアルコール共重合体、ポリアク
リルニトリル、ニトリルゴム、エポキシ樹脂、アルキッ
ド樹脂、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチ
ラール、塩化ビニリデン、硝化綿、マレイン酸変性塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース、エチ
ルセルロース等が用いられる。
【0009】また、本発明の磁気記録媒体のバックコー
ト層には、前記無機粉末と共にカーボンブラックを併用
することが好ましい。このカーボンブラックの使用量
は、前記バインダー100重量部に対し、好ましくは2
0〜60重量部である。
【0010】また、本発明の磁気記録媒体に用いられる
非磁性支持体としては、磁気記録媒体に用いられる通常
のもの、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)のようなポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン;セルローストリアセテート、
セルロースジアセテート等のセルロース誘導体;ポリカ
ーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;芳香族ポリ
アミド、ポリフェニレンサルファイド等のプラスチック
や、Al,Cu 等の金属;紙等が挙げられ、これらの支持体
の表面をコロナ放電、放射線、紫外線等で処理したもの
或いは適当な樹脂でプレコートしたものを用いることも
できる。この非磁性支持体の形態は、フィルム、テー
プ、シート、ディスク、カード、ドラム等、何れの形態
でも良い。
【0011】また、本発明の磁気記録媒体の磁性層とし
ては、磁性粉末及びバインダーを主成分とし、必要に応
じ、この種の磁性層に通常含有される添加剤、例えば潤
滑剤、研磨剤、帯電防止剤、可塑剤、硬化剤、分散剤、
表面処理剤等を添加したもので、この種の磁気記録媒体
の磁性層として通常用いられるものを使用できる。
【0012】本発明の磁気記録媒体は、例えば次のよう
にして製造することができる。先ず、前記無機粉末、前
記バインダー及びカーボンブラックを前記の割合で配合
し、更に必要に応じ各種の前記添加剤を加えた配合物を
常法により溶剤と混合してバックコート塗料を調製す
る。次いで、この塗料を、一方の面に磁性層の形成され
た前記非磁性支持体の他方の面(裏面)に常法により乾
燥膜厚が約0.2〜2μmになるように塗布し、塗膜を
乾燥して前記非磁性支持体の裏面にバックコート層を形
成し、本発明の磁気記録媒体を得る。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例、比較例及び本発明の
効果を示す試験例を挙げ、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0014】実施例1〜7及び比較例1〜3 〔磁性層の形成〕 下記塗料配合の配合物をボールミルで48時間混合後、
混合物にコロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業
(株)製のトリメチロールプロパントリイソシアナー
ト)2.5重量部を添加し、更に30分間混合を行い、
磁性塗料を調製した。この塗料を、14μm厚のPET
フィルム上に乾燥膜厚が4μmになるように塗布し、塗
膜を磁場配向処理後乾燥して、PETフィルム上に磁性
層を形成した。次いで、磁性層の形成されたPETフィ
ルムをロールに巻き取った後、磁性層をカレンダー処理
した。
【0015】・塗料配合 Co−γ−Fe2O3 100重量部 レシチン 2 〃 カーボンブラック*1 4 〃 Cr2 3 2 〃 VAGH*2 12 〃 ニッポラン2304*3 12 〃 ブチルステアレート 2 〃 メチルエチルケトン 150 〃 トルエン 50 〃 (註)*1:平均粒子径25nm *2:ユニオンカーバイド社製の塩化ビニル/酢酸ビニ
ル/ポリビニルアルコール共重合体 *3:日本ポリウレタン工業(株)製のポリウレタン樹
【0016】〔バックコート層の形成〕下記バックコー
ト塗料配合の配合物をボールミルで96時間混合後、混
合物にコロネートL20重量部を添加し、更に30分間
混合を行い、バックコート塗料を調製した。この塗料
を、前記の磁性層の形成されたPETフィルムの裏面に
乾燥膜厚が1μmになるように塗布し、塗膜を乾燥し
て、バックコート層を形成した。然る後、磁性層及びバ
ックコートの形成されたPETフィルムを2分の1イン
チ幅にスリットし、カセットに装填して、ビデオカセッ
トを作製した。
【0017】 ・バックコート塗料配合 カーボンブラック*1 100重量部 ニトロセルロース 50 〃 ニッポラン2304 50 〃無機粉末(表1) *2 7 〃 レシチン 2 〃 メチルエチルケトン 400 〃 トルエン 200 〃 (註)*1:平均粒子径25nm*2:比較例3の場合は25重量部配合
【0018】(試験例)上記の実施例及び比較例で作製
したビデオカセットそれぞれについて、下記の繰返し走
行テスト及び転写性促進テストを下記の如く行った。そ
れらの結果を下記の表1に示す。
【0019】〔繰返し走行テスト〕ビデオカセットをビ
デオデッキにて200回繰返し走行テストを行い、走行
テスト前後のテープのバックコート層の摩擦係数を下記
の如く測定した。
【0020】〔摩擦係数(μ)の測定〕(株)横浜シス
テム研究所製のテープ走行試験機TBT−300Dを用
いて、テープを、5mm径シリンダーに裏面が180°
接触する状態でテープ速度3.3cm/秒にて走行させ、
巻出側及び巻取側のテンションを測定し、次式より摩擦
係数(μ)を求めた。
【0021】
【数1】
【0022】〔転写性促進テスト〕ビデオカセットを、
テープを巻き取った状態で50℃,相対湿度50%下に
10日間保存し、保存前後のテープの磁性層の中心線平
均表面粗さ(Ra)を JISB0601に従って測定した。保
存前のテープの磁性層の中心線平均表面粗さ(Ra)は
0.020μmであった。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示す結果から、実施例のものは、比
較例のものに比して、繰返し走行テスト前の摩擦係数
(μ)が低く且つ繰返し走行テスト後の摩擦係数(μ)
の上昇が少なく(即ち、走行性が安定し)、また転写性
促進テストの保存後のテープの磁性層の中心線平均表面
粗さ(Ra)が悪化していない(即ち、バックコート層
の磁性層への転写が生じていない)ことが判る。
【0025】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、走行性が安定
し、且つバックコート層の磁性層への転写が生じず、従
って該転写による磁気特性の低下が起こらないものであ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/62,5/72 C09D 7/00,7/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面に磁性層を設
    け、他方の面にバックコート層を設けてなる磁気記録媒
    体において、上記バックコート層中に、バインダー10
    0重量部当り下記化合物の無機粉末群から選択された少
    なくとも1種の無機粉末であって、粒子径が0.005
    〜0.1μmである粒状又は球状のものを2重量部〜2
    0重量部未満含有させることを特徴とする磁気記録媒
    体。チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン
    酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、コーディエライ
    ト、チタン酸アルミニウム及び硅酸バリウム。
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JPS6216231A (ja) * 1985-07-15 1987-01-24 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体
JPS6282512A (ja) * 1985-10-08 1987-04-16 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体

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