JP2812853B2 - ポリエチレンナフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンナフタレートの製造方法

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JP2812853B2
JP2812853B2 JP5068700A JP6870093A JP2812853B2 JP 2812853 B2 JP2812853 B2 JP 2812853B2 JP 5068700 A JP5068700 A JP 5068700A JP 6870093 A JP6870093 A JP 6870093A JP 2812853 B2 JP2812853 B2 JP 2812853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルの製造方法
に関し、さらに詳しくは重縮合反応中、高粘度によって
生じる種々の問題点を解決した高粘度のポリエチレンナ
フタレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルの中でも特にポリエチレン
ナフタレート(Polyethylene Napht
halate:以下PENと略する)は、引張強度、弾
性率、衝撃強度などのような機械的物性だけでなく、耐
熱性、耐久性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性など
の物理化学的特性が良好であるので、磁気記録媒体、コ
ンデンサー、包装材料、写真フィルム、その他の商業用
途を含む種々の製品を製造するのに広く用いられてい
る。
【0003】特に、PEN二軸延伸フィルムは高倍率で
延伸しても、高い機械的強度を保持し、熱収縮が少なく
て熱安定性及び寸法の安定性が高いため、現在磁気記録
媒体用ベースフィルムに広く用いられているポリエチレ
ンテレフタレート(Polyethylene ter
ephthalate:以下PETと略する)より諸物
性に優れていると評価されている。PENは、このよう
な優れた特性を有することから、8mmテープ、Cタイ
プのVHSテープ、及び長時間録画用テープなどのベー
スフィルムに用いられている。
【0004】また、PENは115℃の高いガラス転移
温度を有し、PETに比べて耐熱性に優れていることか
ら殺菌消毒でき、かつガス遮断性に優れていることか
ら、瓶及びその他の包装材料としての用途に関して研究
が盛んに進められている。
【0005】このように種々の用途に用いられるPEN
が十分な機械的強度と熱安定性を有するためには、極限
粘度(Intrinsic viscosity)が例
えば0.4dl/g以上の高粘度であることが要求され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PENの粘度
が100,000センチポイズ(295℃、Shear
100sec-1測定)を越えると、重縮合工程又は押出
成形時に、反応混合物を撹拌するための駆動モーターの
過負荷など、種々の問題点が生じる。とくに、深刻な問
題は、重縮合反応時に高い粘度によって撹拌機モーター
の過負荷が誘発されることである。
【0007】すなわち、撹拌の途中でポリマーが撹拌機
の中心部に付着するので、撹拌機と反応器壁面との間に
隙間が生じて気泡が混入する。しかも、撹拌機の負荷が
甚だしく変動すると反応が正常に進行しないだけでな
く、撹拌機の負荷により反応の進行程度を把握する反応
器システムでは反応の終点を判断できないという問題が
生じる。
【0008】また、反応中にポリマーに気泡が混入する
と、反応の終了後、ポリマーを押し出して小さく切断し
て連続的にチップを作製することが困難になる。
【0009】さらに、出発原料として用いられたエチレ
ングリコール、及び副反応により生成したアセトアルデ
ヒド、環状オリゴマー、水分などの成分が、反応中の高
い粘度により抜け出ることなく、気泡とともにチップの
内部に残留すると、シートへの押出工程でポリマーの分
解を促進して極限粘度を著しく低下させる。この結果、
シートを成形、延伸してフィルムを製造した場合、所望
の機械的、熱的、化学的物性が得られない。また、シー
トの内部に含有されている微細な気泡が延伸工程で破断
の原因になるだけでなく、微細気泡の跡がフィルムの表
面に凹凸を形成するので、蒸着及びコーティング時、品
質低下の原因になる。
【0010】前記の問題を解決するために種々の試みが
なされている。例えば特開昭62−260822号公報
には、重縮合反応後、反応器内で加圧と減圧を少なくと
も一回以上繰返してポリマー内に混入した気泡を除去す
る方法が開示されている。しかし、このような操作を繰
返すと、ポリマーが劣化する。また、反応器の上部にあ
るポリマーの表面の気泡成分は抜け出るが、反応器内部
の気泡成分は抜け出さないので効果的ではない。
【0011】また、換気口が設けられた押出機を用いて
押出途中に気泡を除去する方法も知られている。しか
し、気泡が抜け出る前に、やはりポリマーの劣化が発生
するので効果的ではない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリエステ
ルの製造工程での重縮合反応における極限粘度の上昇速
度を制御することによって、粘度の急上昇による気泡の
混入を防止し、かつ反応中に生成する気泡の除去を促進
し、気泡により発生する前記の種々な問題点を解決でき
るという知見を得て本発明を完成した。
【0013】本発明の目的は、ナフタレンジカルボン酸
またはそのアルキルエステルとジオールのエステル化反
応生成物とを二段階重縮合反応させてポリエチレンナフ
タレートを製造する方法を提供するものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明は、ナフタレンジカルボン酸または
そのアルキルエステルとジオールとのエステル化反応生
成物を重縮合反応させて、ポリエチレンナフタレートを
製造する方法において、重縮合触媒の存在下、500〜
30Torrで10〜40分間第一段重縮合反応を行
い、10〜0.1Torrで180〜300分間第二段
重縮合反応を行うことを特徴とするポリエチレンナフタ
レートの製造方法を提供するものである。
【0016】前記の重縮合反応は、必要に応じてより高
真空下で三段階以上に分けて実施してもよい。
【0017】前記のエステル化反応生成物はジメチルナ
フタレートまたはナフタレンジカルボン酸とジオールと
を1:2のモル比として、マンガン、カリウム、リチウ
ム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムま
たはカドミウムなどの金属成分を含む触媒の存在下、通
常の条件下でエステル化反応を行うことによって得られ
る。前記のエステル化触媒は、ナフタレン系反応物質を
基準として0.005〜1.0重量%の範囲で用いられ
る。
【0018】第一段重縮合は、反応領域に予め重縮合触
媒と安定剤とを投入して分散させた後、前記のエステル
化反応生成物を投入して、温度270〜300℃、圧力
500〜30Torrで行う。
【0019】このとき、重縮合触媒としてはアンチモ
ン、リチウム、ゲルマニウム、コバルト、チタン、セレ
ニウム、錫、亜鉛、アルミニウム、鉛、鉄、マンガン及
びカルシウムから選ばれた少なくとも1種類の金属を含
む化合物が用いられ、ナフタレン系反応物質の重量を基
準として0.005〜1重量%投入することが望まし
い。前記触媒の具体例としては、CoCl2 ・6H
2 O,Ca(CH3 COO)2・H2 O,Fe2 3
Mn(CH3 COO)2 ・4H2 O,Se(CH3 CO
O)3 ・H2 O,Zn(CH3 COO)3 ・2H2 O,
Mg(CH3 COO)2・4H2 O,Co(CH3 CO
O)2 ・4H2 O,TiO2 ,CH3 COOLi・2H
2 O,GeO2 ,Ti(OC4 9 4 ,Sn(CH3
COO)2 ,PbO,Sb2 3 ,Sb2 (OCH2
2 O)3 などがある。安定剤としては燐酸トリメチレ
ンなどの燐酸エステルが用いられ、ナフタレン系反応物
質の重量を基準として0.005〜2重量%投入するこ
とが望ましい。
【0020】前記の第一段重縮合反応は10〜40分間
行うことが望ましい。
【0021】第一段重縮合反応後、10〜0.1Tor
rの高真空で、極限粘度の差が次式を満たすように反応
速度を調節しながら、第一段重縮合生成物を第二段重縮
合反応させる。
【0022】 IV(t1 )−IV(t0 )<0.4dl/g … (1) IV(t2 )−IV(t0 )>0.3dl/g … (2) [式中、IV(t0 )は第二段重縮合反応の開始時の極
限粘度を示し、IV(t1 )は第二段重縮合反応の開始
から90分経過後の極限粘度を示し、IV(t2)は第
二段重縮合反応の開始から180分経過後の極限粘度を
示す。]前記の式(1)においてIV(t1 )−IV
(t0 )の値が0.4dl/g以上の場合には、極限粘
度の上昇率が速過ぎて生成した気泡が抜け出さずにポリ
マーの内部に残り、反応が進行して撹拌機にポリマーが
付着すると反応の終点を判断できないこともある。そし
て、得られたポリマーを効果的に押し出すことができ
ず、収率が低下する。
【0023】前記の式(2)においてIV(t2 )−I
V(t0 )の値が0.3dl/g以下の場合は、反応初
期に生成された気泡は円滑に抜け出るが、反応が遅すぎ
て副反応によってポリマーが劣化する。その結果、ポリ
マーが黄色に変色し、反応時間が長くなって生産性も低
下する。
【0024】前記の第二段重縮合反応は前記の式
(1),(2)が満たさせる範囲で制御することが望ま
しく、第二段重縮合反応開始後100分〜150分の間
で重縮合反応混合物の極限粘度が0.3〜0.4dl/
gになるように制御することがさらに望ましい。
【0025】前記第二段重縮合反応は180〜300分
間行うことが望ましい。
【0026】また、極限粘度が極めて高いポリマーを望
む場合、反応時間を短縮しポリマーの劣化を防止するた
めに、極限粘度が0.3〜0.4dl/gに達した時
に、さらに重縮合触媒を投入することが望ましい。この
時の重縮合触媒としては前記第一段で用いられた触媒と
同様に、アンチモン、ゲルマニウム、コバルト、チタ
ン、セレニウム、錫、亜鉛、アルミニウム、鉛、鉄、マ
ンガン及びカルシウムから選ばれた少なくとも1種類の
金属を含む化合物が用いられ、ナフタレン系反応物質の
重量を基準として0.005〜1重量%投入することが
望ましい。追加して投入される重縮合触媒は第一段で投
入された重縮合触媒と同一でも異なってもよく、反応の
経過時間、極限粘度の値及び触媒の活性に応じて投入量
を調節し得る。
【0027】本発明に用いるナフタレンジカルボン酸と
しては、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナ
フタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、
2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸などが
含まれる。
【0028】ナフタレンジカルボン酸のアルキルエステ
ルとしては、ジメチル−1,2−ナフタレート、ジメチ
ル−1,5−ナフタレート、ジメチル−1,6−ナフタ
レート、ジメチル−1,7−ナフタレート、ジメチル−
1,8−ナフタレート、ジメチル−2,3−ナフタレー
ト、ジメチル−2,6−ナフタレート、ジメチル−2,
7−ナフタレートなどが含まれる。
【0029】また、ジオール成分としては炭素原子2〜
12個を有するグリコールからなる群より選択される少
なくとも1種が用いられる。このようなグリコールの例
としては、エチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジ
メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル
−1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルなどがあり、エチレングリコールが望ましい。
【0030】本発明のPENはジメチルナフタレートと
エチレングリコールとの重縮合反応により得られるPE
Nを80重量%以上含むことが望ましく、ホモポリエス
テルまたはコポリエステルのいずれでもよい。コポリエ
ステルである場合、テレフタル酸ジメチル、テレフタル
酸などと共重合させることができるが、共重合の割合は
25%以下が望ましい。
【0031】また、本発明の目的のためにはPENの極
限粘度は0.4〜1.0dl/gが望ましく、0.5〜
0.8dl/gがさらに望ましい。
【0032】PENポリマーから溶融押出シートを成形
し、二軸延伸してフィルムを製造する場合、フィルムの
表面にスリップ性を付与し、とくに磁気記録媒体用フィ
ルムにおいてテープの走行性を改善し、走行時にヘッド
との粘着現象を改善するために、フィルムの製造工程中
に滑剤として無機充填剤を添加してもよい。
【0033】無機充填剤は1種類または2種以上添加で
きる。例としては、酸化チタン、二酸化珪素、合成炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、
硫酸バリウムなどの金属酸化物、硫化物、水酸化物であ
り、不活性無機化合物の粒子が含まれる。
【0034】これらの無機充填剤の添加量はフィルム形
成組成物の全重量を基準として0.001〜2.0重量
%が望ましく、粒子の粒径は300〜1000nmが望
ましい。粒子の粒径が300nmより小さい場合にはフ
ィルム表面の粒子効果が極めて小さく、高倍率の延伸を
行っても表面に凹凸を形成しにくいので、表面スリップ
性を改善することが困難である。粒子の粒径が1000
nmより大きいと表面の凹凸が大きくなってスリップ性
が改善されるが、前記のフィルム表面に磁性体をコーテ
ィングすると表面粗さが粗くなりすぎるので、磁気テー
プの電磁気特性が悪くなってドロップアウト現象が発生
する。
【0035】PENの二軸配向フィルムは以下のように
して製造できる。前記のように製造した、極限粘度が
0.4〜1.0dl/gであるポリマーを含水率0.1
%以下に達するまで乾燥し、押出機により275℃〜3
00℃で溶融押出した後、ダイのスリットを通じてシー
ト状に押出し、10〜50℃の冷却ロール上で急冷させ
てシートを成形する。このシートをTg+5℃〜180
℃で縦方向に3.5倍以上延伸し、Tg+15℃〜20
0℃で横方向に3.5倍以上延伸した後、200℃〜2
50℃で2〜10秒間熱処理して二軸配向フィルムを得
る。延伸方法は逐次二軸延伸及び同時二軸延伸のいずれ
でも差し支えない。
【0036】以下、実施例で本発明をさらに詳しく説明
するが、下記の実施例は本発明の例示であり、本発明を
限定するものではない。
【0037】
【実施例】各例において、ポリエチレンナフタレートの
試料は、下記の測定方法により評価した。
【0038】1.極限粘度(IV) ポリエチレンナフタレート試料の極限粘度はヤマト(Y
amato)社のIV測定装置BK−53を用い、オル
トクロロフェノール25ml当たり0.3gの濃度の試
料を35℃で測定した。
【0039】2.気泡発生率 本発明のPEN樹脂から0.02g〜0.2gの無定形
のチップを製造した後、その内に入っている気泡を肉眼
または光学顕微鏡を用いて観察した。試料の気泡発生率
は、無作為に抽出した100個のチップ当たり、気泡が
入っているチップの百分率として求めた。
【0040】3.収率 収率は、ジメチルナフタレートの重量を基準としたPE
Nチップの重量の百分率として求めた。
【0041】4.カラー評価 前述のようにして製造されたチップのCOLOR−Bを
評価する。COLOR−Bの値が大きければ大きいほ
ど、チップの色は黄色味が増加する。測定方法は色差計
Sigma−80を用いて、光源からチップに対して光
を照射し、その反射光から色差を測定することによりな
された。
【0042】実施例1 ジメチル−2,6−ナフタレート7500gとエチレン
グリコール3815gに酢酸マンガン0.15重量%を
投入し、反応温度を150℃から240℃へ徐々に上げ
ながら大気圧下200分間エステル化反応を行う。重縮
合の開始より30分前に、アンチモントリエチレングリ
コキシド0.08重量%、燐酸トリメチレン0.12重
量%を重縮合反応器に投入して撹拌分散させる。エステ
ル化反応生成物を反応器に投入して290℃、300T
orrで25分間第一段重縮合させる。次に、0.2T
orrの高真空下で120分間第二段重縮合させて極限
粘度0.35dl/gのポリマーとし、さらにアンチモ
ントリエチレングリコキシド0.06重量%を投入して
重縮合反応を続け、極限粘度0.65dl/g以上のP
ENを製造する。反応条件及び樹脂の特性を表1に示
す。
【0043】実施例2 実施例1と同様にしてエステル化反応生成物を得る。重
縮合の開始より30分前に、アンチモントリオキシド
0.07重量%、燐酸トリメチレン0.12重量%を重
縮合反応器に投入して撹拌分散させる。エステル化反応
生成物を反応器に投入して285℃、300Torrで
25分間第一段重縮合させる。次に、3Torrの高真
空下で150分間第二段重縮合させて極限粘度0.32
dl/gのポリマーとし、さらにアンチモントリエチレ
ングリコキシド0.06重量%を投入して重縮合反応を
続け、極限粘度0.65dl/g以上のPENを製造す
る。反応条件及び樹脂の特性を表1に示す。
【0044】実施例3 実施例1と同様にしてエステル化反応生成物を得る。重
縮合の開始より30分前に、二酸化ゲルマニウム0.0
5重量%、燐酸トリメチレン0.12重量%を重縮合反
応器に投入して撹拌分散させる。エステル化反応生成物
を反応器に投入して295℃、300Torrで25分
間第一段重縮合させる。次に、1Torrの高真空下で
100分間第二段重縮合させて極限粘度0.35dl/
gのポリマーとし、さらにアンチモントリエチレングリ
コキシド0.06重量%を投入して重縮合反応を続け、
極限粘度0.65dl/g以上のPENを製造する。反
応条件及び樹脂の特性を表1に示す。
【0045】実施例4 実施例1と同様にしてエステル化反応生成物を得る。重
縮合の開始より30分前に、コバルトアセテート0.0
5重量%、燐酸トリメチレン0.12重量%を重縮合反
応器に投入して撹拌分散させる。エステル化反応生成物
を反応器に投入して285℃、300Torrで25分
間第一段重縮合させる。次に、0.2Torrの高真空
下で120分間第二段重縮合させて極限粘度0.35d
l/gのポリマーとし、さらにコバルトアセテート0.
05重量%を投入して重縮合反応を続け、極限粘度0.
65dl/g以上のPENを製造する。反応条件及び樹
脂の特性を表1に示す。
【0046】比較例1 実施例1と同様にしてエステル化反応生成物を得る。重
縮合の開始より30分前に、アンチモントリオキシド
0.004重量%、燐酸トリメチレン0.12重量%を
重縮合反応器に投入して撹拌分散させる。エステル化反
応生成物を反応器に投入して285℃、300Torr
で25分間第一段重縮合させる。次に、0.3Torr
の高真空下で200分間第二段重縮合させて極限粘度
0.38dl/gのポリマーとし、さらにアンチモント
リエチレングリコキシド0.07重量%を投入して重縮
合反応を続け、極限粘度0.65dl/g以上のPEN
を製造する。反応条件及び樹脂の特性を表1に示す。
【0047】比較例2 実施例1と同様にしてエステル化反応生成物を得る。重
縮合の開始より30分前に、二酸化ゲルマニウム0.2
3重量%、燐酸トリメチレン0.12重量%を重縮合反
応器に投入して撹拌分散させる。エステル化反応生成物
を反応器に投入して295℃、300Torrで25分
間第一段重縮合させる。次に、0.1Torrの高真空
下で80分間第二段重縮合させて極限粘度0.45dl
/gのポリマーとし、さらにアンチモントリエチレング
リコキシド0.06重量%を投入して重縮合反応を続
け、極限粘度0.65dl/g以上のPENを製造す
る。反応条件及び樹脂の特性を表1に示す。
【0048】比較例3 実施例1と同様にしてエステル化反応生成物を得る。重
縮合の開始より30分前に、二酸化チタン0.25重量
%、燐酸トリメチレン0.12重量%を重縮合反応器に
投入して撹拌分散させる。エステル化反応生成物を反応
器に投入して295℃、300Torrで25分間第一
段重縮合させる。次に、0.4Torrの高真空下で9
0分間第二段重縮合させ、重縮合触媒を投入することな
く反応を続け、極限粘度0.65dl/g以上のPEN
を製造する。その反応条件及び樹脂の特性を表1に示
す。
【0049】
【表1】 表1からわかるように、本発明の方法によれば、重縮合
反応の速度を調節することによって極限粘度の上昇速度
を制御でき、粘度の急上昇による気泡の混入を防止で
き、かつ反応の途中で生成した気泡を容易に除去するこ
とができ、気泡が少なく色相が良好な高粘度のPENを
高い収率で製造できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸またはそのアル
    キルエステルとジオールとのエステル化反応生成物を重
    縮合反応させてポリエチレンナフタレートを製造する方
    法において、重縮合触媒の存在下、500〜30Tor
    rで第一段重縮合反応を行う工程と、10〜0.1To
    rrで第二段重縮合反応を行う際に、重縮合反応混合物
    の極限粘度の差が次式 IV(t1 )−IV(t0 )<0.4dl/g … (1) IV(t2 )−IV(t0 )>0.3dl/g … (2) [式中、IV(t0 )は第二段重縮合反応の開始時の極
    限粘度を示し、IV(t1 )は第二段重縮合反応の開始
    から90分経過後の極限粘度を示し、IV(t2)は第
    二段重縮合反応の開始から180分経過後の極限粘度を
    示す。]を満たすように反応速度を調節し、重縮合反応
    混合物の極限粘度が0.3〜0.4dl/gに達したと
    きに重縮合触媒を追加する工程とを具備したことを特徴
    とするポリエチレンナフタレートの製造方法。
  2. 【請求項2】 第二段重縮合反応時、100〜150分
    の反応時間で重縮合反応混合物の極限粘度が0.3〜
    0.4dl/gとなるように反応速度を調節することを
    特徴とする請求項1記載のポリエチレンナフタレートの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 重縮合触媒として、アンチモン、リチウ
    ム、ゲルマニウム、コバルト、チタン、セレニウム、
    錫、亜鉛、アルミニウム、鉛、鉄、マンガン、マグネシ
    ウム及びカルシウムの金属化合物から選択される少なく
    とも1種類を、ナフタレン系反応物質の0.005〜1
    重量%投入することを特徴とする請求項1記載のポリエ
    チレンナフタレートの製造方法。
  4. 【請求項4】 最終ポリエチレンナフタレートの極限粘
    度が0.4〜1.0dl/gであることを特徴とする請
    求項1記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
JP5068700A 1993-03-26 1993-03-26 ポリエチレンナフタレートの製造方法 Expired - Fee Related JP2812853B2 (ja)

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