JP2812655B2 - ディーゼル機関における燃料噴射弁 - Google Patents

ディーゼル機関における燃料噴射弁

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JP2812655B2
JP2812655B2 JP5309952A JP30995293A JP2812655B2 JP 2812655 B2 JP2812655 B2 JP 2812655B2 JP 5309952 A JP5309952 A JP 5309952A JP 30995293 A JP30995293 A JP 30995293A JP 2812655 B2 JP2812655 B2 JP 2812655B2
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正 川崎
真二 馬場
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    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル機関におけ
る燃料噴射弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼル機関の排気ガス中に
含まれる窒素酸化物(NOx )は、燃焼期間中に、燃
焼ガス中の窒素が高温にさらされたとき、燃焼に余剰な
酸素により、酸化されることにより発生するサーマルN
x が殆どであり、このNOxを抑制する方法として
は、下記のような方法が知られている。
【0003】 燃焼火炎温度の低減 ガスの高温滞留時間の短縮 燃焼場の酸素濃度の低減 しかし、舶用大型2サイクルディーゼルエンジンの場
合、燃焼過程の殆どが拡散燃焼であり、初期燃焼部分が
占める割合は非常に小さい。
【0004】このため、中小型ディーゼルエンジンで実
施されているNOx の低減化対策のように、初期燃焼
の改善による効果はないと考えられる。ところで、拡散
燃焼では、図11に示すように、燃焼過程で火炎Aの周
辺部Bが他の燃焼に関与しない空間より高温となり、こ
の部分にNOx が多く発生することが、既に知られて
いる。
【0005】NOx 低減に対して火炎そのものを直接
的に冷やす水エマルジョン燃料による燃焼[日本舶用機
関学会誌:第26巻第9号(1991年9月号)509
(87)頁]や水層状噴射方式(例えば、特開平4−7
6260号公報,特開平4−175446号公報)によ
る燃焼が効果的であると報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のような
水エマルジョン燃料による燃焼方式では、着火性が悪く
かつ燃焼が不安定であるため、燃焼の制御が困難とな
り、結果的には、燃焼効率が低下し、また水エマルジョ
ン燃料を製造するための装置が別途必要になるという欠
点がある。
【0007】また、後者のように、燃料油と水とを層状
にして噴射するために、噴射時間が長くなり、したがっ
て燃焼時間が長くなってエンジンの効率が低下するとと
もに、高圧水を送り出す高圧ポンプ、水および燃料油を
注入する弁の制御装置が必要となり、全体的に、その構
成が非常に複雑になるという欠点がある。
【0008】そこで、本発明は上記問題を解消し得るデ
ィーゼル機関における二液噴射弁を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の手段は、噴射弁本体内に、燃料油が
供給されるとともに燃料噴射用スピンドルにより開閉さ
れる燃料噴射室を形成し、この燃料噴射室内に、内部に
水供給通路が形成された水噴射用スピンドルを摺動自在
に配置するとともに、その摺動により水供給通路の先端
部に形成された水噴射室を開閉自在となし、上記燃料噴
射室に連通する燃料噴射孔を設け、かつ上記水噴射室に
連通する水噴射孔を設けるとともに、この水噴射孔の開
口方向を、噴射される水が、燃焼火炎の高温領域の方向
に向くような方向に設定したディーゼル機関における燃
料噴射弁である。
【0010】また、上記課題を解決するため、本発明の
第2の手段は、噴射弁本体内に、水が供給されるととも
に水噴射用スピンドルにより開閉される水噴射室を形成
し、この水噴射室内に、内部に燃料供給通路が形成され
た燃料噴射用スピンドルを摺動自在に配置するととも
に、その摺動により燃料供給通路の先端部に形成された
燃料噴射室を開閉自在となし、上記燃料噴射室に連通す
る燃料噴射孔を設け、上記水噴射室に連通する水噴射孔
を設けるとともに、この水噴射孔の開口方向を、噴射さ
れる水が、燃焼火炎の高温領域の方向に向くような方向
に設定したディーゼル機関における燃料噴射弁である。
【0011】また、上記課題を解決するため、本発明の
第3の手段は、上記第1および第2の手段において、水
供給通路に水を供給する水供給経路の途中に、燃料油に
より作動させられる水の増圧器を設けたディーゼル機関
における燃料噴射弁である。
【0012】また、上記課題を解決するため、本発明の
第4の手段は、上記第1の手段において、燃料噴射用ス
ピンドルの移動により、水の増圧を行う増圧室を、燃料
噴射弁本体内に設けたディーゼル機関における燃料噴射
弁である。
【0013】また、上記課題を解決するため、本発明の
第5の手段は、上記第1および第2の手段において、増
圧器に燃料油を供給する燃料供給経路の途中を開閉する
バルブ機構を、燃料噴射用スピンドル側に設けたディー
ゼル機関における燃料噴射弁である。
【0014】
【作用】上記第1〜第5の手段における燃料噴射弁の構
成によると、燃料油と水とを噴射弁本体から燃焼室内に
噴射させるのに、燃料噴射用スピンドルおよび水噴射用
スピンドルの摺動により順次行わせるか、または各スピ
ンドルの摺動を互いに連動させて順次行わせるようにし
ているので、例えば燃料油および水を制御弁などを使用
して噴射させる機構と異なり、機械的にそれぞれの噴射
を行わせることができる。
【0015】また、燃料油と水とを別々に噴射させるよ
うにしているので、例えば水エマルジョン燃料を使用す
る場合に必要な混合装置などを必要とせず、装置自体を
簡単にすることができ、さらに燃料油と水とを層状にし
て噴射する場合のように、噴射時間が長くなってエンジ
ンの効率が低下するのを防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1〜図3に
基づき説明する。図1において、1は舶用大型ディーゼ
ル機関における二液噴射用の燃料噴射弁の噴射弁本体を
示し、この噴射弁本体1には、燃料ポンプ(図示せず)
により燃料油が供給されるとともに、水が供給されて、
それぞれ別個に燃焼室2内に噴射されるように構成され
ている。
【0017】すなわち、噴射弁本体1には、燃料供給管
路(燃料供給経路)11に連通されたシリンダ状の燃料
噴射室12と、この燃料噴射室12の先端部に連通され
るとともに燃料噴射室12よりも小径にされたシリンダ
状の水噴射室13とが設けられ、また噴射弁本体1の先
端部には、燃料噴射室12に連通する燃料噴射孔3およ
び水噴射室13に連通する水噴射孔4が形成され、また
上記燃料噴射室12の上方部には、大径の筒状空間室1
5が形成されるとともに、この筒状空間室15内には、
上記燃料噴射室12の燃料供給管路11との接続部であ
る油溜り5を開閉するための弁部16aがその下端部に
形成された燃料噴射用スピンドル16がその軸心方向で
摺動自在に配置され、またこの燃料噴射用スピンドル1
6の中心部に形成された貫通穴16b内には、その中心
部に水供給通路17aが形成された水噴射用スピンドル
17が摺動自在に配置されている。なお、水噴射用スピ
ンドル17の下端である先端部には、水噴射室13の下
端部と水噴射孔4との接続部である水溜り6を開閉する
ための弁部17bが設けられている。
【0018】また、上記噴射弁本体1の先端部に設けら
れた水噴射孔4の方向は、図2および図3に示すよう
に、燃焼室2内の高温領域に向かって噴射されるような
方向にされている。
【0019】さらに、上記噴射弁本体1には、上記燃料
噴射用スピンドル16および水噴射用スピンドル17を
下方に付勢する付勢手段が具備されており、さらにこの
水噴射用スピンドル17の燃料用スピンドル16から所
定距離(L)だけ突出した位置には、係合用フランジ部
17cが設けられている。
【0020】したがって、例えば燃料噴射用スピンドル
16が上方に移動した際に、その距離(L)分だけ遅れ
て、水噴射用スピンドル17が上方に移動されることに
なる。
【0021】上記各スピンドル16,17の付勢手段に
ついて説明すると、噴射弁本体1の各スピンドル16,
17に対応する上方部には、筒状凹部1aが形成される
とともに、この筒状凹部1aには、中央に水噴射用スピ
ンドル17の上端部を挿入案内するガイド穴19aが形
成されかつ水導入穴19bが形成された筒状部19を有
する案内部材18が設けられている。
【0022】さらに、上記案内部材18のフランジ部1
8aと燃料噴射用スピンドル16の上面との間、および
フランジ部18aと水噴射用スピンドル17の係合用フ
ランジ部17cとの間には、それぞれ各スピンドル1
6,17を下方に所定押圧力でもって付勢して、それぞ
れの弁部16a,17bを閉状態にするための付勢手段
としての第1ばね体21および第2ばね体22が設けら
れている。
【0023】また、上記水供給通路17aに水を供給す
るための、水供給装置31が具備されている。この水供
給装置31は、水タンク32と、水ポンプ33と、この
水ポンプ33から供給された水を水供給通路17a内に
供給するための水供給管路(水供給経路)34と、この
水供給管路34途中に設けられるとともに、燃料油の圧
力により作動させられて水の圧力を増す増圧器35とか
ら構成されている。
【0024】すなわち、この増圧器35は、シリンダ室
41と、このシリンダ室41内に摺動自在に配置された
ピストン体42と、このピストン体42のヘッド部42
aを下方に付勢する戻しばね43とから構成され、また
このシリンダ室41のピストン体42のヘッド部42a
側であるヘッド側シリンダ室(以下、作動室という)4
1aと上記燃料供給管路(燃料供給経路)11とが燃料
接続管路(燃料供給経路)44で接続され、またシリン
ダ室41のピストン体42のロッド部42b側であるロ
ッド側シリンダ室(以下、増圧室という)41bと上記
水供給管路34とが水接続管路(水供給経路)45で接
続されている。
【0025】なお、46および47は水供給管路34途
中に介装された逆止弁、48は同じく流量調整弁であ
る。次に、上記構成における燃料油および水噴射動作に
ついて説明する。
【0026】まず、図1に示すように、燃料油が油溜り
5まで供給されるとともに、水が増圧器35の増圧室4
1b内並びに水供給管路34および水供給通路17aを
経て水溜り6まで供給されている状態になっている。
【0027】そして、加圧された燃料油が燃料供給管路
11に供給されると、その一部は油溜り5内の燃料油を
加圧し、残りの燃料油は増圧器35内に入る。油溜り5
内の燃料油が加圧されて、その押圧力が第1ばね体21
の付勢力より大きくなると、燃料噴射用スピンドル16
が上昇して、燃料噴射室12を通って燃料噴射孔3から
燃焼室内に噴射される。
【0028】そして、この時、既に増圧器35により、
増圧室41b内の水が加圧状態であるため、水供給通路
17a内および水溜り6内の水が加圧状態となってお
り、したがって上記燃料噴射用スピンドル16が距離
(L)以上に上昇した時に、水噴射用スピンドル17も
上昇して、その弁部17bが開放さるため、水噴射孔4
から水が燃焼室2内に噴射される。
【0029】勿論、この時、噴射される水は、燃焼室2
内での高温領域に噴射されて、その高温領域の温度を効
果的に低下させることになる。なお、噴射後、各スピン
ドル16,17は、各ばね体21,22の付勢力により
元の状態に戻されるとともに、燃料油の圧力の低下に伴
い、増圧器35の作動室41a内の圧力も低下し、した
がって戻しばね43の付勢力により、ピストン体42も
元の位置に戻り、この時、増圧室41b内に水が供給さ
れて、次の噴射に備えられる。
【0030】このように、上記の構成によると、燃料油
と水とを、異なる噴射孔からその噴射時期を少しずらせ
て、燃焼室内に噴射させるようになし、かつ水を燃焼室
内の高温領域に向かって噴射させるようにしたので、N
x の発生を効果的に抑制することができ、しかも従
来のような水エマルジョン燃料による燃焼方式に比べ
て、着火性が良くなり燃焼が安定するため、燃焼効率が
向上する。また、燃料油と水とを混合して水エマルジョ
ン燃料を製造するための製造装置を必要としない。ま
た、水と燃料油との噴射時期を、各スピンドルの移動に
連動して機械的にずらせるようにしたので、例えば燃料
油と水とを層状にして噴射する場合のように、噴射時間
が長くなってエンジンの効率が低下することがなく、ま
た高圧水を送り出す高圧ポンプおよび燃料油注入弁を同
時に制御するための複雑な制御装置を必要とする構成に
比べて、その構成を非常に簡単にすることができる。さ
らに、水と燃料油との噴射する量は、両スピンドルの上
昇量に対応しているため、両噴射量を、機械的にすなわ
ち制御装置に頼ることなく、自然に比例させることが可
能となる。
【0031】また、増圧器は、各スピンドルから離した
構成としたので、例えば増圧機構を、スピンドルと一体
的に設ける場合に比べて、燃料噴射用スピンドル部分の
設置高さを低くすることができる。なお、上記増圧器3
5における戻しばね43を省くこともできる。
【0032】次に、本発明の第2の実施例を図4に基づ
き説明する。上記第1の実施例においては、燃料ポンプ
からの燃料油を、直接、燃料供給管路より油溜め内に供
給するようにしたのに対して、本第2の実施例において
は、燃料油の供給を、増圧器側に設けたポート部を介し
て、行うようにしたものであり、したがって殆どの構成
が第1の実施例と同一であるため、同一の部品には、同
一番号を付してその説明を省略する。
【0033】すなわち、図4に示すように、増圧器35
のシリンダ室41の側壁には、油ポート51が設けられ
るとともに、この油ポート51と燃料供給管路(燃料供
給経路)12の燃料接続管路(燃料供給経路)44より
も下流側部分とが、燃料バイパス管路(燃料供給経路)
52で接続されている。
【0034】この構成によると、燃料供給時に、まず増
圧器35のピストン体42が所定ストロークだけ移動さ
れて、作動室41aと油ポート51とが接続状態になっ
た状態で、所定圧力の燃料油が油溜め5内に供給される
ことになる。
【0035】この後、上記第1の実施例と同様の動作に
より、燃料油および水が異なる噴射孔からその噴射時期
が少しずらされて、燃焼室2内に噴射される。なお、水
噴射量が燃料噴射量すなわち燃料油の高圧保持時間に比
例するように、油ポート51の開口位置が設定される。
【0036】また、本第2の実施例では、図4に示すよ
うに、案内部材18に直接、水噴射用スピンドル17の
上端部を案内するためのガイド穴19aが形成されてい
る。
【0037】次に、本発明の第3の実施例を図5に基づ
き説明する。上記第1の実施例においては、燃料ポンプ
からの燃料油を、直接、水を加圧するための増圧器に加
圧源として供給するようにするとともに、この増圧器で
加圧された水を、燃料油の噴射時期より少し遅らせて噴
射させるのに、水噴射用スピンドルを燃料噴射用スピン
ドルにより少し遅れて一緒に上昇するように構成したの
に対して、本第3の実施例においては、増圧器への燃料
供給経路の途中に、すなわち燃料噴射用スピンドル側に
バルブ機構を設けるとともに、燃料噴射用スピンドルの
移動に伴ってバルブ機構を作動させるようにしたもので
ある。なお、このバルブ機構以外の部分については、第
1の実施例とほぼ同一構成であるため、同一部品には、
同一番号を付してその説明を省略する。
【0038】すなわち、噴射弁本体1側には、第1油ポ
ート61、第2油ポート62および第3油ポート63が
設けられるともに、燃料噴射用スピンドル16の内部に
は、第1油連通穴64および第2油連通穴65が形成さ
れ、また第1油ポート61および第2油ポート62と燃
料供給管路(燃料供給経路)11とはそれぞれ第1およ
び第2燃料接続管路(燃料供給経路)66,67により
連通され、また第3油ポート63と増圧器35のヘッド
側シリンダ室である作動室41aとが第3燃料接続管路
(燃料供給経路)68とで接続されている。そして、さ
らに第1および第2油連通穴64,65の各一端部は、
第3油ポート63に対応する位置で開口されるととも
に、第1油連通穴64の他端部は第1油ポート61に対
応する位置で、また第2油連通穴65の他端部は第2油
ポート62に対応する位置で開口され、かつ燃料噴射用
スピンドル16の弁部16aの閉時においては、第2油
連通穴65により、第2油ポート62と第3油ポート6
3とが連通状態となり、弁部16aの開時においては、
第1油連通穴64と第3燃料接続管路68とが連通状態
となるように、各油ポート61,62,63が形成され
ている。なお、第2燃料接続管路67の途中には、逆止
弁69が介装されている。
【0039】また、本第3の実施例においては、燃料噴
射用スピンドル16の上面と、水噴射用スピンドル17
の係合用フランジ部17cとの間は、第1の実施例で示
した隙間(L)がないように、すなわち接触するように
されている。
【0040】したがって、この構成において、燃料油が
燃料供給管路11に供給されると、油溜り5内の燃料油
が加圧されて、燃料噴射用スピンドル16が上昇する。
このため、第1油連通穴64により、第1油ポート61
と第3油ポート63とが連通状態となり、燃料油が第3
燃料接続管路68を経て、増圧器35の作動室41a内
に入り、ピストン体42を上昇させる。ピストン体42
が上昇すると、増圧室41b内の水が加圧され、この加
圧された水が水供給管路34および水供給通路17aを
介して水溜り6内に入り、その圧力でもって水噴射用ス
ピンドル17が上昇されて、燃料油の噴射に引き続い
て、水が燃焼室2内に噴射される。
【0041】なお、水の噴射が終了すると、燃料噴射用
スピンドル16が下降して、第2油連通穴65を介し
て、第3油ポート63と第2油ポート62とが連通状態
になり、作動室41a内の燃料油が燃料供給管路11内
に戻る。すなわち、増圧器35内のピストン体42は、
戻しばね43および水の圧力により、下降して、元の状
態に戻される。
【0042】この構成の場合も、上記第1の実施例と同
様の効果が得られる。次に、本発明の第4の実施例を図
6に基づき説明する。上記第1の実施例においては、燃
料ポンプからの燃料油を、直接、燃料供給管路より油溜
め内に供給するようにするとともに、水を増圧器の増圧
室に、直接、供給するようにしたのに対して、本第4の
実施例においては、燃料油の供給を、増圧器側に設けた
ポート部を介して行うようにするとともに、増圧器に水
を供給する水供給管路途中に、すなわち噴射弁本体側
(正確には、燃料噴射用スピンドル側)と増圧器側の両
方に、バルブ機構を設けたものである。
【0043】したがって、殆どの構成が第1の実施例と
同一であるため、同一の部品には、同一番号を付してそ
の説明を省略する。すなわち、図6に示すように、噴射
弁本体1側には、第1水ポート71および第2水ポート
72が設けられるともに、燃料噴射用スピンドル16の
内部には、第1水連通穴75が形成され、またこの第1
水連通穴75の一端部は第1水ポート71に対応する位
置に開口されるとともに、その他端部は第2水ポート7
2に対応する位置に開口されており、かつ燃料噴射用ス
ピンドル16の弁部16aの閉時においては、第1水連
通穴75が非連通状態となり、弁部16aの開時におい
ては、第1水連通穴75を介して、第1水ポート71と
第2水ポート72とが連通状態となるような位置に、各
水ポート71,72が形成されている。
【0044】また、増圧器35の下部には、増圧室41
bと同様に筒状の水導入室41cが形成されるととも
に、ピストン体42の下面から下方に突出して設けられ
た下部ロッド部42bが、上記水導入室41c内に摺動
自在に挿入されている。また、増圧器35の水導入室4
1cの側壁部には、第3水ポート73が設けられるとと
もに、上記下部ロッド部42b内には、第3水ポート7
3と水導入室41c内とを連通する第2水連通穴76が
形成されている。
【0045】したがって、上記水供給管路(水供給経
路)34において、水ポンプ33と第1水ポート71と
は第1水供給管路部34aにより接続され、また第2水
ポート72と増圧器35の水導入室41cとは第2水供
給管路部34bにより接続され、さらに第3水ポート7
3からの水は第3水供給管路部34cを経て増圧室41
b側に接続された第4水供給管路部34dの途中に接続
され、また上記第2水供給管路部34bの途中には、水
供給用のアキュームレータ77が設けられている。な
お、上記第1および第2水供給管路部34a,34bの
途中には、それぞれ絞り弁78および逆止弁79が介装
されている。
【0046】さらに、第2の実施例と同様に、上記増圧
器35のシリンダ室41の側壁には、油ポート81が設
けられ、またシリンダ室41の作動室41aに第1燃料
供給管路部11aが接続されるとともに、上記油ポート
81と燃料噴射室12の油溜り5とが第2燃料供給管路
部11bにより接続されている。
【0047】なお、増圧器35において、ピストン体4
2が下降している場合には、油ポート81と作動室41
aとが非連通状態であるとともに、第3水ポート73と
水導入室41cとが第2水連通穴76を介して連通状態
であり、またピストン体42が燃料油により上昇された
場合には、油ポート81と作動室41aとが連通状態に
なるとともに、第3水ポート73と水導入室41cとが
非連通状態となるように、それぞれのポート73,81
が設けられている。
【0048】上記の構成において、燃料油が供給される
と、増圧器35のピストン体42が所定ストロークだけ
上昇されて、作動室41aと油ポート81とが連通した
状態となり、所定圧力の燃料油が油溜め5内に供給され
ることになる。
【0049】この後、上記第1の実施例と同様の動作に
より、燃料油および水が異なる噴射孔からその噴射時期
が少しずらされて、燃焼室2内に噴射される。また、燃
料噴射用スピンドル16が上昇した時点で、第1水ポー
ト71と第2水ポート72とが、第1水連通穴75を介
して連通状態となり、この時、水がアキュームレータ7
7内に供給される。そして、燃料油および水の噴射が終
わると、増圧器35のピストン体42が戻しばね43な
どにより元の状態に戻り、水導入室41cと第3水ポー
ト73とが、第2水連通穴76を介して互いに連通さ
れ、したがってアキュームレータ77内の水が、増圧室
41b内に供給されることになる。
【0050】なお、水噴射量が燃料噴射量すなわち燃料
油の高圧保持時間に比例するように、油ポート81の開
口位置が設定される。また、本第4の実施例において
も、図6に示すように、案内部材18に直接、水噴射用
スピンドル17の上端部を案内するためのガイド穴19
aが形成されている。
【0051】次に、本発明の第5の実施例を図7に基づ
き説明する。上記第1の実施例においては、水を加圧す
るための増圧器を噴射弁本体とは、別個に設けるととも
に、増圧器の加圧源として燃料油を使用したのに対し
て、本第5の実施例では、水の増圧機構を噴射弁本体内
に設けて、燃料噴射用スピンドルの移動に応じて、加圧
するようにしたものである。
【0052】したがって、水の増圧機構部を除く他の構
成が第1の実施例と同一であるため、同一の部品には、
同一番号を付してその説明を省略する。すなわち、図7
に示すように、噴射弁本体1内に形成されたシリンダ室
15内に配置される燃料噴射用スピンドル16が、弁部
16aを有する下部筒状部16Aと、下部筒状部16A
の上方に形成された大径の中間部フランジ部16Bと、
この中間部フランジ部16Bの上方に形成された小径の
上部筒状部16Cとから構成されている。
【0053】また、このような燃料噴射用スピンドル1
6が配置されるシリンダ室15は、下部筒状部16Aを
収納する下部シリンダ室15Aと、中間フランジ部16
Bを所定距離だけ移動可能に案内する中間部シリンダ室
15Bと、上部筒状部16Cを案内するとともにその上
方に所定高さの増圧室101が形成される上部シリンダ
室15Cとから構成されている。
【0054】そして、この増圧室101が、水供給装置
31における水供給管路(水供給経路)34の途中に配
置されている。すなわち、水ポンプ33と上記増圧室1
01とは、第1水供給管路部34aにより接続され、ま
たこの増圧室101と水噴射用スピンドル17の水供給
通路17aに連通するガイド穴19aとが第2水供給管
路部34bにより接続されている。
【0055】そして、さらに中間部シリンダ室15Bの
下面に形成される作動室102と燃料供給管路(燃料供
給経路)11とが、燃料接続管路(燃料供給経路)44
により接続されている。
【0056】また、中間部シリンダ室15Bの上方に
は、燃料噴射用スピンドル16を下方に付勢する第1ば
ね体21が配置されるとともに、噴射弁本体1の筒状凹
部1a内には、水噴射用スピンドル17を下方に付勢す
る第2ばね体22が配置されている。
【0057】したがって、上記構成において、燃料油が
燃料供給管路11を介して供給されると、一部は油溜り
5内に入るとともに、残りは作動室102内に入る。油
溜り5内に入った燃料油は、その圧力が所定値以上に達
すると、弁部16aが開き、燃料油は燃料噴射室12を
経て燃料噴射孔3より噴射される。
【0058】一方、作動室102内に入った燃料油も所
定圧力に達し、燃料噴射用スピンドル16の下面に作用
する力(油溜めおよび作動室内にて発生する力)が第1
ばね体21の付勢力よりも大きくなると、燃料噴射用ス
ピンドル17が上昇し、増圧室101内の水が加圧され
て、水供給通路17a内に供給される。
【0059】そして、水供給通路17a内に供給された
水が水溜り6内に入り、この水溜り6内で発生する力が
第2ばね体22の付勢力よりも大きくなると、第1の実
施例と同様に、燃料油の噴射に引き続いて、水が燃焼室
2内に噴射される。
【0060】この場合も、第1の実施例と同様の効果を
有する。なお、本実施例においては、燃料油の噴射量が
多い場合、燃料噴射用スピンドルの移動量(行程量)も
長くなるので、それにつれて水の噴射量も多くなる。勿
論、燃料油の噴射量が少ない場合、燃料噴射用スピンド
ルの移動量も短くなり、したがって水の噴射量も少なく
なる。
【0061】次に、本発明の第6の実施例を図8に基づ
き説明する。上記第5の実施例においては、水を加圧す
るのに、燃料噴射用スピンドル自身の移動を、直接、利
用するようにしたのに対して、本第6の実施例では、シ
リンダ室内に、燃料噴射用スピンドルとは別体の水加圧
用のピストン体(プランジャともいう)を設けたもので
ある。
【0062】したがって、水の増圧機構部を除く他の構
成が第5の実施例と同一であるため、同一の部品には、
同一番号を付して、その説明を省略する。すなわち、図
8に示すように、噴射弁本体1内に形成されたシリンダ
室15の上部シリンダ室15C内に、筒状のピストン体
111を摺動自在に配置するとともに、その上方空間部
を水加圧用の増圧室112としたものである。
【0063】また、噴射弁本体1内には、燃料噴射用ス
ピンドル16の上昇に応じて、上記ピストン体111を
上昇させる機構が設けられている。すなわち、上記シリ
ンダ室15の内、中間部シリンダ室15Bの上方には、
上記ピストン体111を加圧するための加圧油供給室1
13が設けられ、また噴射弁本体1の中間部シリンダ室
15Bの下面に対応する2箇所には、第1および第2油
ポート121,122がそれぞれ形成されるとともに、
燃料噴射用スピンドル17の内部には、一端部が加圧供
給室113内に開口するとともに他端部が上記第1油ポ
ート121に対応する位置に開口された第1油連通穴1
23、および一端部が加圧供給室113内に開口すると
ともに他端部が上記第2油ポート122に対応する位置
に開口された第2油連通穴124が形成され、また燃料
供給管路(燃料供給経路)11と上記第1油ポート12
1とは燃料接続管路(燃料供給経路)44により接続さ
れるとともに、上記第2油ポート122と油溜り5とは
燃料戻し管路125により連通されている。
【0064】そして、燃料噴射用スピンドル16の弁部
16aの閉時においては、第1油ポート121と第1油
連通穴123とが非連通状態となるようにされるととも
に、第2油ポート122と第2油連通穴124とが連通
状態となるようにされ、また弁部16aの開時において
は、第1油ポート121と第1油連通穴123とが連通
状態となるようにされるとともに、第2油ポート122
と第2油連通穴124とが非連通状態となるようにされ
ている。
【0065】したがって、上記構成において、燃料油が
燃料供給管路11を介して油溜り5内に供給されて、そ
の圧力が所定値以上に達すると、弁部16aが開き、燃
料油は燃料噴射室12を経て燃料噴射孔3より噴射され
る。
【0066】燃料噴射用スピンドル16が上昇すると、
第1油ポート121および第1油連通穴123を介し
て、燃料油が加圧油供給室113内に供給され、そして
ピストン体111を上昇させて、増圧室112内の水を
加圧し、水供給通路17a内に水が供給される。
【0067】そして、水供給通路17a内に供給された
水が水溜り6内に入り、その力が第2ばね体22の付勢
力よりも大きくなると、第1の実施例と同様に、燃料油
の噴射に引き続いて、水が燃焼室2内に噴射される。
【0068】勿論、この場合も、第5の実施例とほぼ同
様の効果を有するが、本実施例においては、燃料油が噴
射された後の水の噴射時期が、第5の実施例のものに比
べて、少し遅くなる。
【0069】なお、この構成において、燃料噴射用スピ
ンドル16の上部筒状部16Cは、上部シリンダ室15
C内に必ずしも挿入された状態でなくてもよく、少なく
とも燃料噴射用スピンドル16の上昇時に、加圧油供給
室113内の燃料油を加圧し得ればよい。
【0070】次に、本発明の第7の実施例を、図9に基
づき説明する。なお、上記各実施例においては、燃料噴
射用スピンドルの中心を貫通して水噴射用スピンドルを
摺動自在に配置するとともに、燃料噴射孔の下方に水噴
射孔を設けた構成としたが、本第7の実施例において
は、上記各実施例とは逆に、水噴射用スピンドルの中心
を貫通して燃料噴射用スピンドルを摺動自在に配置する
とともに、水噴射孔の下方に燃料噴射孔を設けた構成と
したものである。
【0071】図9において、201は上記各実施例と同
様のディーゼル機関における二液噴射用の燃料噴射弁の
噴射弁本体を示し、この噴射弁本体201には、燃料ポ
ンプ(図示せず)により燃料油が供給されるとともに、
水が供給されて、それぞれ別個に燃焼室202内に噴射
されるように構成されている。
【0072】すなわち、噴射弁本体201には、水供給
管路(後述する)211に連通されたシリンダ状の水噴
射室212と、この水噴射室212の先端部に連通され
るとともに水噴射室212よりも小径にされたシリンダ
状の燃料噴射室213とが設けられ、また噴射弁本体2
01の先端部には、水噴射室212に連通する水噴射孔
203および燃料噴射室213に連通する燃料噴射孔2
04が形成され、また上記水噴射室212の上方部に
は、大径の筒状空間室215が形成されるとともに、こ
の筒状空間室215内には、上記水噴射室212の水供
給管路211との接続部である水溜り205を開閉する
ための弁部216aがその下端部に形成された水噴射用
スピンドル216がその軸心方向で摺動自在に配置さ
れ、またこの水噴射用スピンドル216の中心部に形成
された貫通穴216b内には、その中心部に燃料供給通
路217aが形成された燃料噴射用スピンドル217が
摺動自在に配置されている。なお、燃料噴射用スピンド
ル217の下端である先端部には、燃料噴射室213の
下端部と燃料噴射孔204との接続部である油溜り20
6を開閉するための弁部217bが設けられている。
【0073】また、上記噴射弁本体201の先端部に設
けられた水噴射孔203の方向は、第1の実施例と同様
に、燃焼室202内の高温領域に向かって噴射されるよ
うな方向にされている。
【0074】そして、噴射弁本体201には、水噴射用
スピンドル216および燃料噴射用スピンドル217を
下方に付勢する付勢手段が具備されている。まず、水噴
射用スピンドル216の付勢手段について説明すると、
噴射弁本体201内に形成された筒状空間室215の上
部空間室215a内に、水噴射用スピンドル216を下
方に付勢する第1ばね体221が配置されている。
【0075】次に、燃料噴射用スピンドル217の付勢
手段について説明すると、噴射弁本体201の上記筒状
空間室215の上方位置には、筒状凹部201aが形成
されるとともに、この筒状凹部201a内には、この凹
部内に挿通された燃料噴射用スピンドル217の上部に
形成されたフランジ部217cを下方に付勢する第2ば
ね体222が配置されている。
【0076】したがって、上記第1ばね体221によ
り、水噴射用スピンドル216の弁部216aが閉状態
とされ、第2ばね体222により燃料噴射用スピンドル
217の弁部217bが閉状態にされる。
【0077】勿論、燃料ポンプを有する燃料供給管路
(燃料供給経路)214が、上記燃料噴射用スピンドル
217の燃料供給通路217aに接続されている。そし
て、本実施例においては、水を水噴射室212内に供給
する水供給装置231が設けられている。
【0078】すなわち、水供給装置231は、水タンク
232と、水ポンプ233と、この水ポンプ233から
供給された水を水噴射室212内に供給するための水供
給管路(水供給経路)211と、この水供給管路211
途中に設けられるとともに、燃料油の圧力により作動さ
せられて水の圧力を増す増圧器235とから構成されて
いる。
【0079】すなわち、この増圧器235は、シリンダ
室241と、このシリンダ室241内に摺動自在に配置
されたピストン体242と、このピストン体242のヘ
ッド部242aを下方に付勢する戻しばね243とから
構成され、またこのシリンダ室241のピストン体24
2のヘッド部242a側であるヘッド側シリンダ室(以
下、作動室という)241aと上記燃料供給管路(燃料
供給経路)214とが燃料接続管路(燃料供給経路)2
51で接続され、またシリンダ室241のピストン体2
42のロッド部242a側であるロッド側シリンダ室
(以下、増圧室という)241bに上記水供給管路21
1が接続されている。
【0080】また、上記燃料供給管路214途中から分
岐されて、燃料油を増圧器235側に供給する燃料接続
管路251の途中である噴射弁本体201および燃料噴
射用スピンドル217側にバルブ機構が設けられ、燃料
噴射用スピンドル217の移動に伴ってこのバルブ機構
が作動させられるように構成されている。
【0081】すなわち、噴射弁本体201側には、第1
油ポート261、第2油ポート262および第3油ポー
ト263が設けられるともに、燃料噴射用スピンドル2
17の内部には、一端部が第1油ポート261に対応す
る位置に開口するとともに他端部が第3油ポート263
に対応する位置に開口された第1油連通穴264および
一端部が第2油ポート262に対応する位置に開口する
とともに他端部が第3油ポート263に対応する位置に
開口された第2油連通穴265が形成され、また第1油
ポート261および第2油ポート262と燃料供給管路
214とはそれぞれ第1および第2燃料接続管路部25
1a,251bにより連通され、また第3油ポート26
3と増圧器235のヘッド側シリンダ室である作動室2
41aとが第3燃料接続管路部251cとで接続されて
いる。そして、さらに上記燃料噴射用スピンドル217
の弁部217bの閉時においては、第1油ポート261
と第3油ポート263とが非連通状態であるとともに、
第2油連通穴265により、第2油ポート262と第3
油ポート263とが連通状態となり、また弁部217b
の開時においては、第1油連通穴264により、第1油
ポート261と第3油ポート263すなわち第3燃料接
続管路部251cとが連通状態になるとともに、第2油
ポート262と第3油ポート263とが非連通状態とな
るように、各油ポート261,262,263が形成さ
れている。
【0082】したがって、この構成において、燃料油が
燃料供給管路214に供給されると、燃料供給通路21
7a内を介して油溜り206内に入り、この中の燃料油
が加圧されて、燃料噴射用スピンドル217が上昇す
る。このため、第1油連通穴264により、第1油ポー
ト261と第3油ポート263とが連通状態となり、燃
料油が第3燃料接続管路部251cを経て、増圧器23
5の作動室241a内に入り、ピストン体242を上昇
させる。ピストン体242が上昇すると、増圧室241
b内の水が加圧され、この加圧された水が水供給管路2
11を介して水溜り205内に入り、その圧力でもって
水噴射用スピンドル216が上昇されて、燃料油の噴射
に引き続いて、水が燃焼室202内に噴射される。な
お、燃料油の噴射が終了すると、燃料噴射用スピンドル
217が下降して、第2油連通穴265を介して、第2
油ポート262と第3油ポート263とが連通状態にな
り、作動室241a内の燃料油が燃料供給管路214内
に戻る。すなわち、増圧器235内のピストン体242
は、戻しばね243および水の圧力により、下降して、
元の状態に戻される。
【0083】この構成の場合も、上記第1の実施例と同
様の効果が得られる。次に、本発明の第8の実施例を図
10に基づき説明する。上記第4の実施例においては、
燃料油の供給を、増圧器側に設けたポート部を介して行
うようにするとともに、増圧器に水を供給する水供給管
路途中に、すなわち噴射弁本体側と増圧器側の両方に、
バルブ機構を設けたものであるのに対して、本第8の実
施例では、第4の実施例の構成において、第7の実施例
と同様に、水噴射用スピンドルの中心を貫通して燃料噴
射用スピンドルを摺動自在に配置するとともに、水噴射
孔の下方に燃料噴射孔を設けた構成としたものである。
【0084】したがって、第7の実施例と同一の部品に
は、同一番号を付して、その説明を省略する。すなわ
ち、図10に示すように、噴射弁本体201側には、第
1水ポート271および第2水ポート272が設けられ
るともに、燃料噴射用スピンドル217のフランジ部2
17cの内部には、第1水連通穴275が形成され、ま
たこの第1水連通穴275の一端部は第1水ポート27
1に対応する位置に開口されるとともに、その他端部は
第2水ポート272に対応する位置に開口されており、
かつ燃料噴射用スピンドル217の弁部217bの閉時
においては、第1水連通穴275が非連通状態となり、
弁部217bの開時においては、第1水連通穴275を
介して、第1水ポート271と第2水ポート272とが
連通状態となるような位置に、各水ポート271,27
2が形成されている。
【0085】また、増圧器235の下部には、増圧室2
41bと同様に筒状の水導入室241cが形成されると
ともに、ピストン体242の下面から下方に突出して設
けられた下部ロッド部242cが、上記水導入室241
c内に摺動自在に挿入されている。また、増圧器235
の水導入室241cの側壁部には、第3水ポート273
が設けられるとともに、上記下部ロッド部242c内に
は、第3水ポート273と水導入室241c内とを連通
する第2水連通穴276が形成されている。
【0086】したがって、上記水供給管路(水供給経
路)211において、水ポンプ233と第1水ポート2
71とは第1水供給管路部211aにより接続され、ま
た第2水ポート272と増圧器235の水導入室241
cとは第2水供給管路部211bにより接続され、さら
に第3水ポート273からの水は第3水供給管路部21
1cを経て増圧室241b側に接続された第4水供給管
路部211dの途中に接続され、また上記第2水供給管
路部211bの途中には、水供給用のアキュームレータ
277が設けられている。
【0087】さらに、第2の実施例と同様に、上記増圧
器235のシリンダ室241の側壁には、油ポート28
1が設けられ、またシリンダ室241の作動室241a
に第1燃料供給管路部(燃料供給経路)214aが接続
されるとともに、上記油ポート281と燃料供給通路2
17aとが第2燃料供給管路部(燃料供給経路)214
bにより接続されている。
【0088】なお、増圧器235において、ピストン体
242が下降している場合には、油ポート281と作動
室241aとが非連通状態であるとともに、第3水ポー
ト273と水導入室241cとが第2水連通穴276を
介して連通状態であり、またピストン体242が燃料油
により上昇された場合には、油ポート281と作動室2
41aとが連通状態になるとともに、第3水ポート27
3と水導入室241cとが非連通状態となるように、そ
れぞれのポート273,281が設けられている。
【0089】上記の構成において、燃料油が供給される
と、増圧器235のピストン体242が所定ストローク
だけ上昇されて、作動室241aと油ポート281とが
連通した状態となり、所定圧力の燃料油が第2燃料供給
管路部214bおよび燃料供給通路217aを介して油
溜め206内に供給されることになる。
【0090】この後、上記第7の実施例とほぼ同様の動
作により、燃料油および水が異なる噴射孔からその噴射
時期が少しずらされて、燃焼室202内に噴射される。
また、燃料噴射用スピンドル217が上昇した時点で、
第1水ポート271と第2水ポート272とが、第1水
連通穴275を介して連通状態となり、この時、水がア
キュームレータ277内に供給される。そして、燃料油
および水の噴射が終わると、増圧器235のピストン体
242が戻しばね243などにより元の状態に戻り、水
導入室241cと第3水ポート273とが、第2水連通
穴276を介して互いに連通され、したがってアキュー
ムレータ277内の水が、増圧室241b内に供給され
ることになる。
【0091】なお、この場合も水噴射量が燃料噴射量す
なわち燃料油の高圧保持時間に比例するように、油ポー
ト281の開口位置が設定される。
【0092】
【発明の効果】以上のように本発明におけるディーゼル
機関における燃料噴射弁の構成によると、燃料油と水と
を噴射弁本体から燃焼室内に噴射させるのに、燃料噴射
用スピンドルおよび水噴射用スピンドルの摺動により順
次行わせるか、または各スピンドルの摺動を互いに連動
させるようにして順次行わせるようにしているので、例
えば燃料油および水を制御弁などを使用して噴射させる
機構と異なり、機械的にそれぞれの噴射を行わせること
ができるので、その構成が非常に簡単にすることができ
る。
【0093】また、このように、燃料油と水とを別々に
噴射させるようにしているので、例えば水エマルジョン
燃料を使用する場合に必要な混合装置などを必要とせ
ず、装置自体を簡単にすることができ、さらに燃料油と
水とを層状にして噴射する場合のように、噴射時間が長
くなってエンジンの効率が低下するのを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における二液噴射弁の構
成を示す要部断面図である。
【図2】同第1の実施例における燃料油および水噴射状
態を示す側面図である。
【図3】図2のC−C矢視図である。
【図4】本発明の第2の実施例における二液噴射弁の構
成を示す要部断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例における二液噴射弁の構
成を示す要部断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例における二液噴射弁の構
成を示す要部断面図である。
【図7】本発明の第5の実施例における二液噴射弁の構
成を示す要部断面図である。
【図8】本発明の第6の実施例における二液噴射弁の構
成を示す要部断面図である。
【図9】本発明の第7の実施例における二液噴射弁の構
成を示す要部断面図である。
【図10】本発明の第8の実施例における二液噴射弁の
構成を示す要部断面図である。
【図11】従来例における燃料油の噴射状態を示す要部
側面図である。
【符号の説明】
1 噴射弁本体 2 燃焼室 3 燃料噴射孔 4 水噴射孔 5 油溜り 6 水溜り 11 燃料供給管路 12 燃料噴射室 13 水噴射室 15 筒状空間室 16 燃料噴射用スピンドル 16a 弁部 16b 貫通穴 17 水噴射用スピンドル 17a 水供給通路 17b 弁部 21 第1ばね体 22 第2ばね体 31 水供給装置 34 水供給管路 35 増圧器 41 シリンダ室 42 ピストン体 51 油ポート 61 第1油ポート 62 第2油ポート 63 第3油ポート 64 第1油連通穴 65 第2油連通穴 66 第1燃料接続管路 67 第2燃料接続管路 68 第3燃料接続管路 71 第1水ポート 72 第2水ポート 73 第3水ポート 75 第1水連通穴 76 第2水連通穴 81 油ポート 101 増圧室 102 作動室 111 ピストン体 112 増圧室 113 加圧油作動室 121 第1油ポート 122 第2油ポート 123 第1油連通穴 124 第2油連通穴 201 噴射弁本体 202 燃焼室 203 水噴射孔 204 燃料噴射孔 205 水溜り 206 油溜り 211 水供給管路 212 水噴射室 213 燃料噴射室 215 筒状空間室 216 水噴射用スピンドル 216a 弁部 217 燃料噴射用スピンドル 217a 燃料供給通路 217b 弁部 221 第1ばね体 222 第2ばね体 231 水供給装置 235 増圧器 241 シリンダ室 242 ピストン体 261 第1油ポート 262 第2油ポート 263 第3油ポート 264 第1油連通穴 265 第2油連通穴 271 第1水ポート 272 第2水ポート 273 第3水ポート 275 第1水連通穴 276 第2水連通穴 281 油ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 43/04 F02M 43/00 F02B 47/02 F02M 25/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴射弁本体内に、燃料油が供給されるとと
    もに燃料噴射用スピンドルにより開閉される燃料噴射室
    を形成し、この燃料噴射室内に、内部に水供給通路が形
    成された水噴射用スピンドルを摺動自在に配置するとと
    もに、その摺動により水供給通路の先端部に形成された
    水噴射室を開閉自在となし、上記燃料噴射室に連通する
    燃料噴射孔を設け、かつ上記水噴射室に連通する水噴射
    孔を設けるとともに、この水噴射孔の開口方向を、噴射
    される水が、燃焼火炎の高温領域の方向に向くような方
    向に設定したことを特徴とするディーゼル機関における
    燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】噴射弁本体内に、水が供給されるとともに
    水噴射用スピンドルにより開閉される水噴射室を形成
    し、この水噴射室内に、内部に燃料供給通路が形成され
    た燃料噴射用スピンドルを摺動自在に配置するととも
    に、その摺動により燃料供給通路の先端部に形成された
    燃料噴射室を開閉自在となし、上記燃料噴射室に連通す
    る燃料噴射孔を設け、上記水噴射室に連通する水噴射孔
    を設けるとともに、この水噴射孔の開口方向を、噴射さ
    れる水が、燃焼火炎の高温領域の方向に向くような方向
    に設定したことを特徴とするディーゼル機関における燃
    料噴射弁。
  3. 【請求項3】水供給通路に水を供給する水供給経路の途
    中に、燃料油により作動させられる水の増圧器を設けた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のディーゼル
    機関における燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】燃料噴射用スピンドルの移動により、水の
    増圧を行う増圧室を、燃料噴射弁本体内に設けたことを
    特徴とする請求項1に記載のディーゼル機関における燃
    料噴射弁。
  5. 【請求項5】増圧器に燃料油を供給する燃料供給経路の
    途中を開閉するバルブ機構を、燃料噴射用スピンドル側
    に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のデ
    ィーゼル機関における燃料噴射弁。
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