JP2811112B2 - 半田供給板 - Google Patents

半田供給板

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JP2811112B2 JP2104298A JP10429890A JP2811112B2 JP 2811112 B2 JP2811112 B2 JP 2811112B2 JP 2104298 A JP2104298 A JP 2104298A JP 10429890 A JP10429890 A JP 10429890A JP 2811112 B2 JP2811112 B2 JP 2811112B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子回路基板あるいは電子部品等の接続端
子に半田を供給する半田供給板であって、半田層の形成
が困難な所へも容易に半田を供給することができる半田
供給板に関するものである。
(従来の技術) 従来から表面実装部品等の電子部品を、電子回路基板
(以下、単に基板という)に形成した導体回路上に実装
する場合には、この導体回路あるいは電子部品の何れか
少なくとも一方の接続端子に、半田層を形成し、接続端
子同志を接触させたうえで加熱溶融することにより、電
子部品と基板とを非常に簡単に接続している。
上記のような半田層を形成する方法としては、次の二
つの方法が代表的なものである。
第一の方法は、基板あるいは電子部品の接続端子に対
して半田ペーストを印刷し、このように印刷した半田ペ
ーストを加熱して接続する方法である。なお、この場
合、半田ペーストに代えて溶融半田中に基板又は電子部
品を浸漬する方法、あるいは、所定の部分以外にマスク
を施して、スパッタリング、蒸着等で半田膜を形成する
方法も採用されている。
第二の方法は、基板上に導体回路と電気的に一体とな
るメッキ用リードを使用して形成する方法である。すな
わち、この方法は、導体回路に半田によるメッキを行っ
て、所定の箇所に半田層を形成するのであるが、そのた
めには、導体回路の所定箇所に通電するためのメッキ用
リードを形成しなければならない。つまり、基板上に導
体回路を形成するに当たって半田層を形成すべき導体回
路全てについてメッキ用リードを接続するように設計し
なければならないのである。なお、このメッキ用リード
は、最終製品には全く不要な部分である。
ところで、近年の電子回路部品は、それがどのような
形式のものであても、高密度化する必要が生じてきてい
る。従って、各導体回路間の間隔はますます小さくなっ
てきているのが現状である。そのため、電子部品の実装
も難しくなってきており、基板と電子部品とを接続する
際に、加熱処理後の端子同志のショート、ブリッジ等の
不良が生じ易く、止むをえず部品の取替を行っているの
が現状である。そして、LSI、IC等の半導体は、その信
頼性を確認すべくバーンイン試験を実施しているのであ
る。
このように、高密度になればなるほど端子自身のサイ
ズは小さくなり、しかもその間隔も小さくなってくる。
そうなると、前述のようなメッキ用リードの形成もでき
なくなるのである。
(発明が解決しようとする課題) そこで、前記二つの方法においては、それぞれ解決し
なければならない問題点が含まれていることになる。
すなわち、第一の方法において生じる問題は、高密度
化された導体回路に対する半田層の形成を正確に行うこ
とが困難となることである。つまり、半田ペースト自
体、印刷精度に限界があり、微細な部分に均一な量の半
田層を形成できないのである。即ち、微細になると印刷
がかすれがちになり、半田量が少なくなり、無理に半田
量を多くしようとすると、滲みが生じて溶融時に接続端
子同士が互いに接触してしまうのである。また、溶融半
田中に浸漬する方法においても、微細な間隔となると、
前述と同様に互いに接触してしまうのである。
第二の方法において生じる問題は、メッキ用リードを
形成しなければならず、しかも端子とメッキ用リードと
を導体パターンで接続しておかなければならないことか
ら、導体回路の形成が非常に制限されることである。即
ち、第二の方法を採用しようとすると、導体回路の十分
な高密度化を達成することが困難となるのである。
また、電子部品を変換するために、電子部品を基板よ
り取外して、再度電子部品を実装する場合において、次
の問題が生じる。
即ち、電子部品を基板より取外すことにより、基板に
形成してあった半田層が電子部品に取られてしまい、半
田量が少なくなってしまうのである。当然再度電子部品
を実装する段階では、接続強度が低下し接続信頼性が低
下すると共に、未接続となって不良が生じることもある
のである。
これを解決するには、全ての部品を取外し、再度ペー
ストを印刷するなりして半田を供給しなければならな
い。また、電子部品側に半田を供給するなり、糸状の半
田により基板側に半田付けを行ったりして、極めて不確
実で煩雑な作業となるのである。
本発明は、以上のような実状に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、非常に高密度で配線さ
れた基板あるいは電子部品等の微細な接続端子に、高精
度でしかも端子同志がショートせずに半田を供給するこ
とができ、また、一部の電子部品を取外した時に生じる
半田不足に対し、迅速かつ正確に半田補給を行うことが
できる半田供給板を提供することにある。
(課題を解決するための手段及びその作用) 以上の課題を解決するために本発明が採った手段は、
図面に示した符号を付して説明すると、 「電子回路基板(20)あるいは電子部品(20)等の接
続端子(21)に半田(30)を供給する半田供給板(10)
であって、 前記接続端子(21)に対応する部分にこの接続端子
(21)よりも半田付着性が低く半田供給板(10)から突
出した半田供給用の端子(11)を設け、該端子(11)の
半田供給面の面積を前記接続端子(21)の半田形成面の
面積より小さくしたことを特徴とする半田供給板(10)
である。
つまり、本発明において最も注目すべきことは、半田
供給用の端子(11)は半田供給板(10)から突出してお
り、半田(30)の供給を受ける基板(20)あるいは電子
部品(20)等の接続端子(21)に対して、半田(30)の
付着性を悪くしてあることである。即ち、第1図(イ)
〜(ハ)に示すように、半田(30)の付着性が高い基板
(20)あるいは電子部品(20)の接続端子(21)と接触
して半田(30)を溶融させ、基板(20)あるいは電子部
品(20)の接続端子(21)へこの半田供給板(10)の半
田(30)を移動させ、溶融したまま半田供給板(10)を
取外すことにより、基板(20)あるいは電子部品(20)
の接続端子(21)に半田(30)を供給するのである。
本発明によれば、このように端子(11)(21)間の半
田(30)の付着性に差をつける方法としてまず、半田供
給板(10)の端子(11)の面積を小さくすることが重要
である。すなわち、この端子(11)の面積を小さくする
と、その端子(11)が保持できる半田(30)量が少なく
なるため、それよりも大きな面積を有する基板(20)あ
るいは電子部品(20)の接続端子(21)に多くの半田
(30)が移動し付着するのである。この面積の差は、基
板(20)あるいは電子部品(20)の接続端子(21)に対
して80%以下が好ましい。80%よりも多いと、半田供給
板(10)の端子(11)に半田(30)を保持する量が多く
なり、十分な量の半田(30)を基板(20)あるいは電子
部品(20)の接続端子(21)に供給しにくくなり、ま
た、付着力の差があまり生じないため、供給量にばらつ
きが生じるためである。
また、端子(11)(12)間の半田(30)の付着性に差
をつける方法として、基板(20)あるいは電子部品(2
0)の接続端子(21)に使用されている金属よりも、溶
融半田(30)に対する接触角の小さな金属を半田供給板
(10)の端子(11)に用いることである。この端子(1
1)に用いる金属材料としては、銅、錫、鉛、金、銀、
ニッケル、クロム、アルミニウム、パラジウム、白金、
鉄あるいはそれらの複合金属が用いられるが、これらの
間で基板(20)あるいは電子部品(20)の接続端子(2
1)に使用されている金属よりも溶融半田(30)に対す
る接触角の小さな金属を半田供給板(10)の端子(11)
に使用するとよい。例えば、基板(20)あるいは電子部
品(20)の接続端子(21)に錫を使用した場合、金、
銅、銀、錫−ニッケル合金が半田供給板(10)の端子
(11)に使用できる。一方、半田供給板(10)の端子
(11)を酸化等、表面改良したり、有機物、無機物の層
を若干量形成して、接触角を小さくする方法も適用でき
る。
また、端子(11)(21)間の半田(30)の付着性に差
をつける方法としての第三の方法は、半田供給板(10)
の端子(11)に溶融半田(30)に濡れない樹脂あるいは
樹脂複合物(12)を一部形成することである。これを第
2図及び第3図によって説明すると、半田供給板(10)
の端子(11)の表面に樹脂(12)あるいは樹脂複合物
(12)が一部形成されている。第2図の場合は、樹脂
(12)あるいは樹脂複合物(12)を点在又は遍在させた
ものであり、第3図の場合は、緻密な膜又はポーラスで
ある。この樹脂(12)あるいは樹脂複合物(12)が溶融
半田(30)をはじくことによって、半田供給板(10)の
端子(11)にある半田(30)を基板(20)あるいは電子
部品(20)の接続端子(21)に移動し易くするのであ
る。このような材料としてはエポキシ樹脂、ポリイミド
樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂
等、有機高分子が良く、これらを塗布したり、溶媒に溶
解して浸漬した後に前記溶媒を除去したり、前記有機高
分子の粒子あるいは繊維を分散した溶液に浸漬した後前
記溶媒を除去したりして、半田供給板(10)の端子(1
1)の表面に樹脂(12)あるいは樹脂複合物(12)の粒
子を付着させる方法がある。
一方、半田供給板(10)の端子(11)への半田(30)
の形成方法であるが、半田ペーストの印刷、溶融半田
(30)中への浸漬、蒸着、スパッタリング、電解メッ
キ、あるいは無電解メッキ法等の一般的な形成方法を利
用できるが、本発明の目的の如き、極めて微細な端子
(11)への形成方法としては、蒸着、スパッタリング、
電解メッキあるいは無電解メッキ法がより効果的な方法
である。
なお、半田供給板(10)と基板(20)あるいは電子部
品(20)とは半田(30)の溶融のために高温で処理され
るため、精度の高い半田供給を行うには、半田供給板
(10)と基板(20)あるいは電子部品(20)との熱膨張
差ができるだけ小さい方が好ましい。例えば、ICチップ
やシリコンウェハーのような物への半田供給には、低熱
膨張率のコージェライト多孔質セラミック−エポキシ樹
脂複合基板(20)あるいは低膨張ガラス基板(20)を使
用すると良い。
(実施例) 次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。
実施例1 部品実装用の電子回路基板(20)は、コージェライト
焼結体(気孔率30%)にエポキシ樹脂を充填した熱膨張
率3.8ppm/℃のセラミック−樹脂複合基板(20)であ
り、φ0.18mmの銅製の接続端子(21)が0.3mmピッチで1
84個、正方形状に配置してある。この基板(20)1000個
に対して、前記接続端子(21)に対向するようにφ0.07
mmの銅製の端子(11)を有する半田供給板(10)を製作
した。この半田供給板(10)は、前記基板(20)と同じ
コージェライト焼結体(気孔率30%)にエポキシ樹脂を
充填した熱膨張率3.8ppm/℃のセラミック−樹脂複合基
板(20)である。そして、この半田供給用の端子(11)
に、厚み70μm、φ140μmの半田(30)(Sn:Pb=63:3
7)を電解メッキ法により形成した。
この半田供給板(10)を前記基板(20)の接続端子
(21)に接触させ、200℃で溶融して半田供給板(10)
を取外したところ、基板(20)の接続端子(21)には、
高さ71μm±12μmの極めて均一な半田(30)を形成す
ることができた。
次にこの基板(20)にφ0.15mm、高さ0.1mmの高融点
半田(30)(Sn:Pb=5:95)による接続端子(21)を有
するフリップチップと接続させたところ、1000個中1個
の接続不良も生じなかった。
次いで前記フリップチップを接続した基板(20)を再
度加熱してフリップチップを取外した。次いで、半田供
給板(10)の端子(11)に厚み500μm、φ120μmの半
田(30)(Sn:Pb=63:37)を電解メッキ法により形成し
再度接触させ、200℃で溶融して半田供給板(10)を取
外したところ、基板(20)の接続端子(21)には高さ60
μm±9μmの極めて均一な半田(30)を形成すること
ができ、再度新しいフリップチップを接続したところ、
1000個中1個の接続不良も生じなかった。
実施例2 実施例1と同様であるが、半田供給板(10)の端子
(11)として、φ0.18mmの錫−ニッケル(35%)合金を
用い、厚み30μm、φ210μmの半田(30)(Sn:Pb=6
3:37)を電解メッキ法により形成したところ、基板(2
0)の接続端子(21)には、高さ45μm±15μmの均一
な半田(30)を形成することができた。
次に、前述と同様に、この基板(20)にフリップチッ
プを接続したところ、1000個中2個の断線不良を生じた
ものの良好な結果であった。
次いで、前記フリップチップの接続した基板(20)を
再度加熱してフリップチップを取外した。次いで、この
半田供給板(10)の端子(11)に厚み30μm、φ210μ
mの半田(30)(Sn:Pb:63:37)を電解メッキ法により
形成し再度接触させ、200℃で溶融して半田供給板(1
0)を取外したところ、基板(20)の接続端子(21)に
は、高さ55μm±21μmの均一な半田(30)を形成する
ことができ、再度新しいフリップチップを接続したとこ
ろ、1000個中1個の接続不良も生じなかった。
実施例3 ICチップ(20)側には、φ0.08mmの錫端子(21)であ
ってピッチ0.15mmで240個の二重の正方形状に配置され
た接続端子(21)が形成されている。半田供給板(10)
の端子(11)はφ0.075mmであり、周囲は厚さ10μmの
エポキシ樹脂(12)で囲んである。この端子(11)にエ
ポキシ樹脂(12)上の厚み65μm、φ120μmの半田(3
0)(Sn:Pb=63:37)を電解メッキ法により形成し、前
記ICチップ(20)の接続端子(21)に半田(30)を供給
したところ、高さ98μm±12μm、φ118μm±15μm
の半田(30)が供給され、接続端子(21)間のショート
不良は1000個中1個も生じなかった。
次いで、このICチップ(20)の接続端子(21)を基板
(20)に接続したところ、断線、ショートの接続不良は
1000個中1個も生じなかった。
比較例1 実施例3の半田供給板(10)の端子(11)において、
周囲にめぐらしたエポキシ樹脂(12)を除去したもの
で、前述と同様の半田供給を行ったところ、半田(30)
は高さ78μm±28μm、φ106μm±32μmとなり1000
個中28個のショート不良を生じた。次いで、ICチップ
(20)を基板(20)に接続したところ、さらに断線不良
が978個中3個生じた。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明に係る半田供給板は、 「電子回路基板あるいは電子部品等の接続端子に半田
を供給する半田供給板であって、前記接続端子に対応す
る部分にこの接続端子よりも半田付着性が低く前記半田
供給板から突出した半田供給用の端子を設け、該端子の
半田供給面の面積を前記接続端子の半田形成面の面積よ
り小さくしたこと」をその要旨とするものである。
従って、この半田供給板は、基板あるいは電子部品の
いずれの接続端子にも極めて高精度で半田の供給がで
き、しかも、取替作業に対しても安定して半田の補給を
行うことができ、実装工程の効率化、収率の改善にきわ
めて有効である。
さらに、この半田供給板を利用すると、一つの基板、
一つの電子部品、あるいは一つのICチップ内に異種の半
田を供給することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)〜(ハ)は本発明に係る半田供給板を使用
して電子回路基板に半田を供給する状態を示す各部分断
面図、第2図は本発明に係る半田供給板の一実施例を示
す部分断面図、第3図は他の実施例を示す部分断面図で
ある。 符号の説明 10……半田供給板、11……端子、12……樹脂あるいは樹
脂複合物、20……電子回路基板又は電子部品、21……接
続端子、30……半田。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子回路基板あるいは電子部品等の接続端
    子に半田を供給する半田供給板であって、 前記接続端子に対応する部分にこの接続端子よりも半田
    付着性が低く前記半田供給板から突出した半田供給用の
    端子を設け、該端子の半田供給面の面積を前記接続端子
    の半田形成面の面積より小さくしたことを特徴とする半
    田供給板。
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