JP2810421B2 - 切断機の可動刃本体保持構造 - Google Patents

切断機の可動刃本体保持構造

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JP2810421B2
JP2810421B2 JP1172611A JP17261189A JP2810421B2 JP 2810421 B2 JP2810421 B2 JP 2810421B2 JP 1172611 A JP1172611 A JP 1172611A JP 17261189 A JP17261189 A JP 17261189A JP 2810421 B2 JP2810421 B2 JP 2810421B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、打撃式切断機に代表される高速シャー切断
機に関し、特に可動刃本体を保持するホルダが、打撃力
によって割れるのを防止できるようにした可動刃本体の
保持構造の改善に関する。
〔従来の技術〕
上記打撃式切断機は、固定刃と、上下移動可能の可動
刃とを対向させて配置し、両刃の貫通穴内に被切断材を
挿入し、この状態で可動刃を打撃力で高速移動させるこ
とにより、被切断材を剪断,破断の組み合わせによって
切断する装置である。従来の打撃式切断機の一例として
第9図ないし第11図に示すものがある。
図において、1は打撃式切断機であり、これは主とし
て基礎上に固定された架台2a上に固定されたベース2
と、該ベース2上に配設された固定刃3と、該固定刃3
の位置決めを行う位置決め部4と、上下動可能に配設さ
れた可動刃5と、被切断材(以下ワークと記す)Wの切
断長を規定する切断長設定部6と、可動刃5に打撃力を
作用させるとともに、可動刃5の上下ストロークを規定
する打撃装置7とから構成されている。
上記固定刃3は、その軸心にガイド穴3aを有する円柱
状のもので、保持具3bを介して上記ベース2上に固定さ
れている。なお、3dはワークWの切断された部分を排出
するための圧縮空気通路である。また上記位置決め部4
は、ベース2に固定されたナット部材4aにボルト部材4b
を螺挿してなり、該ボルト部材4bを回転させるとその先
端が上記固定刃3を前進させるようになっている。
上記可動刃5は、ベース2上に保持具5aによって上下
動可能に保持されており、ホルダ8の中心部に形成され
た保持穴8aに可動刃本体9を焼き嵌めによって挿入固定
した構造になっている。この可動刃本体9は、円板状の
もので、軸心に貫通穴9aが形成されており、その背面側
にはU状の逃げ溝9bが形成されている。また上記ホルダ
8は矩形の平板状のもので、上縁には凸部8bが形成さ
れ、上記保持穴8aの縁部には上記逃げ溝9bに連続するよ
うに上方に延びる逃げ溝8cが形成されている。この逃げ
溝9b,8cは、該可動刃5が下降した際に後述のストッパ
ヘッドに干渉するのを避けるためのものである。
上記切断長設定部6は、上記ベース2上に固定された
シリンダ10内にピストンロッド11を挿入し、該ロッド11
内に検出ロッド12を軸方向に摺動可能に挿入し、該検出
ロッド12の前端にワークWの先端に当接して該ワークW
の位置決めを行うストッパヘッド13を固着した構造とな
っている。またピストンロッド11の後端には検出ロッド
12の後端と対向するように近接スイッチ14が配設されて
いる。また上記ピストンロッド11の後部にはナット部材
15が螺装されており、該ナット部材15を回転させること
によってピストンロッド11の前進端位置を調整できるよ
うになっている。
上記打撃装置7は、上記ホルダ8の凸部8bを打撃する
エアハンマ16と、エアシリンダと油圧ダンパ等からなる
クッション17とからなり、該クッション17は上記ホルダ
8を可動刃本体9の貫通穴9aがガイド穴3aと一致する高
さに支持するとともに、上記打撃力によるホルダ8の下
降ストロークを、打撃力を緩衝しながら所定値に規制す
る。
上記従来の打撃式切断機1における切断作業時には、
ワークWを図示しない送り機構で前進させるとその先端
がストッパヘッド13に当接し、該ヘッド13が検出ロッド
12と共に僅かに後退し、近接スイッチ14がワーク検出信
号を打撃装置7に出力する。するとエアハンマ16がホル
ダ8を打撃し、可動刃5が下降してワークWを切断する
とともに、切断されたワークは圧縮空気通路3dからの高
圧空気によって可動刃5の背面側に排出される。またこ
のとき、ストッパヘッド13は可動刃5の逃げ溝9b,8c内
に位置しているから、可動刃5が下降してもこれに干渉
することはない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来の打撃式切断機1では、比較的短期間のうち
にホルダ8の、特に逃げ溝8cの底付近にクラックCが発
生し、可動刃の寿命が短いという問題があり、ホルダの
クラックを防止して可動刃の寿命を延長することが要請
されている。
本発明は、上記要請に応えるためになされたもので、
ホルダにクラックが発生するのを防止して、可動刃の寿
命を大幅に延長できる打撃式切断機の可動刃本体保持構
造を提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上記従来装置のホルダにクラックが発
生する原因を見出すために実験研究を行い、ストッパヘ
ッドとの干渉を回避するための逃げ溝がその主なる原因
であることを突き止めた。即ち、この逃げ溝の上縁部に
打撃時の応力が集中し、又は衝撃破壊のノッチ効果が生
じ、該逃げ溝部分が破壊の起点になり、ホルダにクラッ
クが生じ、破壊するものと考えられる。
そこで本発明は、固定刃と、可動刃本体をホルダで保
持してなる可動刃と、可動刃本体内に被切断材と対向す
るように挿入され、切断長さを規定する位置決め部材
と、上記可動刃を被切断材と直角方向に移動させるとと
もに、該可動刃の移動を所定ストロークに規定する作動
装置とを備えた切断機において、上記可動刃本体を上記
所定ストローク以上の半径を有する円板状のものとし、
該可動刃本体の反固定刃側に該可動刃の移動時における
上記位置決め部材との干渉を避ける逃げ溝を形成し、上
記ホルダに上記可動刃本体の外径に対応する円形の保持
穴を形成し、該保持穴に可動刃本体を嵌合挿入し、該可
動刃本体とホルダとの間の逃げ溝側部分の締め代を切刃
側部分より小さく設定し、上記可動刃本体の外周面,上
記ホルダの保持穴の内周面の上記逃げ溝側部分にそれぞ
れに結合用凹溝を形成し、該結合用凹溝間に挿入され、
上記可動刃本体及びホルダより変形抵抗の小さい結合用
金属部材を加圧することにより該金属部材の一部を塑性
変形させてなる塑性変形部を上記結合用凹溝内に流入嵌
合させたことを特徴とする切断機の可動刃本体保持構造
である。
ここで本発明において、可動刃本体をホルダの保持穴
に嵌合挿入する手段には各種の方法があり、例えば常温
圧入,焼き嵌め等が採用できる。
また本発明における可動刃本体の逃げ溝は、上述の従
来例と同様のU字状のもの、あるいは長円状のものの何
れでも採用できる。さらにまた、本発明の作動装置にお
ける可動刃を移動させる機構としては、例えばエアハン
マ等の打撃機構,あるいはクランク機構等が採用でき
る。
〔作用〕
本発明では、可動刃本体を上記所定ストローク以上の
半径を有する円板状に設定したので、該可動刃本体の逃
げ溝だけで位置決め部材との干渉を避けることができ、
ホルダに逃げ溝を形成する必要がない。これにより可動
刃本体を保持するための保持穴を切欠部の無い円形にす
ることができ、その結果上述の応力集中,ノッチ効果が
生じることはなく、ホルダのクラックを防止して寿命を
大幅に改善できる。
また、可動刃本体とホルダとの間の逃げ溝側部分の締
め代を切刃側部分より小さくしたので、必要な結合力を
確保しながら圧入作業を容易化できる。即ち、逃げ溝側
部分は締め代が小さいので圧入時にカジリ等が生じるこ
とはなくガイド機能を果たし、圧入作業が容易となる。
またこの部分には打撃力はほとんど作用しないから締め
代が小さいことによる問題は生じない。一方、切刃側部
分は締め代を大きく設定しているから打撃力が常に作用
することにより表面腐食が発生するという問題も生じな
い。また逃げ溝側部分の締め代を小さくしたので、圧入
時に上記ホルダにかかる内圧を小さくでき、ホルダに生
じる歪みを小さくしてホルダのクラックを防止すること
ができる。
さらにまた、可動刃本体とホルダとを、両者の結合用
凹溝内に結合用金属部材の塑性変形部を流入嵌合させる
ことにより結合したので、上記締め代の小さい部分を設
けたことにより可動刃本体がホルダから抜け落ちたり、
回転したりするのを確実に防止することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図ないし第6図は本発明の第1実施例による打撃
式切断機の可動刃本体保持構造を説明するための図であ
る。本実施例構造は、可動刃及び切断長設定部のストッ
パヘッド以外の部分は上記従来装置と基本的に同一構造
であるので、以下、可動刃及びストッパヘッドについて
説明する。
図において、20は可動刃であり、これは可動刃本体21
とこれを保持するホルダ22とから構成されている。可動
刃本体21は例えばSKH9(硬度HRC60)製の円板状のもの
で、その半径は該可動刃20のストロークSより若干大き
くなっている。この可動刃本体21の軸心にはワークWが
挿入される貫通穴21aが形成されており、その固定刃側
端部が切刃21gとなっている。また該可動刃本体21の背
面側(反切刃側)には逃げ溝21bがU字状に形成されて
いる。なお、21cは貫通穴21aに続いて後側ほど大径のテ
ーパ状に形成されたガイド穴であり、これは切断された
ワークを背面側に案内するためのものである。なお、こ
の可動刃本体21の上記切刃21gを除く各コーナ部には半
径1〜3mm程度のR加工が施してある。これは応力集中
を回避するためのものである。
上記ホルダ22は例えばSKD61(硬度HRC46)製の矩形平
板状のもので、その軸心には円形の保持穴22aが形成さ
れ、上縁には打撃装置によって打撃される凸部22bが形
成されている。上記可動刃本体21は、ホルダ22の上記保
持穴22aに常温圧入によって嵌合保持されている。この
保持穴22aは、切欠の無い円形であることから可動刃本
体21に全周に渡って接している。またこの保持穴22aと
可動刃本体21との間の常温圧入による締め代(可動刃外
径から保持穴内径を引いた値=圧入代)は軸方向におい
て2段階に設定されている。即ち、図示の領域Aにおけ
る締め代が領域Bにおける締め代より大きくなってお
り、例えば領域Aはしまりばめであるのに対して領域B
は締め代の小さいしまりばめ,中間ばめ,あるいは隙間
ばめに設定されている。上記2段階の締め代は、例えば
保持穴22aは直線状に、可動刃本体21は段付き状に加工
することにより、あるいはその逆に加工することによっ
て実現できる。ここで上記領域Aは、可動刃本体21の切
刃21g側部分、即ち打撃力を切刃21gに直接伝達する部分
であり、また領域Bは、上記逃げ溝21bが形成され、打
撃力の伝達にはほとんど寄与しない部分である。なお、
このホルダ22の各コーナ部には1〜2mm程度の面取加
工,あるいは半径1〜3mm程度のR加工が施してある。
これは応力集中を回避するためのものである。
そして上記可動刃本体21とホルダ22とはその境界部の
背面側部分が、いわゆるワークパンチ式メタルフロー法
によって、例えばS45C製の結合リング23を介して相互に
結合されている。なおこの結合法は本発明者等が開発し
たものである(特願平1−21030号参照)。以下上記結
合部について詳述する。
可動刃本体21,ホルダ22の上記結合部には結合リング2
3を挿入する環状溝24を構成するために環状の段部21h,2
2hが形成されており、この環状溝24はホルダ22側に大き
く偏心している。なお、この環状溝24は可動刃本体21側
に偏心させても、又は両者の中央に位置させても何れで
もよい。また上記各段部21h,22hの側面にはV字状の結
合用凹溝21d,22dが3列づつ形成されている。さらに該
凹溝部分にはローレット加工による凹凸部21e,22eが結
合用凹溝21d,22dと直交する方向に形成されており、ま
た、上記各段部21h,22hの軸方向内側縁部には突起部21
f,22fが一体形成されている。また、可動刃本体21の段
部21hの上記逃げ溝21b部分には、逃げ凹部21iが形成さ
れている。これは上記段部21hをさらに半径方向及び軸
方向に切削したものであり、その結果該部分には結合用
凹溝,突起部は存在しない。そして上記各凹溝,凹凸部
内に上記結合リング23の塑性変形部23aが流入嵌合して
おり、これにより可動刃本体21とホルダ22とが結合して
いる。なお、上記可動刃本体21の逃げ凹部21i部分につ
いては、結合リング23が塑性変形することなくそのまま
位置しており、該結合リング23の内周面と逃げ凹部21i
との間に若干の隙間がある。
上記可動刃20の組立作業に当たっては、まず上述の締
め代を有する可動刃本体21,ホルダ22を用意し、可動刃
本体21の反切刃側部分が先になるよう保持穴22a内に常
温で挿入する。すると締め代の小さい領域B側が先に圧
入され、その後締め代の大きい領域A側が圧入される。
即ち、締め代の小さい領域B側部分が圧入時のガイドに
なるとともに、打撃力の作用する領域A側部分は大きな
締め代で強固に圧入されることとなる。
次に上記圧入結合体を下型30上に、上記環状溝24側が
上になるように載置し、セットするとともに、該環状溝
24内に結合リング23を嵌合挿入し、これの下端面23bを
上記両突起部21f,22fに当接させる。そしてこの結合リ
ング23を上型31の突起部31aでさらに加圧し、下降させ
る。すると上記下端面23bの外周縁,内周縁部分はその
下降が上記突起部21f,22fで阻止されているので、塑性
変形し、該塑性変形部23aが上記結合用凹溝21d,22d,及
び凹凸部21e,22e内に流入し、これにより可動刃本体21
とホルダ22とが結合される。
ここで上記環状溝24がホルダ22側に偏心していること
から、上記結合リング23の上記逃げ溝21b部分の内周面
は、ホルダ22の保持穴22aの内周面と略一致している。
一方、上記環状溝を可動刃本体21側に偏心させると、上
記部分が保持穴22aの内周面より内側に突出することと
なるので、この場合は結合リング23の逃げ溝部分は切断
除去するのが、逃げ溝の長さを打撃ストローク分だけ確
保する上で有利となる。
25はストッパヘッドであり、これは丸棒の後半部にピ
ストンロッド11の先端に嵌合挿入される嵌合部25aを形
成し、前半部に小径の当接部25bを形成したものであ
る。この当接部25bは上記丸棒の一部を残して他の部分
を切除して形成したものであり、その結果、可動刃移動
方向に見た高さは上述の従来例におけるストッパヘッド
13の1/3程度になっている。また上記嵌合部25aの軸心に
貫通形成された接続穴25cには検出ロッド12が嵌合挿入
されており、かつ両者は結合ピン26を軸直角方向に挿通
することによって結合されている。
ここで上記嵌合部25aとピストンロッド11との間及び
ピストンロッド11と検出ロッド12との間には比較的大き
な隙間が設けてある。これは切断時においては、上記当
接部25bの先端にワークWが圧接した状態で可動刃5が
下降することから、両者間の摩擦力による曲げモーメン
トが大きくなり、上記当接部25bの根元にクラックが生
じたり,折れたりすのを防止するためである。即ち、上
述の隙間を設けることによって、第5図に二点鎖線で示
すように、ストッパヘッド25が上記摩擦力に対応して下
方に若干揺動し、これにより上記当接部25bの根元に大
きな曲げ応力が発生するのを防止し、上記破損を防止で
きる。
なお上記曲げ応力を減少させるには、第7図に模式的
に示すように、ストッパヘッド25を軸支ピン26aで検出
ロッド12に対して回動可能に結合する構造も考えられ
る。なお、27はストッパヘッド25を水平状態に付勢する
付勢部材である。
次に本実施例の作用効果について説明する。
本実施例では、可動刃本体21をストロークSより大き
い半径を有する円板状のものとし、該ストロークSより
若干長い逃げ溝21bを形成したので、ホルダ22に逃げ溝
を形成する必要がなくなり、従ってホルダ22の保持穴22
aを切欠の無い円形にすることができ、その結果、ホル
ダ22に応力集中,ノッチ効果が生じることはなく、ホル
ダ22の寿命を延長できる、 また本実施例では、可動刃本体21とホルダ22との圧入
部分の締め代を領域A(切刃側)が領域B(逃げ溝側)
より大きくなる2段階に設定したので、必要な結合力を
確保しながら圧入作業を容易化できる。即ち、領域B部
分は締め代が小さいので、圧入時にカジリ等が生じるこ
とはなく、ガイド機能を果たし、圧入作業が容易にな
る。またこの部分には打撃力はほとんど作用しないから
締め代が小さいことによる問題は生じない。一方、領域
A部分は締め代を大きく設定しているので、打撃力が常
時作用することによる問題を防止でき、かつ圧入作業に
おいては上記領域Bに案内されるので該作業が困難にな
ることもない。ちなみに、打撃力が常時作用するにも関
わらず組立性を確保する等のために締め代を小さく設定
すると、常時発生する微振動のために表面が腐食する、
いわゆるフレッティングコロージョンが発生し、ますま
す締め代が小さくなり、割れが発生したり、ついには可
動刃本体がホルダから抜けてしまう問題がある。
さらにまた、本実施例では可動刃本体21とホルダ22と
をワークパンチ式メタルフロー法で結合したので、可動
刃本体21が軸方向に抜けたり、軸回りに回転したりする
のを防止できる。ちなみに上述の従来装置では、両者を
単に焼き嵌めによって結合していたので、打撃力による
振動によって可動刃本体が抜けたり、回転したりする可
能性があった。これに対して本実施例では、結合リング
23の塑性変形部23aが結合用凹溝21d,22d内に流入嵌合し
ているので軸方向の抜けを防止でき、またローレット加
工による凹凸部21e,22eの存在により可動刃本体21の回
転を確実に防止できる。
一方、このメタルフロー法によれば、可動刃本体21の
結合用凹溝21d付近を結合リング23の塑性変形部23aが半
径方向に強く押圧することとなる。特に可動刃本体21の
逃げ溝21b部分については片持ち梁となることから、そ
の先端部に作用する押圧力によって逃げ溝21bの底付近
に大きな曲げ応力が発生するので、該可動刃本体21に割
れが生じる等の懸念がある。これに対して本実施例で
は、可動刃本体21の逃げ溝21b部分に逃げ凹部21iを形成
したので、該部分では結合リング23は塑性変形すること
はなく、従って上記先端部には押圧力が作用しないので
それだけ曲げモーメントが軽減され、可動刃本体21の割
れを防止できる。
なお、上記逃げ凹部21iについては、段部21hを半径方
向にのみさらに切削し、突起部21fは残るようにしても
よい。このようにした場合は、該逃げ凹部21iについて
も塑性変形部23aが形成されるが、該部分がへこんでい
ることから塑性変形部23aが可動刃本体21の表面を押圧
することはない。
第8図は本発明の第2実施例を説明するための図であ
り、図中第1図と同一符合は同一又は相当部分を示す。
本実施例の可動刃本体28は、円板状もので、中心に貫
通穴28aを、これの前端に切刃28gを、背面側にガイド部
28cを有する。そして背面側に形成された逃げ溝28bは、
上記第1実施例がU字状であったのに対し、その開口側
が閉塞部28dで接続されており、逃げ溝28bは結果的に長
円状になっている。従って、本実施例の可動刃本体28の
外周面は、ホルダ22の保持穴22aと同様に切欠の無い円
形になっている。
本実施例では、上記第1実施例と同様の効果が得られ
る。また逃げ溝28bの外周側は閉塞部28dで接続されてお
り、第1実施例のような片持ち梁ではなく、先端が支持
された形状となっているので、メタルフロー時に発生す
る押圧力による曲げモーメントによりよく耐えることが
でき、可動刃本体28の割れをより完全に防止できる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明に係る切断機の可動刃本体保持構
造によれば、可動刃本体を所定のストローク以上の半径
を有する円板状に形成し、これに上記ストロークに相当
する逃げ溝を形成したので、ホルダに逃げ溝を形成する
必要がなく、その保持穴を切欠の無い円形にすることが
でき、その結果応力集中,ノッチ効果を回避してクラッ
クの発生を防止でき、寿命を大幅に延長できる効果があ
る。
また可動刃本体とホルダとの間の逃げ溝側部分の締め
代を切刃側部分より小さくしたので、逃げ溝側部分が圧
入作業時にガイド機能を果たすことから圧入作業が容易
となり、また圧入時にホルダに作用する内圧が小さくな
ってホルダに生じる歪みを小さくでき、ホルダのクラッ
クを防止することができる効果がある。
さらにまた、可動刃本体とホルダとを、両者の結合用
凹溝内に結合用金属部材の塑性変形部を流入嵌合させて
結合したので、逃げ溝側部分の締め代を小さくしながら
可動刃本体がホルダから抜け落ちたり回転したりするの
を確実に防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本発明の第1実施例による打撃式
切断機の可動刃本体保持構造を説明するための図であ
り、第1図(a)は可動刃の背面図、第1図(b)はそ
の断面側面図、第2図(a)は可動刃本体の逃げ部の拡
大斜視図、第2図(b)は可動刃本体の斜視図、第3図
は可動刃の組立状態を示す断面側面図、第4図(a),
第4図(b)は結合部の拡大断面図、第5図はストッパ
ヘッドの断面側面図、第6図はその正面図、第7図はス
トッパヘッドの変形例を示す模式図、第8図は本刃の第
2実施例を示す図であり、第8図(a)は可動刃の背面
図、第8図(b)はその断面側面図、第9図ないし第11
図は従来例を示す図であり、第9図は打撃式切断機の断
面正面図、第10図は可動刃の断面側面図、第11図はその
背面図である。 図において、1は打撃式切断機、3は固定刃、3aはガイ
ド穴、7は打撃装置(作動装置)、20は可動刃、21,28
は可動刃本体、21a,28aは貫通穴、21b,28bは逃げ溝、22
はホルダ、22aは保持穴、25はストッパヘッド(位置決
め部材)、Wはワーク(被切断材)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−107799(JP,A) 特開 昭55−122634(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23D 35/00 B23D 23/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被切断材が挿入されるガイド穴を有する固
    定刃と、被切断材の上記ガイド穴から延出する先端部が
    挿入される貫通穴を有する可動刃本体をホルダで保持し
    てなり、被切断材と直角方向に移動可能に配設された可
    動刃と、上記可動刃本体内に被切断材の先端と対向する
    ように挿入され、切断長さを規定する位置決め部材と、
    上記可動刃を被切断材と直角方向に移動させるととも
    に、該可動刃の移動を所定ストロークに規定する作動装
    置とを備えた切断機において、上記可動刃本体をホルダ
    で保持するための構造であって、上記可動刃本体を上記
    所定ストローク以上の半径を有する円板状のものとし、
    該可動刃本体の反固定刃側に該可動刃の移動時における
    上記位置決め部材との干渉を避ける逃げ溝を形成し、上
    記ホルダに上記可動刃本体の外径に対応する円形の保持
    穴を形成し、該保持穴に可動刃本体を嵌合挿入し、該可
    動刃本体とホルダとの間の逃げ溝側部分の締め代を切刃
    側部分より小さく設定し、上記可動刃本体の外周面,上
    記ホルダの保持穴の内周面の上記逃げ溝側部分にそれぞ
    れに結合用凹溝を形成し、該結合用凹溝間に挿入され、
    上記可動刃本体及びホルダより変形抵抗の小さい結合用
    金属部材を加圧することにより該金属部材の一部を塑性
    変形させてなる塑性変形部を上記結合用凹溝内に流入嵌
    合させたことを特徴とする切断機の可動刃本体保持構
    造。
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