JP2809960B2 - 磁場発生装置 - Google Patents

磁場発生装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導体を用い
た超電導線材を有する磁場発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体窒素温度以上の高い臨界温度を有す
る、 Y-Ba-Cu-O系、 Bi-Sr-Ca-Cu-O系、 Tl-Ba-Ca-Cu-O
系等の酸化物超電導体は、冷媒として高価な液体ヘリウ
ムに代えて、安価な液体窒素を利用できるため、工業的
にも重要な価値を有している。このような酸化物超電導
体のエネルギー分野への応用を考えた場合、まず線材化
することが必要となる。そこで、各種方法を用いて酸化
物超電導体を線材化する試みがなされている。例えば、 (a) 金属管内に酸化物超電導体を封入し、これを線引
き加工することによって線材化する。 (b) 酸化物超電導体粉末と有機バインダとを混合し、
ノズルから押し出して線材化する。 (c) 金属テープあるいは金属ワイヤ上にスパッタ法や
蒸着法により酸化物超電導体層を形成し、線材化する。 等が知られている。
【0003】これら酸化物超電導体を用いた超電導線材
の臨界電流密度Jc は、徐々に向上する傾向にある。特
に、上記した (c)の方法によれば、酸化物超電導体結晶
の主に電流が流れる方向を線材の長手方向に配向させ
る、いわゆるc軸配向させることが容易であるため、J
c が高い超電導線材を得る方法として期待されている。
ところで、上述したような線材化方法によって、基本的
なJc が高い超電導線材は得られるものの、c軸配向さ
せた酸化物超電導体膜に磁場が印加された場合、磁場の
方位がc軸方向であると、Jc の低下が著しいという問
題がある。このような磁場によるJc の低下を防ぐため
には、磁場に対するピンニングセンターを導入する必要
がある。
【0004】このようなピンニングセンターの導入方法
の一つとして、c軸配向させた膜中にa軸配向粒を混在
させる方法が挙げられる。これは、a軸配向粒とc軸配
向粒との界面が膜を垂直に貫く磁束のピンニングセンタ
ーとして働くためである。ただし、この場合には、a軸
配向粒には電流が流れにくいために、超電導パスは実質
的に減少し、磁場が印加されていない場合や磁場が膜に
対して平行に印加されている場合には、c軸配向粒のみ
の酸化物超電導体膜よりJc が低くなってしまう。この
ため、c軸配向粒のみの酸化物超電導体膜と同等の臨界
電流Ic を得るためには、酸化物超電導体膜を厚くしな
ければならなくなり、その分だけ製造コストの増大を招
いてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、c軸
配向粒のみの酸化物超電導体膜を用いた超電導線材で、
コイル等の磁場が印加される装置を構成すると、膜に対
して磁場が垂直に印加される部分で超電導が破れるとい
う問題があった。
【0006】一方、c軸配向させた膜中にa軸配向粒を
混在させ、磁場によりJc が低下する割合を小さくする
と、磁場が印加されていない場合や磁場が膜に対して平
行に印加されている場合に、c軸配向粒のみの酸化物超
電導体膜よりJc が低くなり、c軸配向粒のみの酸化物
超電導体膜と同等の臨界電流Ic を得るためには、酸化
物超電導体膜を厚くしなければならなくなり、その分だ
け製造コストの増大を招いてしまうという問題があっ
た。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、膜厚を厚くすることなく、線材とし
ての基本的な臨界電流密度Jを確保した上で、例えば
自己発生磁場による臨界電流密度Jの低下を抑制した
超電導部材を用いることによって、高磁場の発生を可能
にした磁場発生装置を提供することを目的としている。
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】発明の磁場発生装置
は、銀を主成分とする長尺な金属基体上に、酸化物超電
導体層を積層形成した超電導線材を用いた磁場発生装置
において、前記超電導線材の自己発生磁場が前記酸化物
超電導体層に対して主に平行成分として印加される部分
は、前記金属基体面に対してc軸配向させた結晶粒から
なる酸化物超電導体層を有し、かつ前記超電導線材の自
己発生磁場が前記酸化物超電導体層に対して垂直成分を
有するように印加される部分は、c軸配向粒にa軸配向
粒を体積比で1%〜20%の範囲で混在させた酸化物超
電導体層を有することを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明においては、酸化物超電導体層の構造
を、基本的には臨界電流密度Jが高いc軸配向膜と
し、かつc軸配向粒にa軸配向粒を体積比で1%〜20
%の範囲で混在させた領域を、磁場が膜面に対して垂直
成分を有するように印加される部分のみに設けられてい
る。よって、基本的な膜厚を厚くすることなく、十分な
を確保することができる。
【0011】また、上記したような超電導線材を用い
て、磁場発生装置(超電導コイル)を構成する場合に、
本発明では自己発生磁場が膜面に対して垂直成分を有す
るように印加されるコイルの始端および終端のみを、c
軸配向粒にa軸配向粒を混在させた酸化物超電導体層と
し、かつその他の自己発生磁場が主に平行成分として印
加される部分はc軸配向膜からなる酸化物超電導体層と
しているため、自己発生磁場により超電導状態が破壊さ
れることを防止した上で、十分な電流を流すことがで
き、よって高磁場を発生させることが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0013】図1は、本発明の超電導線材を用いた磁場
発生装置の一実施例の構成を示す図である。同図におい
て、1は超電導線材であり、この超電導線材1は銀を主
成分とする長尺な金属基体2上に、酸化物超電導体層3
が積層形成されて構成されている。上記金属基体2は、
銀を主成分とするものであればよく、例えば銀単体から
なる基体、銀に金、白金、パラジウム、ロジウム等を
0.001重量% 〜20重量%程度の範囲で添加した銀合金から
なる基体等が例示される。また、金属基体2の形状は、
テープ状やワイヤ状等の長尺形状とする。
【0014】また、上記酸化物超電導体層3としては、
超電導状態を実現し得るものであれば種々の酸化物を適
用することができ、例えば銅系酸化物超電導体が挙げら
れる。この銅系酸化物超電導体としては、特に限定され
るものではないが、例えば下記の式で実質的に組成が表
されるもの等が例示される。
【0015】La2-x AEx Cu O4 (式中、AEはBa、SrおよびCaから選ばれた少なくとも 1
種の元素を、 xは0.02≦x≦0.08を満足する数を示す) RE Ba2 Cu3 O 7-δ (式中、REは Y、Sc、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu等の希土類元素から選ばれた少なくとも
1種の元素を示し、δは酸素欠損を表し、通常 1以下の
数である) Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 O 8+d Bi2 Sr2 Ca2 Cu3 O 10+d Bi2 Sr2 Ca3 Cu4 O 12+d Tl2 Ba2 Ca1 Cu2 O 8+d Tl1 Ba2 Ca1 Cu2 O 7+d Tl2 Ba2 Ca2 Cu3 O 10+d Tl1 Ba2 Ca2 Cu3 O 9+d (上記各式中、 dは酸素の微小な変動を表す。また、Bi
およびTlの一部はPbで、Sr、Ca、Ba等の一部はRE元素で
置換可能) 上述したような超電導線材1を巻き治具4に巻回するこ
とによって、磁場発生装置(超電導コイル)5が構成さ
れている。そして、上記超電導線材1において、実質的
な巻回部となる部分(中間部分)1aと、巻回体の始端
および終端に使用される部分1bとでは、酸化物超電導
体層3の配向状態および層厚が異なっている。すなわ
ち、実質的な巻回部となる部分1aは、金属基体2の基
体面に対してc軸配向させた結晶粒からなる酸化物超電
導体層(c軸配向膜)3aを有している(図中、矢印X
で結晶のc軸方向を示す)。また、巻回体の始端および
終端に使用される部分1bは、c軸配向粒にa軸配向粒
を体積比で1%〜 20%の範囲で混在させた酸化物超電導体
層3bを有している。換言すれば、自己発生磁場が酸化
物超電導体層3に対して垂直成分を有するように印加さ
れる部分のみに、a軸配向粒を混在させた酸化物超電導
体層3bを用いている。
【0016】ここで、上記磁場発生装置5による自己発
生磁場と、超電導線材1に対する磁場の印加方向につい
て説明する。超電導線材1の巻回体からなる磁場発生装
置5に電流を流した場合、例えば図1中の矢印Yで示す
方向に磁場が発生する。このため、巻回体を構成する超
電導線材1の大部分、すなわち実質的な巻回部となる部
分1aでは、磁場Yは酸化物超電導体層3aに対して平
行に印加され、垂直成分を有するように磁場が印加され
るのは、巻回体の始端および終端に使用される部分1b
のみである。
【0017】従って、実質的な巻回部となる超電導線材
部分1aは、c軸配向膜のみで酸化物超電導体層3aを
形成しても、磁場による臨界電流密度Jc の低下が僅か
であるため、層厚を厚くすることなく(例えば 0.1〜10
μm 程度)、十分な臨界電流Ic を確保することができ
る。また、巻回体の始端および終端に使用される部分1
bは、c軸配向膜のみでは磁場によるJc の低下が大き
いため、c軸配向膜にa軸配向粒を混在させることによ
って、磁場に対するピンニングセンターを導入し、磁場
の印加によるJc の低下を抑制している。このa軸配向
粒の混在割合は、体積比で1%〜 20%の範囲とする。a軸
配向粒の体積比が1%未満であると、Jcの低下抑制効果
が十分に得られない。また、a軸配向粒の体積比が 20%
を超えると、相対的に減少するc軸配向粒の量が多くな
り、酸化物超電導体層3bの層厚を厚くしても、十分な
c を確保することが困難となる。
【0018】なお、c軸配向膜にa軸配向粒を混在させ
た酸化物超電導体層3bの厚さは、a軸配向粒の割合が
上記範囲内であっても、基本的なJc は低下するため、
c軸配向膜のみの酸化物超電導体層3aの層厚より厚く
する。a軸配向粒の割合にもよるが、 1.2倍〜 5倍程度
厚くすることが好ましい。また、酸化物超電導体層3の
形成方法としては、例えば反応性蒸着法、スパッタ法、
CVD法等の各種薄膜形成法を適用することが可能であ
る。
【0019】このような構成の超電導線材1(1a、1
b)を用いることによって、基本的な酸化物超電導体層
3(3a)の層厚を厚くすることなく、十分なJc を確
保することができ、かつ自己発生磁場により超電導状態
が破壊されることも防止できるため、高磁場を安定して
発生させることが可能な磁場発生装置(超電導コイル)
5を安価に作製することが可能となる。
【0020】上述したようなc軸配向膜のみの酸化物超
電導体層3aと、c軸配向膜にa軸配向粒を混在させた
酸化物超電導体層3bは、酸化物超電導体の組成や成膜
時の基体温度等を制御することによって、作り分けるこ
とができる。代表的な例として、図2に示すような成膜
装置を用いて、 Y-Ba-Cu-O系の酸化物超電導体膜を金属
基体上に作製する場合について、以下に説明する。
【0021】なお、図2において、11は排気系12に
接続された真空チャンバであり、この真空チャンバ11
内には、ローラ13に巻回された長尺な金属基体14
と、成膜に必要な原料である Y、Ba、Cuを蒸発させる蒸
発源15とが対向して配置されている。上記金属基体1
4は、その裏面側に配置されたヒータ16によって、例
えば 600℃〜 700℃程度に加熱される。また、真空チャ
ンバ11内には、先端を細く絞ってノズル状とし、パイ
プ17から酸素原子を含むガス、例えば O2 、O3 、C
O、CO2 、 N2 O 等が供給される石英管18に、コイル
19を巻装した活性酸素供給装置20が設置されてい
る。石英管18の先端は、金属基体14方向に向けられ
ている。そして、上記コイル19には、高周波(13.56MH
z)電源21から電力が投入されるように構成されている
ため、グロー放電によってプラズマ化された酸素活性種
が金属基体14の近傍に供給される。
【0022】金属基体14の温度を 600℃〜 700℃程度
に保ちながら、活性酸素供給装置20からプラズマ化し
た活性な酸素を供給しつつ、蒸発源15から Y、Ba、Cu
を同時に蒸発させることによって、酸化物超電導体膜を
成膜する。この際、 Y、Ba、Cuの蒸発量をコントロール
することで、膜の組成を制御することができ、同時に膜
の配向性も制御することができる。
【0023】すなわち、 Y-Ba-Cu-O系酸化物超電導体の
組成を Ya Bab Cuc O 7-δと表したとき、 a:b:cは化学
量論的には 1:2:3となるが、 bを 2としたときに、1.05
< a< 1.6、かつ 3.0< c< 4.0の領域では、酸化物超
電導体膜はc軸配向膜となる。一方、 1< a< 1.4、か
つ 4< c< 5の領域では、c軸配向膜にa軸配向粒が混
在するようになる。また、基体温度を低くすると、a軸
配向粒の混在する割合が多くなる。例えば、 Y1.1 Ba
1.7 Cu3.2 O 7-δの組成で成膜したときのX線回折的に
みたa軸配向粒の混在する割合は、基体温度が 650℃で
は1%以下であるが、 630℃では5%〜 10%、 600℃では 1
0%〜 20%となる。従って、組成一定で成膜する場合、基
板温度をコントロールすることで、所望の酸化物超電導
体層、すなわち超電導部材を得ることができる。ただ
し、基体温度を下げて成膜すると、Jc が低くなるの
で、組成でコントロールすることが好ましい。
【0024】次に、上述した超電導線材および磁場発生
装置の具体的な製造例およびその評価結果について述べ
る。
【0025】実施例1 上記構成の成膜装置を用い、銀製のテープ状基体を 1cm
/mimのスピードで右から左に送り、かつランプヒータで
650℃に加熱しながら、 Y-Ba-Cu-O系酸化物超電導体層
を、真空蒸着法により成膜した。コイルの始端および終
端に使用される部分(3b)は、組成が Y1.0 Ba1.6 Cu
3.4 O 7-δとなるように、30nm/mimの成膜速度で蒸着を
行い、その他の部分(3a)は Y1.2 Ba1.6 Cu3.2 O
7-δの組成で、20nm/mimの成膜速度で蒸着を行った。成
膜速度を変えたのは、a軸配向粒が混在する膜のJc
c軸配向のみの膜のそれよりも低くなるためであり、I
c を同じにするために、a軸配向粒が混在する膜の厚さ
は 2μm 、c軸配向のみの膜の厚さは 1μm とした。そ
の他の成膜条件は、酸素圧 2.0×10-4Torr、高周波電力
200Wとした。
【0026】このようにして、コイルの始端および終端
に使用される部分をc軸配向膜にa軸配向粒を混在させ
た酸化物超電導体層(3a)とし、その他の部分はc軸
配向膜からなる酸化物超電導体層(3a)とした超電導
線材を作製した。なお、各部分の結晶の配向性をX線回
折によって調べたところ、コイルの始端および終端に使
用される部分はa軸配向粒が体積比で 10%混在した膜
で、その他の部分はc軸配向していることを確認した。
このような超電導線材を用いて、a軸配向粒が混在した
部分がコイルの始端および終端となるように、直径10c
m、長さ10cm、巻き数 10000回のコイルを作製したとこ
ろ、零磁場中で 1テスラの磁場を発生させることが可能
であった。
【0027】実施例2 クラスターイオンビーム法によって、実施例1と同様な
超電導線材を作製した。この超電導線材も、実施例1と
同様に、コイルの始端および終端に使用される部分のみ
にa軸配向粒が混在され、その他の部分はc軸配向して
いることを確認した。この方法では、蒸発元素をクラス
ターにし、イオン化させて電荷を持たせるので、加速す
ることが可能となる。従って、加速電圧をコントロール
することで、蒸着粒子の運動エネルギーもコントロール
できる。運動エネルギーが大きい場合は、基体面での蒸
着粒子のマイグレーションが活性化されるため、緻密で
c の大きい膜が得やすい。加速電圧は、 0.2kV〜 2.0
kVの範囲が適当であった。このようにして得た超電導線
材を用いて作製した超電導コイルにおいても、実施例1
と同様に、高磁場を発生させることができた。
【0028】実施例3 CVD法やプラズマCVD法によって、実施例1と同様
な超電導線材を作製した。この超電導線材も、実施例1
と同様に、コイルの始端および終端に使用される部分の
みにa軸配向粒が混在され、その他の部分はc軸配向し
ていることを確認した。これらの方法は、原料ガスの流
量をコントロールすることで、容易に組成を制御するこ
とができ、配向性も制御できる。このようにして得た超
電導線材を用いて作製した超電導コイルにおいても、実
施例1と同様に、高磁場を発生させることができた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁場発生
装置によれば、酸化物超電導体層に垂直に磁場が印加さ
れる部分のみに、零磁場あるいは平行に磁場が印加され
た時のJは多少小さいものの、磁場が垂直に印加され
てもJの低下が比較的少ないa軸配向粒が混在したも
のを用い、それ以外の部分はc軸配向のみの膜を用いて
いるため、自己発生磁場による超電導状態の破壊が起き
にくく、かつ全体に酸化物超電導体層の厚さを厚くする
ことなく、強い磁場を発生させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の超電導線材を用いて作製し
た磁場発生装置の構成を部分的に断面で示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の一実施例で使用した成膜装置の構成を
模式的に示す図である。
【符号の説明】
1……超電導線材 1a…実質的な巻回部となる部分 1b…巻回体の始端および終端となる部分 2……長尺な金属基体 3……酸化物超電導体層 3a…c軸配向膜からなる酸化物超電導体層 3b…c軸配向膜にa軸配向粒を混在させた酸化物超電
導体層 4……巻き治具 5……磁場発生装置(超電導コイル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 12/06 H01B 13/00 565D

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀を主成分とする長尺な金属基体上に、
    酸化物超電導体層を積層形成した超電導線材を用いた磁
    場発生装置において、 前記超電導線材の自己発生磁場が前記酸化物超電導体層
    に対して主に平行成分として印加される部分は、前記金
    属基体面に対してc軸配向させた結晶粒からなる酸化物
    超電導体層を有し、かつ前記超電導線材の自己発生磁場
    が前記酸化物超電導体層に対して垂直成分を有するよう
    に印加される部分は、c軸配向粒にa軸配向粒を体積比
    で1%〜20%の範囲で混在させた酸化物超電導体層を
    有することを特徴とする磁場発生装置。
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