JP2835069B2 - 超電導コイル - Google Patents
超電導コイルInfo
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、酸化物超電導体を使用した超電導コイルに
関する。
関する。
(従来の技術) 1986年にBa−La−Cu−O系の層状ペロブスカイト型の
酸化物が40K以上の高い臨界温度を有することが発表さ
れて以来、酸化物系の超電導体が注目を集め、新材料探
索の研究が活発に行われている。その中でも、液体窒素
温度以上の高い臨界温度を有するY−Ba−Cu−O系で代
表される欠陥ペロブスカイト型の酸化物超電導体や、Bi
−Sr−Ca−Cu−O系およびTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化
物超電導体は、冷媒として高価な液体ヘリウムに代え
て、安価な液体窒素を利用できるため、工業的にも重要
な価値を有している。
酸化物が40K以上の高い臨界温度を有することが発表さ
れて以来、酸化物系の超電導体が注目を集め、新材料探
索の研究が活発に行われている。その中でも、液体窒素
温度以上の高い臨界温度を有するY−Ba−Cu−O系で代
表される欠陥ペロブスカイト型の酸化物超電導体や、Bi
−Sr−Ca−Cu−O系およびTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化
物超電導体は、冷媒として高価な液体ヘリウムに代え
て、安価な液体窒素を利用できるため、工業的にも重要
な価値を有している。
このような酸化物超電導体のエネルギー分野への応用
を考えた場合、コイル化する必要がある。そこで、各種
方法を用いて酸化物超電導体を線材化し、それをコイル
状に成形することによって超電導コイルを作製する試み
がなされている。
を考えた場合、コイル化する必要がある。そこで、各種
方法を用いて酸化物超電導体を線材化し、それをコイル
状に成形することによって超電導コイルを作製する試み
がなされている。
酸化物超電導体を用いた超電導線材の作製方法として
は、 (a) 金属管内に酸化物超電導体を封入し、これを線
引き加工することによって線材化する方法、 (b) 酸化物超電導体粉体と有機バインダとを混合
し、ノズルから押し出して線材化する方法、 (c) 金属テープ上に溶射法や各種膜形成方法によっ
て酸化物超電導体層を形成し、線材化する方法 などが知られている。
は、 (a) 金属管内に酸化物超電導体を封入し、これを線
引き加工することによって線材化する方法、 (b) 酸化物超電導体粉体と有機バインダとを混合
し、ノズルから押し出して線材化する方法、 (c) 金属テープ上に溶射法や各種膜形成方法によっ
て酸化物超電導体層を形成し、線材化する方法 などが知られている。
ところで、これら酸化物超電導体を用いた線材の臨界
電流密度は徐々に向上する傾向にある。たとえばBi−Sr
−Ca−Cu−O系やTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超電導
体を用いて上記(a)の方法を適用した超電導線材で
は、臨界電流密度が104A/cm2を超える線材が得られてお
り、また小面積ではあるが臨界電流密度が高いものとし
ては、スパッタ法、CVD法、蒸着法などで形成した薄膜
があり、その値は106A/cm2を超えるようになってきた。
電流密度は徐々に向上する傾向にある。たとえばBi−Sr
−Ca−Cu−O系やTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超電導
体を用いて上記(a)の方法を適用した超電導線材で
は、臨界電流密度が104A/cm2を超える線材が得られてお
り、また小面積ではあるが臨界電流密度が高いものとし
ては、スパッタ法、CVD法、蒸着法などで形成した薄膜
があり、その値は106A/cm2を超えるようになってきた。
このように酸化物超電導体を用いた線材の臨界電流密
度は着実に向上しており、高磁場を発生する超電導コイ
ルの開発に向けて期待が持たれている。
度は着実に向上しており、高磁場を発生する超電導コイ
ルの開発に向けて期待が持たれている。
(発明が解決しようとする課題) このように、酸化物超電導体を用いた超電導線材の臨
界密度は向上してきているものの、現状の超電導線材を
コイル状に成形して超電導コイルを作製すると、コイル
化することによって臨界電流密度が大幅に低下してしま
うという問題があった。
界密度は向上してきているものの、現状の超電導線材を
コイル状に成形して超電導コイルを作製すると、コイル
化することによって臨界電流密度が大幅に低下してしま
うという問題があった。
高磁場を発生する超電導コイルを得るためには、臨界
電流密度の高い超電導線材が必要なことはもちろんのこ
と、コイル状に成形した際にその値を維持することが重
要である。
電流密度の高い超電導線材が必要なことはもちろんのこ
と、コイル状に成形した際にその値を維持することが重
要である。
しかしながら、上述したように現状では、超電導コイ
ルの臨界電流密度はコイル状に成形することによって超
電導線材の際の値より大幅に低下したものしか得られて
おらず、また巻数も少ないなどの理由から、発生する磁
場は数10ガウス程度と低いものしか得られていない。
ルの臨界電流密度はコイル状に成形することによって超
電導線材の際の値より大幅に低下したものしか得られて
おらず、また巻数も少ないなどの理由から、発生する磁
場は数10ガウス程度と低いものしか得られていない。
本発明は、このような従来技術の課題に対処するため
になされたもので、超電導線材で得られた高臨界電流密
度をコイル状に成形した際にもほとんど低下させること
なく、高臨界電流密度の実現を可能にした超電導コイル
を提供することを目的としている。
になされたもので、超電導線材で得られた高臨界電流密
度をコイル状に成形した際にもほとんど低下させること
なく、高臨界電流密度の実現を可能にした超電導コイル
を提供することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち本発明は、長尺な基体とこの基体の長手方向
に形成された酸化物超電導体層との複合体からなる超電
導線材の巻回体によって構成された超電導コイルにおい
て、前記酸化物超電導体層の形成位置が前記超電導線材
の径方向断面内において前記巻回体の径方向内側に偏心
されていることを特徴としている。
に形成された酸化物超電導体層との複合体からなる超電
導線材の巻回体によって構成された超電導コイルにおい
て、前記酸化物超電導体層の形成位置が前記超電導線材
の径方向断面内において前記巻回体の径方向内側に偏心
されていることを特徴としている。
酸化物超電導体としては、多数のものが知られている
が、本発明においては希土類元素含有のペロブスカイト
型の酸化物超電導体や、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超
電導体、Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体などが適
用される。
が、本発明においては希土類元素含有のペロブスカイト
型の酸化物超電導体や、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超
電導体、Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体などが適
用される。
希土類元素を含有しペロブスカイト型構造を有する酸
化物超電導体は、超電導状態を実現できるものであれば
よく、たとえばRE M2Cu3O7−δ系(REはY、La、Sc、N
d、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類
元素から選ばれた少なくとも1種の元素を、MはBa、S
r、Caから選ばれた少なくとも1種の元素を、δは酸素
欠陥を表し通常1以下の数、Cuの一部はTi、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Znなどで置換可能。)の酸化物などが
例示される。なお、希土類元素は広義の定義とし、Sc、
YおよびLa系を含むものとする。
化物超電導体は、超電導状態を実現できるものであれば
よく、たとえばRE M2Cu3O7−δ系(REはY、La、Sc、N
d、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類
元素から選ばれた少なくとも1種の元素を、MはBa、S
r、Caから選ばれた少なくとも1種の元素を、δは酸素
欠陥を表し通常1以下の数、Cuの一部はTi、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Znなどで置換可能。)の酸化物などが
例示される。なお、希土類元素は広義の定義とし、Sc、
YおよびLa系を含むものとする。
また、Bi−Sr−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体は、 化学式:Bi2Sr2Ca2Cu3Ox ………(I) :Bi2(Sr,Ca)3Cu2Ox ………(II) (式中、Biの一部はPbなどで置換可能。) などで表されるものであり、Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化
物超電導体は、 化学式:Tl2Ba2Ca2Cu3Ox ………(III) :Tl2(Ba,Ca)3Cu2Ox ………(IV) などで表されるものである。
物超電導体は、 化学式:Tl2Ba2Ca2Cu3Ox ………(III) :Tl2(Ba,Ca)3Cu2Ox ………(IV) などで表されるものである。
本発明に使用される超電導線材は、たとえば 基体となる長尺な金属管内に、酸化物超電導体を封
入した複合体。
入した複合体。
基体となる長尺なテープ材上に、酸化物超電導体層
を形成した複合体。
を形成した複合体。
などの形態を有するものが例示され、その径方向におけ
る断面において酸化物超電導体層の形成位置が偏心して
いるものである。
る断面において酸化物超電導体層の形成位置が偏心して
いるものである。
上記を有し酸化物超電導体層の形成位置が偏心され
ている超電導線材は、たとえば以下のような方法により
作製される。
ている超電導線材は、たとえば以下のような方法により
作製される。
(A) 予め内孔の形成位置を偏心させた管材、たとえ
ば金属管内に酸化物超電導体粉末を充填し、スウェージ
ングマシンなどにより管材外から粉末をつき固めた後、
伸線加工および熱処理を施すなどして長尺化し、偏心さ
せた酸化物超電導体層を有する超電導線材を作製する。
ば金属管内に酸化物超電導体粉末を充填し、スウェージ
ングマシンなどにより管材外から粉末をつき固めた後、
伸線加工および熱処理を施すなどして長尺化し、偏心さ
せた酸化物超電導体層を有する超電導線材を作製する。
(B) 通常形状の管材内に酸化物超電導体粉末を充填
し、同様に線状に加工した後、管材と同材質の補助材を
長手方向に沿わせ、一体化加工および熱処理を施して偏
心させた酸化物超電導体層を有する超電導線材を作製す
る。
し、同様に線状に加工した後、管材と同材質の補助材を
長手方向に沿わせ、一体化加工および熱処理を施して偏
心させた酸化物超電導体層を有する超電導線材を作製す
る。
なお、(A)および(B)により得られる超電導線材
は、いずれも通常の線材やテープ材を含み、またこれら
以外の各種方法を適用することが可能である。
は、いずれも通常の線材やテープ材を含み、またこれら
以外の各種方法を適用することが可能である。
また、上記の形態を有する超電導線材は、たとえば
長尺な金属テープのようなテープ状基体の表面に蒸着
法、スパッタ法、CVD法、溶射法などの膜形成法によっ
て、酸化物超電導体層を形成することによって作製す
る。
長尺な金属テープのようなテープ状基体の表面に蒸着
法、スパッタ法、CVD法、溶射法などの膜形成法によっ
て、酸化物超電導体層を形成することによって作製す
る。
そして、本発明の超電導コイルは、上記したような酸
化物超電導体層の形成位置を偏心させた超電導線材を、
この酸化物超電導体層が巻回体の径方向に対して内側に
位置するように巻回して作製される。また、必要に応じ
て巻回後に熱処理、たとえば酸素含有雰囲気中でのアニ
ーリングを起って作製される。
化物超電導体層の形成位置を偏心させた超電導線材を、
この酸化物超電導体層が巻回体の径方向に対して内側に
位置するように巻回して作製される。また、必要に応じ
て巻回後に熱処理、たとえば酸素含有雰囲気中でのアニ
ーリングを起って作製される。
なお、上記したような長尺な超電導線材を用いて超電
導コイルを作製する際、超電導線材の臨界電流密度は極
力高い方がよいが、そのためには酸化物超電導体の結晶
方位が揃い、かつ導電面が長尺方向に揃っていることが
好ましい。また、磁場中でピンニング効果が発揮される
ように、磁束のピンニングサイトを導入してあるものが
いっそう好ましい。
導コイルを作製する際、超電導線材の臨界電流密度は極
力高い方がよいが、そのためには酸化物超電導体の結晶
方位が揃い、かつ導電面が長尺方向に揃っていることが
好ましい。また、磁場中でピンニング効果が発揮される
ように、磁束のピンニングサイトを導入してあるものが
いっそう好ましい。
(作 用) 通常の超電導線材を用いた超電導コイルにおける臨界
電流密度は、コイル状に巻するることによって超電導線
材中の酸化物超電導体層にクラックが発生して電流経路
が遮断されたり、大幅な曲げ歪が加わることによって臨
界電流密度が大幅に低下するものと考えられる。
電流密度は、コイル状に巻するることによって超電導線
材中の酸化物超電導体層にクラックが発生して電流経路
が遮断されたり、大幅な曲げ歪が加わることによって臨
界電流密度が大幅に低下するものと考えられる。
これに対して、本発明の超電導コイルにおいては、超
電導線材の酸化物超電導体層が巻回体の径方向内側に位
置するように巻回されているため、酸化物超電導体層に
は主に圧縮の応力が加わり、引張応力に起因して発生す
るクラックが大幅に抑制され、また歪み量も減少する。
したがって、コイル化した際の臨界電流密度の低下を防
止することが可能となる。
電導線材の酸化物超電導体層が巻回体の径方向内側に位
置するように巻回されているため、酸化物超電導体層に
は主に圧縮の応力が加わり、引張応力に起因して発生す
るクラックが大幅に抑制され、また歪み量も減少する。
したがって、コイル化した際の臨界電流密度の低下を防
止することが可能となる。
(実施例) 次に、本発明の実施例について説明する。
実施例1 第1図は、本発明の一実施例の超電導コイルの構成を
模式的に示す断面図である。同図において1は超電導線
材であり、この超電導線材1は、銀製のテープ状基体2
内に酸化物超電導体層3が長手方向に沿って埋設されて
おり、酸化物超電導体層3はテープ状基体2の矩形状断
面の中心より偏心されて形成されている。そして、この
偏心された酸化物超電導体層3が内側に位置するよう巻
き治具4に超電導線材1が巻回されて超電導コイルが構
成されている。
模式的に示す断面図である。同図において1は超電導線
材であり、この超電導線材1は、銀製のテープ状基体2
内に酸化物超電導体層3が長手方向に沿って埋設されて
おり、酸化物超電導体層3はテープ状基体2の矩形状断
面の中心より偏心されて形成されている。そして、この
偏心された酸化物超電導体層3が内側に位置するよう巻
き治具4に超電導線材1が巻回されて超電導コイルが構
成されている。
上記構成の超電導コイルを以下に示す製造方法にした
がって作製した。
がって作製した。
まず、Bi2O3、SrCO3、CaCO3およびCuOの各粉末を、各
金属元素の比率が上記(I)式の組成を満足するように
所定量秤量し、これを充分に混合した後に、この混合粉
を空気中で700℃×48時間の条件で焼成し、この焼成物
をボールミルで粉砕、混合を繰返し行い、組成が上記
(I)を満足するBi系酸化物超電導体粉末を作製した。
金属元素の比率が上記(I)式の組成を満足するように
所定量秤量し、これを充分に混合した後に、この混合粉
を空気中で700℃×48時間の条件で焼成し、この焼成物
をボールミルで粉砕、混合を繰返し行い、組成が上記
(I)を満足するBi系酸化物超電導体粉末を作製した。
次に、このBi系酸化物超電導体粉末を用いて、酸化物
超電導体層の形成位置を偏心させた超電導線材を作製し
た。その製造過程を第2図に示す。
超電導体層の形成位置を偏心させた超電導線材を作製し
た。その製造過程を第2図に示す。
まず、外径20mm×内径15mm×長さ100mmの銀管11中にB
i系酸化物超電導体粉末12を充填し、これに減面加工を
施して外径1.5mmの線材13を作製した(第2図−a)。
i系酸化物超電導体粉末12を充填し、これに減面加工を
施して外径1.5mmの線材13を作製した(第2図−a)。
次いで、この線材13に圧延加工を施して、断面形状が
幅3mm×厚さ0.5mmのテープ状線材14を作製した(第2図
−b)。
幅3mm×厚さ0.5mmのテープ状線材14を作製した(第2図
−b)。
次に、このテープ状線材14の長手方向に沿って、断面
形状が幅3mm×厚さ0.5mmの銀製テープ15を張合わせた後
(第2図−c)、圧延加工を施すことによって一体化し
て、幅5mm×厚さ0.5mmの断面形状を有し、銀製のテープ
状基体2の断面の中心に対してBi系酸化物超電導体層3
が偏心されて埋設されている銀と酸化物超電導体との複
合体からなる超電導線材1を得た。
形状が幅3mm×厚さ0.5mmの銀製テープ15を張合わせた後
(第2図−c)、圧延加工を施すことによって一体化し
て、幅5mm×厚さ0.5mmの断面形状を有し、銀製のテープ
状基体2の断面の中心に対してBi系酸化物超電導体層3
が偏心されて埋設されている銀と酸化物超電導体との複
合体からなる超電導線材1を得た。
このBi系酸化物超電導体層3の形成位置が偏心されて
いる超電導線材1に対して、酸化性雰囲気中において70
0℃×2時間の条件で熱処理を施した後、この超電導線
材の超電導特性の測定を行ったところ、臨界温度は102K
で、77Kにおける臨界電流密度は9700A/cm2であった。
いる超電導線材1に対して、酸化性雰囲気中において70
0℃×2時間の条件で熱処理を施した後、この超電導線
材の超電導特性の測定を行ったところ、臨界温度は102K
で、77Kにおける臨界電流密度は9700A/cm2であった。
この後、この超電導線材1を第1図に示したように、
酸化物超電導体層3が巻回体の径方向に対して内側に位
置するように巻回し、直径50mmの超電導コイルを作製し
た。
酸化物超電導体層3が巻回体の径方向に対して内側に位
置するように巻回し、直径50mmの超電導コイルを作製し
た。
このようにして得た超電導コイルの超電導特性を測定
したところ、臨界電流密度は77Kで9500A/cm2と、超電導
線材の段階で測定した値とほぼ同等の高い値が得られ
た。
したところ、臨界電流密度は77Kで9500A/cm2と、超電導
線材の段階で測定した値とほぼ同等の高い値が得られ
た。
比較例1 上記実施例1で作製した超電導線材1を酸化物超電導
体層3が巻回体の径方向に対して外側に位置するよう巻
介し、実施例1と同形状の超電導コイルを作製し、臨界
電流密度を測定したところ、4200A/cm2と超電導線材の
段階で測定した値の1/2以下に急減した。
体層3が巻回体の径方向に対して外側に位置するよう巻
介し、実施例1と同形状の超電導コイルを作製し、臨界
電流密度を測定したところ、4200A/cm2と超電導線材の
段階で測定した値の1/2以下に急減した。
実施例2 幅5mm×厚さ0.5mmの断面形状を有する長尺な銀製テー
プを用意し、この銀製テープを真空容器内に配置し、
Y、Ba、Cuをそれぞれ加熱蒸発させて銀製テープの表面
に堆積させた。そしてこの際に、銀製テープの表面近傍
に酸素を供給するとともに、膜組成がYB2Cu3O7−δと
なるように各蒸発元素の量を調整した。
プを用意し、この銀製テープを真空容器内に配置し、
Y、Ba、Cuをそれぞれ加熱蒸発させて銀製テープの表面
に堆積させた。そしてこの際に、銀製テープの表面近傍
に酸素を供給するとともに、膜組成がYB2Cu3O7−δと
なるように各蒸発元素の量を調整した。
次に、このYB2Cu3O7−δ膜が形成された銀製テープ
を1気圧の酸素雰囲気中において約700℃で1時間熱処
理を施し徐冷して、銀製テープの表面にY−Ba−Cu−O
系酸化物超電導体層が形成された銀とY−Ba−Cu−O系
酸化物超電導体との複合体からなる超電導線材を得た。
を1気圧の酸素雰囲気中において約700℃で1時間熱処
理を施し徐冷して、銀製テープの表面にY−Ba−Cu−O
系酸化物超電導体層が形成された銀とY−Ba−Cu−O系
酸化物超電導体との複合体からなる超電導線材を得た。
このようにして得た超電導線材における酸化物超電導
体層の厚さは約1μmであった。また、超電導特性は、
臨界温度が98Kで、77Kにおける臨界電流密度は15000A/c
m2であった。
体層の厚さは約1μmであった。また、超電導特性は、
臨界温度が98Kで、77Kにおける臨界電流密度は15000A/c
m2であった。
このような超電導特性を有する超電導線材を用い、表
面のY−Ba−Cu−O系酸化物超電導体層が巻回体の径方
向内側となるように巻回し、直径50mmの超電導コイルを
実施例1と同様に作製した。
面のY−Ba−Cu−O系酸化物超電導体層が巻回体の径方
向内側となるように巻回し、直径50mmの超電導コイルを
実施例1と同様に作製した。
このようにして得た超電導コイルの超電導特性を測定
したところ、臨界電流密度は77Kで15000A/cm2と、超電
導線材の段階で測定した値と同等の高い値を示し。
したところ、臨界電流密度は77Kで15000A/cm2と、超電
導線材の段階で測定した値と同等の高い値を示し。
比較例2 上記実施例2で作製した超電導線材を表面のY−Ba−
Cu−O系酸化物超電導体層が巻回体の径方向に対して外
側に位置するよう巻回し、実施例2と同形状の超電導コ
イルを作製し、臨界電流密度を測定したところ、3300A/
cm2と超電導線材の段階で測定した値の1/4以下に急減し
た。
Cu−O系酸化物超電導体層が巻回体の径方向に対して外
側に位置するよう巻回し、実施例2と同形状の超電導コ
イルを作製し、臨界電流密度を測定したところ、3300A/
cm2と超電導線材の段階で測定した値の1/4以下に急減し
た。
なお、上記実施例では酸化物超電導体粉末を用いて線
引き加工して作製した超電導線材および蒸着法によって
酸化物超電導体層を作製した超電導線材についての例を
挙げたが、その他の方法たとえばスパッタ法やCVD法な
どによって酸化物超電導体層を作製した超電導線材や、
さらに他の方法によって作製した超電導線材について
も、酸化物超電導体層の位置を巻回体の内側に位置する
よう巻回することによって、同等の効果を有する超電導
コイルが得られる。
引き加工して作製した超電導線材および蒸着法によって
酸化物超電導体層を作製した超電導線材についての例を
挙げたが、その他の方法たとえばスパッタ法やCVD法な
どによって酸化物超電導体層を作製した超電導線材や、
さらに他の方法によって作製した超電導線材について
も、酸化物超電導体層の位置を巻回体の内側に位置する
よう巻回することによって、同等の効果を有する超電導
コイルが得られる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の超電導コイルは、超電導
線材の段階の臨界電流密度を低下させることなく、高い
臨界電流密度を維持することが可能であり、これによっ
てたとえば強磁場の発生が可能となるなど、超電導コイ
ルの各種特性の向上を図ることが可能となる。
線材の段階の臨界電流密度を低下させることなく、高い
臨界電流密度を維持することが可能であり、これによっ
てたとえば強磁場の発生が可能となるなど、超電導コイ
ルの各種特性の向上を図ることが可能となる。
第1図は本発明の一実施例の超電導コイルの構成を模式
的に示す断面図、第2図はその超電導コイルの製造の際
に使用した超電導線材の一例の製造工程を示す図であ
る。 1……超電導線材、2……金属基体、3……酸化物超電
導体層、4……巻き治具。
的に示す断面図、第2図はその超電導コイルの製造の際
に使用した超電導線材の一例の製造工程を示す図であ
る。 1……超電導線材、2……金属基体、3……酸化物超電
導体層、4……巻き治具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 6/00
Claims (1)
- 【請求項1】長尺な基体とこの基体の長手方向に形成さ
れた酸化物超電導体層との複合体からなる超電導線材の
巻回体によって構成された超電導コイルにおいて、 前記酸化物超電導体層の形成位置が前記超電導線材の径
方向断面内において前記巻回体の径方向内側に偏心され
ていることを特徴とする超電導体コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1081949A JP2835069B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 超電導コイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1081949A JP2835069B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 超電導コイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02260614A JPH02260614A (ja) | 1990-10-23 |
JP2835069B2 true JP2835069B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=13760748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1081949A Expired - Fee Related JP2835069B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 超電導コイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2835069B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7291469B2 (ja) * | 2018-10-31 | 2023-06-15 | 株式会社日立製作所 | 超電導線の製造方法 |
-
1989
- 1989-03-31 JP JP1081949A patent/JP2835069B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02260614A (ja) | 1990-10-23 |
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