JP2878706B2 - 超電導部材 - Google Patents

超電導部材

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  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、酸化物超電導体を用いた超電導部材に関す
る。
(従来の技術) 1986年にBa−La−Cu−O系の層状ペロブスカイト型の
酸化物が40K以上の高い臨界温度を有することが発表さ
れて以来、酸化物系の超電導体が注目を集め、新材料探
索の研究が活発に行われている。その中でも、液体窒素
温度以上の高い臨界温度を有するY−Ba−Cu−O系で代
表される欠陥ペロブスカイト型の酸化物超電導体や、Bi
−Sr−Ca−Cu−O型およびTl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化
物超電導体は、冷媒として高価な液体ヘリウムに代え
て、安価な液体窒素を利用できるため、工業的にも重要
な価値を有している。そして、それらの応用の研究も盛
んに行われており、超高速の超電導デバイス、SQUIDセ
ンサ、超電導配線、超電導コイル、送電線など、多数の
応用が考えられている。
たとえば超電導体を各種電子デバイスの配線として使
用すれば、配線による信号の遅延が低減されるため、信
号処理あるいは演算の高速化を可能にする。酸化物超電
導体をこのような超電導配線に応用することを考えた場
合、バルク材に比べて臨界電流密度が一桁以上高い薄膜
を利用することが有利である。このような超電導特性に
優れた酸化物超電導体薄膜は、酸化物超電導体と熱膨脹
係数や格子定数などが近似しているMgOやSrTiO3などの
単結晶基板を基板として用いることによって達成されて
おり、これら単結晶基板上にスパッタ法や蒸着法などに
よって形成された配向性を有する酸化物超電導体体薄膜
によって、臨界電流密度が106A/cm2を超えるものが得ら
れるようになってきている。
また、曲げ加工が可能な金属テープなどの上に酸化物
超電導体薄膜を形成することも試みられており、この容
易に曲げ加工などが可能であるという性質を利用して、
これを超電導コイル用の線材とすることも試みられてい
る。
ところで、上述したように酸化物超電導体薄膜の臨界
電流密度は、バルク材のそれに比べて一桁以上高いこと
が知られているが、これはあくまでも電流密度であり、
たとえば膜厚を厚くしても、それに比例して臨界電流が
必ずしも増加するとは限らず、ある一定の値に収まって
しまう。これは、超電導状態でも起こる表皮効果に起因
するものと考えられる。しかし、実際に要求される配線
の最大電流は、酸化物超電導体薄膜の臨界電流値を超え
ている。
そこで、充分な電流を流すために、酸化物超電導体層
間に常電導物質や絶縁体によって境界を設け、複数の電
流経路を形成した超電導配線が提案されている(特開昭
64−3908号公報、同64−28844号公報など参照)。
また、酸化物超電導体の臨界電流密度自体を向上させ
る方法として、酸化物超電導体層間に強磁性金属材層を
ピンニングセンタとして介在させ、電流経路を複数設け
最大電流を向上させるとともに、磁束の侵入を抑制して
臨界電流密度を向上させることが提案されている(特開
昭63−318014号公報など参照)。
(発明が解決しようとする課題) 酸化物超電導体の臨界電流密度は、結晶方位を一定方
向に揃えることによって向上することが知られており、
そのために基板としてMgOやSrTiO3などの単結晶基板が
一般に用いられている。しかしながら、上述した常電導
物質層や絶縁体層を介在させた酸化物超電導体の多層構
造体では、各酸化物超電導体層が常電導物質層や絶縁体
層上に形成されるため、酸化物超電導体の結晶方位の制
御が困難となり、これによって各酸化物超電導体層自体
の臨界電流密度の低下が予想され、電流経路を複数設け
たことによる効果や、ピンニングセンタを介在させた効
果を充分に生かしきれないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の課題に対処するため
になされたもので、電流経路を複数設けることによって
得られる臨界電流値の向上およびピンニングセンタの導
入による臨界電流密度の向上を、各酸化物超電導体層の
配向性を維持することによって充分に生かした超電導部
材を提供することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち本発明の超電導部材は、基体上に超電導転移
を示す物質を含む超電導導体層が形成された超電導部材
において、前記超電導導体層は、酸化物超電導体の配向
化層と、この配向化層上に形成された酸化物超電導体層
と、この酸化物超電導体層上に形成された常電導物質層
とによる積層ユニットを有し、前記積層ユニットが厚さ
方向に対して順に複数形成されていることを特徴として
いる。
(作用) 本発明の超電導部材は、MgOやSrTiO3などからなる酸
化物超電導体の配向化層/酸化物超電導体層/常電導物
質層を1積層ユニットとして超電導導体層を構成してい
るため、酸化物超電導体層はたえず配向化層の存在によ
って結晶方位が一定となる。また、酸化物超電導体層上
に形成された常電導物質層がピンニングセンタとして機
能し、酸化物超電導体内部への磁束線の侵入を抑制す
る。これらによって、臨界電流密度などの超電導特性の
向上が図れる。そして上記積層ユニットを順に複数積層
して設けることにより、配向化層の存在によって結晶方
位が揃えられた個々の酸化物超電導体層が電流経路とし
て働き、ユニット数に比例して超電導導体層中に流すこ
とが可能な最大電流が増加する。
(実施例) 次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は本発明の基礎となる超電導部材の構成を示す
断面図である。同図において1は、Si単結晶基板、Mg
O、SrTiO3、Al2O3、Y安定化ZrO2(YSZ)などの酸化物
基板、金属テープなど、各種材質および形状からなる基
体であり、この基体1上に厚さ10Å〜3000Å程度の酸化
物超電導体層の配向層化2が形成されている。この配向
化層2はたとえばMgO、SrTiO3、Al2O3、Y安定化ZrO
2(YSZ)などからなるものであり、酸化物超電導体と格
子定数や熱膨脹係数が近似する材質が用いられ、これに
よって配向化層上に形成される酸化物超電導体層の結晶
方位を一定方向に揃え、酸化物超電導体が本来有する超
電導特性を確保するものである。なお、基体1として配
向化層2と同材質のものを用いる場合、この第1層目の
配向化層は形成を省略することができる。
配向化層2上には、厚さ500Å〜5μm程度の酸化物
超電導体層3が形成されており、この酸化物超電導体と
しては、希土類元素含有のペロブスカイト型の酸化物超
電導体や、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体、Tl−
Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体などが適用される。
希土類元素を含有しペロブスカイト型構造を有する酸
化物超電導体は、超電導状態を実現できるものであれば
よく、たとえばRE M2Cu37−δ系(REは、Y、La、S
c、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希
土類元素から選ばれた少なくとも1種の元素を、MはB
a、Sr、Caから選ばれた少なくとも1種の元素を、δは
酸素欠陥を表し通常1以下の数、Cuの一部はTi、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Znなどで置換可能。)の酸化物な
どが例示される。なお、希土類元素は広義の定義とし、
Sc、YおよびLa系を含むものとする。
また、Bi−Sr−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体は、 化学式:Bi2Sr2Ca2Cu3Ox ………(I) :Bi2(Sr,Ca)3Cu2Ox ………(II) (式中、Biの一部はPbなどで置換可能。) などで表されるものであり、Tl−Ba−Ca−Cu−O系酸化
物超電導体は、 化学式:Tl2Ba2Ca2Cu3Ox ………(III) :Tl2(Ba,Ca)3Cu2Ox ………(IV) などで表されるものである。
そして、酸化物超電導体層3上にこの酸化物超電導体
のピンニングセンタとして機能する常電導物質層4が形
成されて、超電導部材5が構成されている。このピンニ
ングセンタとなる常電導物質層4は、Fe、Ni、Co、Ag、
Au、Pt、Pd、Mo、Ta、Wなどの各金属薄膜やこれらの合
金薄膜を厚さ50Å〜2000Å程度の厚さに形成したもので
ある。
上記構成のこの実施例の超電導部材5は、たとえば以
下のようにして作製される。
まず、基体1表面に配向化層2をスパッタ法、CVD
法、イオンクラスタービーム蒸着法、分子線エピタキシ
ー法などによって形成する。特にイオンクラスタービー
ム蒸着法によれば結晶性の良好な薄膜が得られる。
次に、配向化層2上に酸化物超電導体層3を同様にス
パッタ法、CVD法、イオンクラスタービーム蒸着法など
によって形成する。
たとえばスパッタ法によって酸化物超電導体層3を形
成する場合のターゲットは、各酸化物超電導体の焼結体
を用いてもよいし、また酸化物超電導体の構成元素を含
む化合物を個々に用いてもよい。酸化物超電導体の焼結
体をターゲットとして用いる際には、得られる膜の組成
とターゲット組成が必ずしも一致しない場合があるの
で、得られた膜を分析し、足りない元素はターゲットの
方に多く含有させたり、あるいは不足しやすい元素を含
有するターゲットをさらに設置して独立して制御するこ
とが好ましい。なお、スパッタ法によって酸化物超電導
体層3を形成する場合、必要に応じて真空室内で酸素を
導入しながら熱処理を行ったり、真空室から取出した
後、酸素気流中で熱処理することにより、酸素欠損がよ
り少ない良質の膜が得られ、転移温度の向上が図れる。
また、イオンクラスタービーム蒸着法は、各構成元素
を含む原料を個々に加熱し蒸発させて付着させるもので
あり、各元素毎に組成制御することが可能である。ま
た、通常の蒸着法と異なり、蒸発した原子がノズルから
飛出した後、断熱膨脹により急冷され、凝集してクラス
ターを形成し、さらにイオン化して加速されることか
ら、被着面でのマイグレーション効果が他の方法に比較
して著しく大きく、配向した膜が比較的低温で得られる
という利点がある。ただし、酸化物の薄膜を形成する場
合、酸化物の融点は一般に高く、それ自身を蒸発させる
ことは困難であるため、酸素雰囲気中で各元素を蒸発さ
せ、反応させながら成膜を行う。したがって、酸素の供
給方法が重要な要因となる。酸素の供給は、電子サイク
ロトロン共鳴(ECR)によりイオン化して供給したり、
高周波、マイクロ波、光などにより酸素のラジカルを形
成して供給したり、あるいは加熱して活性化させるな
ど、活性状態の酸素を供給することが好ましく、これに
より単に酸素を被着面に吹付けるよりも多大な効果が得
られる。また酸素だけでなく、酸素を無声放電によりオ
ゾン化させることも効果的である。さらに、酸素を持つ
ガスでN2O、COなどは、他原子との結合エネルギーが弱
く、分子状酸素からよりも高周波電力などの電力による
放電によって、容易に酸素ラジカルを形成することがで
きる。
この後、酸化物超電導体層3上に常電導物質層4を同
様にスパッタ法、真空蒸着法、イオンクラスタービーム
蒸着法などによって形成することによって、第1図に示
した超電導部材5が得られる。
次に、上記製造方法にしたがって具体的に超電導部材
を作製した例について説明する。
実施例1 まず、真空容器内に配置された加熱機構を有する基板
ホルダにSi単結晶基板をセットするとともに、SrTiO3
ターゲットとして配置した。そして、真空容器内にArガ
スおよびO2ガスをそれぞれ10SCCMで供給しつつ、真空容
器内を1×10-3Torr圧まで減圧した後、Si単結晶基板を
450℃に加熱しながらターゲットに1kWのRF電力を供給し
てスパッタリングを行い、厚さ1000ÅのSrTiO3膜を配向
化層として形成した。
次に、ターゲットをYBa2Cu3O7−δ組成を有する酸化
物超電導体の焼結体に交換し、以下の条件によって厚さ
5000ÅのY−Ba−Cu−O系酸化物超電導体膜を形成し
た。
スパッタガス:Arガス=10SCCM O2ガス=10SCCM 真空容器内圧力:1×10-3Torr 基板温度:650℃ 供給電力:RF電力=1kW なお、スパッタによる成膜後に、酸素ガスを導入しな
がら800℃で10分間熱処理を行った。
この後、Y−Ba−Cu−O系酸化物超電導体薄膜上に以
下の条件によって厚さ1000ÅのAg膜を形成した。
スパッタガス:Arガス=10SCCM 真空容器内圧力:1×10-3Torr 供給電力:RF電力=1kW このようにして得られたSrTiO3膜/Y−Ba−Cu−O系酸
化物超電導体膜/Ag膜の積層ユニットを有する超電導部
材の転移温度を測定したところ、80Kであり、また5Tの
高磁場中において臨界電流密度を測定したところ、104A
/cm2を超える良好な値が得られた。これは、SrTiO3
がY−Ba−Cu−O系酸化物超電導体膜の配向性を高め、
並びにAg膜が磁束のピンニングセンタとなったことに由
来するものである。
実施例2 真空容器内に配置された加熱機構を有する基板ホルダ
にSi単結晶基板をセットし、真空容器内にO2ガスを10SC
CMで供給しつつ、真空容器内を1×10-4Torrまで減圧し
た後、Si単結晶基板を300℃に加熱しながらSrとTiのク
ラスターをそれぞれ別々のイオンガスから蒸発させて、
厚さ1000ÅのSrTiO3膜を配向化層として形成した。な
お、イオン化電流は0.5A、加速電圧は1kVとした。
次に、SrTiO3膜上にY、BaおよびCuをそれぞれ別々の
イオンガンから蒸発させるとともに、酸素を10SCCMで供
給しつつECRによって励起し、厚さ5000ÅのY−Ba−Cu
−O系酸化物超電導体膜を形成した。
個々の条件は以下の通りである。
Y:蒸発速度=15Å/mm、加速電圧=1kV、イオン化電流=
0.5A Ba:蒸発速度=40Å/mm、加速電圧=1kV、イオン化電流
=0.5A Cu:蒸発速度=10Å/mm、加速電圧=1kV、イオン化電流
=0.5A ECR条件:雰囲気圧=1×10-4Torr、マイクロ波電力=2
00W、磁場=875G、基板温度=400℃ なお、このようにして得たY−Ba−Cu−O系酸化物超
電導体膜の転移温度および臨界電流密度を測定したとこ
ろ、Tc=80K、Jc=105A/cm2と良好な値が得られた。ま
た、X線回析を行ったところ、配向性に優れたYBa2Cu3
7−δ膜であることを確認した。このようにイオンク
ラスタービーム蒸着法によれば、低い基板温度で良質な
酸化物超電導体膜を得ることができる。
この後、Y−Ba−Cu−O系酸化物超電導体膜上に以下
の条件によって厚さ1000ÅのAg膜を形成した。
蒸発源:Ag 真空容器内圧力:1×10-6Torr 加速電圧:1kV イオン化電流:0.3A このようにして得られたSrTiO3膜/Y−Ba−Cu−O系酸
化物超電導体膜/Ag膜の積層ユニットを有する超電導導
体の超電導特性を測定したところ、転移温度は80Kで、5
Tの高磁場中での臨界電流密度も104A/cm2を超える良好
な値を示した。
また、基板直下にコイルを設置し、これに高周波を印
加する一方、コイルに開けた穴から酸素を吹出させて、
プラズマを形成することで、酸素の欠損がより少ない良
質の膜が得られた。さらに、真空容器内あるいは炉によ
る酸素雰囲気中での後処理により、さらに膜質が改善さ
れることを確認した。
なお、このイオンクラスタービーム法によれば、単元
素毎に制御ができるため、Bi−Sr−Ca−Cu−O系やTl−
Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体膜においても、高い
転移温度を示す膜が得られた。
実施例3、4 基体として厚さ0.1mm、幅10mmの銅テープを用意し、
この銅テープ上に実施例1および2と同一条件で、それ
ぞれSrTiO3膜/Y−Ba−Cu−O酸化物超電導体膜/Ag膜の
積層ユニットを作製した。
このようにして得られたテープ状超電導導体の5T下に
おける臨界電流密度を測定したところ、それぞれ104A/
cm2以上と良好な値が得られ、またこのテープ状超電導
導体を用いて超電導コイルを作製し、磁場強度を測定し
たところ、それぞれ実用上充分な磁力を発揮することを
確認した。
なお、このような線状基体としては、Fe、SUS、Ag、A
lなどのテープ材や線材を用いても、同様な効果が得ら
れた。
次に、本発明の実施例について説明する。
第2図は、本発明の実施例の超電導導体の構成を示す
断面図である。同図に示すように、この実施例の超電導
部材11は、基体1上に上記実施例と同様に配向化層2、
酸化物超電導体層3および常電導物質層5が順に形成さ
れており、この3層積層体を1ユニットとして複数のユ
ニットが順に形成されており、配向化層2と常電導物質
層4によって仕切られた各酸化物超電導体層3は、それ
ぞれ個別に電流経路を構成している。
次に、上記構成の超電導部材を具体的に作製した例に
ついて説明する。
実施例5、6 実施例1および2と同一条件でSi単結晶基板上に、そ
れぞれSrTiO3膜/Y−Ba−Cu−O系酸化物超電導体膜/Ag
膜の積層ユニットを作製し、さらに積層ユニットを1ユ
ニットとして同一条件でそれぞれ10層積層して、超電導
部材をそれぞれ作製した。
このようにして得た複数の電流経路を有する超電導部
材に流すことが可能な最大電流値を測定したところ、そ
れぞれ50A以上の良好な値が得られた。
また、これらの実施例との比較として、酸化物超電導
体層間にAg膜のみを形成する以外は、積層数など上記実
施例と同一条件で超電導部材を作製し、最大電流値を測
定したところ5Aであった。
このように、従来の複数の電流経路を有する超電導部
材は、層数を増加させるほど、酸化物超電導体層の配向
性が悪化するため、各酸化物超電導体層の超電導特性が
劣化し、充分な効果が得られない。これに対して、本発
明の超電導部材は、各酸化物超電導体層を配向化層上に
形成しているため、配向性をみだすことなく、多層に積
層することが可能となり、電流経路を複数化した効果や
ピンニングセンタを導入した効果を充分に得ることが可
能となる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の超電導部材は、配向化層
による酸化物超電導体層の結晶方位の一定化と、常電導
物質層による磁束のピン止め効果とによって、酸化物超
電導体層の超電導特性を向上させることが可能となる。
そして、これらを順に積層することによって、その優れ
た超電導特性を損うことなく電流経路を複数化でき、実
用上充分な電流を流すことが可能となり、実用的な超電
導部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基礎となる超電導部材の構成を模式的
に示す断面図、第2図は本発明の実施例の構成を模式的
に示す断面図である。 1……基体、2……配向化層、3……酸化物超電導体
層、4……常電導物質層、5、11……超電導部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−318014(JP,A) 特開 平1−132007(JP,A) 特開 平2−183915(JP,A) 特開 昭64−3908(JP,A) 特開 平2−27614(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/02 H01L 39/22 H01L 39/24 H01B 12/00 - 12/16 H01B 13/00 561 - 565

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に超電導転移を示す物質を含む超電
    導導体層が形成された超電導部材において、 前記超電導導体層は、酸化物超電導体の配向化層と、こ
    の配向化層上に形成された酸化物超電導体層と、この酸
    化物超電導体層上に形成された常電導物質層とによる積
    層ユニットを有し、前記積層ユニットが厚さ方向に対し
    て順に複数形成されていることを特徴とする超電導部
    材。
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