JP2808194B2 - Rc誤差検出回路および時定数自動調整回路 - Google Patents

Rc誤差検出回路および時定数自動調整回路

Info

Publication number
JP2808194B2
JP2808194B2 JP10350391A JP10350391A JP2808194B2 JP 2808194 B2 JP2808194 B2 JP 2808194B2 JP 10350391 A JP10350391 A JP 10350391A JP 10350391 A JP10350391 A JP 10350391A JP 2808194 B2 JP2808194 B2 JP 2808194B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
voltage
capacitor
charge
resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10350391A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04347918A (ja
Inventor
直基 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP10350391A priority Critical patent/JP2808194B2/ja
Publication of JPH04347918A publication Critical patent/JPH04347918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2808194B2 publication Critical patent/JP2808194B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Bipolar Integrated Circuits (AREA)
  • Networks Using Active Elements (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,モノリシック集積回
路(以下ICという)の製造プロセスにおいて生じる抵
抗の抵抗値およびキャパシタの容量(これらを単にRお
よびCという)の誤差を検出する回路,および外部から
与えられる電圧によって時定数を変えることのできる回
路においてICプロセスによって生じるRC誤差に基づ
く時定数誤差を上記RC誤差検出回路の検出出力を用い
て自動的に調整する回路に関する。
【0002】
【従来の技術】ICにおいては抵抗は不純物の拡散(拡
散抵抗)等により形成され,キャパシタは基板上に薄い
酸化膜を形成しその上にメタル電極を付ける等の技術に
より作成される。拡散等のばらつき,酸化膜厚等のばら
つき等により,半導体ウエハごとにR,Cのばらつき等
が生じる。
【0003】抵抗およびキャパシタをもつ時定数回路
(たとえばフィルタ回路や遅延回路)ではR,Cの製造
誤差(これらをΔR,ΔCとする)に起因して±[(Δ
R)2 +(ΔC)2 1/2 の誤差が生じる。
【0004】この時定数の誤差を補正するために,外部
電圧によって時定数を制御できる時定数可変回路が使用
されている。図1に示すように,この時定数可変回路50
では,ボリューム等の可変抵抗59を用いて工場出荷時等
において外部から与える電圧を調整することにより時定
数を調整していた。
【0005】図2は時定数可変回路の一例としてアクテ
ィブ・フィルタを示すものである。
【0006】このアクティブ・フィルタは伝達コンダク
タンスgm1,gm2をそれぞれ有する演算増幅器51,52,
伝達コンダクタンスgm1,gm2とともに時定数(カット
オフ周波数)を決定するためのコンデンサ(キャパシ
タ)C1 ,C2 ,時定数を調整するための可変ゲイン増
幅器GCA1,GCA2(以下単にGCA1,GCA2
という),およびバッファ回路53,54を含んでおり,I
Cプロセスにより作製されている。GCA1およびGC
A2のゲインKは外付けの可変抵抗59から与えられる電
圧により調整される。
【0007】このアクティブ・フィルタは3つの入力端
子(それらの入力をそれぞれvA ,vB およびvC で示
す)と1つの出力端子(その出力をvO で示す)とを備
えている。出力vO は次式で与えられる。ただしK=1
としている。
【0008】
【数1】 vO =(s2 1 2 C +sC1 m2B +gm1m2A )/ (s2 1 2 +sC1 m2+gm1m2)‥‥式1
【0009】入力vA ,VB およびvC を適当に設定す
ることにより,低域通過フィルタ,高域通過フィルタお
よび帯域通過フィルタ(以下それぞれLPF,HPFお
よびBPFという)を構成することができる。
【0010】たとえば,HPFは入力vA とvB の端子
を接地することにより構成される。vC が入力となる。
A =vB =0とすると式1から次式が得られる。
【0011】
【数2】 vO /vC =(C1 2 2 )/(s2 1 2 +sC1 m2+gm1m2) =ω0 2 /[s2 +(ω0 /Q)s+ω0 2 ]‥‥式2
【0012】
【数3】ω0 =(gm1m2/C1 2 1/2 ‥‥式3
【0013】
【数4】Q=(C2 m1/C1 m21/2 ‥‥式4
【0014】また,LPFは入力vB とvC の端子を接
地することにより構成される。vA が入力となる。vB
=vC =0とする式1から次式が得られる。
【0015】
【数5】 vO /vA =(gm1m2)/(s2 1 2 +sC1 m2+gm1m2) =ω0 2 /[s2 +(ω0 /Q)s+ω0 2 ]‥‥式5
【0016】
【数6】ω0 =(gm1m2/C1 2 1/2 ‥‥式6
【0017】
【数7】Q=(C2 m1/C1 m21/2 ‥‥式7
【0018】ここでω0 はカットオフ角周波数,Qは尖
鋭度である。
【0019】各定数gm1,gm2,C1 ,C2 の設定によ
り任意の周波数特性をもつフィルタが得られることにな
る。一例として,バターワース型フィルタはQ=(1/
2)1/2 として各定数を決定することにより得られる。
【0020】しかしながらR(すなわちgm1,gm2),
Cにプロセスばらつきがあると所望の周波数特性が得ら
れないことになる。
【0021】そこで,演算増幅器51,52の出力電流をG
CA1,GCA2によってそれぞれ調整することによ
り,実質的に伝達コンダクタンスgm1,gm2を変化させ
てプロセスばらつきに基づく誤差を補正している。
【0022】GCA1,GCA2のゲインKによって補
正された伝達コンダクタンスはそれぞれ,g1 =K
m1,g2 =Kgm2となる。
【0023】したがって,式3または式6は次のように
修正される。
【0024】
【数8】 ω0 =(g1 2 /C1 2 1/2 =(Kgm1Kgm2/C1 2 1/2 =K(gm1m2/C1 2 1/2 ‥‥式8
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の時
定数可変回路では,その製造または出荷段階で外部設定
電圧を所望の時定数が得られるように適切な値に変更す
る調整工程が必要であり,コストアップにつながってい
た。また,ICプロセスにおいて殆ど不可避的に生じる
RCのばらつきのために外部設定電圧と時定数との関係
が一律でなくなりこのICが使いづらいという問題があ
る。これは特に,外部設定電圧により時定数の誤差を修
正するのみならず,外部設定電圧により時定数(周波数
特性)そのものを所望の値に設定して使用するICにお
いて重要な問題となっている。
【0026】この発明は,ICプロセスにおいて生じる
RC誤差を検出する回路を提供することを目的とする。
【0027】この発明はまた,時定数可変回路におい
て,RC誤差に基づく時定数誤差をRC誤差検出回路の
検出出力を用いて自動的に調整する回路を提供すること
を目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】この発明によるRC誤差
検出回路は,第1の充放電回路の抵抗とコンデンサがR
C誤差を検出すべきIC内に形成され,第2の充放電回
路の抵抗とコンデンサが上記ICの外部に設けられた2
つの充放電回路,および上記2つの充放電回路のRC時
定数の差によって生じる充放電電圧の差電圧を検出する
回路を備えている。
【0029】この発明によるRC誤差検出回路は,第1
の抵抗を含む第1の定電流源と,この第1の定電流源か
ら出力される電流によって充電される第1のコンデンサ
と,この第1のコンデンサの充放電を所定周期で繰返す
よう制御する第1のスイッチング回路とからなる第1の
充放電回路,第2の抵抗を有する第2の定電流源を含
み,所定の基準電圧と入力電圧との差を表わす電流を出
力する第1の差動回路と,この第1の差動回路から出力
される電流によって充電される第2のコンデンサと,こ
の第2のコンデンサの充放電を上記所定周期で上記第1
のスイッチング回路と同期して繰返すよう制御する第2
のスイッチング回路とからなる第2の充放電回路,上記
2つの充放電回路の充放電電圧の差電圧を出力し,上記
第2の充放電回路における上記第1の差動回路の上記入
力電圧としてフィードバックする第2の差動回路,およ
び上記第2の差動回路の出力差電圧を保持するホールド
・コンデンサを備え,上記第1の抵抗と第1のコンデン
サとの対か,上記第2の抵抗と第2のコンデンサの対か
のいずれか一方が,RC誤差を検出すべきIC内に形成
され,他方が上記ICの外部に設けられているものであ
る。
【0030】この発明による時定数自動調整回路は,与
えられる制御電圧により時定数が可変制御される時定数
可変回路に適用される。
【0031】この時定数可変回路とRC誤差検出回路と
が1つの半導体基板に設けられている。上記RC誤差検
出回路は,2つの充放電回路と,これらの2つの充放電
回路のRC時定数の差によって生じる充放電電圧の差電
圧を表わす補正電圧を出力する差動回路とを備えてい
る。上記2つの充放電回路のいずれか一方の抵抗とコン
デンサが上記半導体基板内に形成され,他方の充放電回
路の抵抗とコンデンサが上記半導体基板の外部に設けら
れている。そして,上記補正電圧が制御回路を介して制
御電圧として上記時定数可変回路に与えられる。
【0032】上記時定数可変回路の例としては,フィル
タ回路,遅延回路等がある。
【0033】上記時定数可変回路が周波数可変アクティ
ブ・フィルタの場合には,フィルタのカットオフ周波数
を規定する設定電圧と上記補正電圧とを入力とし,これ
ら2種類の電圧に応じた制御電圧を出力して上記周波数
可変アクティブ・フィルタに与える制御回路を設けるこ
とが好ましい。
【0034】
【作用】この発明によるRC誤差検出回路においては,
第1および第2の充放電回路のいずれか一方における抵
抗とコンデンサがRC誤差を検出するIC内に形成され
ているから,そのRC時定数はICの製造プロセスにお
いて生じるR誤差およびC誤差を反映している。他方の
充放電回路の抵抗とコンデンサはICの外部に設けられ
ているからICプロセスの影響を受けない。このように
して,上記2つの充放電回路の充放電電圧の差がRC誤
差を表わしていることになる。
【0035】この発明による時定数自動調整回路は与え
られる制御電圧により時定数が可変制御される時定数可
変回路に適用される。この発明は,1つの半導体ウエハ
に形成される複数の抵抗のRのばらつきの方向は同方向
でありかつその大きさも同程度であること,同じように
1つの半導体ウエハに形成される複数のキャパシタ(コ
ンデンサ)の容量のばらつきの方向は同方向でありかつ
その大きさも同程度であることを前提としている。した
がって,上記時定数可変回路と同じ半導体基板上に上記
RC誤差検出回路が設けられる。
【0036】上記RC誤差検出回路から出力されるRC
誤差を表わす補正電圧が上記制御回路を介して上記時定
数可変回路にその制御電圧として与えられることによ
り,上記時定数可変回路のRC誤差に基づく時定数誤差
が補償される。
【0037】
【発明の効果】この発明によるRC誤差検出回路による
とICプロセスにおいて生じるRC誤差の方向と大きさ
を表わす補正電圧が得られる。したがって,この補正電
圧は時定数可変回路においてRC誤差に基づいて生じる
時定数誤差を補償するため等に有効に利用できる。
【0038】この発明による時定数自動調整回路による
と,ICプロセスによって生じるRC誤差に基づく時定
数可変回路の時定数誤差が自動的に補償されるので,設
計値または理論値に近い時定数を実現することができ
る。時定数可変回路の時定数調整のための工程が不要と
なるのでその分コストを下げることができる。
【0039】また,所望の時定数を外部から与える電圧
によって設定できる回路においては,RC誤差に基づく
時定数誤差を考慮せずに設定電圧の設定を行なうことが
できるので使い易いものとなる。
【0040】さらにR,Cの温度変化に基づく時定数の
温度変化もR,C誤差に基づく時定数誤差の補償と同時
に補償されるので,周囲温度変化に起因する時定数変化
の少ない回路が実現できる。
【0041】
【実施例】図3はこの発明の実施例を示すものである。
【0042】1つの半導体基板上に作製されたモノリシ
ックIC内に時定数可変回路50とRC誤差検出回路1と
が設けられている。1つの半導体ウエハに形成される複
数の抵抗のばらつきの方向(Rが大きくなるまたは小さ
くなる)とばらつき量はほぼ同じであると考えることが
でき,同じように1つの半導体ウエハに形成される複数
のキャパシタの容量のばらつきの方向とばらつき量はほ
ぼ同じであると考えることができる。RC誤差検出回路
1内には抵抗とキャパシタ(コンデンサ)とが含まれて
おり,そのRC誤差が検出される。この検出されたRC
誤差を表わす検出出力(補正電圧出力)を用いて制御回
路40により時定数可変回路50内のRC誤差が補正され
る。
【0043】RC誤差検出回路1は,2つの充放電回路
10,20と,差動増幅器2と,ホールド・コンデンサCH
とを含んでいる。これらの充放電回路10,20にはそれぞ
れ抵抗とコンデンサが含まれている。2つの充放電回路
10,20のうちのいずれか一方の充放電回路に含まれる抵
抗とコンデンサがIC内に形成され,他方の充放電回路
に含まれる抵抗とコンデンサがICの外部に設けられて
いる。この実施例では,後に詳述するように,充放電回
路10の抵抗RA とコンデンサCA が他の回路構成要素と
ともにIC内にICプロセスにより形成されており,充
放電回路20の抵抗RB とコンデンサCB がICの外部に
設けられ,外付けによりICに接続されている。もちろ
ん,充放電回路10の抵抗RA とコンデンサCA を外付け
とし,充放電回路20の抵抗RB とコンデンサCB をIC
内に形成してもよい。
【0044】充放電回路10は,リセット電源13(電源電
圧=VR ),コンデンサCA ,コンデンサCA に充電す
るための電流を供給する定電流源12およびコンデンサC
A の充放電を制御するスイッチング素子11から構成され
ている。
【0045】定電流源12の一例が図4に示されている。
この定電流源12はトランジスタ14,15と,これらのトラ
ンジスタ14,15の負荷抵抗およびバイアス抵抗を兼ねる
抵抗RR ,RA と,電流ミラー16とから構成されてい
る。2つの抵抗RR とトランジスタ14によってトランジ
スタ15のエミッタ電位がVCC/2に定められる。VCC
電源電圧である。したがって,トランジスタ15にはVCC
/2RA の電流が流れ,この電流が電流ミラー16から出
力されることになる。定電流源12の出力電流IA は,
【数9】IA =VCC/2RA ‥‥式9 で与えられる。定電流源12で使用されるトランジスタの
タイプ(pnpとnpn)を交換することにより出力電
流の方向が逆になるのはいうまでもない。
【0046】この充放電回路10の充放電タイミングおよ
び充放電電圧波形が図7に示されている。
【0047】クロック・パルスCLKによってスイッチ
ング素子11がオンとされる。これによりコンデンサCA
に蓄えられていた負の電荷が急速に放電され,コンデン
サCA の端子電圧VA はリセット電圧電源13のリセット
電圧VR になる。
【0048】クロック・パルスCLKが立下がってスイ
ッチング素子11がオフとなると,電流源12から出力され
る電流IA がコンデンサCA に流入し,コンデンサCA
が負に充電される。これによってコンデンサCA の端子
電圧VA は下降していく。
【0049】次のクロック・パルスCLKの入力によっ
てスイッチング素子11がオンとなると,コンデンサCA
が放電され,コンデンサCA の端子電圧VA はリセット
電圧VR に戻る。上記の動作がクロック・パルスCLK
の周期で繰返されていく。コンデンサCAの端子電圧V
A は差動増幅器2の正入力端子に与えられる。
【0050】充放電回路20は,リセット電源23(電源電
圧VR),コンデンサCB ,コンデンサCB に充電する
ための電流源22およびコンデンサCB の充放電を制御す
るためのスイッチング素子21から構成されている。コン
デンサCB はICの外部に設けられている。スイッチン
グ素子21はスイッチング素子11を制御するものと同じク
ロック・パルスCLKによりオン,オフ制御される。充
放電回路20の充放電動作は充放電回路10の充放電動作と
基本的に同じであり,コンデンサCB の端子電圧VB
変化の様子が図7に示されている。
【0051】コンデンサCB の端子電圧VB が差動増幅
器2の負入力端子に与えられる。差動増幅器2の出力電
圧VO はコンデンサCH にホールドされるとともに,充
放電回路20の電流源22にフィードバックされる。これに
より,2つの充放電回路10と20の出力電圧VA とVB
差が零になるような電圧VO が得られることになる。
【0052】電流源22の構成例が図5に示されている。
この電流源22は2つの同じ値の電流Ib を発生する定電
流源30と,これらの電流Ib によって駆動される差動回
路と,電流ミラー33とから構成されている。差動回路
は,一方の電流Ib が流入するトランジスタ31と,他方
の電流Ib が流入するトランジスタ32と,これらのトラ
ンジスタ31と32のエミッタ間に接続された抵抗RC とか
ら構成されている。一方のトランジスタ31のベースに基
準電圧VC が印加され,他方のトランジスタ32のベース
に差動増幅器2の出力電圧VO が印加される。抵抗RC
にはこれらの電圧の差,
【数10】ΔV=VC −VO ‥‥式10 に応じた電流ΔV/RC が流れる。
【0053】電流ミラー33は,トランジスタ31に接続さ
れた一方のトランジスタ33aと他方のトランジスタ33b
とから構成されている。トランジスタ33aに流れる電流
はIb −ΔV/RC となるので,電流ミラー33の出力電
流IB もこれに等しい値の電流となる。
【0054】
【数11】IB =Ib −ΔV/RC ‥‥式11
【0055】定電流源30の構成例が図6に示されてい
る。この定電流源30は基本的には図4に示す定電流源12
と同じ構成であり,2つのバイアス抵抗RR と,2つの
トランジスタ24,25と,出力電流値を定める抵抗R
B と,2出力電流ミラー26とから構成されている。抵抗
B はICの外部に設けられている。2出力電流ミラー
26は2つの同じ値の電流を出力するためである。この定
電流源30の出力電流Ib は次式で与えられる。
【0056】
【数12】Ib =VCC/2RB ‥‥式12
【0057】上述のように,充放電回路10における抵抗
A とコンデンサCA はIC内にICプロセスにより作
製されている。充放電回路20における抵抗RB とコンデ
ンサCB は外付けであり,ICプロセスの影響を受けな
い。したがって,抵抗RB とコンデンサCB とを基準と
した場合に,ICプロセスにより生じる抵抗RA とコン
デンサCA におけるR,C誤差は,これらの充放電回路
10と20における時定数の差として現われ,それは図7に
示すようにコンデンサCA とCB の端子電圧VA とVB
の差として現われる。
【0058】抵抗RA とコンデンサCA においてICプ
ロセスによる生じるR,C誤差を次に定量的に説明す
る。
【0059】クロック・パルスCLKの一周期内におい
て,充放電回路10,20におけるコンデンサCA ,CB
端子電圧VA ,VB の時間変化は次式で表わされる。t
は時間を表わす。
【0060】
【数13】VA =VR −(IA /CA )t‥‥式13
【0061】
【数14】VB =VR −(IB /CB )t‥‥式14
【0062】また,差動増幅器2の伝達コンダクタンス
をgとした場合に,この差動増幅器2の出力電圧VO
次式で与えられる。
【0063】
【数15】 VO =[g(VA −VB )/CH ]t‥‥式15
【0064】式15に式13および式14を代入し,さらに式
13,14のIA ,IB の値として式9,式11および12を用
いると次のようになる。
【0065】
【数16】 VO =gVCC[(1/2RB B H )−(1/2RA A H )]t2 −gΔV(1/RC B H )t2 ‥‥式16
【0066】式16に式10を代入し,ΔVについて導くと
次式が得られる。
【0067】
【数17】 ΔV=VC /{1−[g/(CH B C )]t2 } −(gVCC/2CH )[(1/CB B )−(1/CA A )]t2 / [1−(g/CH B C )t2 ]‥‥式17
【0068】tを∞とすると,最終的には
【数18】 ΔV=(VCC/2)[(RC /RB )−CB C /CA A )]‥‥式18 となる。
【0069】RB ,CB を基準として,
【数19】RB =RO ‥‥式19
【数20】CB =CO ‥‥式20 と置く。IC製造プロセスにおいて生じるR,C誤差を
それぞれα,βとすると,RA ,CA は次式で与えられ
る。
【0070】
【数21】RA =αRO ‥‥式21
【0071】
【数22】CA =βRO ‥‥式22
【0072】式19〜式22を用いると,式18は次のように
なる。
【0073】
【数23】 ΔV=(VCC/2)(RC /RO )[1−(1/αβ)]‥‥式23
【0074】式23から電圧ΔVにICプロセスにおいて
生じるR,C誤差が含まれ,この誤差が検出できること
が理解できよう。
【0075】図3において,差動増幅器3においてΔV
=VC −VO の演算が行なわれ,補正電圧ΔVが出力さ
れる。ここで差動増幅器3のゲインを1に設定してい
る。
【0076】時定数可変回路50の時定数をτm ,この時
定数τm を規定する抵抗成分,容量成分をそれぞれ
m ,Cm とする。
【0077】
【数24】τm =1/Rm m ‥‥式24
【0078】このRm ,Cm にもIC製造プロセスによ
る誤差が含まれており,その誤差は誤差検出回路1に含
まれる抵抗RA およびCA の誤差α,βと等しいと考え
ることができる。したがって,時定数可変回路50におけ
る時定数の理論値をτ0 ,抵抗成分,容量成分の理論値
をそれぞれRm0,Cm0とすると,次式が成立つ。
【0079】
【数25】 τm =1/Rm m =1/αRm0βCm0=(1/αβ)(1/Rm0m0) =(1/αβ)τ0 ‥‥式25
【0080】一方,補正電圧ΔVは制御回路40によって
ゲインGC倍されて時定数可変回路50に与えられる。時
定数可変回路50の時定数τm は制御回路40から与えられ
る電圧によって次式にしたがって変化するものとする。
【0081】
【数26】τm =τ0 (1+GC ΔV)‥‥式26
【0082】式25および式26により,
【数27】 ΔV=(1/GC )[(1/αβ)−1]‥‥式27 が得られる。
【0083】式23と式27からα,βを消去すれば次式が
得られる。
【0084】
【数28】 GC =−1/[(VCC/2)(RC /R0)]‥‥式28
【0085】ゲインGを式28を満足するように定めるこ
とにより,時定数可変回路50における時定数が自動的に
理論値に等しくなるように調整されることが理解されよ
う。
【0086】図8および図9はそれぞれ充放電回路10お
よび20の具体的構成例を示すものである。
【0087】これらの図において,スイッチング素子1
1,21はトランジスタによってそれぞれ実現されてい
る。また,リセット電圧VR は電源電圧VCCに設定され
ている。電流源12および30はそれぞれ図4および図6に
示すものが用いられる。
【0088】クロック・パルスCLKとして図10に示す
ように,LレベルがVR1でHレベルがVR2のパルスがト
ランジスタ11,21にそれぞれ入力し,これらのトランジ
スタが制御される。コンデンサCA ,CB はそれぞれ電
圧VR2−VBEとVR1−VBEの間で充放電を繰返すことに
なる。ここでVBEはスイッチング・トランジスタ11,12
のベース/エミッタ間電圧である。このような構成にす
ることにより,たとえば画像処理装置で用いられるクラ
ンプ・パルス(その周期は1水平走査期間1Hに等し
い)のような周期の長いパルスをクロック・パルスとし
て用いれば図7または図10に示すような充放電波形を得
ることができる。すなわち,トランジスタ11,21は電圧
R1を下限電位とするリミッタを兼ねている。
【0089】図11はこの発明によるRC誤差検出回路お
よび時定数自動調整回路を周波数可変型アクティブ・フ
ィルタに適用した実施例を示すものである。この図にお
いて,図2および図3に示すものと同一物には同一符号
を付し説明を省略する。また,図7または図10に示す波
形図がそのままあてはまる。
【0090】アクティブ・フィルタは上述のように3つ
の入力端子(vA ,vB ,vC )を適当に設定すること
によりHPF,LPFおよびBPFを構成することがで
きる。この実施例の周波数可変型アクティブ・フィルタ
は,これらのフィルタにおけるカットオフ周波数を外部
から与える設定電圧VS によって任意に設定することが
できる。
【0091】すなわち,制御回路40は,周波数可変型ア
クティブ・フィルタのカットオフ周波数を設定周波数に
一致するように制御するとともに,ICプロセスにより
生じるRC誤差によるカットオフ周波数のばらつきを補
償する働きをする。
【0092】IC回路の外部に可変抵抗43が設けられ,
この可変抵抗43によって設定電圧VS が設定される。設
定電圧VS は差動増幅器41の正入力端子に与えられる。
差動増幅器41の負入力端子には基準電圧ER が与えられ
ている。差動増幅器41から差電圧VS −ER に比例した
電圧が出力され,差動増幅器42の正入力端子に与えられ
る。
【0093】差動増幅器42の負入力端子にはRC誤差検
出回路1から出力される補正電圧ΔVが与えられてい
る。差動増幅器42は,差動増幅器41の出力電圧と補正電
圧ΔVとの差をゲインGC 倍して出力し,その出力電圧
をGCA1およびGCA2に与える。これにより,式8
にしたがってカットオフ周波数が自動調整される。
【0094】このようにして,ICプロセスにおいて生
じるRCのばらつきにかかわらず,設定した電圧VS
よって規定されるカットオフ周波数をもつフィルタが得
られるので,使い勝手が非常によいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】時定数可変回路における従来の時定数調整方法
を示す回路図である。
【図2】アクティブ・フィルタにおける従来のカットオ
フ周波数調整方法を示す回路図である。
【図3】この発明によるRC誤差検出回路および時定数
自動調整回路の構成を示す回路図である。
【図4】一方の充放電回路における定電流源の具体的構
成例を示す回路図である。
【図5】他方の充放電回路における電流源の具体的構成
例を示す回路図である。
【図6】図5における電流源で用いられる定電流源の具
体的構成を示す回路図である。
【図7】クロック・パルスおよび充放電電圧波形を示す
波形図である。
【図8】一方の充放電回路の具体例を示す回路図であ
る。
【図9】他方の充放電回路の具体例を示す回路図であ
る。
【図10】図8および図9に示す充放電回路におけるク
ロック・パルスおよび充放電電圧波形を示す波形図であ
る。
【図11】この発明を周波数可変型アクティブ・フィル
タに適用した実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 RC誤差検出回路 2,3 差動増幅器 10,20 充放電回路 11,21 スイッチング素子 12,30 定電流源 22 電流源 31,32 差動回路を構成するトランジスタ RA IC内の抵抗 RB 外付けの抵抗 RC 差動回路を構成する抵抗 CA IC内のコンデンサ CB 外付けのコンデンサ CH ホールド・コンデンサ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の充放電回路の抵抗とコンデンサが
    RC誤差を検出すべきIC内に形成され,第2の充放電
    回路の抵抗とコンデンサが上記ICの外部に設けられた
    2つの充放電回路,および上記2つの充放電回路のRC
    時定数の差によって生じる充放電電圧の差電圧を検出す
    る回路,を備えたRC誤差検出回路。
  2. 【請求項2】 第1の抵抗を含む第1の定電流源と,こ
    の第1の定電流源から出力される電流によって充電され
    る第1のコンデンサと,この第1のコンデンサの充放電
    を所定周期で繰返すよう制御する第1のスイッチング回
    路とからなる第1の充放電回路,第2の抵抗を有する第
    2の定電流源を含み,所定の基準電圧と入力電圧との差
    を表わす電流を出力する第1の差動回路と,この第1の
    差動回路から出力される電流によって充電される第2の
    コンデンサと,この第2のコンデンサの充放電を上記所
    定周期で上記第1のスイッチング回路と同期して繰返す
    よう制御する第2のスイッチング回路とからなる第2の
    充放電回路,上記2つの充放電回路の充放電電圧の差電
    圧を出力し,上記第2の充放電回路における上記第1の
    差動回路の上記入力電圧としてフィードバックする第2
    の差動回路,および上記第2の差動回路の出力差電圧を
    保持するホールド・コンデンサを備え,上記第1の抵抗
    と第1のコンデンサとの対か,上記第2の抵抗と第2の
    コンデンサの対かのいずれか一方が,RC誤差を検出す
    べきIC内に形成され,他方が上記ICの外部に設けら
    れている,RC誤差検出回路。
  3. 【請求項3】 与えられる制御電圧により時定数が可変
    制御される時定数可変回路と,RC誤差検出回路とが1
    つの半導体基板に設けられており,上記RC誤差検出回
    路は,2つの充放電回路と,これらの2つの充放電回路
    のRC時定数の差によって生じる充放電電圧の差電圧を
    表わす補正電圧を出力する差動回路とを備え,上記2つ
    の充放電回路のいずれか一方の抵抗とコンデンサが上記
    半導体基板内に形成され,他方の充放電回路の抵抗とコ
    ンデンサが上記半導体基板の外部に設けられており,上
    記補正電圧が制御回路を介して制御電圧として上記時定
    数可変回路に与えられる時定数自動調整回路。
  4. 【請求項4】 上記時定数可変回路が周波数可変アクテ
    ィブ・フィルタであり,上記制御回路が,フィルタのカ
    ットオフ周波数を規定する設定電圧と上記補正電圧とを
    入力とし,これら2種類の電圧に応じた制御電圧を出力
    して上記周波数可変アクティブ・フィルタに与えるもの
    である,請求項3に記載の時定数自動調整回路。
JP10350391A 1991-04-10 1991-04-10 Rc誤差検出回路および時定数自動調整回路 Expired - Lifetime JP2808194B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10350391A JP2808194B2 (ja) 1991-04-10 1991-04-10 Rc誤差検出回路および時定数自動調整回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10350391A JP2808194B2 (ja) 1991-04-10 1991-04-10 Rc誤差検出回路および時定数自動調整回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04347918A JPH04347918A (ja) 1992-12-03
JP2808194B2 true JP2808194B2 (ja) 1998-10-08

Family

ID=14355786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10350391A Expired - Lifetime JP2808194B2 (ja) 1991-04-10 1991-04-10 Rc誤差検出回路および時定数自動調整回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2808194B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5665571B2 (ja) * 2011-01-28 2015-02-04 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体集積回路およびその動作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04347918A (ja) 1992-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2808194B2 (ja) Rc誤差検出回路および時定数自動調整回路
JP2774881B2 (ja) ガンマ補正回路
JP2808195B2 (ja) 時定数自動調整回路
JPS62292076A (ja) 周期信号の基準レベル調整回路
JP2882896B2 (ja) 時定数自動調整回路
JPH056444A (ja) 絶対値検出用信号処理回路装置
JPH0588563B2 (ja)
JP2732323B2 (ja) R誤差検出回路および時定数自動調整回路
JP2740211B2 (ja) 映像信号補正回路
JP3001429B2 (ja) フィルタ回路
JPH0918745A (ja) 映像信号クランプ回路
JPH0575387A (ja) 可変遅延回路
JPH07321602A (ja) 時定数自動調整回路
JP2584368B2 (ja) クランプ回路
JP2571406Y2 (ja) 利得調整装置
JP2002100962A (ja) 周波数特性調整回路
JPH0514767A (ja) クランプ回路
JP2805753B2 (ja) 集積化能動フィルタ
JP3138176B2 (ja) 液晶表示装置
JP2783301B2 (ja) アクティブ・フィルタ回路
JP2003102183A (ja) 圧電素子制御装置
JP2856120B2 (ja) 差動増幅回路
JP2915620B2 (ja) ガンマ補正回路
JPH06252695A (ja) フィルタ自動調整回路および基準電流発生回路
JP2752019B2 (ja) 液晶表示装置用ガンマ補正回路

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080731

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080731

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090731

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090731

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100731

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110731

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110731

Year of fee payment: 13