JP2808115B2 - 塗料用樹脂 - Google Patents

塗料用樹脂

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JP2808115B2 JP63080440A JP8044088A JP2808115B2 JP 2808115 B2 JP2808115 B2 JP 2808115B2 JP 63080440 A JP63080440 A JP 63080440A JP 8044088 A JP8044088 A JP 8044088A JP 2808115 B2 JP2808115 B2 JP 2808115B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用な塗料用樹脂に関し、さらに
詳細には、主鎖にアゾ結合を有する特定の化合物の存在
下に重合性不飽和単量体を重合させて得られ、一液ラッ
カー用として、建材や各種プラスチックスなどの広範な
分野に利用できるブロック共重合体状塗料用樹脂に関す
る。
〔従来の技術〕
アクリル樹脂とポリウレタン樹脂またはポリエステル
樹脂とは相溶性が全くない処から、これらの樹脂のポリ
マーブレンドによって得られるものは光沢不良と極端に
悪い貯蔵安定性とを示す。
そこで、ポリマー中に該ポリマーとは相溶性のない全
く異なるタイプの成分を導入しようとする試みも、いろ
いろと為されている。たとえば、末端水酸基含有ポリウ
レタンジオールまたは末端水酸基含有ポリエステルジオ
ールに、無水マレイン酸などを付加して重合性不飽和結
合を導入せしめ、次いでこれにアクリル単量体などの重
合性不飽和単量体を共重合せしめることによってグラフ
ト共重合体を得るという方法である。
しかしながら、この方法によっては、ポリマー主鎖に
ウレタン結合またはエステル結合を導入することができ
ないために、大きな性能の改善は全く出来ないことであ
る。
また、アゾビスシアノペンタノールのような末端水酸
基含有アゾ開始剤を用いてアクリル単量体を重合せし
め、次いでかくして得られる末端位に水酸基の導入され
たアクリル樹脂をジイソシアネート化合物では高分子量
化するという方法もあるが、このような方法に従った場
合には、該開始剤の溶剤への溶解性の不足という欠点も
あるし、あるいは該開始剤の効率いかんによっては、必
ずしも末端位に官能基が導入されるという確率が低いと
いう難点もあるのが現実である。
さらに、こうした樹脂の改質とは別に、高分子量ポリ
ウレタン樹脂または高分子量ポリエステル樹脂は特に、
塗料分野に使用された場合には、良好な物性こそ示すも
のの、高分子量物であるためと水結合力が高いというた
めに、溶剤への溶解性が不十分であり、したがって塗料
作業性などに劣るという欠点を有している。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来型技術に従う限りは、どうしても、
伸び、抗張力および低温屈曲性などの機械的物性にも優
れるし、しかも、硬度、付着性、耐候性ならびに光沢な
どの塗膜諸性能にも優れるという、換言をすれば、これ
らの諸物性ないしは諸性能のバランスが非常に良くとれ
た、極めて実用性の高い塗料用樹脂を得るということ
は、頗る、困難であった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一に
かかって、とりわけ、こうした諸々の物性ないしは性能
のバランスが非常に良くとれた、極めて実用性の高い塗
料用樹脂を提供することにある。
そこで、本発明者らは、上述したような業界の実状に
鑑み、そして、上述したような発明が解決しようとする
課題に照準を合わせて、まずは、「高分子論文集」第33
巻、第3号、第131〜140頁(1976年発行)などに記述さ
れているような、高分子アゾ開始剤の合成法法を応用し
て、特定の分子量を有するポリウレタン型高分子アゾ開
始剤およびポリエステルポリウレタン型高分子アゾ開始
剤を合成し、次いで、斯かる高分子アゾ開始剤の存在下
に、アクリル系単量体を重合させることによって得られ
る、いわゆるポリウレタン−アクリル・ブロック共重合
体や、ポリエステルポリウレタン−アクリル・ブロック
共重合体などが、前述した如き従来方法によって得られ
るグラフト共重合体であるとか、ランダム共重合体のポ
リマー・ブレンド共重合体などに比して、硬度、伸び、
乾燥性、耐汚染性ならびに付着性などの面で以て、非常
に良くバランスのとれた、塗料用の樹脂であることを見
出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、基本的には、次のような一般式 〔ただし、式中のR1はアルキレン基またはシアノ基を含
むアルキレン基を、R2は末端水酸基含有ポリウレタンジ
オール残基または末端水酸基含有ポリエステルポリウレ
タンジオール残基を表わすものとし、また、nは1〜20
なる整数であるものとする。〕 で示される構造単位を有し、しかも、一分子中に少なく
とも1個のアゾ基を有する、数平均分子量が1,500〜40,
000なる化合物の2〜95重量%の存在下に、重合性不飽
和単量体の5〜98重量%を重合せしめて得られる、特定
のブロック共重合体状の塗料用樹脂を提供しようとする
ものであり、具体的には、上記した、一分子中に少なく
とも1個のアゾ基を有する、数平均分子量が1,500〜40,
000なる化合物として、特に、アゾ基を有する酸クロラ
イドと、水酸基含有ポリウレタンジオールまたは水酸基
含有ポリエステルポリウレタンジオールとを反応せしめ
て得られるものを用いることから成る、特定のブロック
共重合体状の塗料用樹脂を提供しようとするものであ
る。
ここにおいて、上記した一分子中に少なくとも1個の
アゾ結合(−N=N−)を有する、数平均分子量が1,50
0〜40,000なる化合物は、前掲の一般式〔I〕で示され
る、いわゆる高分子アゾ開始剤の一種であるが、当該化
合物とは、たとえば、前掲の「高分子論文集」にも記述
されている通り、酸基末端ジアゾ化合物をチオニルクロ
ライドによって酸クロライド化せしめたのち、これに水
酸基を含有する化合物を反応せしめて得られるようなも
のを指称するものである。
前掲の一般式〔I〕中におけるR1は、たとえば、4,
4′−アゾビスシアノプロピオン酸または4,4′−アゾビ
スシアノペンタン酸などのような、いわゆるカルボン酸
基末端アゾ化合物(末端カルボキシル基含有アゾ化合
物)に由来する基であって、とりわけ、分岐状(分枝
状)ないしは直鎖状のC1〜C12なるアルキレン基、また
はシアノ基を含む分岐状(分枝状)ないしは直鎖状のC1
〜C12なるアルキレン基を意味するものであり、したが
って、同式〔I〕中の −R1−N=N−R1 なる基は、当該酸基末端アゾ化合物に由来する、アゾ基
を有する二塩基酸残基を意味するものである。
また、前掲の一般式〔I〕におけるR2は、前述したよ
うに、末端位に水酸基を有するポリウレタン樹脂または
ポリエステルウレタン樹脂なるジオール類、とりわけ、
数平均分子量が500〜10,000、好ましくは、1,000〜8,00
0なる末端水酸基含有ポリウレタンジオールまたは末端
水酸基含有ポリエステルポリウレタンジオールの、それ
ぞれの残基を意味するものであって、本発明の塗料用樹
脂の主鎖である、前記重合性不飽和単量体と共にブロッ
クを形成する部位を表わすものであるが、これらの各ジ
オール類は、たとえば、次のようにして得られるポリマ
ーであり、樹脂である。
まず、末端水酸基含有ポリウレタンジオール、つまり
ウレタン結合を有するポリマーは、たとえば、ジイソシ
アネート化合物とポリオール化合物との重付加によって
得られる。
かかるジイソシアネート化合物としては、特に限定さ
れるものではないが、所望の塗膜性能の面からすれば、
脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート
の使用が望ましい。
そのうちでも代表的なものを挙げれば、イソホロンジ
イソシアネート、メチルシクロヘキン−2,4−もしくは
2,6−ジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロ
ヘキシルイソシアネート)または1,3−ジ(イソシアネ
ートメチル)シクロヘキサンの如き脂環式ジイソシアネ
ート;あるいはテトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジソシアネートまたはトリメチルヘキサンジ
イソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネートなどであ
り、これらは単独でも使用できるし、2種以上を併用す
ることもできる。
他方、上記ポリオール化合物として代表的なものに
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、プロピレングリコールまたはネオペ
ンチルグリコールの如き、各種の二官能ジオール、ある
いはトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
ストリールまたはソルビトールの如き多官能ポリオール
などがあるし、さらには水添ビスフェノールAまたはシ
クロヘキサンジメタノールの如き脂環式ジオールなども
挙げられ、これらは単独使用でも、2種以上の併用でも
よい。
さらに、末端水酸基含有ポリエステルポリウレタンジ
オール、つまり、ウレタン結合と、エステル結合とを併
せ有するポリマーとしては、たとえば、上掲した如き末
端水酸基含有ポリエステルジオールを、前掲した如きジ
イソシアネートなどのポリイソシアネート化合物でウレ
タン化せしめるとか、あるいは予め、前掲した如きポリ
オール化合物をポリイソシアネート化合物でウレタン化
せしめて得られる末端水酸基含有ポリウレタンジオール
をポリオール成分として用い、これに前掲した如き酸成
分化合物を反応せしめるとかして得られるものなどが挙
げられる。
これらの末端水酸基含有ポリウレタンジオールまたは
ポリエステルポリウレタンジオールの分子量としては、
500〜10,000、好ましくは、1,000〜8,000なる範囲内が
適切であることは、既述した通りであるが、500未満の
場合には、どうしても、得られる塗膜が、重合性不飽和
単量体のランダム共重合体の塗膜と大差の無い性能を持
ったものした得られないし、一方、10,000を超えて余り
にも高くなる場合には、どうしても、高分子アゾ開始剤
の開始剤効率が低くなり、ひいては、本発明の目的樹脂
たるブロック共重合体の生成が不十分となり、したがっ
て、充分なる塗膜諸性能を期し得なくなるので、いずれ
の場合も好ましくない。
そして、これらの末端水酸基含有ポリウレタンジオー
ルまたはポリエステルポリウレタンジオールは、いずれ
も、公知慣用の種々の方法によって調製することが出来
る。
すなわち、末端水酸基含有ポリウレタンジオールの場
合には、エステル系、ケトン系またはクロロホルムの如
き、各種の塩素系の有機溶剤中において、あるいは此等
の溶剤と、トルエンまたはキシレンの如き、各種の芳香
族炭化水素系溶剤との混合系において、ポリオール化合
物と、有機錫化合物の如き、各種の触媒との混合物へ、
ジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を滴
下せしめるというような方式などが採用できる。
また、末端水酸基含有ポリエステルポリウレタンジオ
ールの場合には、ケトン系または塩素系の有機溶剤中に
おいて、末端水酸基含有ポリエステルジオールと、有機
錫化合物の如き、各種の触媒との混合物へ、ジイソシア
ネートのポリイソシアネート化合物を滴下せしめるとい
うような方式などが採用できる。
このようにして得られる各ジオール類から前掲の一般
式〔I〕で示されるように、いわゆる高分子アゾ開始剤
を調製するには、たとえば、次のように行なえばよい。
すなわち、まず、これらの各ジオール類をクロロホル
ムまたは二塩化メチレンの如き良溶剤に溶解し、次いで
ここに、予め調製しておいた、ジアゾ結合を有する酸ク
ロライド化合物と、反応により発生する塩化水素キャッ
チするための、トリエチルアミンなどの三級アミン化合
物とを系中に滴下しながら、室温にて反応を進める。
この反応の終了後、副生した四級アンモニウム塩を水
洗し、過除去し、かくして得られる目的化合物を減圧
乾燥せしめればよい。
かくして得られる、一般式〔I〕で示されるような構
造単位を有する化合物の数平均分子量は、当該化合物を
構成している、それぞれ、末端水酸基含有ポリウレタン
ジオールまたは末端水酸基含有ポリエステルポリウレタ
ンジオールそれ自体の分子量に大きく依存するものでは
あるが、2個以上のアゾ基を有し、しかも、数平均分子
量が1,500〜40,000なる範囲内のもの、好ましくは、1,5
00〜20,000なる範囲内のものであれば、重合性不飽和単
量体や有機溶剤への溶解性は、特に問題ないと言い得よ
う。
この分子量が1,500未満の場合には、ジアゾ結合の導
入率が低くなり、その結果、本発明の特徴ある塗膜性能
をもった樹脂を得難くなるし、一方、40,000を超える場
合には、どうしても溶剤への溶解性が劣るようになり、
その結果、均一なブロック重合を行なうことが難しくな
るので、いずれも好ましくない。
他方、かかる高分子アゾ開始剤の存在下において行な
われる重合反応にさいして用いられる前記重合性不飽和
単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルまた
は(メタ)アクリル酸ステアリルの如き各種の(メタ)
アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエンまた
はα−メチルスチレンの如き芳香族ビニル単量体;(メ
タ)アクリルアミドまたはN−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミドの如きアミド基含有ビニル単量体;(メ
タ)アクリロニトリルまたは酢酸ビニルの如き脂肪族ビ
ニルエステル類などが代表的なものである。
また、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルまたは(メタ)アク
リル酸ヒドロキシブチルの如き水酸基含有ビニル単量
体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸またはフマル酸の
如きカルボキシル基含有ビニル単量体;(メタ)アクリ
ル酸グリシジルエステルの如きエポキシ基含有ビニル単
量体;マレイン酸またはフマル酸とC1〜C18なる一価ア
ルコール類とのジエステル類;あるいは、ヘキサフルオ
ロプロピレンまたはテトラフルオロエチレンの如き含ふ
っ素ビニル単量体なども用いることができる。
そして、これらの重合性不飽和単量体の選択には、特
に制限はないけれども、好ましくは、ガラス転移温度が
0℃〜100℃なる範囲内に入るように、適宜、単独使用
または2種以上の併用の形で用いることができる。
当該重合性不飽和単量体に由来するブロック共重合体
部分(以下、アクリル樹脂部分ともいう。)のガラス転
移温度が0℃未満の場合には、十分な乾燥性、耐汚染性
ならびに硬度をもった塗料用樹脂を得ることができなく
なるし、一方、100℃を超えるような場合には、低温に
おける屈曲性の充分なるものを得ることも出来なくなる
ので、いずれも好ましくない。
また、前記した高分子アゾ開始剤の使用量は、本発明
の塗料用樹脂の塗膜諸性能を大きく左右するものであ
り、特に、2重量%未満の場合には、前記した重合性不
飽和単量体の組成を如何に変化させ、如何に工夫を凝ら
しても、充分なる塗膜諸性能を持った塗料用樹脂を得る
ことが困難となって来るし、一方、95重量%を超えて余
りにも多くなる場合には、どうしても、当該高分子アゾ
開始剤を構成している、それぞれ、末端水酸基含有ポリ
ウレタンジオールまたはポリエステルポリウレタンジオ
ールの塗料用溶剤への溶解性を改良することが出来なく
なって来るし、しかも、アゾ基の含有率が高くなり過ぎ
る処となり、ひいては、ブロック共重合体化されたアク
リル樹脂部分の分子量を高めることも出来なくなり、そ
の結果は、乾燥性ならびに低温屈曲性などが極端に低下
することになるが、いずれの場合も好ましくない。
また、当該高分子アゾ開始剤の使用量が95重量%を超
える場合には、専ら、開始剤同志の再カップリング化の
みに走り易く、斯かる再カップリングの状態で、何ら、
重合の開始が果たされなくなり、したがって、アクリル
樹脂成分の全く導入されない、ポリウレタン樹脂または
ポリエステルポリウレタン樹脂が系中に多く存在するこ
ととなって、クリヤーなる塗膜を与えることも出来なく
なるので、やはり、いずれの場合も好ましくない。
本発明の塗料用樹脂を得るに当って行なわれる、高分
子アゾ開始剤の存在下における重合性不飽和単量体の重
合反応は、通常、60〜140℃で6〜20時間程度であっ
て、最も簡便には、溶液ラジカル重合によるのがよい。
かかる重合反応に用いられる溶剤として代表的なもの
には、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキ
サンまたはn−オクタンの如き炭化水素系;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチルまたは酢酸アミルの
如きエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、メチルアミルケトンまたはシクロ
ヘキサノンの如きケトン系;N−メチルピロリドンの如き
含窒素系;あるいはメタノールまたはn−ブタノールの
如きアルコール系などがある。
また、かかる重合反応に用いられるラジカル重合開始
剤として代表的なものには、アゾビスイソブチロニトリ
ルの如きアゾ系;または過酸化ベンゾイルの如き過酸化
物系などがある。
さらに、かかる重合反応にさいしては、必要に応じ
て、分子量調節剤として、ラウリルメルカプタン、オク
チルメルカプタン、2−メルカプトエタノールまたはチ
オグリコール酸オクチルの如き連鎖移動剤を用いること
もできる。
かくして得られる、本発明のブロック共重合体状の塗
料用樹脂たる、それぞれ、ポリウレタン−アクリル・ブ
ロック共重合体またはポリウレタン・ポリエステル−ア
クリル・ブロック共重合体などは、顔料分散性にも優れ
るし、しかも、塗膜物性として、強靭で、かつ、弾力性
に富んだ、極めて実用性の高い塗膜を与えるものである
という処からも、主として、常乾型塗料として、建築内
外装、プラスチック塗装、木材塗装あるいは金属塗装な
どに利用し適用され、硬度、乾燥性、屋外での耐汚染
性、低温屈曲性ならびに付着性などに優れる塗膜を与え
るという極めて実用性の高いものである。
而して、本発明の塗料用樹脂が、こうした画期的な効
果を発現するというものであるために、アクリル樹脂部
分の特徴である、それぞれ、硬度ならびに耐候性など
と、他方、ポリウレタンまたはポリエステルウレタン樹
脂部分の特徴である、それぞれ、顔料分散性ならびに諸
物性などとを必要とする、広範なる分野に利用すること
が出来る。
つまり、主鎖にポリウレタン結合などを有する、本発
明の一液型塗料用樹脂は、ナイロンなどのような、従来
のアクリル樹脂では全く付着しない基材に対しても、強
固なる付着性を示すという処からも、本発明の塗料用樹
脂は、一液ラッカーなどとして利用し適用することが出
来る。
このようなプラスチックスへの付着性のほかに、前述
した硬度と柔軟性とを両立させなければならない分野と
して、低温での伸びと、夏場における耐汚染性とが要求
されるような、JIS K−6910に適合する樹脂としても、
本発明の塗料用樹脂はその効果を発揮するものである。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例、比較例、応用例およ
び比較応用例により具体的に説明することにするが、以
下において部および%は特に断りのない限り、すべて重
量基準であるものとする。
参考例1(ポリウレタン結合含有高分子アゾ開始剤の調
製例) 温度計、撹拌機および還流冷却器を備えた四ツ口フラ
スコに、クロロホルムの280部および3−メチル−ペン
タンジオールの118部を仕込み、撹拌下に70℃に昇温
し、ここにヘキサメチレンジイソシアネートの147部お
よびジ−n−ブチル錫ジラウレートの0.2部を2時間か
けて滴下した。
滴下終了後も、同温度に5時間保持して反応を続けた
処、数平均分子量が3,050なるポリウレタン樹脂溶液が
得られた。
20℃まで降温してから、トリエチルアミンの9.0部を
加え、さらにここへ4,4′−アゾビスシアノペンタン酸
クロライドの28.2部とクロロホルムの62.2部との混合溶
液を冷却しながら、撹拌下に2時間かけて滴下した。
滴下終了後も、同温度に2時間保持して反応を続けて
から、トリエチルアミンの塩酸塩を水洗処理し、過し
て除去せしめ、次いで、乾燥せしめた処、目的とする高
分子アゾ開始剤が得られた。
この開始剤は数平均分子量が15,000で、かつ平均アゾ
結合数が5個なるものであった。以下、これを開始剤
(I−1)と略記する。
参考例2(同上) クロロホルムの420部およびネオペンチルグリコール
の104部を仕込んで、撹拌下に、80度にまで昇温し、こ
こへ、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ノンの182.4部と、ジ−ブチル錫ジラウレートの0.2部と
の混合物を滴下するというように変更した以外は、参考
例1と同様にして、数平均分子量が5,000なるポリウレ
タン樹脂の溶液を得、次いで、トリエチルアミンの6.0
部と、4,4′−アゾビスシアノペンタン酸クロライドの1
9.0部と、クロロホルムの67.7部とからなる混合物とを
用いるというように変更した以外は、また、参考例1と
同様にして、数平均分子量が10,500で、かつ、平均アゾ
基数が4個なる目的物を得た。以下、これを開始剤(I
−2)と略記する。
実施例1 温度計、撹拌機および還流冷却管を備えた反応容器中
に、参考例1で得られた開始剤(I−1)の150部、メ
チルイソブチルケトンの1,000部、スチレンの150部、メ
タクリル酸−n−ブチルの60部およびアクリル酸−2−
エチルヘキシルの210部に仕込んで、85℃に1時間のあ
いだ保持して反応を行ない、次いで、ここへ、開始剤
(I−1)の50部と、スチレンの250部、メタクリル酸
−n−ブチルの100部およびアクリル酸−2−エチルヘ
キシルの30部からなる混合物を、3時間かけて滴下し、
滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持するとい
うことによって、不揮発分が50.2%で、25℃におけるガ
ードナー粘度がZ3で、かつ、数平均分子量が27,000な
る、ポリウレタン−アクリル・ブロック共重合体状樹脂
の溶液を得た。
実施例2 第1表に示すような、それぞれ、重合用溶剤、高分子
アゾ開始剤および重合性不飽和単量体を、所定の割合で
用いるように、しかも、所定の重合温度条件で行なうと
いうように変更した以外は、実施例1と同様にして、目
的とする塗料用樹脂の溶液を得た。
以上の実施例1および2で得られた、それぞれの樹脂
溶液の性状値を、まとめて、第1表に示す。
比較例1 高分子アゾ開始剤(A−1)の代わりに、アゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)の5部とターシャリーブチル
パーオクトエート(TBPO)の2部(その内訳は、初期仕
込み分として3部のAIBNと5部のTBPOとを、滴下分とし
て2部のAIBNと2部のTBPOとをそれぞれ用いる。)とを
用いるように変更し、かつ、メチルイソブチルケトンの
量を800部に変更した以外は、実施例1と同様にして、
対照用の樹脂たるアクリル共重合樹脂の溶液を得た。
比較例2および3 第1表に示されるような重合溶剤、低分子ラジカル重
合開始剤および重合性不飽和単量体を所定の割合で用い
るように、かつ、所定の重合温度で行なうように変更し
た以外は、実施例1と同様にして、対照用の樹脂たるア
クリル共重合樹脂の溶液を得た。なお、比較例2におけ
るAIBN,TBPOおよびジターシャリーブチルパーオキシド
(DTBPO)のそれぞれの内訳は、初期仕込み分として
は、AIBNが3部で、TBPOが8部で、かつDTBPOが1.5部で
あり、滴下分としては、AIBNが2部でTBPOが2部で、か
つDTBPOが0.5部であるし、他方、比較例3における低分
子開始剤の内訳は、初期仕込み分としては、AIBNが1.5
部で、TBPOが6部で、かつDTBPOが1.5部であり、滴下分
としては、AIBNが0.5部で、TBPOが2部で、かつDTBPOが
0.5部である。
応用例1および2ならびに比較応用例1〜3 実施例1および2ならびに比較例1〜3で得られた、
それぞれの樹脂溶液を、第2表に示す通りの配合割合
で、「タイペーク R−820」〔石原産業(株)製の、
ルチル型酸化チタンの商品名〕と、メチルイソブチルケ
トンと共に、ボール・ミルで以て練肉して塗料化せし
め、次いで、かくして得られた、それぞれの塗料塗料
を、3気圧のエア・スプレーにより、スレート板、6,6
−ナイロン板および磨き鋼板上に、各別に、塗装せし
め、しかるのち、50℃で、48時間のあいだ乾燥せしめて
から、室温に、3日間のあいだ放置して、これらの各種
の塗板を、塗膜の諸性能評価判定試験に供した。
各塗装板についての試験は次のような要領で行なった
ものである。
伸び…「テンシロン」〔東洋ボールドウィン(株)製
品〕を用い、20mm/minなる引張り速度で、室温で測定し
たものである。
抗張力…同上 鉛筆硬度…「三菱ユニ」〔三菱鉛筆(株)製品〕を用い
て塗膜に傷が付くまでの硬度を以て表示した。
耐汚染性…試験板を、泥土、カーボンブラック、鉱油お
よびクレーからなる混合物で汚染せしめて24時間放置
し、次いで水洗し、乾布で拭き取って、汚れの残存程度
を観察(目視判定)して、これを「初期の耐汚染性」と
する一方、試験板を「サンシャイン・ウェザロメータ
ー」〔スガ試験機(株)製品〕の中に600時間のあいだ
置いたものについても、上述した通りの操作を繰り返し
て汚染処理を行ない、汚れの残存程度を観察して、これ
を「耐候性試験後の耐汚染性」とした。
低温屈曲性…それぞれの塗料をナイロン板に塗装したの
ち、−30℃の雰囲気中に5時間放置せしめ、次いでこれ
を1インチのマンドレルで屈曲性の試験を行なって、次
のように評価判定した。
塗面にクラックの全く入らないものを「良好」と表示
し、クラックの入ったものを「クラック」と表示した。
付着性…試験板上の塗面にゴバン目(10×10)を入れ、
次いでこれをセロファンテープで剥離せしめるという方
法によった。
耐候性…「Q−UV」(アメリカ国Q−パネル社製品)を
用いて800時間の促進耐候性試験を行なって、この試験
の前後における光沢の保持率(%)を以て表示した。
光沢…村上式60度鏡面反射光沢 顔料分散性…「MA−100」〔三菱化成工業(株)製のカ
ーボンブラック〕をPWCが5%となるように、それぞれ
の樹脂溶液に配合し、次いでサンドミルで練肉せしめ、
カーボンブラックの凝集度を観察(目視判定)した。
そのさい、凝集度の測定は、メチルエチルケトンで10
倍に希釈せしめてから、白紙上に流し塗りしたのち、そ
の度合を判定した。
乾燥性…それぞれの塗料をエアスプレーにより塗装せし
めたのち、その塗面を指で押さえたときに跡が付かなく
なるまでの時間を以て表示した。
ただし、塗装してから24時間経過しても、依然として
跡が付く場合に限り、「タックあり」と表示することに
した。
〔発明の効果〕 第2表に示される結果からも明らかなように、本発明
の塗料用樹脂は、従来のアクリル樹脂に比して、伸び、
抗張力および低温屈曲性などの機械的物性にも、硬度、
付着性、耐汚染性、耐候性および光沢などの塗面性能に
も、顔料分散性にも、ならびに乾燥性にも優れているこ
と、しかも、これらの諸特性のバランスが非常に良くと
れていることが知れる。
フロントページの続き (72)発明者 永井 進 大阪府吹田市藤白台3丁目5番A27― 209号 (72)発明者 上田 明 大阪府高石市西取石7―1―25 (56)参考文献 特開 昭63−178119(JP,A) 特公 昭44−14957(JP,B1) 特公 昭45−31673(JP,B1) 特公 昭47−903(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 293/00 - 297/08 C09D 153/00 - 153/02 C09D 175/00 - 175/16 C08G 71/00 - 71/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔ただし、式中のR1はアルキレン基またはシアノ基を含
    むアルキレン基を、R2は末端水酸基含有ポリウレタンジ
    オール残基または末端水酸基含有ポリエステルポリウレ
    タンジオール残基を表わすものとし、また、nは1〜20
    なる整数であるものとする。〕 で示される構造単位を有し、しかも、一分子中に少なく
    とも1個のアゾ基を有する、数平均分子量が1,500〜40,
    000なる化合物の2〜95重量%の存在下に、重合性不飽
    和単量体の5〜98重量%を重合せしめて得られる塗料用
    樹脂。
  2. 【請求項2】前記した、一分子中に少なくとも1個のア
    ゾ基を有する、数平均分子量が1,500〜40,000なる化合
    物が、アゾ基を有する酸クロライドと、水酸基含有ポリ
    ウレタンジオールまたは水酸基含有ポリエステルポリウ
    レタンジオールとを反応せしめて得られるものである、
    請求項1に記載の塗料用樹脂。
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