JP2807183B2 - 蓄熱式燃焼バーナシステムのNOx抑制方法 - Google Patents

蓄熱式燃焼バーナシステムのNOx抑制方法

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JP2807183B2
JP2807183B2 JP6297285A JP29728594A JP2807183B2 JP 2807183 B2 JP2807183 B2 JP 2807183B2 JP 6297285 A JP6297285 A JP 6297285A JP 29728594 A JP29728594 A JP 29728594A JP 2807183 B2 JP2807183 B2 JP 2807183B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続式加熱炉のように
大形加熱炉の高効率燃焼システムとして好適な蓄熱式燃
焼バーナシステムのNOx抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱炉の燃焼バーナとして、従来より、
レキュペレータを排熱回収装置として燃焼用空気を予熱
する予熱式燃焼バーナシステムが知られているが、この
バーナシステムは、高温時での材質の耐熱衝撃性、及び
低温時の耐食性に問題があるとともに、燃焼用空気の予
熱度は450〜750℃が限界であった。
【0003】それに対して、現在、高い排熱回収率が得
られる蓄熱式燃焼バーナシステムが知られている。この
蓄熱式燃焼バーナは、例えば特開平1−219411号
公報に記載されているように、加熱炉に少なくとも一対
の燃焼バーナが配設され、これら燃焼バーナに燃焼空気
及び加熱炉からの廃ガスを選択的に通過させる燃焼管が
接続され、これら燃焼管の途上にそれぞれ蓄熱体が配設
されており、一方の燃焼バーナを燃焼させているときに
は、この燃焼バーナに対して燃焼空気を蓄熱体を介して
供給することにより燃焼空気を蓄熱体の蓄熱で加熱し、
他方の非燃焼バーナ側では、加熱炉内の廃ガスを蓄熱体
を介して廃ガス吸引装置により一定の吸引量で外部に排
出させるようにし、燃焼バーナの切換が所定時間のサイ
クルで行われることにより、廃ガスの熱量が非燃焼バー
ナ側の蓄熱体に蓄熱されるようになっている。
【0004】しかし、この蓄熱式燃焼バーナシステム
は、高い排熱回収率が得られる反面、予熱される燃焼空
気が1000℃以上と高温になるため、NO(一酸化炭
素)とNO2 (二酸化炭素)を主体とするNOx(窒素
酸化物)の発生率が極めて高いという問題があった。N
Oxは殆どがNOの形で放出され、大気中でNO2 に酸
化される過程でオゾンなどの過酸化物を二次的に生成
し、光化学スモッグの原因になると考えられている。
【0005】蓄熱式燃焼バーナシステムのNOxを抑制
する方法としては、酸素濃度を減少させる方法、燃焼温
度を低下させる方法、さらには炉内温度を低下させる方
法が知られている。図7は、燃焼負荷量(投入熱量)を
一定とし、燃焼容量が2500×103 kcal/Hの一対の
蓄熱式バーナを使用して燃焼量を1750×103 kcal
/Hとした場合の、炉内温度と酸素濃度の変化に対するN
Ox発生率の実験結果を示したものである。この図から
明らかなように、炉内温度の低下若しくは酸素濃度の減
少によってNOxを抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、連続式
加熱炉のような炉容積の大きな大形加熱炉に蓄熱式燃焼
バーナシステムを導入すると、炉容積が大きいために短
時間で炉内温度を低下することができず、また、短時間
での酸素濃度の減少も不可能なので、NOx抑制の制御
応答性が低いという問題がある。
【0007】また、図8は、燃焼容量が2500×10
3 kcal/Hの一対の蓄熱式バーナを使用し、使用燃料をM
26ガス(発熱量2585Kcal/m3 )とし、炉内温度を
一定(1320℃)とした燃焼負荷量とNOx発生率と
の実験結果を示したものである。図8から明らかなよう
に、炉内温度の一定下では、バーナの燃焼負荷量が変化
しても、NOxはさほど減少しないことが判明した。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、連続式加熱炉のように大形加熱炉に導入しても
NOx発生を応答性を高めて抑制制御することが可能な
蓄熱式燃焼バーナシステムのNOx抑制方法を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、NOx発
生メカニズムについて種々検討を加えて実験を繰り返し
た結果、燃焼負荷量の変化によるNOx制御は、蓄熱体
を備えるために時間遅れが発生すること、さらには、従
来システムでは、廃ガス吸引装置によって一定の流量で
廃ガスを吸引しながら蓄熱体で蓄熱が行われているので
NOxが変化しないということを見い出した。これによ
り、廃ガス吸引量を可変とすれば、燃焼負荷の要因とな
る熱風顕熱量(廃ガス顕熱量)を変化させることができ
るとの知見を得た。
【0010】そこで、本発明は、加熱室内に配設した少
なくとも一対のバーナと、各バーナに接続された燃料供
給管及び空気供給兼廃ガス排出管と、前記空気供給兼廃
ガス排出管の途上に介装された蓄熱体と、前記蓄熱体よ
り外部側に介装された廃ガス吸引装置とを備え、各バー
ナを交互に切換燃焼させると共に、前記廃ガス吸引装置
の吸引動作によって非燃焼側バーナから前記加熱室内の
廃ガスを前記蓄熱体に導入して熱交換を行うようにした
蓄熱式バーナシステムにおいて、前記廃ガス吸引装置に
よる非燃焼側の蓄熱体からの廃ガス吸引量を減少させる
ことにより、前記蓄熱体に対する廃ガス顕熱の回収率を
増大させることを特徴とする蓄熱式燃焼バーナシステム
のNOx抑制方法とした。
【0011】
【作用】本発明の蓄熱式燃焼バーナシステムのNOx抑
制方法によれば、切換え燃焼時に、非燃焼側の蓄熱体か
らの廃ガス吸引量を減少させることにより、この蓄熱体
に対する廃ガス顕熱の回収率を増大させる。廃ガス吸引
率の低下が顕熱回収率の増大を上回るため、非燃焼側の
蓄熱体の蓄熱量が減少する。そして、バーナの切換え燃
焼により、燃焼側とされた前記蓄熱体によって燃焼空気
が予熱されるが、蓄熱体の蓄熱量が減少されているので
燃焼空気は高温状態とならず、それにより燃焼側のガス
バーナの燃焼温度が低下するのでNOxの発生が抑制さ
れる。
【0012】そして、炉容積の大きさが問題となる炉内
温度の低下若しくは酸素濃度の減少によるNOx抑制制
御と比較して、本発明のNOx抑制方法は、蓄熱式燃焼
バーナの燃料負荷を低減させることによってNOxを抑
制するから、連続式加熱炉のように大形加熱炉に導入し
ても、応答性を高めてNOx発生の抑制制御を行うこと
が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて
説明する。図1は連続式加熱炉を示す概略構成図であ
る。図中、1は連続して搬送されるスラブを加熱する連
続式加熱炉であって、スラブを左側から搬入し、予熱帯
2、第1加熱帯3、第2加熱帯4及び均熱帯5を順次通
過して加熱され、加熱を終了したスラブが右側から搬出
されて次工程に搬送される。
【0014】第1加熱帯3及び第2加熱帯4には、4台
の蓄熱式バーナ装置6A〜6D及び7A〜7Dが取付け
られ、この蓄熱式バーナ装置6A〜6D、7A〜7Dか
ら排出される廃ガスは廃ガス吸引ファン(IDF)8に
よって吸引されて煙突9から大気に放出される。蓄熱式
バーナ装置6A〜6D及び7A〜7Dの夫々は、図2に
示すように、第1加熱帯3及び第2加熱帯4の左右側壁
に互いに対向して配設された一対のガスバーナ10a,
10bを有する。これらガスバーナ10a,10bの夫
々は、図3に示すように、左右側壁に配設されるバーナ
本体11の中心部に内部にセンターエア管12を配設し
燃料ガス供給口13aから供給される燃焼ガスを噴射す
るガスノズル13が配設され、且つこのガスノズル13
の回りに燃料空気給排口14aに接続された燃焼空気室
14が形成され、この燃焼空気室14にガスノズル13
から噴射される燃料ガスに対して約60°の空気噴射角
で燃焼空気を噴射する空気1次ノズル15が連通されて
いると共に、これらの外側にガスノズル13と平行に燃
焼空気を噴射すると共に、第1加熱帯3又は第2加熱帯
4の加熱廃ガスを吸引する空気2次ノズル16が配設さ
れ、ガスノズル13から噴射される燃料ガスと空気1次
ノズル15から噴射される燃焼空気との合流点近傍にパ
イロットバーナ17a,17bが配設された構成を有す
る。
【0015】そして、ガスバーナ10a,10bの燃料
ガス供給口13aが燃料遮断弁18a,18bを介し、
さらにメイン遮断弁19、流量調節弁20を介して燃料
ガスとしてのMガスを供給するMガス供給源21に接続
されている。また、パイロットバーナ17a,17bも
遮断弁22a,22bを介してMガス供給源21に接続
されている。
【0016】また、ガスバーナ10a,10bの燃焼空
気給排口14aが蓄熱体23a,23bの一端に接続さ
れ、この蓄熱体23a,23bの他端が空気遮断弁24
a,24bを介し、さらに流量調節弁25を介して燃焼
空気を圧送する空気ブロアー26に接続されていると共
に、廃ガス遮断弁27a,27bを介し、さらに廃ガス
流量調節弁28を介して廃ガス吸引ファン8に接続され
ている。
【0017】ここで、蓄熱体23a、23bの夫々は、
気体流通路に沿って例えば直径約20mmのアルミナボ
ールが約1800Kg充填されており、このアルミナボ
ールに第1加熱帯3又は第2加熱帯4から排出される廃
ガスと熱交換されて蓄熱され、この蓄熱が低温の燃料空
気と熱交換される。そして、ガスバーナ10a、10b
の燃焼空気給排口14aと蓄熱体23a、23bとの間
の流路に燃焼空気を検出する例えばPR熱電温度計で構
成される燃焼空気温度センサ30a,30bが配設され
ている。
【0018】そして、燃料遮断弁18a,18b、遮断
弁19、流量調節弁20、空気遮断弁24a,24b、
流量調節弁25、廃ガス遮断弁27a,27b、廃ガス
流量調節弁28が連続式加熱炉1全体を統括するプロセ
スコンピュータ31に接続されたダイレクトディジタル
コントローラ(以下、DDCと称す)32によって制御
される。
【0019】DDC32は、少なくとも燃焼空気温度セ
ンサ30a,30b及び第1加熱帯3及び第2加熱帯4
間の炉温を検出する炉温センサ33a,33bの温度検
出値を読込み、炉温センサ33a,33bの温度検出値
に基づいて燃料ガス流量、燃焼空気流量及び廃ガス流量
を設定し、燃焼空気温度センサ30a,30bの温度検
出値に基づいて燃焼バーナの切換えタイミングを決定
し、これに応じて燃料遮断弁18a,18b、空気遮断
弁24a,24b及び廃ガス遮断弁27a,27bを開
閉制御して、燃焼状態の一方のガスバーナ例えば10a
を燃焼停止させ、非燃焼状態の他方のガスバーナ10b
を燃焼状態に切換える。
【0020】連続式加熱炉1の操業を開始する際には、
DDC32が、所定の初期化処理を行って炉内温度を予
め設定された目標温度TT (例えば1300℃)まで昇
温する昇温処理を、蓄熱式バーナ装置6A〜6D及び7
A〜7Dに対して実行する。蓄熱式バーナ装置6A〜6
D及び7A〜7Dの昇温処理を簡単に説明すると、先ず
パイロットバーナ17a,17bに点火した状態で、一
対のガスバーナ10a,10bの双方の燃料遮断弁18
a,18b、メイン遮断部19を開状態とすると共に、
空気遮断弁24a,24bを開状態、廃ガス遮断弁27
a,27bを閉状態に夫々制御することにより、両ガス
バーナ10a,10bを燃焼状態に制御する。そして、
炉温センサ33a,33bで検出される温度検出値
D1,TD2が共に設定温度TS (例えば燃料ガスの着火
点以上の900℃)に達したときに、予め設定された何
れか一方例えばガスバーナ10bを燃焼停止させて非燃
焼状態に切換えるために、先ず燃料遮断弁18bに対す
る指令信号CSF2をオフ状態として、燃料遮断弁18b
を閉操作し、次いで、燃料遮断弁18bが完全に閉状態
となるまでに要する所定時間(例えば1秒以内)経過し
た後に空気遮断弁24bに対する制御信号CSA2をオフ
状態として、空気遮断弁24bを閉操作し、これと同時
に廃ガス遮断弁27bに対する制御信号CSG2をオン状
態として廃ガス遮断弁27bを開操作する。その後、予
め設定された所定時間tS (例えば60秒以内)が経過
する毎に、燃焼バーナを交互に切換え、炉温センサ33
a,33bで検出される温度検出値TD1,TD2が目標温
度TT に達すると、昇温処理を終了して、定常切換制御
処理を実行する。
【0021】そして、DDC32による蓄熱式バーナ装
置6A〜6D及び7A〜7Dに対する定常切換制御処理
は、一方のガスバーナ10aが燃焼状態にあり、他方の
バスバーナ10bが非燃焼状態にあるものとすると、こ
の状態では、燃焼状態のガスバーナ10aに対しては、
外気から空気ブロア26によって圧送される冷風状態
(例えば20℃)の燃焼空気が流量調節弁25、空気遮
断弁24aを介して蓄熱体23aに供給され、この蓄熱
体23aで蓄熱されたアルミナボールと熱交換されて1
000℃以上に予熱されてガスバーナ10aの燃焼空気
給排口14aに供給され、ガスノズル13から噴射され
る燃料ガスと混合されて燃焼されて、炉内を加熱する。
【0022】これと同時に、他方の非燃焼状態のガスバ
ーナ10bでは、空気一次ノズル15及び空気2次ノズ
ル16が燃焼空気室14、燃焼空気給排口14a、蓄熱
体23b、廃ガス遮断弁27b、廃ガス流量調節弁28
を介して廃ガス吸引ファン8に連通され、この廃ガス吸
引ファン8によって炉内の廃ガスが吸引されて蓄熱体2
3bを通って排出されることにより、蓄熱体23b内の
アルミナボールと熱交換することにより、蓄熱体23b
の蓄熱温度が徐々に上昇される。
【0023】そして、燃焼空気温度センサ30aで検出
される燃焼空気温度が、所定値に達すると、ガスバーナ
10aを非燃焼状態とし、ガスバーナ10bを燃焼状態
に切換える。ここで、DDC32は、上述した昇温処理
及び定常切換制御処理と並行してNOx制御処理を実行
する。
【0024】このNOx制御処理の一例を、図4のフロ
ーチャートを伴って説明すると、この処理は所定時間毎
のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1
で、炉温センサ33a,33bで検出した炉内温度
D1,TD2を読み込む。次いで、ステップS2に移行
し、炉内温度TD1,TD2の平均値TDAV が、予め設定さ
れた上限温度TH に達しているか否かを判定する。この
判定は、非燃焼側の蓄熱体23j(i=b、a)によっ
て燃焼空気が過度に予熱され、燃焼側ガスバーナ10i
(i=a、b)が高温の燃焼温度で燃焼しているか否か
を判定するものであり、TDAV ≧TH であるときには、
燃焼側ガスバーナ10iが高温の燃焼温度で燃焼してい
るものと判断してステップS3に移行し、TDAV <TH
であるときには、燃焼側ガスバーナ10iの燃焼温度が
低温であるものと判断してステップS4に移行する。
【0025】ステップS3では、廃ガス流量調節弁28
を所定開度まで絞る(廃ガス流量が減少)操作を行うた
めの制御信号CSR を出力した後、タイマ割込処理を終
了してメインプログラムに復帰する。また、ステップS
4では、廃ガス流量調節弁28の開度を初期値まで戻す
(廃ガス流量が増加)操作を行うための制御信号CSR
を出力した後、タイマ割込処理を終了してメインプログ
ラムに復帰する。
【0026】この図4のNOx制御処理が、一方のガス
バーナ10aが燃焼状態にあり、他方のガスバーナ10
bが非燃焼状態とされている定常切換制御処理と並行し
て実行されると、ステップS1で、炉温センサ33a,
33bで検出した炉内温度T D1,TD2を読み込んだ後、
ステップS2に移行し、炉内温度TD1,TD2の平均値T
DAV が、予め設定された上限温度TH に達しているか否
かを判定する。そして、TDAV ≧TH であるときには、
燃焼側ガスバーナ10aが高温の燃焼温度で燃焼してい
るものと判断し、ステップS3に移行して制御信号CS
R の出力により、廃ガス流量調節弁28が所定開度まで
絞られる。この廃ガス流量調節弁28の開度が絞られた
ことによって、非燃焼側の蓄熱体23bから吸引される
廃ガス吸引量が減少する。
【0027】一方、ステップS2においてTDAV <TH
であるときには、燃焼側ガスバーナ10aが高温の燃焼
温度で燃焼していないものと判断し、ステップS4に移
行して制御信号CSR の出力により、廃ガス流量調節弁
28が初期値の開度まで戻され、非燃焼側の蓄熱体23
bから吸引される廃ガス吸引量が元に戻される。そし
て、ガスバーナ10aが非燃焼状態とされ、ガスバーナ
10bが燃焼状態として切換えられると、上記NOx制
御処理は、非燃焼側の蓄熱体23aに対してガス吸引量
の調整が行われる。
【0028】次に、前記NOx制御処理を実行した連続
式加熱炉1について、図5及び図6の実験結果と、図7
を参照して説明する。図5は、M26ガスを燃料とし、
燃焼量を1750×103 kcal/Hとし、酸素濃度を1%
に設定し、蓄熱式バーナの切換えサイクル時間を120
秒とした場合の廃ガス吸引量(%)の変更による排熱回
収率(%)変化についての結果であり、図6は、排熱回
収率(%)の変化と炉内温度についての結果である。こ
こで、排熱回収率(%)は、廃ガス吸引ファン8によっ
て吸引される廃ガス顕熱の回収割合を示すものである。
【0029】そして、実験では上限温度TH を1320
℃とするとともに、炉内温度が上限温度TH を下回って
いる際に、非燃料側の蓄熱体23bの廃ガス吸引量(ス
テップS4の状態)を80%としている。そして、炉内
温度が前記上限温度TH に達した際に、蓄熱体23bの
廃ガス吸引量を60%に減少変更させると(ステップS
3の状態)、図5の結果から、蓄熱体23bの排熱回収
率が84. 8%から88.6%まで増大していくことが
わかる。この排熱回収率の増大によって蓄熱体23bに
対する廃ガス顕熱の回収量が増大する以上に吸引量の減
少が大きいので、蓄熱体23bの蓄熱量は減少してい
く。
【0030】そして、一方のガスバーナ10aが非燃焼
状態とされ、他方のガスバーナ10bが燃焼状態とされ
て切換えられると、燃焼側ガスバーナ10bに供給され
る燃焼空気が、蓄熱体23bとの熱交換により予熱され
ていくが、蓄熱体23bの蓄熱量が減少しているの燃焼
空気温度は高温とならず、燃焼側ガスバーナ10bの燃
焼温度は低下する。なお、燃焼温度は、燃焼温度=炉内
温度/排熱回収率で求められる。
【0031】そして、廃ガス吸引量の減少によって非燃
焼側の蓄熱体23b、23aの蓄熱量が減少するので、
交互に切換えられて燃焼するガスーナ10a、10bの
燃焼温度は低下する。これは、図6の結果から、排熱回
収率の増大(88.6%)により炉内温度が1240℃
と低下しているので明らかとなる。これにより、図7の
炉内温度とNOx発生率との実験結果から明らかなよう
に、蓄熱体の廃ガス吸引量を減少させることにより、N
Ox発生は105PPm (炉内温度1320℃)から67
PPm (炉内温度1240℃)まで大幅に減少することが
わかる。
【0032】このように本実施例では、切換え燃焼時
に、非燃焼側の蓄熱体23a、23bからの廃ガス吸引
量を減少して前記蓄熱体23a、23bに対する廃ガス
顕熱の回収率を増大させ、廃ガス顕熱の回収率が増大す
る以上に廃ガス吸引率の減少が大きくなることにより、
蓄熱体23a、bの蓄熱量を減少させる。これにより、
燃焼側とされた蓄熱体によって予熱される燃焼空気の温
度を低下させ、それにより燃焼側のガスバーナの燃焼温
度を低下させているのでNOxの発生を抑制することが
できる。
【0033】したがって、炉容積の大きさが問題となる
炉内温度の低下若しくは酸素濃度の減少によるNOx抑
制制御と比較して、本実施例のNOx制御処理は、蓄熱
体からの廃ガス吸引量を減少させて蓄熱式燃焼バーナの
燃料負荷を低減させることによってNOxを抑制するこ
とが可能なので、連続式加熱炉のように大形加熱炉に導
入しても、応答性を高めてNOx発生の抑制制御を行う
ことができる。
【0034】なお、本実施例では、炉内温度を検出する
ことによりNOx制御処理を実行しているが、本発明の
要旨がこの制御方法に限るものではなく、種々のガスセ
ンサを使用し、その検出結果に基づいて廃ガス吸引量を
変更させるようにしても、同様の作用効果を得ることが
できる。また、本実施例では、連続式加熱炉1内に、蓄
熱式燃焼バーナ装置6A〜6D、7A〜7Dのみを取付
けた構成としたが、他の燃焼装置としてレキュペレータ
を備えた予熱式燃焼バーナシステムを導入し、蓄熱式燃
焼バーナ装置6A〜6D、7A〜7Dの燃焼負荷が減少
した際に、予熱式燃焼バーナシステムが作動して炉内温
度を一定にするシステムとしてもよい。
【0035】また、上記実施例においては、ガスバーナ
10a、10bに供給する燃料としてMガスを使用する
場合について説明したが、これに限定されるものではな
く、他の燃料ガスや重油等の液体燃料を適用することが
できるものである。また、ガスバーナ10a、10bの
燃焼切換制御をDDC32で行うようにした場合につい
て説明したが、これに限らず他のプログラマブルコント
ローラやシーケンス制御回路等によってシーケンス制御
するようにしてもよい。
【0036】また、上記各実施例においては、本発明を
連続式加熱炉に適用した場合について説明したが、これ
に限定されるものではなく、他の加熱炉や熱処理炉等に
も適用し得るものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、非燃焼
側の蓄熱体からの廃ガス吸引量を減少させてこの蓄熱体
に対する廃ガス顕熱の回収率を増大させ、廃ガス吸引率
の低下が廃ガス顕熱回収率の増大を上回ることにより、
非燃焼側の蓄熱体の蓄熱量を減少させ、この蓄熱体との
熱交換によって予熱される燃焼空気の温度を低下させて
燃焼側のガスバーナの燃焼温度が低下することによりN
Ox発生を抑制する。すなわち、この発明は、蓄熱式燃
焼バーナの燃料負荷を低減させたことによるNOx抑制
方法なので、炉容積の大きさが問題となる炉内温度の低
下若しくは酸素濃度の減少によるNOx抑制方法と比較
して、連続式加熱炉のように大形加熱炉に導入しても、
応答性を高めてNOx発生の抑制制御を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱式燃焼バーナシステムを連続
式加熱炉に適用した場合の一実施例を示す概略構成図で
ある。
【図2】蓄熱式燃焼バーナシステムの一例を示す概略構
成図である。
【図3】ガスバーナの一例を示す断面図である。
【図4】ダイレクトディジタルコントローラでのNOx
制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】実験で得られた蓄熱式燃焼バーナシステムの排
熱回収率と廃ガス吸引量との関係を示すグラフである。
【図6】実験で得られた蓄熱式燃焼バーナシステムの排
熱回収率と炉内温度との関係を示すグラフである。
【図7】実験で得られた蓄熱式燃焼バーナシステムのN
Ox発生量と炉内温度との関係を示すグラフである。
【図8】実験で得られた蓄熱式燃焼バーナシステムの炉
内温度一定下でのNOx発生量と燃焼負荷量との関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 連続式加熱炉 2 予熱帯 3 第1加熱帯 4 第2加熱帯 5 均熱帯 6A〜6D、7A〜7D 蓄熱バーナ装置 8 廃ガス吸引ファン(廃ガス吸引装置) 10a、10b ガスバーナ 23a、23b 蓄熱体 28 廃ガス流量調節弁(廃ガス吸引装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 雅康 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 尾前 純也 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 八尋 和広 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 宮本 泰典 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内 (72)発明者 塩谷 好一 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内 (72)発明者 登木 俊雄 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内 (72)発明者 広川 広司 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−147461(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23L 15/00 - 15/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱室内に配設した少なくとも一対のバ
    ーナと、各バーナに接続された燃料供給管及び空気供給
    兼廃ガス排出管と、前記空気供給兼廃ガス排出管の途上
    に介装された蓄熱体と、前記蓄熱体より外部側に介装さ
    れた廃ガス吸引装置とを備え、各バーナを交互に切換燃
    焼させると共に、前記廃ガス吸引装置の吸引動作によっ
    て非燃焼側バーナから前記加熱室内の廃ガスを前記蓄熱
    体に導入して熱交換を行うようにした蓄熱式バーナシス
    テムにおいて、前記廃ガス吸引装置による非燃焼側の蓄
    熱体からの廃ガス吸引量を減少させることにより、前記
    蓄熱体に対する廃ガス顕熱の回収率を増大させることを
    特徴とする蓄熱式燃焼バーナシステムのNOx抑制方
    法。
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