JP2805882B2 - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2805882B2
JP2805882B2 JP1226614A JP22661489A JP2805882B2 JP 2805882 B2 JP2805882 B2 JP 2805882B2 JP 1226614 A JP1226614 A JP 1226614A JP 22661489 A JP22661489 A JP 22661489A JP 2805882 B2 JP2805882 B2 JP 2805882B2
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    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、積層体に関するものである。さらに詳しく
は、金属板、ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分
とする未延伸シート及び二軸配向ポリ−p−フェニレン
スルフィドフィルムを基本構成とする積層体に関するも
のである。
[従来の技術] 樹脂シートと金属板の積層体において、最近、特に樹
脂シートに対して、耐熱性、吸湿寸法安定性、高周波特
性の安定性などの特性が優れ、かつバランスよく兼ね備
えていることが要求されている。上記の特性を満足する
素材としてポリ−p−フェニレンスルフィドが最も注目
されている。
従来のポリ−p−フェニレンスルフィドと金属板の積
層体としては、(1)2軸配向ポリ−p−フェニレンス
ルフィドフィルム(以下2軸配向PPSフィルムと略称す
ることがある。)を耐熱性を有する接着剤を介して銅箔
などの金属箔と積層した積層体をフレキシブルプリント
配線基板に用いることが、特公昭61−53880号公報等で
知られている。また、(2)未延伸ポリ−p−フェニレ
ンスルフィドのシートを金属箔に熱融着して回路基板に
用いることも特公昭64−7579号公報などで知られてい
る。また、(3)2軸配向PPSフィルムをコロナ放電処
理などの表面処理を行なって、該フィルムの融点付近の
温度で熱圧着することも知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記の積層体は、下記の問題点を有してい
る。
(1)項の積層体は、接着剤が介在するため、2軸配
向PPSフィルムの耐熱性や高周波特性の安定性などの優
れた特性を低下させてしまう。
(2)項の積層体は、融点付近の温度にさらされると
急激に強度が低下してしまう。また、150℃以上の高温
下で長時間使用されると、ポリマの結晶化が進み機械特
性が低下する危険性がある。
(3)項の積層体は、上記の問題点は解決されるが接
着性に乏しく、また加工時の積層可能な温度範囲が極め
て狭く加工しにくい。また、フィルムの引裂き強度が低
く、裂け易い。などの問題点があった。
本発明は係る問題点を解消し、接着剤を介在させず
に、ポリフェニレンスルフィドの優れた特性を低下させ
ることなく、かつ接着性に優れた、ポリフェニレンスル
フィドフィルムと金属板の積層体を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、二軸配向ポリフェニレンスルフィドフィル
ムの少なくとも片面に、未延伸ポリフェニレンスルフィ
ドシート及び金属板がこの順に接着剤を介することなく
積層されてなることを特徴とする積層体に関するもので
ある。
本発明において、ポリフェニレンスルフィド(以下PP
Sと略称することがある)とは、繰り返し単位の70モル
%以上(好ましくは85モル%以上)が構造式 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低く
なりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィルムの
特徴である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損な
う。
繰り返し単位の30モル%未満、好ましくは15モル%未
満であれば共重合可能なスルフィド結合が含有する単位
が含まれていても差し支えない。また該重合体の共重合
のしかたは、ランダム、ブロック型を問わない。
本発明において、ポリフェニレンスルフィドを主成分
とする樹脂組成物(以下PPS系組成物と略称することが
ある)とは、ポリフェニレンスルフィドを60重量%以上
含む組成物を言う。
PPSの含有量が60重量%未満では、該組成物からなる
未延伸シートの引き裂き強さなどの機械特性や耐熱性等
を損なう。
該組成物中の残りの40重量%未満はPPS以外のポリ
マ、無機または有機のフィラー、滑剤、着色剤などの添
加物を含むことができる。
該樹脂組成物の溶融粘度は、温度300℃、剪断速度200
sec-1のもとで、700〜20000ポイズの範囲がシート成形
性の点で好ましい。
本発明にいう未延伸ポリフェニレンスルフィドシート
(以下PPS−NOと略称することがある)とは、上記のPPS
系組成物を、溶融成形してなる厚さ1mm以下のフィル
ム、シート、板の総称で、実質的に無配向のものをい
う。
本発明における2軸配向ポリフェニレンスルフィドフ
ィルム(以下PPS−BOと略称することがある)は、ポリ
フェニレンスルフィドを90重量%以上含む樹脂組成物
を、溶融成形してシート状とし、2軸延伸、熱処理して
なるフィルムである。PPSの含有量が90重量%未満で
は、組成物としての結晶性、熱転移度等が低くなり、該
組成物からなるフィルムの特長である耐熱性、寸法安定
性、機械的特性等を損なう。
該組成物中の残りの10重量%未満ではPPS以外のポリ
マ、無機または有機のフィラー、滑剤、着色剤、紫外線
吸収剤などの添加物を含むことができる。
該樹脂組成物の溶融粘度は、温度300℃、剪断速度200
sec-1のもとで、500〜12000ポイス(より好ましくは700
〜10000ポイズ)の範囲がフィルムの成形性の点で好ま
しい。
該樹脂組成物の溶融粘度は、最終的に得られる2軸配
向PPSフィルムの溶融粘度に等しい。
該フィルムの厚さは、3〜300μmの範囲が好まし
い。
本発明でいう金属板とは、銅、アルミニウム、鉄、亜
鉛などの金属及びこれらの金属の合金の1.2mm以下の厚
さのものをいう(好ましくは、0.005mm〜1mm)。更に上
記の金属の表面にメッキなどによって別の金属又は合金
が積層加工されたり、種々の表面処理加工されたりした
ものも含む。
本発明の積層体は、PPS−BOの少なくとも片方の面にP
PS−NOが接着剤を介さずに積層し、更に上記の積層フィ
ルムのPPS−NOの側に接着剤を介さずに金属板を積層し
たものである。該積層体に接着剤が介在すると、PPSフ
ィルムのもつ優れた耐熱性、誘電特性、湿度寸法安定性
などの諸特性が接着剤で阻害される。とくに高周波によ
る誘電特性の安定性が著しく低下する。
また、従来から用いられているPPS−BOと金属板の積
層体で接着剤を介在させたものは、上記と同様の問題点
がある。また、PPS−BOと金属板を熱融着した積層体
は、積層温度がPPSの融点付近(280℃)であっても接着
力に乏しく、機械特性が著しく低下する。また、PPS−N
Oと金属板を熱融着したものは、急激に高温度雰囲気に
さらされると、PPS−NOが急激に軟化し、平面性が悪化
したり機械的強度が低下する。また、130℃以上の温度
で長時間使用されると、ポリマ自体の結晶化が進み機械
特性が著しく低下する。
本発明の積層体は、従来の積層体の問題点を解消し、
接着剤を介在させずにPPSの優れた物性を低下させず、
かつ接着性に優れた積層体である。
本発明の積層体は、PPS−BO及びPPS−NOの表面に種々
の表面処理が行なわれているものも含まれる。
次に本発明の積層体の考えられる積層構成の第1の態
様は、PPS−BO(A)、PPS−NO(B)、金属板(C)を
この順に積層した3層構造を有したものであり、AとB
の厚み比A/Bが0.1〜10の範囲が熱が加わったときの耐熱
性、機械的特性及び接着性のバランスの点で好ましい。
また、A層とB層の積層フィルムの厚さは、20〜700μ
mの範囲内が好ましく、また上記の3層積層体全体の厚
さは、30〜1700μmの範囲内が好ましい。
本発明の積層体の考えられる積層構成の第2の態様
は、金属板(C)、PPS−NO(B)、PPS−BO(A)、PP
S−NO(B′)、金属板(C′)をこの順に積層したも
のであり、A、B、B′の厚さが式 0.1≦A/(B+B′)≦10 を満たすことが、熱の加わったときの耐熱性、機械的特
性及び接着性のバランスの点で好ましい。
また、BとB′の厚み比B/B′が0.5〜2.0の範囲が加
工時の作業性の点で好ましい。さらに上記のA、B、
B′の積層厚さは、20〜1000μmの範囲が好ましく、ま
た、A、B、B′、C、C′の積層体全体の厚さは40〜
3000μmの範囲が好ましい。また、両方の面に金属板が
積層される場合両金属板の厚さや種類が異なっていても
よい。
また、本発明の積層体は、接着剤層を設けることな
く、融着によってPPS−BO、PPS−NO、金属板が接合され
ているものである。
次に本発明の積層体の製造方法について述べる。
本発明の用いるPPSは、硫化アルカリとパラジハロベ
ンゼンとを極性溶媒中で高温高圧下に反応させて得られ
る。特に、硫化ナトリウムとパラジクロルベンゼンをN
−メチルピロリドン等のアミド高沸点極性溶媒中で反応
させるのが好ましい。この場合、重合度を調整するため
に、カ性アルカル、カルボン酸アルカリ金属塩等のいわ
ゆる重合助剤が添加して、230〜280℃で反応させるのが
最も好ましい。重合系内の圧力および重合時間は使用す
る助剤の種類や量および所望する重合度等によって適宜
決定する。得られた粉状または粒状のポリマを水または
/および溶媒で洗浄して、副製塩、重合助剤、未反応モ
ノマー等を分離する。
このポリマを未延伸シートに成形するには、エクスト
ルーダに代表される溶融押出機に供給され、該ポリマの
融点以上の温度に加熱され溶融されスリット状のダイか
ら連続的に押し出され、該フィルムのガラス転移点以下
の温度まで急速冷却することにより、無配向のシート
(PPS−NO)が得られる。
また、二軸配向PPSフィルム(PPS−BO)は、上記シー
トを周知の方法で2軸延伸、熱処理する。
延伸は長手方向、幅方向とも90〜110℃で3.0〜4.5倍
の範囲で行なう。熱処理は、180℃〜融点の範囲で、定
長または15%以下の制限収縮下に1〜60秒間行なう。さ
らに、該フィルムの熱寸法安定性を向上させるために、
一方向もしくは二方向にリラックスしてもよい。
次に積層体の製造方法であるが、PPS−BO、PPS−NO、
金属板をこの順に積層する方法は次の6つの方法が用い
られる。
(1) PPS−BOとPPS−NOと金属板をこの順に重ね合わ
せて、温度180℃〜270℃、圧力1〜20kg/cm2の条件下で
ロールプレス又は熱板プレスで熱圧着する。
(2) PPS−BOとPPS−NOを重ね合わせて、(1)項の
条件で熱圧着した後、該積層体のPPS−NO側に同条件で
金属板を熱圧着して積層する。
(3) PPS−NOと金属板を重ね合わせて、(1)項の
条件下に熱圧着した後、該積層体のPPS−NO側にPPS−BO
を同条件下で熱圧着して積層する。
(4) PPS系組成物を溶融し、スリット状のダイからP
PS−BOと金属板の間に押し出し、一体化する。この場合
は、PPS系組成物をエクストルーダに供給し、融点以上
の温度に加熱して、スリット状のダイから連続的に押し
出し、下方に設けたプレスロール上のPPS−BOと金属板
の間にプレスしながら積層していく。
更に、該積層体を上記の方法で一体化する時又は一体
化した後(1)項の条件下で熱圧着して積層することが
接着性向上のうえで好ましい。
(5) PPS系組成物を溶融し、(4)項の方法で、ま
ずPPS−BOと一体化した後、該積層体のPPS−NO側に金属
板を(1)項の条件下で熱圧着して積層する。
(6) 上記(5)項の方法で、PPS系組成物を溶融
し、金属板と一体化した後、該積層体のPPS−NO側にPPS
−BOを(1)項の条件下で熱圧着して積層する。
また、金属板/PPS−NO/PPS−BO/PPS−NO/金属板の積
層体の製造方法は、次の5つの方法を用いることができ
る。
(7) 先述の(1)〜(6)項の方法で得た3層体の
PPS−BO側にPPS−NO、金属板を重ね合わせて(1)項の
条件下で熱圧着して積層する。
(8) PPS−NOと金属板を重ね合わせて、(1)項の
条件下で熱圧着し、先述の(1)〜(6)項で得た3層
体のPPS−BO側に上記の2層体のPPS−NO側を(1)の条
件下で熱圧着して積層する。
(9) PPS系組成物を溶融し、スリット状のダイから
先述の(1)〜(6)項の3層体のPPS−BO側と金属板
との間に押し出し、一体化する。更に、該積層体を上記
の方法で一体化するとき又は一体化した後、(1)項の
条件下で熱圧着することが接着性向上のうえで好まし
い。
(10) PPS系組成物を溶融し、スリット状のダイから
金属板上に押し出し、一体化した後、該積層体のPPS−N
O側と(1)〜(6)項で得た3層体のPPS−BO側とを重
ね合わせて、(1)項の条件下で熱圧着する。
(11) 金属板、PPS−NO、PPS−BO、PPS−NO、金属板
をこの順に重ね合わせて、(1)項の条件下で熱圧着し
て積層する。
上記の方法での熱圧着の条件は、温度180〜270℃、圧
力1〜20kg/cm2であるが、温度が180℃未満であると接
着力が出ず、270℃を越えると、積層体の平面性が急激
に悪化し、機械特性が低下する。一方、圧力が1kg/cm2
未満では熱圧着の温度を上げても接着性に乏しく、逆に
圧力が20kg/cm2を越えると、平面性が悪化したり、PPS
−NO層が積層時に破断したりする。
また、本発明の積層体の製造方法で、プレスロールや
熱板プレスにより熱圧着する場合、用いるPPS−NOのTcc
(温度を上昇させていった時の結晶化温度でDSC法で測
定した値)が130℃以上のものが、積層体の引裂き強度
の向上の点でより好ましい。
[発明の効果] 本発明の積層体は、上記の積層構成としたことにより
従来のPPS−BO/金属板の熱融着による積層体の製造方法
に比べて、熱融着温度が低いためPPS−BOの熱劣化がな
く、機械的特性の低下がない。また、PPS−BO単体に比
べて引裂き強度が高いなどの特長を有する。
しかも、本発明の積層体は、以上のような構成とした
ため、特に回路基板の絶縁材料として重要である耐熱
性、温度、湿度に対する寸法安定性、高周波に対する誘
電特性の安定性及び難燃性、機械的特性などの諸特性が
高次元でバランスした積層体となった。
更に、本発明の積層体は、接着剤を介在させていない
ため、接着剤の劣化及び特性が積層体の特性を低下させ
ることもない。
[用途] 本発明の積層体は、フレキシブルプリント配線基板、
多層回路基板、金属ベース基板などの回路基板はもとよ
り、特に高周波に対する誘電特性の安定性を要求される
回路基板(例えば、デジタル記号の回路基板など)に最
適である。また、箔巻き型のガストランスのコイルや一
般の工業材料に用いることができる。
また、アルミニウムなどの積層体は、耐熱食品包装材
または耐熱食器にも適している。
また、本発明の積層体の3層体は、PPS−BO面に別の
フィルムや耐熱性を有する繊維シートを貼り合わせた
り、金属を蒸着加工したり、別の樹脂をコーティングし
たりしてもよい。
[特性の評価方法] 次に本発明の記述に用いた、特性の評価方法および評
価の基準を述べる。
(1) 耐熱性 積層体の金属層を塩化第2鉄水溶液でエッチングし、
エッチングしたフィルムの初期値及び熱風オーブン中で
180℃で2000時間エージング後の引張強度をASTM−D−6
38−72法に従って測定し、エージング後の強度が初期値
の70%以上あるものを耐熱性○、同10〜70%未満を△、
同10%未満を×とした。
(2) 引裂き強さ 積層体の金属層を上記(1)の方法でエッチングした
フィルムをJIS−P8116−1960に準じて測定し、g/mmで表
わした。
(3) 接着力 ショッパーを用いて、積層フィルム層と金属層を90度
剥離した。試料の幅は10mmとして、引き剥し速度は200m
m/分とした。
(4) 高温時の耐熱性 5cm角の積層体を金属層を下にして、260℃の温度にセ
ットしたハンダに60秒間浮べ次の基準で評価した。
○:全く変化が見られない。
△:フィルムの軟化及び気泡が入ったように剥れると
ころが部分的にある。
×:フィルムの軟化及び剥れ(気泡も含む)が著し
い。
(5) 誘電特性(誘電損失) 周波数を変えて、誘電特性の変化を調べた。(JIS−
C−6481に準じて測定した。) (6) 吸湿率 積層体の金属層をエッチングし、乾燥した後、75%R
H、23℃で96時間エージングし、重量法で評価した。
(7) 破断伸度 ASTM−D−638−72法に準じて測定した。
[実施例] 次に本発明を実施例を挙げて詳細に説明する。
実施例1 (1) 本発明に用いるPPS未延伸シートの調整オート
クレーブに、硫化ナトリウム32.6kg(250モル、結晶水4
0wt%を含む)、水酸化ナトリウム100g、安息香酸ナト
リウム36.1kg(250モル)、及びN−メチル−2−ピロ
リドン(以下NMPと略称することがある)79.2kgを仕込
み205℃で脱水したのち、1,4−ジクロルベンゼン37.5kg
(255モル)及びNMP20.0kgを加え、265℃で4時間反応
させた。反応生成物を水洗、乾燥してp−フェニレンス
ルフィドユニット100モル%からなり、溶融粘度3100ポ
イズのポリ−p−フェニレンスルフィド21.1kg(収率78
%)を得た。
この組成物に、平均粒径0.7μmのシリカ微粒粉末0.1
wt%、ステアリン酸カルシウム0.05wt%を添加し、40mm
径のエクストルーダによって310℃で溶融し、金属繊維
を用いた95%カット孔径10μmのフィルタで濾過したの
ち長さ400mm、間隔0.5mmの直線状のリップを有するTダ
イから押し出し、表面を25℃に保った金属ドラム上にキ
ャストし、厚さ100μmの未延伸シートを得た(PPS−NO
−1とする)。
(2) PPS−BOの調整 東レ(株)製“トレリナ”タイプ3000の50μm厚みの
PPS−BOを用いた(PPS−BO−1とする)。
(3) 積層体の作製 1オンス(35μm厚)の圧延銅箔、PPS−NO−1、PPS
−BO−1をこの順に重ね合わせて、温度240℃、圧力10k
g/cm2の加熱プレスロールで積層した(積層体−1)。
実施例2 実施例1と同様にして、PPS−NOの50μm厚みのもの
を得た(PPS−NO−2)。
また、PPS−BOは、東レ(株)製“トレリナ”タイプ3
000の厚さ100μm(PPS−BO−2)を、また実施例1と
同じ圧延銅箔を用いて、実施例1の条件で、銅箔/PPS−
NO−2/PPS−BO−2/PPS−NO−2/銅箔の積層体を作成した
(積層体−2)。
比較例1〜3 実施例1の条件で150μmの厚さのPPS−NOを作製し、
更に温度240℃、圧力10kg/cm2の条件で実施例1と同じ
圧延銅箔と積層した(比較例1、積層体−3)。
実施例1の方法で直線状リップの間隔を1.5mmにし、
同条件で厚さ2.5mmの未延伸シートを得、更にこのシー
トをロール群から成る縦延伸装置によって、温度98℃、
延伸速度30000%/分で3.9倍縦延伸し、続いてテンタを
用いて、温度100℃、延伸速度1000%/分で3.5倍横延伸
し、更に同一テンタ内の後続する熱処理室で270℃で10
秒間熱処理して、厚さ150μmのPPS−BOを得た。更に該
フィルムの片面にコロナ放電処理を施し、該コロナ放電
処理面と実施例1で用いた銅箔を実施例1の方法で、温
度280℃、圧力10kg/cm2で積層した(比較例2、積層体
−4)。
尚、これとは別に、温度280℃未満で積層を試みたが
ほとんど接着性を示さなかった。
また、比較例2のPPS−BOのコロナ放電処理面に下記
の接着剤を介して、実施例1の圧延銅箔と積層した(比
較例3、積層体−5)。
接着剤:“ケミットエポキシ"TE5920(東レ(株)製
固形分濃度30wt%) 接着剤の配合:A剤/B剤=15/100 上記の接着剤をグラビアロール法で塗布し、乾燥条件
は100℃で3分間であり、接着剤の塗布厚みは乾燥後で1
8μmになるように調整した。また、積層条件は、温度1
20℃、圧力3kg/cm2であった。更に該積層体の接着剤を1
50℃で1時間硬化せしめた。
評価 実施例1及び2、比較例1〜3の評価の効果を第1表
に示す。
実施例1及び2の積層体は、耐熱性、吸湿性、誘電特
性、機械的特性などの諸特性が高次元でバランスしてい
る。また、接着性も実用レベルに達している。
一方、比較例1のPPS−NOを用いた積層体は、破断伸
度が低く、特に高温時の耐熱性が低い。(260℃のハン
ダに浮べると、フィルムが溶融する。) また、比較例2のPPS−BOを該ポリマの融点付近の温
度で積層したものは、PPSフィルムのもつ機械特性(破
断伸度)が著しく低下し、接着力が極めて低い。
更に、比較例3の接着剤を介して積層したものは、接
着剤が悪影響しPPSのもつ低吸湿性、誘電特性の安定
性、耐熱性などの優れた特性を著しく低下させてしま
う。
実施例3 実施例1と同様にし、PPS−NO−1、PPS−BO−1及び
金属層に150μm厚さのアルミニウムを用いて、第1表
に示すようなPPS−BOとPPS−NOの厚み比を変更した3層
体を作製した。上記の積層体の評価結果を第1表に示
す。
実施例1の積層体−1と合わせてみると、厚み構成比
A/Bが小さくなると、破断伸度や高温時の耐熱性が低下
する傾向があり、逆に該構成比が大きくなると引裂き強
度や接着力が低くなる傾向にある。
実施例4 実施例1のPPS−BO−1とPPS−NO−1を重ね合わせ
て、実施例1の条件で積層した。更に、実施例1で用い
た圧延銅箔を上記の積層体のPPS−NO−1側に温度260
℃、圧力10kg/cm2の条件で積層し(積層体−6)、実施
例1の製造方法の違いを比較した。
また、実施例2のPPS−BO−2とPPS−NO−2と金属箔
を実施例2の条件で積層した。更に温度250℃、圧力10k
g/cm2の条件でPPS−NO−2と金属箔を積層し、該積層体
のPPS−NO−2側と上記の積層体のPPS−BO−2側を温度
260℃、圧力10kg/cm2の条件で積層し(積層体−7)実
施例2の積層体と比較した。
積層体−6及び7の評価結果を第1表に示す。
積層体−1及び2の物性とほぼ同じであることがわか
る。すなわち、本発明の積層体の製造は、実施例1のよ
うに積層することもできるし、また上記のように、あら
かじめ、2層体または3層体を作製し、引き続き、該2
層体のPPS−NO側(3層体の場合はPPS−BO側)に積層し
ていくこともできる。
実施例5 実施例1で用いたPPSポリマを30mm径のエクストルー
ダによって310℃で溶融し、長さ200mm、間隔0.5mmの直
線状のリップを有するTダイから押し出した。
一方、Tダイ直下に表面温度を25℃に保った金属製の
プレスロールを設け、実施例2で用いたPPS−BO−2を2
m/分の速度でプレスしながら走行させ上記のポリマを積
層厚みが100μmになるよう連続的に積層した。Tダイ
とPPS−BO−2との距離は10mmとし、ブレス圧力は2kg/c
m2とした。更に該積層体のPPS−NO側に0.5mm厚さのアル
ミニウム板を温度260℃、圧力15kg/cm2の条件で熱プレ
スした。得られた積層体を積層体−8とする。
実施例6 実施例5と同様にして、PPS−BO−2と実施例1で用
いた金属箔の間にPPSポリマを押し出し、PPS−BO、PPS
−NO、金属箔の3層体を作製した(積層体−9)。
評価 実施例5、6で作製した積層体8、9の評価を行なっ
た結果、第1表の積層体−1と同様の物性値を示し、全
て本発明の目的を達成していた。
比較例4 実施例1で用いたPPS−BO−1、PPS−NO−1、金属箔
を比較例3で用いた接着剤を介して上記の順に積層し
た。積層の条件は比較例3と同条件である(積層体−1
0)。
積層体−10の評価結果を第1表に示す。
吸湿性、誘電特性の安定性が悪く、また耐熱性は、比
較例3の積層体−5よりも悪かった。
実施例7 実施例1のPPS−BO、PPS−NO、銅箔を用い、実施例1
の条件で積層温度及び圧力を変更して、積層状態を観察
した。その結果を第2表に示す。積層温度は、180℃未
満では接着せず、270℃を越えると積層体の平面性が急
に悪化し、積層体の厚み及び厚みむらのコントロールが
しにくくなる。
一方、圧力は1.0kg/cm2未満では積層温度を高くして
も接着せず、20kg/cm2を越えると急激に平面性が悪化し
たり、中心層のPPS−NOが破断したりして、積層体の厚
み及び厚みむらのコントロールがしにくくなる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向ポリフェニレンスルフィドフィル
    ムの少なくとも片面に、未延伸ポリフェニレンスルフィ
    ドシート及び金属板がこの順に接着剤を介することなく
    積層されてなることを特徴とする積層体。
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