JP2803861B2 - 極細鋼線の張力下ショットピーニング方法 - Google Patents

極細鋼線の張力下ショットピーニング方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、極細鋼線の張力下ショットピーニング方法
に関するものである。
[従来の技術] 鋼表面にショットピーニングを施すことにより、応力
腐食抵抗、疲労特性を改善させることは広く知られてい
る。これまでショットピーニング方法としては、鋼板、
鋼管などの、いわゆるショット球の球径に対して十分な
衝突面積をもった材料に対するものが一般的であった。
最近、鋼線に対する疲労特性の改善要求が強く、特
に、線径0.5mm以下の極細鋼線は、スチームタイヤコー
ドに代表されるように、高張力かつ高疲労特性をあわせ
もつことが必要となってきた。しかし、疲労特性改善と
しての、工業的に利用できるショットピーニング方法は
なかった。
円筒状のものへのショットピーニング方法としては、
特公昭56−4607号公報(管のショットピーニング法およ
びその装置)に示されるように、中心点の周りに同心的
に配置され中心点に向けられた多数のノズルよりショッ
ト球を投射するにあたり、隣接のノズルからショットさ
れたショット球が相互衝突しないようにノズルに、横側
へわずかに傾斜をあたえ、相互干渉を防ぐ工夫を行った
ものがある。
しかし、ノズルを傾斜させると、鋼線の長手方向に対
し、ショット球が斜め方向から衝突し、極細鋼線の場
合、ノッチ効果があらわれ、引張強度の低下がおこるた
め適用できない。しかもこの場合は、ショットピーニン
グの際円周方向の全領域をショットピーニングしなけれ
ばならないため、ノズルを多数必要とする。極細鋼線の
場合、ショットピーニングは一般的なノズル内径2〜6m
mからの投射であるので、線径0.5mm以下の極細鋼線を十
分に覆うことができ、ノズルの配置数は多く必要としな
い。
従来、太物鋼線、鋼板、鋼管などのショットピーニン
グでは、ショット中に対象物が弛緩するということはな
いため荷重を付加する必要はなかった。しかし、極細鋼
線のショットピーニングを行う場合、極細鋼線が弛緩す
るため、従来のショットピーニング方法は適用できな
い。さらに特公昭56−4607号公報(管のショットピーニ
ング法およびその装置)では、ショット球および表面凹
凸に関しての限定はない。極細鋼線に適用する場合、こ
れらの限定なしでは、疲労特性改善効果は得られない。
[発明が解決しようとする課題] このように、従来の、管のショットピーニング方法を
極細鋼線に適用する場合、鋼線の長手方向に対し、ショ
ット球が垂直に衝突しないと、ノッチ効果があらわれる
ため、引張強さの低下がおこり、また、極細鋼線はその
線径が0.5mm以下と細いために、引張荷重を付加しない
と、ショット球の衝突により弛緩してしまい、適正なシ
ョット効果が得られない。
さらに従来では鋼板、鋼管などのショット球径よりも
広い領域へのショットピーニングであるのに対し、極細
鋼線の場合はショット球径にくらべ、十分な衝突面積が
ないために、ショット球径に限定範囲が必要となる。
また、従来の鋼板、鋼管のショットピーニング方法で
は、応力腐食抵抗および疲労特性の改善として、表面凹
凸に関する記載はないが、極細鋼線に通用する場合、表
面凹凸が大きくなると破断が生じるために、表面凹凸の
範囲が必要となる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するた
めになされたもので、疲労特性が改善できる極細鋼線の
張力下ショットピーニング方法を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明は、極細鋼線の張力下、ショットピーニング方
法であり、下記の構成を結合したものである。すなわ
ち、 極細鋼線が弛緩しないよう、引張破断荷重の20〜90%
の荷重を積極的に付加すること。
極細鋼線の円周方向に対して、等角度に3方向以上、
同時に長手方向に対してノズル外径以上ずらして、極細
鋼線に対して垂直にショットピーニングするようにノズ
ルを配置すること。
ショット球は、球径が線径以下でかつ表面硬度がHv60
0以上であること。
ショットピーニングにより、表面凹凸が20μm以下に
なること。
である。
以上について限定理由を説明する。
まず、極細鋼線が弛緩しないように付加する、引張破
断荷重の20〜90%の荷重であるが、この荷重の20%以下
では、ショット中において、鋼線が弛緩し、十分なショ
ット効果が得られない。またこの荷重の90%以上の荷重
を付加すると、ショットピーニング中において、動的引
張強さが、静的引張強さの90%以上になるため、破断が
生ずる。
次にノズルの配置であるが、第1図に示すように、極
細鋼線3にショットピーニングするにあたり、極細鋼線
3を中心にしてその円周方向に対して等角度で3方向以
上必要である。第1図ではノズル4を3個、120゜角度
で配置した。円周方向に均一にショット球5をショット
ピーニングするにはノズルは等角度に配置することが必
要である。また、2方向からのショットピーニングで
は、衝突部分にムラが多く、疲労特性を改善させるに
は、円周方向に十分な圧縮残留応力が付与できない。そ
のため少なくとも3方向以上必要である。
さらに、これらのノズルは、第2図に示すように隣接
ノズルからの投射による干渉を防ぐために、各ノズル4
を鋼線3の長手方向にノズル外径以上ずらして配置し、
また斜方向からの衝突によるノッチ効果を防ぐために極
細鋼線の長手方向に対して垂直にショット球5を投射す
る。
ショット球5は、線径以下でないと、単位時間当りの
衝突回数が少なく、また鋼線表面に均一な圧縮残留応力
を与えられない。ショット球の表面硬度は、最低Hv600
必要である。極細鋼線では、表面硬度が最も硬くてHv60
0程度である。そのため、ショット球の表面硬度が鋼線
硬度より低いと十分な圧縮残留応力が付与できない。ま
た、表面凹凸は20μm以下にすることが必要である。そ
れ以上では、ノッチ効果により、引張強さが低下する。
実施例により本発明の効果を示す。
[実施例] 線径0.5mm以下のSWRH82A極細鋼線を用い、第2図に示
すように巻き付け径が100mmの鉄製サプライボビン1か
ら、線速5m/minで送り出し、サプライボビンと同材質の
巻きとりボビン2で巻きとりながら本発明のショットピ
ーニング試験を行った。
使用した装置は、張力制御が可能であり、ショット圧
力は0〜5kg/cm2である。ノズルの外径は15mm、内径は3
mmである。これに使用したノズルを第3図に示す。
第1表に各種の試験条件と試験結果を、本発明と比較
例を併せて示す。
比較1では、円周方向のショットノズルが2つのた
め、十分な圧縮残留応力が与えられず、疲労限は改善さ
れなかった。
比較2では、ショットノズルは3つでもそれぞれのノ
ズル間の間隔が一定していないために、円周方向におい
て圧縮残留応力にムラができ、十分な疲労特性改善がな
されなかった。
比較3では、長手方向のノズル間隔がノズル径以下の
ため隣りのショットノズルから投射されたショット球が
相互衝突し、効果が減少した。
比較4では、鋼線に対して、垂直な角度でショット球
が衝突しないため、鋼線表面にノッチ効果があらわれ、
引張強さの低下、疲労限の低下を招いた。
比較5では、ショット球径が線径より大きいため、鋼
線表面に均一な圧縮残留応力を付与できなかった。
比較6では、ショット球の表面硬度が、鋼線表面硬度
より低いために十分な圧縮残留応力が付与できず、効果
がなかった。
比較7では、最大凹凸が20μm以上になったため、ノ
ッチ効果があらわれて、疲労限の低下を招いた。
比較8では、付加荷重が引張破断荷重の20%以下なの
で、鋼線が弛緩し、十分な効果が得られなかった。
比較9では、付加荷重が引張破断荷重の90%をこえ、
ショットピーニング中において破断が生じた。
次に、比較10、11は、それぞれ比較8、9との線径の
違いによる、付加荷重の影響を調べたものである。比較
10では、比較8と同様に付加荷重が20%以下のために弛
緩し、十分な圧縮残留応力が得られず、比較11ではこれ
とは逆に比較9と同様、付加荷重が90%以上と、大きす
ぎるために試験中、極細鋼線の破断が生じた。このよう
に、線径が異なる場合においても、付加荷重が20〜90%
でなければ疲労特性の改善がはかれないことがわかる。
比較12は、比較5との線径の違いによるショット球径
の影響を調べたものである。やはり表面に均一な圧縮残
留応力が付与できず、疲労限の改善はなかった。このよ
うに線径が異なる場合でも、線径よりもショット球径が
大きいと疲労限の改善は、はかれない。
比較13は比較7との線径の違いによる最大凹凸の影響
を調べたものである。比較13では、比較7と同様、最大
凹凸が20μm以上あるために、ノッチ効果があらわれて
疲労限が低下した。このように線径が異なる場合におい
ても、最大凹凸が20μm以上では疲労限の改善はなされ
ないことがわかる。
これに対し本発明の実施例は、いずれも良好な結果を
示しており、極細鋼線に対し有効なショットピーニング
方法であるかがわかる。
[発明の効果] 本発明の極細鋼線の張力下ショットピーニング方法に
より、極細鋼線の疲労特性は、大幅に改善されることが
明らかであり、その工業的な利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、鋼線の長手方向からみた図であり、第2図の
A−A′断面図である。第2図はサプライボビン1より
送られる極細鋼線3を、ショットノズル4よりショット
球5を投射することによりショットピーニングを行う図
である。また、第3図は、ショットノズルの概略図を示
す。 1……サプライボビン、2……巻きとりボビン、3……
極細鋼線、4……ショットノズル、5……ショット球
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 洋 岩手県釜石市鈴子町23―15 新日本製鐵 株式会社釜石製鐵所内 (56)参考文献 特開 平2−179333(JP,A) ”小物ばねのショットピーニングに関 する研究”−加工条件と疲労強度との関 係−”,ばね論文集,社団法人日本ばね 工業会ばね技術研究会,昭和57年3月31 日,第27号,P88 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 7/00 - 7/06 B24C 1/10 B21F 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極細鋼線に、引張破断荷重の20〜90%の荷
    重を積極的に付加すると共に、鋼線の円周方向に対して
    等角度に3方向以上かつ長手方向に対してノズル外径以
    上ずらして配置したノズルから、球径が線径以下で表面
    硬度がHv600以上のショット球を、表面凹凸が20μm以
    下になるよう、鋼線の長手方向に対して、垂直にショッ
    トすることを特徴とする、極細鋼線の張力下ショットピ
    ーニング方法。
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