JP2803504B2 - 光磁気ディスク装置 - Google Patents

光磁気ディスク装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データの消去,書き込
み用磁気回路を有する光磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク装置においてデータの消
去,書き込みに必要な磁場を光学ヘッドの光スポット位
置で得るため、電磁石方式あるいは駆動手段を用いた永
久磁石方式があげられる。前者では、必要磁場を得るた
めには電磁石とその電源が大形,重量化が問題となり、
さらに電磁石と光学ヘッドを一体化した場合にはその重
量のため情報の高速化の妨げとなる。後者に関しては、
例えば、特公平4−24762号公報に記載されている方式で
は、永久磁石を用いた磁場印加装置と光学ヘッド間に記
録媒体となるディスクを配置しているため、小型化、特
に装置寸法の薄形化を図ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の光磁気ディスク
装置では、データの消去,書き込み時に必要な印加磁場
を得るためには磁場印加装置の大型化,重量化により装
置の小型化及び高速アクセス化が非常に困難であり、ま
た磁場印加装置付近には別の磁気回路及び磁性材部品が
配置されているため磁界の干渉,磁束の漏れ等が発生し
てしまうという問題があった。
【0004】本発明の目的は、装置の小形,軽量化を図
りつつ磁界の干渉,磁束の漏れを小さくし、データの消
去,書き込み時に必要な印加磁界を確保することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、データの消去,書き込み用磁場印加装
置を有する光磁気ディスク装置において、前記磁場印加
装置を光学ヘッド筐体内に配置し、記録媒体を介して前
記磁場印加装置の上面に配置されたディスクカートリッ
ジ搬送機構用上板の一部に切欠き孔を設けた。
【0006】
【作用】本発明は、磁場印加装置を光学ヘッド筐体内に
配置し、その上面に記録媒体を配置したため装置の小型
化、特に薄形化を図ることが出来る。また、ディスクカ
ートリッジ搬送機構用上板に切欠き孔を設けることによ
り磁場印加装置付近の他の磁気回路及び磁性材部品によ
る磁界の干渉を緩和することができ、データの消去,書
き込み時の磁場を乱すことなく効率的に利用することが
出来る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1から図9を用
いて説明する。
【0008】図1は、本発明の一実施例である磁場印加
装置を備えた光磁気ディスク装置のアクセス機構周辺の
斜視図を示す。固定光学系から射出された光ビームは、
ディスク半径方向(以下、TR方向とよぶ。)に移動可
能なコースアクチュエータ4に導かれコースアクチュエ
ータ4に搭載されているファインアクチュエータ6によ
りディスク1上の所定の光スポットへ照射する。光磁気
ディスク装置では、光スポット位置で、記録媒体中の磁
極方向を利用してデータの消去,書き込みを行うため、
外部からの磁場印加装置7が必要となる。本発明では、
磁場印加装置7として円柱状の永久磁石を用い回転させ
ることにより光スポット位置での磁場の強さを調整して
いる。この磁場印加装置7は、可動部となる光学ヘッド
筐体17内に配置しさらに、ファインアクチュエータ6
と隣接した位置に構成している。本発明は、記録媒体と
なるディスク1を介して上面に配置されているディスク
カートリッジ搬送機構用上板3(磁性材)に切欠き孔9
を設けた。この効果を説明するため図3は、磁気干渉を
発生させる磁場印加装置7付近の磁気回路及び磁性材の
配置を断面で示したものである。磁場印加装置7の両側
には、コースアクチュエータの磁気回路5a,5b及び
磁性材であるガイドレール11a,11bがある。コー
スアクチュエータ4は、アウタヨーク12a,12f、
センタヨーク12b,12e、インナヨーク12c,1
2d及び永久磁石13で構成されている。コースアクチ
ュエータの磁気回路5a,5bは、光学ヘッド17をT
R方向へ高速で移動させるもので高磁束密度であるため
ディスクカートリッジ搬送機構用上板3を磁束が流れ込
んでしまうため磁場印加装置7との磁界の干渉を引き起
こしてしまう。また、ガイドレール11からの磁束の漏
れにより磁場印加装置7の永久磁石に不要な外乱トルク
を生じさせてしまうことがある。そこで、磁場の干渉に
関しては、ディスクカートリッジ搬送機構用上板3の孔
により磁束の流れを遮断し、磁束の漏れに関しては、上
板の孔の形状による磁束の吸引力を利用して、データの
消去,書き込み時に必要な印加磁場を確保するものであ
る。
【0009】図2は、磁場印加装置7の配置を示したも
のである。(a)は、磁場印加装置として電磁石方式1
4を用いた場合、(b)は、磁場印加装置として永久磁
石方式15を用いた場合である。(a),(b)共に磁場
印加装置の配置が光スポット位置(磁場印加点)の真上
であり、装置の薄形化配置とはならない。
【0010】図4は、本発明の一実施例として、ディス
クカートリッジ搬送機構用上板3に孔を設けたものであ
る。(a)は、磁場印加点16を中心に20mm程度の長
孔9をTR方向に設けたものであり、(b)は、磁場印
加点16に対し磁場印加装置側へ20mm程度の長孔9を
TR方向に、(c)は、逆側に20mm程度の長孔9をT
R方向に設けたものである。図5は、この条件で有限要
素法を用いて磁場解析を行ったものである。他の条件
は、図3に示した構成としている。y方向の磁界の強さ
を○,x方向の磁界の強さを+で示している。図中フル
実装(コースアクチュエータ用磁気回路5a,5b、ガ
イドレール11a,11b及びディスクカートリッジ搬
送機構用上板3を含む)の状態では、印加点16におけ
る磁界の強さはy方向で450Oe,x方向で400O
e程度である。カバーに孔有(a)(b)(c)は、図
4の(a)(b)(c)に対応した磁界の強さを示して
おり、特にy方向の磁界の強さに関して孔の位置(a)
では390Oe、(b)では410Oe、(c)では4
50Oeである。以上の結果より孔の位置は、図4
(c)に示すように磁場印加点16に対して磁場印加装
置7逆側に設けるほうが他の外乱の影響を小さく磁界の
強さを大きくすることができる。また、x方向の磁界の
強さは小さいほど磁場を垂直方向に保つことができ、本
解析では(c)が有効であることが分かる。カバー無し
は、ディスクカートリッジ搬送機構用上板3を非磁性材
で構成したことを想定して計算した結果であり、特に、
y方向の磁界の強さが小さくなっていることがわかる。
【0011】図6は、図4(c),図5(c)で示した
ディスクカートリッジ搬送機構用上板3の上面図を示し
たものである。
【0012】図7は、さらに磁場印加装置7の両側の磁
気回路の磁束の流れを遮断するため上面に2箇所の長孔
9a,9bを設けたものである。
【0013】図8は、磁場印加装置7の両側の磁気回路
の磁束の流れを遮断すると共に特に磁場印加点16上に
磁束を引き付けるためのものである。
【0014】図9は、磁気回路の磁束の流れを遮断する
ためディスクカートリッジ搬送機構用上板3を非磁性材
で構成し、上記効果を持たせるため磁場印加点16上の
上板に磁性材の磁場補強板10を取り付けたものであ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば磁場印加装置及びディス
クカートリッジ搬送機構用上板を前述した構成にするこ
とにより装置自体の小型化、特に薄形化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置ア
クセス機構周辺の斜視図。
【図2】従来の磁場印加装置の配置の断面図。
【図3】本発明における磁場印加装置付近の断面図。
【図4】ディスクカートリッジ搬送機構用上板の孔の位
置を示す断面図。
【図5】解析結果による磁界の強さの説明図。
【図6】本発明の一実施例であるディスクカートリッジ
搬送機構用上板の上面図。
【図7】本発明の第二の実施例であるディスクカートリ
ッジ搬送機構用上板の上面図。
【図8】本発明の第三の実施例であるディスクカートリ
ッジ搬送機構用上板の上面図。
【図9】本発明の一実施例であるディスクカートリッジ
搬送機構用上板の断面図。
【符号の説明】
1…記録媒体(ディスク)、3…ディスクカートリッジ
搬送機構用上板、5a,5b…コース用磁気回路、7…
磁場印加装置、8…対物レンズ、9…切欠き孔、11
a,11b…ガイドレール、12a,12f…アウタヨ
ーク、12b,12e…センタヨーク、12c,12d
…インナヨーク、13a,13b,13c,13d…永久
磁石、16…磁場印加点。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】データの消去,書き込み用の磁場印加装置
    を有する光磁気ディスク装置において、前記磁場印加装
    置を光学ヘッド筐体内に配置し、記録媒体を介して前記
    磁場印加装置の上面に配置されたディスクカートリッジ
    搬送機構用上板の一部に切欠き孔を設けたことを特徴と
    する光磁気ディスク装置。
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