JP2802649B2 - カセット式テーププレーヤ - Google Patents

カセット式テーププレーヤ

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JP2802649B2
JP2802649B2 JP1196728A JP19672889A JP2802649B2 JP 2802649 B2 JP2802649 B2 JP 2802649B2 JP 1196728 A JP1196728 A JP 1196728A JP 19672889 A JP19672889 A JP 19672889A JP 2802649 B2 JP2802649 B2 JP 2802649B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は、イジェクト機構に改良を加えたカセット式テ
ーププレーヤに関する。
従来の技術 従来テープカセットを挿脱可能に保持すると共に、非
プレー位置とプレー位置との間で上下動可能なカセット
ホルダと、このカセットホルダに取り付けられたカセッ
トの挿脱方向に移動自在であり、かつ、カセットのリー
ルホールと係脱可能な係合手段を有したスライド部片と
カセットの脱出方向に弾圧付勢しており、カセットの挿
入に伴いスライド部片が同方向に移動する過程で反転変
位して前記スライド部片をカセットの挿入方向に弾圧付
勢する反転スプリングと、カセットホルダに水平回動自
在に取り付けられ、常態でカセットホルダを非プレー位
置に保持し、カセットの挿入に伴いこれに押圧されて水
平回動することにより前記保持状態を解いてカセットホ
ルダのプレー位置への移動を許容する保持プレートと、
イジェクト操作したとき、ヘッドプレートを後退させる
と共に、カセットホルダを非プレー位置に上動するイジ
ェクトレバーとを備えて成るテーププレーヤは例えば特
開昭60−160057号公報において公知であり、この構成に
よれば、非プレー位置でカセットホルダにカセットを挿
入して、そのリールホールが少なくともスライド部片の
係合手段に係合するまで、スライド部片が移動しないよ
うに、反転スプリングによる初期弾力を前記スライド部
片に付勢する必要から、反転スプリングの一端をスライ
ド部片に、その他端を、カセットホルダ上に水平回転自
在に取り付けられた反転案内部片の遊端部に取り付け、
かつ、前記反転案内部片とイジェクトレバーとを連結杆
により連結すると共に、イジェクトレバーと器枠との間
に、反転スプリングの前記した初期弾力に抗する弾力を
イジェクトレバーに付勢するためのスプリングを備えて
成るものである。
発明が解決しようとする課題 ところが、上記した従来の構成によれば、非プレー位
置で、イジェクトレバーに、反転スプリングの初期弾力
に抗する弾圧力が付勢されているので、イジェクトレバ
ーのイジェクト操作において、ヘッドプレートを後退さ
せ、かつ、カセットホルダを非プレー位置に上動させる
と共に、反転スプリングを元の状態に反転させるための
操作力のほかに、前記した反転スプリングの初期弾力に
抗してイジェクトレバーを押動するための押圧力を必要
とし、また近年カセットメタルテープの性能向上に伴
い、テープカセットにアルミまたは亜鉛ダイカスト製を
使用する傾向が増えてきたが、このダイカスト製のテー
プカセットは重量が重いので、カセットを反転スプリン
グの付勢力により排出する場合は、反転スプリングの付
勢力をそれだけ強く必要とし、それだけイジェクト操作
が重くなり、操作性を損なうという惧れがあった。そこ
で本願は、上記した従来の欠陥を改善することを目的と
したものである。
課題を解決するための手段 そこで本願は上記した目的を達成するために、非プレ
ー位置とプレー位置との間で上下動可能なカセットホル
ダと、このカセットホルダにカセットの挿脱方向に往復
移動自在に取り付けられたカセットと係止可能なスライ
ド部片と、カセットがスライド部片と共に挿入方向に移
動する過程で、一方に反転変位して前記スライド部片を
カセットの挿入方向に弾圧付勢し、かつ、カセットがス
ライド部片と共に脱出方向に移動する過程で他方に反転
変位して前記スライド部片をカセットの脱出方向に弾圧
する反転スプリングと、イジェクトレバーと、作動機構
とを備えて成り、前記作動機構が、一端をイジェクトレ
バーに支持した作動杆と、中間部が回動自在に枢着され
ると共に、一端を前記作動杆の他端に摺動可能に連結
し、他端がスライド部片に当接する回動片と、回動片と
イジェクトレバーとの間に介在されたスプリングとから
成り、イジェクト操作によりスプリングを圧縮し、この
圧縮弾力を、カセットホルダがプレー位置から非プレー
位置に至ったとき開放して、回動片の回動によりスライ
ド部片を復動方向に付勢することを特徴としたものであ
り、上記においては、好ましくは、反転スプリングの一
端をカセットホルダに設けた制限された範囲で回動可能
な案内片の遊端部に、その他端をスライド部片に夫々取
り付ける。
また上記した構成において、作動機構が、一端が回動
自在に枢着され、他端がスライド部片と当接する第1回
動部片と、一端が前記枢着部に回動自在に枢着され、前
記第1回動片に対し制限された範囲で回動可能な第2回
動片と、一端がイジェクトレバーに支持され他端が前記
第2回動片の遊端部に連結された作動片と、前記第1回
動片と第2回動片との間に取り付けられ、イジェクト操
作により第2回動片を回動して第1回動片によりスライ
ド部片を復動方向に付勢するばねとから成る構成と、作
動機構が、イジェクトレバーと、中間部が回動自在に枢
着され一端をカセットホルダのプレー位置でスライド部
片に当接する回動片と、イジェクトレバーと回動片の他
端とを連結する作動片とから成り、作動片が湾曲部を有
した弾性材から成る構成とするものである。
作用 しかして、非プレー状態において、カセットを、カセ
ットホルダに挿入すると、従来と同様に、スライド部片
には反転スプリングによる初期弾力が付勢されているの
で、カセットのリールホールが係合手段に係合し、該ス
ライド部片がカセットと共に前方に移動し、その移動に
伴い反転スプリングが反転して、その反転弾力によりカ
セットはスライド部片と共に強制的にカセットホルダ内
に深く侵入し、カセットホルダはプレー位置に下降す
る。
この状態から、イジェクトレバーを押圧操作すると、
作動機構が作用して弾圧力を蓄積し、この状態は、カセ
ットホルダが非プレー位置に上動するまで続けられる。
そしてカセットホルダが非プレー位置に上動してスラ
イド部片が排出方向に復動可能な状態に至ったとき、蓄
積されていた作動機構の付勢弾力が開放されてスライド
部片は復動方向に付勢され、これによって反転スプリン
グが再び反転し、その反転弾力によってカセットはスラ
イド部片と共にその排出方向に強制的に移動する。
そして上記において、反転スプリングの一端をカセッ
トホルダに設けた案内片の遊端部に、その他端をスライ
ド部片に夫々取り付けて成るときは、反転スプリングの
反転動作毎に案内片が回動する。また作動機構の具体的
構成として、一端をイジェクトレバーに支持した作動片
と、中間部が器枠乃至カセットホルダに回動自在に枢着
され、一端が前記作動片の他端に摺動可能に連結し、他
端がプレー時にスライド部片と圧接する回動片と、前記
イジェクト操作に伴って反転スプリングを反転させるに
必要な弾力を前記回動片に付勢するスプリングとから成
るときは、スプリングが、イジェクトレバーの押圧操作
に伴って蓄積された弾力が、回動片に付与し、また作動
機構が一端が器枠乃至カセットホルダに枢着され、他端
がプレー時にスライド部片と圧接する第1回動片と、一
端が前記と同様に器枠乃至カセットホルダに枢着され、
かつ、第1回動片に対し、制限された範囲で回動が規制
される第2回動片と、一端がイジェクトレバーに支持さ
れ他端が前記第2回動片の遊端に連結された作動片と、
前記第1回動片と第2回動片との間に取り付けられ、イ
ジェクトレバーのイジェクト操作により第2回動片を回
動して第1回動片に反転スプリングを反転させるに必要
な弾圧を付与するばねとから成るときは、イジェクトレ
バーのイジェクト操作に伴い、作動片により第2回動片
が回動して、これと第1回動片との間に取り付けられた
ばねの弾力が第1回動片に付与する。さらにまた、イジ
ェクトレバーと中間部を器枠乃至カセットホルダに回動
自在に枢着し、一端をプレー位置でスライド部片に圧接
する回動片の他端とを、一部に湾曲部を有した弾性材か
ら成る作動片により連結して成るときは、イジェクトレ
バーのイジェクト操作に伴い、湾曲部が大きく湾曲しな
がら弾力を蓄積する。
実施例 以下図面の実施例を図面と共に詳述すると、(1)は
器枠であって、一方の側部には、テープ早送り機構など
の操作レバー(2),(3)が水平状態で前後(図にお
いて左右方向)動可能に、また他方の側部には、イジェ
クトレバー(4)が垂直状態で前後動可能に夫々装備さ
れている。(5)は前端(図において左側)両側部が器
枠(1)の側板に対し枢軸(6)により上下方向に傾動
自在に支承された板状の支持部材(5)aと、その後縁
に上板中間部が連結された水平状態で上下動可能な保持
枠(5)bとから成る前後方向に長いカセットホルダで
前記支持部材(5)aの中央位置には、前後方向(図に
おいては左右方向)に延びる案内溝(7)を有し、この
案内溝(7)には、カセットPをカセットホルダ(5)
に挿入したとき、一方のリールホールと係合する係合手
段を有したスライド部片(8)が摺動自在に取り付けて
ある。(9)は一端が前記支持部材(5)aの上面に支
持され、他端を前記スライド部片(8)に支持されて、
該スライド部片(8)を常態でカセットPの脱出方向に
弾圧する反転スプリング、(10)は前記カセットホルダ
(5)の支持部材(5)aの上板内面に、枢軸(11)に
より水平回動自在に取り付けた平板状の保持プレートで
あって、その一方の辺には、前記案内溝(7)を横切る
ように延びる作用片(12)を有しており、かつ、他方の
辺には、舌片(13)が設けてあり、この舌片(13)の下
面を前記器枠(1)の側板上縁に当接することにより、
前記保持プレート(10)を介して前記カセットホルダ
(5)を非プレー位置で水平状態に保持する。(14)は
前記器枠(1)の一方の側面(1)aに、枢軸(15)を
介して垂直回動可能に枢着された板状の傾動部片で、前
記枢着部から前方に(図において左方向)延びる片(1
4)aには、前記カセットホルダ(5)の支持部材
(5)aの側面に設けた切欠溝(5)a′と係止する係
止ピン(16)が夫々設けてあり、かつ、傾動部片(14)
と器枠(1)との間に、前記係止ピン(16)を常時下向
方向に弾圧するように傾動部片(14)に回動力を付勢す
るスプリング(17)が張架してある。(20)はイジェク
トレバー(4)をイジェクト操作した時反転スプリング
(9)を反転させるに必要な弾力を前記スライド部片
(8)に付与する作動機構であって、一端をイジェクト
レバー(4)に折曲して設けた支片(21)に支持した作
動片(22)と、中間部が前記カセットホルダ(5)の支
持部材(5)aの上面に前記枢軸(11)により回動自在
に枢着され、一端が前記作動片(22)の他端を摺動可能
に連結し、他端がイジェクトレバー(4)のイジェクト
操作時に、前記スライド部片(8)を弾圧できるよう
に、該他端に、前記案内溝(7)を横切る突片(23)を
延設した回動片(24)と、該回動片(24)の他端と前記
作動片(22)に設けた止片(25)との間に介在したスプ
リング(26)とから構成されている。(19)は前記保持
プレート(10)の復元スプリング、(28)は器枠の面上
に突設したリール軸、(29)はヘッド(30)を備えたヘ
ッドプレート、(31)はキャプスタン軸、(50)はイジ
ェクトレバー(4)のガタ止用スプリングである。
しかして第1,2図で示す非プレー状態から、カセット
Pをカセットホルダ(5)の保持枠(5)bに挿入する
と、それによりスライド部片(8)の係合手段にカセッ
トPの一方のリールホールが係合すると共に、該スライ
ド部片(8)が前方に移動し、その移動に伴い、デドポ
イントの位置を越えて反転スプリング(9)を反転し、
その反転弾力により、カセットPはスライド部片(8)
と共に強制的にカセットホルダ(5)内に深く侵入す
る。すると、案内溝(7)を横切っている作用片(12)
が、カセットPに押圧されるので、保持プレート(10)
は復元スプリング(19)に抗して、第1図において反時
計方向に水平回動し、これによって舌片(13)が器枠
(1)の側板(1)aの上縁より外れるので、非プレー
状態において、保持プレート(10)を介して水平状態に
保持されていたカセットホルダ(5)の支持部材(5)
aは、その下向き傾動が許容される。従ってスプリング
(17)により、傾動部片(14)が第2図において反時計
方向に回動し、係止ピン(16)と切欠溝(5)a′との
係止を介して、支持部材(5)aが下向きに傾動し、か
つ、保持枠(5)bが水平状態で下降して第3,4図で示
すように、プレー状態となる。
そして上記した動作中は、イジェクトレバー(4)と
作動機構(20)とは不作動状態におかれ、スライド部片
(8)は回動片(24)の突片(23)に圧接する。次に第
3,4図に示す状態から、イジェクトレバー(4)を前方
に押圧すると、その押圧に伴い、第5図で示すように作
動片(22)の先端が回動片(24)との連結部において摺
動し、その摺動ストロークlに相当してスプリング(2
6)が圧縮されて弾力を蓄積する。
一方イジェクトレバー(4)の前動により、その先端
(4)′が第4図仮想線で示すように傾動部片(14)の
一部と当接し、次いで該傾動部片(14)は、そのスプリ
ング(17)に抗して時計方向に回動するので、係止ピン
(16)と切欠溝(5)a′との係止によりカセットホル
ダ(5)の支持部材(5)aが非プレー位置に持ち上げ
られる。
そして第6図で示すように支持部材(5)aが非プレ
ー位置に充分に持ち上げられて、スライド部片(8)が
案内溝(7)を摺動可能な状態となったとき、スプリン
グ(26)に蓄積されている弾力が開放され、それにより
回動片(24)が時計方向に回動して、突片(23)により
スライド部片(8)は第7図で示すように、反転スプリ
ング(9)が反転するデドポイントを越える位置nまで
復動し、その後スプリング(26)は無負荷となると共
に、反転スプリング(9)の反転弾力により、カセット
Pはスライド部片(8)と共に挿脱可能な位置まで強制
的に復動する。
上記において、スライド部片(8)が回動片(24)の
突片(23)によって復動することにより、作用片(12)
が開放されるので、保持プレート(10)は復元スプリン
グ(19)により第9図で示すように時計方向に回動し、
その回動作用により、保持プレート(10)の舌片(13)
が再び器枠(1)の側板(1)aの上縁に当接して、保
持プレート(10)と共にカセットホルダ(5)が水平状
態に保持される。
なお上記において、第1,2図に示す非プレー位置にお
いては、スプリング(26)は無負荷の状態にあるので、
摩擦抵抗を無視するとき、イジェクトレバー(4)と作
動片(22)と回動片(24)とはスプリング(26)を介し
て一体化された状態で、器枠(1)に対し揺動する。従
って外部振動などにより、それらが非プレー位置でガタ
付く惧れを有する。
従って好ましくは、実施例で示すように、ガタ付きを
防止する程度の極めて弱いスプリング(29)を器枠
(1)とイジェクトレバー(4)との間に張架してい
る。
第8図は、反転スプリング(9)の一端を器枠(1)
に設けた補助板(1)A上に支持し、その他端を中間が
前記補助板(1)Aに枢軸(32)′により枢着された回
動アーム(32)の短手側端部に支持すると共に、回動ア
ーム(32)の長手側端部を、ピン(33)と長孔(34)と
の係合を介してスライド部片(8)に連結した場合の第
2実施例を示しており、反転スプリング(9)の反転弾
力により回動アーム(32)が回動して、スライド部片
(8)を案内溝(7)に沿って往復動するものであり、
作動機構(20)の動作は前記第1実施例の場合と同様で
ある。
第9,10図は、第1乃至6図に示す第1実施例におい
て、反転スプリング(9)の一端を、カセットホルダ
(5)の支持部材(5)aに回動自在に取り付けた案内
片(35)の遊端部に支持し、その他端をスライド部片
(8)に支持した場合の第3実施例を示しており、(3
6)は案内片(35)の先端に設けた下向きの係合片(3
5)′を係合案内するために、前記支持部材(5)aに
設けた案内スリットである。
この構成によれば、第9図に示す非プレー位置におい
て、反転スプリング(9)の初期弾力によって係合片
(35)′が案内スリット(36)の一方の端部に位置し、
この状態からカセットホルダ(5)にカセットPを挿入
してこれがスライド部片(8)と共に往動して、第9図
仮想線で示すように、スライド部片(8)が案内片(3
5)の遊端部に接近すると、反転弾力により案内片(3
5)は時計方向に回転付勢されて係合片(35)′が案内
スリット(36)の他方の端部に瞬間的に移動し、これに
よって反転スプリング(9)は反転動作が早められる。
この作用は、第10図に示すプレー状態からスライド部片
(8)が復動する場合にも同様であり、従って反転スプ
リング(9)の反転動作が確実に得られる。
第11乃至14図は、作動機構(20)を、一端がイジェク
トレバー(4)に設けた支片(21)に支持した作動片
(22)と、一端が前記カセットホルダ(5)の支持部材
(5)aの上面に前記枢軸(11)により回動自在に枢着
され遊端に、イジェクトレバー(4)のイジェクト操作
時に、前記スライド部片(8)を弾圧する前記案内溝
(7)を横切る突片(41)を延設した第1回動片(40)
と、この第1回動片(40)と重合するように中間部が前
記枢軸(11)により回動自在に枢着され、先端部に円弧
状のスリット(42)を設けると共に、後端部に前記作動
片(22)の他端を支持する第2回動片(43)と、一端が
前記第2回動片(43)の先端部に設けたピン(44)に、
また他端が、前記スリット(42)を貫通して前記第1回
動片(40)の中間部に設けたピン(45)に負荷状態で第
1,2回動片(40),(43)が一体となるように夫々係止
されたU字状のばね(46)とから構成した場合の第4実
施例を示しており、この構成によれば、第11図に示す非
プレー位置において、ばね(46)により第1回動片(4
0)と第2回動片(43)は互いに相反する方向に回動付
勢されており、この状態からカセットホルダ(5)にカ
セットPを挿入すると、すでに述べたように、カセット
Pと係止した状態でスライド部片(8)は往動し、その
途中で反転スプリング(9)が反転動作してその反転弾
力によりカセットPは強制的にカセットホルダ(5)内
に深く介入し、その介入に伴って、カセットホルダ
(5)はプレー位置に下降して第11図実線で示す状態と
なる。
次いでこの状態からイジェクトレバー(4)を押圧す
ると、作動片(22)は、第2回動部片(43)を図におい
て時計方向に回動し、第13図で示すようにピン(44)が
ピン(45)に近接する。
即ち突片(41)にスライド部片(8)が圧接している
ことにより、第1回動片(40)は固定状態にあり、従っ
て第2回動片(43)の回動に伴ってばね(46)は弾力を
蓄積し、その弾力はスライド部片(8)に作用する。
しかしてすでに述べたように、イジェクトレバー
(4)のイジェクト操作によって作動部片(14)が回動
し、係止ピン(16)と切欠溝(5)a′との係止によ
り、カセットホルダ(5)が非プレー位置に持ち上げら
れて、スライド部片(8)が案内溝(7)を摺動可能な
状態となったとき、ばね(46)に蓄積された弾力が開放
され、それにより第1回動片(40)が第13図仮想線で示
すように時計方向に回動して、突片(41)によりスライ
ド部片(8)は、反転スプリング(9)が反転するデド
ポイントを越える位置nまで復動し、その後第1,2回動
片(40),(43)はばね(46)の負荷状態で一体となる
と共に、反転スプリング(9)の反転弾力により、カセ
ットPはスライド部片(8)と共に排出位置に強制的に
復動する。
さらに第15乃至18図は、イジェクトレバー(4)に設
けた支片(21)と、中間部が前記カセットホルダ(5)
の支持部材(5)aの上面に枢軸(11)を介して回動自
在に枢着され、一端にイジェクトレバー(4)のイジェ
クト操作時に前記スライド部片(8)を弾圧できるよう
に前記案内溝(7)を横切る突片(23)を延設した回動
片(24)の他端とを、例えばピアノ線或いはばね板から
成る弾性材(47)により連結して成る場合の第5実施例
を示しており、この構成によれば、第15,16図で非プレ
ー位置において、無負荷状態で予め湾曲部(47)′が形
成してあり、この状態からカセットホルダ(5)にカセ
ットPを挿入すると、すでに述べたように、スライド部
片(8)が前動し、かつ、カセットホルダ(5)はプレ
ー位置に下降して第17図実線で示す状態となり、この動
作中は作動機構(20)は作動することはない。
次いで、この状態からイジェクトレバー(4)を押圧
すると、突片(23)にスライド部片(8)が圧接してい
ることにより、回動片(24)は固定状態にあり、従って
第18図に示すように、弾性材(47)の湾曲部(47)′は
大きく湾曲しながら弾力を蓄積し、その弾力はスライド
部片(8)に作用する。
しかして、すでに述べたように、イジェクトレバー
(4)のイジェクト操作によって、作動部片(14)が回
動し、係止ピン(16)と切欠溝(5)a′との係止によ
り、カセットホルダ(5)が非プレー位置に持ち上げら
れてスライド部片(8)が案内溝(7)を摺動可能な状
態となったとき、湾曲部(47)′に蓄積された弾力が開
放され、それにより回動片(24)が第17図仮想線で示す
ように時計方向に回動して突片(23)により、スライド
部片(8)は反転スプリング(9)が反転するデドポイ
ントを越える位置nまで往動し、その後、反転スプリン
グ(9)の反転弾力によりカセットPはスライド部片
(8)と共に挿脱可能な位置まで強制的に復動する。
なおこの構成によれば、弾線を湾曲するのみで良いの
で構成が極めて簡単である。
発明の効果 本願は叙上のように、イジェクトレバーのイジェクト
操作により回動板とイジェクトレバーとの間に介在した
スプリングを圧縮し、この圧縮弾力を、カセットホルダ
がプレー位置から非プレー位置に至ったとき開放して、
回動板の回動によりスライド片を復動方向に付勢する構
成であるので、従来構成のように、反転スプリングの初
期弾力に抗する弾力をイジェクトレバーに予め付勢して
おく必要はなくなり、それ丈イジェクト操作力が軽くな
ると共に、従来のように、反転スプリングの反転弾力を
イジェクトレバーに伝達する機構が省略されるので、反
転スプリングの取付装置に自由度が得られ、またメタル
テープカセットに対応すべく反転スプリングの弾力を強
くする場合でも、イジェクト操作が軽快にできるという
利点を有する。
また反転スプリングの一端をカセットホルダに設けた
案内片の遊端部に、その他端をスライド部片に夫々取り
付けるときは、反転スプリングの反転動作が適格に行え
ると共に反転位置も早くなること、特にイジェクトレバ
ーと中間部を器枠乃至カセットホルダに回動自在に枢着
し、一端をプレー位置でスライド部片に圧接する回動片
の他端とを、一部に湾曲部を有した弾性材から成る作動
片により連結して成るときは、部品点数が少なく構造が
簡単となるなどの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
図面は本願の実施例を示すように、第1図は非プレー時
の平面図、第2図は同側面図、第3図はプレー時の平面
図、第4図は同側面図、第5図はイジェクト操作時の平
面図、第6図は同側面図、第7図はカセット排出時の平
面図、第8図は第2実施例における非プレー時の平面
図、第9図は第3実施例における非プレー時の平面図、
第10図はそのプレー時の平面図、第11図は第4実施例に
おける非プレー時の平面図、第12図はその側面図、第13
図は第4実施例におけるプレー時の平面図、第14図は作
動機構の分解斜視図、第15図は第5実施例における非プ
レー時の平面図、第16図はその側面図、第17図は第5実
施例におけるプレー時の平面図、第18図はその側面図で
ある。 図中、(1)は器枠、(4)はイジェクトレバー、
(5)はカセットホルダ、(8)はスライド部片、
(9)は反転スプリング、(10)は保持プレート、(1
1)は枢軸、(14)は傾動部片、(20)は作動機構、(2
2)は作動片、(23)は突片、(24)は回動片、(26)
はスプリング、(32)は回動アーム、(35)は案内片、
(40)は第1回動片、(41)は突片、(42)はスリッ
ト、(43)は第2回動片、(44),(45)はピン、(4
6)はばね、(47)は作動片、(47)′は湾曲部であ
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非プレー位置とプレー位置との間で上下動
    可能なカセットホルダと、このカセットホルダにカセッ
    トの挿脱方向に往復移動自在に取り付けられたカセット
    と係止可能なスライド部片と、カセットがスライド部片
    と共に挿入方向に移動する過程で、一方に反転変位して
    前記スライド部片をカセットの挿入方向に弾圧付勢し、
    かつ、カセットがスライド部片と共に脱出方向に移動す
    る過程で他方に反転変位して前記スライド部片をカセッ
    トの脱出方向に弾圧する反転スプリングと、イジェクト
    レバーと、作動機構とを備えて成り、前記作動機構が、
    一端をイジェクトレバーに支持した作動杆と、中間部が
    回動自在に枢着されると共に、一端を前記作動杆の他端
    に摺動可能に連結し、他端がスライド部片に当接する回
    動片と、回動片とイジェクトレバーとの間に介在された
    スプリングとから成り、イジェクト操作によりスプリン
    グを圧縮し、この圧縮弾力を、カセットホルダがプレー
    位置から非プレー位置に至ったとき開放して、回動片の
    回動によりスライド部片を復動方向に付勢することを特
    徴としたカセット式テーププレーヤ。
  2. 【請求項2】反転スプリングの一端をカセットホルダに
    設けた制限された範囲で回動可能な案内片の遊端部に、
    その他端をスライド部片に夫々取り付けたことを特徴と
    する請求項1記載のカセット式テーププレーヤ。
  3. 【請求項3】作動機構が、一端が回動自在に枢着され、
    他端がスライド部片に当接する第1回動片と、一端が前
    記枢着部に回動自在に枢着されて前記第1回動片に対し
    制限された範囲で回動可能な第2回動片と、一端がイジ
    ェクトレバーに支持され他端が前記第2回動片の遊端部
    に連結された作動片と、前記第1回動片と第2回動片と
    の間に取り付けられ、イジェクト操作により第2回動片
    を回動して第1回動片によりスライド部片を復動方向に
    付勢するばねとから成る請求項1記載のカセット式テー
    ププレーヤ。
  4. 【請求項4】作動機構が、イジェクトレバーと、中間部
    が回動自在に枢着され一端をカセットホルダのプレー位
    置でスライド部片に当接する回動片と、イジェクトレバ
    ーと回動片の他端とを連結する作動片とから成り、作動
    片が湾曲部を有した弾性材から成る請求項1記載のカセ
    ット式テーププレーヤ。
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