JP2802503B2 - 画像信号再生装置 - Google Patents

画像信号再生装置

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JP2802503B2
JP2802503B2 JP1004711A JP471189A JP2802503B2 JP 2802503 B2 JP2802503 B2 JP 2802503B2 JP 1004711 A JP1004711 A JP 1004711A JP 471189 A JP471189 A JP 471189A JP 2802503 B2 JP2802503 B2 JP 2802503B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、記録媒体に記録されている画像信号を再生
する画像信号再生装置に関するものである。
[従来の技術] 従来、静止画像信号の記録再生装置として、スチルビ
デオ(以下、SVという)システムがある。このSVシステ
ムは現行のTV信号を2インチの磁気ディスクにFM変調し
て記録するものである。このシステムによる画像の解像
度というものは、現行のTV方式並みのものしか得られな
い。しかし、SVシステムのように静止画を扱うシステム
では、プリンタによるプリントアウトを最終的出力とす
る場合があり、その場合、画質(特に解像度)が銀塩写
真に比べて低いことが問題となっている。
一方、最近ではHDTV(High Definition TV)等の新し
いTV方式が検討されており、そのうちのHDTV方式は、現
行NTSC方式の約2倍である約1000本の走査線を有し、ま
た、それに見合う分の水平方向の信号帯域を有してい
る。従ってSVシステムにおいてもHDTV等で得られるよう
な1000×1000画素(但し、正方形の画面を抜取った場
合)程度の画質の静止画記録再生システムへの発展は必
要不可欠となってきている。
このような状況に鑑みて、SVシステムでは記録媒体に
対する記録フォーマットをハイバンド化(広帯域化)し
ている。しかし、SVシステムとしてみた場合、従来のシ
ステムとの互換性はある程度保った上で、高画質化を図
らねばならない。
そこで、従来のシステムとの互換性を保ちつつ高画質
化を図る方法として、本願出願人によりCHSV方式(Comp
atible High Definition SV)というものが考えられ
る。
以下、CHSV方式について概略を述べる。
CHSV方式は、サンプル値のアナログ伝送という技術を
用いる。
サンプル値のアナログ伝送のシステムは、第2図
(a)に示すように伝送路特性(LPF特性)と再サンプ
リングによって特徴づけられる。即ち、入力されたサン
プル値がFM変調系,電磁変換系,FM復調系を経た後、再
サンプルされることにより復元されるというシステムで
ある。
第3図を用いてサンプル値のアナログ伝送の原理につ
いてもうすこし触れておく。尚、ここでは第3図(a)
に示すような周期Tのサンプル値列を記録・再生する場
合を考える。FM変復調及び電磁変換系よりなる伝送路
は、低域通過特性即ちローパスフィルタ(LPF)特性と
なる。第3図(b)は、この伝送路の出力である。従っ
て、この伝送路出力を第3図(c)に示すような周期T
で、かつ正しい位相を持つ再サンプリングパルスで再サ
ンプルすると、第3図(d)を得る。即ち、入力サンプ
ル値列は正しく再生(伝送)される。しかし、第3図
(e)のように再サンプリング位相がズレるとサンプル
値列は正しく再生(伝送)されず、第3図(f)のよう
にリンギングが生じてしまう。従って、サンプル値のア
ナログ伝送においては、再生時(受信側)で、 再生(受信)サンプル値信号に追従した正しい周波
数(周期)の再サンプリングパルスを発生させること 再生(受信)サンプル値信号に追従した正しい位相
の再サンプリングパルスを発生させることが必要とな
る。
また、完全にサンプル値信号を伝送するための条件は
もう一つある。これは、 FM変復調及び電磁変換系よりなる伝送路が直線位相
で、かつ周波数特性がサンプリング周波数fs/2(=1/2
T)の周波数を中心とした対象ロールオフ特性になって
いることである。
即ち、第4図に示すようなLPF特性を伝送路は持つよ
うにする必要がある。以上、サンプル値のアナログ伝送
について簡単に説明した。
次に、CHSV方式に基づく輝度(Y)信号の記録方法に
ついて述べる。
第5図はCHSV方式において磁気ディスクに記録される
Y信号のサンプル点を示す図である。第5図に示すよう
に、Y信号のサンプル点はオフセット配置されており、
サブサンプリング伝送されることになる。また、サンプ
ル点は一つの行に650個(=1300/2)、一つの列に500個
(=1000/2)存在する。そして、A1,A2,……に含まれる
サンプル値が磁気ディスク上の1本のトラックに、B1,B
2,……に含まれるサンプル値が別の1本のトラックに、
……というように、計4本のトラックを用いて全てのサ
ンプル点が記録される。
尚、各トラックにおけるサンプル点の記録は、全てSV
フォーマットに準じた形態で行われる。第8図にSVフォ
ーマットにおける記録信号の周波数アロケーションを示
す。第8図に示すように、SVフォーマットでは記録され
るY信号及びC信号のベースバンド帯域は、それぞれ約
7MHz以下,約1MHz以下となる。
また第5図において、各行に含まれるY信号サンプル
点はそれぞれ650個であり、これがNTSC−TV信号の水平
有効画面期間(53μsec以下)に記録される。従って、
この時のサンプリング周波数fs(第4図参照)は約12.2
MHz以下となる。以上のようにして、第4図に示すよう
な帯域を有するY信号が記録される。
また、第6図にはCHSV方式に基づき記録された磁気デ
ィスク上での記録パターンを2通り示す。第6図(a)
は2チャンネル(ch)ヘッドを用いた時の記録パターン
であり、第6図(b)は4chヘッドを用いた場合の記録
パターンである(但し、4chヘッドを用いれば第6図
(a)も(b)も可能である)。
第6図(a)の場合、まず第1及び第2トラックに対
して、第5図のAi(iは正の整数)行及びBi行のY信号
のサンプル値を2chヘッドにより2ch同時に記録をし、次
に、該2chヘッドを第3,4トラックへ移動(但し、4chヘ
ッド使用の場合は移動する必要はない)し、Di行,Ci
のY信号のサンプル値を2ch同時に記録する。この時、
図示の通り、従来のSVフォーマットとの互換性を保てる
ようにDi行,Ci行のY信号のサンプル値を記録するトラ
ックを逆にする。
尚、2ch同時に記録する場合は、一般的に記録時に生
ずるヘッド内での記録信号のクロストークが問題となる
が、上述のような記録方法をとることで、同時記録の際
に2つのヘッド間では周知のH並べが行われるため、こ
の問題は解消される。
また、4chヘッドを使用した場合、第6図(b)に示
すような記録を行っても良い。即ち、まず第1,3トラッ
クに対して、Ai及びBi行のY信号のサンプル値を2ch同
時に記録し、次に第2,4トラックに対して、Ci行,Di行の
Y信号のサンプル値を2ch同時に記録する。
以上のように記録を行うことによって、第6図(a)
の場合、第2,3トラックにより従来のSVフォーマットに
基づくフレーム再生が可能となり、また第6図(b)の
場合、第1,2トラックあるいは第3,4トラックにより従来
のSVフォーマットに基づくフレーム再生が可能となる。
また、フィールド再生は任意のトラックにて可能であ
る。
以上、CHSV方式におけるY信号の記録方法について説
明した。
次にCHSV方式における色差線順次(C)信号の記録に
ついて述べる。
第7図にはY信号,CR(=R−Y)信号及びCB(=B
−Y)信号の記録サンプルパターン関係を示す。従来の
SVフォーマットにおいて、色差信号の記録帯域はY信号
の約6分の1である。また、該色差信号は線順次化され
記録される。従って、CHSV方式において記録される色差
信号CR及びCBのサンプルパターンは、第7図(b),
(c)に示すようになる。また、第7図(b),(c)
の右側には磁気ディスク上の同一のトラックに記録され
るY信号のラインをAi,Bi,Ci,Diの記号で示す。対応す
るY信号のラインとC信号のラインとが同一のラインで
ない箇所が存在するが、これもまた、SVとの互換性を考
慮した結果である。
第10図にはY信号及びC信号の記録位置関係を表で示
した。ここで1st Stepとは「1回目に行う2ch同時記録
時」のことであり、2nd Stepとは同様に「2回目に行う
2ch同時記録時」のことである。前述のとおり、1st Ste
pではトラック1,2の記録を行い、2nd Stepではトラック
3,4の記録を行う。第10図で例えば、トラック1には1st
Stepにおいて、Y(Ai)(第7図に示したAiライン上
のYサンプル値列よりなるY信号)及びCR(Ai)/CB(B
i)(第7図に示したAiライン上のCRサンプル値列より
なるCR信号及びBiライン上のCBサンプル値よりなるCB
号により構成され、CR信号より始まる色差線順次信号)
を記録するという具合である。また、第10図において撮
像部出力(Y1,Y2,R,B)は、後述するCHSVカメラにおい
て撮像部より同時に出力される信号である。
次にCHSVカメラ(撮像部及び記録部により構成される
装置)の構成について述べる。
第9図はHSVカメラの概略構成を示す図である。
第9図に示すCHSVカメラでは、前述のとおり、2ch同
時記録を2回続けて行うことで1画面分の画像記録信号
の記録を行う。第10図に示した1st Stepにおいて、SV記
録プロセス回路826,827では、入力されたY信号及びC
信号に対し、それぞれ所定のエンファシス,FM変調等を
施した後、それぞれを周波数多重した信号を出力する。
加算器828,829では、これらSV記録プロセス回路826,827
の出力信号に再生時のTBC(Time Base Corrector)用基
準信号として、クロック発生部813より発生されるクロ
ック信号をバンドパスフィルタ(BPF)825を通すことに
より得られる正弦波信号(周波数2.5MHz付近(第8図よ
り明らかなように2.5MHzはFM−Y,FM−Cの隙間となって
いる))を加える。そして、加算器828,829より出力さ
れる信号は記録アンプ830,831により増幅され、2chヘッ
ド832,833により磁気ディスク834の所定のトラックへ2c
h同時に記録される。そして、2nd Stepでは2chヘッド83
2,833の移動が行われた後、前述の1st Stepと同様に記
録動作が行われる。
次に第9図の撮像部801について説明する。
第12図は撮像部801を1つの固体撮像素子で構成する
場合に、該固体撮像素子に使用されるカラーフィルタの
列を示した図である。第12図に示すように該カラーフィ
ルタは市松状に配置したY(輝度)フィルタと、残りの
箇所を線順次に配置したRフィルタ及びBフィルタとに
より構成される。
また、第13図は第12図に示した構成のカラーフィルタ
を持つ固体撮像素子を含む撮像部801の構成例を示した
図である。
第13図において、1301は第12図に示すカラーフィルタ
を有する固体撮像素子、1302〜1305はそれぞれサンプル
ホールド回路である。固体撮像素子1301は1300(画素)
×1000(画素)程度の画素数を有し、また上下に隣接す
る2ライン分の信号を同時に、かつ2ライン飛びに読出
すことの可能な構成の撮像素子である。
第13図において信号線(0−1)には、同時に読出す
2ライン分の信号のうち上側のラインのY信号(Y1)が
出力される。また、信号線(0−3)には下側のライン
のY信号(Y2)が、信号線(0−2)にはR信号が、信
号線(0−4)にはB信号が出力される。
そしてサンプルホールド回路1302〜1305では、これら
の信号を所定のタイミングでサンプルホールドし出力す
る。
第14図は上述ように隣接2ライン分の信号を同時に、
かつ2ライン飛びに読出すことの可能な固体撮像素子を
MOS型固体撮像素子で構成した場合の具体例を示した図
である。
第14図のMOS型固体撮像素子は、TSL:Transversal Sig
nal Line)方式であり、一般によく知られているもので
ある。
第14図に示すようなMOS型固体撮像素子はCHSV方式に
おいても、信号は水平方向の順で読出されるため、スミ
ア等の抑圧効果がある。
また、MOS型固体撮像素子の信号読出しはX−Yアド
レス方式であるため、前述のような2ライン同時読出し
が可能である。また、この読出し動作の詳しい説明は省
略する。
次に、第9図において、撮像部801をクロック発生部8
13より出力される同期信号に同期して撮像部駆動回路80
8により駆動されることにより出力されるY1,Y2,R,B信号
がSV記録プロセス回路826、827へ入力されるまでの信号
処理についてY信号、C信号に分けて述べる。
まずY信号について述べると、撮像部801より出力さ
れるY1,Y2信号(Y1,Y2については前述のとおり、第10図
参照)には、それぞれの加算器814,816にて位相基準信
号発生器818より出力される位相基準信号が付加され
る。位相基準信号は、後述する再生時の再サンプリング
動作の位相基準となるもので、1H(Hは水平同期期間)
毎に1回入れる場合と、1V(Vは垂直同期期間)毎に1
回入れる場合とが考えられる。第11図には、位相基準信
号を1H毎に1回入れる場合について示す。第11図に示す
ように位相基準信号は3値信号であり、図中のRが位相
基準点である。
加算器814,816において位相基準信号が付加されたY1,
Y2信号は、それぞれ6MHzの通過周波数帯域を有するLPF8
02,805を通り、ガンマ補正回路(γ)821,823を経
て、SV記録プロセス回路826,827に入力される。
尚、γY821,823は伝送路γ補正回路のことであり、輝
度信号の暗部でのS/Nを改善するため、また、従来のSV
フォーマットとの互換性を保つため等を目的として行わ
れる。
次に、C信号について述べると、撮像部801より得ら
れるR,B信号(R,Bについては前述のとおり。第10図参
照)は、それぞれ1MHzの通過周波数帯域を有するLPF80
4,807を経て、スイッチ回路S1,S2に入力される。スイッ
チ回路S1,S2は1H毎に切換わるよう動作し、色線順次信
号R/B(S1の出力)及びB/R(S2の出力)を得る。
減算器809,810では、これらスイッチ回路S1,S2からの
出力信号から、1MHzの通過周波数帯域を有するLPF803よ
り出力されるY1信号,1MHzの通過周波数帯域を有するLPF
806より出力されるY2信号を減算し、色差線順次信号CR/
CBは減算器809から、色差線順次信号CB/CRは減算器810
から出力される。
次にサンプルホールド回路811,812において、第7図
に示したCR,CBのサンプルパターンとなるようにサンプ
リングされ、加算器815,817に供給される。このサンプ
リングクロックは、クロック発生部813より供給され
る。
そして加算器815,817において、Y信号と同様に位相
基準信号が付け加えられる(但し、C信号の位相基準点
はY信号の位相基準点と同位置でなくても良い)。
加算器815,817より出力された信号はLPF819,820及び
ガンマ補正回路(γ)822,824を経て、SV記録プロセ
ス回路826,827へ入力される。
次に、CHSV再生装置の構成について述べる。
第15図はCHSV再生装置の構成を示す図である。
磁気ディスク1501から磁気ヘッド1502により再生され
る信号は、プリアンプ1503を経てSV再生プロセス回路15
04及びBPF1505の両者へ入力される。
SV再生プロセス回路1504では、入力される再生信号か
らFM−Y,FM−C(第8図参照)を周波数分離し、それぞ
れに対しFM復調、ディエンファシス等を施すことによ
り、再生Y,再生C信号を出力する。
次段の逆ガンマ補正回路(γY -1)1506,(γC -1)150
7は、それぞれ記録時に伝送路γY補正が施された
信号を元の信号に戻すための回路である。そして、該γ
Y1506,γC1507により補正され、LPF1508,1509を通った
Y信号はA/D変換器1513に、C信号は可変遅延回路1528
に入力される。
次に、再生時の再サンプリングクロックの発生方法に
ついて述べる。
BPF1505により再生信号より分離される再生TBC用基準
信号frは、PLL(Phase Locked Loop)回路1526に入力さ
れる。PLL回路1526では、信号frと位相同期し、かつY
信号用再サンプリングクロックと等しい周波数のクロッ
クfs0を発生し出力する。
Y信号用再サンプリングクロック位相制御回路1511で
は、このようにして得られた再サンプリングクロックf
s0の位相制御を行い、第17図に示すように再生Y信号中
に付加されている前述のY信号サンプリング位相基準信
号の位相基準点と位相が一定関係にあるY信号用再サン
プリングクロックfs1を出力する。
一方、C信号については、前記fs1を1/6分周器1527で
1/6分周したクロック(fs1/6)を再サンプリングクロッ
クとして用いる(但し、1/6分周器1527は同期信号の立
ち下りエッジにおいて、リセットされる)。そして、LP
F1509より出力されたC信号をC信号遅延制御信号発生
回路1529により遅延時間が制御される可変遅延回路1528
により、遅延制御することによりC信号用再サンプリン
グクロック(fs1/6)と、C信号中に付加されている再
サンプリング位相基準点との位相関係が一定にされた
後、C信号はA/D変換器1514に供給される。
第15図のA/Dコンバータ1513,1514では上述のようにし
て発生されたサンプリングクロックをクロックとして、
Y信号及びC信号をA/D変換し、画像メモリ1515へ書込
む。この際、画像メモリ1515に対する書込みアドレスは
アドレス発生器1517により発生される。
また第15図に示したCHSV再生装置では、上述のような
再生動作を、第6図に示した4本のトラック(第1〜第
4)の全てに対して行い、磁気ディスク1501上の4本の
トラックに記録されている全てのサンプル値を、第15図
の画像メモリ1515内に格納する。
その後、画像処理回路1516により、画像メモリ1515内
のサンプル値データを用いて、補間処理及びC信号デー
タの並べかえ等を行う。また、この際Y信号に対して
は、2次元ディジタルフィルタにより2次元空間周波数
の低域な分を取出すLPF処理を行いYLを得る。そして
(Y−YL)の演算を行い、Y信号のサンプル値データの
高域な分YHを得る。従って、最終的にはYH,YL,CR,CB
4種のデータが画像メモリ1515内に存在することにな
る。
以上のような処理が終了した後、画像メモリ1515内の
各データは所定のクロックレートで、アドレス発生器15
17により指定される読出しアドレスに従って所定の順序
で読出される。
このようにして画像メモリ1515より読出されるYH,YL,
CR,CB信号の中のYL,CR,CB信号はマトリクス回路1519に
おいてRL,GL,BL信号に変換される。そして加算器1520〜
1522においてYHと加算が行われ、加算器1520,1521,1522
からは(RL+YH),(GL+YH),(BL+YH)信号が出力
される。
そして、加算器1520,1521,1522より出力された信号
は、D/A変換器1523〜1525においてアナログ信号に変換
され、それぞれR,G,B信号として出力される。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように、CHSV再生装置では磁気ディスク上の4
本のトラックに記録されている画像信号により1画面分
の高精細画像信号を形成しており、それぞれのトラック
に記録されている画像信号を再生するのにかなりの時間
がかかる。
即ち、前述したように、サンプル値のアナログ伝送の
条件を満足させるため、TBC用基準信号,位相基準信号
を用いて再生信号と再サンプリングクロックとの位相を
合わせたり、あるいは第15図のLPF1508,1509により行わ
れるディジタルFIRフィルタ処理、即ち再生側で再生信
号を前記第4図に示した伝送特性を満足するように補正
するため、例えば最小自乗法のアルゴリズムを用いたり
して、再生信号を最適化している。
そして上述の処理が完全に行われて初めて、トラック
に記録されている画像信号が撮像時の信号形態に復元さ
れ、さらに、サンプル値のアナログ伝送の条件が充分に
満足された上で、メモリに記憶されることになる。
また上述のように、メモリに対し記憶を行う前に再生
信号の最適化を行っているため、磁気ディスク上の1本
のトラックに記録されている画像信号を再生し、メモリ
への記憶を完了するまでに時間を要することになる。
そして、磁気ディスク上の4本のトラックに記録され
ている画像信号の再生及びメモリへの記憶が完了して、
初めて補間処理が行われ、補間処理をした上でモニタ装
置に画像を表示するようになっていたため、従来のCHSV
再生装置では、画像がモニタ装置に表示されるまでに数
十秒程度の時間を要することになり、使い勝手の極めて
悪いものとなっていた。
本発明はかかる課題を解決するためになされたもの
で、モニタ装置に対して、すぐに画像を表示することが
できる画像信号再生装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、この発明の画像信号再
生装置は1画面分の画像信号を記録媒体上の複数のトラ
ックに記録し、該記録媒体に記録された画像信号を再生
し、出力する装置であって、前記記録媒体上の各トラッ
クより順次出力される再生画像信号を用いて補間処理を
行い補間画像信号を順次出力する補間処理手段と、前記
補間処理手段における補間処理動作の進行状態に応じた
情報信号を発生する情報信号発生手段と、前記補間処理
手段より出力される補間画像信号に前記情報信号発生手
段より発生される情報信号を多重し出力する手段とを具
備したものである。
[作用] 上述の構成によれば、記録媒体上のトラックより画像
信号を再生する毎に補間処理が行われると共に、補間処
理動作の進行状態を確認するための情報が補間処理によ
り形成された補間画像信号と共に出力されるため、操作
者は再生画像の確認を迅速に行えると共に、補間処理動
作の信号状態をも確認することができるようになるもの
である。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例としてCHSV方式による画像
信号再生装置の概略形成を示すブロック図である。尚、
第1図において第15図と同一の形成には、同一の符号を
付し、詳細な説明は省略する。
また、第16図は第1図の装置における画像出力動作の
状態を説明するための図である。
以下、第1図,第16図をもとに、この発明の一実施例
について説明する。
まず、CHSV方式に基づき、磁気ディスク1501上の1本
のトラックの再生を行う。この時得られる再生信号に対
応する画面上の画素を、第16図の(イ)に示す。尚、こ
の時にはまだ再生信号の最適化が充分に行われていない
が、得られた再生信号は画像メモリ1515に記憶される。
尚、第16図において△印で示した画素は、最適化が充分
に行われていない画素を示している。
以上のようにして、画像メモリ1515上のアドレスのう
ち、l1,l5,l9,……の各行に対応したアドレスには再生
データが記憶されるが、その他の行に対応したアドレス
には再生データが記憶されておらず、画像メモリ1515に
記憶されている再生データをそのまま出力しても正常な
画像とならないため、画像処理回路1516により、画像メ
モリ1515に記憶されている再生データを用いて l2=3/4l1+1/4l5 l3=1/2l1+1/2l5 l4=1/4l1+3/4l5 のような演算を行い、得られたデータを画像メモリ1515
に記憶することにより簡易的な補間処理を高速に行う
(第16図(ロ))。そして、上述の補間処理が完了した
後、画像メモリ1515に文字発生回路1530から発生された
文字表示データを供給し、画像メモリ1515上で再生デー
タと文字表示データとを合成した後、画像メモリ1515上
に記憶されているデータを読出し、アナログ化した後、
不図示のモニタ装置に出力し、表示させる。尚、文字発
生回路1530から発生される文字表示データによりモニタ
装置に表示される内容としては、例えば 「本画像は最終出力ではありません」……(*) というような再生動作状態を示す表示が行われるように
すれば良く、文字発生回路1530はモニタ画面上におい
て、上述のような表示が行われるように、該表示に対応
する画像メモリ1515のアドレスを画像処理回路1516に対
して指示すると共に、文字表示データとして一定の輝度
及び色レベルを有する画素データを出力するものであ
る。
そして、磁気ディスク1501上の1本のトラックより再
生された再生信号が充分に最適化されたことが、不図示
のシステムコントローラにより判断されると、画像メモ
リ1515上に記憶されている再生データl1,l5,l9,……は
最適化された再生データl1′,l5′,l9′,……に書換え
られる。尚、第16図において○印で示した画素は、最適
化が充分に行われた画素を示している。
以上のように、画像メモリ1515に記憶されている再生
データが最適化された再生データに書換えられた後、再
び画像処理回路1516によって、画像メモリ1515に記憶さ
れている再生データを用いて l2′=3/4l1′+1/4l5′ l3′=1/2l1′+1/2l5′ l4′=1/4l1′+3/4l5′ というような演算を行い、得られたデータは画像メモリ
1515に記憶される(第16図(ハ))。
尚、この時、前記(*)で示した文字表示に対応する
文字表示データは、そのまま書換えられずに画像メモリ
1515上に残される。
そして、磁気ディスク1501上の2本目のトラックの再
生が行われ、再生信号が最適化されるまでの間、画像メ
モリ1515に記憶されているデータを読出し、アナログ化
した後、不図示のモニタ装置に出力する。
次に、磁気ディスク1501上の2本目のトラックより再
生された再生信号が充分に最適化され、出力されると、
画像メモリ1515上に記憶されている再生データl2′,
l6′,l10′,……は最適化された再生データl2″,l6″,
l10″,……に書換えられる(第16図(ニ))。そし
て、磁気ディスク1501上の3本目のトラックの再生が行
われ、再生信号が最適化されるまでの間、画像メモリ15
15に記憶されているデータを読出し、アナログ化した
後、不図示のモニタ装置に出力する。
次に、磁気ディスク1501上の3本目のトラックより再
生された再生信号が充分に最適化され出力されると、
l3′,l7′,……が書換えられて、第16図(ホ)のよう
になる。そして、磁気ディスク1501上の4本目のトラッ
クの再生が行われ、再生信号が最適化されるまでの間、
画像メモリ1515に記憶されているデータを読出し、アナ
ログ化した後、不図示のモニタ装置に出力する。
さらに、磁気ディスク1501上の4本のトラックより再
生された再生信号が充分に最適化され出力されると、
l4′,l8′,……が書換えられて、第16図(ヘ)のよう
になる。
そして最後に、第16図(ヘ)に△印で示した画素は、
画像メモリ1515に記憶されているその周辺の○印で示し
た画素を用いて補間処理され画像メモリ1515に記憶され
ている再生データとデータに書換えられる(第16図
(ト))。
尚、上述の動作により、画像メモリ1515に記憶されて
いる前記(*)で示した文字表示に対応した文字表示デ
ータは書換えられ、画像メモリ1515上には補間処理が完
了した画像データが形成される。以上のようにして画像
メモリ1515上に形成された1画面分の画像データは読出
され、アナログ化された後、不図示のモニタ装置に出力
され、表示される。
以上のようにして、磁気ディスク1501上の各トラック
に対する再生動作が行われている最中でも、モニタ装置
には画像の表示が行われているため、再生画像の確認を
迅速に行うことができ、使い勝手の良いものとなる。
また、本発明は本実施例において用いられている補間
処理の方法(第16図参照)に限るものではなく、他の補
間処理方法を用いても良い。
また、文字表示の前記(*)で示した表現に限らず、
再生動作状態を操作者が確認できれば何でも良く、例え
ば、補間処理動作の進行状態によって文字表示の内容を
変えるようにしても良い。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、モニタ装置に対
して、すぐに画像を表示する画像信号再生装置を提供す
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としてのCHSV方式による画像
信号再生装置の概略構成を示すブロック図、第2図はサ
ンプル値のアナログ伝送システムを説明するための図、
第3図はサンプル値のアナログ伝送の原理を説明するた
めの図、第4図はサンプル値のアナログ伝送における伝
送路特性を示す図、第5図は記録媒体に記録されるY信
号のサンプル点を示す図、第6図は記録媒体における記
録トラックパターンを示す図、第7図は記録媒体に記録
されるY信号及びC信号のサンプル点を示す図、第8図
はSVフォーマットにおける記録信号の周波数アロケーシ
ョンを示す図、第9図はCHSVカメラの記録系の主要構成
を示すブロック図、第10図はY信号及びC信号の記録媒
体上の記録トラック位置関係を示した図、第11図は位相
基準信号付加後の輝度信号の波形を示す図、第12図は一
個の固体撮像素子で撮像部を形成する場合のカラーフィ
ルタの構成例を示す図、第13図は第12図に示す構成のカ
ラーフィルタを持つ撮像部の構成を示す図、第14図は隣
接する2ライン分の信号を同時に2ライン飛びに読出し
可能なMOS型固体撮像素子の構成を示す図、第15図はCHS
V再生装置の構成を示す図、第16図は第1図に示した装
置における画像出力動作の状態を説明するための図、第
17図は従来のY信号及びC信号用の位相基準信号の関係
を示す図である。 図中. 1501:磁気ディスク 1502:磁気ヘッド 1515:画像メモリ 1516:画像処理回路 1530:文字発生回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1画面分の画像信号を記録媒体上の複数の
    トラックに記録し、該記録媒体に記録された画像信号を
    再生し、出力する装置であって、前記記録媒体上の各ト
    ラックより順次出力される再生画像信号を用いて補間処
    理を行い補間画像信号を順次出力する補間処理手段と、
    前記補間処理手段における補間処理動作の進行状態に応
    じた情報信号を発生する情報信号発生手段と、前記補間
    処理手段より出力される補間画像信号に前記情報信号発
    生手段より発生される情報信号を多重し出力する手段と
    を具備したことを特徴とする画像信号再生装置。
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