JP2800537B2 - 精錬工程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法 - Google Patents

精錬工程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法

Info

Publication number
JP2800537B2
JP2800537B2 JP6112892A JP6112892A JP2800537B2 JP 2800537 B2 JP2800537 B2 JP 2800537B2 JP 6112892 A JP6112892 A JP 6112892A JP 6112892 A JP6112892 A JP 6112892A JP 2800537 B2 JP2800537 B2 JP 2800537B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
molten steel
amount
gas
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6112892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05222429A (ja
Inventor
信章 佐竹
聡男 畑中
泰明 立川
政人 内尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP6112892A priority Critical patent/JP2800537B2/ja
Publication of JPH05222429A publication Critical patent/JPH05222429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2800537B2 publication Critical patent/JP2800537B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、精錬工程における溶
鋼および精錬スラグの噴出規模の予測方法、即ち、脱炭
反応を含む精錬工程において発生する、COガスの異常発
生に起因する溶鋼およびスラグの噴出規模を高い精度で
予測する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脱炭反応を含む精錬においては、その脱
炭反応が不安定なとき、即ち、脱炭反応生成物であるCO
ガスの発生量が不安定なときには、反応容器内で脱炭反
応が局部的に急激に進むことがある。この現象が起こる
と、局部的に急激に発生するCOガスによって溶鋼および
精錬スラグ(以下、単にスラグという)が持ち上げられ
反応容器外に噴出する。
【0003】溶鋼およびスラグが噴出すると、(1) 溶鋼
歩留りの低下、(2) 設備の破損、(3) 発塵等による環境
悪化等、種々の問題が発生する。従って、溶鋼およびス
ラグが噴出の防止は、脱炭反応を伴う精錬法においては
必須の課題である。
【0004】COガスの異常発生に起因する、溶鋼および
スラグの噴出の発生を予測する方法として、特開平1-2
12713 号公報には、次の方法が開示されている。即ち、
精錬炉から排出されるCOガスの量と、精錬炉に供給され
る酸素の量をそれぞれ測定し、COガス量と酸素量との比
から演算される脱炭酸素効率の一時的な異常低下を検出
し、COガスの異常発生に起因する噴出の発生を予測する
(以下、先行技術という)。そして、この予測結果に基
づいて、溶鋼およびスラグの噴出防止アクション、即
ち、ランス高さを低くする、送酸流量を下げる、炉口圧
を下げる等の噴出防止アクションを採るタイミングを決
定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術は、次のような問題を有している。即ち、先
行技術によって、溶鋼およびスラグの噴出の発生を予測
し、そして、噴出防止アクションを取るタイミングを決
定しても、上述したアクションが過大であると、吹錬時
間の延長につながる。この結果、反応容器内の耐火物の
寿命が低下し、且つ、生産量が減少する。一方、上述し
たアクションが過少であると、溶鋼およびスラグの噴出
を防止できない。
【0006】従って、この発明の目的は、脱炭反応を含
む精錬工程において発生する、COガスの異常発生に起因
する、溶鋼およびスラグの噴出規模を高い精度で予測す
ることができる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、脱炭反応に
よって精錬を行うに際して、精錬炉から排出されるCOガ
ス量と前記精錬炉に供給される酸素量を測定し、前記CO
ガス量と前記酸素量との比に基づいて脱炭酸素効率を演
算し、このようにして演算した前記脱炭酸素効率の安定
値を基準とした変動の積分値を演算し、このようにして
演算した前記積分値の大小に基づいて前記COガスの異常
発生に起因する、溶鋼およびスラグの噴出規模を予測す
ることに特徴を有するものである。
【0008】この発明を更に詳細に説明する。COガスの
異常発生に起因する、溶鋼およびスラグの噴出は、上述
したように、脱炭反応の不安定さによって引き起こされ
る。脱炭反応の安定度は、上述した脱炭酸素効率を監視
することによって監視できる。即ち、単位時間当たりの
精錬炉から排出されるCOガスの量をA[Nm3-CO/min]、そ
して、精錬炉内に供給される酸素の量をB[Nm3-O2/min]
として、脱炭酸素効率Eを、E=A/Bで定義すると、
定常状態では、脱炭酸素効率Eは、ほぼ一定の値を示す
が、脱炭酸素効率Eは、COガスの異常発生に起因する、
溶鋼およびスラグの噴出が発生する直前に異常に低下す
る。
【0009】この理由は、発明者に知見によれば、供給
された酸素が炭素と反応せず、一時的にFeO を生成して
しまうか、炭素と反応して生成したCOガスが直ちに炉外
に排出されずにスラグ中にエマルジョンとしてトラップ
されることにある。その後、急激にCOガスが放出され
て、溶鋼およびスラグの噴出が発生する。従って、脱炭
酸素効率の時間推移波形を監視し、脱炭反応が安定して
いると考えられる値を基準とした変動の積分値を演算す
れば、スラグ中にトラップされた供給酸素量を知ること
ができ、積分値の大小によってCOガスの異常発生に起因
する、溶鋼およびスラグの噴出の規模を予測することが
できる。そして、このようにした予測した噴出規模に応
じた噴出防止アクションを採ることによって、溶鋼およ
びスラグの噴出抑制のための最適制御を行うことができ
る。
【0010】次に、この発明の、精錬工程における溶鋼
および精錬スラグの噴出規模の予測方法の一実施態様
を、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明を
転炉に適応した場合のブロック図、図2は、脱炭酸素効
率の時間推移と溶鋼およびスラグの噴出との関係を示す
グラフ、図3は、溶鋼およびスラグの噴出量とスラグ中
の蓄積酸素量との関係を示すグラフ、図4は、この発明
を転炉に適応した場合において、噴出防止アクションを
採った場合と、オペレータの判断によって噴出防止アク
ションを採った場合の吹錬延長時間の比較を示すグラフ
である。
【0011】図1において、1は、転炉である。転炉1
には、ランス3および底吹きノズル5によって吹き込ま
れた酸素と、溶鋼2中の炭素とが反応して脱炭反応が行
われて溶鋼2の精錬が進行する。主にCOガスからなる排
ガスは、排ガスダクト4を通ってガスホルダー(図示せ
ず)に導かれる。ランス3から転炉1内に供給される酸
素の流量は、ランス酸素流量計6によって検出され、一
方、底吹きノズル5から転炉1内に供給される酸素の流
量は、底吹き酸素流量計7によって検出され、これらの
データは、それぞれ計算機10に送信される。
【0012】計算機10は、予め記憶されている各副原料
中の酸素量に基づいて、各副原料から転炉内に供給され
た酸素量を計算する。更に、計算機10は、このようにし
て計算した各副原料から供給された酸素量を、前述した
ランスおよび底吹き酸素量に加算して単位時間当たりに
転炉内に供給された酸素量B[Nm3-O2/min]を演算する。
一方、排ガス中のCOガスの割合は、公知の排ガス分析計
8によって分析されて計算機10に送信され、排ガスの単
位時間当たりの流量は、排ガス流量計9によって検出さ
れ、これらのデータは、それぞれ計算機10に送信され
る。転炉1内に投入される副原料は、副原料秤量器11に
よって秤量され、そのデータは計算機10に送信される。
計算機10は、排ガス中のCOガスの割合と排ガスの単位時
間当たりの流量とによって、単位時間当たりのCOガスの
発生量A[Nm3-CO/min]を演算し、更に、脱炭酸素効率E
をE=A/Bによって演算する。
【0013】そして、このようにして演算する脱炭酸素
効率を精錬開始から、一定時間経過した後、一定時間監
視し、この監視期間中に脱炭酸素効率の安定値と、それ
を基準とした変動の積分値を算出する。そして、このよ
うにして算出した積分値の大小によってCOガスの異常発
生に起因する、溶鋼およびスラグの噴出規模を予測す
る。このような、溶鋼およびスラグの噴出規模の予測と
平行して、前述した先行技術によって、溶鋼およびスラ
グの噴出のタイミングを予測する。噴出が予測された
ら、その時点での予測噴出規模を後述するように出力す
る。この信号に対して、自動的にまたはオペレーターに
よって、表1のような噴出規模に対応した噴出防止アク
ションを採る。監視を開始するタイミングおよび終了す
るタイミングは、操業上の経験により決定しても良い
し、操業上得られる他の情報によって決定しても良い。
【0014】
【0015】図2は、脱炭酸素効率の時間推移と溶鋼お
よびスラグの噴出との関係を示すグラフであり、横軸は
1チャージの吹錬における吹錬開始からの経過時間であ
り、縦軸は脱炭酸素効率を示す。ただし、整理の都合
上、脱炭酸素効率は、単位時間当たりのCOガスの発生量
を、その中に含まれる炭素の重量に換算して求めたもの
である。従って、脱炭酸素効率の単位は[kg-C/Nm3-O2]
である。以下、この単位で示した脱炭酸素効率をE’で
表す。
【0016】図2において、脱炭酸素効率E’は、吹錬
開始後、3分程経過すると吹錬が安定状態に入るので、
ほぼ一定値(1.07)に近い値となる。吹錬経過後、12分程
度経過すると、吹錬終了に近くなるので溶鋼中の炭素濃
度の低下により脱炭酸素効率E’は低下する。異常が無
ければ、吹錬開始後、約3分から約12分の間で、脱炭酸
素効率E’は、安定した値を示す。図2の場合には、点
(b) においてCOガスの異常発生に起因する、溶鋼および
スラグの噴出が発生する前に、点(a) において脱炭酸素
効率E’が低下しており、溶鋼およびスラグの噴出前に
供給酸素がスラグ内にトラップされていることがわか
る。
【0017】図3は、溶鋼およびスラグの噴出発生量と
スラグ中の蓄積酸素量との関係を示すグラフであり、横
軸は、スラグ中の蓄積酸素量であり、縦軸は、1t当た
りの噴出物の重量である。図3から明らかなように、蓄
積酸素量と噴出物重量との間に相関が認められ、蓄積酸
素量に基づいて、溶鋼およびスラグの噴出規模を予測で
きることがわかる。
【0018】図4は、この発明を250t転炉に適応した場
合において、噴出防止アクションを採った場合と、先行
技術によりオペレータの判断によって噴出防止アクショ
ンを採った場合の吹錬延長時間の比較を示すグラフであ
り、横軸は、溶鋼およびスラグの噴出抑制の対応にとも
ない延長された吹錬時間であり、縦軸は、吹錬延長時間
別の噴出防止アクション回数である。
【0019】図4に示す例では、溶鋼およびスラグの噴
出規模を大、中、小の3段階に分け、それぞれの規模別
に脱炭酸素効率E’の安定値を基準とした変動値の積分
値を大(4.51 以上) 、中(2.01 から4.50) 、小(2.00 以
下) とした。噴出規模別の噴出防止アクションは、表1
の通りであった。図4から明らかなように、この発明に
より、溶鋼およびスラグの噴出防止アクションを採れ
ば、先行技術に比べて吹錬時間の延長が低減しており、
この結果、転炉内耐火物の延命効果が期待できることが
わかる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、脱炭反応によって精錬を行うに際して、溶鋼および
精錬スラグの噴出規模を高い精度で予測することができ
るので、この予測データを使用して、溶鋼および精錬ス
ラグの噴出抑制のための最適制御を行えば、過大な噴出
防止アクションによる吹錬時間の延長に伴う炉内耐火物
の寿命低下、生産量の減少等の問題が無くなるといった
有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を転炉に適応した場合のブロック図で
ある。
【図2】脱炭酸素効率の時間推移と溶鋼およびスラグの
噴出との関係を示すグラフである。
【図3】溶鋼およびスラグの噴出発生量とスラグ中の蓄
積酸素量との関係を示すグラフである。
【図4】この発明を転炉に適応した場合において、噴出
防止アクションを採った場合と、オペレータの判断によ
って噴出防止アクションを採った場合の吹錬延長時間の
比較を示すグラフである。
【符号の説明】
1:転炉、 2:溶鋼、 3:ランス、 4:排ガスダクト、 5:底吹きノズル、 6:ランス酸素流量計、 7:底吹き酸素流量計、 8:排ガス分析計、 9:排ガス流量計、 10:計算機、 11:副原料秤量器。
フロントページの続き (72)発明者 内尾 政人 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−188211(JP,A) 特公 昭62−46607(JP,B2) R&D神戸製鋼技報VOL.36,N O.1(1986)PP.31−35 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 5/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱炭反応によって精錬を行うに際して、
    精錬炉から排出されるCOガス量と前記精錬炉に供給され
    る酸素量を測定し、前記COガス量と前記酸素量との比に
    基づいて脱炭酸素効率を演算し、このようにして演算し
    た前記脱炭酸素効率の安定値を基準とした変動の積分値
    を演算し、このようにして演算した前記積分値の大小に
    基づいて前記COガスの異常発生に起因する、溶鋼および
    スラグの噴出規模を予測することを特徴とする、精錬工
    程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法。
JP6112892A 1992-02-17 1992-02-17 精錬工程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法 Expired - Lifetime JP2800537B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6112892A JP2800537B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 精錬工程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6112892A JP2800537B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 精錬工程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05222429A JPH05222429A (ja) 1993-08-31
JP2800537B2 true JP2800537B2 (ja) 1998-09-21

Family

ID=13162139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6112892A Expired - Lifetime JP2800537B2 (ja) 1992-02-17 1992-02-17 精錬工程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2800537B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006050888A1 (de) * 2006-10-27 2008-04-30 Siemens Ag Verfahren zur Regelung des Kohlenmonoxid-Austrags bei einem metallurgischen Schmelzverfahren
CN116469481B (zh) * 2023-06-19 2023-08-29 苏州方兴信息技术有限公司 一种基于XGBoost算法的LF精炼钢水成分预报方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
R&D神戸製鋼技報VOL.36,NO.1(1986)PP.31−35

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05222429A (ja) 1993-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220177987A1 (en) Method for predicting slopping in converter, method for operating converter, and system for predicting slopping in converter
EP0347884B1 (en) Process for vacuum degassing and decarbonization with temperature drop compensating feature
JP2800537B2 (ja) 精錬工程における溶鋼およびスラグの噴出規模の予測方法
JP6421732B2 (ja) 転炉の操業方法
JP7036142B2 (ja) 転炉のスロッピング予知方法、転炉の操業方法及び転炉のスロッピング予知システム
JP2002212624A (ja) 転炉吹錬方法
JP3164976B2 (ja) 転炉でのスロッピング予知方法及びその防止方法
JP6604460B2 (ja) 転炉の操業方法
JP6421731B2 (ja) 転炉の操業方法
JPS625969B2 (ja)
JP2020105611A (ja) 転炉の操業方法
JP2679189B2 (ja) 溶融還元におけるスロッピング予知方法およびスロッピング防止方法
JP3225747B2 (ja) 溶鋼の真空脱ガス脱炭方法
JP2000129330A (ja) 地金飛散の少ない転炉製鋼方法
KR100470066B1 (ko) 슬로핑 발생을 방지하기 위한 전로조업방법
JP3232922B2 (ja) 溶銑の脱珪方法
JPS5729520A (en) Top-and-bottom-blown converter
JPH11140534A (ja) 真空下における溶鋼の吹酸脱炭方法
JP2803534B2 (ja) 転炉の吹錬制御方法
RU2125099C1 (ru) Способ выплавки стали в конвертере
JPH09118908A (ja) 転炉吹錬制御方法
JP3282487B2 (ja) ホーロー用鋼の製造方法
SU889715A1 (ru) Способ управлени кислородно-конверторной плавкой
CN117043362A (zh) 转炉的操作方法和钢水的制造方法
JPH05140625A (ja) 炭材添加によるスラグフオーミング抑制のためのスラグ高さ測定方法