JP2803534B2 - 転炉の吹錬制御方法 - Google Patents

転炉の吹錬制御方法

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JP2803534B2 JP27021593A JP27021593A JP2803534B2 JP 2803534 B2 JP2803534 B2 JP 2803534B2 JP 27021593 A JP27021593 A JP 27021593A JP 27021593 A JP27021593 A JP 27021593A JP 2803534 B2 JP2803534 B2 JP 2803534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は転炉の吹錬制御方法、特
に溶湯温度の連続測温装置を用いた転炉の吹錬制御方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸素精錬炉の吹錬制御方法と
しては、例えば特開平4−124211号公報に示され
るように、操業条件に応じて吹錬前に作成された吹錬パ
ターンに沿って吹錬を行い、吹錬中にはスロッピングや
スピッティング状況(一般に酸素噴出について、ハード
に過ぎるとスピッティングを、またソフトに過ぎるとス
ロッピングを起す傾向がある。)に応じて吹錬パターン
を調整し吹錬の安定化を図ってきている。また吹錬中の
炉内状況を把握するために、サブランスによる測温・サ
ンプリングを行ったり、排ガス分析により炉内反応を推
定するという方法が行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
吹錬においては、スラグの生成状況やスクラップの溶解
挙動等がヒート毎に異なる。また炉内の二次燃焼比率の
変動等のため、必ずしも予定通りに吹錬を制御できてい
るとは限らない。したがって、予定より温度が上がり過
ぎたためにスロッピングが発生したり、温度が低位に推
移したために媒溶剤の滓化が遅れ、結果的に成分異常が
発生するといった問題があった。
【0004】また、サブランス測定についても、プロー
ブの交換時間などの制約から短時間の吹錬の中ではせい
ぜい数点の測定しかできず、またコストもかかることか
ら、通常は1ヒートあたり1〜2回の測定により終点制
御をおこなっているのが現状で、連続的な温度測定では
ないので、吹錬状況全体を把握することはできないとい
う問題があった。また排ガス分析を利用する方法につい
ても、物質収支は把握できるが、熱収支については十分
な情報が得られないという問題があった。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、転炉内の溶湯温度の連続測定
の可能な連続測温装置を開発すると共に、この開発した
連続測温装置を用い吹錬中の溶湯温度を連続的に測定し
て吹錬挙動を正確に把握し、溶湯温度を適正に制御する
ことにより、吹錬制御精度を向上させることができる転
炉の吹錬制御方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
転炉の吹錬制御方法は、転炉において上吹きランスと炉
体に設けられた羽口のいずれか、または両方から酸素を
吹込み溶湯を精錬する吹錬制御方法において、前記溶湯
内に光ファイバーを挿入し、その溶損分を供給する手段
を含む光ファイバー測温装置を用いて、溶湯の温度を連
続的又は断続的に測定して吹錬中の溶湯の温度推移を把
握する溶湯温度測定工程と、該溶湯の温度測定工程で測
定された溶湯温度が予め設定された温度に達した段階で
冷却剤の添加を開始し、冷却剤添加中の溶湯温度を所定
の温度範囲内に維持するように、冷却剤の投入速度及び
吹込み酸素流量を制御する冷却剤投入及び酸素流量制御
工程とを有するものである。
【0007】本発明の請求項2に係る転炉の吹錬制御方
法は、前記請求項1に係る転炉の吹錬制御方法におい
て、前記冷却剤として鉄鉱石又は/及びミルスケールを
用い、冷却剤の添加開始温度を1380℃〜1450℃
の範囲内の所定の温度とし、冷却剤添加中の溶湯温度を
1380℃〜1500℃の範囲内に維持するように、冷
却剤の投入速度及び吹込み酸素流量を制御する冷却剤投
入及び吹込み酸素流量制御工程を有するものである。
【0008】
【作用】本請求項1に係る発明においては、転炉におい
て上吹ランスと炉体に設けられた羽口のいずれか、また
は両方から酸素を吹込み溶湯を精錬する吹錬制御方法に
おいて、溶湯温度測定工程では、前記溶湯内に光ファイ
バーを挿入し、その溶損分を供給する手段を含む光ファ
イバー測温装置を用いて、溶湯の温度を連続的又は断続
的に測定して吹錬中の溶湯の温度推移を把握する。冷却
剤投入及び吹込み酸素流量制御工程では、前記溶湯温度
測定工程で測定された溶湯温度が予め設定された温度に
達した段階で冷却剤の添加を開始し、冷却剤添加中の溶
湯温度を所定の温度範囲内に維持するように、冷却剤の
投入速度及び吹込み酸素流量を制御する。
【0009】本請求項2に係る発明においては、前記請
求項1に係る発明における冷却剤投入及び吹込み酸素流
量制御工程において、前記冷却剤として鉄鉱石又は/及
びミルスケールを用い、冷却剤の添加開始温度を138
0℃〜1450℃の範囲内の所定の温度とし、冷却剤添
加中の溶湯温度を1380℃〜1500℃の範囲内に維
持するように、冷却剤の投入速度及び吹込み酸素流量を
制御する。
【0010】
【実施例】図2は本発明に係る転炉の吹錬制御方法を実
施した300t上底吹き転炉の設備概要図である。同図
において、20は光ファイバーを転炉200内に挿入す
るための測温ノズルであり、測温羽口ともいう。100
は連続測温装置の一例としての光ファイバー測温装置で
あり、転炉200内の溶湯に光ファイバーを挿入し、そ
の溶損した分だけ新しい光ファイバーを絶えず送り出し
て供給を続ける手段を含む装置である。
【0011】200は転炉、300はメインランスであ
り、吹錬制御を行なうために上部から酸素が供給され、
またワイヤーにより上下に移動が可能になっている。4
00はサブランスであり、その先端には測温エレメント
(例えば熱電対)を含むプローブが設けられ、同様にワ
イヤーにより上下に移動が可能になっている。500は
副原料ホッパーであり、鉄鉱石やミルスケール等が蓄え
られており、これらは吹錬工程中に冷却剤として添加さ
れる。600は排ガス分析計である。光ファイバー測温
装置100の開発により、耐久性のある連続測温装置を
実現することができたので、最初に光ファイバー測温装
置100についての説明を行なう。
【0012】図3は図2の光ファイバー測温装置の構成
を示すブロック図である。同図において、10は光ファ
イバー供給装置であり、金属管被覆光ファイバー11、
モータ12、ローラ13、送りコントローラ14、送り
速度検出器15、光ファイバードラム16及び放射温度
計17により構成される。20は炉内に金属管被覆光フ
ァイバー11を挿入するための測温ノズルである。21
は測温ノズル20と結合される光ファイバーガイドであ
り、金属管被覆光ファイバー11を挿通させると共に、
ノズル詰り防止ガスが供給される。30はノズル詰り防
止ガス供給装置であり、圧力/流量調整器31,32、
供給ガスコントローラ33、供給ガス生成部34及びガ
ス圧力検出器35により構成される。そして光ファイバ
ー測温装置100は上記の光ファイバー供給装置10、
測温ノズル20、光ファイバーガイド21及びノズル詰
り防止ガス供給装置30により構成される。
【0013】図3の光ファイバーによる測温装置100
は、転炉200内の溶湯温度を測定する場合に、金属管
被覆光ファイバー11の先端部をノズル詰り防止ガス
(例えば窒素ガスN2 )と共に、直接炉内の溶融金属又
はスラグに挿入して、この金属管被覆光ファイバー11
の先端部が高温により溶損するので、この溶損した分だ
け新しい光ファイバーを絶えず送り出して供給を続ける
ことにより連続的な温度測定を可能とするものである。
ここで光ファイバーに金属管を被覆した構造とするの
は、光ファイバー供給装置10により光ファイバーを炉
内に送り込む際に、ローラによる押付け圧力およびノズ
ル詰り防止ガスの圧力が光ファイバーに印加されるの
で、この加圧に対する強度確保と、内部の光ファイバー
を保護するためである。
【0014】この光ファイバーを被覆する金属管には例
えばステンレス管を使用する。このステンレスの融点は
1400〜1430℃程度であるから、高温の溶鋼中に
挿入しても直ちに溶けず、数秒間は光ファイバーを保護
している。またこの実施例では、光ファイバーも160
0℃以上の軟化点を有する石英系ガラスで形成されてい
るから、短時間は溶融せずにその形状を保持することが
できる。この実施例における金属管被覆光ファイバー1
1は、外径が1.2mmのものが使用されている。
【0015】測温ノズル20は、例えばレンガ又はセラ
ミックスにより構成されたもの、金属の単管により構成
されたもの、または内側をセラミックスとした金属の単
管により構成されたもの等があり、さらに、前記金属の
単管または内側をセラミックスとした金属の単管により
構成された測温ノズルの外側に同心に金属管を設け、内
側の測温ノズルの外径と外側の金属管の内径との間に設
けられた空隙がノズル詰り防止ガス供給装置30に接続
される二重管構造のものもある。
【0016】測温ノズル20は、その一端が溶湯に接
し、その他端は光ファイバーガイド21と気密に結合さ
れ、この光ファイバーガイド21側から金属管被覆光フ
ァイバー11が挿通され、溶湯内に挿入される。また測
温ノズル20の内径と前記金属管被覆光ファイバー11
の外径との間には空隙が設けられ、この空隙には光ファ
イバーガイド21を介してノズル詰り防止ガスが吹込ま
れる。この実施例では、測温ノズル20としては、内径
が3.0mm、外径が5.0mmの金属の単管を使用し
た。
【0017】光ファイバーガイド21は、光ファイバー
供給装置10から連続的に送り出される金属管被覆光フ
ァイバー11を、ノズル詰り防止ガス供給装置30から
供給されるノズル詰り防止ガスと共に、測温ノズル20
を通して転炉200内の溶湯に送り出す機能を有する。
【0018】光ファイバーガイド21の一端は測温ノズ
ル20の溶湯に接しない方の一端と気密に接続され、そ
の他端は、金属管被覆光ファイバー11は通過できる
が、ノズル詰り防止ガスは光ファイバー供給装置10側
に漏洩しないように、例えば二重シール等が設けられた
高度の気密構造になっている。また光ファイバーガイド
21の内径と金属管被覆光ファイバー11の外径との間
に設けられた空隙には、ノズル詰り防止ガス供給装置3
0からの配管が結合され、前記ガスが供給されている。
このように光ファイバーガイド21は、測温ノズル20
と別の部材で構成されてはいるが、光ファイバーをノズ
ル詰り防止ガスと共に転炉200内に送り出す機能は全
く同一であり、広義では測温ノズル20の一部を構成す
る部材であるとみなすことができる。
【0019】光ファイバーガイド21と気密に接続され
た測温ノズル20からは、金属管被覆光ファイバー11
の送り出しと共に、ノズル詰り防止ガスが炉内の溶湯に
吹出される。この場合に、溶湯中におけるノズル詰り防
止ガスの浮上領域内では気泡が生成されるので、この気
泡生成領域内に金属管被覆光ファイバー11の先端が入
ると、温度測定精度が低下する。従って、例えば測温ノ
ズル20を水平面より下向にある傾斜角(例えば30度
程度)をもたせて設置し、金属管被覆光ファイバー11
の先端がガスの浮上領域内に入られないようするのが望
ましい。
【0020】光ファイバー供給装置10は、光ファイバ
ーガイド21及び測温ノズル20を介して、金属管被覆
光ファイバー11を連続的又は断続的に転炉200内に
送り出す機能を有する。このため、送りコントローラ1
4は、モータ12を駆動し、光ファイバードラム16内
にあらかじめ巻込されている金属管被覆光ファイバー1
1を送り出すが、この場合に、送り速度検出器15によ
り光ファイバーの送り速度を検出し、この検出値により
送り速度が所定の値になるように制御を行なっている。
【0021】この実施例では、光ファイバーの連続的な
送り速度は5mm/secとして、断続的な送り速度
は、10mm/secで10秒間送り出し、その後20
秒停止する動作を繰返すようにしている。この光ファイ
バーの送り出しは、ノズル詰り防止ガスと共に炉内に挿
入される金属管被覆光ファイバー11の先端部が、時間
の経過と共に、溶損してゆくので、この溶損した分だけ
(即ち消耗した分だけ)新しい光ファイバーを絶えず供
給するために行なわれる。そしてこの新しい光ファイバ
ーを絶えず供給することによって、連続的な温度計測が
可能となる。
【0022】送り速度検出器15は、例えば単位時間内
におけるセンサ用ローラの回転角度から送り速度を求め
ることができ、この検出信号は送りコントローラ14及
びノズル詰り防止ガス供給装置30内の供給ガスコント
ローラ33へ供給される。そしてこの送り速度検出器1
5の検出値が正常の範囲内であるか否かにより、光ファ
イバー送り出しの難易状態を判別することができる。例
えば測温ノズル20の先端が詰ってくると送り速度は低
下してくる。送りコントローラ14は、送り速度が正常
の範囲より低下するとモータ12の駆動を停止させ、装
置の故障を防止している。
【0023】光ファイバー測温装置100は、黒体放射
条件が成立すれば、その放射スペクトル分布から絶対温
度が算出できるという計測原理を利用している。このた
め、炉内に挿入された金属管被覆光ファイバー11の先
端より溶湯が放射するスペクトル光を入力し、このスペ
クトル光が光ファイバー内を伝播して放射温度計17へ
入力する。
【0024】放射温度計17には、例えば2波長の輝度
出力の比較から温度を求める2色温度計や放射光の輝度
出力から直接温度を求める赤外放射温度計等があり、入
力する光スペクトル信号からそれぞれの測定方式に従っ
て温度を算出し、この算出された温度信号は電気信号と
して出力され、例えば図示されない記録計等へ供給され
る。
【0025】ノズル詰り防止ガス供給装置30が光ファ
イバーガイド21に供給するガスとしては、不活性ガス
(この例では窒素ガス)、酸化性ガス(この例では酸素
ガス)及び不活性ガスと酸化性ガスとの混合ガス(この
混合比は可変設定が可能である)の3種類のガスのいず
れかを選択して使用する。またこのガス種別の選択は、
光ファイバー供給装置10による金属管被覆光ファイバ
ー11の送り出しの難易状況に応じて、手動又は自動に
より行なわれる。なお、図3の実施例は、このガス種別
が自動選択される場合を示している。
【0026】ノズル詰り防止ガス供給装置30内の供給
ガスコントローラ33は、ガス圧力検出器35の検出信
号及び光ファイバー供給装置10内の送り速度検出器1
5の検出信号を入力し、この2つの検出信号の値に応じ
て、前記3種類のノズル詰り防止ガスのいずれかを自動
的に選択し、この選択結果に基づく制御信号を、それぞ
れ圧力/流量調整器31及び32に供給する。
【0027】圧力/流量調整器31,32には、圧力調
整器、流量調整器、制御バルブ等が含まれており、それ
ぞれ入力される窒素ガス、酸素ガスを制御信号に従った
圧力及び流量として供給ガス生成部34へ供給する。供
給ガス生成部34では、窒素ガス、酸素ガスまたは両者
の混合ガスのいずれかが所定の圧力で生成され、ここか
ら光ファイバーガイド21へ供給される。
【0028】ガス圧力検出器35は、供給ガス生成部3
4が光ファイバーガイド21へ供給するガス圧力を検出
し、この検出値を供給ガスコントローラ33へ供給す
る。これは、測温ノズル20の先端が詰ってくると、供
給するガスの吹出し量が減少し、ガス圧力の検出値が上
昇するので、この検出値が正常の範囲内であるか否かに
より測温ノズル20の先端の詰り状態を判別できるから
である。供給ガスコントローラ33は、この供給ガス圧
力検出値と前記光ファイバー送り速度検出値とにより測
温ノズル20の先端の詰り状態を判断して、ガス種別の
自動選択を行なう。
【0029】図3の実施例において、供給ガスコントロ
ーラ33は、前記光ファイバー送り速度検出値及び供給
ガス圧力検出値が正常範囲の場合には、測温ノズル20
及び転炉200内に挿入された金属管被覆光ファイバー
11を保護するために、ノズル詰り防止ガスとして、冷
却効果のある不活性ガス(図3では窒素ガス)を選択し
ている。しかし不活性ガスを流す際に、その流量が多過
ぎると、測温ノズル20の先端にマッシュルーム(溶融
金属が部分的に凝固したスポンジ状のかたまり)が生成
され、金属管被覆光ファイバー11の挿入ができなくな
る。
【0030】また反対に不活性ガスの流量が少な過ぎる
と、測温ノズル20の先端に溶湯が差しこむ。図3の例
においては、圧力/流量調整器31により調整された光
ファイバーガイド21への窒素ガスの吹込量は、3.0
Nm3 /Hr(833cc/sec)とし、測温ノズル
20の先端でのガスの線流速は、50〜500Nm/s
ecの範囲内で最適な値となるように調節している。ま
たこの線流速を確保するためには、測温ノズル20の内
径と、金属管被覆光ファイバー11の外径との比は、ほ
ぼ1.5〜3.5の範囲とするのが最も好ましい。
【0031】上記のように窒素ガスを吹込んで温度計測
を行なっても、転炉200内の測温ノズル20の先端で
のマッシュルームの生成等により光ファイバーの送り速
度が低下し、供給ガス圧力が上昇することがある。この
場合には、供給ガスコントローラ33は、ノズル詰り防
止ガスとして、窒素ガスに酸素ガスを所定の比率で混合
した混合ガスを選択する。この混合ガスの混合比は可変
設定が可能であるが、通常は測温ノズル20の保護の観
点から、酸素ガスの混合比は最大でも50%までにとど
めるのが良い。
【0032】供給ガスコントローラ33は、前記選択結
果に基づき圧力/流量調整器31及び32を制御し、前
記所定の混合比の混合ガスを生成させ、これを光ファイ
バーガイド21に吹込み、マッシュルーム等を溶解させ
て、その付着を防止することができる。しかしながら強
固なマッシュルーム付着等により、混合ガスの吹出しで
は、光ファイバーの送り速度及び供給ガス圧力が正常範
囲に戻らない場合があるので、この場合には、供給ガス
コントローラ33は、ノズル詰り防止ガスとして、短時
間だけ酸素ガスを選択し、この酸素ガスによる溶解を行
なうようにしている。
【0033】図2の転炉の設備概要図において、連続測
温装置としての光ファイバー測温装置100は、下記の
測定条件により連続測温を行なった。 (1)測温ノズル、 型式:金属単管ノズル ノズルの内径/外径:3.0mm/5.0mm 材質:SUS304 (2)光ファイバー、構造:ステンレス管被覆 外径:1.2mm (3)ガス吸込み、 種類:窒素ガス 吸込量:3.0Nm3 /Hr 吹出流速:328Nm/sec (4)光ファイバー送り速度:5mm/sec(連
続)、又は10mm/sec(断続)
【0034】図4は転炉200内の溶湯温度について、
精度確認のために行なったサブランス測定による熱電対
指示値(Ts )と光ファイバー測温装置100で測定し
た温度指示値(Tf )との対比を示す図であり、横軸に
s を縦軸にTf を示し、光ファイバーによる測定値を
□印で示している。図4の□印は、ほぼTs =Tf の直
線上に分布しており、良好の測定結果であることを示し
ている。ちなみに、Ts が1600℃近傍でのTs とT
f との差は約4℃であり、0.25%の高精度であっ
た。また光ファイバーの送り速度は連続で5mm/se
cの場合と、10mm/secで10秒間送出し、その
後20秒間停止の断続的の場合とで、ほぼ同一の測定結
果が得られた。
【0035】このように連続測温装置としての光ファイ
バー測温装置100は、金属管被覆光ファイバーの先端
部をノズル詰り防止ガスと共に、測温ノズルを通して直
接炉内の溶湯に挿入し、前記光ファイバーの先端部が高
温により溶損した分だけ新しい光ファイバーを絶えず送
り出して供給を続けるようにしたので、長時間の連続測
定が可能で、且つ応答性が早く、測定精度も良いという
特徴を有する。
【0036】本発明に係る転炉の吹錬制御方法において
は、吹錬中の溶湯の温度推移を十分に把持するために、
前記光ファイバー測温装置100を用いて、溶湯温度の
連続的な測定または必要に応じて断続的な測定を行な
い、この測定温度に基づき吹錬制御を行なうようにして
いる。
【0037】図1は本発明に係る転炉の吹錬制御方法を
実施した吹錬中の溶湯温度推移図である。図1の横軸は
メインランス300から吹込まれる酸素の積算量(単位
はNm3)で、縦軸は溶湯温度(単位は℃)である。本
発明に係る転炉の吹錬制御方法を図1により説明する。
転炉においては、上吹きランスと炉体に設けられた羽口
のいずれか、または両方から酸素を吹込み溶湯を精錬す
る操業を行なうが、本発明においては、次の工程により
吹錬制御を行なう。 (1)吹錬中の溶湯温度測定工程 図1の吹錬開始時から所定酸素流量の吹込みを開始する
のと同時に、石灰系媒溶剤を所定量(例えば13〜42
kg/ton)投入し、この吹錬開始から吹止めまでの
全期間にわたる溶湯温度の推移を光ファイバー測温装置
100により連続的に又は断続的に測定する。
【0038】(2)冷却剤投入及び吹込み酸素流量制御
工程 溶湯温度が1380〜1450℃の範囲内の所定温度
(例えば1430℃)になった時点で、冷却剤として副
原料ホッパー500から鉄鉱石又は/及びミルスケール
の連続添加を開始する。この冷却剤を連続添加する場合
に、冷却剤の投入速度及び吹込み酸素流量を、冷却剤添
加中の溶湯温度が1380〜1500℃の範囲を維持す
るように制御する。そして所定の添加量に達した時点
で、冷却剤の投入を中止する。 (3)冷却剤添加終了後の吸込み酸素流量制御工程 冷却剤の添加終了後、所定酸素流量の吸込みを継続し
て、溶湯温度が所要の温度まで上昇した時点で吹止め、
出鋼する。
【0039】前記冷却剤の添加開始温度を1380〜1
450℃の範囲と定め、また冷却剤添加中の溶湯温度を
1380〜1500℃の範囲に制御する理由は次の通り
である。吹錬の前半の工程では、炉内に添加された焼石
灰の一部は未溶解で、溶解しているスラグ組成物は2C
aO・SiO2 であり、スラグ温度の早期上昇での早期
造滓による反応促進の利益と、スラグ温度の早期上昇に
より生じるスロッピングによる吹鋼の不安定という相反
する点を考慮して、2CaO・SiO2 の融点である1
450℃と、この融点が多元系で融点降下している実際
の融点約1380℃の近傍との間が望ましい冷却剤添加
開始温度であるとして定め、また冷却剤投入後の溶湯温
度をこの近傍の温度領域に制御することによりスロッピ
ングを防止しながら、且つ反応遅れもない安定した吹錬
を実現できるからである。
【0040】図5は本発明に係る転炉の吹錬制御方法と
従来方法とのスロッピング発生の比較図である。同図の
横軸は月間平均溶鉄のSi含有率(単位は10-2%)
で、縦軸は大スロッピング発生比率(単位は%)であ
り、大きなスロッピングの発生が月間平均0.2%以下
と低いということは、吹錬が安定していることを意味し
ており、そのため、炉内容物の炉外への損失が少なく、
歩留りの向上に寄与していると共に、吹錬パターンモデ
ルの終点推定精度の向上にも効果がある。
【0041】図6は本発明に係る転炉の吹錬制御方法と
従来方法との連続鋳造時の溶鋼のりん含有量の比較図で
あり、同図の横軸はりん含有量の上限値を示す規格
[P]と素鋼のりん含有量である素鋼[P]の差を示
し、縦軸は発生頻度を示している。
【0042】図6の(a)の従来法と(b)の本発明法
とでは、発生頻度のバラツキを示す標準偏差σは、1.
61から1.28に、即ち従来法の80%の値に減少し
ており、また横軸上における操業の平均値xmeanは、−
2.6×10-3%から−2.3×10-3%へと規格値に
接近しており、技術的に著しい進歩があったことを示し
ている。さらにまた吹錬に使用していた媒溶剤も従来法
の45kg/tonから本発明法では42kg/ton
に低減させることができ、従来無駄に使用していた媒溶
剤も節減することができた。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、転炉にお
いて上吹ランスと炉体に設けられた羽口のいずれか、ま
たは両方から酸素を吹込み溶湯を精錬する吹錬制御方法
において、前記溶湯内に光ファイバーを挿入し、その溶
損分を供給する手段を含む光ファイバー測温装置を用い
た溶湯温度の連続的又は断続的な測定により吹錬挙動を
正確に把握し、吹錬中に添加する冷却剤の添加開始温度
及び冷却剤添加中の溶湯温度を適正に制御することによ
り、吹錬制御精度を向上させることができる。
【0044】また本発明によれば、前記吹錬中に添加す
る冷却剤として鉄鉱石又は/及びミルスケールを用い、
冷却剤の添加開始温度を1380℃〜1450℃の範囲
内の所定の温度とし、冷却剤添加中の溶湯温度を138
0℃〜1500℃の範囲内に維持するように制御するこ
とにより、スロッピングの発生率が低下し、全体的な滓
化も良好で安定した吹錬が可能となり、生産性及び品質
が共に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転炉の吹錬制御方法を実施した吹
錬中の溶湯温度推移図である。
【図2】本発明に係る転炉の吹錬制御方法を実施した転
炉の設備概要図である。
【図3】図2の光ファイバー測温装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】熱電対指示値と光ファイバー温度計指示値との
対比を示す図である。
【図5】本発明に係る転炉の吹錬制御方法と従来方法と
のスロッピング発生の比較図である。
【図6】本発明に係る転炉の吹錬制御方法と従来方法と
の連続鋳造時の溶鋼のりん含有量の比較図である。
【符号の説明】
10 光ファイバー送り装置 11 金属管被覆光ファイバー 12 モータ 13 ローラ 14 送りコントローラ 15 送り速度検出器 16 光ファイバードラム 17 放射温度計 20 測温ノズル 21 光ファイバーガイド 30 ノズル詰り防止ガス供給装置 31,32 圧力/流量調整器 33 供給ガスコントローラ 34 供給ガス生成部 35 ガス圧力検出器 100 光ファイバー測温装置 200 転炉 300 メインランス 400 サブランス 500 副原料ホッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 茂 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊地 一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−124211(JP,A) 特開 平2−19416(JP,A) 特開 昭58−117814(JP,A) 特開 平4−41611(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 5/30 C21C 5/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転炉において上吹ランスと炉体に設けら
    れた羽口のいずれか、または両方から酸素を吹込み溶湯
    を精錬する吹錬制御方法において、 前記溶湯内に光ファイバーを挿入し、その溶損分を供給
    する手段を含む光ファイバー測温装置を用いて、溶湯の
    温度を連続的又は断続的に測定して吹錬中の溶湯の温度
    推移を把握すると共に、前記測定温度が予め設定された
    温度に達した段階で冷却剤の添加を開始し、冷却剤添加
    中の溶湯温度を所定の温度範囲内に維持するように、冷
    却剤の投入速度及び吹込み酸素流量を制御することを特
    徴とする転炉の吹錬制御方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却剤として鉄鉱石又は/及びミル
    スケールを用い、冷却剤の添加開始温度を1380℃〜
    1450℃の範囲内の所定の温度とし、冷却剤添加中の
    溶湯温度を1380℃〜1500℃の範囲内に維持する
    ように、冷却剤の投入速度及び吹込み酸素流量を制御す
    ることを特徴とする請求項1記載の転炉の吹錬制御方
    法。
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