JP2798655B2 - シール材及びその製造方法 - Google Patents

シール材及びその製造方法

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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシール材に関し、さ
らに詳しくは、タービンロータとケーシング、仕切板な
どとの隙間をシールするために漏れ蒸気を絞り作用によ
って圧力降下させ、漏れを少なくするために使用される
ラビリンスパッキンとして好適なシール材に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】蒸気
タービンにおいて、漏れ蒸気を極力少なくして効率的に
エネルギーを伝達しうるように、タービンロータの高速
回転を阻害せず且つ良好なシール性を確保するために
『ラビリンスパッキン』と呼ばれる非接触式のシール材
がケーシング側に植込まれて使用されている。このラビ
リンスパッキンには、相手材であるロータなどと接触し
た場合、それに損傷を与えず、パッキン自体が摩滅する
性質が要求されているので、材質としては比較的軟らか
い銅合金系が用いられてきた。しかし、近年、エンジン
の性能向上に伴い、蒸気温度が上昇し、400℃を超え
る高温での強度、特にクリープ強度が高いことが求めら
れているが、銅合金のクリープ強度は極めて低い。この
ように、ラビリンスパッキンには、金属材料として背反
する両特性、すなわち、『良好な摩滅性(摩滅しやすい
こと)』と『高クリープ強度』が要求されるが、この両
特性を同時に満たすようなものは提供されていない。例
えば、良好な摩滅性を有する銅の耐熱性を高めるために
ニッケルを添加した合金も、400℃以上では十分な耐
熱性を有しない。また、ステンレス鋼は高温強度が優れ
ているが摩滅性がよくないので、相手材との接触を避け
るために間隙を大きくとる必要があり、蒸気タービンに
おいてはエンジン効率が低下する。さらに、炭素鋼は摩
滅性と高温強度の両方の点において劣っている。
【0003】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、良好
な摩滅性を有し、クリープ強度が高く、シール性の良好
なシール材及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、耐熱合金製の縦線と横線を織り込むことに
よって得た織金網の空隙に軟質合金を充填し、該織金網
の少なくとも一方の面に耐熱合金製の薄板を固着するこ
とにより、クリープ強度は耐熱合金製織金網により得ら
れ、良好な摩滅性は軟質合金により確保され、完全なシ
ール性は耐熱合金製の薄板により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、耐熱合金製
の縦線と横線を織り込んだ織金網の空隙に軟質合金を充
填し、該織金網の少なくとも一方の面に耐熱合金製の薄
板を固着したシール材を第一の発明とし、上記第一の発
明において、耐熱合金がオーステナイト系ステンレス鋼
であり、軟質合金がPb−Zn−Cu系合金またはAg
−Cu系合金であるシール材を第二の発明とし、上記第
一の発明において、耐熱合金がモネルメタルであり、軟
質合金に代えて黒鉛を用いたシール材を第三の発明と
し、耐熱合金製の縦線と横線を織り込むことによって得
た織金網を圧延して所定厚さにし、次いで、該織金網の
少なくとも一方の面に耐熱合金製の薄板を配して焼結
し、さらに、該織金網の空隙に軟質合金の粉末を充填し
て圧下した後、上記焼結温度より低温で焼結することに
よりシール材を製造する方法を第四の発明とし、耐熱合
金製の縦線と横線を織り込むことによって得た織金網を
圧延して所定厚さにし、次いで、該織金網の少なくとも
一方の面に耐熱合金製の薄板を配して焼結し、さらに、
該織金網の空隙に溶融した軟質合金を充填した後、上記
焼結温度より低温で加熱することによりシール材を製造
する方法を第五の発明とする。
【0006】上記のように構成される本発明によれば、
連続体である織金網の縦線と横線によりクリープ力が相
互に伝達されるため、異種金属粉末の複合材料や繊維強
化複合材料では得られない高いクリープ強度が得られ
る。また、この織金網の空隙に充填した軟質合金により
良好な摩滅性が確保される。そして、耐熱合金製の薄板
で織金網の少なくとも一方の面を覆うことにより、ガス
体に対する完全なシール性が達成される。
【0007】また、耐熱合金がオーステナイト系ステン
レス鋼である場合は、モネルメタルに比して高温強度が
向上し、一方、軟質合金に代えて黒鉛を用いた場合は、
より摩滅しやすくなる。
【0008】シール材の製造方法として、強度部材とし
て織金網を用いた場合、空孔が多く、比体積強度が低い
ので圧延をすることにより密度が高められる。そして、
圧延後の織金網に所定温度で焼結を施すことにより、縦
線と横線が接合され、曲げ強度が高められる。さらに、
この織金網の空隙に軟質合金の粉末を充填して圧下する
か又は溶融した軟質合金を充填し、上記焼結温度より低
温で焼結または加熱することにより軟質合金の密度が向
上する。
【0009】また、一方の面のみに薄板を配した場合、
線径の比較的大きい縦線と横線からなる織金網の耐熱合
金製薄板の固着面とは反対側に、線型の比較的小さい縦
線と横線からなる織金網を固着すれば、焼結後または加
熱後の軟質合金保持に好都合である。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は、シール材の製造方法を説明する図で
あり、同図に基づいて順次説明する。
【0011】(1) 織金網の空隙に軟質合金の粉末を充填
する場合 織金網の圧延 図1(a)に示すように、SUS304製の縦線1とS
US304製の横線2からなる織金網3を、上ロール4
と下ロール5の間に装入し、初期の厚さの70〜75%
程度の厚さに圧下した。この圧下により、縦線1と横線
2の接触面積が増加し、空隙率が小さくなるので、密度
(比体積強度)が高められる。
【0012】 織金網の焼結 図1(b)に示すように、上記のように圧延して得た複
数枚の織金網3と、別途作製した複数枚のSUS304
製の箔6とを、織金網3と箔6とが交互に上下になるよ
うに積層し、箔6の上面に離型剤を塗布して10-5torr
の真空下で1100℃で2時間保持し、箔付き織金網を
得た。この焼結により、織金網3の縦線1と横線2およ
び箔6との間の各接点が接合され、織金網の強度が増加
する。 軟質合金の充填 図1(c)に示すように、Pb6%−Zn15%−残C
uの合金粉末7と織金網3とを、ロール4、5で圧延す
ることにより、織金網3の空隙に上記合金粉末を強制的
に充填した。自然充填では合金粉末を密に充填できず、
焼結しても空隙の多いものしか得られないが、圧力下で
合金粉末を充填することにより後続する焼結後の合金粉
末の密度が増加する。また、Pb−Zn−Cu系合金粉
末に代わる摩滅性材料として、黒鉛を用いることができ
る。この場合、強度部材としては、SUS304に代え
てモネルメタルを用いるのが好ましい。
【0013】 軟質合金の焼結 図1(d)に示すように、合金粉末を強制充填した複数
枚の織金網3を、各織金網3の間に離型剤を塗布して積
層し、N2 雰囲気の下で800℃で1時間加熱した。合
金粉末を圧力下で織金網3の空隙に強制的に充填したの
で、焼結後の合金粉末にポーラス層はなく、強固に焼き
固めることができた。Pb−Zn−Cu系合金粉末に代
えて黒鉛とする場合、表面にニッケルメッキを施した黒
鉛粉末を用いて、同上条件で焼結することができる。こ
の後、厚さ調整および成形のためにロール圧延を行い、
所定寸法に切断した。図3(a)は、SUS304製の
厚さ0.3mmの織金網3の一方の面にSUS304の箔
6(厚さ0.1mm)を固着し、他方の面には織金網3の
縦線と横線より小径の縦線と横線を用いた厚さ0.1mm
の織金網3´を固着したものの断面を示す。図3(b)
は図3(a)の下面図である。
【0014】 台金への接合 上記のようにして得たシール材8を、図1(f)に示す
ように、台金9の空所にシール材8を装入し、Ag−C
u系ロウ材とともに800℃で1時間保持することによ
り、シール材8を台金9に接合した。また、図1(e)
に示すように、台金9の空所にシール材8を装入してカ
シメる方法を採用することもできる。 (2) 織金網の空隙に溶融軟質合金を充填する場合 図2(a)、(b)に示すように、『上記の織金網の
圧延』と『上記の織金網の焼結』と同じ工程を経た
後、図2(c)に示すように、Ag72%−Cu28%
の合金10を織金網3の上に置き、N2 雰囲気の下で8
50℃で1時間加熱することにより溶融充填させた。そ
の後、図2(e)に示すように、『上記の台金への接
合』と同じ工程(ロウ付け)を実施した。この場合、図
2(d)に示すように、カシメによりシール材8´を台
金9に接合することもできる。
【0015】(3) 各種材料で製作したシール材の摩滅性
の比較 実施例(1) の工程に従って製作したシール材8を、図4
に示すように、タービンロータの仕切板11に植込み、
図5に示すようなロータ12の外周ラビリンスパッキン
13および内周ラビリンスパッキン14として使用した
場合の摩滅性について調査したので、その結果について
表1に記載する。外周ラビリンスパッキン13は、いわ
ゆる『食い違い形』と称する形式のものであり、内周ラ
ビリンスパッキン14は、いわゆる『複合直通形』と称
する形式のものである。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように、本発明に係るものは軟
質合金を含有しているので、比較例1のものと同様に良
好な摩滅性を有している。しかし、軟質合金を有しない
比較例2や3に係るものの摩滅性はよくない。
【0018】(4) 各種材料の強度 各種材料の強度を比較した例を以下の表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示すように、本発明に係るもののク
リープ強度は、軟質合金を含有しない比較例2や3のも
のに比べるとやや低いが、十分なクリープ強度を有して
いる。
【0021】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、良好な摩滅性を有し、クリープ強度が高く、しかも
シール性の良好なシール材およびその製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール材の製造工程の一実施例を説明
する図である。
【図2】本発明のシール材の製造工程の別の実施例を説
明する図である。
【図3】図3(a)は本発明のシール材の一実施例の断
面図、図3(b)は図3(a)の下面図である。
【図4】本発明のシール材をタービンロータのケーシン
グ側に植込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】本発明のシール材を使用したタービンロータの
一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…縦線 2…横線 3、3´…織金物 4…上ロール 5…下ロール 6…箔 7…合金粉末 8、8´…シール材 9…台金 10…溶融合金 11…仕切板 12…ロータ 13…外周ラビリンスパッキン 14…内周ラビリンスパッキン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 15/453 F16J 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱合金製の縦線と横線を織り込んだ織
    金網の空隙に軟質合金を充填し、該織金網の少なくとも
    一方の面に耐熱合金製の薄板を固着したシール材。
  2. 【請求項2】 耐熱合金がオーステナイト系ステンレス
    鋼であり、軟質合金がPb−Zn−Cu系合金またはA
    g−Cu系合金である請求項1記載のシール材。
  3. 【請求項3】 耐熱合金がモネルメタルであり、軟質合
    金に代えて黒鉛を用いた請求項1記載のシール材。
  4. 【請求項4】 耐熱合金製の縦線と横線を織り込むこと
    によって得た織金網を圧延して所定厚さにし、次いで、
    該織金網の少なくとも一方の面に耐熱合金製の薄板を配
    して焼結し、さらに、該織金網の空隙に軟質合金の粉末
    を充填して圧下した後、上記焼結温度より低温で焼結す
    ることによりシール材を製造する方法。
  5. 【請求項5】 耐熱合金製の縦線と横線を織り込むこと
    によって得た織金網を圧延して所定厚さにし、次いで、
    該織金網の少なくとも一方の面に耐熱合金製の薄板を配
    して焼結し、さらに、該織金網の空隙に溶融した軟質合
    金を充填した後、上記焼結温度より低温で加熱すること
    によりシール材を製造する方法。
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