JP2797423B2 - 輸液ポンプ - Google Patents
輸液ポンプInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は液体、特に薬液を微量ずつ、しかも精度よく
供給するための輸液ポンプ、さらに詳しくは、電気化学
的な手法を用いた輸液ポンプに関するものである。
供給するための輸液ポンプ、さらに詳しくは、電気化学
的な手法を用いた輸液ポンプに関するものである。
従来の技術 近年、薬液を微量ずつ、しかも精度よく人体に注入す
るために各種輸液ポンプが使用されるようになってき
た。
るために各種輸液ポンプが使用されるようになってき
た。
従来の輸液ポンプは、その方式の違いによってシリン
ジポンプ,ペリスタルティック(ロータ式)ポンプ,フ
ィンガーポンプ,ベローズポンプの4種類に分類され
る。これらの内、ペローズポンプ以外のものは、いずれ
も薬液を押し出すための駆動源としてステッピングモー
タ,ロータリソレノイドモータ、あるいは直流モータな
どのモータを使い、薬液の吐出量の複雑な制御機構を採
用しているために、その重量および寸法とも一般に大き
すぎるし、また、高価であるために、病院のベッドサイ
ドで使われるのが普通であり、携帯用あるいは使い捨て
型にするには不向きである。また、ベローズポンプはフ
レオンガスの気化圧を利用してベローズを押し、それに
よって薬液を吐出させる方式のものであるが、フレオン
ガスの気化圧を制御することが難しく、特に微量の薬液
を長時間かけえ注入する場合には、その注入精度に問題
がある。
ジポンプ,ペリスタルティック(ロータ式)ポンプ,フ
ィンガーポンプ,ベローズポンプの4種類に分類され
る。これらの内、ペローズポンプ以外のものは、いずれ
も薬液を押し出すための駆動源としてステッピングモー
タ,ロータリソレノイドモータ、あるいは直流モータな
どのモータを使い、薬液の吐出量の複雑な制御機構を採
用しているために、その重量および寸法とも一般に大き
すぎるし、また、高価であるために、病院のベッドサイ
ドで使われるのが普通であり、携帯用あるいは使い捨て
型にするには不向きである。また、ベローズポンプはフ
レオンガスの気化圧を利用してベローズを押し、それに
よって薬液を吐出させる方式のものであるが、フレオン
ガスの気化圧を制御することが難しく、特に微量の薬液
を長時間かけえ注入する場合には、その注入精度に問題
がある。
一方、近年、新しい方式として、電気化学的輸液ポン
プが提案されている。(H,J,R.マゲット、米国特許第4,
522,698号)。この電気化学的輸液ポンプは電解質とし
て機能する含水されたイオン交換膜の両面に多孔性のガ
ス拡散電極を接合した電気化学セルの陽極に水素を供給
し、陽・陰両極間に直流電流を通電したとき、 陽極:H2→2H++2e- (1) 陰極:2H++2e-→H2 (2) なる電気化学反応が起こり、陰極で発生する昇圧された
水素をピストン,ダイヤフラム,ベローズ等を押すため
の駆動源として利用するものであり、陰極で発生する水
素の圧力および発生量を電気化学セルに通電する電流値
によって極めて精密に制御できる点に特徴がある。
プが提案されている。(H,J,R.マゲット、米国特許第4,
522,698号)。この電気化学的輸液ポンプは電解質とし
て機能する含水されたイオン交換膜の両面に多孔性のガ
ス拡散電極を接合した電気化学セルの陽極に水素を供給
し、陽・陰両極間に直流電流を通電したとき、 陽極:H2→2H++2e- (1) 陰極:2H++2e-→H2 (2) なる電気化学反応が起こり、陰極で発生する昇圧された
水素をピストン,ダイヤフラム,ベローズ等を押すため
の駆動源として利用するものであり、陰極で発生する水
素の圧力および発生量を電気化学セルに通電する電流値
によって極めて精密に制御できる点に特徴がある。
また、この電気化学セルの反応物質として、水素の代
りに酸素を利用することも可能であり、この場合には 陽極:2H2O→O2+4H++4e- (3) 陰極:O2+4H++2e-→2H2O (4) なる反応が起きる。そして、陰極に供給すべき酸素源と
して空気を用いれば輸液ポンプの構造はかなり簡単なも
のになり、安価であるという理由から、使い捨て型のも
のとして実用化される可能性がある。
りに酸素を利用することも可能であり、この場合には 陽極:2H2O→O2+4H++4e- (3) 陰極:O2+4H++2e-→2H2O (4) なる反応が起きる。そして、陰極に供給すべき酸素源と
して空気を用いれば輸液ポンプの構造はかなり簡単なも
のになり、安価であるという理由から、使い捨て型のも
のとして実用化される可能性がある。
発明が解決すべき課題 従来の電気化学的輸液ポンプは、作用物質として水素
あるいは純酸素を用いるときは、これらの期待を予め密
封しておかなけるばならないが、この操作はなかなかに
繁雑であるし、ガス漏れが起こることが多い。また、作
用物質として空気を用いる場合には、陰極としての多孔
性ガス拡散電極が大気にさらされるために、イオン交換
膜に含浸されている水が多孔性ガス拡散電極の細孔を通
して蒸発し、そのためにイオン交換膜の導電性が低下
し、その結果、電気化学セルが機能しなくなるという問
題がある。
あるいは純酸素を用いるときは、これらの期待を予め密
封しておかなけるばならないが、この操作はなかなかに
繁雑であるし、ガス漏れが起こることが多い。また、作
用物質として空気を用いる場合には、陰極としての多孔
性ガス拡散電極が大気にさらされるために、イオン交換
膜に含浸されている水が多孔性ガス拡散電極の細孔を通
して蒸発し、そのためにイオン交換膜の導電性が低下
し、その結果、電気化学セルが機能しなくなるという問
題がある。
また、従来の水素あるいは酸素の電気化学的移動反応
を利用する電気化学セルの作動電流密度は一般に200〜3
00mA/cm2であり、セルの小形化を計ろうとすると、より
大きな電流密度で作動し得る電気化学計を利用した方が
よい。
を利用する電気化学セルの作動電流密度は一般に200〜3
00mA/cm2であり、セルの小形化を計ろうとすると、より
大きな電流密度で作動し得る電気化学計を利用した方が
よい。
課題を解決するための手段 本発明は水の電解反応を利用して、陰極から発生する
水素、陽極から発生する酸素あるいはこれらの水素と酸
素の混合ガスを輸液ポンプの加圧源とすることによっ
て、上述の如き水素あるいは酸素の電気化学的移動反応
を利用する方式の欠点を除去せんとするものである。
水素、陽極から発生する酸素あるいはこれらの水素と酸
素の混合ガスを輸液ポンプの加圧源とすることによっ
て、上述の如き水素あるいは酸素の電気化学的移動反応
を利用する方式の欠点を除去せんとするものである。
作 用 水を電解すると陰極から水素が、陽極から酸素が発生
することはよく知られている。しかしながら、従来の水
電解セルは、その作動によって生成する水素なり酸素の
化学的特性に意味のある用途、例えば、ガスクロマトグ
ラブ用水素発生器あるいは水素−酸素炎をつくるための
水素−酸素混合ガス発生装置等に実用され、本発明のよ
うに水素あるいは酸素の化学的特性とは何の関係もない
輸液ポンプの駆動源もしくは加圧源として利用しようと
いう発想は全くなかった。
することはよく知られている。しかしながら、従来の水
電解セルは、その作動によって生成する水素なり酸素の
化学的特性に意味のある用途、例えば、ガスクロマトグ
ラブ用水素発生器あるいは水素−酸素炎をつくるための
水素−酸素混合ガス発生装置等に実用され、本発明のよ
うに水素あるいは酸素の化学的特性とは何の関係もない
輸液ポンプの駆動源もしくは加圧源として利用しようと
いう発想は全くなかった。
水電解セルには電解質としてアルカリあるいは酸の水
溶液、あるいはイオン交換膜が用いられるが、酸あるい
はアルカリの水溶液を用いた場合には、発生するガス中
に酸あるいはアルカリのミストが混入するし、酸あるい
はアルカリが漏れ出る恐れが大いにあるという問題があ
るのに対し、イオン交換膜を電解質とした場合には、こ
のようなことはなく、本発明の目的によく合致する。
溶液、あるいはイオン交換膜が用いられるが、酸あるい
はアルカリの水溶液を用いた場合には、発生するガス中
に酸あるいはアルカリのミストが混入するし、酸あるい
はアルカリが漏れ出る恐れが大いにあるという問題があ
るのに対し、イオン交換膜を電解質とした場合には、こ
のようなことはなく、本発明の目的によく合致する。
イオン交換膜としてカチネン交換膜を用いた場合に
は、次のような水電解反応が起る。
は、次のような水電解反応が起る。
陰 極:4H+4e-→2H2 陽 極:2H2O→O2+4H++4e- 全反応:2H2O→2H2+O2 また、アニオン交換膜を用いた場合には次のような反
応が起こる。
応が起こる。
陰 極:4H2O+4e-→2H2+4OH- 陽 極:4OH-→O2+2H2O+4e- 全反応:2H2O→2H2+O2 いずれにしても、上述の反応によって生成する水素,
酸素のどちらかを利用するか、両者の混合ガスを利用す
ることが可能であり、1Ahの通電電気量に対し、0℃,1
気圧に換算して、水素は420ml、酸素は210ml、両者の混
合ガスは630ml発生する。そして、水の消費量は1Ahにつ
き0.33g(0.33ml)である。換言すると、水電解セルへ
の電流値を制御することによって単位時間に発生するガ
スの量を制御することができる。また、これらのガスに
よってベローズ、ダイヤフラムあるいは注射筒の内筒を
押すとき、ある一定の圧力が必要となるが、この圧力お
よび流量も通電電流によって極めて精密に管理すること
ができる。
酸素のどちらかを利用するか、両者の混合ガスを利用す
ることが可能であり、1Ahの通電電気量に対し、0℃,1
気圧に換算して、水素は420ml、酸素は210ml、両者の混
合ガスは630ml発生する。そして、水の消費量は1Ahにつ
き0.33g(0.33ml)である。換言すると、水電解セルへ
の電流値を制御することによって単位時間に発生するガ
スの量を制御することができる。また、これらのガスに
よってベローズ、ダイヤフラムあるいは注射筒の内筒を
押すとき、ある一定の圧力が必要となるが、この圧力お
よび流量も通電電流によって極めて精密に管理すること
ができる。
水電解セルを輸液ポンプに用いた場合の利点は、密
封すべき反応物質が液体である水であるため、密封化が
容易であり、かつ容積が少なくてすむ。作動電流密度
が高いので、より小形化が可能である。水素と酸素と
の混合ガスを利用した場合には、一定の通電電流値あた
りの全ガス発生量が多い。水の蒸発がない。の4点と
いうことができる。すなわち、従来の水素あるいは純酸
素の電気化学的移動現象を利用する輸液ポンプの場合に
は、ガスを密封注入しなければならないため、その操作
が繁雑であり、ガスの封入状態で長く放置しておくとガ
スが抜けやすいという不具合があるのに対し、水電解セ
ルの場合には、封入すべき反応物質が液体である水であ
るため、封入に伴う問題は回避される。また、気体を封
入する場合には、封入すべき気体と同一の容積を輸液ポ
ンプの中に用意しなければならないのに対し、水を封入
する場合には、電解によって水の体積の約1000倍の体積
の気体が得られるので、逆にいえば、輸液ポンプがそれ
だけ小型になるという長所が得られる。また、従来のガ
スの電気化学的移動現象を利用するセルの作動電流密度
は200〜300mA/cm2がほぼ限界であったのに対し、水電解
セルの場合には700〜1000mA/cm2といった、はるかに大
きな電流密度での作動が可能であるため、セルをそれだ
け小型にすることが可能である。さらには、従来の方式
の場合には、水素あるいは酸素のどちらかしか利用でき
ないのに対し、本発明において、特に水の電解によって
得られる水素と酸素の混合ガスを活性すると、一定の通
電電流当たりの全ガス発生量はより多くなり、このこと
も輸液ポンプの小形化を図る上で有利となる。また、反
応物質として空気を用いる場合には、水の蒸発という問
題が深刻であるのに対し、本発明の場合には密閉系であ
るため、このような不都合は起こらない。
封すべき反応物質が液体である水であるため、密封化が
容易であり、かつ容積が少なくてすむ。作動電流密度
が高いので、より小形化が可能である。水素と酸素と
の混合ガスを利用した場合には、一定の通電電流値あた
りの全ガス発生量が多い。水の蒸発がない。の4点と
いうことができる。すなわち、従来の水素あるいは純酸
素の電気化学的移動現象を利用する輸液ポンプの場合に
は、ガスを密封注入しなければならないため、その操作
が繁雑であり、ガスの封入状態で長く放置しておくとガ
スが抜けやすいという不具合があるのに対し、水電解セ
ルの場合には、封入すべき反応物質が液体である水であ
るため、封入に伴う問題は回避される。また、気体を封
入する場合には、封入すべき気体と同一の容積を輸液ポ
ンプの中に用意しなければならないのに対し、水を封入
する場合には、電解によって水の体積の約1000倍の体積
の気体が得られるので、逆にいえば、輸液ポンプがそれ
だけ小型になるという長所が得られる。また、従来のガ
スの電気化学的移動現象を利用するセルの作動電流密度
は200〜300mA/cm2がほぼ限界であったのに対し、水電解
セルの場合には700〜1000mA/cm2といった、はるかに大
きな電流密度での作動が可能であるため、セルをそれだ
け小型にすることが可能である。さらには、従来の方式
の場合には、水素あるいは酸素のどちらかしか利用でき
ないのに対し、本発明において、特に水の電解によって
得られる水素と酸素の混合ガスを活性すると、一定の通
電電流当たりの全ガス発生量はより多くなり、このこと
も輸液ポンプの小形化を図る上で有利となる。また、反
応物質として空気を用いる場合には、水の蒸発という問
題が深刻であるのに対し、本発明の場合には密閉系であ
るため、このような不都合は起こらない。
本発明に用いられるイオン交換膜としては、パーフル
オロカーボンを母核にし、これにスルフォン酸基あるい
はカルボン酸基をイオン交換基として保持するカチオン
交換膜、あるいは同じポーフルオロカーボンを母核とし
たアニオン交換膜、あるいはスチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体を母核としたものが適している。
オロカーボンを母核にし、これにスルフォン酸基あるい
はカルボン酸基をイオン交換基として保持するカチオン
交換膜、あるいは同じポーフルオロカーボンを母核とし
たアニオン交換膜、あるいはスチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体を母核としたものが適している。
イオン交換膜への電極の接合方法およびそのための材
料としては、従来公知のすべての方法および材料が適用
できる。しかし、従来の水電解セルの構造は、すべてイ
オン交換膜の片面に陰極を、他面に陽極を接合したもの
であったが、本発明の場合には、このような構造の採用
も勿論可能であるが、イオン交換膜の片面に陰極と陽極
の双方を絶縁した形で接合し、他面には電極を接合しな
くて、水に接するようにすることも有効である。つま
り、水素と酸素との混合ガスを利用する場合には、前者
だとイオン交換膜にして、一旦、片方から水素を発生さ
せ、他面から酸素を発生させ、しかるのちに両者を混合
する必要があるので、その構造が複雑となり、特に輸液
ポンプを使い捨て型にし、微量の薬液用とする際には、
このことが障害になることがあるのに対し、後者のよう
に、片面のみからいきなり水素と酸素が混合された形で
発生させる方法が構造的に簡単である。しかし勿論、イ
オン交換膜の片面に陰極と陽極の双方を接合した場合に
は、当然、イオンの移動距離が長くなり、内部抵抗が大
きくなるという欠点もあるので、輸液ポンプの対象とす
る薬液の吐出量によってその構造を適宜選択するのがよ
い。
料としては、従来公知のすべての方法および材料が適用
できる。しかし、従来の水電解セルの構造は、すべてイ
オン交換膜の片面に陰極を、他面に陽極を接合したもの
であったが、本発明の場合には、このような構造の採用
も勿論可能であるが、イオン交換膜の片面に陰極と陽極
の双方を絶縁した形で接合し、他面には電極を接合しな
くて、水に接するようにすることも有効である。つま
り、水素と酸素との混合ガスを利用する場合には、前者
だとイオン交換膜にして、一旦、片方から水素を発生さ
せ、他面から酸素を発生させ、しかるのちに両者を混合
する必要があるので、その構造が複雑となり、特に輸液
ポンプを使い捨て型にし、微量の薬液用とする際には、
このことが障害になることがあるのに対し、後者のよう
に、片面のみからいきなり水素と酸素が混合された形で
発生させる方法が構造的に簡単である。しかし勿論、イ
オン交換膜の片面に陰極と陽極の双方を接合した場合に
は、当然、イオンの移動距離が長くなり、内部抵抗が大
きくなるという欠点もあるので、輸液ポンプの対象とす
る薬液の吐出量によってその構造を適宜選択するのがよ
い。
本発明にかかる輸液ポンプな使い捨て型にすることも
できるが、水の再充填機構を付加すれば繰り返し使用型
にすることもできる。水の再充填機構としては、ガスク
ロマトグラフの注射器による試料の注入部に採用さてい
るようなゴム栓を用いるのが適当である。尚、電気化学
セル部と薬液吐出機構部とは、それぞれ別途に用意して
おき、輸液ポンプの使用時に両者を合体させるような機
構を採用することも有効である。
できるが、水の再充填機構を付加すれば繰り返し使用型
にすることもできる。水の再充填機構としては、ガスク
ロマトグラフの注射器による試料の注入部に採用さてい
るようなゴム栓を用いるのが適当である。尚、電気化学
セル部と薬液吐出機構部とは、それぞれ別途に用意して
おき、輸液ポンプの使用時に両者を合体させるような機
構を採用することも有効である。
実施例1 第1図は本発明の第1の実施例にかかる輸液ポンプの
断面構造を示す。
断面構造を示す。
輸液ポンプは注射筒1、内筒2、薬液吐出口3、電気
化学セル部4、薬液5、水6、および弁7から構成され
る。
化学セル部4、薬液5、水6、および弁7から構成され
る。
電気化学セル部4は酸素発生電極としての陽極8、固
体電解質としてはイオン交換膜9および水素発生電極と
しての陰極10から構成される。イオン交換膜9として
は、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜が用いられ、
陽極8および陰極10はいずれも白金から構成され、イオ
ン交換膜に一体に接合されている。
体電解質としてはイオン交換膜9および水素発生電極と
しての陰極10から構成される。イオン交換膜9として
は、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜が用いられ、
陽極8および陰極10はいずれも白金から構成され、イオ
ン交換膜に一体に接合されている。
陽極8と陰極10との間に直流電流を流すと水が電解さ
れ、陽極8から酸素が、陰極10から水素が発生する。水
素は加圧され、内筒2を押し、薬液5を薬液吐出口3か
ら吐出される。酸素は弁7を介して外部へ放出される。
つまり、この場合には、水電解によって生成する水素と
酸素の内、水素のみを内筒の駆動源として利用してい
る。
れ、陽極8から酸素が、陰極10から水素が発生する。水
素は加圧され、内筒2を押し、薬液5を薬液吐出口3か
ら吐出される。酸素は弁7を介して外部へ放出される。
つまり、この場合には、水電解によって生成する水素と
酸素の内、水素のみを内筒の駆動源として利用してい
る。
実施例2 第2図は本発明の第2の実施例にかかる輸液ポンプの
断面構造を示す。
断面構造を示す。
輸液ポンプは注射筒11、内筒12、薬液吐出口13、電気
化学セル部14、薬液15、水16、および酸素通路17から構
成される。
化学セル部14、薬液15、水16、および酸素通路17から構
成される。
電気化学セル部14は実施例1で述べたと同様の、陽極
18、イオン交換膜19および陰極20から構成される。
18、イオン交換膜19および陰極20から構成される。
水電解によって、陽極18から発生する酸素は酸素通路
17を移動し、陰極20から発生する水素と混合され、内筒
12を押す。この場合には、水電界によって生成する酸素
と水素の混合ガスを内筒12の駆動源として利用するもの
である。
17を移動し、陰極20から発生する水素と混合され、内筒
12を押す。この場合には、水電界によって生成する酸素
と水素の混合ガスを内筒12の駆動源として利用するもの
である。
実施例3 第3図は本発明の第3の実施例にかかる輸液ポンプの
断面構造を示す。
断面構造を示す。
輸液ポンプは注射筒21、内筒22、薬液吐出口23、電気
化学セル部24、薬液25、水26から構成される。
化学セル部24、薬液25、水26から構成される。
電気化学セル部24はイオン交換膜25と陽極26と陰極27
とから構成されるが、第1図および第2図と異なるとこ
ろは、イオン交換膜25の片面に陽極26および陰極27が一
体に接合されている点である。この場合には、水電解に
よって陽極26から発生する酸素と陰極27から発生する水
素とはいきなり混合される。また、水は注射筒21の一部
に設けられている水供給口から注水される。
とから構成されるが、第1図および第2図と異なるとこ
ろは、イオン交換膜25の片面に陽極26および陰極27が一
体に接合されている点である。この場合には、水電解に
よって陽極26から発生する酸素と陰極27から発生する水
素とはいきなり混合される。また、水は注射筒21の一部
に設けられている水供給口から注水される。
実施例4 第4図は本発明の第4の実施例にかかる輸液ポンプの
断面構造を示す。
断面構造を示す。
この場合の輸液ポンプは、大きく別けて加圧源部29と
注射筒部30とから構成され、輸液ポンプの使用時に両者
を嵌合合体させる。
注射筒部30とから構成され、輸液ポンプの使用時に両者
を嵌合合体させる。
加圧源部29は加圧源部枠体31の中に水電解セル32が収
納されている。水電解セル32は陽極33、含水されたイオ
ン交換膜34、陰極35、弾性体36,36′、酸素導出口37お
よび水素導出口38を設けたセル枠体39から構成される。
納されている。水電解セル32は陽極33、含水されたイオ
ン交換膜34、陰極35、弾性体36,36′、酸素導出口37お
よび水素導出口38を設けたセル枠体39から構成される。
注射筒部30は外筒40、内筒41、薬液吐出口42、薬液43
から構成される。
から構成される。
水電解を行うと、陽極33から発生する酸素は加圧源部
枠体31に設けらてた溝44を経て移動し、陰極35から発生
する水素と混合され、この加圧された混合ガスが内筒41
を押す。
枠体31に設けらてた溝44を経て移動し、陰極35から発生
する水素と混合され、この加圧された混合ガスが内筒41
を押す。
効 果 従来の水素または酸素の電気化学的移動現象を利用す
る輸液ポンプと、本発明にかかる水電解を利用した輸液
ポンプについて、次のような比較を試みた。
る輸液ポンプと、本発明にかかる水電解を利用した輸液
ポンプについて、次のような比較を試みた。
比較の基準としては、インスリンを0.1ml/hの速度で2
4時間連続的に吐出する能力を持ったの輸液ポンプを選
んだ。
4時間連続的に吐出する能力を持ったの輸液ポンプを選
んだ。
先ず、従来例として水素を電気化学セルに充填し、陽
極から陰極側に移動させて昇圧するタイプの輸液ポンプ
Aと、上述の実施例1の輸液ポンプBとで、その寸法を
比較した。その結果、Aの場合には48mlの容積が必要で
あったのに対し、Bの場合には5mlにすぎなかった。ま
た、両者を30日間放置したところ、Aの場合には水素ガ
スが漏れていたため、上述の輸液能力が出なかったのに
対し、Bの場合には水減りはなく、30日後も輸液能力は
変わらなかった。
極から陰極側に移動させて昇圧するタイプの輸液ポンプ
Aと、上述の実施例1の輸液ポンプBとで、その寸法を
比較した。その結果、Aの場合には48mlの容積が必要で
あったのに対し、Bの場合には5mlにすぎなかった。ま
た、両者を30日間放置したところ、Aの場合には水素ガ
スが漏れていたため、上述の輸液能力が出なかったのに
対し、Bの場合には水減りはなく、30日後も輸液能力は
変わらなかった。
次に、従来例として、反応物質として空気を用いた場
合の輸液をポンプCと、実施例2による輸液ポンプDと
を比較した。両者を24時間作動させたところ、前者は12
時間後に輸液ポンプが作動しなくなったのに対し、後者
は24時間首尾よく作動した。これはCの場合、電気化学
セルの多孔性空気極の細孔を通して水が蒸発してしまっ
たからである。
合の輸液をポンプCと、実施例2による輸液ポンプDと
を比較した。両者を24時間作動させたところ、前者は12
時間後に輸液ポンプが作動しなくなったのに対し、後者
は24時間首尾よく作動した。これはCの場合、電気化学
セルの多孔性空気極の細孔を通して水が蒸発してしまっ
たからである。
第1図、第2図、第3図および第4図はそれぞれ本発明
の第1、第2、第3および第4の実施例にかかる輸液ポ
ンプの断面構造を示す。 1……注射筒、2……内筒 3……薬液吐出口、4……電気化学セル部 8……陽極、9……イオン交換膜 10……陰極
の第1、第2、第3および第4の実施例にかかる輸液ポ
ンプの断面構造を示す。 1……注射筒、2……内筒 3……薬液吐出口、4……電気化学セル部 8……陽極、9……イオン交換膜 10……陰極
Claims (2)
- 【請求項1】イオン交換膜の片面に陰極を、他面に陽極
をそれぞれ一体に接合せしめてなる電気化学セルに含水
せしめるとともに、直流電流を通電することによって前
記水の電解によって陰極から発生する水素、陽極から発
生する酸素、あるいはこれらの水素と酸素との混合気体
のいずれかを加圧源として、液体を直接圧送するか、ベ
ローズもしくはダイヤフラムを介して液体を押し出す
か、あるいは注射筒の内筒を前進させて液体を押し出す
機構を用いてなることを特徴とする輸液ポンプ。 - 【請求項2】イオン交換膜の片面に陰極と陽極とをそれ
ぞれ絶縁するように離して一体に接合せしめてなる電気
化学セルに含水せしめるとともに、直流電流を通電する
ことによって前記水の電解によって陰極から発生する水
素と陽極から発生する酸素との混合気体を加圧源とし
て、液体を直接圧送するか、ベローズもしくはダイヤフ
ラムを介して液体を押し出すか、あるいは注射筒の内筒
を前進させて液体を吐出せしめる機構を用いてなること
を特徴とする輸液ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1123541A JP2797423B2 (ja) | 1989-05-17 | 1989-05-17 | 輸液ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1123541A JP2797423B2 (ja) | 1989-05-17 | 1989-05-17 | 輸液ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02302264A JPH02302264A (ja) | 1990-12-14 |
JP2797423B2 true JP2797423B2 (ja) | 1998-09-17 |
Family
ID=14863153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1123541A Expired - Lifetime JP2797423B2 (ja) | 1989-05-17 | 1989-05-17 | 輸液ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2797423B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07227424A (ja) * | 1994-02-17 | 1995-08-29 | Japan Storage Battery Co Ltd | 流体輸送器 |
JPH0824619A (ja) * | 1994-07-14 | 1996-01-30 | Japan Storage Battery Co Ltd | 流体供給装置及びその製造方法 |
JPH0858897A (ja) * | 1994-08-12 | 1996-03-05 | Japan Storage Battery Co Ltd | 流体供給装置 |
US6872292B2 (en) * | 2003-01-28 | 2005-03-29 | Microlin, L.C. | Voltage modulation of advanced electrochemical delivery system |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0209644A1 (en) * | 1985-05-02 | 1987-01-28 | Ivac Corporation | Electrochemically driven drug dispenser |
US4687423A (en) * | 1985-06-07 | 1987-08-18 | Ivac Corporation | Electrochemically-driven pulsatile drug dispenser |
-
1989
- 1989-05-17 JP JP1123541A patent/JP2797423B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02302264A (ja) | 1990-12-14 |
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