JPH09154938A - 流体供給装置 - Google Patents

流体供給装置

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JPH09154938A
JPH09154938A JP7345234A JP34523495A JPH09154938A JP H09154938 A JPH09154938 A JP H09154938A JP 7345234 A JP7345234 A JP 7345234A JP 34523495 A JP34523495 A JP 34523495A JP H09154938 A JPH09154938 A JP H09154938A
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JP
Japan
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water
fluid
electrochemical cell
fluid supply
cell
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Withdrawn
Application number
JP7345234A
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English (en)
Inventor
Satoru Saito
哲 斉藤
Kazuhide Totsuka
戸塚  和秀
Yuko Fujita
雄耕 藤田
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Japan Storage Battery Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極の背面に隣接して水が存在する電気化学
セルを使用した従来の流体供給装置には、微量の酸素発
生装置(例えば、1ml/hr)を高精度で取り扱おう
とする場合、酸素が水の層をくぐり抜ける際、一種の抵
抗となり、酸素の水中での滞留時間が無視し得ないこと
が多く、通電電気量と流体供給量の関係の精度がよくな
かった。 【解決手段】電気化学セルのセル容器9に水貯蔵部12
を備え、水貯蔵部内の水13は電解質としてのイオン交
換膜1と常時接触しているよう構成した流体供給装置と
することにより、通電電気量に比例した流体供給速度が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体を精度よく供給
するための、流体供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、流体を微量ずつ、しかも精度よく
注入するために、電気化学方式を利用したが流体供給装
置が使用されるようになった。
【0003】本願発明者のひとりは、直流電流を通電す
ることによって、その電流値に比例する量の気体を発生
する電気化学セルを利用し、ポンプ機能とガスの流量制
御機能とを有する装置を提案し(日本特許番号第121
4001号)、この原理を利用して電気化学的輸液ポン
プが提案された(H.J.R.マゲット、米国特許第
4,522,698号)。
【0004】この電気化学的輸液ポンプは、電解質とし
て機能する含水されたカチオン交換膜の両面に多孔性の
ガス拡散電極を接合した電気化学セルを有しており、電
気化学セルの陽極に水素を供給し、陽・陰両極間に直流
電流を通電したとき、陽極では水素が水素イオンとな
り、生成した水素イオンがイオン交換膜を通って陰極側
に達し、そこで水素が発生するという電気化学反応が起
こることを利用したものである。すなわち、陰極で発生
する昇圧された水素をピストン、ダイヤフラム、ベロー
ズ等を押すための駆動源として利用するものである。ま
た、この電気化学セルの反応物質として水素の代りに酸
素を利用することも可能であり、陰極に供給すべき酸素
源として空気を用いれば、輸液ポンプの構造はかなり簡
単なものになる。
【0005】このような電気化学方式を利用した輸液ポ
ンプは、医療用の薬剤の供給にとどまらず、一般的には
気体や液体などのあらゆる流体の供給に使用することが
できる。電気化学方式の流体供給装置は、電気化学セル
に通電する電流の大きさによって流体の供給速度を決め
ることができるため、特に微量の流体を精度よく供給す
るような用途に適している。
【0006】この電気化学式流体供給装置に使用する電
気化学セルとしては、上で述べた系以外にいろいろな種
類が考えられるが、その一つとして、水の電気分解反応
を利用する水電解セル(特開平2−302264)があ
る。このセルは、カチオン交換膜の片面に陰極を、他面
に陽極をそれぞれ接合した電気化学セルに水を保持さ
せ、両極に直流電流を通電した際に水の電気分解によっ
て発生する水素か酸素、あるいは水素と酸素の混合ガス
を加圧源とするものである。
【0007】本発明になる流体供給装置は、密閉容器中
に収納した流体貯蔵部と電気化学セル部とを備え、通電
によって電気化学セルから発生する気体によって流体貯
蔵部中の流体を押し出すものである。
【0008】本発明になる流体供給装置に使用可能な電
気化学セルのひとつとして、含水させたカチオン交換膜
の両面に多孔性白金電極を取り付けた水電解セルがあ
る。この水電解セルに直流電流を通電すると、陽極では
水が分解して酸素とプロトンになり、プロトンはカチオ
ン交換膜を通って陰極に達し、そこで水素になる。この
ように水電解セルにおいては、通電によって陽極から酸
素が、また陰極から水素が発生するので、酸素または水
素のいずれか一方、あるいは酸素と水素の両方を流体供
給装置の加圧源に利用することができる。
【0009】この水電解セルにおいては、通電によって
気体を発生させる場合、陽極では水が消費される。反応
式から計算すると、水の消費量は1mAh当たり0.3
36mgとなる。また、この反応においては、陽極で発
生したプロトン(H+ )がチオン交換膜中を通って陰極
側へ移動するが、この時プロトンの移動と同時に電気泳
動によって水も陽極側から陰極側へ移動する。プロトン
1個当たりの水移動量は、例えば、Du Pont社の
パーフルオロカーボンスルホン酸膜Nafion117
を用いた場合、本発明者らの測定結果によれば、電流密
度が40mA/cm2 の場合、2.70個、80mA/
cm2 の場合、2.85個、10A/cm2 の場合、
2.95個となる。
【0010】したがって、この電気化学セルにおいて
は、電気分解に消費される水と、電気泳動によって陰極
側に泳動し実質的にイオン交換膜の外側に排出される水
とを補給しなければならない。従来、水の電気分解によ
って、水素あるいは酸素を得ることを直接的な目的とし
た相対的に大きな電極作用面積(一般に100〜100
0cm2 )を有する水電解セルにおいては、水は陽極の
背面(イオン交換膜と対の面)に常時接触された形で貯
蔵及び補給され、陽極から発生する酸素は気泡状で水を
くぐり抜け、水電解セルの外部に導出される。この場合
には、一般に、約1000mA/cm2 といった大電流
密度で作動され、しかも電流の絶対値充分大きいため
に、酸素発生量が極めて大きく(例えば21,000m
l/hr以上)、酸素発生量の精度が水をくぐり抜ける
過程において低下するという問題はまったくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、上述のよ
うに陽極の背面に隣接して水が存在する電気化学セルを
使用した従来の流体供給装置において、微量の酸素発生
装置(例えば、1ml/hr)を高精度で取り扱おうと
する場合、酸素が水の層をくぐり抜ける際、一種の抵抗
となり、酸素の水中での滞留時間が無視し得ないことが
多く、通電電気量と流体供給量の関係の精度がよくなら
なかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明になる流体供給装
置においては、電気化学セルにおいて通電によって消費
される量の水を、電気化学セル内のイオン交換膜以外の
場所に、あらかじめ貯蔵しておくことを特徴とするもの
であり、通電によるイオン交換膜中の水の減少を防止
し、イオン交換膜の電導度を常に一定に保ち、電気化学
セルの特性を安定させるものである。
【0013】すなわち、本発明になる流体供給装置の電
気化学セルにおいては、電気化学セルのセル容器に水貯
蔵部を備えており、この水貯蔵部内の水は電解質として
のイオン交換膜と常時接触していることを特徴とするも
のである。
【0014】水貯蔵部は、まず第一に電気化学セルの水
が消費される電極側、上述の水電解セルの場合には陽極
側、に取り付けることが最適であるが、第二に電気化学
セルの水が消費されるのと反対側の電極に取り付けても
よいし、さらに第三に電気化学セルの陽極と陰極の両電
極側に取り付けることも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明になる流体供給装置に使用
する電気化学セルの構造を図1に基づいて説明する。図
1は電気化学セルの好適な例としての水電解セルの断面
構造を示したもので、図において、1は電解質としては
たらくイオン交換膜、2は陽極としての多孔性白金電
極、3は陰極としてはたらく多孔性白金電極、4は陽極
集電体、5は陰極集電体、6は陽極リード線、7は陰極
リード線、8はパッキング、9はセル容器、10は酸素
供給口、11は水素供給口、12はセル容器9の陽極側
に設けた水貯蔵部、13は水であり、水貯蔵部12の中
の水13はイオン交換膜1に接触している。
【0016】この構造の水電解セルに直流を通電した場
合、陽極2で水が消費され、陽極2から酸素が、また陰
極3から水素が発生する。このとき、陽極2ではまずイ
オン交換膜1に含まれている水を消費するが、イオン交
換膜1の内部の水がわずかでも減少すると、イオン交換
膜1に接触している水貯蔵部12の中の水13は、減少
した分だけイオン交換膜1の内部に移動するため、イオ
ン交換膜1に含まれる水の量は常にほぼ一定に保たれ、
通電中のイオン交換膜の伝導度はほぼ一定となり、安定
した電気化学セルの特性が得られるものであり、定電流
通電の場合には電気化学セルの電圧はほぼ一定となり、
単位時間当たりに発生する気体の量も一定となる。
【0017】なお、電気化学セルのセル容器への水貯蔵
部の取り付け場所は、水が消費される電極側とは限ら
ず、水が消費されるのとは反対の電極側に取り付けるこ
とも可能である。すなわち、イオン交換膜の一部に水が
接触してさえいれば、イオン交換膜中に含まれる水が通
電によって消費されて減少した場合に、水貯蔵部中の水
がイオン交換膜へ移動することができるからである。
【0018】さらに、水貯蔵部を陽極と陰極の両電極側
に取り付けることも可能であり、この場合には電気化学
セルの設置の方向が、例えば倒置や横向きに変化した場
合でも、二つの水貯蔵部内の水の少なくとも一方が必ず
イオン交換膜と接触していることになって、電気化学セ
ルの特性は設置の方向にかかわりなく常に安定したもの
となる。
【0019】本発明に使用できる電気化学セルは、一般
的には、含水させることによってイオン導電性を示すイ
オン交換膜を電解質に使用し、直流電流を通電すると通
電電気量に比例して気体を発生する、あらゆるセルが使
用可能であるが、より具体的にはつぎのようなセルの使
用が可能である。
【0020】1)カチオン交換膜の片面に陽極を接合
し、陰極として二酸化マンガンのような金属酸化物電極
を取り付けたセルにおいて、両極に直流電流を通電する
と、陽極では水が電解されて酸素が発生するので、この
酸素を加圧源に利用する。なお、陽極で発生した水素イ
オンはカチオン交換膜の中を通って陰極に達し、金属酸
化物電極内に吸収される。
【0021】2)アニオン交換膜の片面に陽極を接合
し、陰極として二酸化マンガンやオキシ水酸化ニッケル
のような金属酸化物電極を取り付けたセルにおいて、両
極に直流電流を通電すると、陰極では水が電解されて、
発生した水素イオンは金属酸化物電極中に吸収され、水
酸化イオンはアニオン交換膜中を通って陽極に達し、酸
素と水になるので、この酸素を加圧源に利用する。
【0022】次に、本発明になる流体供給装置の作動原
理を図2に基づいて説明する。図2は本発明になる流体
供給装置の使用中の断面を示したもので、14は流体貯
蔵部としての袋状体、15は流体、16は流体供給口、
17は袋状体を内部に収納した密閉容器で、気体の圧力
では変形しない硬い材質から構成されている。袋状体1
4の外面と密閉容器17の内面で密閉空間としての圧力
伝送部18を形成し、この圧力伝送部18に電気化学セ
ルから発生した気体が蓄積される。また、19は気体導
入管、20は電気化学セル、21は電源、22はスイッ
チである。
【0023】この流体供給装置を使用するにあたって
は、まずスイッチ22を入れて電気化学セル20に直流
電流を通電し、その時に電気化学セル20から発生した
気体を気体導入管19を通して圧力伝送部18に導入す
る。すると圧力伝送部18の内部の圧力が上昇し、袋状
体14と密閉容器17の内面を押すが、密閉容器17は
気体の圧力で変形しない材質から構成されているため
に、袋状体14のみが収縮する方向に変形する。この袋
状体14の変形は、圧力伝送部18に気体が導入される
のとほぼ同時に開始される。その結果、袋状体14の内
部の流体15は押し出されて、流体供給口16から外部
に供給される。電気化学セル20から気体の発生を続け
ると、袋状体14の内部の流体15は流体供給口16か
ら外部に供給し続けることになる。
【0024】電気化学セルから発生する気体の体積は、
1Ahの通電電気量に対し、理論値で水素の場合420
ml(0℃、1気圧)、酸素の場合210ml(0℃、
1気圧)となり、通電電気量に比例するので、袋状体を
押す気体を酸素のみか水素のみ、あるいは酸素と水素の
両方とするいずれの場合も、通電電流の大きさを決める
ことによって流体の供給速度を決めることができるもの
である。
【0025】ただし、流体の供給速度を通電電気量の大
きさのみで決めるためには、流体を貯蔵した袋状体を押
すのに利用する気体として、酸素、水素、あるいは酸素
と水素の両方のいずれを利用する場合も、通電によって
発生した袋状体を押すのに利用する気体が、電気化学セ
ルのセル容器に設けた水貯蔵部12へは蓄積せずに、す
べて電極である多孔性白金電極を通って電気化学セルの
外部へ出て、圧力伝送部18に蓄積しなければならな
い。また、電極から発生する気体が水の層をくぐり抜け
ないようにしなければならない。したがつて、水貯蔵部
は電極の多孔性白金電極とは離して、電極から発生した
気体が水貯蔵部に蓄積されないような位置に取り付ける
必要がある。
【0026】また、流体供給口16に逆流防止弁を設け
ることも可能であるし、電気化学セル20を密閉容器1
7に直接取り付けて、気体導入管19を省略してもよ
い。さらに、電気化学セルの作動には直流電流が必要で
あるが、比較的多量の流体の供給が必要な場合には大電
流が必要であるために、交流電源から直流電源装置を介
して電気化学セルに直流電流を供給すればよい。一方、
1時間に1ml程度の微量の流体を供給するような場合
には、小型の電池を電源とすればよい。このような小型
の電池を用いる場合には、電池と電気化学セルとを上述
の容器の端部に直接装着すれば、流体供給装置は携帯型
となる。
【0027】本発明の流体供給装置は、患者へ薬液を供
給するという医療用に最適であるが、工業用その他のす
べての液体及び気体などの流体の供給にも適用が可能で
ある。
【0028】
【実施例】本発明になる流体供給装置の構造および使用
方法を、好適な実施例を用いて詳述する。
【0029】[実施例1] 流体貯蔵部としての有機ポ
リマーシートからなる袋状体と、電気化学セルとしての
水電解セルからなる、流体供給装置を作製した。図2は
使用前の状態の断面構造を示したものであり、図3は使
用中の状態の断面構造を示したものであり、図2と図3
における記号は同じものを示すものとする。
【0030】図2において、14は流体を貯蔵する袋状
体で、材質はポリ塩化ビニルで、大きさは70mm×5
0mm、厚みは0.5mmとし、シートの端部は熱融着
で一体化した。15は流体であり、ここでは約30ml
の生理食塩水を使用した。16は流体供給口で、材質は
ポリ塩化ビニルとし、寸法は外径5mm、内径4mmと
した。17は袋状体を内部に収納したアクリル製密閉容
器で、内部の寸法は60mm×40mm×15mmと
し、この密閉容器は気体の圧力では変形しない。袋状体
14の外面と密閉容器17の内面で圧力伝送部18を形
成し、この圧力伝送部18に電気化学セルから発生した
気体が蓄積される。使用前の状態では、圧力伝送部18
の体積は小さい。19は気体導入管で、材質はポリ塩化
ビニルとし、寸法は外径5mm、内径4mmとした。2
0は電気化学セルであり、21は電源で、電池と抵抗を
組み合わせたものであり、22はスイッチである。
【0031】電気化学セルとしては、図1に断面構造を
示した水電解セルを使用した。図1において、1は電解
質としてはたらくイオン交換膜で、直径12mmの固体
高分子プロトン導電体を使用した。2は陽極、3は陰極
で、ともに固体高分子プロトン導電体の両面に無電解メ
ッキで直径8mmの多孔性白金電極を接合したものであ
る。4は陽極集電体、5は陰極集電体、6は陽極リード
線、7は陰極リード線で、4〜7の材質はいずれもチタ
ンとした。8はシリコンパッキング、9はセル容器で、
材質はアクリルとした。10は酸素供給口、11は水素
供給口、12はセル容器9の陽極側に設けた水貯蔵部、
13は水であり、水貯蔵部12の中の水13はイオン交
換膜1に接触しているが、陽極には接触していない。
【0032】この流体供給装置を例えば生理食塩水の供
給に使用するにあたっては、まずスイッチ22を入れて
電源21から電気化学セル20に50mAの直流電流を
流すと、電気化学セル20では水の電気分解反応が起こ
り、陽極2から発生する酸素を気体導入管19を通して
気体を蓄積する圧力伝送部18に導入すれば、通電を続
けることにより、圧力伝送部18の内部の酸素の圧力が
上昇し、袋状体14のみが収縮する方向に変形し、袋状
体14の内部の生理食塩水15は押し出されて、流体供
給口16から外部に1時間当たり10mlの速度でが供
給される。
【0033】図3は、本発明になる流体供給装置の使用
途中の状態を示す断面構造で、圧力伝送部18中の酸素
の体積は増大し、同時に袋状体14は収縮して、その中
の生理食塩水15は外部に供給されて、その量は減少し
ている。
【0034】なお、圧力伝送部18に導入する気体とし
て陰極から発生する水素を使用する場合には、電流は2
5mAでよく、また、酸素と水素を同時に導入した場合
には、電流は17mAでよい。いずれの場合でも水の電
気分解による一定圧力の酸素あるいは水素の発生量は、
通電電気量(電流×時間)によって決まるため、定電流
を通電する場合には、単位時間当たりの流体の供給量は
一定となるので、通電電流の大きさを変えることによっ
て任意の流体供給量が得られるものである。
【0035】[実施例2] セル容器の陰極側に水貯蔵
部を備えた水電解セルを使用した、流体供給装置を作製
した。水電解セルの構造以外はすべて実施例1と同じと
した。
【0036】図4は、水電解セルの断面構造を示したも
ので、図における記号1〜13は図1と同じものを示し
ており、図において、水貯蔵部12はセル容器9の陰極
側に取り付けてあり、水貯蔵部12の中の水13は、イ
オン交換膜1に陰極側から接触している。実施例1と同
様の電流を流すと同様の速度で生理食塩水が供給され
た。
【0037】[実施例3] セル容器の陽極側と陰極側
の両方に水貯蔵部を備えた水電解セルを使用した、流体
供給装置を作製した。水電解セルの構造以外はすべて実
施例1と同じとした。
【0038】図5は、水電解セルの断面構造を示したも
ので、図における記号1〜13は図1と同じものを示し
ており、図において、水貯蔵部12はセル容器9の陽極
側と陰極側の両方にに取り付けてあり、水貯蔵部12の
中の水13は、イオン交換膜1に陽極側と陰極側から接
触している。実施例1と同様の電流を流すと同様の速度
で生理食塩水が供給された。
【0039】[実施例4] 袋状体を内部に収納した密
閉容器に電気化学セルを直接取り付けた流体供給装置を
作製した。図6は使用前の断面構造を示したもので、図
における記号14〜22は図2と同じものを示してお
り、電気化学セル20は密閉容器17に直接取り付けて
あり、この場合には気体導入管は不必要である。実施例
1と同様の電流を流すと同様の速度で生理食塩水が供給
された。
【0040】[実施例5] 流体貯蔵部としての袋状体
に、流体注入口と流体供給口をそれぞれ別々に取り付け
た、実施例1と同様の構造の流体供給装置を作製した。
実施例1と同様の電流を流すと同様の速度で生理食塩水
が供給された。
【0041】[実施例6] 流体供給口には逆流防止弁
を取り付けた、実施例1と同様の構造の流体供給装置を
作製した。この装置では、使用しない状態では流体供給
口からの液漏れはまったくなく、また、使用中に流体供
給口の外側が減圧状態となっても、液の供給は停止し
た。この構造にすることによって、流体としては液体の
代わりに気体を使用することも可能となる。
【0042】
【発明の効果】本発明になる流体供給装置においては、
電気化学セルから発生する気体によって目的の流体の供
給量を決めるものであり、電気化学セルからの気体の発
生量は通電電気量、言い換えると(電流×時間)によっ
て設定することができ、単位時間当りの供給量は電流の
値で、また定電流を通電する場合には、合計の供給量は
時間によって決めることができるという、きわめて簡単
な方法で、流体を精度良く供給することができるもので
ある。
【0043】また、本発明になる流体供給装置は、内部
に流体貯蔵部を収納した密閉容器と電気化学セルおよび
電源を備えたもので、全体として小型・軽量化が可能で
あるために持ち運ぶことができ、衣服のポケット等に入
れて使用する携帯用としてきわめて便利である。
【0044】さらに、本発明になる流体供給装置に使用
する電気化学セルにおいては、セル容器に水貯蔵部を設
け、その中に電気化学セルにおいて通電によって消費さ
れる量の水を保持しておき、この水貯蔵部中を電解質と
してのイオン交換膜と常時接触し、しかも電極とは接触
しないようにしておき、通電によるイオン交換膜中の水
の減少を防止し、イオン交換膜の電導度を常に一定に保
ち、電気化学セルの特性を安定させるものである。
【0045】水貯蔵部は、電気化学セルの水が消費され
る電極側に取り付けてもよいし、電気化学セルの水が消
費されるのと反対側の電極に取り付けてもよい。さらに
電気化学セルの陽極と陰極の両電極側に取り付けること
も可能であり、この場合には電気化学セルの設置の方向
が、例えば倒置や横向きに変化した場合でも、二つの水
貯蔵部内の水の少なくとも一方が必ずイオン交換膜と接
触していることになって、電気化学セルの特性は、設置
の方向にかかわりなく、常に安定したものとなる。
【0046】また、電気化学セルのセル容器に設けた水
貯蔵部を電極の多孔性白金電極とは離した位置に取り付
けることによって、通電によって発生した気体が水貯蔵
部へは蓄積せず、すべて電極である多孔性白金電極を通
って電気化学セルの外部へ出て、密閉空間に蓄積し、流
体貯蔵部を押すのに使用されることになる。このように
して、通電電気量に比例した流体供給速度が得られるも
のである。
【0047】さらに、本発明になる流体供給装置は、使
用にあたっての操作が容易であり、特に医療用の薬液供
給に使用する場合、患者にとってきわめて使いやすいも
のとなる。
【0048】以上のように、本発明になる流体供給装置
は、構造が簡単で、安価で、しかも取り扱いが容易であ
り、従来の電気化学的流体供給装置の欠点を取り除くこ
とができるものであり、その工業的価値はきわめて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる流体供給装置に使用する電気化学
セルの断面を示す図である。
【図2】本発明になる流体供給装置の、使用前の状態の
断面を示す図である。
【図3】本発明になる流体供給装置の、使用途中の状態
の断面を示す図である。
【図4】本発明になる実施例2にかかる流体供給装置に
使用する、電気化学セルの断面を示す図である。
【図5】本発明になる実施例3にかかる流体供給装置
の、電気化学セルの断面を示す図である。
【図6】本発明になる実施例4にかかる流体供給装置
の、断面構造を示す図である。
【符号の説明】
1 イオン交換膜 2 陽極 3 陰極 12 水貯蔵部 14 袋状体 18 圧力伝送部 20 電気化学セル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体貯蔵部と圧力伝送部と電気化学セル部
    とを備え、前記電気化学セルは陽極と陰極と電解質とセ
    ル容器とを備え、前記電解質は含水することによってイ
    オン導電性を生じるイオン交換膜からなり、前記セル容
    器は水貯蔵部を備え、該水貯蔵部内の水は電解質として
    のイオン交換膜と常時接触しかつ電極とは接触せず、前
    記流体貯蔵部には流体供給口を設け、前記電気化学セル
    部に直流電流を通電することによって発生する気体で前
    記流体貯蔵部を押し、前記流体供給口から流体を供給す
    ることを特徴とする、流体供給装置。
  2. 【請求項2】 電気化学セルのセル容器に備えた水貯蔵
    部を、陽極側に取り付けたことを特徴とする、請求項1
    記載の流体供給装置。
  3. 【請求項3】 電気化学セルのセル容器に備えた水貯蔵
    部を、陰極側に取り付けたことを特徴とする、請求項1
    記載の流体供給装置。
  4. 【請求項4】 電気化学セルのセル容器に備えた水貯蔵
    部を、陽極側と陰極側の両方に取り付けたことを特徴と
    する、請求項1記載の流体供給装置。
  5. 【請求項5】 電気化学セルから発生する気体が、水素
    及び酸素のいずれかもしくは双方であることを特徴とす
    る、請求項1、2、3又は4記載の流体供給装置。
  6. 【請求項6】 電気化学セルから発生する気体がチュー
    ブを介して密閉容器に導入されるように構成したことを
    特徴とする、請求項1、2、3、4又は5記載の流体供
    給装置。
  7. 【請求項7】 電気化学セルが密閉容器に一体に装着さ
    れてなることを特徴とする、請求項1、2、3、4又は
    5記載の流体供給装置。
  8. 【請求項8】 流体供給口が流体を予め注入するための
    入口を兼ねることを特徴とする、請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載の流体供給装置。
  9. 【請求項9】 流体の注入口を設けたことを特徴とす
    る、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の流体供
    給装置。
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