JPH09154939A - 流体供給装置 - Google Patents

流体供給装置

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JPH09154939A
JPH09154939A JP7345235A JP34523595A JPH09154939A JP H09154939 A JPH09154939 A JP H09154939A JP 7345235 A JP7345235 A JP 7345235A JP 34523595 A JP34523595 A JP 34523595A JP H09154939 A JPH09154939 A JP H09154939A
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JP
Japan
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gas
electrochemical cell
water
fluid supply
fluid
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Application number
JP7345235A
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English (en)
Inventor
Satoru Saito
哲 斉藤
Kazuhide Totsuka
戸塚  和秀
Yuko Fujita
雄耕 藤田
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Japan Storage Battery Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気化学セルから発生する気体の圧力で目的の
流体を押し出す従来の電気化学方式流体供給装置は、加
圧に使用する気体を流体貯蔵部の入った圧力伝送部に導
入し、同時に加圧に使用しない気体を電気化学セルの外
部に放出することになる。酸素を加圧に使用する場合に
は、水素を電気化学セルの外部に放出するが、酸素発生
側に水が貯蔵されていれば、この水が酸素といっしょに
圧力伝送部に入り問題になる。また、水素発生側からは
外部に水が漏れるという不都合が生じる。 【解決手段】電気化学セルの気体の通路10、11に多
孔性でかつ撥水性を有する気液分離膜14、15を取り
付けることにより、電気化学セルから外部への水漏れを
防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体を精度よく供給
するための、流体供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、流体を微量ずつ、しかも精度よく
注入するために、電気化学方式を利用した流体供給装置
が使用されるようになった。
【0003】本願発明者のひとりは、直流電流を通電す
ることによって、その電流値に比例する量の気体を発生
する電気化学セルを利用し、ポンプ機能とガスの流量制
御機能とを有する装置を提案し(日本特許番号第121
4001号)、この原理を利用して電気化学的輸液ポン
プが提案された(H.J.R.マゲット、米国特許第
4,522,698号)。
【0004】この電気化学的輸液ポンプは、電解質とし
て機能する含水されたカチオン交換膜の両面に多孔性の
ガス拡散電極を接合した電気化学セルを有しており、電
気化学セルの陽極に水素を供給し、陽・陰両極間に直流
電流を通電したとき、陽極では水素が水素イオンとな
り、生成した水素イオンがイオン交換膜を通って陰極側
に達し、そこで水素が発生するという電気化学反応が起
こることを利用したものである。すなわち、陰極で発生
する昇圧された水素をピストン、ダイヤフラム、ベロー
ズ等を押すための駆動源として利用するものである。ま
た、この電気化学セルの反応物質として水素の代りに酸
素を利用することも可能であり、陰極に供給すべき酸素
源として空気を用いれば、輸液ポンプの構造はかなり簡
単なものになる。
【0005】このような電気化学方式を利用した輸液ポ
ンプは、医療用の薬剤の供給にとどまらず、一般的には
気体や液体などのあらゆる流体の供給に使用することが
できる。電気化学方式の流体供給装置は、電気化学セル
に通電する電流の大きさによって流体の供給速度を決め
ることができるため、特に微量の流体を精度よく供給す
るような用途に適している。
【0006】この電気化学式流体供給装置に使用する電
気化学セルとしては、上で述べた系以外にいろいろな種
類が考えられるが、その一つとして、水の電気分解反応
を利用する水電解セル(特開平2−302264)があ
る。このセルは、カチオン交換膜の片面に陰極を、他面
に陽極をそれぞれ接合した電気化学セルに水を保持さ
せ、両極に直流電流を通電した際に水の電気分解によっ
て発生する水素か酸素、あるいは水素と酸素の混合ガス
を加圧源とするものである。
【0007】本発明になる流体供給装置は、密閉容器中
に収納した流体貯蔵部と電気化学セル部とを備え、通電
によって電気化学セルから発生する気体によって流体貯
蔵部中の流体を押し出すものである。
【0008】本発明になる流体供給装置に使用可能な電
気化学セルのひとつとして、含水させたカチオン交換膜
の両面に多孔性白金電極を取り付けた水電解セルがあ
る。この水電解セルに直流電流を通電すると、陽極では
水が分解して酸素とプロトンになり、プロトンはカチオ
ン交換膜を通って陰極に達し、そこで水素になる。この
ように水電解セルにおいては、通電によって陽極から酸
素が、また陰極から水素が発生するので、酸素または水
素のいずれか一方、あるいは酸素と水素の両方を、流体
供給装置の加圧源に利用することができる。
【0009】この水電解セルにおいては、通電によって
気体を発生させる場合、陽極では水が消費される。反応
式から計算すると、水の消費量は1mAh当たり0.3
36mgとなる。この反応においては、陽極で発生した
プロトン(H2 )がカチオ交換膜中を通って陰極側へ移
動するが、この時プロトンの移動と同時に水も陽極側か
ら陰極側へ移動する。プロトン1個当たりの水移動量
は、例えば、Du Pont社のパーフルオロカーボン
スルホン酸膜Nafion117を用いた場合、本発明
者らの測定結果によれば、電流密度が40mA/cm2
の場合2.7個、80mA/cm2 の場合2.85個、
105mA/cm2 の場合2.9となる。
【0010】したがって、この電気化学セルにおいて
は、電気分解に消費される水と、電気泳動によって陰極
側に泳動し実質的にイオン交換膜の外側に排出される水
とを補給しなければならない。
【0011】そこで、電気化学セルにおいては、電気分
解によって消費される水と電気泳動によって外部に排出
される水の合計の水量を、電気化学セル内のイオン交換
膜以外の場所にあらかじめ貯蔵し、しかもこの水を電解
質としてのイオン交換膜と常時接触させておけば、通電
によるイオン交換膜中の水の減少を防止し、イオン交換
膜の電導度を常に一定に保ち、電気化学セルの特性を安
定させることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】いっぽう、従来の電気
化学方式を利用した流体供給装置は、電気化学セルから
発生する気体の圧力で目的の流体を押し出すことを特徴
とするものであるため、加圧に使用する気体を流体貯蔵
部の入った圧力伝送部に導入し、同時に加圧に使用しな
い気体を電気化学セルの外部に放出することになる。電
気化学セルに上述の水電解セルを使用して酸素を加圧に
使用する場合には、酸素を圧力伝送部に導入し、水素を
電気化学セルの外部に放出するが、この時、酸素発生側
に水が貯蔵されていれば、この水が酸素といっしょに圧
力伝送部に入り問題になる。また、水素発生側からは外
部に水が漏れるという不都合が生じる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明になる流体供給装
置においては、水が電気化学セルの外部に漏れることを
防止するものである。すなわち、電気化学セルから気体
が発生すると同時に、水が電気化学セルの外部に漏れる
場合、電気化学セルの気体の通路に多孔性でかつ撥水性
を有する気液分離膜を取り付けることを特徴とするもの
である。
【0014】この多孔性でかつ撥水性を有する気液分離
膜は、気体と同時に水が発生する電極側に取り付ければ
よい。例えば上述の水電解セルの場合、酸素を加圧に使
用し水貯蔵部が酸素発生側に取り付られておれば陽極
(酸素発生側)と陰極(水素発生側)の両電極に、酸素
を加圧に使用し水貯蔵部が水素発生側に取り付られてお
れば陰極(水素発生側)のみに、また、水素を加圧に使
用し水貯蔵部が酸素発生側に取り付られておれば、陽極
(酸素発生側)と陰極(水素発生側)の両電極に、水素
を加圧に使用し水貯蔵部が水素発生側に取り付られてお
れば陰極(水素発生側)のみに、それぞれ取り付ければ
よい。また、酸素と水素を同時に加圧ガスに使用する場
合、多孔性でかつ撥水性を有する気液分離膜は陽極(酸
素発生側)と陰極(水素発生側)の両電極に取り付けれ
ばよい。この多孔性でかつ撥水性を有する気液分離膜を
気体の通路に取り付けることによって、電気化学セルか
ら外部への水漏れを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明になる流体供給装置に使用
する電気化学セルの構造を図1に基づいて説明する。図
1は電気化学セルの好適な例としての水電解セルの断面
構造を示したもので、図において、1は電解質としては
たらくイオン交換膜、2は陽極としての多孔性白金電
極、3は陰極としてはたらく多孔性白金電極、4は陽極
集電体、5は陰極集電体、6は陽極リード線、7は陰極
リード線、8はパッキング、9はセル容器、10は酸素
通路、11は水素通路、12はセル容器9の陽極側に設
けた水貯蔵部、13は水、14は酸素通路10に設けた
気液分離膜、15は水素通路11に設けた気液分離膜、
16は水素発生側空間である。ただし、多孔性でかつ撥
水性を有する気液分離膜は、気体のみを透過させるが、
液体は一切透過しない、という性質をもっている。
【0016】この構造の水電解セルに直流を通電した場
合、陽極2で水が消費され、陽極2から酸素が、また陰
極3から水素が発生する。このとき、イオン交換膜1の
内部の水がわずかでも減少すると、イオン交換膜1に接
触している水貯蔵部12の中の水13は、減少した分だ
けイオン交換膜1の内部に移動するため、イオン交換膜
1に含まれる水の量は常にほぼ一定に保たれ、通電中の
イオン交換膜の伝導度はほぼ一定となり、安定した電気
化学セルの特性が得られるものであり、定電流通電の場
合には電気化学セルの電圧はほぼ一定となり、単位時間
当たりに発生する気体の量も一定となる。
【0017】図1においては、酸素は水貯蔵部内の水1
3を通って、酸素通路10から電気化学セルの外部に出
るが、酸素と同時に外部に出ようとする水13は、気液
分離膜14によって妨害されて、電気化学セルの外部に
は漏れなくなる。また、水素発生電極側においては、陽
極から陰極側へのプロトン移動とともに水が移動してく
るが、気液分離膜15のために、水素だけが電気化学セ
ルの外部に放出され、水は水素発生側空間16の中に保
持されて、外部に漏れることはない。
【0018】本発明に使用できる電気化学セルは、一般
的には、含水させることによってイオン導電性を示すイ
オン交換膜を電解質に使用し、陽極・陰極いずれかの電
極側に水が存在するか、直流電流を通電すると通電電気
量に比例して気体を発生し、いずれかの電極から水が生
成する、あらゆるセルが使用可能であるが、より具体的
にはつぎのようなセルの使用が可能である。
【0019】1)カチオン交換膜の片面に陽極を接合
し、陰極として二酸化マンガンのような金属酸化物電極
を取り付けたセルにおいて、両極に直流電流を通電する
と、陽極では水が電解されて酸素が発生するので、この
酸素を加圧源に利用する。なお、陽極で発生した水素イ
オンはカチオン交換膜の中を通って陰極に達し、金属酸
化物電極内に吸収される。このセルの場合には、陰極側
からは気体の発生がないので、陰極側を密閉構造にし
て、陰極側からの水漏れを防ぐことができる。すなわ
ち、プロトンとともに陰極側に移動した水は、陰極側に
存在する空間がないと、カチオン交換膜に吸収される
か、カチオン交換膜を通って陽極側に移動する。したが
って、水は陽極側に貯蔵するだけでよいので、気液分離
膜は陽極側にのみ取り付ければよい。
【0020】2)アニオン交換膜の片面に陽極を接合
し、陰極として二酸化マンガンやオキシ水酸化ニッケル
のような金属酸化物電極を取り付けたセルにおいて、両
極に直流電流を通電すると、陰極では水が電解されて、
発生した水素イオンは金属酸化物電極中に吸収され、水
酸化イオンはアニオン交換膜中を通って陽極に達し、酸
素と水になるので、この酸素を加圧源に利用する。この
セルの場合には、陰極側では水が分解するだけで、気体
の発生がないので、陰極側を密閉構造にして水漏れを防
ぐことができる。したがって、水は陽極側から発生する
ので、気液分離膜は陽極側にのみ取り付ければよい。
【0021】次に、本発明になる流体供給装置の作動原
理を図2に基づいて説明する。図2は本発明になる流体
供給装置の使用中の断面を示したもので、17は流体貯
蔵部としての袋状体、18は流体、19は流体供給口、
20は袋状体を内部に収納した密閉容器で、気体の圧力
では変形しない硬い材質から構成されている。袋状体1
7の外面と密閉容器20の内面で圧力伝送部21を形成
し、この圧力伝送部21に電気化学セルから発生した気
体が蓄積される。また、22は気体導入管、23は電気
化学セル、24は電源、25はスイッチである。
【0022】この流体供給装置を使用するにあたって
は、まずスイッチ25を入れて電気化学セル23に直流
電流を通電し、その時に電気化学セル23から発生した
気体を気体導入管22を通して圧力伝送部21に導入す
る。すると圧力伝送部21の内部の圧力が上昇し、袋状
体17と密閉容器20の内面を押すが、密閉容器20は
気体の圧力で変形しない材質から構成されているため
に、袋状体17のみが収縮する方向に変形する。この袋
状体17の変形は、圧力伝送部21に気体が導入される
のとほぼ同時に開始される。その結果、袋状体17の内
部の流体18は押し出されて、流体供給口19から外部
に供給される。電気化学セル23から気体の発生を続け
ると、袋状体17の内部の流体18は流体供給口19か
ら外部に供給し続けることになる。
【0023】電気化学セルから発生する気体の体積は、
1Ahの通電電気量に対し、理論値で水素の場合420
ml(0℃、1気圧)、酸素の場合210ml(0℃、
1気圧)となり、通電電気量に比例するので、袋状体を
押す気体を酸素のみか水素のみ、あるいは酸素と水素の
両方とするいずれの場合も、通電電流の大きさを決める
ことによって流体の供給速度を決めることができるもの
である。
【0024】また、流体供給口19に逆流防止弁を設け
ることも可能であるし、電気化学セル23を密閉容器2
0に直接取り付けて、気体導入管22を省略してもよ
い。さらに、電気化学セルの作動には直流電流が必要で
あるが、比較的多量の流体の供給が必要な場合には大電
流が必要であるために、交流電源から直流電源装置を介
して電気化学セルに直流電流を供給すればよい。一方、
1時間に1ml程度の微量の流体を供給するような場合
には、小型の電池を電源とすればよい。このような小型
の電池を用いる場合には、電池と電気化学セルとを上述
の容器の端部に直接装着すれば、流体供給装置は携帯型
となる。
【0025】本発明の流体供給装置は、患者へ薬液を供
給するという医療用に最適であるが、工業用その他のす
べての液体及び気体などの流体の供給にも適用が可能で
ある。
【0026】
【実施例】本発明になる流体供給装置の構造および使用
方法を、好適な実施例を用いて詳述する。
【0027】[実施例1] 流体貯蔵部としての有機ポ
リマーシートからなる袋状体と、電気化学セルとしての
水電解セルからなる、流体供給装置を作製した。図2は
使用前の状態の断面構造を示したものであり、図3は使
用中の状態の断面構造を示したものであり、図2と図3
における記号は同じものを示すものとする。
【0028】図2において、17は流体を貯蔵する袋状
体で、材質はポリ塩化ビニルで、大きさは70mm×5
0mm、厚みは0.5mmとし、シートの端部は熱融着
で一体化した。18は流体であり、ここでは約30ml
の生理食塩水を使用した。19は流体供給口で、材質は
ポリ塩化ビニルとし、寸法は外径5mm、内径4mmと
した。20は袋状体を内部に収納したアクリル製密閉容
器で、内部の寸法は60mm×40mm×15mmと
し、この密閉容器は気体の圧力では変形しない。袋状体
17の外面と密閉容器20の内面で圧力伝送部21を形
成し、この圧力伝送部21に電気化学セルから発生した
気体が蓄積される。使用前の状態では、圧力伝送部21
の体積は小さい。22は気体導入管で、材質はポリ塩化
ビニルとし、寸法は外径5mm、内径4mmとした。2
3は電気化学セルであり、24は電源で、電池と抵抗を
組み合わせたものであり、25はスイッチである。
【0029】電気化学セルとしては、図1に断面構造を
示した水電解セルを使用した。図1において、1は電解
質としてはたらくイオン交換膜で、直径12mmの固体
高分子プロトン導電体を使用した。2は陽極、3は陰極
で、ともに固体高分子プロトン導電体の両面に無電解メ
ッキで直径8mmの多孔性白金電極を接合したものであ
る。4は陽極集電体、5は陰極集電体、6は陽極リード
線、7は陰極リード線で、4〜7の材質はいずれもチタ
ンとした。8はシリコンパッキング、9はセル容器で、
材質はアクリルとした。10は酸素通路、11は水素通
路口、12は水貯蔵部、13は水、14は酸素通路10
に設けた気液分離膜、15は水素通路11に設けた気液
分離膜で、二つの気液分離膜にはいずれも多孔性テフロ
ンシートを使用し、厚みは0.2mm、ポロシテイ30
%、最大孔径0.15μmとした。16は水素発生側空
間である。
【0030】この流体供給装置を、例えば生理食塩水の
供給に使用するにあたっては、まずスイッチ25を入れ
て電源24から電気化学セル23に50mAの直流電流
を流すと、電気化学セル23では水の電気分解反応が起
こり、陽極から発生する酸素を気体導入管22を通して
気体を蓄積する圧力伝送部21に導入すれば、通電を続
けることにより、圧力伝送部21の内部の酸素の圧力が
上昇し、袋状体17のみが収縮する方向に変形し、袋状
体17の内部の生理食塩水18は押し出されて、流体供
給口19から外部に1時間当たり10mlの速度でが供
給される。
【0031】図3は、本発明になる流体供給装置の使用
途中の状態を示す断面構造で、圧力伝送部21中の酸素
の体積は増大し、同時に袋状体17は収縮して、その中
の生理食塩水18は外部に供給されて、その量は減少し
ている。
【0032】この流体供給装置においては、酸素通路と
水素通路に取り付けた多孔性テフロンシートからなる気
液分離膜のために、密閉空間へは酸素のみが導入されて
水ははいらず、また、電気化学セルの外部へは水素のみ
が放出されて水漏れはおこらない。
【0033】なお、圧力伝送部21に導入する気体とし
て陰極から発生する水素を使用する場合には、電流は2
5mAでよく、また、酸素と水素を同時に導入した場合
には、電流は17mAでよい。いずれの場合でも水の電
気分解による一定圧力の酸素あるいは水素の発生量は、
通電電気量(電流×時間)によって決まるため、定電流
を通電する場合には、単位時間当たりの流体の供給量は
一定となるので、通電電流の大きさを変えることによっ
て任意の流体供給量が得られるものである。
【0034】[実施例2] 陰極側の水素通路にのみ気
液分離膜を備えた水電解セルを使用した、流体供給装置
を作製した。水電解セルの構造以外はすべて実施例1と
同じとした。
【0035】この場合には、酸素発生側には気液分離膜
がないために、圧力伝送部には酸素と水が入る事になる
が、水素発生側からの水漏れは防止することができる。
実施例1と同様の電流を流すと同様の速度で生理食塩水
が供給された。
【0036】[実施例3] 袋状体を内部に収納した密
閉容器に電気化学セルを直接取り付けた流体供給装置を
作製した。図4は使用前の断面構造を示したもので、図
における記号17〜25は図2と同じものを示してお
り、電気化学セル23は密閉容器20に直接取り付けて
あり、この場合には気体導入管は不必要である。実施例
1と同様の電流を流すと同様の速度で生理食塩水が供給
された。
【0037】[実施例4] 流体貯蔵部としての袋状体
に、流体注入口と流体供給口をそれぞれ別々に取り付け
た、実施例1と同様の構造の流体供給装置を作製した。
実施例1と同様の電流を流すと同様の速度で生理食塩水
が供給された。
【0038】[実施例5] 流体供給口には逆流防止弁
を取り付けた、実施例1と同様の構造の流体供給装置を
作製した。この装置では、使用しない状態では流体供給
口からの液漏れはまったくなく、また、使用中に流体供
給口の外側が減圧状態となっても、液の供給は停止し
た。この構造にすることによって、流体としては液体の
代わりに気体を使用することも可能となる。
【0039】
【発明の効果】本発明になる流体供給装置においては、
電気化学セルから発生する気体によって目的の流体の供
給量を決めるものであり、電気化学セルからの気体の発
生量は通電電気量、言い換えると(電流×時間)によっ
て設定することができ、単位時間当りの供給量は電流の
値で、また定電流を通電する場合には、合計の供給量は
時間によって決めることができるという、きわめて簡単
な方法で、流体を精度良く供給することができるもので
ある。
【0040】また、本発明になる流体供給装置は、内部
に流体貯蔵部を収納した密閉容器と電気化学セルおよび
電源を備えたもので、全体として小型・軽量化が可能で
あるために持ち運ぶことができ、衣服のポケット等に入
れて使用する携帯用としてきわめて便利である。
【0041】さらに、本発明になる流体供給装置に使用
する電気化学セルにおいては、気体が発生すると同時に
水が電気化学セルの外部に漏れる場合、電気化学セルの
気体の通路に気液分離膜を取り付けることによって、電
気化学セルの外部への水の漏れを防止するものである。
【0042】さらに、本発明になる流体供給装置は、使
用にあたっての操作が容易であり、特に医療用の薬液供
給に使用する場合、患者にとってきわめて使いやすいも
のとなる。
【0043】以上のように、本発明になる流体供給装置
は、構造が簡単で、安価で、しかも取り扱いが容易であ
り、従来の電気化学的流体供給装置の欠点を取り除くこ
とができるものであり、その工業的価値はきわめて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる流体供給装置に使用する、電気化
学セルの断面を示す図である。
【図2】本発明になる流体供給装置の、使用前の状態の
断面を示す図である。
【図3】本発明になる流体供給装置の、使用途中の状態
の断面を示す図である。
【図4】本発明になる実施例3にかかる流体供給装置に
使用する、電気化学セルの断面を示す図である。
【符号の説明】
1 イオン交換膜 2 陽極 3 陰極 14 酸素発生側気液分離膜 15 水素発生側気液分離膜 17 袋状体 21 圧力伝送部 23 電気化学セル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体貯蔵部と圧力伝送部と電気化学セル部
    とを備え、前記電気化学セルは陽極と陰極と電解質とセ
    ル容器とを備え、前記電解質は含水することによってイ
    オン導電性を生じるイオン交換膜からなり、前記電気化
    学セルの気体が発生しかつ水を貯蔵した電極側あるいは
    気体が発生しかつ水が生成する電極側の気体通路に、多
    孔性でかつ撥水性を有する気液分離膜を備え、前記流体
    貯蔵部には流体供給口を設け、前記電気化学セル部に直
    流電流を通電することによって発生する気体で前記流体
    貯蔵部を押し、前記流体供給口から流体を供給すること
    を特徴とする、流体供給装置。
  2. 【請求項2】 電気化学セルの気体通路に備えた気液分
    離膜を、陽極側気体通路に取り付けたことを特徴とす
    る、請求項1記載の流体供給装置。
  3. 【請求項3】 電気化学セルの気体通路に備えた気液分
    離膜を、陰極側気体通路に取り付けたことを特徴とす
    る、請求項1記載の流体供給装置。
  4. 【請求項4】 電気化学セルの気体通路に備えた気液分
    離膜を、陽極側気体通路と陰極側気体通路の両方に取り
    付けたことを特徴とする、請求項1記載の流体供給装
    置。
  5. 【請求項5】 電気化学セルから発生する気体が、水素
    及び酸素のいずれかもしくは双方であることを特徴とす
    る、請求項1、2、3又は4記載の流体供給装置。
  6. 【請求項6】 電気化学セルから発生する気体がチュー
    ブを介して密閉容器に導入されるように構成したことを
    特徴とする、請求項1、2、3、4又は5記載の流体供
    給装置。
  7. 【請求項7】 電気化学セルが密閉容器に一体に装着さ
    れてなることを特徴とする、請求項1、2、3、4又は
    5記載の流体供給装置。
  8. 【請求項8】 流体供給口が流体を予め注入するための
    入口を兼ねることを特徴とする、請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載の流体供給装置。
  9. 【請求項9】 流体の注入口を設けたことを特徴とす
    る、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の流体供
    給装置。
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