JPH08978A - 流体供給装置 - Google Patents

流体供給装置

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JPH08978A
JPH08978A JP6166348A JP16634894A JPH08978A JP H08978 A JPH08978 A JP H08978A JP 6166348 A JP6166348 A JP 6166348A JP 16634894 A JP16634894 A JP 16634894A JP H08978 A JPH08978 A JP H08978A
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hydrogen
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oxygen
gas
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JP6166348A
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Satoru Saito
哲 斉藤
Yuko Fujita
雄耕 藤田
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Japan Storage Battery Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

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  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な方法で流体を長時間にわたって精度良
く供給することができる流体供給装置を提供する。 【構成】 水電解セルを有する気体発生部と、気体の圧
力により変形可能な流体貯蔵部とを備え、該水電解セル
に直流電流を通電することによって陽極から発生する酸
素で流体貯蔵部を加圧することによって流体を押しだ
し、該水電解セルの陰極から発生する水素を、触媒を含
むフラーレンに吸蔵せしめるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体を精度よく供給す
るための流体供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薬液を微量ずつ、しかも精度よく人体に
注入するために各種輸液ポンプが、広く使用されてい
る。
【0003】従来の輸液ポンプは、その方式の違いによ
ってシリンジポンプ、ペリスタルティック(ロータ式)
ポンプ、フィンガーポンプ、ベローズポンプの4種類に
分類される。これらのうち、ベローズポンプ以外のもの
は、いずれも薬液を押し出すための駆動源としてステッ
ピングモータ、ロータリソレノイドモータ、あるいは直
流モータなどのモータを使い、薬液吐出量の制御に複雑
な機構を採用しているので、その重量および寸法とも一
般に大きく、また高価でもある。そのため、病院のベッ
ドサイドで使われるのが普通であり、携帯用あるいは使
い捨て型にするには不向きである。また、ベローズポン
プは、フレオンガスの気化圧を利用してベローズを押
し、それによって薬液を吐出させる方式のものである
が、フレオンガスの気化圧を制御することが難しく、特
に微量の薬液を長時間かけて注入する場合には、その注
入精度に問題がある。
【0004】いっぽう、本願発明者のひとりは、直流電
流を通電することによってガスを発生する電気化学セル
を利用し、ポンプ機能とガスの流量制御とを同時に行う
装置を提案している(日本特許番号第1214001
号)。近年、この原理を利用して電気化学的輸液ポンプ
が提案されている(H.J.R.マゲット、米国特許第
4,522,698号)。この電気化学的輸液ポンプ
は、電解質として機能する含水されたイオン交換膜の両
面に多孔性のガス拡散電極を接合した電気化学セルを有
しており、該電気化学セルの陽極に水素を供給し、陽・
陰両極間に直流電流を通電したとき、陽極では水素が水
素イオンとなり、生成した水素イオンがイオン交換膜を
通って陰極側に達し、そこで水素が発生するという電気
化学反応が起こることを利用したものである。すなわ
ち、陰極で発生する昇圧された水素をピストン、ダイヤ
フラム、ベローズ等を押すための駆動源として利用する
ものである。
【0005】また、この電気化学セルの反応物質として
水素の代りに酸素を利用することも可能であり、陰極に
供給すべき酸素源として空気を用いれば、輸液ポンプの
構造はかなり簡単なものになる。
【0006】さらに、この電気化学的輸液ポンプの改良
型としての、水の電気分解反応を利用する方法(特開平
2−302264)は、イオン交換膜の片面に陰極を、
他面に陽極をそれぞれ一体に接合するか、あるいは片面
に陰極と陽極をそれぞれ絶縁するように離して一体に接
合した電気化学セルに含水させ、両極に直流電流を通電
した際に水の電気分解によって発生する水素か酸素、あ
るいは水素と酸素の混合ガスを輸液ポンプの加圧源とす
るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】電気化学方式を用いて
薬液を供給する型の輸液ポンプの作動原理は、電気化学
セルに直流電流を通電すると、ファラデーの法則にした
がって通電電気量に比例して酸素や水素などのガスが発
生するため、このガスの圧力でベローズやダイヤフラム
を介して薬液を押し出すものである。この時のガスの発
生量は、電気化学セル部に通電する電気量(電流×時
間)により、きわめて精密に制御できるので、薬液等の
液体の供給量を精度よく決めることができるという特徴
がある。
【0008】電気化学セルとしては、原理的には、電解
質に固体高分子カチオン交換膜・固体高分子アニオン交
換膜・無機プロトン導電体・水溶液系電解液等を使用
し、直流電流を通電することによってガスが発生するあ
らゆるセルの利用が可能である。 しかし、電解質とし
て機能する含水されたカチオン交換膜の両面に多孔性電
極を接合した電気化学セルを使用し、このセルの陽極に
水素を供給し陰極から発生する水素を加圧源に利用する
水素移動セルや、陰極に酸素や空気を供給し陽極から発
生する酸素を加圧源に利用する酸素移動セルでは、微量
の薬液を供給するような小電流で使用する場合はあまり
問題は生じないが、大電流を流して短時間に多量のガス
を発生させる場合には、電気化学セルの過電圧が大きく
なり、加える電圧を大きくしなければならず、あまり高
い電圧を加えると、水素もしくは酸素移動セルではなく
水電解セルになってしまい、反応系が変化してしまうの
で、供給するガスの圧力をかなり上げる必要があつた。
また、供給するガスが乾燥している場合、カチオン交換
膜中の水が蒸発し、カチオン交換膜自体の抵抗が増大す
るという欠点があり、これを避けるためには供給するガ
スを加湿しなければならず、複雑な制御手段が必要であ
った。
【0009】いっぽう、水電解セルは、直流電流を通電
することによって水が電気分解し、陽極から酸素が、陰
極から水素が発生するという、きわめて単純な反応を利
用するもので、加圧ガスとしては水素、酸素あるいは両
者の混合ガスを利用することができるが、酸素を加圧ガ
スに使用するのが望ましい。
【0010】しかし、この場合は水素が輸液ポンプの外
部に放出される。例えば、1時間当り100mlの薬液
を供給しようとする場合には、少なくとも100mlの
酸素が必要であり、この時には200mlの水素が外部
に放出されることになる。これは1分間に3.33ml
の水素発生量であり、この程度の水素の量なら危険性は
ないが、短時間に多量の薬液を供給する場合には同時に
多量の水素が放出され、危険が伴うことになる。
【0011】また、陰極から発生する水素が、電解質で
あるカチオン交換膜の近傍にとどまっている場合、水素
は酸素に比べて、電解質に使用するカチオン交換膜を極
めて透過しやすいために、いったん発生した水素の一部
はカチオン交換膜を通り抜けて酸素側に達して、水素と
酸素が電極として使用する金属の触媒作用によって再結
合して元の水に戻ってしまい、通電電気量と酸素発生量
の間に、いいかえると通電電気量と薬液供給量の間に正
確な関係を得ることは困難であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、電気化学方式
の輸液ポンプの上記のような課題を解決するためになさ
れたものであり、用途も輸液ポンプに限定されず、薬液
以外の液体等の一般的な流体を供給する装置を提供する
もので、その目的とするところは、構造が簡単、使用時
の操作が容易、しかも小型・軽量化が可能といった長所
を有し、携帯用に適した流体輸送器を提供することにあ
る。
【0013】本発明にかかる流体供給装置は、水電解セ
ルの陽極から発生する酸素を加圧ガスに利用し、陰極か
ら発生する水素をフラーレンに吸蔵させるか、水電解セ
ルの陰極をフラーレンで構成し、電気化学的に水素を発
生させないようにすることによって、流体供給装置の外
部に水素を放出させないようにしたことを特徴とするも
のである。
【0014】本発明に使用できる水電解セルとしては、
次のようなセルの使用が可能である。 1)固体高分子
カチオン交換膜の両面に多孔性金属電極を接合し、両電
極は水と接しており、通電によって陽極から発生する酸
素を加圧ガスに利用する。尚、このような水電解セルで
は陽極側にも陰極側にもあらかじめ水を入れておくのが
普通であるが、固体高分子イオン交換膜はその内部に多
量の水を吸収することができ、そのことによってプロト
ン導電性機能を発揮して電解質として働くものであり、
必ずしも陽極側と陰極側との両方に水を入れておく必要
がなく、どちらか一方の電極側に水を入れておけば、も
し電極反応で水が必要になれば、反対側の電極側から固
体高分子イオン交換膜を通して水が供給される。
【0015】2)電解質に、モリブドリン酸(HPM
1240・29HO)、ウラニルリン酸(HUO
PO・4HO)、アンチモン酸(Sb24
O)などの各種無機プロトン導電体を用いて水を電気
分解し、その時に発する酸素を加圧ガスに利用する。
【0016】また、流体供給口に逆流防止弁を取り付け
ることも可能である。
【0017】
【作用】本発明になる流体供給装置においては、あらか
じめ流体貯蔵部に薬液等の流体を貯蔵しておき、水電解
セルの両電極あるいは片方の電極を水に接触した状態と
し、陽極と陰極間に直流電流を通電すると、水の電気分
解が起こり、陽極からは酸素が、陰極からは水素が発生
する。流体貯蔵部として、気体の圧力によって変形可能
なやわらかい袋状体を使用し、これを圧力によって変形
しない別の密閉容器中に配置し、電気化学セルの陽極か
ら発生する酸素が密閉容器の内部に蓄積するようにした
場合、通電し続けると、密閉容器内部の圧力は上昇し、
その圧力が薬液等の流体の入った袋状体に加わり、袋状
体は縮小する方向に変形し、その結果、密閉容器の外部
に出ている流体供給口から薬液等の流体が供給される。
【0018】水の電気分解による一定圧力の酸素の発生
量は、通電電気量(電流×時間)によって決まるため、
定電流を通電する場合には、単位時間当たりの流体の供
給量は一定になり、通電電流の大きさを変えることによ
って任意の流体の供給量が得られるものである。
【0019】いっぽう、電気化学セルの陰極から発生す
る水素は、フラーレンを備えた水素貯蔵容器の内部に導
入され、そこでただちにフラーレンと反応して吸蔵さ
れ、水素は流体供給装置の外部にはまったく放出されな
くなる。
【0020】最近注目を集めている化合物であるフラー
レン族(Fullerenes)は、分子式としてはC
60、C70、C120などで表わされる、炭素のみか
らなる分子総称である。これらの分子は、炭素で形成さ
れる正五角形および正六角形が多数集まった多面体であ
り、これらの化合物のうち最も有名なC60は、正五角
形12個と正六角形32個からなり、バックミンスター
フラーレン(Buckminsterfulleren
e)あるいはバッキーボール(Buckyball)と
呼ばれている。
【0021】フラーレン族の化学的性質としては、アル
カリ金属(M)が格子間にドーピングしてM
60(M=K、Rbなど)が形成されることや、フラー
レンの球中にaやCaを内包してLaC82、La
82、CaC60を形成することが明らかにっている。
【0022】いっぽう、フラーレンを水素吸蔵電極とし
たニツケル−フラーレン電池の可能性が、既に提案され
ている。(ABCC社発行、「Battery & E
VTechnology」、1994年1月号)が、そ
の詳細は明らかにされていない。
【0023】いま、1時間当り100mlの薬液を5時
間供給する流体供給装置を考えると、25℃、1気圧
で、酸素の最低必要量は500mlであり、この時同時
に発生する水素は1リットルとなるので、この水素を吸
蔵させるのに必要なフラーレン族は約10gとなる。こ
のように、わずかの量のフラーレン族によって多量の水
素を吸蔵でき、水素を外部にまったく放出しないように
することができる。
【0024】なお、フラーレンには、白金族金属もしく
はニッケル族金属のような、水素分子の解離吸着を起こ
すような触媒を添加することが有効である。
【0025】いっぽう、フラーレン炭素は、水電解セル
部とは別途の貯蔵部に収納して、水素を吸蔵させる手段
の他にも、水電解セルの陰極(多くの場合白金メッキ電
極)、例えば、フッ素樹脂を結着剤にして直接圧着する
か、多孔性シートを介して圧着して、このフラーレン層
において水素を吸蔵させることも有効である。
【0026】さらには、白金族金属あるいはニッケル等
の触媒を担持したフラーレン、あるいはフラーレン単独
と白金触媒を担持したフラーレン以外のカーボンを結合
したものと結着剤との混合物を、陰極とした電気化学セ
ルを構成することも有効である。この場合には、陰極で
水素ガスが発生せず、電気化学的にフラーレンの中に水
素が吸蔵されるものと考えられる。
【0027】なお、供給すべき目的の流体としては、通
常は薬液が考えられるが、本発明の流体供給装置の用途
は、薬液の供給に限定されるものではなく、液体や気体
などのあらゆる流体の供給に利用できることはいうまで
もない。
【0028】
【実施例】本発明になる流体供給装置の構造および使用
方法を、好適な実施例を用いて詳述する。
【0029】[実施例1] 流体貯蔵部として袋状体、
フラーレン族化合物としてC60を使用した流体供給装
置を作製した。図1はその断面構造を示したもので、図
において、1は流体貯蔵部としての軟らかいネオプレン
ゴム製の袋であり、袋部分の厚みは0.2mm、内容積
は最大130mlであり、この袋には流体供給口2を取
り付けてある。3はアクリル製のケースで、厚み3m
m、外径60mm、長さ70mmの円筒形であり、数気
圧の圧力を加えても変形せず、その内部に流体貯蔵部と
してのゴム製の袋1を収納している。4は供給すべき目
的の流体であり、ここでは生理食塩水100mlを使用
した。5は細管、6は注射針である。7は気体発生部と
しての電気化学セル部で、8は電解質として機能するカ
チオン交換膜で、ここでは厚み0.2mm、直径40m
m含水したのナフィオン117膜を使用した。9は陽
極、10は陰極で、ともにカチオン交換膜の両面に無電
解メッキ法で接合した直径30mmの多孔性白金電極で
ある。11はカチオン交換膜に接した水である。12は
電池と定電流回路を組み合わせた直流定電流電源であ
る。13はステンレス製の水素貯蔵容器であり、外径6
0mm、長さ10mmの円筒形であり、その内部には2
%の白金触媒を担持したフラーレンとしてのC60を3
g充填しておく。ただし、フラーレンC60と電気化学
セルの陰極とは直接接触しない状態に配置しておく。
【0030】この流体供給装置を使用するにあたって
は、直流定電流電源12から、陽極9と陰極10間に4
50mAの直流電流を通電すると、電気化学セル部7で
は水の電気分解反応が起こり、陽極からは酸素15が、
また、陰極からは水素16が発生する。酸素15は、ゴ
ム製の袋1とケース3の間の空間部分17にたまり、ゴ
ム製の袋1は縮小する方向に変形し、生理食塩水4は流
体供給口2、細管5を通って、注射針6から供給され
る。通電を続けると、生理食塩水は1時間で100ml
供給され、5分おきの供給量は常に一定に保もたれ、通
電電気量と供給量の関係の精度はきわめて良いこと示さ
れた。
【0031】いっぽう、この時に陰極から発生する約2
00mlの水素は水素貯蔵容器13の中に導かれ、そこ
でフラーレンC60に吸蔵される。フラーレンC60
25℃、1.5気圧の水素と接触すると、1g当り約1
00mlの水素を吸蔵することができるため、あらかじ
め3gのフラーレンC60を水素貯蔵容器13中に入れ
ておけば、陰極から発生する水素をすべて吸蔵すること
ができ、流体供給装置の外部に出ることはない。
【0032】[実施例2] 構造は実施例1とまったく
同じで、フラーレンC60の代わりにフラーレンC70
を3g使用した流体供給装置を作成した。実施例1と同
様に電気化学セル部に450mAの直流電流を通電する
と、1時間に100mlの生理食塩水が供給され、5分
おきの供給量は常に一定に保もたれ、通電電気量と供給
量の関係の精度はきわめて良く、同時に発生した200
mlの水素は、フラーレンC70に吸蔵され、流体供給
装置の外部に出ることはなかった。
【0033】[実施例3] 構造は実施例1とまったく
同じであるが、水素貯蔵容器中の白金触媒を担持したフ
ラーレンC60を電気化学セルの陰極と接触させた流体
供給装置を作製した。その断面構造を図2に示す。図に
おける記号1〜17は、実施例1と同じものを示すもの
とする。ここでは2gのC60を使用した。
【0034】実施例1と同様に電気化学セル部に450
mAの直流電流を通電すると、1時間に100mlの生
理食塩水が供給され、5分おきの供給量は常に一定に保
もたれ、通電電気量と供給量の関係の精度はきわめて良
く、同時に発生した200mlの水素は、フラーレンC
60に吸蔵され、流体供給装置の外部に出ることはなか
った。
【0035】[実施例4] 電気化学セルを次のように
して作製した。ナフィオン117膜の片面に実施例1と
同様にして、無電解メッキ法により白金陽極を作製し、
他面に陰極としてフラーレンC60とC70の混合物と
5%の白金を担持した活性炭粉末と結着剤としてのポリ
4フツ化エチレンとの混合物を圧着した。この電気化学
セルを用いて、実施例1と同様に流体供給装置を作製し
た。
【0036】実施例1と同様に電気化学セル部に450
mAの直流電流を通電すると、陽極から酸素が発生し、
1時間に100mlの生理食塩水が供給され、5分おき
の供給量は常に一定に保もたれ、通電電気量と供給量の
関係の精度はきわめて良く、いっぽう、陰極からは水素
がまったく発生せず、流体供給装置の外部に出ることは
なかった。
【0037】[実施例5] 流体貯蔵部として、実施例
1で述べたゴム製の袋状体の代わりに、100ml用の
市販の使い捨て型注射器の外筒と吸子の先端のゴムのピ
ストンを使用した流体供給装置を作製した。その断面構
造を図3に示す。図において2〜17は実施例1と同じ
ものを示すものとし、流体貯蔵部としては注射器の外筒
18と、吸子の先端のゴムのピストン19を使用した。
20は注射器の先端部分である。また、アクリル製円筒
3の長さは140mmとし、注射器の先端部分20は流
体供給口2に差し込まれている。
【0038】電気化学セルに600mAの直流定電流を
通電すると、吸子の先端部のゴムのピストン19が注射
器の外筒18の中へ押し込まれる方向に移動し、実施例
1と同様に、1時間に100mlの生理食塩水が供給さ
れ、5分おきの供給量は常に一定に保もたれ、通電電気
量と供給量の関係の精度はきわめて良かった。この場合
は、吸子の先端部のゴムのピストン19と注射器の外筒
18の間には摩擦抵抗があるために、実施例1と同様の
速度で生理食塩水を供給するためには、実施例1よりも
大きな圧力が必要であるために、600mAという大き
な電流を流す必要がある。
【0039】[実施例6] 実施例1と同様の構造で、
流体供給口には逆流防止弁を取り付けた流体供給装置を
作製した。その装置では、使用しない状態では流体供給
口からの液漏れはまったくなく、また、使用中に流体供
給口の外側が減圧状態となっても、液の供給は停止し
た。この構造にすることによって、流体としては液体の
代わりに気体を使用することも可能となる。
【0040】
【発明の効果】本発明になる流体供給装置においては、
電気化学セルとして水電解セルを使用しているために、
水素移動セルや酸素移動セルの場合のように、通電する
電流が小電流の範囲に制限されたり、電解質としてはた
らくイオン交換膜の乾燥による抵抗増大の心配がなく、
これらを解決するためのガスの加圧や加湿などの複雑な
制御機構は不必要である。また、電気化学セルから発生
する気体によって目的の流体の供給量を決めるものであ
り、気体の発生量は通電電気量、言い換えると(電流×
時間)によって設定することができ、単位時間当りの供
給量は電流の値で、また定電流を通電する場合には、合
計の供給量は時間によって決めることができるという、
きわめて簡単な方法で流体を長時間にわたって精度良く
供給することができるものである。
【0041】本発明になる、電気化学セルから発生する
ガスで流体貯蔵部を押して流体を供給する方式の流体供
給装置においては、加圧ガスとして陽極から発生する酸
素を使用することは決定的に重要である。すなわち、陰
極から発生した水素は水素貯蔵容器に導入され、そこで
ただちにフラーレン族化合物に吸蔵される。したがっ
て、いったん発生した水素がカチオン交換膜を透過して
酸素側に達し、そこで酸素と再結合して水に戻る、とい
う現象を防止することができ、その結果、通電電気量と
酸素発生量の関係、いいかえると通電電気量と流体供給
量のあいだに正確な関係が保たれるものである。もちろ
ん、流体供給装置を使用中に水素が外部に漏れる危険性
をまったくなくすことができるし、流体供給装置を使用
後には流体供給装置には酸素のみが蓄積されているの
で、ガスを抜き取る際の危険性はまったくない。
【0042】また、フラーレン族は電気化学的方法によ
ってより多くの水素を吸蔵することができるが、この場
合フラーレン族は炭素のみから構成されているために、
ナフィオン117のような強酸性のカチオン交換膜と直
接接触しても、まったく化学変化しない。なお、フラー
レン族化合物としては、実施例で述べたC60以外に
も、C70、C76、C82、C120などのあらゆる
種類のフラーレン化合物の使用が可能ある。
【0043】また、本発明になる流体供給装置において
は、流体貯蔵部としては、ゴム製の袋状体や使い捨て型
注射器を使用するために、気体発生部は繰り返し使用が
可能である。なお、流体貯蔵部に袋状体を使用する場
合、袋状体の材質は実施例1で述べたゴムだけではな
く、やわらかいプラスチツクや薄い金属からなる袋ある
いは蛇腹状の容器など、気体の圧力によって変形可能な
容器であればどんなものでも良い。また、流体貯蔵部と
しては、市販の使い捨て型のプラスチツク製の注射器
や、ガラス製注射器をそのまま使用することも可能であ
り、より小型にする場合には、実施例4で述べたよう
な、注射器の外筒とピストンのみから構成されるものを
使用する事ができる。この場合、ピストンとしては、実
施例4で述べたように、市販の注射器の吸子の先端部分
のピストンをそのまま使用してもよいし、別にO−リン
グをとりつけた円柱形ピストンなど、種々の形状・材質
のものが使用可能である。
【0044】さらに、流体貯蔵部の流体供給口に逆流防
止弁を備えることによって、使用しない状態での薬液等
の漏れの心配はなく、供給する流体として気体を使用す
ることも可能となる。
【0045】さらに、本発明になる流体供給装置全体と
しては、構造が単純で、小型・軽量化が可能であり、携
帯用にでき、使用にあたっての操作も容易であり、特に
医療用の薬液供給に使用する場合、患者にとつてきわめ
て使いやすいものとなる。
【0046】以上のように、本発明になる流体供給装置
器は、構造が簡単で、安価で、流体供給部を使い捨て型
にすることも可能となり、従来のベローズやダイヤフラ
ムあるいは電気化学方式を用いた輸液ポンプやの欠点を
取り除くことができるものであり、その工業的価値はき
わめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる実施例1にかかる流体輸送器の、
断面構造を示した図である。
【図2】本発明になる実施例3にかかる流体輸送器の、
断面構造を示した図である。
【図3】本発明になる実施例5にかかる流体輸送器の、
断面構造を示した図である。
【符号の説明】
1 ゴム製袋状体 3 アクリル製ケース 4 生理食塩水 7 電気化学セル 6 カチオン交換膜 13 水素貯蔵容器 14 フラーレン族化合物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水電解セルを有する気体発生部と、気体
    の圧力により変形可能な流体貯蔵部とを備え、該水電解
    セルに直流電流を通電することによって陽極から発生す
    る酸素で流体貯蔵部を加圧することによって流体を押し
    だし、該水電解セルの陰極から発生する水素を、触媒を
    含むフラーレンに吸蔵せしめるように構成してなること
    を特徴とする、流体供給装置。
  2. 【請求項2】 触媒を含むフラーレンを水素貯蔵容器中
    に収納してなる、請求項1記載の、流体供給装置。
  3. 【請求項3】 触媒を含むフラーレンを、直接あるいは
    多孔性シートを介して、電気化学セルの陰極に取り付け
    てなる、請求項1又は2記載の、流体供給装置。
  4. 【請求項4】 陽極に酸素発生電極を、陰極にフラーレ
    ンを主体とする水素吸蔵電極を用いてなる、電気化学セ
    ルからなる酸素ガス発生部と、酸素ガスの圧力により変
    形可能な流体貯蔵部とを備え、上記電気化学セルに直流
    電流を通電することによって陽極から発生する酸素ガス
    で、上記流体貯蔵部を加圧することによって流体を押し
    出すように構成してなることを特徴とする、流体供給装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001017900A1 (fr) * 1999-09-09 2001-03-15 Sony Corporation Materiau carbone destine au stockage d'hydrogene et procede de preparation, element de pile et pile a combustible
JP2004538360A (ja) * 2000-04-13 2004-12-24 エラン・フアルマ・インターナシヨナル・リミテツド 改善された電解槽

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