JPH09183496A - 流体供給装置 - Google Patents

流体供給装置

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JPH09183496A
JPH09183496A JP35276495A JP35276495A JPH09183496A JP H09183496 A JPH09183496 A JP H09183496A JP 35276495 A JP35276495 A JP 35276495A JP 35276495 A JP35276495 A JP 35276495A JP H09183496 A JPH09183496 A JP H09183496A
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JP
Japan
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fluid
fluid supply
supply device
electrochemical cell
bag
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Application number
JP35276495A
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English (en)
Inventor
Satoru Saito
哲 斉藤
Kazuhide Totsuka
戸塚  和秀
Yuko Fujita
雄耕 藤田
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Japan Storage Battery Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目的に応じた一定温度の流体を精度よく供給
し、しかも構造が簡単で操作が容易な流体供給装置を提
供する。 【解決手段】流体供給管3と流体供給口4と気体の圧力
によって変形可能な袋状体2からなる流体貯蔵部を使用
し、流体を貯蔵した流体貯蔵部の袋状体を収納容器中1
に収納し、電気化学セル8に直流電流を通電した場合に
発生する気体を収納容器の内部に設けた気密の保たれた
圧力伝送部6に導入し、この気体の圧力で袋状体を加圧
するとともに、袋状体や流体供給管の一部あるいは全体
を加熱または冷却することにより、一定温度の流体を供
給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体を精度よく供給
するための、流体供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薬液を微量ずつ、しかも精度よく
人体に注入するために各種輸液ポンプが使用されるよう
になった。
【0003】本願発明者のひとりは、直流電流を通電す
ることによって、その電流値に比例する量の気体を発生
する電気化学セルを利用し、ポンプ機能と気体の流量制
御機能とを有する装置を提案し(日本特許番号第121
4001号)、この原理を利用して電気化学的輸液ポン
プが提案された(H.J.R.マゲット、米国特許第
4,522,698号)。
【0004】この電気化学的輸液ポンプは、電解質とし
て機能する含水されたカチオン交換膜の両面に多孔性の
ガス拡散電極を接合した電気化学セルを有しており、電
気化学セルの陽極に水素を供給し、陽・陰両極間に直流
電流を通電した時、陽極では水素が水素イオンとなり、
生成した水素イオンがイオン交換膜を通って陰極側に達
し、そこで水素が発生するという電気化学反応が起こる
ことを利用したものである。すなわち、陰極で発生する
昇圧された水素をピストン、ダイヤフラム、ベローズ等
を押すための駆動源として利用するものである。また、
この電気化学セルの反応物質として水素の代りに酸素を
利用することも可能であり、陰極に供給すべき酸素源と
して空気を用いれば、輸液ポンプの構造はかなり簡単な
ものになる。
【0005】このような電気化学方式を利用した輸液ポ
ンプは、医療用の薬剤の供給にとどまらず、一般的には
気体や液体などのあらゆる流体の供給に使用することが
できる。電気化学方式の流体供給装置は、電気化学セル
に通電する電流の大きさによって流体の供給速度を決め
ることができるため、特に微量の流体を精度よく供給す
るような用途に適している。
【0006】この電気化学式流体供給装置に使用する電
気化学セルとしては、上で述べた系以外にいろいろな種
類が考えられるが、その一つとして、水の電気分解反応
を利用する水電解セル(特開平2−302264)があ
る。このセルは、カチオン交換膜の片面に陰極を、他面
に陽極をそれぞれ接合した電気化学セルに水を保持さ
せ、両極に直流電流を通電した際に水の電気分解によっ
て発生する水素か酸素、あるいは水素と酸素の混合ガス
を加圧源とするものである。
【0007】本発明は、密閉容器中に収納した流体貯蔵
部と電気化学セル部とを備え、通電によって電気化学セ
ルから発生する気体によって流体を押し出すことを基本
機能とする流体供給装置に関するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この機能を利用する場
合、流体供給管と流体供給口と柔軟な袋状体からなる流
体貯蔵部中に薬液などを充填しておき、この流体貯蔵部
の袋状体を電気化学セルから発生するガスで押して流体
を供給する装置も考えられる。しかし、このような装置
で流体を供給しようとする場合、流体の温度を正確にコ
ントロールすることは困難である。
【0009】すなわち、多くの場合、流体貯蔵部を保存
しておく温度と、実際に流体を供給する場合の流体の温
度は異なっている。例えば、生理食塩水は室温で保存さ
れているし、輸血用の血液パツクは−5℃で保存されて
いるのが普通であるが、これらを人体に供給する場合に
はあらかじめ体温に近い温度まで加温して使用してい
る。しかし、この方法では加温のための装置と時間が必
要となり、特に医療の現場などの緊急を要する場合に
は、より短時間で加温して使用できる装置が望まれてい
た。また、生理食塩水や血液パツクなどをいったん体温
まで加温した場合でも、これらを室温で使用している場
合には、時間がたつにしたがって徐々に室温に戻ってし
まい、患者に不快感を与えるだけではなく、患者の体調
に悪影響をおよぼす危険性があつた。
【0010】また、流体供給装置を工業用に使用する場
合も、流体を加熱あるいは冷却して、使用目的に応じた
温度にして供給することが望ましい。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体供給装置
の上記のような課題を解決するためになされたものであ
り、その目的とするところは、目的に応じた一定温度の
流体を精度よく供給し、しかも構造が簡単で操作が容易
な流体供給装置を提供するものである。
【0012】すなわち、本発明になる流体供給装置は、
流体供給管と流体供給口と気体の圧力によって変形可能
な袋状体からなる流体貯蔵部を使用し、流体を貯蔵した
流体貯蔵部の袋状体を収納容器中に収納し、電気化学セ
ルに直流電流を通電した場合に発生する気体を収納容器
の内部に設けた気密の保たれた圧力伝送部に導入し、こ
の気体の圧力で袋状体を加圧するとともに、袋状体や流
体供給管の一部あるいは全体を加熱または冷却すること
により、一定温度の流体を供給するようにしたものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明になる流体供給装置におい
ては、密閉容器中に流体貯蔵部の袋状体を直接収納する
第一の方法と、容器の内部に気体の圧力で変形可能な膜
を取り付けて容器の内部を第一の区画と第二の区画に区
切り、第一の区画に流体貯蔵部の袋状体を収納し、気密
を保った第二の区画に電気化学セルから発生する気体を
導入する第二の方法がある。
【0014】まず、第一の方法になる流体供給装置の構
造と作動原理を図1に基づいて説明する。図1は使用前
の断面構造を示したもので、図において、1は収納容
器、2は流体を貯蔵する袋状体、3は袋状体に取り付け
られた流体供給管、4は流体供給口であり、袋状体2と
流体供給管3と流体供給口4とを合わせて流体貯蔵部と
する。5は液体である。収納容器1の内壁と袋状体2の
外面とで、密閉空間である圧力伝送部6が形成される。
7は気体導入管、8は電気化学セル、9は電源、10は
スイッチである。11は密閉容器1の内壁に取り付けた
ヒーターであり、リード線12によって電源9につなが
っており、13はヒーター側のスイッチである。
【0015】この流体供給装置を使用するにあたって
は、まずヒーター側のスイッチ13を入れ、ヒーター1
1に電流を流し、袋状体2の内部の液体5を目的の温度
まで加熱しておく。次にスイッチ10を入れて、電気化
学セル8に電源9から直流電流を流すと、電気化学セル
8では水の電気分解反応が起こるので、陽極から発生す
る酸素をガス導入管7から圧力伝送部6に導入すれば、
通電を続けることにより密閉空間である圧力伝送部6に
酸素がたまり、圧力伝送部6の圧力が高くなると、酸素
の圧力で袋状体2を押し、その中の目的の温度に加熱さ
れた流体5は、流体供給管3を通って流体供給口4から
一定の速度で供給される。
【0016】本発明になる第二の方法は、気密の保たれ
た第二の区画を圧力伝送部とし、電気化学セルから発生
する気体を第二の区画に導入すると、第二の区画内部の
圧力が上昇し、容器の内部に取り付けた膜を第一の区画
の側へ押して、その圧力を第一の区画内の袋状体に伝え
ることによって、袋状体は容器や蓋の内壁に押し付けら
れて流体が供給されるものであり、この場合には第一の
区画は気密にする必要はない。
【0017】さらに、本発明になる流体供給装置におけ
る、流体貯蔵部である袋状体の中の流体を、使用目的に
応じて一定の温度に加熱あるいは冷却する方法として
は、袋状体全体あるいは袋状体と流体供給管を同時に加
熱あるいは冷却する方法や、袋状体の一部あるいは流体
供給管の一部を加熱あるいは冷却する方法などがあり、
前者は流体を供給する前に、あらかじめ加熱あるいは冷
却しておく必要があり、比較的速い速度で流体を供給す
る場合に適しており、また、後者は加熱あるいは冷却す
る時間は不要であり、流体の供給と加熱あるいは冷却を
同時に開始するもので、遅い速度で流体を供給する場合
に適しており、それぞれ目的に応じた方法を選択するこ
とができるものである。
【0018】本発明に使用できる電気化学セルとして
は、一般的には、直流電流を通電することによって通電
電気量に比例して気体を発生するセルなら、あらゆるセ
ルが使用可能であるが、より具体的には次のようなセル
の使用が可能である。 1)固体高分子カチオン交換膜の両面に多孔性金属電極
を接合し、両電極は水と接しており、通電によって陽極
から発生する酸素または陰極から発生する水素、あるい
は酸素と水素との混合ガスを利用する。なお、このよう
な水電解セルでは陽極側にも陰極側にもあらかじめ水を
入れておくのが普通であるが、固体高分子カチオン交換
膜はその内部に多量の水を吸収することができ、そのこ
とによってプロトン導電性機能を発揮して電解質として
働くものであり、必ずしも陽極側と陰極側との両方に水
を入れておく必要がなく、どちらか一方の電極側に水を
入れておくだけでもよい。すなわち、もし電極反応で水
が必要になれば、反対側の電極側から固体高分子カチオ
ン交換膜を通して水が供給されるからである。 2)固体高分子カチオン交換膜の両面に多孔性金属電極
を接合し、陽極は水と接し、陰極は空気あるいは酸素と
接し、通電によって陽極から発生する酸素を利用する。 3)固体高分子カチオン交換膜の片面に陽極としての多
孔性金属電極を接合し、他面には陰極としての二酸化マ
ンガンを取りつけ、通電によって陽極から発生する酸素
を利用する。 4)固体高分子アニオン交換膜の片面に陽極としての多
孔性金属電極を接合し、他面には陰極としての二酸化マ
ンガンやオキシ水酸化ニッケルをとりつけ、通電によっ
て陽極から発生する酸素を利用する。 5)電解質に、モリブドリン酸(H3 PMo1240・2
9H2 O)、ウラニルン酸(HUO2 PO4 ・4H
2 O)、アンチモン酸(Sb2 5 ・H2 O)などの各
種無機プロトン導電体を用いて水を電気分解し、その時
に発生する酸素や水素、あるいは両者の混合気体を利用
する。
【0019】また、流体供給口に逆流防止弁を設けるこ
とも可能である。
【0020】なお、電気化学セル部は、上述のように、
密閉容器とは別置し、電気化学セル部から発生する気体
を例えばチューブのような気体導入管を介して容器の内
部に導入してもよいし、あるいは、電気化学セル部を密
閉容器に直接接合その他の方法で装着してもよい。ま
た、電気化学セル部と容器を装脱着可能な構造とするこ
ともできる。
【0021】一方、電気化学セル部から発生するガス量
は、1Ahの通電電気量に対し、理論値で水素の場合4
20ml(0℃、1気圧)、酸素の場合210ml(0
℃、1気圧)となり、通電電気量に比例するので、袋状
体を押す気体を水素のみあるいは酸素のみ、あるいは水
素と酸素の両方とするいずれの場合も、通電電流の大き
さを決めることによって、流体の供給速度を決めること
ができる。
【0022】さらに、電気化学セルの作動には直流電流
が必要であるが、比較的多量の流体の供給が必要な場合
には大電流が必要であるために、交流電源から直流電源
装置を介して電気化学セルに直流電流を供給すればよ
い。いっぽう、1時間に1ml程度の微量の流体を供給
するような場合には、小型の電池を電源とすればよい。
このような小型の電池を用いる場合には、電池と電気化
学セルとを上述の密閉容器の端部に直接装着すれば、流
体供給装置は携帯型となる。
【0023】本発明の流体供給装置は、薬液や血液の患
者への供給に最適であるが、工業用その他のすべての流
体及び気体の供給にも適用が可能である。
【0024】
【実施例】本発明になる流体供給装置の構造および使用
方法を、好適な実施例を用いて詳述する。
【0025】[実施例1] 電気化学セルとして、固体
高分子電解質を用いた水電解セルを使用し、流体貯蔵部
を密閉容器中に直接収納する型の流体供給装置を作製し
た。図1は使用前の断面構造を示したもので、図におい
て、1は収納容器で、材質はポリプロピレン製とし、内
部の寸法は60mm×40mm×15mmとし、この収
納容器は気体の圧力では変形しない。2は流体を貯蔵す
るポリ塩化ビニル製の袋状体で、大きさは70mm×5
0mm、厚みは0.5mmとし、シートの端部は熱融着
で一体化し、この中には生理食塩水5が約30ml入っ
ている。3は流体供給管であり、4は流体供給口として
の注射針である。収納容器1の内壁と袋状体2の外面と
で、気密の保たれた空間である圧力伝送部6が形成され
る。7は気体導入管で、材質はポリ塩化ビニルとし、寸
法は外径5mm、内径4mmとした。8は電気化学セル
で、固体電解質としての直径30mmの固体高分子プロ
トン導電体の両面に無電解メッキ法で直径20mmの多
孔性白金電極を接合し、それぞれ陽極および陰極とした
水電解セル、9は電源で、電池と定電流回路を組み合わ
せたものであり、10は電気化学セル側のスイッチであ
る。11は密閉容器1の内壁に取り付けたヒーターであ
り、リード線12によって電源9につながっており、1
3はヒーター側のスイッチである。
【0026】この流体供給装置を生理食塩水の供給に使
用する場合、まずヒーター側のスイッチ13を押して、
あらかじめ一定の時間ヒーター11に電流を流し、袋状
体2の内部の生理食塩水5を体温である約36℃まで加
熱しておく。次にスイッチ10を押して電気化学セル8
に電源9から50mAの直流を電流を流すと、電気化学
セル8では水の電気分解反応が起こり、陽極から発生す
る酸素を気体導入管7を通して酸素を蓄積する圧力伝送
部6に導入すれば、通電を続けることにより圧力伝送部
6の内部の酸素の圧力が上昇し、袋状体2のみが収縮す
る方向に変形し、ヒーター11によって体温に近い約3
6℃に加熱された生理食塩水5が押し出されて、流体供
給管3を通って流体供給口である注射針4から1時間当
たり10mlの速度で供給される。
【0027】図2は、本発明になる流体供給装置の使用
途中の状態を示す断面構造で、圧力伝送部6の体積は増
大し、同時に袋状体2は収縮して、その中の生理食塩水
5は外部に供給されて、その量は減少している。
【0028】なお、電気化学セル8から圧力伝送部6に
導入する気体として陰極から発生する水素を使用する場
合には、電流は25mAでよく、また、酸素と水素を同
時に導入した場合には、電流は17mAでよい。いずれ
の場合でも水の電気分解による一定圧力の酸素あるいは
水素の発生量は、通電電気量(電流×時間)によって決
まるため、定電流を通電する場合には、単位時間当たり
の流体の供給量は一定となるので、通電電流の大きさを
変えることによって任意の流体供給量が得られるもので
ある。
【0029】[実施例2] 電気化学セルとして、実施
例1と同様の固体高分子電解質を用いた水電解セルを使
用し、容器の内部に気体の圧力で変形可能な膜を取り付
けてその内部を二つの区画に区切り、第二の区画は気密
を保った圧力伝送部とし、第一の区画に流体貯蔵部の袋
状体を収納し、第二の区画に電気化学セルから発生する
気体を導入する型の流体供給装置を作製した。図3は使
用前の断面構造を示したもので、図における記号1〜1
3は実施例1と同じものを示しているが、容器は全体と
して密閉に保つ必要はない。容器や袋状体などの材質お
よび寸法も実施例1と同じとした。ただし、ヒーター1
1は収納容器1の外側で流体供給管3の周囲を取り巻く
位置に取り付けられており、電源9とヒーター11間の
リード線は図示していない。また、電気化学セル側のス
イッチ10は、ヒーター側のスイッチを兼ねている。1
4は柔軟性を有しかつ気体の圧力によって変形可能な膜
で、ここでは厚み0.5mmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)製シートを使用し、容器1の内面に取り
付けた。したがつて収納容器1の内部は膜14によって
第一の区画15と第二の区画6に区切られる。第二の区
画6は膜14と収納容器1によって囲まれており、完全
な気密が保たれた圧力伝送部を形成している。
【0030】この流体供給装置で実施例1と同様の電流
を流すと、電気化学セル8の陽極から発生する酸素が圧
力伝送部6に導入され、圧力伝送部6は気密が保たれて
いるために、通電を続けることにより圧力伝送部6の内
部の酸素の圧力が高くなり、この圧力で膜14を押し、
その力が生理食塩水5を入れた袋状体2に伝わる。する
と、袋状体2は軟らかい塩化ビニル製であるために、収
納容器1の内壁に押しつけられ、生理食塩水5は流体供
給管3を通って流体供給口としての注射針4から1時間
当たり10mlの速度で供給される。この時、流体供給
管3の周囲はヒーター11によって加熱され、ヒーター
11に流す電流を調節することによつて、例えば生理食
塩水5の温度を体温にして供給することができる。この
場合には、袋状体2全体を加熱する必要はなく、流体供
給管3を通る生理食塩水5を加熱するだけでよいため
に、予備的な加熱の必要はない。
【0031】[実施例3] 袋状体を内部に収納した収
納容器に電気化学セルを直接取り付けた、実施例1と類
似の構造の流体供給装置を作製した。図4は使用前の断
面構造を示したもので、図における記号1〜13は図1
と同じものを示しており、電気化学セル8は収納容器1
に直接取り付けてあり、この場合には気体導入管は不要
である。実施例1と同様の電流を流すと同様の速度で生
理食塩水が供給された。
【0032】[実施例4] 流体貯蔵部としての袋状体
に、流体注入口と流体供給口をそれぞれ別々に取り付け
た、実施例1と類似の構造の流体供給装置を作製した。
実施例1と同様の電流を流すと同様の速度で生理食塩水
が供給された。
【0033】[実施例5] 流体供給口には逆流防止弁
を取り付けた、実施例1と同様の構造の流体供給装置を
作製した。この装置では、使用しない状態では流体供給
口からの液漏れはまったくなく、また、使用中に流体供
給口の外側が減圧状態となっても、流体の供給は停止し
た。この構造にすることによって、流体としては液体の
代わりに気体を使用することも可能となる。
【0034】
【発明の効果】本発明になる流体供給装置においては、
電気化学セルから発生する気体によって目的の流体の供
給量を決めるものであり、電気化学セルからの気体の発
生量は通電電気量、言い換えると(電流×時間)によっ
て設定することができ、供給速度は電流の値で、また定
電流を通電する場合には、合計の供給量は時間によって
決めることができるという、きわめて簡単な方法で、流
体を精度良く供給することができるものである。また、
本発明になる流体供給装置は、流体貯蔵部の袋状体や流
体供給管の一部あるいは全体を加熱または冷却すること
によつて、使用目的に応じた一定温度の流体を供給する
ものである。すなわち、比較的速い速度で流体を供給す
る場合には、袋状体をあらかじめ一定の温度に調整して
おき、流体が供給されている間も一定の温度に保持して
おく方法が有効であり、また、1時間に数mlのような
ゆるやかな速度で供給する場合には、流体供給管の一部
を加熱あるいは冷却して、そこを通過する流体を一定温
度に調整して供給する方法が有効である。このように一
定温度の流体を供給する方法は、人体に薬液を注入した
り輸血する場合には、患者にとってきわめて都合がよい
し、工業的な用途においても最適の温度の流体を供給す
ることができるという点できわめ有効である。
【0035】さらに、本発明になる流体供給装置におい
て、容器の内部に気体の圧力で変形可能な膜を取り付
け、この膜で容器内部を第一の区画と第二の区画に区切
り、第一の区画に流体貯蔵部の袋状体を入れ、気密の保
たれた第二の区画を圧力伝送部とし、第二の区画に電気
化学セルから発生する気体を導入し、気体の圧力で膜を
押し、その力で流体貯蔵部の袋状体を押して流体を供給
する場合には、流体貯蔵部を収納する第一の区画を気密
に保つ必要はなく、流体貯蔵部をセットする方法はきわ
めて簡単で、短時間でできるようになる。また、流体貯
蔵部を取り替えることによって、異なる薬液等の流体の
供給に利用することができる。
【0036】なお、流体の温度調整装置としては、加熱
用にはニクロム線やセラミックヒーターなどが利用でき
るが、用途に応じてその他の種類のヒーターの使用が可
能であるる。また、実施例では加熱する場合について述
べたが、冷却装置を使用すれば、流体の温度を下げて使
用することも可能となる。
【0037】なお、容器の内部に取りつけた気体の圧力
によって変形可能な膜の材料としては、実施例2で述べ
たポリエチレンテレフタレート以外にも、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ネオプレンゴム等
の使用が可能であるが、これらに限定されるものではな
い。また、その材質の選択にあたっては、電気化学セル
から発生する酸素あるいは水素の透過がなるべく少ない
ことに配慮することが必要である。また、膜の取りつけ
位置は、第二の区画の気密が保たれれば、容器の内部の
適当な位置に取りつければよい。
【0038】さらに、本発明になる流体供給装置全体と
しては、小型・軽量化が可能であり、使用にあたっての
操作も容易であり、特に医療用の薬液供給に使用する場
合、患者にとってきわめて使いやすいものとなる。
【0039】以上のように、本発明になる流体供給装置
は、構造が簡単で、安価で、しかも取り扱いが容易であ
り、従来の電気化学的流体供給装置の欠点を取り除くこ
とができるものであり、その工業的価値はきわめて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる流体供給装置の、使用前の状態の
断面を示す図である。
【図2】本発明になる流体供給装置の、使用途中の状態
の断面を示す図である。
【図3】本発明になる実施例2にかかる流体供給装置
の、使用前の断面構造を示す図である。
【図4】本発明になる実施例3にかかる流体供給装置
の、使用前の断面構造を示す図である。
【符号の説明】
1 収納容器 2 袋状体 5 流体 6 圧力伝送部 8 電気化学セル 9 電源 11 ヒーター 14 膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体貯蔵部と収納容器と電気化学セル部
    とを備え、前記流体貯蔵部は流体供給管と流体供給口と
    気体の圧力によって変形可能な袋状体からなり、前記収
    納容器中には流体貯蔵部の袋状体を収納し、前記収納容
    器中には気密を保った圧力伝送部を備え、電気化学セル
    部に直流電流を通電することによって発生する気体を上
    記圧力伝送部に導入して袋状体を加圧するとともに、上
    記袋状体および流体供給管の一部分または全体を、加熱
    あるいは冷却することにより、前記流体供給口から一定
    温度の流体を供給することを特徴とする、流体供給装
    置。
  2. 【請求項2】 収納容器と流体貯蔵部の袋状体とから圧
    力伝送部を構成したことを特徴とする、請求項1記載の
    流体供給装置。
  3. 【請求項3】 容器の内部を気体の圧力によつて変形可
    能な膜によつて二つの区画に区切り、第一の区画に流体
    貯蔵部の袋状体を収納し、気密を保った第二の区画を圧
    力伝送部とし、該圧力伝送部に電気化学セルから発生す
    る気体を導入することを特徴とする、請求項1記載の流
    体供給装置。
  4. 【請求項4】 流体貯蔵部を加圧する気体が、水素及び
    酸素のいずれかもしくは双方であることを特徴とする、
    請求項1、2又は3記載の流体供給装置。
  5. 【請求項5】 電気化学セル部から発生する気体が、気
    体導入管を介して圧力伝送部に導入されることを特徴と
    する、請求項1、2、3又は4記載の流体供給装置。
  6. 【請求項6】 電気化学セル部が収納容器に一体に装着
    されてなることを特徴とする、請求項1、2、3又は4
    記載の流体供給装置。
  7. 【請求項7】 電気化学セル部が収納容器に装脱着可能
    であることを特徴とする、請求項1、2、3又は4記載
    の流体供給装置。
  8. 【請求項8】 流体供給口が流体を予め注入するための
    入口を兼ねることを特徴とする、請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載の流体供給装置。
  9. 【請求項9】 流体の注入口を設けたことを特徴とす
    る、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の流体供
    給装置。
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