JP2797347B2 - 音場形成装置 - Google Patents

音場形成装置

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JP2797347B2
JP2797347B2 JP63299260A JP29926088A JP2797347B2 JP 2797347 B2 JP2797347 B2 JP 2797347B2 JP 63299260 A JP63299260 A JP 63299260A JP 29926088 A JP29926088 A JP 29926088A JP 2797347 B2 JP2797347 B2 JP 2797347B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明を以下の順序で説明する。
A 産業上の利用分野 B 発明の概要 C 従来の技術 D 発明が解決しようとする課題 E 課題を解決するための手段 F 作 用 G 実施例 G−1 構成及び各部の動作(第1図,第2図) G−2 音場形成動作(第1図,第3図,第4図) H 発明の効果 A 産業上の利用分野 本発明は、ステレオ音声信号もしくはモノラル音声信
号に基づいてスピーカから再生音を発する音場形成装置
に関する。
B 発明の概要 本発明は、左チャンネル信号と右チャンネル信号を含
むステレオ音声信号、もしくは、モノラル音声信号に基
づいて複数個のスピーカから再生音を発生させる音場形
成装置において、音声信号である左信号と右信号とが供
給され、それらについての差信号もしくは和信号を遅延
させて、少なくとも、第1の遅延時間だけ遅延された第
1の左用遅延信号と第1の遅延時間より長い第2の遅延
時間だけ遅延された第2の左用遅延信号とを含む左用遅
延信号群、及び、少なくとも、第3の遅延時間だけ遅延
された第1の右用遅延信号と第3の遅延時間より長い第
4の遅延時間だけ遅延された第2の右用遅延信号とを含
む右用遅延信号群を、第1の遅延時間及び第3の遅延時
間の夫々が22〜30m秒とされるとともに第2の遅延時間
及び第4の遅延時間の夫々が300m秒以内とされ、かつ、
第1の遅延時間と第3の遅延時間とが差を500μ秒以下
とする範囲で互いに異ならしめられるとともに、第2の
遅延時間と第4の遅延時間とが差を500μ秒以下とする
範囲で互いに異ならしめられ、しかも、第1の左用遅延
信号と第1の右用遅延信号とが180〜270゜の相互位相差
を有するものとされるとともに、第2の左用遅延信号と
第2の右用遅延信号とが180〜270゜の相互位相差を有す
るものとされる状態で形成し、左用遅延信号群の和がと
られて得られる左用付加信号と右用遅延信号群の和がと
られて得られる右用付加信号とを、夫々、左信号及び右
信号に加算して補正左信号及び補正右信号を得、それら
を夫々第1及び第2のスピーカに供給するようになすこ
とにより、リスナーの後方に配されるスピーカを要さ
ず、リスナーの前方に配された少なくとも2個のスピー
カを用いることによって、リスナーに対してのサラウン
ド効果を伴うステレオ音場を形成できるようにしたもの
である。
C 従来の技術 複数のスピーカからステレオ音声信号に基づいて再生
音を得るようにしてなされるステレオ音声再生の分野に
おいて、原音場における音源についての方向感が保存さ
れ、かつ、例えば、映画館,音楽ホール等において得ら
れる如くの臨場感と音の広がりとを得ることができるこ
とになる、サラウンド効果を伴うステレオ音場形成を行
うことが提案されている。このようなサラウンド効果を
伴うステレオ音場形成は、従来、リスナーに対する左右
前方位置に1対の前方スピーカが配されて、夫々に、ス
テレオ音声信号を構成する左チャンネル信号成分及び右
チャンネル信号成分、あるいは、左チャンネル信号成分
に若干の左右チャンネル信号成分の差成分が加えられた
もの及び右チャンネル信号成分に若干の左右チャンネル
信号成分の差成分が加えられたものが供給されて、各前
方スピーカから再生音が得られるようにされるととも
に、リスナーに対する左右後方位置にも1対の後方スピ
ーカが配され、夫々に、左右チャンネル信号成分の差成
分を遅延させたもの、もしくは、左右チャンネル信号成
分の差成分を遅延させたものに若干の左チャンネル信号
成分及び右チャンネル信号成分が加えられたものが供給
されて、各後方スピーカから再生音が得られるようにし
て行われる。
斯かるサラウンド効果を伴うステレオ音場形成がなさ
れる場合には、例えば、各家庭においても臨場感に富ん
だステレオ音声を楽しむことが可能とされる。
D 発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述の如くにしてサラウンド効果を伴
うステレオ音場形成がなされるにあたっては、リスナー
に対する左右前方位置に1対の前方スピーカが配される
ことのみならず、リスナーに対する左右後方位置に1対
の後方スピーカが配されることが要求され、従って、通
常のステレオ音場が形成される場合に比して、スピーカ
の数及びスピーカに対する駆動回路の数等の増加がまね
かれることになり、ステレオ音声再生システムが、その
構成が複雑なものとなるとともに、高価なものとなって
しまう。さらに、1対の前方スピーカからの音量と1対
の後方スピーカからの音量とが適正なバランス状態にお
かれないもとでは、充分なサラウンド効果が得られず、
それゆえ、例えば、リスナーに、1対の前方スピーカか
らの音量と1対の後方スピーカからの音量とについての
バランス調整を適正に行うことが要求され、リスナーが
煩わしさを覚えることになってしまう。
斯かる点に鑑み、本発明は、ステレオ音声信号の左チ
ャンネル信号成分及び右チャンネル信号成分として、も
しくは、同一のモノラル音声信号として供給される左信
号と右信号とに基づいて複数個のスピーカから再生音を
発生させ、それによって音場形成を行うにあたり、リス
ナーの後方位置に配されるスピーカを必要とせず、リス
ナーの前方位置に配された少なくとも2個のスピーカを
用いることによって、リスナーに対しての適切なサラウ
ンド効果を伴うステレオ音場を形成できるようにされた
音場形成装置を提供することを目的とする。
E 課題を解決するための手段 上述の目的を達成すべく、本発明に係る音場形成装置
は、いずれも音声信号とされる左信号及び右信号が夫々
供給される一対の入力端子と、左信号及び右信号の一方
から他方を減算して得られる差信号、もしくは、左信号
及び右信号の一方に他方を加算して得られる和信号を形
成する演算部と、演算部から得られる差信号もしくは和
信号に対する遅延処理を行って、左用付加信号と右用付
加信号とを得る遅延処理手段と、左用付加信号を左信号
に加算して補正左信号を得る第1の加算手段と、右用付
加信号を右信号に加算して補正右信号を得る第2の加算
手段と、補正左信号及び補正右信号が夫々選択的に供給
される第1及び第2のスピーカとを備えて構成され、遅
延処理手段が、演算部からの差信号もしくは和信号を遅
延させて、少なくとも、第1の遅延時間だけ遅延された
第1の左用遅延信号と第1の遅延時間より長い第2の遅
延時間だけ遅延された第2の左用遅延信号とを含む左用
遅延信号群、及び、少なくとも、第3の遅延時間だけ遅
延された第1の右用遅延信号と上記第3の遅延時間より
長い第4の遅延時間だけ遅延された第2の右用遅延信号
とを含む右用遅延信号群を、第1の遅延時間及び第3の
遅延時間の夫々が20〜30m秒とされるとともに、第2の
遅延時間及び第4の遅延時間の夫々が300m秒以内とさ
れ、かつ、第1の遅延時間と第3の遅延時間とが差を50
0μ秒以下とする範囲で互いに異ならしめられるととも
に、第2の遅延時間と第4の遅延時間とが差を500μ秒
以下とする範囲で互いに異ならしめられ、しかも、第1
の左用遅延信号と第1の右用遅延信号とが180〜270゜の
相互位相差を有するものとされるとともに、第2の左用
遅延信号と第2の右用遅延信号とが180〜270゜の相互位
相差を有するものとされる状態で形成し、左用遅延信号
群の和をとることにより左用付加信号を得、かつ、右用
遅延信号群の和をとることにより右用付加信号を得るも
のとされる。
F 作 用 このようにされる本発明に係る音場形成装置において
は、第1及び第2のスピーカがリスナーに対する左右前
方位置に配され、それらに第1及び第2の加算手段から
得られる補正左信号及び補正右信号が夫々供給されて、
再生音が発せられるようにされることにより、リスナー
に対してのサラウンド効果を伴うステレオ音場が形成さ
れる。従って、本発明に係る音場形成装置によれば、リ
スナーに対する後方位置に配されるスピーカを要するこ
となく、リスナーに対する前方位置に配された少なくと
も2個のスピーカのみを用いて、リスナーに対してのサ
ラウンド効果を伴うステレオ音場を形成できることにな
る。また、サラウンド効果を伴うステレオ音場の形成に
あたって、スピーカの数及びスピーカに対する駆動回路
の数等の増加がまねかれず、さらに、例えば、リスナー
が、前方及び後方スピーカの夫々からの音量についての
バランス調整を適正に行うという煩わしさから開放され
ることになる。
G 実施例 G−1 構成及び各部の動作(第1図,第2図) 第1図は、本発明に係る音場形成装置の一例の要部を
示す。
この例においては、ステレオ音声信号の左チャンネル
信号成分及び右チャンネル信号成分、もしくは、同一の
モノラレ音声信号とされる左信号L及び右信号Rが夫々
供給される一対の入力端子11及び12が設けられており、
これら入力端子11及び12からの左信号L及び右信号R
は、アナログ/ディジタル変換部(A/D変換部)13にお
いてディジタル化され、A/D変換部13からは、左信号L
に基づくディジタル左信号TLと右信号Rに基づくディジ
タル右信号TRとが得られる。ディジタル左信号TL及びデ
ィジタル右信号TRは演算部14に供給され、演算部14は、
後述されるモード選択部からの制御信号Saに応じて、デ
ィジタル左信号TL及びディジタル右信号TRの一方から他
方を減算する演算、例えば、ディジタル左信号TLからデ
ィジタル右信号TRを減算する演算、あるいは、ディジタ
ル左信号TLとディジタル右信号TRとを加算する演算を行
い、ディジタル左信号TLからディジタル右信号TRが減算
されて得られる差信号E(=TL−TR)、もしくは、ディ
ジタル左信号TLにディジタル右信号TRが加算されて得ら
れる和信号F(=TL+TR)を送出する。そして、演算部
14からの差信号Eもしくは和信号Fは、帯域制限部15に
おいて、例えば、80〜600Hzの周波数帯域に制限された
後、前置遅延部16により遅延されて、主遅延部17に供給
される。
主遅延部17には、増幅器18a,18b,18c,18d及び18eが夫
々接続された5個の遅延出力端子と、増幅器19a,19b,19
c,19d及び19eが夫々接続されたさらに5個の遅延出力端
子とが設けられている。そして、演算部14から供給され
る差信号Eもしくは和信号Fは、各遅延出力端子に夫々
所定の時間だけ遅延されて現れるものとされ、それらが
増幅器18a〜18e及び19a〜19eによって夫々増幅されて、
増幅器18a〜18eの出力側には、夫々、左用遅延信号DL1,
DL2,DL3,DL4及びDL5が得られ、また、増幅器19a〜19eの
出力側には、夫々、右用遅延信号DR1,DR2,DR3,DR4及びD
R5が得られる。
左用遅延信号DL1〜DL5は、第2図に示される如くに、
左用遅延信号DL1が、前置遅延部16における遅延作用と
主遅延部17内での遅延作用により、差信号Eもしくは和
信号Fに対して、例えば、約25m秒だけ遅延されるとと
もに、差信号Eもしくは和信号Fと略同等のレベルを有
するものとされ,左用遅延信号DL2が、主遅延部17内で
の遅延作用により、左用遅延信号DL1に対して、例え
ば、約43m秒だけ遅延されるとともに、左用遅延信号DL1
のレベルの略1/2のレベルを有するものとされ,左用遅
延信号DL3が、主遅延部17内での遅延作用により、左用
遅延信号DL1に対して、例えば、約67m秒だけ遅延される
とともに、左用遅延信号DL2のレベルより小なるレベル
を有するものとされ,左用遅延信号DL4が、主遅延部17
内での遅延作用により、左用遅延信号DL1に対して、例
えば、約80m秒だけ遅延されるとともに、左用遅延信号D
L3のレベルより小なるレベルを有するものとされ、さら
に、左用遅延信号DL5が、主遅延部17内での遅延作用に
より、左用遅延信号DL1に対して、例えば、約100m秒だ
け遅延されるとともに、左用遅延信号DL4のレベルより
小なるレベルを有するものとされる。
同様に、右用遅延信号DR1〜DR5も、右用遅延信号DR1
が、前置遅延部16における遅延作用と主遅延部17内での
遅延作用により、差信号Eもしくは和信号Fに対して、
例えば、約25m秒だけ遅延されるとともに、差信号Eも
しくは和信号Fと略同等のレベルを有するものとされ,
右用遅延信号DR2が、主遅延部17内での遅延作用によ
り、右用遅延信号DR1に対して、例えば、約43m秒だけ遅
延されるとともに、右用遅延信号DR1のレベルの略1/2の
レベルを有するものとされ,右用遅延信号DR3が、主遅
延部17内での遅延作用により、右用遅延信号DR1に対し
て、例えば、約67m秒だけ遅延されるとともに、右用遅
延信号DR2のレベルより小なるレベルを有するものとさ
れ,右用遅延信号DR4が、主遅延部17内での遅延作用に
より、右用遅延信号DR1に対して、例えば、約80m秒だけ
遅延されるとともに、右用遅延信号DR3のレベルより小
なるレベルを有するものとされ、さらに、右用遅延信号
DR5が、主遅延部17内での遅延作用により、右用遅延信
号DR1に対して、例えば、約100m秒だけ遅延されるとと
もに、右用遅延信号DR4のレベルより小なるレベルを有
するものとされる。
また、斯かる左用遅延信号DL1〜DL5と右用遅延信号DR
1〜DR5とは、左用遅延信号DL1の遅延時間と右用遅延信
号DR1の遅延時間とが、例えば、差を500μ秒以下とする
範囲で互いに異ならしめられ、左用遅延信号DL2の遅延
時間と右用遅延信号DR2の遅延時間とが、例えば、差を5
00μ秒以下とする範囲で互いに異ならしめられ、左用遅
延信号DL3の遅延時間と右用遅延信号DR3の遅延時間と
が、例えば、差を500μ秒以下とする範囲で互いに異な
らしめられ、左用遅延信号DL4の遅延時間と右用遅延信
号DR4の遅延時間とが、例えば、差を500μ秒以下とする
範囲で互いに異ならしめられ、さらに、左用遅延信号DL
5の遅延時間と右用遅延信号DR5の遅延時間とが、例え
ば、差を500μ秒以下とする範囲で互いに異ならしめら
れ、しかも、左用遅延信号DL1と右用遅延信号DR1とが、
例えば、180〜270゜の相互位相差を有し、左用遅延信号
DL2と右用遅延信号DR2とが、例えば、180〜270゜の相互
位相差を有し、左用遅延信号DL3と右用遅延信号DR3と
が、例えば、180〜270゜の相互位相差を有し、左用遅延
信号DL4と右用遅延信号DR4とが、例えば、180〜270゜の
相互位相差を有し、さらに、左用遅延信号DL5と右用遅
延信号DR5とが、例えば、180〜270゜の相互位相差を有
するものとされる。
そして、加算器20a,20b,20c及び20dにより左用遅延信
号DL1〜DL5の和がとられて、加算器20dから、左用遅延
信号DL1〜DL5の総和に相当する左用総和遅延信号TDLが
得られ、また、加算器21a,21b,21c及び21dにより右用遅
延信号DR1〜DR5の和がとられて、加算器21dから、右用
遅延信号DR1〜DR5の総和に相当する右用総和遅延信号TD
Rが得られて、それらがディジタル/アナログ変換部(D
/A変換部)22に供給されてアナログ化される。D/A変換
部22からは、主遅延部17に差信号Eが供給されたとき、
左用総和遅延信号TDLに基づく左用付加信号Leと右用総
和遅延信号TDRに基づく右用付加信号Reとが得られ、ま
た、主遅延部17に和信号Fが供給されたとき、左用総和
遅延信号TDLに基づく左用付加信号Lfと右用総和遅延信
号TDRに基づく右用付加信号Rfとが得られる。即ち、D/A
変換部22から得られる左用付加信号Le及び右用付加信号
Reは、差信号Eが、前置遅延部16,主遅延部17,増幅器18
a〜18e、及び、加算器20a〜20dにより遅延処理された後
アナログ化されることにより形成されるもの、及び、前
置遅延部16,主遅延部17,増幅器19a〜19e、及び、加算器
21a〜21dにより遅延処理された後アナログ化されること
により形成されるものとなり、また、D/A変換部22から
得られる左用付加信号Lf及び右用付加信号Rfは、和信号
Fが、前置遅延部16,主遅延部17,増幅器18a〜18e、及
び、加算器20a〜20dにより遅延処理された後アナログ化
されることにより形成されるもの、及び、前置遅延部1
6,主遅延部17,増幅器19a〜19e、及び、加算器21a〜21d
により遅延処理された後アナログ化されることにより形
成されるものとなる。
左用付加信号LeもしくはLfは、加算部23において、入
力端子11からの左信号Lに加算され、加算部23から補正
左信号L+LeもしくはL+Lfが得られ、一方、右用付加
信号ReもしくはRfは、加算部24において、入力端子12か
らの右信号Rに加算され、加算部24から補正右信号R+
ReもしくはR+Rfが得られる。そして、入力端子11から
の左信号Lと加算部23からの補正左信号L+Leもしくは
L+Lfとが、スイッチ25により選択的に取り出されて、
出力処理部27に供給され、また、入力端子12からの右信
号Rと加算器24からの補正右信号R+ReもしくはR+Rf
とが、スイッチ26により選択的に取り出されて、出力処
理部28に供給される。スイッチ25及び26は、スイッチ25
が左信号Lを取り出すときスイッチ26が右信号Rを取り
出し、スイッチ25が補正左信号L+LeもしくはL+Lfを
取り出すときスイッチ26が補正右信号R+ReもしくはR
+Rfを取り出すように連動するものとされており、後述
されるモード選択部からの制御信号Sbによって制御され
る。
出力処理部27は、スイッチ25からの左信号L又は補正
左信号L+LeもしくはL+Lfに基づいてスピーカ29を駆
動して放音させ、また、出力処理部28は、スイッチ26か
らの右信号R又は補正右信号R+ReもしくはR+Rfに基
づいてスピーカ30を駆動して放音させる。
さらに、第1図に示される例においては、上述のモー
ド選択部31が備えられており、モード選択部31には、オ
フ操作部(OFF)32,入力端子11及び12に供給される左信
号L及び右信号Rが、夫々、ステレオ音声信号の左チャ
ンネル信号成分及び右チャンネル信号成分とされて、ス
テレオ音場形成モードがとられるとき操作されるステレ
オ・サラウンド用操作部(ST SUR)33、及び、入力端子
11及び12に供給される左信号L及び右信号Rが、夫々、
同一のモノラル音声信号とされて、モノラル音場形成モ
ードがとられるとき操作されるモノラル・サラウンド用
操作部(MONO SUR)34が設けられている。そして、オフ
操作部32が操作されるとき、制御信号Saは送出されず、
従って、演算部14が非作動状態とされ、また、制御信号
Sbが、例えば、低レベルをもって送出されて、スイッチ
25及び26が夫々左信号L及び右信号Rを取り出す状態と
される。ステレオ・サラウンド用操作部33が操作される
ときには、制御信号Saが、例えば、高レベルをもって送
出されて、演算部14が差信号Eを送出する状態とされ、
また、制御信号Sbが、例えば、高レベルをもって送出さ
れて、スイッチ25及び26が夫々補正左信号L+Le及び補
正右信号R+Reを取り出す状態とされる。さらに、モノ
ラル・サラウンド用操作部34が操作されるときには、制
御信号Saが、例えば、低レベルをもって送出されて、演
算部14が和信号Fを送出する状態とされ、また、制御信
号Sbが、高レベルをもって送出されて、スイッチ25及び
26が夫々補正左信号L+Lf及び補正右信号R+Rfを取り
出す状態とされる。
G−2 音場形成動作(第1図,第3図,第4図) 上述の如くの第1図に示される例による音場形成動作
が行われる際には、先ず、スピーカ29及び30がリスナー
に対して左右前方となる位置に夫々配置される。
そして、入力端子11及び12に供給される左信号L及び
右信号Rが、夫々、ステレオ音声信号の左チャンネル信
号成分及び右チャンネル信号成分とされたもとで、モー
ド選択部31におけるステレオ・サラウンド用操作部33が
操作されると、モード選択部31から送出される制御信号
Sa及びSbによって、演算部14が差信号Eを送出する状態
とされるとともに、スイッチ25及び26が夫々補正左信号
L+Le及び補正右信号R+Reを取り出す状態とされる。
従って、斯かる場合には、スピーカ29が、ステレオ音声
信号の左チャンネル信号成分(左信号L)に、その左チ
ャンネル信号成分からステレオ音声信号の右チャンネル
信号成分が減算されて得られた信号(差信号E)が、前
置遅延部16,主遅延部17,増幅器18a〜18e、及び、加算器
20a〜20dにより遅延処理された後アナログ化されること
により形成される信号成分(左用付加信号Le)が加算さ
れて得られる信号により駆動され、また、スピーカ30
が、ステレオ音声信号の右チャンネル信号成分(右信号
R)に、左チャンネル信号成分から右チャンネル信号成
分が減算されて得られた信号(差信号E)が、前置遅延
部16,主遅延部17,増幅器19a〜19e、及び、加算器21a〜2
1dにより遅延処理された後アナログ化されることにより
形成される信号成分(右用付加信号Re)が加算されて得
られる信号により駆動されることになる。
斯かる場合、上述の如くに、差信号Eの周波数帯域が
80〜600Hzに制限され、また、主遅延部17から増幅器18a
〜18e及び19a〜19eを通じて夫々得られる左用遅延信号D
L1〜DL5及び右用遅延信号DR1〜DR5が、上述の如くの諸
条件を満たすものとされることにより、スピーカ29及び
30からの放音に基づいて、良好なサラウンド効果を伴っ
たステレオ音場が形成されることが確認されている。
このサラウンド効果を伴うステレオ音場が形成される
ことの確認は、例えば、第3図に示される如くに、リス
ナーPの左右前方位置に夫々配されたスピーカ29及び30
が、中心線間隔を900mmとするものとされ、また、スピ
ーカ29及び30の夫々の前面部を含む仮想面とリスナーP
との間隔が1000〜2000mmとされたもとでなされた。斯か
る確認にあたっては、先ず、左用遅延信号DL1〜DL5及び
右用遅延信号DR1〜DR5が80〜600Hzの周波数帯域にあ
り、また、左用遅延信号DL1とそれに対応する右用遅延
信号DR1との相互位相差,左用遅延信号DL2とそれに対応
する右用遅延信号DR2との相互位相差,左用遅延信号DL3
とそれに対応する右用遅延信号DR3との相互位相差,左
用遅延信号DL4とそれに対応する右用遅延信号DR4との相
互位相差、及び、左用遅延信号DL5とそれに対応する右
用遅延信号DR5との相互位相差の夫々が180〜270゜であ
るとき、音源の後方定位が生じてサラウンド効果が得ら
れることが確認された。
そして、例えば、左用遅延信号DL1とそれに対応する
右用遅延信号DR1とについての周波数fと相互位相差Q
との関係は、横軸に周波数fがとられ、縦軸に相互位相
差Qがとられてあわらされる第3図のグラフにおいて曲
線Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf及びCgで示される如くとなり、曲
線Ca〜Cgは、左用遅延信号DL1と右用遅延信号DR1との間
の遅延時間差が、1000μ秒,500μ秒,300μ秒,200μ秒,1
50μ秒,100μ秒及び50μ秒の場合である。これよりし
て、左用遅延信号DL1の遅延時間と右用遅延信号DR1の遅
延時間とが差を500μ以下とする範囲で互いに異なって
いれば、相互位相差Qが180〜270゜となる周波数帯域
が、80〜600Hzの周波数帯域Bgの全体に渡ることにな
る。斯かる関係は、左用遅延信号DL2と右用遅延信号DR
2,左用遅延信号DL3と右用遅延信号DR3,左用遅延信号DL4
と右用遅延信号DR4、及び、左用遅延信号DL5と右用遅延
信号DR5との関係においても同様であり、従って、左用
遅延信号DL1の遅延時間と右用遅延信号DR1の遅延時間と
が差を500μ秒以下とする範囲で互いに異ならしめら
れ、左用遅延信号DL2の遅延時間と右用遅延信号DR2の遅
延時間とが差を500μ秒以下とする範囲で互いに異なら
しめられ、左用遅延信号DL3の遅延時間と右用遅延信号D
R3の遅延時間とが差を500μ秒以下とする範囲で互いに
異ならしめられ、左用遅延信号DL4の遅延時間と右用遅
延信号DR4の遅延時間とが差を500μ秒以下とする範囲で
互いに異ならしめられ、さらに、左用遅延信号DL5の遅
延時間と右用遅延信号DR5の遅延時間とが差を500μ秒以
下とする範囲で互いに異ならしめられることが望まれる
ことになる。
また、左用遅延信号DL1及び右用遅延信号DR1の夫々の
差信号Eに対する遅延時間が、20m秒未満では音場の拡
がり感が充分に得られず、また、30m秒を越えると残響
音に不自然さが感じられることが確認された。さらに、
左用遅延信号DL2,DL3,DL4及びDL5、及び、右用遅延信号
DR2,DR3,DR4及びDR5については、上述の如くの遅延時間
とされるもとで良好なサラウンド効果が得られた。な
お、差信号Eから左用遅延信号DL5及び右用遅延信号DR5
の夫々までの遅延時間は300m秒以内とされるのが望まし
いことも確認されており、さらに、左用付加信号Le及び
右用付加信号Reを形成するにあたっての左用遅延信号及
び右用遅延信号の数については、左用遅延信号DL1及びD
L2、及び、右用遅延信号DR1及びDR2があれば、サラウン
ド効果を伴ったステレオ音場の形成の要求を満たせるこ
とが確認されている。
また、入力端子11及び12に供給される左信号L及び右
信号が、夫々、ステレオ音声信号の左チャンネル信号成
分及び右チャンネル信号成分とされたもとで、モード選
択部31におけるオフ操作部32が操作されると、演算部14
が非作動状態とされるとともに、スイッチ25及び26が夫
々左信号L及び右信号Rを取り出す状態とされ、従っ
て、スピーカ29がステレオ音声信号の左チャンネル信号
成分(左信号L)により駆動され、また、スピーカ30が
ステレオ音声信号の右チャンネル信号成分(右信号R)
に駆動されて、それによるスピーカ29及び30からの放音
に基づいて、通常のステレオ音場が形成される。
さらに、入力端子11及び12に供給される左信号L及び
右信号Rが、夫々、同一のモノラル音声信号とされたも
とで、モード選択部31におけるモノラル・サラウンド用
操作部34が操作されると、モード選択部31から送出され
る制御信号Sa及びSbによって、演算部14が和信号Fを送
出する状態とされるとともに、スイッチ25及び26が夫々
補正左信号L+Lf及び補正右信号R+Rfを取り出す状態
とされる。従って、斯かる場合には、スピーカ29が、モ
ノラレ音声信号(左信号L)に、レベル増大されたモノ
ラル信号(和信号F)が、前置遅延部16,主遅延部17,増
幅器18a〜18e、及び、加算器20a〜20dにより遅延処理さ
れた後アナログ化されることにより形成される信号成分
(左用付加信号Lf)が加算されて得られる信号により駆
動され、また、スピーカ30が、モノラル音声信号(右信
号R)に、レベル増大されたモノラル信号(和信号F)
が、前置遅延部16,主遅延部17,増幅器19a〜19e、及び、
加算器21a〜21dにより遅延処理された後アナログ化され
ることにより形成される信号成分(右用付加信号Rf)が
加算されて得られる信号により駆動され、それによるス
ピーカ29及び30からの放音に基づいて、モノラル・サラ
ウンド音場が形成されることになる。
そして、入力端子11及び12に供給される左信号L及び
右信号Rが、夫々、同一のモノラル音声信号とされたも
とで、モード選択部31におけるオフ操作部32が操作され
ると、演算部14が非作動状態とされるとともに、スイッ
チ25及び26が夫々左信号L及び右信号Rを取り出す状態
とされ、従って、スピーカ29及び30の夫々がモノラル音
声信号によって駆動されることになり、モノラル音場が
形成される。
H 発明の効果 以上の説明から明らかな如く、本発明に係る音場形成
装置によれば、ステレオ音声信号の左チャンネル信号成
分及び右チャンネル信号成分として、もしくは、同一の
モノラル音声信号として供給される左信号と右信号とに
基づいて複数個のスピーカから再生音を発生させ、それ
によって音場形成を行うにあたり、リスナーに対する後
方位置に配されるスピーカを要すことなく、リスナーに
対する前方位置に配された少なくとも2個のスピーカの
みを用いて、リスナーに対しての適切なサラウンド効果
を伴うステレオ音場を形成できることになる。また、サ
ラウンド効果を伴うステレオ音場の形成に際し、通常の
ステレオ音場が形成される場合に比して、スピーカの数
及びスピーカに対する駆動回路の数等の増加がまねかれ
ず、さらに、例えば、リスナーが、前方及び後方スピー
カの夫々からの音量についてのバランス調整を適正に行
うことの煩わしさから解放されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る音場形成装置の一例の要部を示す
ブロック構成図、第2図は第1図に示される例における
遅延処理部の説明に供される図、第3図及び第4図は第
1図に示される例の動作説明に供される図である。 図中、11及び12は入力端子、13はA/D変換部、14は演算
部、15は帯域制限部、16は前置遅延部、17は主遅延部、
20a〜20d及び21a〜21dは加算器、22はD/A変換部、23及
び24は加算部、25及び26はスイッチ、29及び30はスピー
カ、31はモード選択部である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】いずれも音声信号である左信号及び右信号
    が夫々供給される一対の入力端子と、 上記左信号及び右信号の一方から他方を減算して得られ
    る差信号、もしくは、上記左信号及び右信号の一方に他
    方を加算して得られる和信号を形成する演算部と、 該演算部から得られる上記差信号もしくは和信号を遅延
    させて、少なくとも、第1の遅延時間だけ遅延された第
    1の左用遅延信号と上記第1の遅延時間より長い第2の
    遅延時間だけ遅延された第2の左用遅延信号とを含む左
    用遅延信号群、及び、少なくとも、第3の遅延時間だけ
    遅延された第1の右用遅延信号と上記第3の遅延時間よ
    り長い第4の遅延時間だけ遅延された第2の右用遅延信
    号とを含む右用遅延信号群を、上記第1の遅延時間及び
    第3の遅延時間の夫々が20〜30m秒とされるとともに、
    上記第2の遅延時間及び第4の遅延時間の夫々が300m秒
    以内とされ、かつ、上記第1の遅延時間と第3の遅延時
    間とが差を500μ秒以下とする範囲で互いに異ならしめ
    られるとともに、上記第2の遅延時間と第4の遅延時間
    とが差を500μ秒以下とする範囲で互いに異ならしめら
    れ、しかも、上記第1の左用遅延信号と第1の右用遅延
    信号とが180〜270゜の相互位相差を有するものとされる
    とともに、上記第2の左用遅延信号と第2の右用遅延信
    号とが180〜270゜の相互位相差を有するものとされる状
    態で形成し、上記左用遅延信号群の和がとられて得られ
    る左用付加信号と上記右用遅延信号群の和がとられて得
    られる右用付加信号とを送出する遅延処理手段と、 上記左用付加信号を上記左信号に加算して補正左信号を
    得る第1の加算手段と、 上記右用付加信号を上記右信号に加算して補正右信号を
    得る第2の加算手段と、 上記補正左信号及び補正右信号が夫々選択的に供給され
    る第1及び第2のスピーカと、 を備えて構成される音場形成装置。
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