JP3132192B2 - 音響信号再生装置 - Google Patents

音響信号再生装置

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JP3132192B2
JP3132192B2 JP04275529A JP27552992A JP3132192B2 JP 3132192 B2 JP3132192 B2 JP 3132192B2 JP 04275529 A JP04275529 A JP 04275529A JP 27552992 A JP27552992 A JP 27552992A JP 3132192 B2 JP3132192 B2 JP 3132192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステレオ装置などの音響
信号再生装置に関するものであり,特に,音響信号再生
装置が設置された環境に応じてまたは音響信号再生装置
とリスナー(ユーザー)との位置関係に応じて,リスナ
ーへ最も適切な再生音響を提供可能とする音響信号再生
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CDまたはレコード盤などに記録された
音をステレオ装置においていかに音質の高い再生音とし
て提供できるかという点に改良,工夫が行われている。
またその一方でステレオ装置が設置される部屋などの環
境を最も音質の高い音響効果を持たせるための工夫が行
われている。
【0003】リスナーにとって最も音質の高い音が提供
されるか否かという点は再生される音の種類,性質にも
依存する。たとえば,クラシック音楽の再生音の音の性
質と,ジャズなどの音楽の再生音として音の性質とは異
なる。したがって,ステレオ装置においてはこのような
音の性質に応じた再生処理を行うことが好ましい。特定
の業務用あるいは特定のマニアなどに使用されるステレ
オ装置以外の通常のステレオ装置は,種々の利用者(ユ
ーザー)にとって広く活用できるような広範囲の音響信
号改良対策が施されている。そのようなステレオ装置自
身を改良する方法としては,たとえば,ステレオ装置に
ステレオ効果を創生する手段,サラウンド効果を創生す
る手段などを用いることが講じられている。また,ステ
レオ装置には両者のバランスを変化させる手段,高音を
効果的にする手段あるいは低音を効果的にする手段など
リスナーの希望によって任意の音響効果を提供可能な手
段が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ステレオ装置には上述
したような種々の機能が付加されてより効果的な音響を
提供できる手段を適用することが講じられていても,ス
ピーカを介してリスナーが聴くステレオ音響はそのステ
レオ装置が設置された環境に大きく依存し,いかに高性
能のステレオ装置を準備してもそのステレオ装置が設置
される室内が音響効果的に貧弱な場合,そのようなステ
レオ装置を用いても充分高い音質の再生音は得られない
場合がある。また,比較的低価格のステレオ装置は上述
した種々の機能,そしてその性能にも限度がある。この
性能面の限度に加えてそのステレオ装置が設置される環
境が音響効果的に貧弱な場合,なおさら高い音質の再生
音響は得られない。
【0005】本発明は比較的簡単な方法で,ステレオ装
置などの音響信号再生装置をその音響信号再生装置が設
置されている環境に適用させて音響信号再生装置の持っ
ている機能,性能を充分に発揮させ,ユーザー(リスナ
ー)が充分満足可能な音質の再生音を提供可能な音響信
号再生装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した問題を解決し,
上記目的を達成するため,本発明はステレオ装置などの
音響再生装置において人工知能(AI)処理機能を付加
して,下記のいずれかのトーン制御,つまり,環境改善
対策を講ずる。 (1)音響信号再生装置が設置された壁などの硬さなど
の残響を考慮して再生音響信号を補正する。 (2)スピーカの設置高さを考慮して再生音響信号を補
正する。 (3)1対のスピーカの設置間隔を考慮して再生音響信
号を補正する。 (4)1対のスピーカの間隔とこれらスピーカとリスナ
ーとの位置関係を考慮して再生音響信号を補正する。本
発明においては,上述した諸対策を任意に組み合わせる
ことができる。
【0007】本発明の第1の観点(形態)によれば,請
求項1に記載したように,スピーカが設置される環境の
残響の程度を設定する残響程度設定手段と,上記残響程
度設定手段で設定された上記環境の残響の程度に応じて
再生音響信号の高音域成分の利得を補正する高音域トー
ン制御手段とを有し、上記高音域トーン制御手段におい
て高音域成分の利得を補正した再生音響信号を上記スピ
ーカにより再生する音響信号再生装置が提供される。本
発明の第2の観点によれば,請求項3に記載したよう
に,スピーカの設置高さを設定するスピーカ高さ設定手
段と,上記スピーカ高さ設定手段で設定されたスピーカ
の高さに応じて再生音響信号の低音域成分の利得を補正
する低音域トーン制御手段とを有し,上記低音域トーン
制御手段において低音域成分の利得を補正した再生音響
信号を上記スピーカにより再生する音響信号再生装置が
提供される。本発明の第3の観点によれば,請求項5に
記載したように,リスナーの前方左右に所定間隔を隔て
て配置された1対のスピーカの間隔を設定するスピーカ
間隔設定手段と,上記スピーカ間隔設定手段で設定され
た1対のスピーカの間隔に応じて利得を設定される1対
の可変利得増幅手段と,一方の上記可変利得増幅手段に
より補正された左側入力音響信号と,右側入力音響信号
とを加算して新たな右側出力音響信号を生成する第1の
加算手段と他方の上記可変利得増幅手段により補正さ
れた右側入力音響信号と左側入力音響信号とを加算して
新たな左側出力音響信号を生成する第2の加算手段と
有し,上記第1、第2の加算手段において生成した右側
出力音響信号と左側出力音響信号とを上記1対のスピー
カにより再生する音響信号再生装置が提供される。本発
明の第4の観点によれば,請求項7に記載されたよう
に,リスナーの前方に配置された1対のスピーカの間隔
を設定するスピーカ間隔設定手段と,上記スピーカ間隔
設定手段で設定された1対のスピーカの設置位置に対す
るリスナーの距離を設定するリスナー距離設定手段と,
上記スピーカ間隔設定手段で設定されたスピーカの間隔
および上記リスナー距離設定手段で設定された1対のス
ピーカに対するリスナーの距離に応じて上記スピーカに
入力される右側音響信号および/または左側音響信号に
与える遅延時間と利得とを補正する遅延時間・利得補正
手段とを有し、上記遅延時間・利得補正手段で補正され
た、上記右側音響信号および左側音響信号を上記1対の
スピーカにより再生する、音響信号再生装置音響信号再
生装置が提供される。
【0008】また本発明によれば,上述した音響信号再
生装置の形態を種々任意に組み合わせた音響信号再生装
置が提供される。その組合せとしては,下記のような組
合せが可能である。 表−1 第1の形態 第2の形態 第3の形態 第4の形態 第1の組合せ ○ ○ 第2の組合せ ○ ○ 第3の組合せ ○ ○ 第4の組合せ ○ ○ ○ 第5の組合せ ○ ○ ○ ○ 第6の組合せ ○ ○ 第7の組合せ ○ ○ 第8の組合せ ○ ○ ○ 第9の組合せ ○ ○
【0009】
【作用】音響信号再生装置,特に,スピーカが設置され
た環境の残響によって再生ステレオ音響が大きく左右さ
れる。たとえば,スピーカが設置された部屋の壁の硬さ
の程度などの残響の程度により,スピーカから出力され
る音の吸収,反射の程度が異なる。本発明の第1の観点
(形態)においては,ユーザー(リスナー)が音響再生
装置が設置された,特に,スピーカが設置された環境に
おける残響の程度を設定する。音響再生装置内の音響信
号補正手段が残響設定手段で設定された残響の程度に応
じて再生音響信号の高周波成分の利得を補正して,再生
ステレオ音響についての残響を補償する。
【0010】スピーカの設置高さに応じて再生ステレオ
音響の低周波数特性が変化する。本発明の第2の観点に
おいては,ユーザーがスピーカの設置高さを設定し,音
響再生装置においてスピーカ高さ設定手段で設定された
スピーカの高さに応じて音響信号の低周波成分の利得を
補正して,低周波数特性変化を補正する。
【0011】1対のスピーカの間隔によってステレオ音
響効果が異なる。たとえば,接近させてスピーカを配置
するとステレオ音響よりもモノラル音響に近い音響とな
り,スピーカが離れすぎると隙間がある音響となる(ス
テレオ音響が明瞭に分離されてステレオ音響とは言えな
い独立した音響となる)。本発明の第3の観点において
は,ユーザーが1対のスピーカの間隔を設定し,音響再
生装置内において設定されたスピーカの間隔に応じてそ
れぞれ右側音響信号と左側音響信号との合成に対する位
相とレベルとを変化させた新たな右側音響信号と左側音
響信号を生成して,ステレオ音響効果を維持させる。
【0012】1対のスピーカの間隔,さらにこれらのス
ピーカとリスナーとの距離に応じてステレオ音響効果が
異なる。本発明の第4の観点においては,ユーザーが1
対のスピーカの間隔,および,これらスピーカの設置位
置に対するリスナーの距離を設定し,音響再生装置内に
おいて,上記設定されたスピーカの間隔およびスピーカ
に対するリスナーの距離に応じて上記スピーカから出力
される右側音響信号または左側音響信号の遅延時間とそ
のレベルを補正して,ステレオ音響を提供する。
【0013】上述した第1〜第4の形態を適宜,組み合
わせた場合,上述した個々の作用を組み合わせたものと
なる。
【0014】
【実施例】以下に述べる音響信号再生装置としては,マ
ニアではない通常のユーザーが,6〜8畳程度の室内で
使用する一般的なステレオ装置を例示する。つまり,ス
テレオ装置について習熟した技術,知識を持ち合わせて
いないユーザーが比較的容易にステレオ装置が設置され
た環境に適合させてトーン制御(音響補正)されたステ
レオ音響を得ることが可能なステレオ装置について例示
する。
【0015】図1は本発明の音響信号再生装置の第1実
施例としてのステレオ装置の構成を図解する図である。
第1実施例のステレオ装置はステレオ装置,特に,スピ
ーカが設置された部屋などの環境の残響を補正する。図
1に示したステレオ装置は,ステレオ入力信号の一方で
ある左側音響入力信号AUDl が印加されている左側音
響信号入力端子2L,ステレオ入力信号の他方である右
側音響入力信号AUDR が印加されている右側音響信号
入力端子2Rからなる音響信号入力部2,左側音響信号
入力端子2Lに印加されたアナログ信号としての左側音
響入力信号AUDl をディジタル信号に変換するADC
3L,アナログ信号としての右側音響入力信号AUDR
をディジタル信号に変換するADC3Rからなるアナロ
グ/ディジタル変換部3を有する。上述した回路構成に
より,音響信号入力部2に印加された左側音響入力信号
AUDl および右側音響入力信号AUDR がディジタル
音響信号に変換される。このようにアナログ音響信号を
ディジタル音響信号に変換するのは,後述するディジタ
ル信号処理に適合させるためである。
【0016】ステレオ装置はさらに左側ダイナミクス処
理部4Lと右側ダイナミクス処理部4Rからなるダイナ
ミクス処理部4,左側イコライザ5Lと右側イコライザ
5Rからなるイコライズ処理部5,サラウンド処理部6
を有する。ダイナミクス処理部4,イコライズ処理部5
およびサラウンド処理部6がアクティブ音響処理部7を
構成している。ダイナミクス処理部4,イコライズ処理
部5,サラウンド処理部6はマイクロコンピュータなど
で構成される音響処理制御部1の制御の下に,従来と同
様のダイナミクス処理,イコライズ処理,およびサラウ
ンド処理を行い,全体として,従来と同様のアクティブ
音響処理を行う。なお,本発明のステレオ装置は必ずし
も,これらアクティブ音響処理を必要としないが,ステ
レオ音響処理という観点から,以下,アクティブ音響処
理した例について述べる。
【0017】ステレオ装置はさらに左側高域トーン制御
回路8Lおよび右側高域トーン制御回路8Rからなる高
周波数帯域トーン制御部8,DAC18LおよびDAC
18Rからなるディジタル/アナログ信号変換部18,
および,左側スピーカ19Lおよび右側スピーカ19R
からなる1対のスピーカ19を有する。サラウンド処理
部6からの左側および右側アクティブ音響処理信号S6
L,S6Rは高周波数帯域トーン制御部8を介してディ
ジタル/アナログ信号変換部18に印加され左側および
右側アナログ再生音響信号S18L,S18Rとしてス
ピーカ19L,19Rに印加される。1対のスピーカ1
9L,19Rからはステレオ再生音響が出力される。本
実施例のステレオ装置においては,上述した高周波数帯
域トーン制御部8,および,壁の硬さを入力する手段2
1aが付加されている。また高周波数帯域トーン制御部
8および壁の硬さを入力する手段21aの付加に伴い,
音響処理制御部1の処理内容が修正されている。
【0018】この実施例においては,スピーカ19が設
置された環境の残響の程度を,スピーカ19が設置され
た部屋の壁の硬さ(または柔らかさ)の程度として設定
する。図2に壁の硬さの違いによる高音域における残響
(減衰)特性を示す。壁が柔らかい部屋においては高音
域の音響は壁に吸収されて,すぐ減衰する。一方,壁が
硬いときは壁で吸収されずに反射し減衰時間が長い。ユ
ーザーは壁の硬さを入力する手段21aを介して壁の硬
さの程度を下記5段階で設定する。 (1)レベル1:非常に柔らかい (2)レベル2:やや柔らかい (3)レベル3:標準的な硬さ(柔らかさ) (4)レベル4:やや硬い (5)レベル5:非常に硬い これら硬さのレベルは目安として,ステレオ装置のマニ
ュアルに従って設定できる。あるいは,これらの硬さの
レベルを相対的なものとしてステレオ装置のユーザーで
あるリスナーが主観的にあるいは経験的に決定してもよ
い。ユーザーによって壁の硬さを入力する手段21aか
ら上記いずれかの硬さが入力されたとき,音響処理制御
部1はその硬さに応じた補正曲線を高周波数帯域トーン
制御部8に指示する。
【0019】高周波数帯域トーン制御部8内の左側高域
トーン制御回路8Lおよび右側高域トーン制御回路8R
は,図3に示した補正曲線に基づいて入力された音響信
号の利得を変化させる可変利得増幅回路を有している。
左側高域トーン制御回路8Lおよび右側高域トーン制御
回路8Rは音響処理制御部1からの設定残響レベルに基
づいて,サラウンド処理部6からの出力信号S6L,S
6Rを同じ特性で補正する。この例における高周波数帯
域トーン制御部8における補正は,この例では,2.5
KHZ 以上の高周波数信号成分に対して,下記の補正を
行う。 (a)非常に柔らかい壁の場合:2dB分信号を加算す
る。 (b)やや柔らかい壁の場合:1dB分信号を加算す
る。 (c)標準的な硬さ(柔らかさ):補正せず (d)やや硬い壁の場合:1dB分信号を減算する。 (e)非常に硬い壁の場合:2dB分信号を減算する。 たとえば,壁が非常に柔らかい場合は高音域の再生音響
が非常に吸収されるのでそれを補正するため,2dBだ
け再生音響のレベルを上昇させる。一方,壁が硬い場合
は再生音響のレベルを低下させる。この補正により,簡
単な方法でステレオ装置が設置された部屋の壁の硬さに
応じて補正された再生音が左側スピーカ19Lおよび右
側スピーカ19Rから出力される。残響の程度としての
壁の硬さの程度は上述したように,専門知識を要しない
ユーザーによって容易に設定できる。
【0020】なお,上記壁の硬さの程度は残響の程度の
1例と考えることができる。したがって,ステレオ装置
が設置された環境の残響を考慮して図3に図解したよう
な補正曲線を作成し,その補正曲線に従って再生音を補
正することができる。その場合,リスナーは残響の程度
を壁の硬さとして入力する入力手段21aを介して音響
処理制御部1に設定する。
【0021】図4は本発明の音響信号再生装置の第2実
施例のステレオ装置の構成図である。このステレオ装置
は1対のスピーカ19の設置高さに応じて音を補正す
る。そのため,このステレオ装置は,図1に示した高周
波数帯域トーン制御部8に代えて,低周波数帯域トーン
制御部9を有する。図5は床20からのスピーカ19の
高さに応じて音,特に,低音の伝搬特性が異なることを
図解する図である。スピーカ19内の上部には高音スピ
ーカ191が配設され,底部には低音スピーカ192が
配設されている。高音スピーカ191からの出力音は狭
い指向性で直進する傾向を有し,拡散する成分は少な
い。一方,低音スピーカ192からの出力音は広い指向
性を有し,直進する成分の他,拡散する成分も多い。し
たがって,低音スピーカ192から床20に向かう出力
音の成分もかなりあり,床20で反射されてリスナーに
到達する。床20で反射されリスナーに向かう音は,床
20に対するスピーカ19の設置高さに依存する。した
がって,よりよいステレオ再生音響を提供するために
は,スピーカ19に床20からの高さh1またはh2に
応じてステレオ再生音響の補正を行う。低周波数帯域ト
ーン制御部9は,図6に図解した補正曲線に従って,サ
ラウンド処理部6からの音響信号S6L,S6Rを補正
する。
【0022】リスナーはまず,スピーカの高さを入力す
る手段21bを介して床20からのスピーカ19の底面
の高さh1またはh2を設定する。この高さの基準は床
20だけでなく,たとえば,リスナーの耳の高さを基準
としてもよいが,この実施例では床20を基準とした。
床20に対するスピーカ19の標準的な高さは,このス
テレオ装置が一般的なステレオ装置であり,6〜8畳程
度の室内に設置されるという前提から,0〜2m程度の
範囲にある。そこで,たとえば,下記のようにスピーカ
19の設置高さをレベル1〜5として設定する。 表−2 高さレベル 高さの目安 実際の高さ 5 かなり高い高さ 1.5m以上 4 やや高い高さ 50cm〜1.5m程度 3 標準的な高さ 50cm程度 2 やや低い高さ 20〜50cm 1 かなり低い高さ 床面と同じ
【0023】音響処理制御部1はスピーカの高さを入力
する手段21bから上記いずれかの高さレベルを入力
し,低周波数帯域トーン制御部9内の左側低域トーン制
御回路9Lおよび右側低域トーン制御回路9Rにおい
て,そのレベルに応じて,たとえば,図6に示した補正
曲線に従ってサラウンド処理部6から出力された音響信
号を補正する。このため,左側低域トーン制御回路9L
および右側低域トーン制御回路9Rはそれぞれ,図6に
示した補正曲線を持ち,入力信号の利得を調整可能な可
変利得増幅回路を有する。左側低域トーン制御回路9L
と右側低域トーン制御回路9Rとは同じように補正を行
う。図6に示した補正曲線は上から下に向かって,高さ
レベル5〜1に対応している。たとえば,高さレベル=
3の場合は,0dBであるから,左側低域トーン制御回
路9L(右側低域トーン制御回路9Rも同様)は補正し
ない。高さレベル=5の場合は左側低域トーン制御回路
9Lは,サラウンド処理部6からの左側音響信号S6L
を300HZ 以下の周波数帯域にわたって+2dB分上
昇させる。高さレベル=1の場合は左側低域トーン制御
回路9Lは,サラウンド処理部6からの左側音響信号S
6Lを300HZ 以下にわたって−1dBだけ低下させ
る。以上のように,床面20に対するスピーカ19の高
さ補正を行うことにより,リスナーはスピーカ19の設
置高さの影響をあまり受けずに良好な再生ステレオ音響
を得ることができる。またスピーカの設置高さの影響を
あまり受けずに良好な再生ステレオ音響が得られるの
で,限られた室内の任意の高さにスピーカを設置できる
ことになり,ステレオ装置設置条件が緩和される。スピ
ーカ19の高さ設定は上述したように上述したように5
段階程度の設定であり,特に専門的な知識を持たないユ
ーザーでも容易に設定できる。
【0024】図7は本発明の音響信号再生装置の第3実
施例のステレオ装置の構成図である。第3実施例は1対
のスピーカ19の設置間隔依存性をなくして良好な再生
音を提供するステレオ装置に関する。このステレオ装置
は,図1に示したステレオ装置における高周波数帯域ト
ーン制御部8に代えて,スピーカ幅音響調整部10を設
けたものである。スピーカ幅音響調整部10は,第1の
可変利得増幅回路11,第2の可変利得増幅回路12,
第1の信号加算回路13および第2の信号加算回路14
を有する。第1の可変利得増幅回路11および第2の可
変利得増幅回路12はそれぞれ,補正係数を入力信号に
乗算する乗算回路としても構成できる。通常,1対の左
側スピーカ19Lと右側スピーカ19Rは50cm〜1
m程度離した状態で室内に設置されるが,室内の状況に
よって左側スピーカ19Lと右側スピーカ19Rの間隔
が異なる。たとえば,左側スピーカ19Lと右側スピー
カ19Rとを隙間なく隣接して設置すると,ステレオ感
のないモノラル的な再生音響となる。他方,左側スピー
カ19Lと右側スピーカ19Rとを離しすぎると,間が
抜けた完全に右側と左側とが分離されたステレオ音響と
なる。第3実施例のステレオ装置はこのような左側スピ
ーカ19Lと右側スピーカ19Rとの設置間隔に依存す
る再生ステレオ音響の低下を補正する。この補正として
は,再生音響の位相を変化させ,虚像(虚音)を作る。
【0025】ユーザーはスピーカの間隔を入力する手段
21cを介して,左側スピーカ19Lと右側スピーカ1
9Rとの間隔を設定する。この間隔設定としては通常の
室内を考慮して,下記のレベルで設定する。 表−3 スピーカの間隔レベル 実際の間隔 補正係数k1 補正係数k2 1 ほぼ0cm −0.25 −0.25 2 20cm程度 −0.125 −0.125 3 50cm程度 0 0 4 1m程度 0.125 0.125 5 1.5m以上 0.25 0.25 表−2において,補正係数k1は第1の可変利得増幅回
路11の利得(または第1の乗算回路の乗算係数)を示
し,補正係数k2は第2の可変利得増幅回路12の利得
(または第2の乗算回路の乗算係数)を示する。音響処
理制御部1はスピーカの間隔を入力する手段21cを介
してスピーカの間隔レベルを入力すると,表−3に示し
たレベルに応じて補正係数k1,k2を第1の可変利得
増幅回路11および第2の可変利得増幅回路12に設定
する。
【0026】たとえば,左側スピーカ19Lと右側スピ
ーカ19Rとが隣接していてリスナーがスピーカの間隔
を入力する手段21cにおいて間隔レベルを1として設
定したとき,音響処理制御部1は第1の可変利得増幅回
路11および第2の可変利得増幅回路12の補正係数k
1=−0.25,k2=−0.25を設定する。これに
より,スピーカ幅音響調整部10内の第1の信号加算回
路13および第2の信号加算回路14からの下記式で表
される補正音響信号S10L,S10Rが出力される。 S10L=S6L−0.25・S6R S10R=S6R−0.25・S6L このように逆(−)相の信号をそれぞれ加えることによ
り,音像が広がることになり,左側スピーカ19Lと右
側スピーカ19Rとが隣接していても,虚音に基づくス
テレオ再生音が得られる。また,リスナーがスピーカの
間隔を入力する手段21cにおいて間隔レベルを5とし
て設定したとき,音響処理制御部1は第1の可変利得増
幅回路11および第2の可変利得増幅回路12の補正係
数k1=0.25,k2=0.25を設定する。これに
より,スピーカ幅音響調整部10内の第1の信号加算回
路13および第2の信号加算回路14からの下記式で表
される補正音響信号S10L,S10Rが出力される。 S10L=S6L+0.25・S6R S10R=S6R+0.25・S6L このように正(+)相の信号をそれぞれ加えることによ
り,左側スピーカ19Lと右側スピーカ19Rとがかな
り離れていても,モノラルに近い,隙間のないステレオ
再生音が得られる。さらに,リスナーがスピーカの間隔
を入力する手段21cにおいて間隔レベルを3として設
定したとき,音響処理制御部1は第1の可変利得増幅回
路11および第2の可変利得増幅回路12の補正係数k
1=0,k2=0を設定する。これにより,スピーカ幅
音響調整部10内の第1の信号加算回路13および第2
の信号加算回路14からは補正されない音響信号S10
L,S10Rが出力される。つまり,この例では左側ス
ピーカ19Lと右側スピーカ19Rとが50cm程度離
れて設置された場合を基準にステレオ装置を設計してい
る。他の間隔レベルの場合も上記同様となる。
【0027】以上の例では,左側スピーカ19Lと右側
スピーカ19Rとの間隔を大まかなレベルとして設定し
た例を述べたが,具体的な間隔をスピーカの間隔を入力
する手段21cから数値として設定してもよい。その場
合,音響処理制御部1には間隔と上記補正係数との関係
を示すデータが記憶しておき,間隔を示す数値に応じて
補正係数をピックアップして上記同様,再生ステレオ音
響を補正することができる。
【0028】図8は本発明の音響再生装置の第4実施例
としてのステレオ装置の構成図である。第4実施例のス
テレオ装置は,スピーカの位置とリスナーの位置を考慮
した再生ステレオ音響信号の補正を行う。図8に示した
ステレオ装置は,図1に示したステレオ装置の高周波数
帯域トーン制御部8に代えて,音響信号遅延・レベル調
整部16が設けられている。音響信号遅延・レベル調整
部16は,左側遅延回路16L1,左側可変増幅回路1
6L2,右側遅延回路16R1,右側可変増幅回路16
R2を有する。
【0029】図9は左側スピーカ19Lと右側スピーカ
19Rとの位置(間隔)と,スピーカに対するリスナー
の距離を図解する図である。この例では,室内が3mx
3m平方の部屋にスピーカ19が設置され,この室内で
リスナーが左側スピーカ19Lおよび右側スピーカ19
Rからの再生ステレオ音響を聴く場合を例示する。実線
で示した位置に左側スピーカ19Lと右側スピーカ19
Rが配置されているとき,リスナーがゾーンZ22に居
るときとゾーンZ31に居るときとでは,ステレオ効果
が異なる。また,同じゾーンZ22にリスナーが居ても
左側スピーカ19Lと右側スピーカ19Rとが実線に示
した位置にあるときと破線で示した位置にあるときとで
はステレオ効果が異なる。図10に図解したように,リ
スナーがゾーンZ22にいるときは,左側スピーカ19
Lと右側スピーカ19Rとはほぼ等しい位置にあるか
ら,ステレオ装置においては補正しないでもよいが,リ
スナーがゾーンZ31に居るときは左側スピーカ19L
を破線で示した位置まで距離D3だけ仮想的に後退させ
ないとバランスが崩れる。左側スピーカ19Lと右側ス
ピーカ19Rとのバランスをとるため左側スピーカ19
Lを実線に示した位置からみかけ上,破線の位置までス
ピーカを後退させることは,左側スピーカ19Lからの
出力音響を距離D3に相当するだけ遅延させ,距離D3
だけ離れたぶん再生スピーカ音響のレベルが低下するこ
とに相当する。
【0030】リスナーはリスナーの位置を入力する手段
21dを介して,自分の位置(ゾーン)を設定する。こ
のゾーン設定に応じて音響処理制御部1は予め設定され
ている左側スピーカ19Lと右側スピーカ19Rとの間
隔,たとえば,標準間隔として50cm,に基づいて,
左側遅延回路16L1または右側遅延回路16R1にお
ける遅延時間を決定して左側遅延回路16L1または右
側遅延回路16R1にその遅延時間を設定し,さらに遅
延させた遅延回路の後段にある可変増幅回路の利得を遅
延時間に対応して増大させるようにその利得を調整す
る。遅延時間の決定は音響処理制御部1においてたとえ
ば,下記のように決定する。音響処理制御部1は,左側
スピーカ19Lと右側スピーカ19Rとの間隔とこれら
のスピーカとリスナーとの距離を算出し,リスナーに対
して近くに位置する一方のスピーカをリスナーと他方の
スピーカとの距離とほぼ等しくなる位置まで仮想的に後
退させる後退距離D3を演算によって決定する。音響処
理制御部1は,さらに後退距離D3を音が伝搬する時間
を算出して左側遅延回路16L1または右側遅延回路1
6R1の遅延時間とする。また音響処理制御部1は,後
退距離によって減衰される音を補償するように,左側可
変増幅回路16L2または右側可変増幅回路16R2の
利得を大きくする。音響信号遅延・レベル調整部16に
おける位相およびレベルの調整により,リスナーはどこ
のゾーンに居ても,左側スピーカ19Lおよび右側スピ
ーカ19Rからの再生音響をバランスよく聴くことがで
きる。
【0031】上記遅延時間および利得は1対のスピーカ
の間隔とこれらスピーカとリスナーとの距離に依存す
る。したがって,左側スピーカ19Lと右側スピーカ1
9Rとの間隔が異なると,上述した後退距離D3も異な
る。左側スピーカ19Lと右側スピーカ19Rとの間隔
は上述したように,標準間隔としてたとえば,50cm
として固定しておくこともできるが,第3実施例で述べ
たスピーカの間隔設定データを用いて上述した遅延時間
および利得を算出することができる。その結果,1対の
スピーカの間隔,これらスピーカとリスナーの距離に依
存されない効果的な再生ステレオ音響を得ることができ
る。
【0032】第4実施例の変形態様を述べる。図8に示
した音響信号遅延・レベル調整部16において,左側遅
延回路16L1および左側可変増幅回路16L2,ある
いは,右側遅延回路16R1および右側可変増幅回路1
6R2のいずれか一方のみ設けて,他方の回路を省略す
ることもできる。たとえば,図9に示したスピーカとリ
スナーとの距離(位置)関係において,リスナーが一方
のゾーン,たとえば,Z11,Z21,Z31側でしか
聞かない場合には,右側遅延回路16R1および右側可
変増幅回路16R2は不要となる。
【0033】上述した第1〜第4実施例はそれぞれ独立
した機能と効果を有する。したがって,これらの実施例
を適宜組み合わせることも可能である。本発明において
は,下記に列挙するように,全ての組合せが可能であ
る。 表−4 組合せ 第1実施例 第2実施例 第3実施例 第4実施例 1 ○ ○ (残響補正とスピーカの高さ補正) 2 ○ ○ (残響補正とスピーカの間隔補正) 3 ○ ○ (残響補正と,リスナーの位置に対するスピーカの距離補正) 4 ○ ○ (スピーカの高さおよび間隔補正) 5 ○ ○ (スピーカの高さとリスナーの位置に対するスピーカの距離補正) 6 ○ ○ (スピーカの間隔とリスナーの位置に対するスピーカの距離補正) 7 ○ ○ ○ (スピーカの間隔とリスナーの位置に対するスピーカの距離補正) 8 ○ ○ ○ ○ (残響補正,スピーカの高さ補正,スピーカの間隔とリスナーの 位置に対するスピーカの距離補正) 9 ○ ○ ○ (スピーカの高さ補正,スピーカの間隔とリスナーの位置に対する スピーカの距離補正)
【0034】図11は第1実施例〜第4実施例を組み合
わせた時のステレオ装置の構成図である。このステレオ
装置は,音響信号入力部2,アナログ/ディジタル変換
部3,ダイナミクス処理部4,イコライズ処理部5,サ
ラウンド処理部6,第1実施例に関する高周波数帯域ト
ーン制御部8,第2実施例に関する低周波数帯域トーン
制御部9,第3実施例に関するスピーカ幅音響調整部1
0,第4実施例に関する音響信号位相・レベル調整部1
6,ディジタル/アナログ信号変換部18,スピーカ部
19,音響処理制御部1,および,環境条件を入力する
手段21を有する。環境条件を入力する手段21は上述
した壁の硬さを入力する手段21a,スピーカの高さを
入力する手段21b,スピーカの間隔を入力する手段2
1cおよびリスナーの位置を入力する手段21dを一体
にしたものである。音響処理制御部1は上述した第1〜
第4実施例の処理を行う。したがって,このステレオ装
置によれば,上述した全ての補正を行うことができる。
上述した環境設定,たとえば,部屋の硬さの設定,スピ
ーカの間隔の設定などは専門知識を持たないユーザーに
も簡単に設定できる。特に,上述した環境設定は,たと
えば,絶対的な数値でスピーカの間隔を設定するもので
ないから,ステレオ装置が設置された環境がその設定ス
ピーカ間隔では充分な音質が得られない場合は次のレベ
ルに設定変更し,そのステレオ装置が設置された環境に
最も適した条件を経験的に決定できるという利点があ
る。勿論,正確に,たとえば,スピーカの間隔をcm単
位で設定することもできる。
【0035】上述した実施例は比較的狭い部屋で使用さ
れるステレオ装置について例示したが,本発明の音響信
号再生装置はかかる実施例に限定されず,他の音響信号
再生装置にも適用できる。また上述した環境条件などの
設定を容易にするため,段階的なレベル,あるいは相対
的な値として設定した例を示したが,たとえば,スピー
カ間隔の設定,スピーカの高さの設定などを具体的な数
値で設定することもできる。
【0036】また上記実施例においては,補正する音響
信号がダイナミクス処理部4,イコライズ処理部5おに
びサラウンド処理部6においてアクティブ音響処理され
ている例を示したが,本発明の実施に際しては,このよ
うなアクティブ音響処理の有無に関係なく適用できる。
【0037】
【発明の効果】本発明の音響信号再生装置によれば,そ
の音響信号再生装置が設置された環境に応じて最良の再
生音響が提供できる。そのための補正としては,1対の
スピーカの間隔補正,スピーカの高さの補正,残響補
正,1対のスピーカの間隔およびスピーカに対するリス
ナーの位置の補正などがあり,これら単独の補正を行う
ことができるし,適宜組み合わせた補正を行うこともで
きる。このような環境に適合させる補正を行うことによ
り,音響信号再生装置を設置する制約が減少し,音響再
生装置を設置するために環境を整備する手間が減少す
る。さらに本発明の上記補正は専門家でない通常のユー
ザーでも容易にそのときの環境に適合するように行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響信号再生装置の第1実施例の構成
図である。
【図2】図1に示した音響信号再生装置における音響特
性を図解する図である。
【図3】図1に示した高周波数帯域トーン制御部におけ
る高周波数領域音響信号補正特性曲線を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の音響信号再生装置の第2実施例の構成
図である。
【図5】図4に示す音響信号再生装置におけるスピーカ
の位置と音響効果との関係を示す図てある。
【図6】図1に示した低周波数帯域トーン制御部におけ
る低周波数領域音響信号補正特性曲線を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の音響信号再生装置の第3実施例の構成
図である。
【図8】本発明の音響信号再生装置の第4実施例の構成
図である。
【図9】図8に示した音響信号再生装置におけるリスナ
ー位置とスピーカ位置との関係を図解する図である。
【図10】図8に示した音響信号再生装置におけるリス
ナー位置に応じた音響補正を図解する図である。
【図11】本発明の音響信号再生装置の第5実施例の構
成図である。
【符号の説明】
1・・音響処理制御部 2・・音響信号入力部 2L・・左側音響信号入力端子 2R・・右側音響信号入力端子 3・・アナログ/ディジタル変換部 4・・ダイナミクス処理部 5・・イコライズ処理部 6・・サラウンド処理部 7・・アクティブ音響処理部 8・・高周波数帯域トーン制御部 8L・・左側高域トーン制御回路 8R・・右側高域トーン制御回路 9・・低周波数帯域トーン制御部 9L・・左側低域トーン制御回路 9R・・右側低域トーン制御回路 10・・スピーカ幅音響調整部 11・・第1の可変利得増幅回路 12・・第2の可変利得増幅回路 13・・第1の信号加算回路 14・・第2の信号加算回路 16・・音響信号遅延・レベル調整部 16L1・・左側遅延回路 16R1・・右側遅延回路 16L2・・左側可変増幅回路 16R2・・右側可変増幅回路 18・・ディジタル/アナログ信号変換部 19・・スピーカ部 19L・・左側スピーカ 19R・・右側スピーカ 21・・環境条件を入力する手段 21a・・壁の硬さを入力する手段 21b・・スピーカの高さを入力する手段 21c・・スピーカの間隔を入力する手段 21d・・リスナーの位置を入力する手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/04 G10K 15/00 G10K 15/12 H04S 1/00 H04S 7/00

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピーカが設置される環境の残響の程度を
    設定する残響程度設定手段と, 上記残響程度設定手段で設定された上記環境の残響の程
    度に応じて再生音響信号の高音域成分の利得を補正する
    高音域トーン制御手段とを有し、 上記高音域トーン制御手段において高音域成分の利得を
    補正した再生音響信号を上記スピーカにより再生する音
    響信号再生装置。
  2. 【請求項2】上記残響の程度はスピーカが設置された部
    屋の壁などの硬さとして前記残響程度設定手段を介して
    設定され, 上記高音域トーン制御手段は,上記設定された硬さに対
    応して規定された利得補正曲線に従って上記再生音響信
    号の高音域成分の利得を補正する信号増幅手段を有する
    請求項1記載の音響信号再生装置。
  3. 【請求項3】スピーカの設置高さを設定するスピーカ高
    さ設定手段と, 上記スピーカ高さ設定手段で設定されたスピーカの高さ
    に応じて再生音響信号の低音域成分の利得を補正する低
    音域トーン制御手段とを有し, 上記低音域トーン制御手段において低音域成分の利得を
    補正した再生音響信号を上記スピーカにより再生する音
    響信号再生装置。
  4. 【請求項4】上記低音域トーン制御手段は,上記設定さ
    れたスピーカの設置高さに対応して規定された利得補正
    曲線に従って上記再生音響信号の低音域成分の利得を補
    正する信号増幅手段を有する請求項3記載の音響信号再
    生装置。
  5. 【請求項5】リスナーの前方左右に所定間隔を隔てて配
    置された1対のスピーカの間隔を設定するスピーカ間隔
    設定手段と, 上記スピーカ間隔設定手段で設定された1対のスピーカ
    の間隔に応じて利得を設定される1対の可変利得増幅手
    段と, 一方の上記可変利得増幅手段により補正された左側入力
    音響信号と右側入力音響信号とを加算して新たな右側出
    力音響信号を生成する第1の加算手段と他方の上記可変利得増幅手段により補正された右側入力
    音響信号と左側入力音響信号とを加算して新たな左側出
    力音響信号を生成する第2の加算手段と を有し, 上記第1、第2の加算手段において生成した右側出力音
    響信号と左側出力音響信号とを上記1対のスピーカによ
    り再生する音響信号再生装置。
  6. 【請求項6】上記合成手段は, 右側入力音響信号に第1の補正係数を乗じて補正右側出
    力音響信号を生成する第1の乗算回路と, 上記補正右側入力音響信号と左側入力音響信号とを加算
    して,この加算結果を左側出力音響信号として出力する
    第1の加算回路と, 上記左側入力音響信号に第2の補正係数を乗じて補正左
    側出力音響信号を生成する第2の乗算回路と, 上記補正左側出力音響信号と上記右側入力音響信号とを
    加算して,この加算結果を右側出力音響信号として出力
    する第2の加算回路と, を有し, 上記第1の補正係数および第2の補正係数が前記1対の
    スピーカの設置間隔で規定される請求項5記載の音響信
    号再生装置。
  7. 【請求項7】リスナーの前方に配置された1対のスピー
    カの間隔を設定するスピーカ間隔設定手段と, 上記スピーカ間隔設定手段で設定された1対のスピーカ
    の設置位置に対するリスナーの距離を設定するリスナー
    距離設定手段と, 上記スピーカ間隔設定手段で設定されたスピーカの間隔
    および上記リスナー距離設定手段で設定された1対のス
    ピーカに対するリスナーの距離に応じて上記スピーカに
    入力される右側音響信号および/または左側音響信号に
    与える遅延時間と利得とを補正する遅延時間・利得補正
    手段とを有し、 上記遅延時間・利得補正手段で補正された、上記右側音
    響信号および左側音響信号を上記1対のスピーカにより
    再生する、 音響信号再生装置。
  8. 【請求項8】上記遅延時間・利得補正手段は, 上記1対のスピーカの間隔および上記1対のスピーカに
    対するリスナーの距離に応じて規定される一方のスピー
    カを仮想的に後退させることに相当する遅延時間だけ音
    響信号を遅延させる少なくとも1つの遅延回路と, 遅延された音響信号の利得を遅延時間に対応して補正す
    る少なくとも1つの信号増幅回路を有する請求項7記載
    の音響信号再生装置。
  9. 【請求項9】上記遅延時間・利得補正手段は, 第1の音響信号を遅延させる第1の遅延回路と, 上記第1の遅延回路で遅延された音響信号の利得を変化
    させる第1の信号増幅回路と, 第2の音響信号を遅延させる第2の遅延回路と, 上記第2の遅延回路で遅延された音響信号の利得を変化
    させる第1の信号増幅回路とを有し, リスナーに対して近い位置にある第1のスピーカをリス
    ナーに対して遠い位置にある第2のスピーカと実質的に
    同じ距離にあるように仮想的に第1のスピーカの位置を
    後退させ,その後退させる距離に対応する時間だけ上記
    第1および第2の遅延回路の一方の遅延回路でその音響
    信号を遅延させ,その後退距離で減衰する利得に相当す
    る利得を上記第1および第2の信号増幅回路の一方の信
    号増幅回路で補正する請求項7記載の音響信号再生装
    置。
  10. 【請求項10】上記信号増幅回路における補正はアクテ
    ィブ音響処理された音響信号について行う請求項1〜9
    いずれか記載の音響信号再生装置。
  11. 【請求項11】前記信号増幅回路において補正されたス
    テレオ音響信号がリスナーの前方に配置された1対のス
    ピーカを介して出力される請求項1〜10いずれか記載
    の音響信号再生装置。
  12. 【請求項12】スピーカが設定される環境の残響の程度
    を設定する残響程度設定手段と, 上記残響程度設定手段で設定された残響の程度に応じて
    再生音響信号の高音域成分の利得を補正する高音域トー
    ン制御手段とをさらに有する請求項3または4記載の音
    響信号再生装置。
  13. 【請求項13】スピーカが設定される環境の残響の程度
    を設定する残響程度設定手段と, 上記残響程度設定手段で設定された残響の程度に応じて
    再生音響信号の高音域成分の利得を補正する高音域トー
    ン制御手段とをさらに有する請求項5または6記載の音
    響信号再生装置。
  14. 【請求項14】スピーカが設定される環境の残響の程度
    を設定する残響程度設定手段と, 上記残響程度設定手段で設定された残響の程度に応じて
    再生音響信号の高音域成分の利得を補正する高音域トー
    ン制御手段とをさらに有する請求項7〜9いずれか記載
    の音響信号再生装置。
  15. 【請求項15】リスナーの前方に配置された1対のスピ
    ーカの間隔を設定するスピーカ間隔設定手段と, 上記設定された1対のスピーカの間隔に応じて利得を設
    定される1対の可変利得増幅手段と, 一方の上記可変利得増幅手段により補正された左側入力
    音響信号と右側入力音響信号とを加算して新たな右側出
    力音響信号を生成する第1の加算手段と他方の上記可変利得増幅手段により補正された右側入力
    音響信号と左側入力音響信号とを加算して新たな左側出
    力音響信号を生成する第2の加算手段と をさらに有し, 上記第1,第2の加算手段において生成した上記右側
    音響信号と左側入力音響信号とを上記1対のスピーカ
    により再生する請求項12記載の音響信号再生装置。
  16. 【請求項16】リスナーの前方に配置された1対のスピ
    ーカの間隔を設定するスピーカ間隔設定手段と, 上記設定されたスピーカの間隔および上記1対のスピー
    カに対するリスナーの距離に応じて上記スピーカに入力
    される右側音響信号および/または左側音響信号に与え
    る遅延時間と利得とを補正する遅延時間・利得補正手段
    とをさらに有する請求項15記載の音響信号再生装置。
  17. 【請求項17】スピーカの設置高さを設定するスピーカ
    高さ設定手段と, 上記スピーカ高さ設定手段で設定されたスピーカの高さ
    に応じて再生音響信号の低音域成分の利得を補正する低
    音域トーン制御手段とをさらに有する請求項5または6
    記載の音響信号再生装置。
  18. 【請求項18】スピーカの設置高さを設定するスピーカ
    高さ設定手段と, 上記スピーカ高さ設定手段で設定されたスピーカの高さ
    に再生応じて音響信号の低音域成分の利得を補正する低
    音域トーン制御手段とをさらに有する請求項7〜9いず
    れか記載の音響信号再生装置。
  19. 【請求項19】リスナーの前方に配置された1対のスピ
    ーカの間隔を設定するスピーカ間隔設定手段と, 上記設定された1対のスピーカの間隔に応じて利得を設
    定される1対の可変利得増幅手段と, 一方の上記可変利得増幅手段により補正された左側入力
    音響信号と右側入力音響信号とを加算して新たな右側出
    力音響信号を生成する第1の加算手段と他方の上記可変利得増幅手段により補正された右側入力
    音響信号と左側入力音響信号とを加算して新たな左側出
    力音響信号を生成する第2の加算手段と をさらに有し, 上記第1,第2の加算手段において生成した上記右側入
    力音響信号と左側入力音響信号とを上記1対のスピーカ
    により再生する請求項18記載の音響信号再生装置。
  20. 【請求項20】リスナーの前方に配設された1対のスピ
    ーカの間隔を設定するスピーカ間隔設定手段と, 上記設定されたスピーカの間隔に応じて利得を設定され
    る1対の可変利得増幅手段と, 一方の上記可変利得増幅手段により補正された左側入力
    音響信号と右側入力音響信号とを加算して新たな右側出
    力音響信号を生成する第1の加算手段と他方の上記可変利得増幅手段により補正された右側入力
    音響信号と左側入力音響信号とを加算して新たな左側出
    力音響信号を生成する第2の加算手段と をさらに有し, 上記第1,第2の加算手段において生成した上記右側出
    力音響信号と左側出力音響信号とを上記1対のスピーカ
    により再生する請求項7〜9いずれか記載の音響信号再
    生装置。
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