JP3485758B2 - 疑似ステレオ回路 - Google Patents

疑似ステレオ回路

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JP3485758B2 JP14223597A JP14223597A JP3485758B2 JP 3485758 B2 JP3485758 B2 JP 3485758B2 JP 14223597 A JP14223597 A JP 14223597A JP 14223597 A JP14223597 A JP 14223597A JP 3485758 B2 JP3485758 B2 JP 3485758B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右前後の4チャ
ンネルのスピーカから放音させる疑似ステレオ回路に関
し、特に、ステレオ信号より疑似ステレオ信号を生成す
る疑似ステレオ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、左右前後の4チャンネルのスピ
ーカーから放音させるシステムがあった。このようなシ
ステムでは、フロントの2つのスピーカーからステレオ
で放音させ、リヤの2つのスピーカーからは遅延された
モノラル信号を放音させていた。図3は、従来の4チャ
ンネルのシステムを示す図である。
【0003】図3において、まず、左右ステレオ信号L
及びRはそれぞれ入力端子IN1及びIN2を介して左
右フロントスピーカー1及び2に印加され、スピーカー
1及び2からはステレオにより放音が行われる。また、
左右ステレオ信号L及びRは加算回路3で加算され、
(L+R)信号が得られる。(L+R)信号は遅延回路
4で遅延された後、左右リアスピーカー5及び6に印加
される。左右リアスピーカー5及び6から同一信号の放
音が行われる。(L+R)信号は、遅延回路4で遅延さ
れるため、リヤ側のスピーカから放音される信号はフロ
ント側より遅れ、遅延により臨場感のある放音を行って
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3のように、左右ス
テレオ信号から(L+R)信号を生成し、遅延させるだ
けであるので、リヤスピーカーだけで見るとステレオ信
号が得られない。その結果このシステムでは、信号の遅
延により臨場感は存在するが、リヤスピーカーからステ
レオ放音が行われないため、臨場感が十分ではないとい
う問題があった。本発明の目的は、簡単な構成で、リヤ
スピーカーから擬似的なステレオ信号を発生させること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の入力信
号を加算または減算する第1合成回路と、該第1合成回
路の出力信号を遅延する遅延回路と、前記第1合成回路
の出力信号レベルを可変するレベル可変回路と、前記遅
延回路の出力信号と前記レベル可変回路の出力信号とを
加算及び減算し、疑似ステレオ信号を発生する第2合成
回路と、により構成されることを特徴とする。
【0006】また、前記第1合成回路は、前記複数の入
力信号を加算及び引き算する加算回路及び引き算回路
と、前記加算回路及び前記減算回路の出力信号を切り換
える切換回路とから成ることを特徴とする。さらに、前
記切換回路は、切り換えられて得られた出力信号を前記
遅延回路及び前記レベル可変回路にそれぞれ伝送する第
1及び第2切換部から成ることを特徴とする。
【0007】またさらに、前記レベル可変回路は、前記
第1合成回路の出力信号レベルを減衰する減衰回路であ
ることを特徴とする。本発明によれば、複数の入力信号
の加算信号または引き算信号を生成し、その加算信号ま
たは引き算信号を遅延するとともに、レベル可変された
加算信号及び引き算信号を得る。遅延信号及びレベル可
変信号とがさらに加算及び減算されて、疑似ステレオ信
号を得る。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態を示
す図であり、7は左右ステレオ信号L及びRを引き算す
る引き算回路、8及び9は、加算回路3及び引き算回路
7の出力信号のいずれかに切り換える切換回路、10は
切換回路8の出力信号を遅延する遅延回路、11は切換
回路9の出力信号を減衰する減衰回路、12は減衰回路
11の出力信号を反転する反転回路、13は遅延回路1
0の出力信号と反転回路12の出力信号とを加算する加
算回路、14は遅延回路10の出力信号と減衰回路11
の出力信号とを加算する加算回路である。尚、図1にお
いて、図3と同一の回路については、同一符号を付す。
【0009】図1において、左右ステレオ信号は、入力
端子IN1及びIN2を介して、加算回路3及び引き算
回路7に印加される。加算及び引き算により、加算回路
3から(L+R)信号が発生し、引き算回路7から(L
−R)信号が発生する。(L+R)信号及び(L−R)
信号はそれぞれ切換回路8及び9に印加される。切換回
路8及び9は、それぞれ、(L+R)信号または(L−
R)信号の一方を選択する。切換回路8の出力信号aは
遅延回路10で所定時間だけ遅延され、その後遅延回路
bは加算回路13及び14に印加される。また、切換回
路9の出力信号cは減衰回路11で減衰された後、減衰
回路11の出力信号dは、反転回路12で反転され、反
転回路12の出力信号eは加算回路13に印加される。
そして、出力信号dは加算回路14に印加される。
【0010】加算回路13において、出力信号b及びe
が加算され、加算回路14においては、出力信号b及び
dが加算される。その後、加算回路13及び14の出力
信号f及びgはリヤスピーカー5及び6にそれぞれ印加
される。加算回路13と加算回路14とでは、減衰回路
11の出力信号dを非反転した信号、反転した信号が印
加されているので、出力信号bに対して加算される信号
がそれぞれ異なる。その為、加算回路13及び14か
ら、それぞれ位相やレベルの異なる出力信号f及びgが
発生し、擬似的なステレオ信号が発生する。
【0011】ところで、切換回路8及び9の切換動作は
互いに独立しているので、切換回路8及び9の出力信号
a及びcは次の4つの状態になる。 (1)出力信号a及びcがともに(L+R)。 (2)出力信号aが(L+R)、出力信号cが(L−
R)。 (3)出力信号aが(L−R)、出力信号cが(L+
R)。 (4)出力信号a及びcがともに(L−R)。
【0012】次に、上記の4つの状態のうち、(1)の
状態を例にして、図1の動作を図2の波形図を参照して
説明する。左右ステレオ信号L及びRは加算回路3で加
算され、加算回路3から図2(イ)のようなモノラル信
号(L+R)が得られる。但し、左ステレオ信号Lを1
KHzの信号とし、右ステレオ信号を2KHzとする。
切換回路7及び8の可動端子はともに加算回路3側の端
子に接続されるので、出力信号a及びcはモノラル信号
(L+R)となり、図2(イ)のような波形になる。そ
して、出力信号aは遅延回路10で所定の遅延時間で遅
延され、遅延出力信号bが得られる。また、出力信号c
は減衰回路11で減衰され、減衰信号dが得られ、さら
に、減衰出力信号dは反転回路12で反転され、反転出
力信号が得られる。よって、加算回路13において、遅
延出力信号bと反転出力信号eとが加算され、また、加
算回路14において、遅延出力信号bと減衰出力信号d
とが加算される。加算回路13及び14において、遅延
出力信号bに対して加算される信号が波形の異なる減衰
出力信号d及び反転出力信号eであるので、加算回路1
3及び14の出力信号f及びgの波形は異なる。
【0013】加算の際、遅延出力信号bを基準にして見
ると、加算回路13では、遅延出力信号bにレベルがそ
れより高い信号d及びeを加算すると、出力信号f及び
gは出力信号bを強調した信号となる。また、遅延出力
信号bにレベルがそれより低い信号d及びeを加算する
と、出力信号f及びgは出力信号bを負側に減衰した信
号になる。さらに、信号d及びeがバイアスレベルにあ
ると、加算により出力信号bは強調も減衰もされない。
このように、加算によって強調または減衰されるかは、
出力信号bと、出力信号d及びeとのレベル及び位相の
関係で決まる。よって、加算回路13及び14の出力信
号f及びgの波形は図2(ロ)及び(ハ)のように互い
に異なるようになる。リヤスピーカ5及び6から放音さ
れる音がアンバランス状態になることにより、擬似的な
ステレオを達成することができる。
【0014】上記したように、切換回路8及び9からモ
ノラル信号(L+R)信号を発生させた例を説明した。
モノラル信号(L+R)の代わりに、切換回路8及び9
からモノラル信号(L−R)信号を発生させた場合、モ
ノラル信号(L−R)はモノラル信号(L+R)と波形
が異なるため、出力信号f及びgの波形は、モノラル信
号(L+R)信号を選択した場合と異なる。その為、同
一の左右ステレオ信号に対しても、強調される部分及び
減衰される部分がモノラル信号(L+R)のみを選択し
た場合と異なり、得られる疑似ステレオ効果が異なる。
【0015】また、切換回路8が(L+R)を選択し、
切換回路9が(L−R)を選択した場合、遅延された
(L+R)信号に減衰された(L−R)信号を加算し、
かつ、異なる波形のモノラル信号を加算するため、出力
信号f及びgの波形は上記とさらに異なり、同一の左右
ステレオ信号に対しても、強調される部分及び減衰され
る部分がモノラル信号(L+R)または(L−R)の一
方のみを選択した場合と異なり、得られる疑似ステレオ
効果が異なる。さらに、切換回路8が(L−R)を選択
し、切換回路9が(L+R)を選択した場合、遅延され
た(L−R)信号に減衰された(L+R)信号を加算す
るため、遅延された(L+R)信号に減衰された(L−
R)信号を加算した場合と異なる波形の信号f及びgが
得られる。その為、さらに異なる疑似ステレオ効果を得
ることができる。
【0016】図1では、減衰回路11の出力信号を非反
転及び反転した後、加算回路13及び14に印加してい
たが、代わりに、減衰回路11の出力信号をそのまま加
算回路13及び14に印加し、遅延回路10の出力信号
を非反転及び反転した後に加算回路13及び14に印加
してもよい。つまり、加算回路13及び14で、加算さ
れる2つの信号のうち一方の信号が互いに異なることに
より、加算回路13及び14の出力信号f及びgの波形
が異なるため、モノラル信号の強調される部分及び減衰
される部分が発生し、疑似ステレオ効果が得られる。
【0017】また、図1において、レベル可変回路とし
て減衰回路11を使用したが、これに限らず、レベル可
変回路として増幅回路を使用しても疑似ステレオ効果を
得ることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、第1及び第2入力信号
の加算信号または引き算信号とを生成し、その合成信号
を遅延した後、反転及び非反転し、合成信号と、反転及
び非反転信号とを合成することにより、疑似ステレオ効
果のある出力信号を得ることができる。特に、フロント
スピーカーに印加される左右ステレオ信号より、疑似ス
テレオ信号を生成し、それをリヤスピーカーに印加する
と、前後のスピーカーからステレオ効果を得ることがで
き、十分に臨場感のある聴感が得られる。本発明の構成
にすると、遅延回路を1個だけ設ければよいため、簡単
な構成することができるという他の効果も奏する。
【0019】また、第2及び第3合成回路にそのまま印
加する加算信号及び引き算信号を切り換えるとともに、
遅延回路に印加される加算信号及び引き算信号を切り換
え、第2及び第3合成回路の入力信号の組み合わせを変
えることによって、それぞれ異なった疑似ステレオ効果
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の回路の出力信号の波形を示す波形図であ
る。
【図3】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 左フロントスピーカー 2 右フロントスピーカー 3、13、14 加算回路 5 右リアスピーカー 6 左リアスピーカー 7 引き算回路 8、9 切換回路 10 遅延回路 11 減衰回路 12 反転回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入力信号を加算及び減算する加算
    回路及び減算回路、及び複数の出力信号が得られるよう
    に、前記加算回路及び前記減算回路の出力信号を切り換
    える切換回路から成る第1合成回路と、 該第1合成回路の出力信号を遅延する遅延回路と、 前記第1合成回路の出力信号レベルを可変するレベル可
    変回路と、 前記遅延回路の出力信号と前記可変レベル回路の出力信
    号とを加算または減算し、疑似ステレオ信号を発生する
    第2合成回路と、 により構成されることを特徴とする疑似ステレオ回路。
  2. 【請求項2】 さらに、切換回路は、切り換えられて得
    られた出力信号を前記遅延回路及び前記レベル可変回路
    にそれぞれ伝送する第1及び第2切換部から成ることを
    特徴とする請求項1記載の疑似ステレオ回路。
  3. 【請求項3】 前記レベル可変回路は、前記第1合成回
    路の出力信号レベルを減衰する減衰回路であること特徴
    とする請求項1または2記載の疑似ステレオ回路。
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