JP2796776B2 - 小物用収納袋体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば内部に歯ブラシ
や小型の歯磨きチューブ等の歯磨きセットを収納する合
成樹脂製シートからなる小物用収納袋体に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】ホテルや旅館等においては、宿泊者への
サービスの一環として、例えば歯ブラシと小型の歯磨き
チューブとを収納袋体に入れた歯磨きセットを、タオル
とともに提供している。従来から知られている前記歯磨
きセットの収納袋体としては、例えば本出願人が提案し
た実開平５−７４３２１号公報に記載のものがある。前
記従来の収納袋体は、一端に蓋面部を連設した裏面材と
表面材とを重ねて左右両側縁及び端縁を止着して蓋面部
側に開口部を有する袋体とし、前記蓋面部を表面側に折
り返して挿通させる係止帯を開口部近傍の表面材に設
け、折返した蓋面部を係止帯の表面側に重ねた状態で、
蓋面部をスポット状に仮止めした構成である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した構成の従来の
収納袋体では、係止帯を表面材、裏面材と別異に作製し
て、機械的手段により表面材と裏面材との側縁部を溶着
する際に係止帯の側縁も位置合わせをして同時に、一体
的に溶着するので、表面材や裏面材と比較して著しく短
尺な係止帯の位置ずれを防止するのに著しい手間と無用
な時間とを要している。特に、低廉に作製しなければな
らない収納袋体においては、作製時に手間と時間とを要
するのは商品として致命的である。また、収納袋体の表
面材と係止帯との間隙が狭いので、袋体の内部に収納し
た歯ブラシを取り出して使用を終了した後、歯ブラシを
袋体に納めてから蓋面部を折り返して係止帯の下側に挿
通して開口部を閉塞する場合、係止体を指先で持ち上げ
て上記間隙を無理に開きながら蓋面部の先端を挿通しな
ければならないために、閉塞する操作が面倒で商品価値
が劣る。したがって、製造工程がきわめて簡単であって
低廉に供することができ、しかもスムーズに開口部を開
閉することができて体裁がよい、例えば歯ブラシセット
用の収納袋体が要請されている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は前記従来の欠点
に鑑み、また上記従来からの要請に対処するため提案さ
れたもので、一端部に蓋面部を連設した裏面材に表面材
を重ね合わせて左右の両側縁部及び後端部を止着して蓋
面部側の先端部に開口部を形成した小物用収納袋体にお
いて、前記表面材を、前記収納袋体の後端部から開口部
の近傍まで延在する第１の表面材と、上記第１の表面材
の先端部分から前記収納袋体の開口部まで延在する第２
の表面材とで構成し、前記第１の表面材の先端部分と第
２の表面材の後端部分とを一部重合させるとともに、上
記両表面材の重合部分において第１の表面材の先端部分
を第２の表面材の後端部分に対し外側に位置させて、収
納袋体の先端部側に開放して蓋面部の先端片を挿通する
ことができる差込部を形成し、前記収納袋体の開口部を
閉塞するように蓋面部を折り返した状態において、蓋面
部と裏面材若しくは表面材とを仮止めさせてなる小物用
収納袋体に関するものである。

【０００５】

【作用】本発明の小物用収納袋体は、従来の袋体のよう
に蓋面部を保持する係止帯を設けていないので、表面材
と裏面材とを重合して機械的手段により左右の側縁部と
後端部とを溶着するだけで作製することができる。ま
た、第１の表面材の先端部分と、第２の表面材の後端部
分とにより構成される差込部は、収納袋体の先端部側に
開放しているので、きわめて容易に蓋面部を挿通させた
り、引き出したりすることができる。

【０００６】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。本発明の小物用収納袋体１は、一端部に蓋
面部２を連設した合成樹脂シートの裏面材３に、合成樹
脂シートの表面材４を重ね合わせて左右の両側縁部及び
後端部を高周波や熱で溶着することにより止着して、蓋
面部２側の先端部に開口部５を形成した構成である。

【０００７】前記表面材４は、前記収納袋体１の後端部
から開口部５の近傍まで延在する長さの第１の表面材６
と、上記第１の表面材６の先端部分７から前記収納袋体
１の開口部５まで延在する長さの第２の表面材８とで構
成し、前記第１の表面材６の先端部分７と第２の表面材
８の後端部分９とを上下に一部重合させる。そして、前
記両表面材６、８の重合部分１０において、第１の表面
材６の先端部分７を第２の表面材８の後端部分９に対し
外側に位置させるとともに接着させないことにより、収
納袋体１の先端部側に開放して蓋面部２の先端片２’を
挿通することができる差込部１１を形成するのである。

【０００８】また、前記収納袋体１の開口部５を閉塞す
るために蓋面部２を表面材４に重なるように折り返した
状態において、蓋面部２と裏面材３若しくは第１の表面
材６又は第２の表面材８との接触部分に、例えば熱、高
周波、接着剤等により破断しやすい仮止め部１２をスポ
ット状に形成する。

【０００９】したがって、蓋面部２は、先端片２’を差
込部１１に挿通するのであるから、その長さは第２の表
面材６より長くなる。そして、裏面材３や表面材４、特
に第１の表面材６と第２の表面材８とを例えば透明な塩
化ビニール製で作製すると、表面が滑らかで密着しやす
いので、重合部分１０の差込部１１が密着して開放しに
くいことがある。

【００１０】そのため、前記重合部分１０を構成する第
１の表面材６の先端部分７の内側面と、第２の表面材８
の後端部分９の外側面との一方若しくは両方に、微細な
エンボス状の粗面を形成して、前記重合部分１０が密着
するのを防止すれば、蓋面部２の先端片２’を差込部１
１に挿通させやすくなる。しかし、重合部分１０が密着
しない合成樹脂シートにより作製する場合には、前記微
細な粗面を形成しなくてもよい。

【００１１】本発明の収納袋体１は上記した構成である
から、前記裏面材３と表面材４とにより収納袋体１を作
製したら、内部に歯ブラシａと歯磨きチューブｂとを収
納して蓋面部２を折返状に折曲し、前記した仮止め部１
２を設けて使用者側に供するのである。この場合、蓋面
部２は先端片２’を差込部１１に挿通させておいてもよ
いし、または第１の表面材６や第２の表面材８の表面側
に重合状にしておいてもよい。

【００１２】前記した蓋面部２は、仮止め部１２により
開口部５を開放できないので、内部の歯ブラシａや歯磨
きチューブｂが未使用か使用済みかをきわめて簡単に区
別することができる。また、生産過程や流通過程におい
ても、蓋面部２が開放しないので、衛生的に流通させる
ことができる。

【００１３】そして、収納袋体１の内部の歯ブラシａや
歯磨きチューブｂをホテルや旅館で使用する場合、蓋面
部２を捲り上げて仮止め部１２を破断すると、開口部５
が開放するので、内部の歯ブラシａや歯磨きチューブｂ
を取り出してそのまま使用することができる。

【００１４】歯ブラシａや歯磨きチューブｂの使用を終
了し、特に歯ブラシａを再使用するために収納袋体１の
内部に収納したら、蓋面部２を折り返すように曲げて、
先端片２’を差込部１１に挿通させる。したがって、蓋
面部２は重合部分１０により上下面において保持される
ので、自身の復元力により差込部１１から外れて開放す
ることがなく、開口部５を確実に、そのままの状態で閉
塞することができ、内部の歯ブラシ等を衛生的に収納す
ることになる。

【００１５】本発明の収納袋体１は、前記した歯ブラシ
セット用の袋に限定されるものではなく、例えばシャン
プーとリンスと整髪料を収納して洗髪セット用にしても
よいし、髭剃りとシェービングクリームとを収納して髭
剃りセットとして利用することもできる。いずれにして
も、他人が使用した後に使用すると敬遠される傾向にあ
る種類の小物商品や、水に濡れると実用価値が低下する
種類の小物商品を内部に収納するために利用すると効果
的である。

【００１６】以上本発明を図面の実施例に基づいて説明
したが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどの
ようにでも実施することができる。

【００１７】

【発明の効果】以上要するに、本発明によれば、一端部
に蓋面部を連設した裏面材に表面材を重ね合わせて左右
の両側縁部及び後端部を止着して蓋面部側の先端部に開
口部を形成した小物用収納袋体において、前記表面材
を、前記収納袋体の後端部から開口部の近傍まで延在す
る第１の表面材と、上記第１の表面材の先端部分から前
記収納袋体の開口部まで延在する第２の表面材とで構成
し、前記第１の表面材の先端部分と第２の表面材の後端
部分とを一部重合させるとともに、上記両表面材の重合
部分において第１の表面材の先端部分を第２の表面材の
後端部分に対し外側に位置させて、収納袋体の先端部側
に開放して蓋面部の先端片を挿通することができる差込
部を形成し、前記収納袋体の開口部を閉塞するように蓋
面部を折り返した状態において、蓋面部と裏面材若しく
は表面材とを仮止めさせてなるものである。

【００１８】したがって、内部に収納した小物商品が未
使用か使用済かを外部から簡単に区別することができる
ばかりでなく、特に外面に横幅方向の係止帯を設けてい
ないので、製造工程がきわめて簡単なばかりでなく体裁
がよいものとなり、しかも低廉に作製することができ
る。また、再使用するため小物を内部に収納して蓋面部
で閉止する場合、蓋面部を表面材に沿って差込部に滑ら
せるように挿通するだけでよいからきわめて容易であっ
て、商品価値が高まって実用的な袋体を供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す未使用状態の正面図であ
る。

【図２】図１のＡ〜Ａ線の断面図である。

【図３】開口部を開放した状態の収納袋体の一部の斜視
図である。

【図４】開口部を閉塞した状態の収納袋体の一部の斜視
図である。

【図５】開口部を開放した状態の収納袋体の一部の側面
図である。

【図６】開口部を閉塞した状態の収納袋体の一部を欠截
した側面図である。

【図７】開口部を開放した状態の収納袋体の一部を欠截
した側面図である。

【符号の説明】

１ 収納袋体 ２ 蓋面部 ２’先端片 ３ 裏面材 ４ 表面材 ５ 開口部 ６ 第１の表面材 ７ 先端部分 ８ 第２の表面材 ９ 後端部分 １０ 重合部分 １１ 差込部 １２ 仮止め部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部に蓋面部を連設した裏面材に表面
   材を重ね合わせて左右の両側縁部及び後端部を止着して
   蓋面部側の先端部に開口部を形成した小物用収納袋体に
   おいて、 前記表面材を、前記収納袋体の後端部から開口部の近傍
   まで延在する第１の表面材と、上記第１の表面材の先端
   部分近傍から前記収納袋体の開口部まで延在する第２の
   表面材とで構成し、前記第１の表面材の先端部分と第２
   の表面材の後端部分とを一部重合させるとともに、上記
   第１の表面材と第２の表面材との重合部分において、第
   １の表面材の先端部分を第２の表面材の後端部分に対し
   外側に位置させて、前記収納袋体の先端部側に開放して
   蓋面部の先端片を挿通することができる差込部を形成
   し、 前記収納袋体の開口部を閉塞するように蓋面部を折り返
   した状態において、前記蓋面部と裏面材若しくは表面材
   とを仮止めさせてなる小物用収納袋体。
2. 【請求項２】 蓋面部は第２の表面材より長い請求項１
   に記載の小物用収納袋体。
3. 【請求項３】 第１の表面材の先端部分と第２の表面材
   の後端部分との重合部分に、密着防止用の微細な粗面を
   形成した請求項１又は２に記載の小物用収納袋体。