JP2796540B2 - 浅側頭動脈用縛帯およびこれを用いた診断装置 - Google Patents

浅側頭動脈用縛帯およびこれを用いた診断装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、浅側頭動脈用縛帯およびこれを用いた診断
装置、特に、非観血的に頭部の血液循環情報を検出する
のに用いる縛帯および診断装置に関する。
〔従来の技術〕
頭部の血液循環を状態を知ることは、種々の病気の診
断のために極めて重要なことである。この頭部の血液循
環を診断する方法は、大別して非観血的方法と観血的方
法とに分けられる。非観血的方法としては、従来から、
X線CTを用いたり、深部体温を測定したり、脳波を測定
したり、眼底撮影を行ったりする方法が知られている。
一方、観血的方法は、脳外科手術に際して、開頭時に明
視下で行われる術の他は、実施されることがない。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した非観血的方法により頭部の血
液循環を診断する従来装置は、非常に大型な装置であ
り、長時間にわたって診断を継続することが困難である
という問題がある。特に、運動時や日常作業時、あるい
は睡眠中といったときの血液循環状態を診断することは
非常に困難である。したがって現在のところ、上腕部で
計測した血圧値、脈波などを、そのまま頭部の血液循環
の診断にも適用している。
一方、観血的な方法では、カテーテルを頚動脈から挿
入することにより、動脈内腔のアテロームなどの物質が
剥離するおそれがあり、また能内毛細血管に血栓を形成
させるおそれもある。このように、非常に危険をともな
うため、実際には前述のように脳の外科手術時にわずか
に行われているにすぎない。
そこで本発明は、頭部の血液循環診断を非観血的に行
うことができる簡便な装置を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
(1) 本願第1の発明は、浅側頭動脈から診断情報を
得るための縛帯において、 頭部外周に巻着することのできる装着帯と、 この装着帯に摺動自在に取り付けられ、片側に開口窓
部が形成された筐体と、 内部に空気を送ると膨脹して一部が開口窓部からはみ
出すように、筐体内に収容された嚢体と、 嚢体に空気を送るための送気管と、 を設けるようにしたものである。
(2) 本願第2の発明は、上述の縛帯を用いる診断装
置において、 嚢体内の圧力を測定するために送気管の途中に圧力セ
ンサを接続し、 嚢体に発生した音を検出するために送気管の途中に音
波センサを接続し、 送気管の末端に、嚢体の容量に比べて大きな容量をも
った気体貯溜槽を接続し、 この気体貯溜槽の圧力を制御するための加減圧手段を
設けるようにしたものである。
(3) 本願第3の発明は、上述の診断装置において、 縛帯に、筐体、嚢体、送気管、をそれぞれ2組ずつ設
け、 これに応じて圧力センサおよび音波センサおそれぞれ
2組ずつ設け、各嚢体ごとに圧力測定および音検出を行
えるようにし、左右の浅側頭動脈の脈波および摺動音を
同時に検出しうるように構成したものである。
〔作 用〕
(1) 本願第1の発明による縛帯は、装着帯を被験者
の頭部に巻き付けることにより装着することができる。
筐体はこの装着帯に対して摺動自在であるため、浅側頭
動脈上に開口窓部が位置するように筐体の位置を調節す
ると、浅側頭動脈上に嚢体を位置させることができる。
ここで、送気管から空気を送って嚢体内の圧力を十分に
高くしてやると、浅側頭動脈を阻血することができる。
この状態で、嚢体内の圧力を徐々に減圧してゆくと、浅
側頭動脈の脈波および動脈音を検出することができる。
(2) 本願第2の発明による診断装置は、上述の縛帯
から導出された送気管を介して、嚢体内の圧力および嚢
体に発生した音を検出することができる。すなわち、浅
側頭動脈の脈波および動脈音の検出が可能になる。本願
発明に係る嚢体は、一般的な上腕部用縛帯の嚢体に比べ
て容量が小さくなるが、気体貯溜槽を設けることによ
り、上腕部用縛帯と同様の速度で減圧操作が可能にな
る。
(3) 本願第3の発明による診断装置は、2組の嚢体
をそれぞれ左右の浅側頭動脈上に位置せしめることがで
きる。しかも、圧力センサおよび音波センサが、それぞ
れの嚢体について設けられているため、左右の浅側頭動
脈についての脈波および動脈音をそれぞれ個別に同時測
定することが可能になる。
〔実施例〕
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る浅側頭動脈用縛帯の斜
視図、第2図はこの側断面図である。装着帯10(第2図
では図示省略)は、頭部外周に巻きつけるのに十分な長
さをもち、この装着帯10には、筐体20が取り付けられて
いる。この筐体20は、背面にスリット21が形成されてお
り、このスリット21内に、装着帯10が挿通している。装
着帯10とスリット21との間には、ある程度の摩擦が生じ
るように設計されている。したがって、手で操作すれ
ば、筐体20を装着帯10に沿って自由に摺動させることが
できるが、手を放せば、筐体20はその位置に固定され
る。筐体20の正面には、開口窓部22が形成されている。
また、筐体20の内部には、嚢体30が収容されており、こ
の嚢体30内に空気を送ると膨脹し、一部が開口窓部22か
らはみ出すようになる。第2図(a)は通常の状態、同
図(b)は嚢体30を膨脹させた状態を示す。嚢体30に
は、内部に空気を送るための送気管31が連結されてお
り、この送気管31は筐体20の外部へ導出されている。な
お、筐体20の開口窓部22の周囲には、リング状の環状帯
23が取り付けられている。
この実施例では、装着帯10は布製、筐体20はプラスチ
ック製、嚢体30、送気管31、および環状帯23はゴム製で
あるが、これ以外の材質で構成してもかまわない。要す
るに、装着帯10は頭部外周に巻きつけられるような伸縮
性の小さな素材であればどのような材質のものでもよ
く、筐体20は、内部に嚢体30を確実に保持しうるもので
あればどのような材質のものでもかまわない。また、嚢
体30は、内部に空気を送ることによって膨脹する性質の
ものであればよく、送気管31は嚢体30に空気を送ること
ができるものであればどのようなものでもよい。環状帯
23は、後述するように、嚢体30が膨脹したときに、皮膚
と筐体20との間に嚢体30の膨脹部が侵入するのを防ぐ役
目をするので、弾力性のある材料で構成するのが好まし
い。
続いて、この縛帯による測定原理を第3図を参照して
説明する。第3図の左方には、前述した筐体20およびそ
の収容部品の側面が示されている。なお、嚢体30の膨脹
の様子がよくわかるように、環状帯23だけはその断面を
示した。一方、図の右方には、被験者の頭部が示されて
いる。ここで破線は頭蓋骨、太線は血管を示す。浅側頭
動脈40は耳珠41のやや上方あたりから、皮膚表層に現
れ、そのまま上方に向かい、やがて分岐点42において2
つに分岐する。この分岐点42における動脈音は振幅が小
さくなり、SN比が低下する。したがって、浅側頭動脈40
からの生体情報を得るには、耳珠41から分岐点42に至る
までの区間から情報をとるようにするのが最も効率がよ
い。したがって、この区間の長さLに応じて、筐体20の
開口窓部22の縦の長さYを決定するのが好ましい。成人
の場合、区間Lの長さは個人差もあるが、ほぼ35mmとす
るのが適当である。そこでこの実施例では、第4図に示
すように、開口窓部22の縦の長さY=35mmとした。ま
た、開口窓部22の横の長さとしては、浅側頭動脈40が前
方に上行しても、後方に上行しても、補足可能な十分な
幅として、X=16mmとした。結局、この実施例では、第
4図の各部の寸法は、X=16mm、Y=35mm、XX=20mm、
YY=40mm、W=38mmとした。なお、これらの寸法は設計
上、適宜変更しうるものである。
測定を行うには、筐体20を第3図に示すような向きに
配置し、そのまま嚢体30を浅側頭動脈40の上に押し付け
るようにして固定する。これらは、装着帯10を頭部に巻
き付けて装着することによって行われる。この状態で、
送気管31から嚢体30内に空気を送り込むと、嚢体30は膨
脹してその一部が開口窓部22からはみ出て、浅側頭動脈
40を圧迫することになる。十分な圧迫を得るためには、
筐体20が頭側部にしっかりと固定されていなければなら
ない。したがって、装着帯10は頭部外周にしっかりと固
定しておく必要がある。また、装着帯10の材質としてゴ
ムのような伸縮性のある素材を用いるのは好ましくな
い。嚢体30は頭蓋骨の形状に沿って膨脹し、浅側頭動脈
を完全に阻血することができる。第3図に示す嚢体30の
形状は、このときの状態を示す。嚢体30の膨脹時の高さ
hは、頭蓋骨側頭部の凹部の深さに対応する。こうし
て、上腕部に縛帯を装着したときの測定と同様に、この
阻血上から嚢体30内の圧力を徐々に低下させてゆくこと
により、脈波および動脈音の測定が可能になる。なお、
環状帯23は、膨脹した嚢体30が開口窓部22の外側方向に
伸びて広がるのを防ぐ働きをする。環状帯23がないと、
筐体20の外面と皮膚との間隙に膨脹した嚢体30が侵入す
ることになり、嚢体30内に空気を送っても嚢圧力が上昇
しなくなり正しい測定を行うことができない。
続いて、このような縛帯を用いた具体的な診断装置の
一例を説明する。第5図は、このような診断装置の一実
施例のブロック図である。この診断装置は、縛帯100と
装置本体200との2つの部分からなる。ここで、縛帯100
は前述したように、装着帯10に筐体20を取り付けたもの
である。この実施例の装置では、左右の浅側頭動脈から
の生体情報を同時に測定するため、2組の筐体20R,20L
を、1本の装着帯10に取り付けている。各筐体20R,20L
の内部には、それぞれ個別の嚢体30R,30Lが収容されて
おり、各筐体20R,20Lから別個の送気管31R,31Lが導出さ
れている。装着帯10の両端11および12には、ベルクロフ
ァスナーの凸部および凹部が形成されており、頭部外周
にこの装着帯10を巻き付け、後部において両端11および
12をベルクロファスナーによって止めることができる。
なお、この縛帯100を装着するときに左右を誤らないよ
う、装着帯10には図のように、「−L−」および「−R
−」なる表示を示してある。筐体20R,20Lにも同様に左
右を示す表示を示すのが好ましい。
縛帯100から導出された2本の送気管31L,31Rは、装置
本体200内に導入される。装置本体200内では、この送気
管31L,31Rに、それぞれ音波センサ210L,210R、および圧
力センサ220L,220Rが接続されている、更にこの送気管3
1L,31Rの末端には、気体貯溜槽230が接続されている。
この気体貯溜槽230は、縛帯100の嚢体30R,30Lに比べて
十分大きな容量をもつ。この実施例では、嚢体30の容量
が非膨脹時に10ml程度であるのに対し、気体貯溜槽230
の容量は200ml程度としている。この気体貯溜槽230に
は、空気ポンプ240および排気弁241が接続されており、
気体貯溜槽230内に空気を送って圧力を上昇させたり、
排気して圧力を下降させたりすることができる。縛帯10
0の嚢体30R,30Lは、この気体貯溜槽230に接続されてい
るため、嚢内圧力を同様に上昇、下降させることが可能
である。なお、図では、空気ポンプ240および排気弁241
として手動式のものを示すが、電動式のものを用いても
構わない。
第6図は、被験者が縛帯100を装着した状態を示す。
被験者はまず、縛帯100に付された左右を示す表示にし
たがって、縛帯100を頭部外周に仮装着する。すなわ
ち、装着帯10を緩く締めて固定する。続いて、筐体20R,
20Lを装着帯10に沿って摺動させ、第3図で説明したよ
うに、左右の浅側頭動脈の位置まで移動する。位置調整
が終わったら、装着帯10の両端11,12にあるベルクロフ
ァスナーによって、装着帯10をその位置で締め付けて固
定する。ただし、側頭周囲をあまり強く圧迫するのは好
ましくない。縛帯が頚部に落下せず、筐体20R,20Lの位
置がずれない程度に締め付けて固定するのがよい。第7
図(a),(b),(c)は、一般的な人の頭部形状の
三態様を示す上面図である。同図(a)は大頭蓋、
(b)は中頭蓋、(c)は小頭蓋と呼ばれている。ここ
で、外耳51と浅側頭動脈52の位置を各図中に示してお
く。このように、浅側頭動脈の位置には個人差があるた
め、筐体20R,20Lを装着帯10に沿って動かし最適位置に
もってくることは非常に重要である。
縛帯100を適正に装着し終わったら測定を行う。この
装置は、左右の浅側頭動脈についての脈波および動脈音
を検出することができる。第8図は測定手順を示すグラ
フであり、縦軸は嚢体30R,30Lの内圧(mmHg)、横軸は
時間(秒)を示す。まず、第8図の点Aから点Bに至る
グラフに示すように、嚢内圧力を上昇させる。これは、
空気ポンプ240によって気体貯溜槽230に空気を送ること
によって行われる。気体貯溜槽230の内圧と嚢体30R,30L
の内圧とは平衡になるので、気体貯溜槽230に空気を送
ってゆくと、嚢内圧力は徐々に上昇してゆき、嚢体は浅
側頭動脈を完全に阻血するに至る。点Bは、浅側頭動脈
を完全に阻血しうるに十分な圧力値に相当する。続い
て、排気弁241を少しずつ開放してゆき、点Bから点C
に至るグラフに示すように、嚢内圧力をゆっくりと減少
させてゆく。脈波および動脈音の測定は、この点Bから
点Cに至る経路の途中で行われる。すなわち、心収縮期
圧SPにおいて動脈音K1が現れ、大動脈閉鎖痕圧DNPにお
いて動脈音K3が現れ、心拡張期圧DPにおいて動脈音K4が
現れ、最後には動脈音K5が得られる。これらの動脈音K
は、装置本体200内に設けられた音波センサ210L,210Rに
よって電気信号として取り出される。第5図では、左右
の動脈音LK,RKを図中に示している。また、心拡張期圧D
Pにおいては、浅側頭動脈の脈波Pが圧力センサ220L,22
0Rによって電気信号として取り出される。第5図では、
左右の脈波LP,RPを図中に示している。このように、脈
波および動脈音の測定は、嚢内圧力を減少する過程で行
われるため、点Bから点Cに至る過程は、ある程度の時
間をもってゆっくりと進行しなければならない。気体貯
溜槽230は、この減圧過程をゆっくりと進行させる上で
重要な働きをする。気体貯溜槽230がない場合の動作を
考えると、嚢体30R,30Lの容量が小さいため、排気弁241
を開放すると嚢内の空気がすぐになくなり、第8図の一
点鎖線で示すように点Bから点C′に至る過程をたどる
ことになる。これでは、十分な測定を行うことができな
いのである。本実施例では、容量200ml程度の気体貯溜
槽230を設けることにより、2〜3mmHg/秒の最適速度で
安定した減圧動作をさせることができるようにしてい
る。なお、脈波Pを再度測定したい場合には、第8図の
点Cから点Dまで圧力を上昇させ、点Dにおける圧力
(心拡張期圧DP)において、圧力センサからの電気信号
を測定すればよい。
以上のように、この診断装置を用いれば、左右の浅側
頭動脈についての脈波、動脈音を同時に測定することが
できる。なお、左右の測定値を同じ尺度で検討すること
ができるように、嚢体30Rと30Lとは、同じ材質、同じ容
量で構成するのが好ましい。また、送気管31Rと31Lも、
同じ材質、同じ管径とし、音波センサ210R,210Lや、圧
力センサ220L,220Rも、それぞれ左右で感度が同じにな
るようにするのが好ましい。
第9図は本発明の別な実施例に係る縛帯の斜視図、第
10図および第11図はその側断面図および正面図である。
前述の実施例との相違は、筐体の材質および形状であ
る。この実施例の筐体60は、布入りゴムで形成されてお
り、その形状も嚢体30の膨脹に合わせて丸みを帯びたも
のになっている。背面には装着帯10を挿通させるための
スリット61が形成され、正面には楕円形の開口窓部62が
形成されている点は前述の実施例と共通する。また、内
部に収容する嚢体30およびこれら導出される送気管31
は、前述の実施例のものと全く同じである。ただ、この
実施例では、開口窓部62の周囲に環状帯を設ける必要は
ない。開口窓部62の周縁部63は、布入りゴム製であるた
め、皮膚に柔軟に接触し、前述の実施例の環状帯と同様
の働きをするのである。筐体60の材質は布入りゴムに限
らず、要するに、収容している嚢体30の内圧を400mmHg
程度にまで加圧した場合でも、著しい容積変形を生じな
い非膨脹性の柔軟な材質であれば何でもよい。特に、布
入りゴムは断熱性にも優れ、皮膚への接触感も柔軟であ
り好適な材質である。
上腕部や大腿部の動脈を圧迫するための従来の縛帯で
は、収容している嚢体の下部にある抹消組織をすべて阻
血するため、浅側頭動脈の圧迫に用いることはできな
い。嚢内圧力を心拡張期圧に保っていても、3分間以上
圧迫を続けると、抹消組織の循環不全に特有のチアノー
ゼ反応を呈する。これに対し本発明に係る縛帯では、嚢
体による圧力は、装着帯の表面積全体に分散され頭表皮
に加わることになり、側頭部や抹消側の頭頂にかけてチ
アノーゼ反応が現れることはない。実際の実験結果によ
れば、嚢体を29分間加圧して連続測定を行ったのち、1
分間大気圧に開放するという30分間を1周期として、48
周期(24時間)の測定を行ったが、被験者に生理的な損
傷は発生しなかった。このように、本発明の縛帯を用い
れば、浅側頭動脈からの生理情報を24時間体制で測定す
ることが可能である。本発明による診断装置は、頭部動
脈硬化の判定、脳梗塞後の左右の循環動態の差の認識な
どに応用することができる。また、浅側頭動脈の動態は
運動によって大きく左右されることがなく、スポーツ医
学面における応用も考えられよう。
〔発明の効果〕
(1) 本願第1の発明による縛帯によれば、装着帯を
被験者の頭部に巻き付けて筐体を浅側頭動脈上に固定
し、この筐体内の嚢体によって浅側頭動脈を圧迫して生
体情報を得るようにしたため、頭部の血液循環診断を非
観血的に行うことができる。
(2) 本願第2の発明による診断装置によれば、上述
の縛帯から導出された送気管を介して、嚢体内の圧力お
よび嚢体に発生した音を検出するようにしたため、頭部
の脈波および動脈音の検出が可能になる。また、送気管
の末端に気体貯溜槽を設けることにより、上腕部用縛帯
と同様の速度での減圧操作が可能になる。
(3) 本願第3の発明による診断装置によれば、2組
の測定系でそれぞれ左右の浅側頭動脈についての生体情
報を得るようにしたので、左右の浅側頭動脈についての
脈波および動脈音をそれぞれ別個に同時測定することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】 第1図および第2図は本発明の一実施例に係る縛帯の斜
視図および側断面図、第3図は第1図の縛帯による測定
原理を示す図、第4図は第1図の縛帯の正面図、第5図
は第1図の縛帯を用いた診断装置のブロック図、第6図
は第1図の縛帯を装着した状態を示す図、第7図は一般
的な人の頭蓋骨の態様を示す頭頂図、第8図は第5図の
診断装置の動作を説明するグラフ、第9図、第10図、お
よび第11図は本発明の別な一実施例に係る縛帯のそれぞ
れ斜視図、側断面図、正面図である。 10……装着帯、11,12……ベルクロファスナー、20……
筐体、21……スリット、22……開口窓部、23……環状
帯、30……嚢体、31……送気管、40……浅側頭動脈、41
……耳珠、42……分岐点、51……外耳、52……浅側頭動
脈、60……筐体、61……スリット、62……開口窓部、63
……周縁部、100……縛帯、200……装置本体、210……
音波センサ、220……圧力センサ、230……気体貯溜槽、
240……空気ポンプ、241……排気弁、P……脈波、K…
…動脈音。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 5/021

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】頭部外周に巻着することのできる装着帯
    と、 この装着帯に摺動自在に取り付けられ、片側に開口窓部
    が形成された筐体と、 内部に空気を送ると膨脹して一部が前記開口窓部からは
    み出すように、前記筐体内に収容された嚢体と、 前記嚢体に空気を送るための送気管と、 を備えることを特徴とする浅側頭動脈用縛帯。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の浅側頭動脈用縛帯を用い
    た診断装置であって、 嚢体内の圧力を測定するために送気管の途中に接続され
    た圧力センサと、 前記嚢体に発生した音を検出するために前記送気管の途
    中に接続された音波センサと、 前記送気管の末端に接続され、前記嚢体の容量に比べて
    大きな容量をもった気体貯溜槽と、 前記気体貯溜槽の圧力を制御するための加減圧手段と、 を備えることを特徴とする診断装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の浅側頭動脈用縛帯を用い
    た診断装置であって、 装着帯に2組の筐体を取り付け、この各筐体内にそれぞ
    れ嚢体と送気管とを設けた浅側頭動脈用縛帯を用い、 圧力センサおよび音波センサをそれぞれ2組ずつ設け、
    各嚢体ごとに圧力測定および音検出を行えるようにし、
    左右の浅側頭動脈の脈波および動脈音を同時に検出しう
    るように構成したことを特徴とする診断装置。
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