JP2796195B2 - ラジアルタイヤ - Google Patents

ラジアルタイヤ

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JP2796195B2
JP2796195B2 JP2410003A JP41000390A JP2796195B2 JP 2796195 B2 JP2796195 B2 JP 2796195B2 JP 2410003 A JP2410003 A JP 2410003A JP 41000390 A JP41000390 A JP 41000390A JP 2796195 B2 JP2796195 B2 JP 2796195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤのショルダー部
分における偏摩耗を効果的に抑制しうるラジアルタイヤ
に関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤでは、走行とともに必然
的にタイヤの摩耗を伴う。特に近年、多用されるラジア
ルタイヤにおいては、ラジアル方向に配列されたカーカ
スの外側に、スチールコードなどの高張力コードからな
るベルト層を配置し、大きなタガ効果を与えているた
め、トレッド面の接地圧分布の不均一となりやすく、と
くにタイヤのショルダー部分が、クラウン部分に比して
早期に摩耗する偏摩耗が生じやすい。このような偏摩耗
として、例えば乗用車用のラジアルタイヤにおいて、横
溝を挟むトレッド部の前後が早期に摩耗するいわゆるヒ
ールアンドトウ摩耗、又トラック、バス等の重車両用タ
イヤに見られるショルダー部分のみが早期に摩耗する肩
落ち摩耗などがある。
【0003】このようなショルダー部分における偏摩耗
は、トレッド面が、タイヤのタイヤ軸を含む断面におい
て、ほぼ円弧状となるため、クラウン部分の円周長さ
が、ショルダー部分の周長さに比して長く、従って、ト
レッド面が接地したときには、クラウン部分がひきずり
側を、ショルダー部分がひきずられ側を形成し、タイヤ
の踏み込み側、特にけり出し側部分で、このけり出しに
際して路面との間で生じる滑り摩擦によって、前記偏摩
耗が促進されるものと考えられる。
【0004】従来、これらの偏摩耗を防止するべく、ト
レッド面の曲率半径を大とし、又はショルダー部分のブ
ロックを大型化することによりその剛性を高め、さらに
はベルト層の剛性を特にショルダー部分において強化さ
せるなどの提案が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案によっても、前記偏摩耗は充分には解決されては
いない他、ショルダー部分のブロック、ベルト層などの
剛性を過度に高めたときには、タイヤノイズ、乗心地性
能などを阻害させがちとなる。
【0006】本発明は、タイヤの、特にショルダー部分
における偏摩耗を防止するべく種々実験をおこなった。
その結果、ラジアルタイヤの基本構成部材であるベルト
層の端部分における湾曲度、即ちベルト端キャンバー量
CHに着目し、それと有効ベルト巾BW、タイヤ断面巾
TWに関連づけて、前記ベルト端キャンバー量CHを所
定の範囲とすることによって、接地圧分布を均一化し、
効果的に偏摩耗を抑制でき、かつ他のタイヤ性能を損な
うことのないラジアルタイヤを見出したのである。
【0007】従って本発明は、接地圧の分布を均一化で
き、ショルダー部分の偏摩耗を効果的に抑制しうるラジ
アルタイヤの提供を目的としている。又このラジアルタ
イヤは、乗用車用タイヤの他、バス、トラック用のタイ
ヤなど、種々な用途のタイヤとして活用しうる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部か
らサイドウオール部をへてビード部のビードコアで折返
すラジアル、セミラジアル配置のカーカスと、カーカス
の半径方向外側かつトレッド部の内方に配されるととも
にベルトコードを用いた少なくとも2枚のベルトプライ
からなるベルト層とを具えるとともに、正規リムにリム
組されかつ正規内圧を充填した標準状態において、少な
くとも2枚のベルトプライが重複する重複域の内のタイ
ヤ軸方向最外側までのびる重複域の領域であるベルト有
効域BEのタイヤ軸方向の外端点A、A間の有効ベルト
巾BWと、タイヤ断面巾TWとの比BW/TWとして定
義するベルト・タイヤ巾係数Kが、前記ベルト有効域B
Eをなす2枚のベルトプライのベルトコードの各中心か
らタイヤ半径方向の等距離点を結ぶ厚さ中間線上の前記
ベルト有効域の外端点Aと、前記外端点Aから前記有効
ベルト巾BWの0.2倍(0.2BW)をタイヤ軸方向
内方に隔てる前記厚さ中間線上の内側点Bとの間のタイ
ヤ半径方向の距離であるベルト端キャンバー量CHに対
して次のの関係を充足するとともに、前記タイヤ赤道
面に中心を有しかつ前記タイヤ赤道面における前記厚さ
中間線上の赤道点Cと、前記内側点Bとを通る内側域I
Pの円弧の半径CR1が前記タイヤ断面巾TWの1.4
倍よりも大とし、かつ前記外端点Aと、前記内側点Bと
の間の外側域OPは曲面からなるとともに、前記内側域
IPの円弧は、前記外側域OPの前記曲面と滑らかな曲
面で接続されることを特徴とするラジアルタイヤであ
る。 2.50K−1.25<CH<13.3K−4.65
【0009】2.50K−1.25<CH<13.3K−
4.65
【0010】
【作用】本発明はのラジアルタイヤは、正規リムにリム
組されかつ正規内圧を充填した標準状態において、ベル
ト層の形状が設定される。ここで、正規リムとは、社団
法人日本自動車タイヤ協会が発行する『JATMA Y
EAR BOOK』で規定する適用リムのうちの下線付
で表示されるリムであり、又正規内圧とは、同JATM
Aの空気圧ー荷重対応表における各タイヤの最大空気圧
として定義する。又ラジアルタイヤは、乗用車用タイヤ
の他、トラック、バス用タイヤ、小型トラック用タイヤ
等として適用できる。
【0011】さらに、本発明のラジアルタイヤは、有効
ベルト巾BWと、タイヤ断面巾TWとの比BW/TWと
して定義するベルト・タイヤ巾係数Kを、ベルト端キャ
ンバー量CHに対して次の式の関係を充足させてい
る。
【0012】2.50K−12.5<CH<13.3K−
4.65
【0013】ラジアルタイヤにあっては、操縦安定性、
転がり特性、耐摩耗性等の性能を発揮させるには、正規
荷重状態において接地する接地領域内に、ベルト層を配
するのがよい。さらに、前記接地領域には、少なくとも
2枚のベルトプライが重なり、その交差するベルトコー
ドによって充分なタガ効果を発揮しうる重複域からなる
ベルト有効域BEを配するのが望ましい。又このベルト
有効域BEは、前記重複域の内のタイヤ軸方向最外側ま
でのびる最大巾の重複域の領域であり、過度にベルト層
をタイヤ軸方向に拡巾することは、乗心地性を低下させ
る。
【0014】他方、ベルト層は、トレッド部のショルダ
ー部分においては、タイヤのサイドウオール部に向かっ
て湾曲することにより、クラウン部分に比して曲率半径
の小さい曲面となる。
【0015】本発明者らは、ショルダー部分における偏
摩耗を防止するべく、種々実験を行った。その結果、シ
ョルダー部分におけるベルト層の曲率半径が、前記ショ
ルダー部分の偏摩耗に関連することを見出すとともに、
次の知見を得た。
【0016】その第1は、ショルダー部分における偏摩
耗は、該ショルダー部分におけるベルト層の曲率半径と
相関し、特に2枚のベルトプライが重なるタイヤ軸方向
最外側の重複域であるベルト有効域BEが関連すること
である。ここでベルト有効域BEとは、少なくとも2枚
のベルトプライが重複する重複域のうちのタイヤ軸方向
最外側までのびる重複域の領域である。従って、2枚の
ベルトプライからなるときには、巾狭のベルトプライの
巾は有効ベルト巾BWとなり、又3枚以上のベルトプラ
イからなるときには、2番目に巾の広いベルトプライの
巾はベルト有効域BEとなる。
【0017】第2に、前記ベルト有効域BEにおいて、
偏摩耗、早期摩耗に影響を及ぼす領域は、該ベルト有効
域BEのタイヤ軸方向の外端点Aと、この外端点Aから
有効ベルト巾BWの0.2倍をタイヤ軸方向内方に隔て
る内側点Bとの間の領域であり、しかも偏摩耗、早期摩
耗が影響するのは、前記領域の湾曲度合であることであ
る。又前記有効ベルト巾BWとは、前記ベルト有効域B
Eのタイヤ軸方向外端点A、A間のタイヤ軸方向の長さ
として定義される。
【0018】又前記湾曲度合いとして、前記ベルト有効
域BEをなす2枚のベルトプライのベルトコードの各中
心から、タイヤ半径方向の等距離点を結ぶ厚さ中心線L
上における前記外端点Aと、前記内側点Bとの間のタイ
ヤ半径方向の距離であるベルト端キャンバー量CHによ
り与えられる。
【0019】第3に、偏摩耗、早期摩耗の発生を防止す
るには、前記ベルト端キャンバー量CHを、有効ベルト
巾BWとタイヤ断面巾TWとの比BW/TWとして定義
するベルト・タイヤ巾係数Kに1次的に相関するの式
の範囲内に設定することである。
【0020】CH<13.3K−4.65
【0021】これは、ベルトプライの枚数、偏平率、タ
イヤの種類を変化させた種々なベルト端キャンバー量C
Hとベルト・タイヤ巾係数Kのタイヤにおいて測定した
図6の結果に基づく。
【0022】図6において、丸、四角などマーク形状は
同図に記載したタイヤサイズを意味し、黒くぬりつぶし
たマークは偏摩耗、早期摩耗が生じた場合を示してい
る。図6から明らかなように、前記した偏平率、ベルト
プライの枚数、タイヤの種類に拘わらず、前記ベルト・
タイヤ巾係数Kと、ベルト端キャンバー量CHとの関連
において、偏摩耗、早期摩耗を生じない領域は、前記
の式により与えられる。
【0023】ベルト端キャンバー量CHを、の式から
得られる値以下に設定することにより、ショルダー部分
におけるベルト層の湾曲度合いが低下し、これによって
図5に、接地のベルト層を破線で、接地後のベルト層
変形線Xを点鎖線で示すように、接地に際してベルト
層がクラウン部分からショルダー部分にわたって、タイ
ヤ半径方向になめらかに連続して変形し、さらに接地時
においてクラウン部分とショルダー部分とにおけるベル
ト層のタイヤ半径方向への変形量差を減じ、ベルト層端
部における変形量を抑制する結果、接地圧を均一化し、
ショルダー部分における路面とのすべり量を低減させる
ことによって、前記偏摩耗、早期摩耗を減じうるものと
考えられる。
【0024】又ベルト端キャンバー量CHをさらに好ま
しい範囲はの式である。
【0025】CH<10.0K−3.0 第4に、ベルト端キャンバー量CHが過度に小であると
きには、ショルダー部分における接地圧むしろ増大し、
特に旋回時においてこのショルダー部分における摩耗が
大となる。従ってベルト端キャンバー量CHは、の式
により与えられる値よりも大とする。さらに好ましい範
囲はの式である。
【0026】CH>2.50K−12.5 CH>6.67K−3.33 従って、、の式から、ベルト端キャンバー量CHの
好ましい範囲は、前記の式となる。 2.50K−1.25<CH<13.3K−4.65 なお接地に伴うベルト層の変形は、CTスキァナーによ
って測定できる。
【0027】なお、の式について、ベルト有効域BE
が、タイヤの接地面とほぼ同巾に設定するときには、有
効ベルト巾BWとタイヤ断面巾TWとの比であるベルト
・タイヤ巾係数Kは、タイヤの偏平率の減少とともに増
大する傾向にある。従って、偏平率が小なタイヤは相対
的に有効ベルト巾BWが大となり、従って比較的大きな
ベルト端キャンバー量CHが採用されうるものと定性的
に理屈づけうる。
【0028】第5に、タイヤ赤道面COに中心を有しか
つ前記タイヤ赤道面における前記厚さ中間線上の赤道点
Cと、前記内側点Bとを通る円弧の半径CR1が前記タ
イヤ断面巾TWの1.4倍よりも大とすることにより、
クラウン部分における接地圧の増加を防止しうることも
知見した。
【0029】半径CR1をこのように設定することによ
って、クラウン部分における接地圧分布を均一化でき
る。曲率半径が小であるとき、クラウン部分、特にタイ
ヤ赤道部分における接地圧の増大しやすく、クラウン部
分における偏摩耗の原因ともなり、耐久性等を低下させ
ることとなる。
【0030】又クラウン部分が過度に平坦化するのはシ
ョルダー部分の接地圧を高めることとなり、従って好ま
しい範囲はタイヤ断面巾TWの15倍以下、好ましくは
10倍以下程度とするのがよい。
【0031】さらに、前記タイヤ赤道面から内側点Bに
至る前記曲率半径CR1の内側域と前記外端点Aから内
側点Bに至る外側域との間は滑らかな曲面で接続し、接
地に際しての接地圧分布の段差を減じるのがよい。その
ためには、前記外側域において、前記ベルト端キャンバ
ー量CHの範囲で、内側域に滑らかに連なる円弧とする
こともでき、又外側域を、内側点Bと外端点Aにいたる
円弧以外の曲面を用いて形成することもできる。
【0032】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。
【0033】第1図は、ラジアルタイヤ1が、正規リム
Rにリム組されかつ正規内圧を充填した標準状態を示し
ている。ここで正規リムとは、前記のように、JATM
AYEAR BOOKで規定する適用リムのうちの下線
付で表示されるリムであり、又正規内圧とは、前記規定
での空気圧ー荷重対応表における各タイヤの最大空気圧
として定義する。図においてラジアルタイヤ1は、トレ
ッド部2と、その両端からラジアル方向内方にのびるサ
イドウォール部3と、その両端に設けるビード部4とを
有し、又ビード部4のビードコア5のまわりでタイヤ内
側から外側に折返して係止されるカーカス6と、該カー
カス6の半径方向外側に配置されるベルト層7とを具え
る。又本実施例では、ベルト層7の半径方向外側に配す
るバンド層9が設けられる。
【0034】前記カーカス6は、前記ビードコア2を囲
む内層6Aと、該内層6A外面に沿って配する外層6B
とからなり、前記内層6Aの折返し端6A1は、ビード
コア5の上方で途切れ、又外層6Bの折返し端6B1
は、タイヤの最大巾位置近傍で途切れている。なおカー
カス6は他の構造とすることもでき、又タイヤの接地等
による変形に伴い移動する内層6Aとビードコア5との
間の擦過を防止しかつビード部の剛性を高める補強層、
リムズレ防止用のチェーファ(ともに図示せず)などを
配することもできる。なおバンド層9を省略するのもよ
い。又ビード部4には、ビードコア5から半径方向外向
きに先細となるゴム材からなるビードエーペックス10
を設けて横剛性を向上している。なおカーカス3は、カ
ーカスコードをタイヤ赤道面COに対して60〜90度
に配したラジアル、セミラジアル構造を有し、又カーカ
スコードとして、スチールコードの他、ナイロン、レー
ヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードを用いること
ができる。
【0035】前記ベルト層7は、本例では、内外2枚の
ベルトプライ7A、7Bの重ね体からなり、又カーカス
6側の内のベルトプライ7Aの巾W7Aは、外のベルト
プライ7Bの巾W7Bよりも、1.01〜1.20倍程度
広巾とし、又外のベルトプライ7Bは接地面と略等しい
巾寸法に設定している。このように広、狭のプライを用
いることにより、ベルトプライ7A、7Bのタイヤ軸方
向外側の端縁がタイヤ軸方向において一致することによ
る周囲のゴムとの間の剛性の段差の集中を防止してい
る。
【0036】又本例では、外のベルトプライ7Bの巾に
おいて、ベルトプライ7A、7Bが重なる重複域を形成
し、又2枚のベルトプライ7A、7Bからなる本例にお
いては、この重複域がベルト有効域BEを構成する。
【0037】前記ベルトプライ7A、7Bは、スチール
コードを用いており、又スチールコードは、タイヤ赤道
に対して約10〜30度の傾きで、しかも内、外のベル
トプライ7A、7Bによって互いに交差するように配す
ることにより、タイヤの均一性を高めている。なお図
3、図4に示すように例えば3枚のベルトプライ7A、
7B、7Cを用いることもでき、又外のベルトプライ7
Bを、内のベルトプライ7Aよりも広巾とすることもで
きる。
【0038】さらに内のベルトプライ7Aは、タイヤ軸
方向外側でカーカス6から離間するのもよく、そのとき
該離間部分には、ブレーカクッションゴム(図示せず)
を配するのがよい。
【0039】又前記バンド層9は、内のベルトプライ7
Aの外端を起点として外のベルトプライ7Bの外面端部
を覆い、又その巾W9は、前記ベルトプライ7Aの巾W
7Aの15〜40%に設定している。さらに、バンド層
9は、バンドコードを用いるバンドプライからなり、又
バンドコードはナイロン、ポリエステル、レーヨンなど
の、比較的伸長性を有する有機繊維からなる。これによ
って、タイヤの変形に際してのベルト層7の伸縮に追随
でき、ベルト層7との間の剥離を防止する。又バンドコ
ードは、夫々タイヤ赤道面COに対して実質的に平行
に、即ちタイヤ赤道Cに対して0゜〜10゜、好ましく
は0゜〜5゜の範囲となるように該タイヤ赤道面COに
略平行に配置させる。このバンド層9は、ベルト層7の
端部の剛性差を減じ、接地圧分布を均一化し、高速にお
ける操縦安定性を高め、又摩耗を均一化できる。又ラジ
アルタイヤは、乗用車用タイヤの他、トラック、バス用
タイヤ、軽トラック用タイヤ等として適用できる。
【0040】さらに、本発明のラジアルタイヤ1は、有
効ベルト巾BWと、タイヤ断面巾TWとの比BW/TW
として定義するベルト・タイヤ巾係数Kを、ベルト端キ
ャンバー量CHに対しての関係を充足させる。
【0041】2.50K−1.25<CH<13.3K−
4.65 ここで有効ベルト巾BWとは、ベルト有効域BEのタイ
ヤ軸方向外端点A、A間のタイヤ軸方向の長さとして定
義される。又ベルト有効域BEとは、少なくとも2枚の
ベルトプライが重複する重複域のうちのタイヤ軸方向最
外側までのびる重複域の領域である。従って、本実施例
のように2枚のベルトプライ7A、7Bからなるときに
は、前記のごとく、巾狭のベルトプライ7Bの巾が有効
ベルト巾BWとなる。又図3、図4に示すように、3枚
以上のベルトプライ7A、7B、7Cからなるときに
は、2番目に巾の広いベルトプライの巾がベルト有効域
BEとなる。
【0042】さらにタイヤ断面巾TWとは、前記JAT
MA YEAR BOOKに規定するように、タイヤの
総巾から、タイヤ側面の模様、文字などを除いたタイヤ
の最大巾をいう。
【0043】又前記ベルト端キャンバー量CHとは、前
記ベルト有効域BEの外端点Aと、この外端点Aから、
前記有効ベルト巾BWの0.2倍(0.2BW)をタイ
ヤ軸方向内方に隔てる内側点Bとの間の外側域OPのタ
イヤ半径方向の距離であり、又前記外端点A、内側点B
は、図2に示すように、前記ベルト有効域BEをなす2
枚のベルトプライ7A、7BのベルトコードD1、D2
の各中心D1C、D2Cからタイヤ半径方向の等距離
a、aを隔てる点、即ち等距離点を結ぶ曲線である厚さ
中心線L上に位置している。又図示のように、外端点A
と内側点Bとの間の前記外側域OPでは、厚さ中心線L
上において滑らかな曲面に形成される。
【0044】前記の式は、前記したごとく、前記ベル
ト端キャンバー量CHと、ベルト・タイヤ巾係数Kとを
変化して多種のタイヤを用いて測定した図6の結果に基
づく。
【0045】図6において、黒くぬりつぶしたマークは
偏摩耗、早期摩耗が生じた場合を示している。図6から
明らかなように、前記ベルト・タイヤ巾係数Kと、ベル
ト端キャンバー量CHとの関連において、偏摩耗を生じ
ない領域は、一次的な相関関係があり、偏摩耗、早期摩
耗を生じないベルト端キャンバー量CHは、次のの式
で表示される。
【0046】ベルト端キャンバー量CHを、ベルト
イヤ巾係数Kを用いて、の式により得られる数値以下
に設定することにより、接地に際して、図5の一点鎖線
により表示するベルト層変形線Xを、破線によって接地
前のベルト層を示すように、前記内側端B、B間の前記
厚さ中間線上での後記する半径CR1の円弧の内側域I
Pと相まって、接地に際してベルト層がクラウン部分か
らショルダー部分にわたって、タイヤ半径方向になめら
かに連続し、接地時においてクラウン部分とショルダー
部分とにおけるベルト層のタイヤ半径方向への変形量差
を減じ、ベルト層端部における変形量を抑制する結果、
接地圧を均一化し、ショルダー部分における路面とのす
べり量を低減させることによって、前記偏摩耗、早期摩
耗を減じうるものと考えられる。又ベルト端キャンバー
量CHのさらに好ましい範囲はの式である。
【0047】CH<10.0K−3.0
【0048】他方、ベルト端キャンバー量CHが過小で
あるときには、接地に際してショルダー部分における接
地圧を大とし、特に旋回時におけるこのショルダー部分
における摩耗が大となる。従ってベルト端キャンバー量
CHは、の式により与えられる値よりも大とする。さ
らに好ましい範囲はの式である。従って、前記したと
ころにより、ベルト端キャンバー量CHの好ましい範囲
は、の式となる。
【0049】 CH>250K−125 CH>667−333
【0050】さらに、タイヤ赤道面COに中心を有しか
つ前記タイヤ赤道面COにおける前記厚さ中間線L上の
赤道点Cと、前記内側点Bとを通る円弧の半径CR1が
前記タイヤ断面巾TWの1.4倍よりも大としている。
【0051】これによって、クラウン部分においてもベ
ルト層の接地に際しての接地圧分布をより均一化でき
る。曲率半径が小であるとき、クラウン部分、特にタイ
ヤ赤道部分における接地が増大しやすく、クラウン部分
における偏摩耗の原因ともなり、高速耐久性等を低下さ
せることとなる。
【0052】又クラウン部分が過度に平坦化するのはシ
ョルダー部分の接地圧を高めることとなり、従って好ま
しい範囲はタイヤ断面巾TWの15倍以下、好ましくは
10倍以下程度とする。
【0053】さらに、前記タイヤ赤道点Cから内側点B
に至る前記曲率半径CR1の内側域IPと前記外端点A
から内側点Bに至る前記外側域OPとの間は滑らかな曲
面で接続し、接地に際しての接地圧分布の段差を減じる
のがよい。そのためには、前記外側域OPにおいて、前
記ベルト端キャンバー量CHの範囲で、内側域IPに滑
らかに連なる円弧とすることも、円弧以外の曲面を用い
て形成することもできる。
【0054】〔具体例〕 図1に示す構造(但しバンド層を用いていない)のタイ
ヤサイズ15/60R15 90Hのタイヤを、表1
の仕様によって、実施例1〜3として試作した。又表2
の比較例1〜3に示すものも試作し、実施例品と、摩耗
の均一性、コーナリング摩耗耐久性、操縦性能を比較し
た。
【0055】耐久性はECE30によるステップスピー
ドテストにより行い、結果を第1、2表に示す。又各タ
イヤを3000CCの後輪駆動の乗用車に装着し、操縦
性能をフイーリングテストにより測定した結果を、評価
している。なおこのテストは、平坦な路面を時速80K
m/hで曲線走行し測定した。
【0056】また摩耗状態を実車試験によりテストし
た。タイヤの3000Kmの定格負荷走行後において、
全タイヤを評価した。又コーナリング摩耗は、半径50
mの円周上を速度40Km/hで500回旋回してショ
ルダー部の摩耗量を測定して評価した。評価はいずれも
比較例1を100とする指数により評価し、表1、表2
に示している。いずれも数値が大なるほど、良好である
ことを示している。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】実施例品は、いずれも比較例品に比べて偏
摩耗がなく、均一に摩耗していた。
【0060】
【発明の効果】このように本発明のラジアルタイヤ接地
圧分布を均一化し、ショルダー部分の偏摩耗を防ぐ。ま
た旋回時のショルダー部分の摩耗とともに、クラウン部
分の摩耗をも効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】厚さ中心線を説明する断面図である。
【図3】ベルトプライの他の例を示す断面図である。
【図4】ベルトプライの他の例を示す断面図である。
【図5】タイヤ変形を例示する断面図である。
【図6】テスト結果を例示するグラフである。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウオール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 ベルト層 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山平 篤 兵庫県西宮市北昭和町13−10−203 (72)発明者 野間 弘之 神戸市北区鈴蘭台北町3丁目16番3号 (56)参考文献 特開 昭63−188502(JP,A) 特開 昭63−166604(JP,A) 特開 平1−145202(JP,A) 特開 平1−141104(JP,A) 特公 昭58−27122(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 9/18 F B60C 9/08 M B60C 9/08 C B60C 9/08 N B60C 9/08 K

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウオール部をへてビ
    ード部のビードコアで折返すラジアル、セミラジアル配
    置のカーカスと、カーカスの半径方向外側かつトレッド
    部の内方に配されるとともにベルトコードを用いた少な
    くとも2枚のベルトプライからなるベルト層とを具える
    とともに、 正規リムにリム組されかつ正規内圧を充填した標準状態
    において、少なくとも2枚のベルトプライが重複する重
    複域の内のタイヤ軸方向最外側までのびる重複域の領域
    であるベルト有効域BEのタイヤ軸方向の外端点A、A
    間の有効ベルト巾BWと、タイヤ断面巾TWとの比BW
    /TWとして定義するベルト・タイヤ巾係数Kが、前記
    ベルト有効域BEをなす2枚のベルトプライのベルトコ
    ードの各中心からタイヤ半径方向の等距離点を結ぶ厚さ
    中間線上の前記ベルト有効域の外端点Aと、前記外端点
    Aから前記有効ベルト巾BWの0.2倍(0.2BW)
    をタイヤ軸方向内方に隔てる前記厚さ中間線上の内側点
    Bとの間のタイヤ半径方向の距離であるベルト端キャン
    バー量CHに対して次のの関係を充足するとともに、 前記タイヤ赤道面に中心を有しかつ前記タイヤ赤道面に
    おける前記厚さ中間線上の赤道点Cと、前記内側点Bと
    を通る内側域IPの円弧の半径CR1が前記タイヤ断面
    巾TWの1.4倍よりも大とし、かつ前記外端点Aと、前記内側点Bとの間の外側域OP
    は曲面からなるとともに、前記内側域IPの円弧は、前
    記外側域OPの前記曲面と滑らかな曲面で接続されるこ
    とを特徴とする ラジアルタイヤ。 2.50K−1.25<CH<13.3K−4.65
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