JP2795533B2 - 銅―亜鉛系合金アノードの再生方法 - Google Patents
銅―亜鉛系合金アノードの再生方法Info
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- JP2795533B2 JP2795533B2 JP29249590A JP29249590A JP2795533B2 JP 2795533 B2 JP2795533 B2 JP 2795533B2 JP 29249590 A JP29249590 A JP 29249590A JP 29249590 A JP29249590 A JP 29249590A JP 2795533 B2 JP2795533 B2 JP 2795533B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、銅−亜鉛系合金の電気メッキにおいてアノ
ードとして用いる、銅−亜鉛系合金アノードの再生方法
に関する。
ードとして用いる、銅−亜鉛系合金アノードの再生方法
に関する。
(従来の技術) 従来より、銅系合金の装飾のため、またニッケルメッ
キやコバルトメッキの下地調整用のために銅−亜鉛系合
金メッキが広く行われている。この銅−亜鉛系合金メッ
キは、アノードとして銅−亜鉛系合金を用い、メッキ浴
としてCuCN、Zn(CN)2、NaCN、KCNなどからなる浴を
用いる電気メッキ法である。
キやコバルトメッキの下地調整用のために銅−亜鉛系合
金メッキが広く行われている。この銅−亜鉛系合金メッ
キは、アノードとして銅−亜鉛系合金を用い、メッキ浴
としてCuCN、Zn(CN)2、NaCN、KCNなどからなる浴を
用いる電気メッキ法である。
このメッキ浴に用いるシアン化物(CN-)は、メッキ
浴中の金属イオンと錯体をつくって金属イオンの活量を
減少させ、析出合金の組成を安定させる効果がある。
浴中の金属イオンと錯体をつくって金属イオンの活量を
減少させ、析出合金の組成を安定させる効果がある。
(発明が解決しようとする課題) メッキ浴に含まれるNaCN、KCNは、空気中の二酸化炭
素と反応し、それぞれNa2CO3、K2CO3に変化する。ま
た、電気メッキ中のCN-の分解によっても同様の生成物
が生じる。これらの炭酸塩は、ある程度は浴中に溶解す
るため短期的には操業に影響することはないが、長期的
には過飽和となり、析出した炭酸塩がアノード表面に付
着し、それを被覆してしまうことがある。このようにア
ノード表面が炭酸塩で覆われてしまうと、銅−亜鉛合金
のイオン化が妨げられ、メッキが困難となる。
素と反応し、それぞれNa2CO3、K2CO3に変化する。ま
た、電気メッキ中のCN-の分解によっても同様の生成物
が生じる。これらの炭酸塩は、ある程度は浴中に溶解す
るため短期的には操業に影響することはないが、長期的
には過飽和となり、析出した炭酸塩がアノード表面に付
着し、それを被覆してしまうことがある。このようにア
ノード表面が炭酸塩で覆われてしまうと、銅−亜鉛合金
のイオン化が妨げられ、メッキが困難となる。
従来は、このような場合、メッキ浴中においてアノー
ド表面に付着した炭酸塩を機械的操作によって掻き取る
ことにより、再生している。しかし、この作業は非常に
煩雑で、炭酸塩の完全な除去も困難である。また、掻き
取った炭酸塩が再度メッキ浴中に混入するという問題も
生じる。
ド表面に付着した炭酸塩を機械的操作によって掻き取る
ことにより、再生している。しかし、この作業は非常に
煩雑で、炭酸塩の完全な除去も困難である。また、掻き
取った炭酸塩が再度メッキ浴中に混入するという問題も
生じる。
本発明は、上記問題点を解決し、アノード表面を覆っ
たアルカリ金属の炭酸塩を、簡単に、かつ短時間で除去
し、アノードの再使用を可能にする、銅−亜鉛系合金ア
ノードの再生方法を提供することを目的とする。
たアルカリ金属の炭酸塩を、簡単に、かつ短時間で除去
し、アノードの再使用を可能にする、銅−亜鉛系合金ア
ノードの再生方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明の銅−亜鉛系合金アノードの再生方法は、表面
がアルカリ金属の炭酸塩で覆われた銅−亜鉛系合金アノ
ードを、シアン化物水溶液により処理し、必要に応じて
水洗する方法である。
がアルカリ金属の炭酸塩で覆われた銅−亜鉛系合金アノ
ードを、シアン化物水溶液により処理し、必要に応じて
水洗する方法である。
銅−亜鉛系合金アノード(以下「アノード」という)
をシアン化物水溶液で処理する方法は、アノードとシア
ン化物水溶液とを充分に接触させることができる方法で
あれば特に制限されるものではない。
をシアン化物水溶液で処理する方法は、アノードとシア
ン化物水溶液とを充分に接触させることができる方法で
あれば特に制限されるものではない。
この処理方法としては、例えば、シアン化物水溶液中
に、表面がアルカリ金属の炭酸塩で覆われたアノードを
浸漬する方法、シアン化物水溶液を循環させながら、そ
の流れの中に該アノードを浸漬する方法又はこれらと機
械的撹拌、超音波撹拌などの物理的手段若しくは加温操
作などを組み合わせた方法などを適用することができ
る。
に、表面がアルカリ金属の炭酸塩で覆われたアノードを
浸漬する方法、シアン化物水溶液を循環させながら、そ
の流れの中に該アノードを浸漬する方法又はこれらと機
械的撹拌、超音波撹拌などの物理的手段若しくは加温操
作などを組み合わせた方法などを適用することができ
る。
ここで用いるシアン化物水溶液は特に制限されるもの
ではないが、メッキ浴を構成するシアン化物の水溶液を
用いれば処理後の水洗が不要となるために好ましい。こ
のシアン化物水溶液中のシアン化物の濃度は、1重量%
以上であることが好ましい。
ではないが、メッキ浴を構成するシアン化物の水溶液を
用いれば処理後の水洗が不要となるために好ましい。こ
のシアン化物水溶液中のシアン化物の濃度は、1重量%
以上であることが好ましい。
シアン化物水溶液による処理後に行う水洗は、メッキ
浴を構成するシアン化物と異なるシアン化物の水溶液を
用いた場合にのみ行う。
浴を構成するシアン化物と異なるシアン化物の水溶液を
用いた場合にのみ行う。
以上の操作により、アノード表面を覆ったアルカリ金
属の炭酸塩を容易に除去できるが、これは次のような作
用機構による。銅−亜鉛系合金の電気メッキを長期間継
続すると、メッキ浴に由来して生じたアルカリ金属の炭
酸塩が過飽和状態となり、メッキ浴に溶解することがで
きずに析出し、アノード表面に付着する。このため、前
記炭酸塩が溶解していないシアン化物水溶液とアノード
を接触させれば、アノード表面に付着している炭酸塩は
シアン化物水溶液に溶解し、除去される。
属の炭酸塩を容易に除去できるが、これは次のような作
用機構による。銅−亜鉛系合金の電気メッキを長期間継
続すると、メッキ浴に由来して生じたアルカリ金属の炭
酸塩が過飽和状態となり、メッキ浴に溶解することがで
きずに析出し、アノード表面に付着する。このため、前
記炭酸塩が溶解していないシアン化物水溶液とアノード
を接触させれば、アノード表面に付着している炭酸塩は
シアン化物水溶液に溶解し、除去される。
(実施例) 実施例1 メッキ浴としてCuCN(100g/)、Zn(CN)2(6g/
)、NaCN(110g/)及びNaOH(70g/)を用い、メ
ッキ条件を浴温度70℃、電流密度12A/dm2及びアノードC
u−20%Znとして1月操業後、表面に炭酸ナトリウムが
厚く付着したアノードを取り出した。
)、NaCN(110g/)及びNaOH(70g/)を用い、メ
ッキ条件を浴温度70℃、電流密度12A/dm2及びアノードC
u−20%Znとして1月操業後、表面に炭酸ナトリウムが
厚く付着したアノードを取り出した。
次に、前記アノードを5%−NaCN水溶液の循環流中に
約60分間浸漬した。その後、アノードを取り出したとこ
ろ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に除去され
ていた。このアノードを用い銅−亜鉛系合金メッキを行
ったところ、使用開始時と同様にメッキすることができ
た。
約60分間浸漬した。その後、アノードを取り出したとこ
ろ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に除去され
ていた。このアノードを用い銅−亜鉛系合金メッキを行
ったところ、使用開始時と同様にメッキすることができ
た。
実施例2 実施例1で得た表面に炭酸ナトリウムが付着したアノ
ードを15%−NaCN水溶液の循環流中に約50分浸漬した。
その後、アノードを取り出したところ、表面を覆ってい
た炭酸ナトリウムは完全に除去されていた。
ードを15%−NaCN水溶液の循環流中に約50分浸漬した。
その後、アノードを取り出したところ、表面を覆ってい
た炭酸ナトリウムは完全に除去されていた。
実施例3 実施例1で得た表面に炭酸ナトリウムが付着したアノ
ードを2%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を機
械的に撹拌した。約20分経過後にアノードを取り出した
ところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に除去
されていた。
ードを2%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を機
械的に撹拌した。約20分経過後にアノードを取り出した
ところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に除去
されていた。
実施例4 実施例1で得た表面に炭酸ナトリウムが付着したアノ
ードを10%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を機
械的に撹拌した。約18分経過後にアノードを取り出した
ところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に除去
されていた。
ードを10%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を機
械的に撹拌した。約18分経過後にアノードを取り出した
ところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に除去
されていた。
実施例5 実施例1で得た表面に炭酸ナトリウムが付着したアノ
ードを3%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を超
音波により撹拌した。約30分経過後にアノードを取り出
したところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に
除去されていた。
ードを3%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を超
音波により撹拌した。約30分経過後にアノードを取り出
したところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に
除去されていた。
実施例6 実施例1で得た表面に炭酸ナトリウムが付着したアノ
ードを18%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を超
音波により撹拌した。約25分経過後にアノードを取り出
したところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に
除去されていた。
ードを18%−NaCN水溶液中に浸漬し、かつ該水溶液を超
音波により撹拌した。約25分経過後にアノードを取り出
したところ、表面を覆っていた炭酸ナトリウムは完全に
除去されていた。
比較例1 実施例1で得た表面に炭酸ナトリウムが付着したアノ
ードを充分に水洗し、乾燥した。その後、機械的操作に
よりアノード表面に付着した析出物を掻き取った後、再
び水洗し、乾燥した。その結果、掻き取り前にアノード
表面に付着していた炭酸ナトリウムの約70〜80重量%量
は剥がれ落ちていたが、残部はアノード表面に付着した
ままであった。また、この一連の処理に要した時間は約
6時間であった。
ードを充分に水洗し、乾燥した。その後、機械的操作に
よりアノード表面に付着した析出物を掻き取った後、再
び水洗し、乾燥した。その結果、掻き取り前にアノード
表面に付着していた炭酸ナトリウムの約70〜80重量%量
は剥がれ落ちていたが、残部はアノード表面に付着した
ままであった。また、この一連の処理に要した時間は約
6時間であった。
(発明の効果) 本発明の銅−亜鉛系合金アノードの再生方法は、表面
がアルカリ金属の炭酸塩で覆われた銅−亜鉛系合金アノ
ードを、シアン化物水溶液により処理し、必要に応じて
水洗するものである。
がアルカリ金属の炭酸塩で覆われた銅−亜鉛系合金アノ
ードを、シアン化物水溶液により処理し、必要に応じて
水洗するものである。
このような本発明を適用すれば、短時間で、かつ簡単
な方法により、表面がアルカリ金属の炭酸塩で覆われた
アノードの再生ができる。そして、このアノードは、銅
−亜鉛系合金の電気メッキ用のアノードとして再使用で
きる。このため、従来のような煩雑で不完全なアノード
の再生処理が不要となり、銅−亜鉛系合金の電気メッキ
における運転コストを大幅に低減できる。
な方法により、表面がアルカリ金属の炭酸塩で覆われた
アノードの再生ができる。そして、このアノードは、銅
−亜鉛系合金の電気メッキ用のアノードとして再使用で
きる。このため、従来のような煩雑で不完全なアノード
の再生処理が不要となり、銅−亜鉛系合金の電気メッキ
における運転コストを大幅に低減できる。
本発明の銅−亜鉛系合金アノードの再生方法は、例え
ば電子部品用銅箔などの銅−亜鉛メッキに用いるアノー
ドの再生方法として好適である。
ば電子部品用銅箔などの銅−亜鉛メッキに用いるアノー
ドの再生方法として好適である。
Claims (1)
- 【請求項1】表面がアルカリ金属の炭酸塩で覆われた銅
−亜鉛系合金アノードを、シアン化物水溶液により処理
し、必要に応じて水洗することを特徴とする銅−亜鉛系
合金アノードの再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29249590A JP2795533B2 (ja) | 1990-10-30 | 1990-10-30 | 銅―亜鉛系合金アノードの再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29249590A JP2795533B2 (ja) | 1990-10-30 | 1990-10-30 | 銅―亜鉛系合金アノードの再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04165100A JPH04165100A (ja) | 1992-06-10 |
JP2795533B2 true JP2795533B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=17782563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29249590A Expired - Fee Related JP2795533B2 (ja) | 1990-10-30 | 1990-10-30 | 銅―亜鉛系合金アノードの再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2795533B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104120460B (zh) * | 2014-07-02 | 2016-09-21 | 广州鸿葳科技股份有限公司 | 一种去除电解铜箔用钛阳极表面结垢的方法 |
-
1990
- 1990-10-30 JP JP29249590A patent/JP2795533B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04165100A (ja) | 1992-06-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |