JP2794061B2 - ダニ防除具 - Google Patents

ダニ防除具

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JP2794061B2
JP2794061B2 JP1172728A JP17272889A JP2794061B2 JP 2794061 B2 JP2794061 B2 JP 2794061B2 JP 1172728 A JP1172728 A JP 1172728A JP 17272889 A JP17272889 A JP 17272889A JP 2794061 B2 JP2794061 B2 JP 2794061B2
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和志 菅本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、家屋内等において人体に害を与えるダニを
防除するダニ防除具に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、生活様式の変化から、じゅうたん,カーペッ
ト,畳,布団等にダニが繁殖し、人がこの生体,死骸等
を吸引することにより、喘息,鼻アレルギー等を起こし
たり、また人体を刺すダニにより、皮膚炎,湿疹等に罹
ることが知られている。従来、これらのダニの防除方法
としては、電気掃除機や殺虫剤を用いた駆除が主であっ
たが、じゅうたん,カーペット,畳,布団の内部のダニ
まで駆除するには限界があり、ダニ防除としては、十分
な効果をあげていない。また、他の防除方法としては、
予め殺虫成分を含ませたカーペット(特開昭60−119910
号,特開昭60−71736号公報),布団,畳等の使用が考
えられるが、薬剤の人体への影響を考えた場合、好まし
い防除方法とはいえない。殺虫成分を使用しない防除方
法としては、ダニより小さい孔を開けた多孔性シート
(特開昭64−13938号公報)や、ダニを通さない高密度
繊維等が知られているが、いずれも通気性が悪く、内部
の湿度を高め、かえってダニを繁殖させる恐れがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためのも
ので、薬剤を使用せず人体に無害で、かつダニに好適な
環境を与えることなくダニの行動を抑制し、しかも従来
駆除しにくかったじゅうたん,カーペット,畳,布団等
の内部のダニをも捕獲する新規なダニ防除具を提供する
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、1デニールの極細繊維からなる綿、あるい
は表面が綿状であるかまたは表面が起毛乃至植毛されて
いる織布または不織布においては、ダニの行動が抑制さ
れ、ついには捕獲されることを見出したことに基づくも
のである。
上記の綿,織布あるいは不織布を用いて寝具や家具お
よびそのシーツやカバーを作成することにより、薬剤を
使用せず、ダニを防除することが可能となった。また、
本発明のダニ防除具には十分な通気性を与えることがで
き、通気性が悪いためにダニが繁殖しやすくなる恐れは
ない。さらに、本防除具には、ダニに対する忌避性は全
くなく、じゅうたん,カーペット,畳,布団等の内部の
ダニをも捕獲することができる。また、本防除具は捕獲
したダニを洗い落とした後も、ダニに対する効果を失う
ことなく何回でも使用できるため、前記じゅうたん等の
内外部のダニ数を漸次減少させることが期待でき、ダニ
捕獲具としても使用できる。
なお、本発明においてダニ防除具とは、ダニ捕獲具,
防ダニ寝具(防ダニ布団,防ダニシーツ,防ダニ布団カ
バー,防ダニベッドカバー,防ダニ毛布等),防ダニ家
具(防ダニ座布団,防ダニクッションカバー,防ダニ敷
物,防ダニカーペット等)を含む。
また、本発明のダニ防除具における綿,織布あるいは
不織布は、そのまま用いても、またはこれにその他の基
材を貼りつけるか、もしくはこれを基材として植毛等を
施しても良いが、もちろんこれらに限定されるものでは
ない。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
まず、本発明のダニ防除具のダニ捕獲効果についての
試験例をいくつか示す。
試験例1 極細繊維不織布のダニ捕獲効果 0.05デニールの極細繊維からなる市販の不織布の表面
を綿状にほぐし、その上にコナヒョウヒダニあるいはケ
ナガコナダニを放置したところ、いずれのダニも極細繊
維にからまり、動けなくなるのが観察された。綿状にほ
ぐす前の極細繊維不織布上に上記ダニを放置した場合に
は、ダニは自由に動きまわり、全く捕獲されなかった。
また、0,2,0.5,2デニールの極細繊維からなる不織布
について同様の試験を行ったところ、0.2,0.5デニール
の繊維の不織布表面を綿状にしたものでは、ダニ捕獲効
果が認められたが、2デニールのものではダニは捕獲さ
れなかった。
試験例2 起毛極細繊維織布のダニ捕獲効果 0.2デニールの極細繊維からなる市販の織布表面を起
毛し、これを直径4cmのシャーレ上の半円部分に設置し
た。他方、残り半円部にはエサと共にコナヒョウヒダニ
250匹を放置し、経時的に起毛織布上の生ダニ数と死ダ
ニ数を測定した。対照としては起毛していない0.2デニ
ールの極細繊維織布を用いて同様に試験した。
結果を表1に示す。起毛織布(表中、起毛+で示す)
上には、ダニ放置後3および5日目で約60%のダニが見
られ、そのうち約75%が死滅していた。一方、対照(表
中、起毛−で示す)では16ないし17%のダニが織布上に
見られたが、そのうちの死滅率は約10%だった。
試験例3 じゅうたん内部のダニに対する起毛極細繊維
織布のダニ捕獲効果 0.2デニールの極細繊維からなる市販の織布の表面を
起毛し、これを直径4cmの試験片としたものを、コナヒ
ョウヒダニ300匹を放置したじゅうたんの切片(5cm×5c
m)上に設置し、経時的に織布上の生ダニ数と死ダニ数
を測定した。対照として起毛していない0.2デニールの
極細繊維織布を用いて同様に試験した。
結果を表2に示す。起毛織布(表中、起毛+で示す)
では、織布設置後7日目で約20%のダニが見られ、その
うち約80%が死滅していた。対照(表中、起毛−で示
す)では数%のダニが織布上に見られたのみで、死滅率
は14ないし25%だった。
試験例4 起毛極細繊維織布を基布に用いたカーペット
のダニ捕獲効果 0.2デニールの極細繊維からなる市販の織布の表面を
起毛したものを基布とし、これにウール繊維を植えて作
製したウールカーペット(A)と市販のウールカーペッ
ト(B)(共に10cm×10cm)の表面にコナヒョウヒダニ
300匹を放置し、48時間後のウールカーペット(A)お
よび(B)のダニ数を加熱追い出し法を用いて測定し
た。
結果を表3に示す。起毛極細繊維織布を基布に用いた
カーペット(A)では、45匹の生ダニが確認された。一
方、対照として用いた市販のカーペット(B)では227
匹もの生ダニが確認された。
以上の試験より表面を起毛あるいは綿状にした極細繊
維織布あるいは不織布およびこれらを用いたダニ防除具
はダニ抑制および捕獲効果を有することがわかる。ダニ
の大きさは、0.2mmないし0.7mmであり、このダニの行動
を抑制するには1デニール以下の繊維の細さが必要と思
われる。また、このような極細繊維の綿や、起毛の代わ
りに植毛したものでも上記と同様の効果を奏することは
容易に予想できる。
以下に防ダニ寝具並びに防ダニ家具での実施例を示
す。
参考例 防ダニ座布団(極細繊維綿) 0.05デニールの極細繊維でできた綿とアセテート布地
とで座布団(30cm×30cm×2cm)を作成し、その中にコ
ナヒョウヒダニ500匹を放置し、3日後にアセテート布
地表面に付着しているコナヒョウヒダニの数を測定し
た。対照としては市販の布団綿とアセテート布地とで作
成した座布団を使用した。
結果を表4に示す。極細繊維の綿で作成した座布団で
は市販布団綿を使用した場合に比べ、有意にダニ数が少
なかった。
実施例1 防ダニ座布団(内張り)の効果 市販座布団の布地の内側に起毛極細繊維織布(極細繊
維=0.2デニール)を張り、2層からなる布地とし、こ
れに市販の綿を入れ防ダニ座布団とした。この座布団の
中にコナヒョウヒダニ500匹を放置し、3日後、座布団
表面のほこりを掃除機で採取し、座布団表面のダニ数を
測定した。対照としては上記起毛極細繊維織布を張らな
い通常の布地を用いた座布団を使用した。
結果を表5に示す。極細繊維綿を使用した場合と同
様、座布団布地に起毛極細繊維織布を内張りしても、座
布団内部から表面にでてくるダニ数は減少することがわ
かる。
実施例2 防ダニシーツ,防ダニ布団カバー 市販シーツ(綿)と市販布団カバー(アセテート)の
それぞれの内側に起毛極細繊維織布(極細繊維=0.2デ
ニール)を張り2層としたものを、実際の家庭で使用し
てもらい、1週間後このシーツおよび布団カバー表面上
のダニ数を、表面のほこりを掃除機で採取して測定し
た。対照としては上記起毛極細繊維織布を張らない市販
のシーツおよび布団カバーを使用した。
結果を表6に示す。起毛極細繊維織布を内張りしたも
のでは対照に比べ、表面のダニ数は少なかった。
実施例3 起毛極細繊維織布を基布に用いた防ダニカー
ペット 一般家庭の室内(和室6畳)の中央に起毛極細繊維織
布を基布に用いたカーペット(A)と市販のカーペット
(B)をわずかに離して10日間、あるいは30日間設置し
た。各々の日数経過後、市販電気掃除機(吸込み仕事率
150W/h,紙パック式)を20秒間作動させ、カーペット中
の塵を回収し、塵の重量およびダニ数を測定した。塵中
のダニ数は、塵をワイルドマンフラスコ−ガソリン法に
より処理し求めた。
結果を表7に示す。起毛極細繊維織布を基布に用いた
カーペット(A)では、10日あるいは30日後で、それぞ
れ14,37匹のダニ数が見られたの対し、対照として用い
た市販のカーペット(B)ではそれぞれ30,230匹のダニ
が見られ、起毛極細繊維織布を基布に用いたカーペット
の防ダニ効果が観察された。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明したように、本発明のダニ防除具は、
薬剤を使用せずに、即ち人体への悪影響を心配すること
なく、安全にダニを抑制および捕獲でき、ダニに起因す
る種々の問題を減少ないし緩和することができる。特に
小児喘息の8割はチリダニが原因と考えられ、ダニの抑
制は重要な社会的関心事となっており、また、小児喘息
を含むアレルギー疾患では、現在のところ根本的な治療
法がなく、ダニを抑制することが治療法のひとつと考え
られている今日、本発明によるダニ防除具を使用するこ
とにより、ダニに起因するアレルギー症状の軽減が期待
できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.05ないし1デニールの極細繊維からなる
    織布または不織布の表面を綿状とするか、または該表面
    を起毛乃至植毛してなることを特徴とするダニ防除具。
JP1172728A 1989-05-26 1989-07-04 ダニ防除具 Expired - Fee Related JP2794061B2 (ja)

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JP1-134162 1989-05-26

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6268960A (ja) * 1985-09-18 1987-03-30 株式会社新素材総合研究所 床材
JPH02237511A (ja) * 1989-03-10 1990-09-20 Asahi Chem Ind Co Ltd 防ダニ用シート

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