JP4800010B2 - ふとんのクリーニング方法 - Google Patents
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Description
しかし、ふとん干しは面倒な作業であり、中でもふとん運びには労力を要するため、高齢者になればなるほど、その作業頻度が低下し、ふとんの衛生状態が悪化し易い。特に、寝たきり状態にある要介護者のふとんについては、ふとんを干す程度ではその臭気を除去しづらい。
そこで、従来、専門業者が各家庭をまわってふとんを回収し、このふとんのクリーニング、即ちふとんを丸洗いして乾燥した後、各家庭へ返品して、ふとんの衛生状態を良好にしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、この方法では、ふとんを丸洗いするため、乾燥に時間を要し、ふとんが返品されるまでに長時間を要するという問題がある。このため、例えば、ふとんを一式しか所有していない場合、ふとんのクリーニングを依頼できないという問題がある。
なお、ふとんのクリーニングを専門業者に依頼するに際しても、ふとんの所有者はふとんを寝室から玄関まで運び、ふとんを引き取りに来る専門業者に引き渡す必要があり、また、クリーニングが終了して返品されたふとんを、玄関から寝室まで運ぶ必要がある。このため、ふとん運びに労力を要し、特に、一戸建ての二階以上に寝室がある場合、所有者がふとんを持って階段を昇降する必要があるため危険である。
両側が支持された水平部材に前記ふとんをかけて、該水平部材から前後に垂れ下がった前記ふとんの中央に配置された熱風発生機の熱風発生口及び前記ふとんをカバー部材で覆う準備工程と、
中折りされた状態で前記水平部材にかけられた前記ふとんの内面側に、前記熱風発生口から100℃以上150℃以下の熱風を2分以上5分以下の時間吹き付け、前記ふとん中の害虫を該ふとんの外面側へ移動させるふとん加熱工程と、
前記カバー部材を取外し、前記ふとんの外面側を上にして該ふとんを床面上に敷き、該ふとん中の前記害虫を該ふとんの外面側から吸引して除去する害虫除去工程と、
前記害虫が除去された前記ふとんの外面側を、前記熱風発生口に向けて前記水平部材にかけ、前記ふとん及び前記熱風発生口を前記カバー部材で覆い、前記ふとんに100℃以上150℃以下の熱風を2分以上5分以下の時間吹き付けて、該ふとんの加温を終えた後、消臭剤及び抗菌剤のいずれか1又は2を散布する仕上工程とを有する。
本発明に係るふとんのクリーニング方法において、前記害虫除去工程では、前記ふとんを脱臭シートを介して前記床面上に敷くことが好ましい。
そして、ふとん加熱工程において、ふとん中の害虫をふとんの外面側へ移動させるので、害虫除去工程において、ふとんの両面側から害虫の除去作業をそれぞれ行うことなく、ふとんの外面側からのみで害虫を効率よく除去でき、作業性が良好である。
更に、仕上工程において、ふとんに消臭剤を散布した場合は、ふとんの臭気を除去でき、ふとんを快適な状態にできる。また、ふとんに抗菌剤を散布した場合は、ふとんに害虫がつきにくく、しかもカビの発生を従来よりも抑制できる。そして、害虫除去工程が終了したふとんに対し、ふとん加熱工程で熱風を吹き付けた面の反対側へ更に熱風を吹き付けるので、ふとんを片面側からのみ加熱した場合と比較して、より短時間でふとん全体を温めることができる。
請求項3記載のふとんのクリーニング方法は、害虫除去工程において、ふとんを脱臭シートを介して床面上に敷くので、加熱後のふとんの臭気の発散を抑制できる。
ここで、図1(A)〜(E)は本発明の一実施の形態に係るふとんのクリーニング方法の各作業工程の説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同ふとんのクリーニング方法に用いるふとん加熱装置の斜視図、その内部構造の斜視図である。
図1(A)に示すように、作業者は、寝室にある敷きふとん10を、寝室の床面12上に配置し、例えば、幅広の粘着テープが巻かれた手持ちロール13を使用して、敷きふとん10の表面の大きなほこりをとる。
この消臭剤としては、人体への影響がほとんど無い天然材料を原料とするものを使用することが好ましく、例えば、悪臭トリーノ(ビーエイエイ株式会社製)を使用する。この天然材料とは、例えば、1500m以上の山野に群生する白樺、桜、ばら、松、桧、又は杉のような高山植物の葉、芽、茎、果実、及び根のいずれか1又は2以上であり、これを乾溜し精製して得たエキスを原料として使用している。
なお、消臭剤の効能に、更に抗菌剤の効能が加わったものを使用することも、また抗菌剤の効能のみを有するものを使用することもできる。また、ここでの消臭剤の散布は、必要に応じて(例えば、敷きふとん10の臭気がほとんど感じられない場合)省略することもできる。
図2(A)、(B)に示すように、ふとん加熱装置11は、載置フレーム15と、この載置フレーム15上に設けられ、敷きふとん10がかけられる水平部材16と、敷きふとん10に熱風を吹き付ける熱風発生口17を備える熱風発生機18と、敷きふとん10及び熱風発生口17を覆うカバー部材19とを有する。
載置フレーム15は、間隔を有して対向配置される一対の縦部材20(長さが、例えば、40cm以上60cm以下程度)と、この一対の縦部材20を位置決めして接続するため、間隔を有して平行に配置される2本の横部材21とを有している。この2本の横部材21上には、熱風発生機18を載置し、中央部に熱風発生機18への空気取り入れ孔22が設けられた載置板23が取付けられている。
水平部材16は、管状となったステンレス製の棒であり、その直径が、例えば、2cm以上5cm以下程度、その長さが、例えば、90cm以上120cm以下程度のものである。なお、水平部材の周囲に滑り止めを設けることも可能である。また、水平部材を内径の異なる複数の管材で構成し、管材の内部にその内径より小さな外径を備える管材を装入して、内部の管材の突出長さを調整し、伸縮可能な構成にすることも、更に複数の管材をつなぎ合わせて長尺にすることも可能である。この場合、支持棒の上端部に受け部を設け、水平部材を載置可能な構成にするのがよい。
この熱風発生機18は、例えば、通常使用されているヘアードライヤーと同一構成のものを使用できるが、マイナスイオンを発生する構成のものを使用することが好ましい。
これにより、載置板23の空気取り入れ孔22を介して空気吸込口から吸引された外気を、例えば、100℃以上150℃以下の熱風にし、水平部材16に向けて噴出できる。
なお、この熱風発生機を、その熱風発生口の長孔が水平部材と平行になるように、載置板上に複数台並べて配置したり、また、より熱風の噴出能力が高い熱風発生機を使用し、その熱風発生口の長孔を水平部材の長手方向に広くしたものを使用することもできる。
また、図2(B)に示すように、熱風発生機18の少なくとも熱風発生口17を枠体25aで取り囲み、熱風発生口17が敷きふとん10に接触することを防止することが好ましい。この枠体25aの上部は網状となっているため、熱風発生口17が敷きふとん10に接触することを防止しながら、熱風を吹き付けることができる。
カバー部材19の上側には、互いに結合又は解除可能な対となる部材で構成されるファスナー26が水平部材16と平行に設けられている。なお、ファスナーには、例えば、ジッパー、面状ファスナー、ホック、又はボタンがある。また、カバー部材19の下側には、例えば、熱風発生機18の空気吸込口部分及び支持棒25のための開口部(図示しない)が設けられている。このため、カバー部材19は、熱風発生機18の空気吸込口部分を含む載置板23への取付け側を除いて、熱風発生機18の全体を覆っている。
なお、カバー部材の大きさは、加熱効率を考慮すれば、敷きふとんの大きさよりも僅かに大きい程度が望ましい。
この作業に際しては、カバー部材19のファスナー26の結合を解除し、その開口部(図示しない)から水平部材16が突出する位置までカバー部材19を降ろし、この水平部材16に敷きふとん10をかける。
なお、水平部材16に敷きふとん10をかける際には、敷きふとん10の使用に際して使用者が接触しない面側、即ち敷きふとん10の裏面側27を下にするが、敷きふとん10の表面側28を下にしてもよい。
これにより、水平部材16にかけられた敷きふとん10は、水平部材16の前後に垂れ下がり、このとき敷きふとん10の中央に熱風発生機18の熱風発生口17が配置される。そして、この状態を確認した後、カバー部材19の上側を引き上げ敷きふとん10を覆い、ファスナー26を閉じることで、図1(B)に示す状態にする(以上、準備工程)。
ここで、熱風発生口17から吹き付けられる熱風の温度は100℃以上150℃以下(ここでは120℃程度)、好ましくは下限が110℃、上限が130℃である。この温度範囲の熱風を敷きふとん10に吹き付けることで、敷きふとん10の裏面側27の温度を、ダニが死滅する温度、例えば、70℃以上80℃以下程度まで上昇できる。従って、敷きふとん10の裏面側27に存在するダニは、死滅又は敷きふとん10の表面側28、即ち外面側へ移動する。なお、敷きふとん10の裏面側27のダニは、表面側28と比べて少ないため、敷きふとん10の裏面側27を加熱することで、短時間で敷きふとん10中のダニの存在領域をできるだけ狭い範囲、即ち敷きふとん10の表面側28にできる。
また、熱風の温度を上記した温度範囲内に設定することで、ダニの死滅又は移動に要する熱風の吹き付け時間は、2分以上10分以下、更には2分以上5分以下(ここでは、3分程度)で十分である(以上、ふとん加熱工程)。
そして、図1(C)に示すように、予め床面12上に広げた活性炭シート(脱臭シートの一例)30上に、敷きふとん10を表面側28を上にして敷き、敷きふとん10中のダニを敷きふとん10の表面側28から吸引して除去する。このとき、敷きふとん10に付着したほこりも除去できる。なお、敷きふとん10の表面側28に熱風を吹き付けた場合は、敷きふとん10の裏面側27を上にして敷きふとん10を敷く。
このように、高速回転するブラシが敷きふとん10の表面側28を叩くため、敷きふとん10の表面が吸引口に吸い込まれる状態を抑制、更には防止でき、敷きふとん10の表面を吸引口がスムーズに移動でき、ダニの除去も容易になる(以上、害虫除去工程)。
これにより、水平部材16にかけられた敷きふとん10は、水平部材16の前後に垂れ下がり、このとき敷きふとん10の中央に熱風発生口17が配置される。そして、この状態を確認した後、カバー部材19の上側を引き上げ敷きふとん10を覆い、ファスナー26を閉じることで、図1(D)に示す状態にする。
そして、熱風発生機18を作動させ、温度100℃以上150℃以下(ここでは120℃程度)、好ましくは下限温度110℃、上限温度130℃の熱風を、2分以上10分以下、更には2分以上5分以下(ここでは、2分程度)、敷きふとん10に吹き付ける。
これにより、敷きふとん10の加温が終了する。
そして、図1(E)に示すように、床面12上に敷きふとん10の裏面側27を上にして敷きふとん10を敷き、敷きふとん10の裏面全体に、前記した消臭剤を噴霧器14を使用して散布する。ここで、消臭剤の効能に、更に抗菌剤の効能が加わったものを使用することも、また抗菌剤の効能のみを有するものを使用することもできる。
なお、必要に応じて敷きふとん10を反転させ、敷きふとん10の表面全体に、消臭剤を更に散布してもよい。また、敷きふとん10の裏面側27を加温した場合は、敷きふとん10の表面全体に、消臭剤を散布する。
なお、必要に応じて、消臭剤の散布前に、敷きふとん10の表面に掃除機をかけてもよい(以上、仕上工程)。
そして、必要に応じて、以上の手順で、掛けふとん(図示しない)のクリーニングを行うこともできる。この場合、掛けふとんの幅が、水平部材16の長さよりも広ければ、例えば、掛けふとんを半分に折り畳み、その幅を半分にした後に水平部材16にかけるのがよい。なお、掛けふとんを折り畳むに際しては、掛けふとんのいずれの面を内側にして折り畳んでもよいが、掛けふとんの表面側(人体と接触しない面側)には装飾が施されているため、この表面側を内側にして折り畳むことが好ましい。
以上に示すクリーニング作業は、敷きふとん1枚当たり最短で12分程度、また、掛けふとんは敷きふとんの約半分程度の時間で処理できるので、ふとん一式18分程度であり、短時間に作業を実施できる。
そして、作業者は、必要に応じて、ふとん加熱装置11を解体又はそのままの状態で住居内から持ち出し、全作業を終了する。
前記実施の形態においては、ふとんのクリーニングを、所有者の住居内の寝室で行った場合について説明したが、住居内の他の部屋で行ってもよい。また、所有者の住居に限定されるものではなく、例えば、病院、介護施設、又は宿泊施設からの要請に応じて、各施設にふとん加熱装置を持ち込み、ふとんのクリーニングを行うことも勿論可能である。
なお、前記実施の形態で示したふとん加熱装置の各寸法は、上記した数値に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更できる。
Claims (4)
- ふとん中のダニを含む害虫の除去方法であって、
両側が支持された水平部材に前記ふとんをかけて、該水平部材から前後に垂れ下がった前記ふとんの中央に配置された熱風発生機の熱風発生口及び前記ふとんをカバー部材で覆う準備工程と、
中折りされた状態で前記水平部材にかけられた前記ふとんの内面側に、前記熱風発生口から100℃以上150℃以下の熱風を2分以上5分以下の時間吹き付け、前記ふとん中の害虫を該ふとんの外面側へ移動させるふとん加熱工程と、
前記カバー部材を取外し、前記ふとんの外面側を上にして該ふとんを床面上に敷き、該ふとん中の前記害虫を該ふとんの外面側から吸引して除去する害虫除去工程と、
前記害虫が除去された前記ふとんの外面側を、前記熱風発生口に向けて前記水平部材にかけ、前記ふとん及び前記熱風発生口を前記カバー部材で覆い、前記ふとんに100℃以上150℃以下の熱風を2分以上5分以下の時間吹き付けて、該ふとんの加温を終えた後、消臭剤及び抗菌剤のいずれか1又は2を散布する仕上工程とを有することを特徴とするふとんのクリーニング方法。 - 請求項1記載のふとんのクリーニング方法において、前記ふとんは敷きふとんであり、前記準備工程では、使用時における前記敷きふとんの裏面側を下にして、該敷きふとんを前記水平部材にかけることを特徴とするふとんのクリーニング方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のふとんのクリーニング方法において、前記害虫除去工程では、前記ふとんを脱臭シートを介して前記床面上に敷くことを特徴とするふとんのクリーニング方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のふとんのクリーニング方法において、前記ふとんの所有者の要求に応じて、該所有者の住居内で、前記準備工程、前記ふとん加熱工程、前記害虫除去工程、及び前記仕上工程を、順次行うことを特徴とするふとんのクリーニング方法。
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