JP2791899B2 - エンジニアリングプラスチック製フイルムチューブのインフレーション成形方法 - Google Patents

エンジニアリングプラスチック製フイルムチューブのインフレーション成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 <産業上の利用分野> この発明はエンジニアリングプラスチック製フイルム
チューブのインフレーション成形方法に関する。
<従来の技術> インフレーション法による合成樹脂フイルムチューブ
は次のようにして製造される。まず溶融して熱可塑樹脂
を押出機によりダイに送り込み、ダイ上端面に設けられ
たリング状の吹出口から樹脂をチューブ状に吹き上げ、
その上端を引取装置のピンチロールに挟み込む一方、フ
イルムチューブ内部に空気を送り、所定のサイズまでフ
イルムチューブの径を膨らませながらフイルムチューブ
の内外部より冷却凝固させ、ピンチロールで引取りなが
ら連続的に合成樹脂フイルムチューブを造る方法であ
る。
この場合フイルムチューブを引き取る際筒状のものを
フラットにしてピンチロールに案内するため従来ピンチ
ロールの直前にフイルムチューブ案内装置が設けられて
いる、該案内装置はフイルムチューブを間にして相対向
する2枚の案内板及び2枚の補助案内板から成り、該主
案内板はフイルムチユーブを平面状に案内するように上
方に向かって互い内側に傾斜して設けられ、サイド案内
板はフイルムチューブを間に該案内板の側方に位置する
と共に上方に向かって外側に傾斜して設けられている。
即ちフイルムチューブを間にして一対の案内板の出口部
が狭くなるようにフイルムチユーブの通路が形成されて
いる。
<発明が解決しようとする課題> ところが上記従来の案内装置ではフイルム側端部に発
生するしわやたるみを充分に防止することができない。
その主な原因は上記従来装置においてはフイルム引き取
りの際、最も応力の集中するフイルム側端部に平面状の
補助案内板を単に押し当てるだけであり、筒状のものを
平面状にする際むしろ側方への変形を拘束するものにな
ってしまっている。ましてや、溶融張力が弱く、溶融温
度の高いエンジンニアリングプラスチック製フイルムチ
ューブをインフレーション成形は不可能であり、現在エ
ンジニアリングプラスチックフイルムはTダイ方式で成
形されているのが通常であるが肉厚の均一性において劣
るし、広幅のものは装置が徒に幅広大型化し、製品コス
トが高くなり、実用性がない。
この発明はこのような従来技術の欠点を改良し、種々
直径のバブルを安定良く案内し、偏肉のない均一厚さの
エンジニアリングプラスチック製フイルムチューブをイ
ンフレーション成形可能とするエンジニアリングプラス
チック製フイルムチューブのインフレーション成形方法
を提供することを目的とする。
ロ.発明の構成 <課題を解決するための手段> 前記課題を解決するためにこの発明は、ブロー比及び
成形されるチューブ寸法に応じて、一対の主案内板の傾
斜角度及びこの案内板に対して平面でみて直角に配列さ
れた一対のサイド案内板における中央の側板に対する両
側の2枚の側板の開き角度を調整し、これら主案内板と
サイド案内板により四方から囲まれた状態でフイルムチ
ューブを案内し、 このようにして主案内板とサイド案内板で四方から囲
まれ放熱を均一化された状態でフイルムチューブを折り
込んだ後、フラットチューブとして下流の引取装置の挾
持部へ導くフイルムチューブのインフレーシヨン成形方
法において、 前記フイルムチューブはエンジニアリングプラスチッ
クであり、主案内板及びサイド案内板は溶融フイルムチ
ューブに対してフロストラインより上流側で接触を開始
し、エンジニアリングプラスチックフイルムチューブを
インフレーション成形することを特徴とするエンジニア
リングプラスチック製フイルムチューブのインフレーシ
ョン成形方法とする。
上記成形に際して前記一対のサイド案内板が上下2組
階層的に設けてあることを特徴とすることが好ましい。
前記主案内板の上縁と引取装置のフイルム挾持部との
間に、寸法規制相互に平行な一対の第2案内板が若干の
間隙をおいて配置してあり、この第2案内板のバブル流
れ方向の寸法は、前記ピンチローラ直径程度としてある
ことが、肉厚の均一化の上で好ましい。
<実施例> 次にこの発明を実施する成形装置の代表的な実施例を
説明する。
第1図において、10はインフレーシヨン成形されたエ
ンジニアリングプラスチック製フイルムチューブFの折
畳み案内装置であり、一対の主案内板11a、11bと一対の
サイド案内板12とを備える。該主案内板11a、11bはフイ
ルムチューブFを平面状に案内するように上方に向かっ
て互いに内側に傾斜して設けられている。即ちチューブ
Fを間にして主案内板11a、11b下側の入口部より主案内
板11a、11b上側の出口部が狭くなるようにチューブFの
通路が形成される。更に主案内板11a、11bの側方に前記
一対の案内板12(第2図参照)が設けられている。該サ
イド案内板12はフイルムチューブFを間にして前後に相
対向して設けられている。サイド案内板12は主案内板11
a、11bにより円筒状から次第にフラット状に案内される
フイルムチューブFの外周面の湾曲した両側面に接する
ように該フイルムチューブFの外周面に沿って、外方に
向かって折曲がった形状をなす。
即ち、各サイド案内板12は、インフレーションチュー
ブFの側端部を外側から抱持する3枚の側板12a〜12cか
らなり、中央の側板12aに対して左右の側板12b、12cが
翻転自在にヒンジ16を介して接続されている。
この中央の側板12aと左右の側板12b、12cとの開閉角
度を調整し固定するためのリンク17が、中央側板12aと
各左右側板12b、12c間に連結されている。
前記各サイド案内板12の取付け構造を次に説明する。
中央の側板12aの背面にT字形支持棒13の水平張出し
部13aの両端を取付け、この支持棒13の垂下部13bの下端
を、この案内装置10の機枠14に設けたブロック15に上下
位置調整自在に取付けると共に、このブロック15をフイ
ルムチューブFの前記湾曲面に対して接近離反自在に設
けてある。
必要に応じ、このサイド案内板12はフイルムチューブ
の引取方向に対してその上向き傾角が調整できるように
設けられている。
前記一対のサイド案内板12が上下2組階層的に設けて
あることが好ましい(第3図参照)。
更に、前記主案内板11a、11bの上縁と引取装置である
一対のピンチローラAのフイルム挾持部Bとの間に、第
2案内板19が配置してあり、この一対の板19の間隙は、
主案内板11a、11bの上部同士の離間寸法より若干狭くし
てある(第3図参照)。
前記のように構成した装置の作用は、この発明の作用
と同様であるためここでの説明は省略する。
また主案内板11a、11b及び各サイド案内板12の側板12
a、12b、12cのフイルムチューブとの接触面には、耐熱
フエルトなどの比較的保温性のある材料を貼付すること
が、エンジニアリングプラスチックのインフレーション
成形上望ましい。
次に、この発明のサイド案内板を使用した場合と使用
しない場合の成形結果を次に説明する ハ.発明の効果 以上のように構成した本発明のフイルム成形方法によ
ればインフレーションフイルムを平面状に引き取る際、
フイルムにしわや、たるみを生ぜず、PBT(=ポリブチ
レンテレフタレート)、PET(=ポリエチレンテレフタ
レート)、PC(=ポリカーボネート)、PS(ポスチレ
ン)などの溶融張力が弱く、溶融温度が高いエンジニア
リングプラスチックフイルムを均一厚さでインフレーシ
ョン成形できる。
また前記サイド案内板の傾斜角度を調整することで、
種々ブロー比のフラットチューブをインフレーション成
形できる。
前記一対のサイド案内板が上下2組階層的に設けてあ
ることを特徴とすることが好ましい。
前記主案内板の上縁と引取装置のフイルム挾持部との
間に、第2案内板19が配置してあり、この一対の板の間
隙は、主案内板の上部同士の離間寸法より狭くしてある
ことが、肉厚の均一化の上で好ましい。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明に係るもので、第1図はこの発明を実施す
るための装置の一例を示す概略正面図、第2図はその要
部平面図、第3図はその概略正面図及び第4図はサイド
案内板の取付け構造を示す斜視図である。 図中の主な符号 10……折畳み案内装置、11……主案内板、 12……サイド案内板。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブロー比及び成形されるチューブ寸法に応
    じて、一対の主案内板の傾斜角度及びこの主案内板に対
    して平面でみて直角に配列された一対のサイド案内板に
    おける中央の側板に対する両側の2枚の側板の開き角度
    を調整し、これら主案内板とサイド案内板により四方か
    ら囲まれた状態でフイルムチューブを案内し、 このようにして主案内板とサイド案内板で四方から囲ま
    れ放熱を均一化された状態でフイルムチューブを折り込
    んだ後、フラットチューブとして下流の引取装置の挾持
    部へ導くフイルムチューブのインフレーシヨン成形方法
    において、 前記フイルムチューブはエンジニアリングプラスチック
    であり、主案内板及びサイド案内板は溶融フイルムチュ
    ーブに対してフロストラインより上流側で接触を開始
    し、エンジニアリングプラスチックフイルムチューブを
    インフレーション成形することを特徴とするエンジニア
    リングプラスチック製フイルムチューブのインフレーシ
    ョン成形方法。
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