JP2789668B2 - 液状化抑止杭 - Google Patents

液状化抑止杭

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JP2789668B2
JP2789668B2 JP1112876A JP11287689A JP2789668B2 JP 2789668 B2 JP2789668 B2 JP 2789668B2 JP 1112876 A JP1112876 A JP 1112876A JP 11287689 A JP11287689 A JP 11287689A JP 2789668 B2 JP2789668 B2 JP 2789668B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液状化のおそれのある地盤に構造物を構築す
る場合などに利用され、地震、波浪などの振動外力によ
る液状化を防止するとともに、地盤の側方流動やすべり
を抑止するための液状化抑止杭に関するものである。
〔従来の技術〕
現用の液状化抑止手段としては、従来から多用されて
いる地盤締固め工法や、砕石ドレーン工法(特開昭56−
100919号公報、実開昭56−116434号公報参照)があり、
液状化の発生が予想される地盤に適用されている。さら
に、地盤内の間隙水を集排水する目的や液状化対策とし
て、パイプ周面にフィルターを設けた樹脂パイプは従来
から用いられていた。また、近年、地震時などにおける
地盤内の過剰間隙水を排水する目的で、鋼管などからな
る杭に多数の孔を穿設し、孔部に土砂の侵入を阻止する
通水性のあるフィルターを設け、排水効果に加え杭の強
度、剛性をも期待した中空孔あき杭(特開昭61−146910
号公報参照)、多孔質コンクリートパイル(特開昭61−
83711号公報参照)などが開発されている。この他、鋼
矢板に排水用鉛直管を添設したもの(特開昭62−146315
号公報参照)などもある。
〔発明が解決しようとする課題〕
地盤締固め工法は施工時に有害な振動を引き起こすな
どの問題点があり、また砕石ドレーン工法は目詰まりな
どにより排水効果が損なわれ、長期的な機能保持の保証
がない。
また、特開昭61−146910号の中空孔あき杭や、特開昭
61−83711号の多孔質コンクリートパイルは、排水用の
孔により、構造体としての杭本体の耐荷力が低下するこ
ととなる。
パイプ本体に小孔を有する樹脂パイプは強度、剛性が
小さいため、地震などによる地盤の不可測の側方流動
や、すべりに抵抗することはほとんど期待できないし、
パイプの鉛直方向への施工法としては、パイプ周囲のフ
ィルターの損傷防止のために、従来砕石ドレーン工法で
使われているものと同じケーシングパイプを用いた方法
によるなど施工法が限定される。
また、特開昭62−146315号の鋼矢板に排水用鉛直管を
添設したものは、鉛直管の下端から上端へ向け排水する
のみであり、液状化のおそれのある地盤の厚さにわたる
排水機能は有しておらず、液状化対策としての排水効果
に疑問がある。
本発明は上述のような従来技術における問題点を解決
することを目的としたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は杭の軸方向、すなわち液状化のおそれのある
地盤の厚さ方向に、多数の開孔部と土砂の排水用部材内
への侵入を防止するためのフィルターを備えた排水用部
材を1条または複数条設けたものである。
この排水用部材は、杭外周面側に開口する凹部を有
し、杭の長手方向に沿って取り付けることで、杭の外周
面との間に中空の排水空間を形成する。
また、排水用部材の開孔部は円形の孔、スリットなど
その形状は問わないが、開孔部の面積は排水用部材表面
積に対して所定の比率となっている。
いうまでもなく、上記フィルターは排水用部材の開孔
部に取付けられるもので、取付け方法はいかなる方法で
もよく、本発明の杭を地中に設置する際に、フィルター
が損傷しないようなものであればよい。また、フィルタ
ーを合成樹脂または金属からなる整形補強材により、排
水用部材の内面形状に合うよう整形し、排水用部材に容
易に装着することもできる。
排水用部材については、その断面形状(例えば円形、
矩形、三角形、コの字形、U字形他)、材質(鋼材、ア
ルミ材、合成樹脂他)は特に限定されず、本発明の杭を
地中に設置する際に、損傷を受けないものであればよ
い。
杭本体は鋼製のものが一般的であるが、杭または地盤
の耐震補強手段としての必要な強度を有するものであれ
ば、他の金属、合成樹脂、あるいはその他の材料からな
るものでもよい。
〔作 用〕
地震時などに地盤内に生じる過剰間隙水は排水用部材
の開孔部より侵入し、排水用部材内の間隙あるいは杭本
体と排水用部材間の間隙を通って排水され、杭周辺地盤
の液状化が抑止される。このとき、土砂の侵入は開孔部
のフィルターにより阻止される。
また、杭本体の強度、剛性の低下もなく地盤を拘束
し、さらに地盤の側方流動やすべりなどにも抵抗するこ
とができる。
〔実施例〕
次に、図示した実施例について説明する。
第1図〜第4図は杭本体1として鋼管を用い、排水用
部材として多数の小孔3を有し、内面に面状の目詰まり
防止用フィルター4を設けた溝形鋼2を杭本体1に溶接
した場合の例を示したものである。溝形鋼2の小孔3を
設けた部分の長さLは対象となる液状化層厚に対応する
長さ以上とし、孔3は個々の孔3の面積の和が、孔を穿
けた部分の溝形鋼2の表面積の5%程度以上となるよ
う、均等に設けている。なお、第1図の例では小孔3を
排水用部材としての溝形鋼2のウェブ部およびフランジ
部の双方に設けているのに対し、第2図の例ではウェブ
部のみに設けている。
第5図は本発明に係る第1図の杭Aを、軟弱地盤20、
液状化のおそれのある地盤21、支持地盤22にて構成され
た地盤に設置した場合の一例を示したものである。地震
の際に生じる液状化のおそれのある地盤21中の過剰間隙
水圧の上昇により、地中水は排水用部材としての溝形鋼
2の小孔3からフィルター4を通って侵入し、溝形鋼2
と杭本体1との間に形成される排水路5へ流入して排水
される。第5図中にはこの流れの経路を矢印で示してい
る。この作用により、本発明の杭A近辺の液状化のおそ
れのある地盤の過剰間隙水圧は低減し、地盤の液状化が
抑止される。フィルター4が排水路5内への砂の流入を
防ぐため、地震が繰返すごとに上記作用が働き、その都
度徐々に液状化のおそれのある地盤の強度を増加させる
ことができる。
第6図および第7図は排水用部材として、上述の溝形
鋼2に代え、角形鋼6に多数の小孔3を設け、角形鋼6
の内表面にフィルター4を設けたものを示したものであ
る。また、第8図および第9図は同じく半円部材7に多
数の小孔3を設け、その内表面にフィルター4を設けた
ものを示したものである。さらに、開孔部は丸い小孔に
限らず、第10図および第11図に示すように、半円部材7a
に多数のスリット3aを設けたものでもよい。
土砂流入防止用のフィルターとしては、合成繊維製の
ものや合成樹脂製のものが好ましく、例えばナイロン
製、ポリエチレンモノフィラメント製、ポリエステル製
などの経編布や、ポリプロピレン製、ポリエステル繊維
製などの不織布などを用いることができる。また、合成
繊維どうし、合成樹脂どうし、あるいは合成繊維と合成
樹脂を組み合せたり、重ね合せたりして、フィルターと
してもよい。例えば、薄い経編布や不織布からなる合成
繊維製のフィルターの片面または両面に、この合成繊維
製フィルターより高い強度を持ち、メッシュの大きい合
成樹脂製のフィルター、または合成繊維製フィルターよ
り高い強度を持ち、そのメッシュより大きい小孔を多数
有する合成樹脂製のネット(フィルター)を重ね合せて
補強したフィルターを用いることもできる。
フィルターとしての経編布や不織布などのメッシュ間
隔または間隙は、液状化防止などの対象とする地盤(一
般には砂地盤)の土の粒径分布を勘案して、土砂による
フィルターの目詰まりを起こさないように設定するのが
よい。このメッシュ間隔または間隙は、液状化の可能性
のある地盤で、土の粒径が特別大きく、比較的均一に分
布している地盤では1〜3mm程度に大きく設定すること
も可能であるが、こうした地盤は少なく、液状化の可能
性のある一般的な地盤では1〜3mm程度よりかなり小さ
く設定するのがよい。
液状化対策におけるフィルターの透水係数は、液状化
抑止杭の設置地盤にもよるが、一般に10-2cm/sec〜10-1
cm/sec程度以上のものが好ましい。
フィルターは孔部分のみに装着してもよいが、孔は多
数穿設されているので、排水用部材の内側(排水路側)
穿孔部分に全面的に装着する方が合理的である。この装
着方法としては、エポキシ系接着剤などの合成樹脂系接
着剤でフィルターを貼付してもよい。
フィルターは排水用部材の内面形状に合うよう整形す
れば、必ずしも排水用部材の内側に合成樹脂系接着剤な
どで貼付しなくてもよい。ただし、フィルターの整形に
は何らかの整形補強材を用いるのがよい。整形補強材と
しては、合成樹脂製のネットや金網などを用いることが
できる。すなわち、合成樹脂製のネットや金網などの整
形補強材を排水用部材の形状に合うよう整形しておい
て、それを骨組として合成樹脂製のフィターを整形補強
材に装着し、フィルターを整形することができる。
このように整形されたフィルターは、必ずしも全長に
わたって排水用部材内面に設ける必要はなく、本発明の
液状化抑止杭の供用時には排水用部材の穿孔部の内面に
できるだけ密着していて、運搬・施工時においても排水
用部材の穿孔部からフィルターがずれないようにすれば
よい。したがって、整形されたフィルターを排水用部材
に貼付によって固定しない場合には、第12図に示すよう
に、留め金具9などによりフィルター整形補強材8の上
下端などを排水用部材内に固定し、運搬時、施工時など
にフィルター4がずれないようにすればよい。
なお、第12図中、10は排水用部材としての溝形鋼2の
先端に設けた先端保護プレート、11および12は溝形鋼2
の上端に設け、上部からの土砂の侵入を阻止するための
フィルターおよびネットである。
フィルターの整形補強材を用いれば、フィルターの排
水用部材内への取り付けは、排水用部材の杭本体の取り
付け時に行うこともできるし、あらかじめ排水用部材を
杭本体に取り付けておき、その後、排水用部材と杭本体
間の空間にフィルターを挿入して行うこともできるの
で、排水用部材の杭本体への取り付け方法に応じて、フ
ィルターの排水用部材内への取り付け方法が柔軟に選択
できる利点が得られる。
以下、具体的に合成樹脂のネットや金網などからなる
整形補強材にフィルターを装着した例を第13図〜第15図
に示す。
フィルターの整形補強材は第13図に示すように平面状
のものでもよく、フィルター4は整形補強材8の片面に
装着してもよいし、その両面に装着してもよい。フィル
ター4をその片面に取り付け、ウェブ部のみ孔3の穿け
られた溝形鋼(第2図参照)に設けた一例が第12図であ
る。
整形補強材8が溝形鋼内の空間より小さく立体的に組
み立て、フィルター4をその4面または3面に装着した
例を第14図に示す。このフィルター4はウェブ部および
フランジ部に孔の穿けられた溝形鋼(第1図参照)に設
けるとよい。この場合も整形補強材8と一体となったフ
ィルター4は溝形鋼内に留め金具を利用して取り付けて
もよいし、整形補強材8が金網などの溶接可能な部材か
らなるときには、整形補強材8を溶接接合して、溝形鋼
に取り付けてもよい。
整形補強材8は第15図に示すように、溝形鋼内の空間
より小さく、その一面(杭本体側の)の部材を省略して
立体的に組み立ててもよい。この場合も、フィルター4
は整形補強材8の4面または3面に装着することができ
る。この形式の整形補強材8と一体となったフィルター
4も上述の例と同様に、留め金具または溶接接合により
溝形鋼に取り付けてもよい。整形補強材8により整形補
強されたフィルター4を溝形鋼内に取り付けたときの溝
形鋼2の水平断面図を第16図に示す。
第13図〜第15図においては、整形補強材8へのフィル
ター4の装着要領を示すため、フィルター4は部分的に
しか図示されていないが、もちろん実際には排水用部材
(ここでは溝形鋼を例示)の穿孔部の長さ以上に装着さ
れている。
また、以上に述べた排水用部材の材質は、鋼のみなら
ず、ポリエチレンなどの合成樹脂、ステンレス、アルミ
などいずれでもよい。排水用部材の杭本体への取付け
は、溶接接合、接着剤による接着接合、ろう付けなどに
よることができる。排水用部材は全長にわたって杭本体
と接合されている必要はなく、本発明の液状化抑止杭の
地盤への打設時に、排水用部材が杭本体から離脱しない
よう接合されていればよい。例えば、溝形鋼を杭本体に
取付ける場合、打設時の排水用部材の離脱という点から
は、少なくとも溝形鋼の上下端部を隅肉溶接しておけば
よいことが多い。この場合、溝形鋼の中間部と杭本体の
接触面には両者の不整から隙間ができ易い。この隙間が
できると、ここから排水路内に地盤の土砂が流入して排
水路をふさぐ懸念が生じる。また、地盤の液状化時に、
地盤の間隙水が排水用部材内の排水路を通じて排水され
るとき、間隙水の一部がこの間隙から流出し、排出水流
に乱れが生じ排水抵抗が大きくなるといった懸念もあ
る。
この場合の間隙を防ぐため、溝形鋼と杭本体の接触面
に合成樹脂あるいはスチレンブタジエンゴムまたはアス
ファルトを主成分とする止水剤を塗布すれば、簡易に排
水機構として十分な水密性を保つことができる。
止水剤のうち、より高い水密性が得られるのは吸水膨
潤性の止水剤である。この種の止水剤は、特殊ウレタン
などの合成樹脂を主成分とするもので、所定の部分にス
プレーまたは刷毛で塗布するだけでよい。塗膜は淡水や
海水に浸漬することにより膨潤し、厚みが8倍〜10倍程
度に増加する性質がある。液状化の可能性のある地盤に
は必ず水が存在するので、この吸水膨潤性が効果を発揮
することとなる。また、止水剤としてはこの他、粘弾性
的に固結した上記と同様の材質の吸水膨潤性を有する平
板状とした止水剤を、排水用部材と杭本体の接触面間に
用いることができる。この場合においても、上述の場合
と同様の止水効果が得られる。
止水剤としては、スチレンブタジエンゴムやアスファ
ルトを主成分とするものでも、排水用部材と杭の接触面
の水密性が得られる。この種の止水剤も所定の部分に塗
布し、その後、排水用部材を圧接して杭本体に取付けれ
ばよい。また、粘弾性的に固結した平板を排水用部材と
杭本体の接触面間に用い、その後、排水用部材を圧接し
て杭本体に取り付けてもよい。上記の平板の材質は、ゴ
ムやアスファルトなどを主成分とする粘弾性を有するも
のが望ましいが、これと同様に水密性が得られるものな
らいずれの止水剤を用いてもよい。
要は、排水要部材は杭本体から施工時などに離脱しな
いように杭本体に取付けられていればよいのであって、
排水用部材と杭本体の接触面において止水性が懸念され
る場合、必要な部分に止水剤を用いればよい。
以上の排水用部材の取付け方法を採用することによっ
て液状化抑止杭は合理的に製作され、製作コストの小さ
く、かつ排水信頼性に富む液状化抑止杭を提供すること
ができる。
以上に述べた本発明の液状化抑止杭の地盤の過剰間隙
水圧逸散効果を示す一例を第17図に示す。液状化抑止杭
は過剰間隙水圧の上昇を抑止するので、通常の杭に比べ
て極めて大きな耐震補強効果がある。
本発明の液状化抑止杭を地盤の耐震補強のために地盤
に設置した例を、第18図および第19図に示す。この例で
は、地震時、地盤の不可測の側方移動に抵抗できる液状
化抑止杭Aによって地盤21の過剰間隙水圧を逸散させる
ことができ、耐震補強効果の高い地盤を提供することが
できる。
護岸、岸壁などとして供用されるケーソン構造物23を
耐震補強した例を第20図に示す。捨石マウンド24下の液
状化のおそれのある地盤21aについては、円形すべりな
どに対処できるよう本発明の液状化抑止杭Aを用いてい
るが、ケーソン構造物23背面側の液状化のおそれのある
地盤21については、液状化抑止杭Bとして剛性の小さい
中空孔あき杭または孔あき管を用いてもよい。液状化抑
止杭A,Bの配置は一例のみを示したものであり、他の配
置としてケーソン構造物23の周囲に適当に液状化抑止杭
を設けることもできる。
第21図は建物25の基礎杭として本発明の液状化抑止杭
Aを用いた例を示したものである。この場合、排水用部
材を設けた排水対策を施した杭部分の長さは、少なくと
も液状化のおそれのある地盤21の地層厚以上であればよ
い。またこの場合、第22図に示すように液状化抑止杭A
を建物25の基礎杭として使うだけでなく、建物25の周囲
地盤に配設して建物25を補強してもよい。無論、建物の
周囲地盤の杭Bと建物の基礎杭Aは、杭径、杭長などの
仕様が異なってよい。
さらに、地盤の耐震補強のために建物周辺に設ける杭
Bは、本発明の液状化抑止杭Aと異なる構造の液状化抑
止杭を用いてもよい。すなわち、異なる構造の液状化抑
止杭としては、発明者が提案している、管本体に多数
の小孔を有し、管内側または管外側に土砂流入防止のた
めのフィルターを設けた中空孔あき杭または孔あき管、
管本体に孔を穿けず、管周面に管と一体化して成る排
水部材を設けた液状化抑止管、鋼棒などの周面に一体
化して成る排水部材を設けた液状化抑止部材などがあ
る。なお、この点は上述した第20図の実施例におけるケ
ーソン構造物背面側の杭についても同様である。
また、建物周辺地盤の耐震補強のためには従来の液状
化対策工法である、地盤を締固めるサンドコンパクショ
ンパイル工法や振動締固め工法を用いてもよいし、砕石
ドレーン工法、セメントや石灰を使った深層混合処理工
法を用いてもよい。
橋梁の基礎杭として本発明の液状化抑止杭を適用した
例を第23図に示す。この例においても、フーチング26の
周囲地盤の耐震補強として、そこにも本発明の液状化抑
止杭Aを用いて、橋梁の基礎の耐震補強性を高めてもよ
い。
さらに、第24図に示すように、フーチングの周囲地盤
の補強として、上述した建物の耐震補強の場合と同様に
本発明の液状化抑止杭Aと異なる構造の液状化抑止杭B
を併用してもよいし、従来の液状化対策工法を併用して
もよい。
〔発明の効果〕 開孔部が液状化のおそれのある地盤全層に存在し、
目詰まり防止機能を有する特殊なフィルターを用いるた
め、地震が繰返してきても液状化抑止機能を失うことな
く効果が持続する。
杭本体とは別に排水用部材を取付けるため、杭本体
の強度、剛性が低下しないので、地震時の地盤の側方流
動防止、すべり防止に適確に対応でき、構造物の基礎杭
としても効果的に使用することができる。
排水用部材などの杭本体への取付けは容易に行える
ので、低コストの液状化抑止杭を提供することができ
る。また、排水用部材と杭本体を一体化する際、全長に
わたっては接合しない場合、少なくとも接合しない部分
の排水用部材と杭本体の間に止水剤を塗布または設ける
ことにより、製作コストが低く、かつ排水信頼性に富む
液状化抑止杭を得ることができる。
フィルターの排水用部材内への取り付けは、整形補
強材を用いれば、排水用部材の杭本体の取り付け時に行
うこともできるし、あらかじめ排水用部材を杭本体に取
り付けておき、その後排水用部材と杭本体間の空間にフ
ィルターを挿入して行うこともでき、排水用部材の杭本
体への取り付け方法に応じて、柔軟に選択できる。
液状化抑止杭の地盤への設置には従来の杭の施工方
法がそのまま利用できるので、特殊な施工機械を設備す
る必要がない。
本発明の液状化抑止杭を基礎杭として用いる場合、
基礎杭周辺地盤を本発明の杭や従来工法を併用して耐震
補強することにより、地震に対して安全性の高い基礎構
造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の液状化抑止杭の一実施例
を示す斜視図、第3図はその鉛直断面図、第4図は同じ
く水平断面図、第5図は設置状況の一例を示す鉛直断面
図、第6図および第7図は排水部材として角形鋼を用い
た場合の水平断面図および斜視図、第8図および第9図
は排水用部材として半円部材を用いた場合の水平断面図
および斜視図、第10図および第11図は排水用部材として
半円部材を用い、開孔部をスリットとした場合の水平断
面図および斜視図、第12図は整形補強材を用いたフィル
ターの固定方法を示す鉛直断面図、第13図は平面状の整
形補強材へのフィルターの装着要領を示す正面図、第14
図は立体的な整形補強材へのフィルターの装着要領を示
す斜視図、第15図は整形補強材へのフィルターの装着要
領のもう一つの例を示す斜視図、第16図は整形補強材に
より整形された排水用部材としての溝形鋼の水平断面
図、第17図は液状化抑止杭の過剰間隙水圧逸散効果を示
すグラフ、第18図および第19図は本発明の液状化抑止杭
の液状化のおそれのある地盤への配置例を示す平面図お
よび鉛直断面図、第20図〜第24図は本発明の液状化抑止
杭を構造物の基礎杭などとして兼用する場合の各種実施
例を示す鉛直断面図である。 A,B……液状化抑止杭、 1……杭本体、2……溝形鋼、3……小孔、3a……スリ
ット、4……フィルター、5……排水路、6……角形
鋼、7,7a……半円部材、8……整形補強材、9……留め
金具、10……先端保護プレート、11……フィルター、12
……ネット、 20……軟弱地盤、21,21a……液状化のおそれのある地
盤、22……支持地盤、23……ケーソン構造物、24……捨
石マウンド、25……建物、26……フーチング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜田 浩 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−96018(JP,A) 特開 平1−226920(JP,A) 特開 昭62−211416(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 3/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】杭の少なくとも液状化の発生するおそれの
    ある地盤内に位置する所定区間に、多数の開孔部と前記
    地盤を構成する土砂の侵入を防ぐためのフィルターを備
    え、前記杭外周面側に開口する凹部を有する排水用部材
    を、前記杭の長手方向に沿って取り付け、前記杭の外周
    面と排水用部材との間に中空の排水空間を形成したこと
    を特徴とする液状化抑止杭。
  2. 【請求項2】前記杭の本体と前記排水用部材とは必ずし
    も一体的に接合せず、少なくとも前記杭本体と排水用部
    材の接合部以外の接触位置には、止水剤を塗布または設
    けたことを特徴とする請求項1記載の液状化抑止杭。
  3. 【請求項3】前記フィルターは合成樹脂または金属から
    なる補強材により、前記排水用部材の内面形状に合うよ
    う整形されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の液状化抑止杭。
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