JP2789477B2 - 二成分系静電荷像現像剤 - Google Patents
二成分系静電荷像現像剤Info
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- JP2789477B2 JP2789477B2 JP1147338A JP14733889A JP2789477B2 JP 2789477 B2 JP2789477 B2 JP 2789477B2 JP 1147338 A JP1147338 A JP 1147338A JP 14733889 A JP14733889 A JP 14733889A JP 2789477 B2 JP2789477 B2 JP 2789477B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、複写機、レーザープリンタ等の電子写真、
静電記録、静電印刷などにおける静電荷像の現像に用い
られる二成分系の現像剤に関する。
静電記録、静電印刷などにおける静電荷像の現像に用い
られる二成分系の現像剤に関する。
従来の技術 電子写真法は、従来から汎く知られており、例えば、
以下のようなステップを経て可視像が形成される。
以下のようなステップを経て可視像が形成される。
光導電性絶縁体層上をコロナ放電等により均一に帯
電せしめ、画像露光あるいはレーザー光の走査露光によ
り選択的に光を照射し、照射部の帯電を消散せしめて静
電潜像を形成する。
電せしめ、画像露光あるいはレーザー光の走査露光によ
り選択的に光を照射し、照射部の帯電を消散せしめて静
電潜像を形成する。
この潜像をトナーと呼ばれる現像剤により可視化し
て可視像を形成する(現像工程)。
て可視像を形成する(現像工程)。
可視像を直接あるいは他の紙などの基体に転写した
(転写工程)後、定着する(定着工程)。
(転写工程)後、定着する(定着工程)。
また、ピン電極により選択的に帯電せしめて静電潜像
を形成する方式なども知られている。
を形成する方式なども知られている。
いずれの場合においても、現像剤は、現像工程、転写
工程、定着工程の成否に大きな影響を与え、ひいては、
画像特性、装置のランニングコストなどを決定づけるこ
とから、きびしい特性が要求されている。
工程、定着工程の成否に大きな影響を与え、ひいては、
画像特性、装置のランニングコストなどを決定づけるこ
とから、きびしい特性が要求されている。
現像剤は、その構成から見て、トナーとキヤリアから
なる2成分系現像剤と、トナー自体にキャリアとしての
機能を具えた1成分系現像剤とに大別され、現像方式か
ら見てトナーが感光体の潜像担持部に付着される正規現
像方式と、トナーが潜像の非担持面に付着する反転現像
方式とに大別されるが、いずれの場合も現像剤の帯電特
性の制御法が重要な課題となる。
なる2成分系現像剤と、トナー自体にキャリアとしての
機能を具えた1成分系現像剤とに大別され、現像方式か
ら見てトナーが感光体の潜像担持部に付着される正規現
像方式と、トナーが潜像の非担持面に付着する反転現像
方式とに大別されるが、いずれの場合も現像剤の帯電特
性の制御法が重要な課題となる。
このようなトナーのバインダー樹脂として、ポリエス
テル樹脂が注目されている。例えば、特公昭63−43743
号公報には、酸価5〜60のポリエステル樹脂中に磁性微
粒子を含有させた負帯電磁性トナーを用いることによ
り、安定したカブリの少ない画像を形成することが報告
されている。しかし、酸価を調整するだけでは、十分な
帯電特性が得られず、特に帯電の立上り特性および帯電
の分布特性が悪い。
テル樹脂が注目されている。例えば、特公昭63−43743
号公報には、酸価5〜60のポリエステル樹脂中に磁性微
粒子を含有させた負帯電磁性トナーを用いることによ
り、安定したカブリの少ない画像を形成することが報告
されている。しかし、酸価を調整するだけでは、十分な
帯電特性が得られず、特に帯電の立上り特性および帯電
の分布特性が悪い。
帯電の立上り特性が悪いと、安定するまでに多くの時
間や攪拌を必要とし、コンパクトな現像装置の設計が困
難となり、また、トナー飛散による機内汚染が発生す
る。一方、帯電の分布特性が悪いと、スペントトナーの
発生により現像剤寿命が短くなり、また、画像にカブリ
が発生するなどして画質の安定化を実現することが難し
くなる。
間や攪拌を必要とし、コンパクトな現像装置の設計が困
難となり、また、トナー飛散による機内汚染が発生す
る。一方、帯電の分布特性が悪いと、スペントトナーの
発生により現像剤寿命が短くなり、また、画像にカブリ
が発生するなどして画質の安定化を実現することが難し
くなる。
特開昭63−68848号公報、同63−68849号公報、同63−
68850号公報、同63−68851号公報には、本発明のジオー
ル成分を含みOHV(水酸基価)/AV(酸価)が1.2以上(A
V/OHVが0.83以下)のポリエステル樹脂を用いた電子写
真現像剤を使用することにより、オフセットを防止して
低温度に定着でき、しかも、トナーの流動性を改良して
ブロッキング特性を改善しうることが報告されている。
また、上記各公報には、酸価を低下し過ぎるとポリエス
テル樹脂の摩擦帯電量が低下し、一方、酸価が大きくな
り過ぎるとトナーの環境安定性を損なうことから、酸価
が5〜60のポリエステル樹脂が従来から用いられている
ことが記載されている。
68850号公報、同63−68851号公報には、本発明のジオー
ル成分を含みOHV(水酸基価)/AV(酸価)が1.2以上(A
V/OHVが0.83以下)のポリエステル樹脂を用いた電子写
真現像剤を使用することにより、オフセットを防止して
低温度に定着でき、しかも、トナーの流動性を改良して
ブロッキング特性を改善しうることが報告されている。
また、上記各公報には、酸価を低下し過ぎるとポリエス
テル樹脂の摩擦帯電量が低下し、一方、酸価が大きくな
り過ぎるとトナーの環境安定性を損なうことから、酸価
が5〜60のポリエステル樹脂が従来から用いられている
ことが記載されている。
しかしながら、これら公報に記載の発明では、トナー
の帯電の制御方法が顧りみられておらず、実際、AV/OHV
が0.83以下のポリエステル樹脂をバインダーとして用い
たトナーでは十分な帯電の立上り特性および分布特性が
得られない。帯電特性が悪いと、現像器を小型化し、現
像剤の攪拌時間を短くした場合にキャリアとトナーとの
摩擦帯電が不足し、トナーの機内飛散が発生する。
の帯電の制御方法が顧りみられておらず、実際、AV/OHV
が0.83以下のポリエステル樹脂をバインダーとして用い
たトナーでは十分な帯電の立上り特性および分布特性が
得られない。帯電特性が悪いと、現像器を小型化し、現
像剤の攪拌時間を短くした場合にキャリアとトナーとの
摩擦帯電が不足し、トナーの機内飛散が発生する。
その他、ポリエステル樹脂を用いたトナーの定着特性
の改善については、特公昭59−11902号公報、同61−593
33号公報、特開昭63−225245号公報、同63−225246号公
報に記載されている。
の改善については、特公昭59−11902号公報、同61−593
33号公報、特開昭63−225245号公報、同63−225246号公
報に記載されている。
また、外添剤としてシリカ化合物を用いることによ
り、帯電の立上り特性を改善することが知られている
が、連続プリント時に帯電が上昇し、画像濃度の低下を
きたすことがある。
り、帯電の立上り特性を改善することが知られている
が、連続プリント時に帯電が上昇し、画像濃度の低下を
きたすことがある。
発明が解決しようとする課題 本発明は、帯電の立上り特性および分布特性が改善さ
れた静電荷像現像剤を提供するものである。
れた静電荷像現像剤を提供するものである。
発明の構成 本発明の二成分系静電荷像現像剤は、特定のトナーお
よびキャリアを組み合わせたことに特徴があり、トナー
は (a)以下の一般式(I)で示されるジオール成分と、 (b)二価のカルボン酸、その酸無水物またはその低級
アルキルエステルの少なくとも1種と、 (c)三価以上の多価カルボン酸、その酸無水物または
その低級アルキルエステルの少なくとも1種、または/
および三価以上の多価アルコール とを共縮重合したポリエステル樹脂であって、酸価を
AV、水酸基価をOHVとしたときに、AV/OHV=1.0〜1.5で
あり、AVが20〜35(KOHmg/g)の範囲にあるポリエステ
ル樹脂を、バインダーとして用いる。
よびキャリアを組み合わせたことに特徴があり、トナー
は (a)以下の一般式(I)で示されるジオール成分と、 (b)二価のカルボン酸、その酸無水物またはその低級
アルキルエステルの少なくとも1種と、 (c)三価以上の多価カルボン酸、その酸無水物または
その低級アルキルエステルの少なくとも1種、または/
および三価以上の多価アルコール とを共縮重合したポリエステル樹脂であって、酸価を
AV、水酸基価をOHVとしたときに、AV/OHV=1.0〜1.5で
あり、AVが20〜35(KOHmg/g)の範囲にあるポリエステ
ル樹脂を、バインダーとして用いる。
(式中の記号は以下のものを示す OR1,OR2:オキシエチレン基またはオキシプロピレン基 x,y:1以上の整数、但しx+yの平均値は2〜7) また、キャリアとしては、アミノ基を0.05〜2.0重量
%含むシリコーン重合体で被覆されたフェライトキャリ
アを使用する。
%含むシリコーン重合体で被覆されたフェライトキャリ
アを使用する。
上記のトナー組成によって、現像剤の立上り帯電特性
および帯電分布特性が改善されることについては同日付
の特許出願(発明の名称:静電荷像現像剤)で開示し
た。本発明は、このトナーにさらに特定のキャリアを組
み合わせることにより、立上り帯電特性をいっそう改善
したものである。
および帯電分布特性が改善されることについては同日付
の特許出願(発明の名称:静電荷像現像剤)で開示し
た。本発明は、このトナーにさらに特定のキャリアを組
み合わせることにより、立上り帯電特性をいっそう改善
したものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンにエチレンオキシドまた
はプロピレンオキシドが平均2〜7モル付加した(a)
特定のジオール成分と、(b)二価のカルボン酸類と、
(c)三価以上のカルボン酸類または/および三価以上
のアルコール類との共縮重合により得られる。
ヒドロキシフェニル)プロパンにエチレンオキシドまた
はプロピレンオキシドが平均2〜7モル付加した(a)
特定のジオール成分と、(b)二価のカルボン酸類と、
(c)三価以上のカルボン酸類または/および三価以上
のアルコール類との共縮重合により得られる。
(a)一般式(I)のジオール成分の具体例としては、
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.
3)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−
ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどを
挙げることができる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.
3)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−
ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどを
挙げることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、二価の他の
アルコール成分を併用することもできる。
アルコール成分を併用することもできる。
二価のアルコール成分としては、以下のものが例示さ
れる。
れる。
1)ジオール酸;エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなど。
コール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなど。
2)ビスフェノール類;ビスフェノールA、水素添加ビ
スフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノール
A、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエー
テル化ビスフェノール類(但し、本発明の範囲内のもの
を除く)など。
スフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノール
A、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエー
テル化ビスフェノール類(但し、本発明の範囲内のもの
を除く)など。
(b)二価のカルボン酸としては、二価カルボン酸、こ
の酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ
る。
の酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ
る。
二価カルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、
シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテ
ニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハ
ク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク
酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、
イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のア
ルキルまたはアルケニルコハク酸が挙げられる。
シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテ
ニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハ
ク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク
酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、
イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のア
ルキルまたはアルケニルコハク酸が挙げられる。
(c)成分のうち、三価以上のカルボン酸としては、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチ
レンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリ
カルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット
酸、エンポール三量体酸などが例示される。これらの酸
無水物または低級アルキルエステルも使用できる。
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチ
レンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリ
カルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット
酸、エンポール三量体酸などが例示される。これらの酸
無水物または低級アルキルエステルも使用できる。
(c)成分のうち、三価以上のアルコール類として
は、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4
−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタン
トリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロー
ル、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、
2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒド
ロキシメチルベンゼンなどが用いられる。
は、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4
−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタン
トリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロー
ル、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、
2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒド
ロキシメチルベンゼンなどが用いられる。
三価以上のカルボン酸類および/または三価以上のア
ルコール(フェノール)を共縮重合成分の1部として用
いて共縮重合することにより、ポリエステル樹脂が架橋
する。この架橋の程度は、特開昭63−68848号公報に記
載されているように酢酸エチル不溶分として、あるいは
クロロホルム不溶分などとして表わすことができる。例
えば後述の実施例では、さらに二価のカルボン酸類とし
て芳香族カルボン酸と脂肪族カルボン酸(アルキルまた
はアルケニルコハク酸)とを併用して、クロロホルム不
溶分25%の樹脂を得ている。
ルコール(フェノール)を共縮重合成分の1部として用
いて共縮重合することにより、ポリエステル樹脂が架橋
する。この架橋の程度は、特開昭63−68848号公報に記
載されているように酢酸エチル不溶分として、あるいは
クロロホルム不溶分などとして表わすことができる。例
えば後述の実施例では、さらに二価のカルボン酸類とし
て芳香族カルボン酸と脂肪族カルボン酸(アルキルまた
はアルケニルコハク酸)とを併用して、クロロホルム不
溶分25%の樹脂を得ている。
本発明のポリエステル樹脂においては、酸価(AV)と
水酸基価(OHV)との比AV/OHVが1.0〜1.5、好ましくは
1.1〜1.4にあることが必要である。
水酸基価(OHV)との比AV/OHVが1.0〜1.5、好ましくは
1.1〜1.4にあることが必要である。
AV/OHV比が1.0未満であると、トナー帯電の立上り特
性および分布特性が十分に改善されない。一方、この比
率が1.5を超えると、反応のコントロールが難しく、ト
ナー用バインダーとしての安定した性能のポリエステル
樹脂を得ることができない。
性および分布特性が十分に改善されない。一方、この比
率が1.5を超えると、反応のコントロールが難しく、ト
ナー用バインダーとしての安定した性能のポリエステル
樹脂を得ることができない。
また、本発明のポリエステル樹脂では、AVが20〜35
(KOHmg/g)、好ましくは20〜30であることが必要であ
る。AVが20未満であると、本発明のポリエステル樹脂の
負帯電特性の利点を十分に引き出すことができない。一
方、AVが35を超えると、湿度の影響を強く受け、特に高
湿時にQ/M(単位重量当りの帯電量)が上昇し、画像濃
度が低下する傾向が強くなる。
(KOHmg/g)、好ましくは20〜30であることが必要であ
る。AVが20未満であると、本発明のポリエステル樹脂の
負帯電特性の利点を十分に引き出すことができない。一
方、AVが35を超えると、湿度の影響を強く受け、特に高
湿時にQ/M(単位重量当りの帯電量)が上昇し、画像濃
度が低下する傾向が強くなる。
ポリエステル樹脂の酸価、水酸基価は、JIS K 0070に
規定される方法に準じて測定される。
規定される方法に準じて測定される。
ポリエステル樹脂におけるAV/OHV比、AV値の調整は、
共縮重合反応において、−OH成分全体より、カルボン酸
成分全体を官能基数について多く用いることにより、ま
た、共縮重合が進行するにつれて末端官能基が減少する
ことから、重合度を調整することにより行える。ポリエ
ステル樹脂は、前述の公開特許公報に記載されているよ
うな、公知の共縮重合反応によって製造される。
共縮重合反応において、−OH成分全体より、カルボン酸
成分全体を官能基数について多く用いることにより、ま
た、共縮重合が進行するにつれて末端官能基が減少する
ことから、重合度を調整することにより行える。ポリエ
ステル樹脂は、前述の公開特許公報に記載されているよ
うな、公知の共縮重合反応によって製造される。
本発明のポリエステル樹脂に、従来から知られている
ような着色剤、電荷制御剤、オフセット防止剤などを添
加し、所望の粒径のトナーを得ることができる。
ような着色剤、電荷制御剤、オフセット防止剤などを添
加し、所望の粒径のトナーを得ることができる。
着色剤としては、各種カーボンブラック、フタロシア
ニンブルー、ローダミン、ベンジジンイエロー等が挙げ
られる。
ニンブルー、ローダミン、ベンジジンイエロー等が挙げ
られる。
電荷制御剤としては、ニグロシン系染料、トリフェニ
ルメタン系染料、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染
料などが用いられる。
ルメタン系染料、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染
料などが用いられる。
オフセット防止剤としては、パラフィンワックス、低
分子量ポリオレフィン等が用いられる。
分子量ポリオレフィン等が用いられる。
キャリアとしては、アミノ基を含有するシリコーン重
合体で被覆されたフェライトキャリアが用いられる。前
述のように特定のポリエステル樹脂をバインダーとする
ことにより、トナーの負帯電特性が得られている。これ
に対し、アミノ基を導入したシリコーン重合体でフェラ
イトキャリアを被覆することにより、キャリアとトナー
との摩擦で短時間に目的とした帯電量を得ることができ
る。これは、AVおよびAV/OHV比を特定したポリエステル
樹脂とアミノ基含有シリコーン重合体が正反対の帯電性
を示すことから、たやすくトナーに電荷が付与されるた
めと考えられる。また、多数枚連続現像後に、画像濃度
が低下することも防止される。さらに、帯電の分布特性
が優れており、逆極性に帯電するトナーや異常に強く負
帯電するトナーの発生が防止されており、特に反転現像
用トナーとして好適である。
合体で被覆されたフェライトキャリアが用いられる。前
述のように特定のポリエステル樹脂をバインダーとする
ことにより、トナーの負帯電特性が得られている。これ
に対し、アミノ基を導入したシリコーン重合体でフェラ
イトキャリアを被覆することにより、キャリアとトナー
との摩擦で短時間に目的とした帯電量を得ることができ
る。これは、AVおよびAV/OHV比を特定したポリエステル
樹脂とアミノ基含有シリコーン重合体が正反対の帯電性
を示すことから、たやすくトナーに電荷が付与されるた
めと考えられる。また、多数枚連続現像後に、画像濃度
が低下することも防止される。さらに、帯電の分布特性
が優れており、逆極性に帯電するトナーや異常に強く負
帯電するトナーの発生が防止されており、特に反転現像
用トナーとして好適である。
アミノ基含有シリコーン重合体は、アミノ基を0.05〜
2.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%含有する。シリ
コーン重合体中のアミノ基の含有量が0.05重量%未満で
あると上述の効果が十分に得られず、一方、2.0重量%
を超えるとトナーが強く帯電しすぎて画像濃度が低下し
てしまう。
2.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%含有する。シリ
コーン重合体中のアミノ基の含有量が0.05重量%未満で
あると上述の効果が十分に得られず、一方、2.0重量%
を超えるとトナーが強く帯電しすぎて画像濃度が低下し
てしまう。
シリコーン重合体は、性状が樹脂でもオイルでもよ
く、例えば以下の一般式(II)および(III)で表示さ
れるものが例示される。
く、例えば以下の一般式(II)および(III)で表示さ
れるものが例示される。
シリコーン重合体によるフェライトキャリアの被覆
は、例えば、シリコーン重合体を適当な溶媒に溶解し、
キャリアに噴露して乾燥すればよい。
は、例えば、シリコーン重合体を適当な溶媒に溶解し、
キャリアに噴露して乾燥すればよい。
このキャリアとトナーとを混合することにより、本発
明の二成分系現像剤が得られる。また、疎水性シリカ等
の外添剤を添加することもできる。
明の二成分系現像剤が得られる。また、疎水性シリカ等
の外添剤を添加することもできる。
発明の効果 本発明によれば、特定のジオール成分と多価カルボン
酸とを共縮重合させた、AV/OHV=1.0〜1.5、AV=20〜35
のポリエステル樹脂をバインダーとするトナーと、アミ
ノ基含有シリコーン重合体で被覆されたフェライトキャ
リアとを組み合わせて二成分系の静電荷像現像剤とする
ことにより、帯電の立上り特性を改善することができ
る。よって、短い攪拌時間でトナーが十分に帯電し、ト
ナーの機内飛散が防止され、現像装置の小型化、ひいて
は装置全体のコンパクト化が可能となる。また、多数枚
連続現像後にも、画像濃度が大きく低下することがな
い。
酸とを共縮重合させた、AV/OHV=1.0〜1.5、AV=20〜35
のポリエステル樹脂をバインダーとするトナーと、アミ
ノ基含有シリコーン重合体で被覆されたフェライトキャ
リアとを組み合わせて二成分系の静電荷像現像剤とする
ことにより、帯電の立上り特性を改善することができ
る。よって、短い攪拌時間でトナーが十分に帯電し、ト
ナーの機内飛散が防止され、現像装置の小型化、ひいて
は装置全体のコンパクト化が可能となる。また、多数枚
連続現像後にも、画像濃度が大きく低下することがな
い。
実 施 例 一般式(I)のビスフェノールAポリオキシエチレン
付加物(平均付加モル数2.2)10重量部、テレフタル酸
5重量部、アルケニルコハク酸3重量部、無水トリメリ
ット酸2重量部を共縮重合させて以下の性状のポリエス
テル樹脂を製造した。
付加物(平均付加モル数2.2)10重量部、テレフタル酸
5重量部、アルケニルコハク酸3重量部、無水トリメリ
ット酸2重量部を共縮重合させて以下の性状のポリエス
テル樹脂を製造した。
酸価AV=28.0(KOHmg/g) 水酸基価OHV=22.0(KOHmg/g) AV/OHV=1.27 軟化点:128℃ ガラス転移点Tg:60℃ クロロホルム不溶分:25% ここで、酸価および水酸基価は、JIS K 0070に準拠し
て測定した。但し、酸価は溶媒としてジオキサンを用
い、水酸基価は、アセチル化時間を2時間とた。
て測定した。但し、酸価は溶媒としてジオキサンを用
い、水酸基価は、アセチル化時間を2時間とた。
また、軟化点はフローテスタで半分流出する温度とし
た。
た。
このポリエステル樹脂を用いて以下の組成で計量、混
合した。
合した。
ポリエステル樹脂 85重量% ポリプロピレンワックス550P 5重量% カーボンブラック(リーガル400R) 9重量% 電荷制御剤(ボントロンS−34) 1重量% この混合物を混練後、ジェットミルで5〜25μmに粉
砕し、トナーを得た。
砕し、トナーを得た。
ジオール成分と二価カルボン酸および多価カルボン酸
成分との使用比率を変える以外は上記と同様の操作を繰
り返し、AV=23,OHV=20,AV/OHV=1.13のポリエステル
樹脂をバインダーとするトナーを製造した。
成分との使用比率を変える以外は上記と同様の操作を繰
り返し、AV=23,OHV=20,AV/OHV=1.13のポリエステル
樹脂をバインダーとするトナーを製造した。
一方、平均粒径70μmのフェライトキャリア5000gに
対し、アミノ基含有シリコーン樹脂液(固形分50%、ト
ルエン50%)40gおよびトルエン1000gを用い、80〜95℃
の条件下で循環流動化ベッド法によってスプレーコーテ
ィングし、乾燥後、200℃の高温炉内において30分間硬
化した。炉から取り出した後、80メッシュの篩を通して
凝集性をほぐし、アミノ基含有シリコーン樹脂被覆フェ
ライトキャリアを得た。ここで、アミノ基含有シリコー
ン樹脂中としてはSR2411(トーレ・シリコーン)にアミ
ノ変性ジメチルシリコーンオイルを添加したものを用
い、後記の表−1のように種々のアミノ基含有量につい
てそれぞれキャリアを調製した。
対し、アミノ基含有シリコーン樹脂液(固形分50%、ト
ルエン50%)40gおよびトルエン1000gを用い、80〜95℃
の条件下で循環流動化ベッド法によってスプレーコーテ
ィングし、乾燥後、200℃の高温炉内において30分間硬
化した。炉から取り出した後、80メッシュの篩を通して
凝集性をほぐし、アミノ基含有シリコーン樹脂被覆フェ
ライトキャリアを得た。ここで、アミノ基含有シリコー
ン樹脂中としてはSR2411(トーレ・シリコーン)にアミ
ノ変性ジメチルシリコーンオイルを添加したものを用
い、後記の表−1のように種々のアミノ基含有量につい
てそれぞれキャリアを調製した。
ついで、このキャリアと上記トナーとを、ナウターミ
キサで混合して二成分現像剤を製造した。
キサで混合して二成分現像剤を製造した。
これら各現像剤について、トナーの機内飛散および画
像濃度(表−1)、立上り特性(第1図)を評価した。
各評価方法および結果は以下の通りである。
像濃度(表−1)、立上り特性(第1図)を評価した。
各評価方法および結果は以下の通りである。
(1)トナーの機内飛散および画像濃度 京セラ(株)製のレーザープリンタF−800を用い、1
0万枚プリント後に目視で観察し、以下の基準で機内飛
散を評価した。
0万枚プリント後に目視で観察し、以下の基準で機内飛
散を評価した。
判定基準 ◎:全く飛散しない ○:飛散良好 △:少し飛散有り ×:飛散大 また、画像濃度は、イニシャル(1枚目)および10万
枚現像後について、マクベス濃度計で測定した。
枚現像後について、マクベス濃度計で測定した。
以上の結果を表−1に示した。
(2)立上り特性 ロッキングミキサで現像剤を攪拌し、Q/M(μC/g)を
ブローオフ法で測定し、その結果を第1図に示した。な
お、第1図中の記号1〜5は、上記表−1の〜に対
応する。
ブローオフ法で測定し、その結果を第1図に示した。な
お、第1図中の記号1〜5は、上記表−1の〜に対
応する。
第1図は、攪拌回数とQ/M(μC/g)との関係を示すグラ
フであり、現像剤の立上り帯電特性を表わしている。
フであり、現像剤の立上り帯電特性を表わしている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 謙二 三重県度会郡玉城町野篠字又兵衛704番 地19 京セラ株式会社三重玉城工場内 (56)参考文献 特開 昭62−195677(JP,A) 特開 昭63−68849(JP,A) 特開 昭63−198077(JP,A) 特開 昭54−21729(JP,A) 特開 昭62−127749(JP,A) 特開 平1−147478(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/087 G03G 9/113
Claims (1)
- 【請求項1】(a)一般式(I) (式中の記号は以下のものを示す OR1,OR2:オキシエチレン基またはオキシプロピレン基 x,y:1以上の整数、但しx+yの平均値は2〜7) で示されるジオール成分と、 (b)二価のカルボン酸、その酸無水物またはその低級
アルキルエステルの少なくとも1種と、 (c)三価以上の多価カルボン酸、その酸無水物または
その低級アルキルエステルの少なくとも1種、または/
および三価以上の多価アルコール とを共縮重合したポリエステル樹脂であって、該ポリエ
ステル樹脂の酸価をAV、水酸基価をOHVとしたときに、A
V/OHV=1.0〜1.5であり、かつ、AVが20〜35(KOHmg/g)
の範囲にあるポリエステル樹脂をバインダーとして用い
たトナーと、 アミノ基を0.05〜2.0重量%を含むシリコーン重合体で
被覆されたフェライトキャリア とを含有することを特徴とする二成分系静電荷像現像
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1147338A JP2789477B2 (ja) | 1989-06-09 | 1989-06-09 | 二成分系静電荷像現像剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1147338A JP2789477B2 (ja) | 1989-06-09 | 1989-06-09 | 二成分系静電荷像現像剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0312663A JPH0312663A (ja) | 1991-01-21 |
JP2789477B2 true JP2789477B2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=15427920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1147338A Expired - Lifetime JP2789477B2 (ja) | 1989-06-09 | 1989-06-09 | 二成分系静電荷像現像剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2789477B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6228550B1 (en) * | 1998-06-16 | 2001-05-08 | Ricoh Company, Ltd. | Two-component developer |
-
1989
- 1989-06-09 JP JP1147338A patent/JP2789477B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0312663A (ja) | 1991-01-21 |
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