JP2789350B2 - ステンレス鋼帯の光輝焼鈍方法及び装置 - Google Patents

ステンレス鋼帯の光輝焼鈍方法及び装置

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JP2789350B2 JP1152230A JP15223089A JP2789350B2 JP 2789350 B2 JP2789350 B2 JP 2789350B2 JP 1152230 A JP1152230 A JP 1152230A JP 15223089 A JP15223089 A JP 15223089A JP 2789350 B2 JP2789350 B2 JP 2789350B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光輝焼鈍するステンレス鋼帯にシワや波形の
変形等の形状崩れやこの形状崩れによつて装置内で接触
疵などを生じさせることのないステンレス鋼帯の光輝焼
鈍方法及びこの光輝焼鈍方法を実施するのに好適な光輝
焼鈍装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の光輝焼鈍装置は、特公昭49−11967号,特公昭5
7−3733号,特開昭61−250117号,特開昭62−177126
号,特開昭62−290830号等に開示されているように、炉
本体の他に電力供給装置や冷却器(クーラ)を含めた雰
囲気ガスの供給装置などから成り、更にこの炉本体内が
加熱炉(焼鈍炉)を有する加熱帯と冷却用の雰囲気ガス
を噴出するノズル等々を有する冷却帯と金属帯の通路と
してのシユート部から構成されている。この冷却帯など
から炉本体内の全域に雰囲気ガスを送気しながら加熱帯
において燃料の燃焼によつて発生する熱源を用いること
なく発熱体(抵抗体)に通電して発生する熱源により連
続通板する金属帯を加熱し、炉本体内での金属帯表面の
酸化による表面光沢の劣化を防止しながら金属帯を連続
焼鈍するために使用する装置であり、このため炉本体内
に送気されるガス(以下、単に炉内ガスと言うことがあ
る)の成分は還元性雰囲気であることが必要であり、水
素ガスを主体としたものが用いられている。その結果、
炉本体は外気の侵入を防止する密封構造にすることが必
要であり、一般に用いられる炉内ガスとしては例えば目
標組成Hz:75%+Nz:25%のブレンドガスが使用されてお
り、操業中は常時−60℃以下の露点(温度)を有する雰
囲気ガスを炉本体内に少量づつ供給しほぼ等量の炉内ガ
スを炉本体内から、特に炉本体の金属帯出入口から、炉
本体外へ向けて排出させながら大気圧より水柱で60mm程
度高目の炉圧を保つように制御して、この出入口から外
気が炉本体内へ侵入し炉内における炉内ガスの露点を上
昇させることがないようにしている。この炉内ガスの露
点の上昇によりガスの還元能力が低下して炉本体内で焼
鈍中の金属帯表面が酸化を受けて光輝度を失ない着色さ
れることがないように、この露点を−40℃以下ち保持し
ているのである。そして、このような光輝焼鈍装置にお
いては、炉本体内の加熱帯で加熱された金属帯が高温の
まま出口を経て大気中に曝されることにより金属帯の表
面が酸化されることを防止するために加熱帯に続いて冷
却用の雰囲気ガスが噴出し充満している冷却帯が設けら
れているのが通常であつた。
しかしながらこのような従来の光輝焼鈍装置において
は、炉本体の全域を炉内ガス雰囲気とするために炉本体
を外気の侵入を防止する密封構造にしなければならない
と共に特に大きな容積の加熱帯内や冷却帯内の全体を炉
内ガス雰囲気としなければならないから高価な炉内ガス
の使用量が多くなるので不経済であるばかりか、発熱体
に通電して発生する熱源を使用して加熱を行うために炉
内耐火物として高級ハイアルミナ煉瓦を使用せねばなら
ず且つ発熱体(抵抗体)としてもモリブデン等の非常に
高価な材料を用いねばならず、その上熱源として電力を
使用するためにエネルギコストも高価となるという欠点
があつた。
そこで近年、同様に金属帯を連続的光輝焼鈍するため
に、気密に保たれた円筒状等の金属製マツフルとその外
周に加熱室を設置して概略構成された加熱帯を使用し、
マツスル内に雰囲気ガスを送気しながら安価な燃料の燃
焼熱によつてマツフル外周面を加熱して発生するマツフ
ルの内壁面からの輻射熱によりマツフル内を連続通板す
る金属帯を加熱する間接的加熱方式の光輝焼鈍装置が使
用されるようになつてきた。このマツフル型の光輝焼鈍
装置の構造は第4図に示すように、長い筒型のマツフル
1a′及び或る程度の間隔を保つてマツフル1a′を囲む炉
体1b′で形成されている加熱室1c′から成る加熱帯1′
と、この加熱帯1′に続いて設けられている冷却帯3
と、案内ロール4及びシユート5等から構成されてい
る。また加熱室1c′は、供給された燃料をバーナ1d′に
よつて燃焼させるか、又は炉体1b′の内側に通電により
発熱する発熱体(図示せず)が設けられていて、これら
の熱源によりマツフル1a′の外周面を加熱する構造を成
している。
さて、以上に説明した従来のいずれの光輝焼鈍装置を
用いた加熱方式においても、金属帯Sが加熱帯1′で所
定の(温度×時間)に加熱され焼鈍を受けた後に直ちに
冷却帯3で常温付近まで冷却されるように、その加熱と
冷却とが各帯1′,3において単純に且つ明確に区分され
て実施される方式となつているが、以下に説明するよう
にこの加熱から冷却される過程が非常に重要なのであ
る。
具体的に、金属帯のうちのステンレス鋼帯Sを光輝焼
鈍する場合について説明すると、冷間圧延により加工硬
化しているものを軟化して要求される機械的性質等の材
質調整や改善などを満たすために、つまり種々な焼鈍目
的を達成するために、その鋼種や寸法(板厚×板幅)に
応じて所定の焼鈍条件〔所定の(温度×時間)、例えば
(1000±10℃)×60sec)〕が経験条件も踏まえて設定
されている。このような所定の焼鈍条件がかなえられる
ように、実際には通板中のステンレス鋼帯Sの材料温度
とか炉壁温度とか炉内雰囲気温度のほかにステンレス鋼
帯Sの通板速度が設定され、これらの連続通板設定条件
に従つて光輝焼鈍されるのである。
その際、従来の光輝焼鈍装置やマツフル型の光輝焼鈍
装置を用いてステンレス鋼帯Sの加熱,冷却した時の温
度の経時変化(ヒートサイクル)を曲線として第3図に
示す。従来はいずれの装置を用いて光輝焼鈍した場合
も、曲線Cに示すように加熱帯1′で所定温度まで加熱
された後に冷却帯3に入つてかなり急激に冷却されるの
で、ステンレス鋼帯Sにシワや波形の変形等の形状崩れ
が生じていたのである。このような形状崩れは、光輝焼
鈍以前のステンレス鋼帯Sの製造履歴,冷間圧延時の形
状悪化や形状崩れを発生させる潜在要因などにもよるが
これらを一層助長する状態に出現し、特にこのステンレ
ス鋼帯Sの板厚が0.3mm以下の薄口になる程顕著な状態
に出現していたのである。そのため光輝焼鈍する際のス
テンレス鋼帯Sの加熱,冷却時の経時変化曲線として
は、第3図の曲線Bのように所定温度に加熱された後は
形状崩れを出現させない範囲で徐々に冷却されるものが
理想とされるのである。そこでこのような経時変化が達
成されるように、従来は加熱帯1′の後に或る程度の長
さの徐冷帯が冷却帯3とは別途に設けられているもの
や、冷却帯3をかなり長くし徐冷対策を施こした構造の
ものが多かつたのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら従来のマツフル型の光輝焼鈍装置におい
ては、ステンレス鋼帯Sの加熱,冷却時の経時変化曲線
を理想とする第3図の曲線Bのような状態で光輝焼鈍す
るためには、或る程度の長さの徐冷帯や長い冷却帯3を
設ける必要があるために、装置が長(高)く且つ大型化
するという問題点があつた。
従つて、加熱帯1′に供給されるのと同様に徐冷帯や
冷却帯3及びシユート5内にも供給される雰囲気ガスが
より多量に必要となり余分に消費されるばかりでなく、
雰囲気ガスの供給,冷却及び熱交換等の装置の大型化や
それらの各装置における消費動力の増大などの問題点も
あつた。また、一般に光輝焼鈍において、ステンレス鋼
帯Sを加熱する温度は約800〜1,100℃の高温であるのに
対して冷却帯3でステンレス鋼帯Sに吹き付ける冷却用
雰囲気ガス風(以下、単に冷却風ということがある)の
温度は装置外のクーラで冷却されて約40〜50℃程度であ
り、このような大きな温度差がある冷却風を使用してス
テンレス鋼帯Sに形状崩れを出現させない範囲でその冷
却温度或いは冷却速度を調整し極力能率良く光輝焼鈍し
ようとすると、冷却風の風量,風圧のステンレス鋼帯S
の幅方向及び長手方向への分布等を微妙に且つ頻繁に変
更しなければならず、そのためかかる調整が困難で特に
薄口のステンレス鋼帯Sの形状崩れが出現防止には至ら
なかつた。
更に、この冷却風のコントロールが非常に困難でステ
ンレス鋼帯Sに振動やバタツキによる形状不良や炉壁と
の接触による接触疵が発生し易く、このような問題点を
解消するために冷却帯3にガイドロールを設けて振動等
を防止しようとするとステンレス鋼帯Sとガイドロール
とがスリツプしてステンレス鋼帯Sの表面に疵が生じ易
く且つガイドロールが摩耗してその交換作業等も必要に
なつてくるという問題点があつた。
そこで本発明は、ステンレス鋼帯Sをマツフル型の光
輝焼鈍装置において光輝焼鈍する際に、ステンレス鋼帯
Sにシワや変形等の形状崩れやこの形状崩れなどに起因
して装置内で接触疵を生じさせることがなく品質向上を
可能にし、且つ或る程度の長さの徐冷帯や長さの長い冷
却帯を必要とせずに装置の小型化が可能となるステンレ
ス鋼帯の光輝焼鈍方法及びこの方法の実施に好適な光輝
焼鈍装置を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
このような課題を解決するために、本発明者は加熱帯
における昇温を早めて焼鈍を行い引き続き同加熱帯内で
形状崩れを出現させない範囲で徐々に加熱温度を低下さ
せるようにし、ステンレス鋼帯Sの加熱帯における加
熱,徐冷の経時変化が第3図の経時変化曲線Aに示すよ
うにステンレス鋼帯Sが冷却帯に到達した時には形状崩
れを出現させない程度に温度がかなり低くなつているよ
うにすれば、徐冷帯をがわざわざ設置しなくとも或いは
冷却帯を長くしなくとも充分に良好な光輝焼鈍処理が可
能なことに着目して種々検討した。しかしながらマツフ
ル型の光輝焼鈍装置における光輝焼鈍は、前述のように
加熱方式が一旦マツフルを加熱してそのマツフル内壁面
からの輻射熱によつてステンレス鋼帯Sを加熱する間接
加熱方式であり、しかもマツフル1a′が長い筒状である
ことから加熱室1c′もマツフルの長手(上下)方向に連
続した長い一つの室となつているためマツフル1a′の長
手(上下)方向の温度コントロールが困難でありこの長
手(上下)方向に所定の温度勾配を設定することが出来
ず、従つてステンレス鋼帯Sの加熱帯及び冷却帯におけ
る加熱及び冷却を理想とする経時変化曲線Aのようにす
ることが困難であつた。
そこで本発明者は更に種々検討した結果、長い一つの
室の加熱室で構成されていた加熱帯をマッフルの長手方
向(上下)方向に沿って短く複数の分割して各々に独立
した加熱室を形成せしめ、外気とも加熱室同士の雰囲気
とも遮断状態にある各加熱室の加熱温度をそれぞれ調節
し、ステンレス鋼帯の加熱帯入側の加熱室はその室内
(炉内)温度がマツフル内を連続通板する当該鋼帯の急
速加熱且つ焼鈍に適するように高温にすると共に引続き
設けられた出側の加熱室はその温度が当該鋼帯の徐冷に
適するように入側のそれよりも低下せしめるようにして
それぞれ長い筒状マツフルの相当部位を加熱すれば、マ
ツフルの長手(上下)方向の温度を容易に調節出来るよ
うになり、従つてこの長手(上下)方向に所定の温度勾
配が設定可能となり、マツフル内を連続通板するステン
レス鋼帯の温度を所定の焼鈍条件を満たすべき目標とす
る温度に速やかに昇温せしめることが出来ると共に理想
とする加熱と徐冷の経時変化が得られ、更に冷却帯をも
含めて同じく理想とする加熱と冷却の経時変化が得られ
て理想とする光輝焼鈍が行えるようになつて、ステンレ
ス鋼帯にその形状崩れや接触疵を生じさせることがなく
なることを究明して本発明を完成したのである。
以下、図面に基づいて本発明に係るステンレス鋼帯の
光輝焼鈍方法及び装置の詳細を説明する。
第1図は本発明に係る光輝焼鈍装置の概略断面図、第
2図は本発明装置の他の実施例における加熱帯の分割位
置の拡大断面図、第3図は本発明装置と従来装置との加
熱帯及び冷却帯における加熱,徐冷及び冷却時のステン
レス鋼帯温度の経時変化を示す曲線のグラフである。
以下、本発明に係るステンレス鋼帯の光輝焼鈍方法及
びこの方法の実施に好適な装置を簡単に説明するため
に、加熱帯(加熱室)を2分割した場合の1実施例につ
いて説明する。
図面中、Sは光輝焼鈍されるステンレス鋼帯、1は当
該鋼帯Sの加熱帯入側に位置する第一加熱帯であつて、
筒状のマツフル1aとこの外周面と間隔を保つて囲むよう
に設けられている炉体1bとによつて加熱室1cが形成され
ており、炉体1bの内壁にはバーナ1d又は通電による発熱
体が設置されている。2は加熱帯出側に位置する第二加
熱帯であつて、第一加熱帯1と同様に筒状マツフル2a,
炉体2b,加熱室2c,バーナ2d又は通電による発熱体とから
構成されている。これらの第一加熱帯1と第二加熱帯2
とはその分割位置では各炉体1bと2bとの間の炉体の内壁
と各マツフル1a,2aの外周面とがマツフル1a,2aを変形さ
せずシール出来るように緩衝性を有する断熱シール材6
を介して当接していて各加熱室1c,2cは各々独立してお
り、各マツフル1aと2aとは通常一体をなしている。ま
た、4はステンレス鋼帯Sの案内ロール、5はシユート
部である。そして第二加熱帯2と冷却帯3との間は、一
体物の金属製マツフル1a及び2aの熱膨張と収縮とを吸収
すると共に外気の進入を防ぎ尚且つステンレス鋼帯Sを
急冷させないために、バツフル7とスロート8で連結さ
れている。このような全体構造の装置における各加熱室
1c,2c内で、炉体1b,2bの内壁に設置されているバーナ1
d,2dにより燃料を燃焼させて各加熱室1c,2c内を加熱す
るのであるが、この各加熱室1c,2c内の加熱温度をそれ
ぞれ調節して第二加熱帯2の加熱室2cは第一加熱帯1の
加熱室1cより加熱温度が低くなるように加熱することに
よつてこの各加熱室1c,2c内のマツフル1a,2aの間に温度
差を生じさせて、必然的に一体物のマツフル1a,2aの長
手(上下)方向にも同傾向の温度勾配を生じさせ得るよ
うな構成となつているのである。
このような構成において本発明においては、第二加熱
帯2の加熱室2cは第一加熱帯1の加熱室1cよりその加熱
温度を低く設定せしめることによりマツフル2aがマツフ
ル1aよりその温度を低下せしめて一体物のマツフル1a,2
aの長手方向に所定の温度勾配が設定出来るようにし
て、連続通板される金属帯Sを所定の(温度×時間)に
加熱し焼鈍した後に徐冷せしめることが必要であるが、
その熱源としてガス燃料や液体燃料の如き燃料の燃焼に
よつて加熱する方法においては、各加熱室1c及び2cへ供
給する燃料の単位時間当り発熱量に差を設けるか又は同
一燃料を用いる場合に限り各加熱室1c及び2cへ供給する
燃料供給量に差を設けるか、更に同一燃料をほぼ同一燃
焼させるバーナを使用する場合に限り第1図の実施例の
如く加熱室1cよりも加熱室2cほどバーナ2dの設置数を少
なくした構造とすることによつて、前記各設定に対して
容易に温度コントロールが可能となるのである。
その他の熱源として、各加熱室1c,2cに通電による発
熱体(図示せず)が設置されている場合には、加熱室2c
ほどその供給電力を小さく設定可能に出来る構造にした
ものであつてもよいのである。
この後者の場合には加熱室1c,2c内の雰囲気すなわち
炉体1bとマツフル1aとの間の空間内及び炉体2bとマツフ
ル2aとの間の空間内の雰囲気を、マツフル1a,2a内の炉
内ガス雰囲気と同様な組成とするか又は炉内ガスと混合
しても爆発などの危険性のない雰囲気とすればマツフル
1a,2aが損傷しても安全性が保持出来て好ましいが、前
述したように経済性の面では劣つている。
また第1図の実施例では加熱帯が第一加熱帯1と第二
加熱帯2とに分割され、その加熱室1c,2cをマッフル1a,
2aとで形成する炉体も炉体1b,2bに分割された非連続な
構造になっているが、第2図に示すように各加熱室1cと
2cとの炉体1b,2bの壁を連続させてもよい。更に、加熱
帯をマッフルの長手方向(上下)方向に沿って分割して
形成せしめた加熱室の数は上述した実施例の如く各々独
立した2個のみならず、3個以上の複数の室に分割して
もよく、またこのマツフル型の光輝焼鈍装置の形式はア
ツプヒート,ダウンヒートのいずれでも良く更には横型
にも適用出来る。
〔作用〕
第1図に示す構造のマツフル型の光輝焼鈍装置におい
てステンレス鋼帯Sの光輝焼鈍を連続して行う場合に
は、ステンレス鋼帯Sは炉内ガス雰囲気にあるマツフル
1a,2a内を通板され、炉体1b,2bの内壁に設置されてるバ
ーナ1d,2dから加熱室1c,2cに供給された燃料が燃焼せし
められて各マツフル1a,2aの外周壁が加熱され、ステン
レス鋼帯Sは各マツフル1a,2aの内壁面から放射される
輻射熱によつて間接的に加熱される。すなわちステンレ
ス鋼帯Sは先ずその入口側の第一加熱帯1の加熱室1cの
段階で速やかに所望の(温度×時間)まで昇温加熱され
て焼鈍され、続いて出口側の第二加熱帯2の加熱室2cで
も加熱されるが、加熱室2cへ供給される燃料の単位時間
当り発熱量が少ないかその燃料の供給量が少ないので加
熱室1cにおける加熱温度よりも低い温度で加熱されるた
め、言わば徐冷されるのである。しかる後にスナンレス
鋼帯Sは冷却帯3によつて冷却されて案内ロール4及び
シユート5を経て光輝焼鈍を完了せしめられるのであ
る。
このような本発明に係るステンレス鋼帯の光輝焼鈍方
法及び装置においては、加熱帯がマッフルの長手方向
(上下)方向に沿って複数に分割され加熱室も小さく分
割されているので各加熱室毎にその加熱温度を所望温度
に容易にコントロール出来るため、一体物の長いマツフ
ルにも所望の温度勾配を容易にコントロールして付与す
ることが出来るのであつて、ステンレス鋼帯Sは加熱の
初期の段階で速やかに短時間で所望温度に達して焼鈍さ
れ、しかる後に後期段階での加熱室に相当するマツフル
内においても続けて加熱されるがその加熱温度がその前
の加熱室に相当するマツフル内の加熱温度よりも低くな
つているために冷却帯3に至る段階ではステンレス鋼帯
Sは徐冷されてその温度がかなり低下した状態になるの
である。その結果、ステンレス鋼帯Sは加熱帯から冷却
帯3に至る際に急激な温度変化がなく、その加熱から冷
却に至る温度の経時変化が第3図の理想とする曲線Aに
示すようになる。このようにステンレス鋼帯Sは急冷さ
れずに加熱されながら徐々に冷却され、しかも冷却帯3
を大型化することがないため冷却風による弊害も少な
く、その結果ステンレス鋼帯Sは振動したりバタツキが
起こつたりすることが防止され、シワ等の形状崩れや接
触疵のない光輝焼鈍されたステンレス鋼帯Sが得られる
のである。
〔実施例〕
第1図に示す装置で以下の第1表に示す焼鈍条件によ
つて、本発明に係るステンレス鋼帯の光輝焼鈍方法を実
施した結果、形状崩れや接触疵が出現せず満足すべき焼
鈍が出来た。
尚、実施例1のSUS304の場合には、鋼中の炭素成分濃
度を低下せしめれば、第二加熱帯の出側温度900℃を更
に低下することが出来て形状崩れの出現防止に有利であ
る。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く本発明に係るステンレス鋼帯の光輝
焼鈍方法は以下に列挙するような多大な効果を奏するの
である。すなわち、 ステンレス鋼帯は焼鈍直後に急激に冷却されることが
無く徐々に冷却されるため、又振動したりバタツキが起
こつたりすることがなくなり、その結果シワや変形等の
形状崩れのない平滑で均一な状態に光輝焼鈍することが
出来、品質向上が望める。
加熱室を分割して小型化したことにより、各加熱室毎
にその加熱温度のコントロールが容易となり、その結果
マツフル内を連続通板するステンレス鋼帯の加熱及び徐
冷,更に冷却時の温度の経時変化を容易に理想とする曲
線状にコントロールすることが出来る。
各加熱室が小型化され、特に高温の加熱温度とする加
熱室の容量が小さくなるので全体としての熱効率が向上
する。
従来の光輝焼鈍方法のように熱源として高価な電力を
無理に用いなくても済み、安価な燃料を用いることが出
来るので、熱経済性が向上する。
加熱帯の後部で既に徐冷を開始しているために、徐冷
帯や長い冷却帯を必要とせず装置の小型化が可能とな
る。更に、コンパクトなマツフル内及び小型化された冷
却帯内に雰囲気ガスを満たせばよいので、当該ガスの消
費が少なくて済みその冷却費用も節減出来る。
長い冷却帯でのステンレス鋼帯の振動やバタツキが解
消出来るので、冷却帯内にガイドロールを設ける必要が
無くなるためステンレス鋼帯とガイドロールとのスリツ
プによるステンレス鋼帯の表面に疵が発生することが防
止され、合わせてガイドロールの摩耗による交換作業等
も必要ない。
ステンレス鋼帯の形状崩れやその振動やバタツキが解
消されることにより加熱帯内及冷却帯内における接触疵
の発生が防止され、安定した光輝焼鈍の操業が可能とな
る。
また本発明に係る光輝焼鈍装置は、前述したような種
々の効果を有する本発明に係るステンレス鋼帯の光輝焼
鈍方法を実施するのに好適な装置であつて、ステンレス
鋼帯のみならずその他種々の金属帯の光輝焼鈍にも使用
可能な装置であり、従来のマツフル型の光輝焼鈍装置を
マツフルの長手方向に沿つて各々独立した複数の加熱室
に分割すると共にその分割位置において炉体内壁とマツ
フルの外周面とを当接せしめ加熱後期段階での加熱室が
初期段階での加熱室よりもその加熱温度を低く設定可能
に構成するだけで容易に改良することが出来るのであ
り、その工業的価値は非常に大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る光輝焼鈍装置の概略断面図、第2
図は本発明装置の他の実施例における加熱帯の分割位置
の拡大断面図、第3図は本発明装置と従来装置との加熱
帯及び冷却帯における加熱,徐冷及び冷却時のステンレ
ス鋼帯温度の経時変化を示す曲線のグラフ、第4図は従
来のマツフル型光輝焼鈍装置の概略断面図である。 図面中 1……第一加熱帯 1a……マツフル 1b……炉体 1c……加熱室 1d……バーナ 1′……従来の加熱帯 1a′……マツフル 1b′……炉体 1c′……加熱室 1d′……バーナ 2……第二加熱帯 2a……マツフル 2b……炉体 2c……加熱室 2d……バーナ 3……冷却帯 4……案内ロール 5……シユート 6……断熱シール材(断熱シール手段) 7……バツフル 8……スロート部 S……ステンレス鋼帯(金属帯)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状のマツフル及びこの筒状のマツフルの
    外周面と間隔を保つて囲むように設けられている炉体に
    よつて加熱室が形成されている加熱帯とこれに続く冷却
    帯とを備えたマツフル型の光輝焼鈍装置によつて、この
    マツフル内に雰囲気ガスを供給し一方加熱室内で熱源に
    よりマツフルを加熱しながらステンレス鋼帯を当該装置
    に連続通板して光輝焼鈍する方法において、 前記ステンレス鋼帯を加熱帯のマツフル内に連続通板す
    るに際し、前記加熱帯をマツフルの長手方向に沿つて複
    数に分割してその各々独立した加熱室を備えているマツ
    フル内を通板せしめ、 且つ当該鋼帯の加熱帯入側に位置し少なくとも一室の加
    熱室を備えているマツフル内部で所定の(温度×時間)
    に加熱し焼鈍すると共に出側に位置し少なくとも一室の
    加熱室を備えているマツフル内部を通板し終えるまで徐
    冷されるように、入側から出側に至る各加熱室の加熱温
    度を調節して出側に位置する少なくとも一室の加熱室の
    加熱温度を低下せしめることにより、入側から出側に至
    る長手方向に所定の温度勾配が付与されたマツフル内を
    通板せしめることを特徴とするステンレス鋼帯の光輝焼
    鈍方法。
  2. 【請求項2】加熱帯のマツフル外周に形成され各々独立
    した加熱室に、それぞれ供給した燃料をバーナによつて
    燃焼させる熱源によりマツフルの長手方向に所定の温度
    勾配を付与するように加熱するに際し、 ステンレス鋼帯の加熱帯出側に位置する加熱室へ供給す
    る燃料の単位時間当り発熱量を入側の加熱室へ供給する
    燃料のそれより少なくするか、又は同一燃料を用いる場
    合に限り出側に位置する加熱室への燃料供給量を入側の
    加熱室へのそれよりも少なくするように調節して出側に
    位置する加熱室の加熱温度を強制的に低下せしめる請求
    項1に記載のステンレス鋼帯の光輝焼鈍方法。
  3. 【請求項3】筒状のマツフル及びこの筒状のマツフルの
    外周面と間隔を保つて囲むように設けられている炉体に
    よつて加熱室が形成されている加熱帯とこれに続く冷却
    帯とを備えているマツフル型の光輝焼鈍装置において、 前記加熱帯がマツフルの長手方向に沿つて複数に分割さ
    れて各々独立した加熱室を形成されており、この各加熱
    室が外気とも加熱室同士の雰囲気とも遮断状態に各々独
    立した加熱室となつており、且つ被焼鈍鋼帯の加熱帯出
    側に位置する少なくとも一室の加熱室が入側に位置する
    少なくとも一室の加熱室よりもその加熱温度が低く設定
    され、加熱されるマツフルの入側から出側に至る長手方
    向に所定の温度勾配を設定可能に構成されていることを
    特徴とする光輝焼鈍装置。
  4. 【請求項4】加熱帯の各加熱室に通電により発熱する発
    熱体がそれぞれ設置されていると共に被焼鈍鋼帯の加熱
    帯出側に位置する加熱室への供給電力が入側に位置する
    加熱室へのそれよりも小さく設定可能に構成されている
    請求項3に記載の光輝焼鈍装置。
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