JP2789186B2 - 耐塩性pc鋼棒 - Google Patents

耐塩性pc鋼棒

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JP2789186B2 JP12924496A JP12924496A JP2789186B2 JP 2789186 B2 JP2789186 B2 JP 2789186B2 JP 12924496 A JP12924496 A JP 12924496A JP 12924496 A JP12924496 A JP 12924496A JP 2789186 B2 JP2789186 B2 JP 2789186B2
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勝彦 西川
英治 山下
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Nippon Kokan Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐塩性PC鋼棒に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、海浜地帯のコンクリート建造物や
海砂を使用した鉄筋コンクリート建造物における、ヒビ
割れ劣化が問題となっているが、これは海塩粒子の塩分
や海砂中の塩分によって、コンクリート中に埋設された
鉄筋が腐蝕することにより発生するものであって、この
防止のために、鉄筋自体の化学組成を制御し、耐塩性を
向上させる方法が既に種々開発されている。
【0003】例えば、特公昭55−22546号公報で
はCuとWとを同時に添加することにより、また特開昭5
7−48054号公報ではNiを多量に添加することによ
り、更に特開昭63−161120号公報ではCrを多量
に添加することにより耐塩性の向上を計ろうとすること
が提案されている。
【0004】前記したこれら提案は、何れも鉄筋に関す
るものであるが、PC鋼棒も亦、コンクリート建造物の
補強材としてこれらの鉄筋同様に使用されている。然し
ながら、このPC鋼棒においても、前記鉄筋同様にPC
ポールの海塩粒子による腐蝕、PCパイル・ポールの海
砂使用による腐蝕は避けられず、鉄筋によるものと同様
の問題を生じつつある。
【0005】又鉄筋は、圧延ままで使用し、比較的低強
度であるため、遅れ破壊特性、リラクセーション特性(J
IS G 3109 の8.2 による) 等についての配慮は不要であ
る。一方PC鋼棒は、熱間圧延材を用い、ストレッチン
グ、引抜、熱処理の内、何れかの方法により、又はこれ
らの組合せによって製造されている。尚、このようなP
C鋼棒の耐塩性向上を計ろうとするものとしては、特開
昭58−83752号公報を挙げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したような従来法
のPC鋼棒は、炭素鋼が主体であり、一部にSi, Cr, Mn
等を多く含有した鋼はあるものの、耐塩性は余り考慮さ
れていない。又、高強度化することにより、所望の耐塩
性を達成しても、それ以外の遅れ破壊特性、リラクセー
ション特性、溶接性、機械的性質等の他の特性が必ずし
も充分でない。亦、前記した特開昭58−83752号
公報に示されるものは、Ca, REM の単独ないし、複合添
加による鋼中硫化物の減少、且つ性状の変化を目指し、
これにより耐塩性を向上させるとするものであるが、現
状では、Caの歩留を安定させることは困難であり、製造
上問題が多い。
【0007】本発明は、耐塩性PC鋼棒に係り、従来の
PC鋼棒と同様のリラクセーション特性、溶接性、機械
的性質を保持しつつ、遅れ破壊特性、耐塩性を向上させ
たPC鋼棒を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱処理を行い、焼
戻しマルテンサイト組織とした鋼における耐塩性、遅れ
破壊特性、溶接性、リラクセーション特性及び機械的性
質を向上する成分系を見出した。即ち、上記課題は、
【0009】 C:0.2〜0.4重量%,Si:0.2〜2.
0重量%,Mn:0.2〜1.5重量%,P≦0.020重量
%,S≦0.005重量%,Ni:0.8〜3重量%に、Mo:
0.1〜0.5重量%,B:0.0003〜0.0050重量%
のうち1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物
から成ることを特徴とする、遅れ破壊特性に優れた耐塩
性PC鋼棒;
【0010】 C:0.2〜0.4重量%,Si:0.2〜2.
0重量%,Mn:0.2〜1.5重量%,P≦0.020重量
%,S≦0.005重量%,Ni:0.8〜3重量%にCu:0.
05〜0.5重量%,W:0.03〜0.5重量%のうち1種
以上及びMo:0.1〜0.5重量%,B:0.0003〜0.0
050重量%のうち1種以上を含み、残部がFe及び不可
避的不純物から成ることを特徴とする、遅れ破壊特性に
優れた耐塩性PC鋼棒;
【0011】の採用により解決されることを見出した。
【0012】本願発明によるPC鋼棒の成分限定理由を
重量%(以下単に%という)により説明すると以下の通
りである。
【0013】Cは、焼入性を高め、強度を上げるのに必
要な元素であり、PC鋼棒として、強度レベルを確保す
るためには、0.2%以上が必要である。然し、0.4%超
えとなると点溶接性が低下するので0.4%を上限とす
る。
【0014】Siは、脱酸剤として使用されるため、又、
遅れ破壊特性及びリラクセーション特性に有効であるた
め、0.2%以上必要で、添加量の多い方が望ましいが、
2.0%超えになると、鋼の延性が劣化するため、2.0%
を上限とする。
【0015】Mnは、Siと同様に脱酸剤であると共に、C
と同様に焼入性を高め、強度向上に必要な元素であるた
め0.2%以上が必要である。然し、1.5%超えでは延性
が劣化するので1.5%を上限とする。
【0016】Pは、不純物元素として避けられない元素
であるが、遅れ破壊特性を劣化させるため、0.020%
以下とする。
【0017】Sは、耐塩性を劣化させるので出来得る限
り、少なくすることが望ましい。本発明においては、0.
005%以下とする。
【0018】Niは、本発明における重要な元素で、耐塩
性に効果があるばかりでなく、遅れ破壊特性の向上にも
寄与する。この効果はNiが0.8%未満では期待できず、
3%超えでは経済的理由から不利となる。従って、下限
を0.8%、上限を3%とする。
【0019】Bは焼入性を向上させると共に、遅れ破壊
特性を向上させるが、0.0003%未満ではその効果が
明らかでなく、0.0050%を超えると、却って焼入性
を減ずるので下限を0.0003%,上限を0.0050%
とする。尚、Bを添加する場合、通常Bの焼入性を高め
るために、Tiを加えているがこれは、鋼中のNを固定す
るためであり、上記範囲のB含有量に対しては、0.02
0%前後のTiが適当である。又、Tiと同様の作用をする
Zr, Nbの1種以上を加えるのも有効である。
【0020】Moは、耐塩性に有効な元素であるが、多量
に添加すると経済的に不利である。従って0.1%を下
限、0.5%を上限とする。
【0021】Cu及びWは、耐塩性を劣化させずに遅れ破
壊特性を向上させ得る元素であるが、多量に添加する
と、経済的に不利である。従って、Cuは下限を0.05
%,上限を0.5%とし、Wについては、下限を0.03
%,上限を0.5%とする。
【0022】
【発明の実施の形態】次の表1に示した成分の鋼を直径
9.5mmの丸棒に圧延し、直径9.0mmの丸棒に引抜き、そ
の後、高周波加熱による焼入れ焼戻しを行った。焼入れ
は930〜1020℃で、焼戻しは、引張強さ150kg
f/mm2 を目標として最適温度で行った。尚熱処理は高周
波にのみ限定されるものではないことは明らかである。
【0023】
【表1】
【0024】上記のようにして得られた鋼棒の機械的性
質、耐塩性、遅れ破壊特性、リラクセーション特性及び
溶接性の試験結果を次の表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】引張試験は、熱処理されたものを標点距離
72mmで引張を行った。
【0027】耐塩性試験は、図1示すオートクレーブ法
で行った。試験工程は以下に示す如くである。
【0028】 細骨材重量の0.5%の塩分(NaCl)を含
有したコンクリート中に供試材を打込み、養生を終了し
た試験体をオートクレーブ装置に挿入し、密閉する。
【0029】 図1に示すように、常温から3〜4時
間で約180℃,10kgf/cm2 の圧力に達し、この条件
で5時間保持し、その後、自然放冷する。
【0030】 オートクレーブ試験開始後、約24時
間後に、試験体を取り出す。
【0031】 20℃の水中に約24時間浸漬する。
【0032】 再び、オートクレーブに入れ、,
の操作を行う。
【0033】試験終了後、供試材をコンクリート中から
取り出し、腐蝕減量を測定し、これで耐塩性を評価し
た。
【0034】遅れ破壊試験は、供試材に引張強さの80
%の応力を付加し、50℃に加熱した20%NH4 SC
N溶液中に浸漬して行い、評価は、破断時間で行った。
リラクセーション試験は、JIS G 3109の方法によって行
い、評価した。
【0035】尚、高温リラクセーション試験は、ビルデ
ィングレター1971年28号 3頁の『高温におけるPC鋼棒
および鋼線のレラクセーションに関する共同試験・結果
報告書』に示されている方法で行った。これらの条件は
第2図に示す如くである。
【0036】溶接性試験は、溶接電流: 2500A, 通電サ
イクル数:2,相手材:SWRM8の3.2mm丸棒という
条件で行い、クロス溶接後、引張試験を行い、強度,伸
びがJIS G 3109 の規格を満足する場合を○印とした。
【0037】即ち前記表2によるならば、本発明鋼の、
機械的性質,リラクセーション特性,溶接性は、従来鋼
と同等であり、PC鋼棒としての特性を満足している。
一方、耐塩性及び遅れ破壊特性は、従来鋼,比較鋼に比
べ優れたものであることが判明した。
【0038】
【発明の効果】以上説明したような本発明によれば、コ
ンクリート中における塩分や海塩粒子の塩分に対して、
優れた耐腐蝕性を有すると共に、遅れ破壊特性,リラク
セーション特性,溶接性及び機械的性質の何れにおいて
も優れた特性を有するPC鋼棒を得ることが出来るの
で、工業的に効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐塩性を評価するためのオートクレーブ法の試
験条件を示した図表。
【図2】高温リラクセーション試験の条件を示した図
表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 英治 神奈川県茅ヶ崎市中海岸4丁目13番52号 (72)発明者 村山 行雄 神奈川県平塚市岡崎3107番地の4 (56)参考文献 特開 昭60−17060(JP,A) 特開 昭62−188754(JP,A) 特開 昭63−161120(JP,A) 特開 昭62−199748(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.2〜0.4重量%,Si:0.2〜2.0
    重量%,Mn:0.2〜1.5重量%,P≦0.020重量%,
    S≦0.005重量%,Ni:0.8〜3重量%に、Mo:0.1
    〜0.5重量%,B:0.0003〜0.0050重量%のう
    ち1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
    成ることを特徴とする、遅れ破壊特性に優れた耐塩性P
    C鋼棒。
  2. 【請求項2】 C:0.2〜0.4重量%,Si:0.2〜2.0
    重量%,Mn:0.2〜1.5重量%,P≦0.020重量%,
    S≦0.005重量%,Ni:0.8〜3重量%にCu:0.05
    〜0.5重量%,W:0.03〜0.5重量%のうち1種以上
    及びMo:0.1〜0.5重量%,B:0.0003〜0.005
    0重量%のうち1種以上を含み、残部がFe及び不可避的
    不純物から成ることを特徴とする、遅れ破壊特性に優れ
    た耐塩性PC鋼棒。
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