JP2788073B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

油中水型乳化化粧料

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信義 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、安定で使用感の優れた油中水型乳化化粧料
に関する。更に詳しくは、環状シリコンを多量に含有し
ながらも、経日安定性,使用感に優れた、油中水型乳化
化粧料に関する。
〔従来の技術〕
従来より、油中水型エマルジョンは、水中油型エマル
ジョンに比べて肌へのなじみの良さ,化粧もちのよさ,
耐水性等の特性を持つことが知られている。ところがそ
の反面、油分を多量に含有するために、肌に塗布する際
にべたつき、また仕上がりが油っぽくなる等の欠点を有
している。
このような欠点を改善する目的で、今日まで種々の検
討がなされてきた。なかでも最近、高内相比を有する油
中水型エマルジョンが注目を集めている。しかしなが
ら、この高内相比による改良であっても、油分本来のオ
イル感を解消するまでには至らず、のびも重くまた、安
定性強化の為、多量の界面活性剤の配合を余儀なくされ
る等、必ずしも満足のいく結果を得るに至っていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
すなわち本発明の目的は、べたつき,油っぽさが改善
されており、のびも良く、しかも乳化安定性に優れた油
中水型乳化化粧料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、環状シリコン4量体,5量体,6量体のうち一
種または二種以上を10〜30重量%,モノイソステアリン
酸ソルビタン及び/又はモノイソステアリン酸ジグリセ
リルを1〜5重量%,及び上記環状シリコン以外の油性
成分,水を含有することを特徴とする油中水型乳化化粧
料である。
本発明に用いられている環状シリコン4量体,5量体,6
量体は、下記の一般式で示され、これらのうち一種また
は二種以上を組み合わせて用いる。
その含有量は乳化化粧料全体を100重量%(以下wt%
と略す)として、10〜30wt%であり、好ましくは12〜25
wt%である。
10wt%未満では優れた使用感が得られにくく、30wt%
を超えると、連続相である油相が上層部に分離するとい
う問題が生じ、好ましくない。
本発明に用いられるモノイソステアリン酸ソルビタ
ン,モノイソステアリン酸ジグリセリルは公知の乳化剤
である。モノオレイン酸ソルビタン,ジイソステアリン
酸ジグリセリル,ジイソステアリン酸グリセリル等、類
似の乳化剤は数多くあるが、これらを用いても、本発明
のような優れた乳化安定性を得ることはできない。
モノイソステアリン酸ソルビタン及び/又はモノイソ
ステアリン酸ジグリセリルの含有量は1〜5wt%で、好
ましくは1〜3wt%である。
1wt%未満では乳化しにくく、5wt%を超えるとべたつ
き感等を生じ、好ましくない感触を与える。
本発明に用いられる油性成分は、通常油中水型乳化化
粧料に用いられているもので良く、例えば、炭化水素
類,油脂類,ワックス類,高級アルコール類,高級脂肪
酸類,エステル類等、種々のものが挙げられ、用途に応
じて一種または二種以上を組み合わせて用いるものであ
る。
環状シリコン以外にこれらの油性成分を加えることに
よって、乳化がし易くなり、肌に塗布した時のつっぱり
感が軽減される等の利点がある。
本発明に用いられる水は、精製水等が用いられ、その
含有量は40〜75wt%が好ましい。
このように水を多量に含有している為、さっぱりとし
た使用感が得られ、従来の油中水型乳化化粧料に比べる
と、その使用感の改良は画期的である。
しかし、水の含有量はこれに限定されず、40wt%以下
はもちろんのこと、75wt%よりも更に多量の水を含有で
きることも、特徴の一つである。
本発明の乳化化粧料には、上記の必須成分に加えて、
必要に応じて保湿剤,界面活性剤,香料,紫外線吸収
剤,防腐剤等を配合することができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、例えば次のようにし
て調製することができる。
油相成分を混合し、加熱しておく。これに、予め混
合,加熱しておいた水相成分を添加する。撹拌して乳化
分散させた後、室温まで撹拌冷却する。
〔実施例〕
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれら限定されるものではない。尚、表中
の数値は含有量(wt%)を表す。
実施例に先立ち、各実施例で採用した評価方法を説明
する。
(1) 安定性評価試験方法 所定の方法で調製した油中水型乳化化粧料を0℃,25
℃,45℃の恒温槽内に放置して、3週間後の乳化安定性
を下記の評価基準に従って評価した。
分離凝集なし ;○ 分離凝集わずかに有り;△ 分離凝集あり ;× (2) 使用性評価試験方法 女性パネル20名を用いて、のび,べたつきのなさ(さ
っぱり感),もち,フィット感などの使用性を、下記の
評価基準に従って評価した。
良いと答えた人数が15人以上;○ 良いと答えた人数が7〜14人;△ 良いと答えた人数が6人以下 ;× 調製方法 油相成分を70℃に加熱しておく。これに予め70℃に加
熱しておいた水相成分を添加し、乳化分散後室温まで撹
拌冷却して目的の乳化化粧料を得る。
実施例1〜4,比較例1〜7 成分組成及び、試験結果を第1表に示す。
この表からわかるように、環状シリコンの代わりに鎖
状シリコンを用いても本発明の効果は得られなかった
(比較列1,2)。
また、油性成分として、通常乳化が困難とされている
シリコン油を配合した本発明の乳化化粧料は、シリコン
油を配合しない場合(比較例3)よりも、むしろ乳化安
定性が向上しているという、以外な効果が得られること
がわかった。
また、実施例中の4量体,5量体の代わりに6量体を用
いても、同様の効果が得られた。
実施例5〜8,比較例8〜10 成分組成及び、試験結果を第2表に示す。
この表からわかるように、ジイソステアリン酸グリセ
リル,ジイソステアリン酸ジグリセリル,モノオレイン
酸ソルビタン等の乳化剤では、本発明の効果は得られな
いことがわかった。
〔発明の効果〕 上述のように、本発明の油中水型乳化化粧料は、肌に
塗布する際に非常にのびが良く、塗ったあとべとつかな
い等の優れた使用感を与える。また、多量の環状シリコ
ンを含有しているにもかかわらず、経日安定性が非常に
高い等の利点を有している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状シリコン4量体,5量体,6量体のうち一
    種または二種以上を10〜30重量%,モノイソステアリン
    酸ソルビタン及び/又はモノイソステアリン酸ジグリセ
    リルを1〜5重量%,及び、上記環状シリコン以外の油
    性成分,水を含有することを特徴とする油中水型乳化化
    粧料。
JP23238989A 1989-09-07 1989-09-07 油中水型乳化化粧料 Expired - Lifetime JP2788073B2 (ja)

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