JP2787620B2 - 針状形状をしたアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

針状形状をしたアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分散性を有する、粒
子径の大きい針状形状のアラゴナイト結晶形炭酸カルシ
ウム(以下、粒子径の大きい針状形状のアラゴナイト結
晶形炭酸カルシウムを大粒径アラゴナイト炭カルと略記
する)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アラゴナイト結晶炭酸カルシウム(以
下、アラゴナイト炭カルと略記する)はカルサイト結晶
炭酸カルシウム(以下、カルサイト炭カルと略記する)
に比べて粒子の分散性が優れている。また、カルサイト
炭カルにはない柱状というCrystal habbitは、カルサイ
ト炭カルでは期待できない色々の特性を発揮する。従っ
て、従来から工業的にアラゴナイト炭カルを、より効率
的に生産することが試みられて来た。しかし、これらの
方法により得られたアラゴナイト炭カルは殆どが微細な
針状形状(長径0.5〜3.0μm、短径0.1〜0.
7μm程度)であり、塗工紙の印刷適性を向上させるた
めに、塗工紙表面に使用されてきた。従来、例えば、水
酸化カルシウムの水スラリーと二酸化炭素との気液反応
に関する技術としては、炭酸化工程で二酸化炭素量を各
段階で調整して行う方法(特公昭55−51852)、
水酸化カルシウムの水スラリーにあらかじめ結晶核形成
剤を加える方法(特開昭59−223225)等があ
る。
【0003】一方、より大きな針状形状をしたアラゴナ
イト炭カルを生成させれば、色々な工業的用途が開ける
であろうと期待されている。大きな針状形状をしたアラ
ゴナイト炭カルを作る方法としては、特開昭62−27
8123、特開昭62−27325等により提案されて
いるが、これらは水酸化カルシウムの水飽和溶液(Ca(O
H)2 の溶解度は0℃、100gの水に0.185g)か
ら生成させるため生産効率が極めて悪く、工業用原料の
製法としては極めて不適当である。
【0004】また特開昭58−36924には、アラゴ
ナイト炭カルと水酸化カルシウムのモル比が1〜5の範
囲で炭酸化させ粒子を大きくする方法が開示されてい
る。しかし乍ら、かかる方法では得られる粒子の大きさ
は精々長径1.4〜4.5μm、短径0.12〜0.6
μm程度でアスペクト比が精々3〜4のアラゴナイト炭
カルであり、更に粒子を大きくせんとして上記モル比を
大きくすると、殆どカルサイト型の炭酸カルシウムとな
ってしまう。
【0005】また、特開平2−34514の方法もある
が、これでは反応制御条件が厳しすぎて工業的生産には
不適当である。また、得られる炭カルの品質についても
充分なものが望めない。
【0006】本発明者らは上記問題点を解決せんとし
て、アラゴナイト炭カルと水酸化カルシウムの水スラリ
ーに可溶性リン酸化合物を添加して炭酸化させることに
より、大粒径でアスペクト比が大きいアラゴナイト炭カ
ルを工業的に有利に製造する方法を開発し、既に特許出
願した(特願平2−158055)。この方法は大粒径
でアスペクト比の大きいアラゴナイト炭カルの製造方法
としては画期的であるが、充分に分散したアラゴナイト
炭カルを得る方法としては尚改良の余地が残されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、アスペク
ト比が大きく、高分散性で例えば長径が5μm以上の針
状形状をしたアラゴナイト炭カルを工業的に製造する方
法は未だ確立されていないのが実情である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み鋭意研究の結果、予め水酸化カルシウムの水スラリ
ーと混合するアラゴナイト炭カルとして特定の方法によ
り分散性を改良したものを用いることにより、分散性の
良好な大粒径アラゴナイト炭カルが得られることを見出
し本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は水酸化カルシウムの水スラ
リーに二酸化炭素を吹き込んで炭酸カルシウムを生成さ
せるに際し、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを含水
ケーキとした後分散剤を加えてスラリー化し、次いで湿
式粉砕させたものと水酸化カルシウムの水スラリーとを
予め混合した混合スラリーを作り、これに可溶性リン酸
化合物を添加して二酸化炭素により炭酸化させることを
特徴とする、針状形状をしたアラゴナイト結晶形炭酸カ
ルシウムの製造方法を内容とするものである。
【0010】本発明において、予め水酸化カルシウムの
水スラリーと混合するアラゴナイト炭カルは下記の方法
で調製される。好ましいアラゴナイト炭カルとしては、
1次粒子径が長径0.5μm〜10μm、短径0.01
μm〜1.5μmのものを使用する。このもののアラゴ
ナイト含有率は高い方が良く、好ましくはアラゴナイト
含有率は80%以上、より好ましくは90%以上のもの
を使用すればよい。このものを固形分25〜70重量%
の水分を含んだケーキ状とする。アラゴナイト固形分は
好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%
以上である。
【0011】こうして得られたケーキにポリアクリル
酸、アクリル酸とマレイン酸との共重合体等の分散剤を
加え、ディスパーで強攪拌することによってスラリー化
させる。こうして流動性が得られたスラリーをガラスビ
ーズ等を使用した湿式粉砕機で分散させる。ディスパー
で強攪拌すればある程度アラゴナイト炭カルは分散する
が充分ではないので湿式粉砕機でより完全に分散させる
のである。この場合、湿式粉砕機にかけるスラリーの固
形分濃度は大きければ大きい程好ましい。何故なら固形
分濃度が大きい程湿式粉砕時に大きな力が加わり、粒子
分散がより充分に、より効率よく行われるからである。
湿式粉砕機としては、例えばシンマルエンタープライズ
社の「ダイノーミル(Dynomill)(商品名)」等があ
る。ここに使用するガラスビーズは特に限定されない
が、直径0.5〜2.0mm程度が好ましい。粉砕機中の
ガラスビーズの充填率は見かけ容積で粉砕機容積に対し
て80%程度がよい。
【0012】このようにして分散させたアラゴナイト炭
カルは分散させる前の粒度に比べて歴然とした差異があ
る。この差は粒度分布計等で測定すれば数値として明確
に差が出る。粒度分布計としては、例えば、レーザー解
析式(日機装製、商品名「マイクロトラック」)等で測
定すればよい。
【0013】本発明の高分散性を有する大粒径アラゴナ
イト炭カルを得るために、このような分散性を高めたア
ラゴナイト炭カルを最初の段階で使用せねばならない理
由について説明する。本発明は、高分散性のアラゴナイ
ト炭カルと水酸化カルシウムの水スラリーとを予め混合
した混合スラリーに二酸化炭素を導入して反応させるも
のであり、最初のアラゴナイト炭カルの粒子表面に次々
と結晶がデポジットし粒子が成長する。しかし、この場
合、最初のアラゴナイト炭カルが凝集していると、この
凝集体の上に次々とデポジットしていくため、最終的に
得られる大粒径アラゴナイト炭カルは到底高分散性を有
するものとはならない。ましてやアスペクト比の大きい
ものなどは期待できない。一方、最初の段階で上記のよ
うな分散工程を通した高分散アラゴナイト炭カルを使用
すれば、高分散性で且つ高アスペクト比のものが得られ
る。これは充分に分散したものを最初の段階で使用すれ
ば、凝集したものに比べて粒子の総表面積ははるかに大
きく、従って結晶が粒子表面にデポジットしていく過程
で炭酸化反応のスピードに比べて粒子表面にデポジット
する反応が充分余裕をもって進行する。そのため、形状
の整った均一な粒子が生成する。逆に凝集したものを最
初に使用すれば、総表面積が小さく粒子表面にデポジッ
トする反応より炭酸化反応のスピードの方が速く、その
ため、かなりの部分が最初の粒子表面にデポジットせ
ず、新たに結晶核が生成し、その結果微細な粒子が多く
混在してしまう。言うまでもなく、最初の段階で使用す
るアラゴナイト炭カルは、結晶を成長させるもとの種晶
としての働きをするものである。
【0014】特願平2−158055にも記載している
ように、可溶性リン酸を反応系に介在させて行う本結晶
成長法は針状という一定方向に結晶が成長する。従っ
て、本発明によって充分分散させたアラゴナイト炭カル
の種晶を用いれば、種晶の短径方向はあまり成長しない
が長径方向は優先的に結晶が成長し、アスペクト比の大
きい高分散性のアラゴナイト炭カルが生成するのであ
る。これに対し、凝集した種晶を使用すれば、このよう
な高分散、高アスペクト比の大粒径アラゴナイト炭カル
は望むべくもない。
【0015】本発明において、種晶として用いるアラゴ
ナイト炭カルに関して、湿式粉砕される前のアラゴナイ
ト炭カルは、例えば特開昭63−256514、特開昭
63−260815等の方法で生成させたものを使用す
ればよいが、特にこれらに制限されるものではない。
【0016】上記方法で充分に分散させた種晶は、水酸
化カルシウムに対して0.01モル%以上、好ましくは
0.01〜20モル%、より好ましくは0.1〜10モ
ル%使用される。この場合のモル比は水酸化カルシウム
の全量が炭酸カルシウムになったと仮定した場合の重量
比である。種晶が0.01モル%未満では結晶が充分粒
子表面にデポジットせず新たな結晶核が生成し、これが
成長して微細粒子が混在してしまう。種晶が20モル%
を越えると種晶に対する水酸化カルシウムの量が少ない
ため充分粒子が大きくならず、製造上非効率的である。
【0017】種晶のアラゴナイト炭カルと水酸化カルシ
ウムの水スラリーとからなる混合スラリーの濃度は10
〜250g/リットルが好ましく、より好ましくは40
〜130g/リットルである。これは10g/リットル
未満ではアラゴナイト結晶の生成が不充分であり、一
方、250g/リットルを越えるとアラゴナイト結晶生
成と共にスラリー粘度が上昇し、反応系自体が充分均一
に混合しないため不均一な粒子形状となる。
【0018】本発明に用いられる可溶性リン酸化合物と
しては、リン酸及びリン酸のNa塩、K塩、NH4塩等が挙げ
られ、これらは単独又は2種以上混合して用いられる。
これらリン酸の塩としては、K3PO4, KH2PO4, K2HPO4, N
a2HPO4,・12H2O, (NH4)3PO4,・3H2O等が例示される。可溶
性の程度については0.1g/100cc(20℃の水)
以上、好ましくは5.0g/100cc(20℃の水)以
上水に溶けるものが良い。可溶性リン酸化合物の添加量
は水酸化カルシウムに対して0.1〜15重量%が好ま
しく、より好ましくは0.3〜5.0重量%である。
【0019】炭酸化の温度は30〜90℃が好ましく、
より好ましくは50〜75℃である。また二酸化炭素導
入量は純度100%として4リットル/min/kg・水酸
化カルシウム以下が好ましく、より好ましくは2リット
ル/min /kg・水酸化カルシウム以下である。
【0020】上記の如くして得られた高分散性の大粒径
アラゴナイト炭カルは、特願平2−158055に記載
されているように、これを種晶として更に水酸化カルシ
ウムの水スラリーと混合し、炭酸化を数回繰り返して粒
子を成長させてもよい。この場合、可溶性リン酸化合物
はその都度混合スラリー系に添加される。
【0021】上記の如き方法により、高分散した高アス
ペクト比の長径5〜100μm、短径0.05〜2.0
μmの大粒径アラゴナイト炭カルを得ることができる。
粒子径の調整については、一定の範囲内では原料として
使用するアラゴナイト炭カルに対して水酸化カルシウム
の量が大きくなればなるほど、生成粒子は長径が大きく
なる傾向がある。こうしてできた高分散した高アスペク
ト比の大粒径アラゴナイト炭カルは、電顕写真でも上記
特徴を有する分散状態及び形状を明確に確認することが
できる。このような特性をもった大粒径アラゴナイト炭
カルは、種々の使用分野においてその特性を充分発揮す
る。例えばポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に配合した
場合、従来の炭カルに比べて優れた剛性を発揮するので
ある。また衝撃強度においても優れた効果を発揮する。
【0022】これまでも針状炭カルの製造法としては特
開平2−34514、特開昭62−278123等があ
り、これらを熱可塑性樹脂に配合した場合の効果は特開
平1−234437、特開平1−163221等に記載
されている。しかし乍ら、これらに記載されている針状
炭カルは製造方法及び出来上がった粉体物性等から見た
場合、本発明の如く各々の針状炭カルが充分に分散し、
且つ高アスペクト比を有するものではない。そのために
熱可塑性樹脂に配合して物性比較した場合、剛性におい
て本発明品に遠く及ぶものでない。本発明品が熱可塑性
樹脂に配合された場合において、従来品にない優れた性
能を発揮するのは、そのユニークな製造方法と該製造方
法により初めてもたらされる粉体特性(高分散性)によ
るためである。またポリウレタン樹脂に配合した場合に
も、その優れた効果が確認されている。自動車成形部品
等にポリウレタン樹脂が使われるが、主として寸法安定
性、物理的強度向上等の目的で針状形状の無機物が使わ
れる。特に反応射出成形(Reaction Injection Moldin
g)では、本発明品は特に優れた寸法安定性、物理的強
度を発揮する。勿論、熱可塑性成形法においても優れた
効果を発揮する。
【0023】
【発明の効果】本発明により得られる高分散性、高アス
ペクト比の大粒径アラゴナイト炭カルは合成樹脂、製
紙、断熱材等に特に好適に利用される。合成樹脂では特
にポリプロピレンの充填剤として剛性を付与する効果が
著しい。従来、ポリプロピレンに剛性を付与する充填剤
としてはタルク、ウォラストナイト、ガラス繊維等があ
るが、タルク、ウォラストナイトは天然物のための白度
が悪く、また粒子径が不揃いで粗大粒子が混在するため
衝撃強度が劣る。ガラス繊維は剛性は良いが表面平滑性
が悪く、作業性、労働衛生上の問題、価格等に問題があ
る。本発明品はこれらの問題を解決した新しい素材であ
る。またポリアミド(ナイロン)等においても上記のプ
ロピレンと同様の効果が期待できるばかりでなく、歯車
等の小さな成形品については精密成形が可能であり、ま
た摺動特性も優れている。従って各種のエンジニアリン
グプラスチックにも展開できる。
【0024】製紙用としては、このような大きな針状粒
子を填材として使用することによって、パルプに対して
無機物を多く混合(パルプ/無機物=1/9程度)した
無機質紙を作ることができる。従来のような粒子の小さ
い針状形状炭カルでは、抄紙時にパルプに充分滞まらず
無機物の比率を上げることができないが、本発明品のよ
うな大きな粒子径により、初めて無機物を多く配合出来
るのである。このような無機質紙は不燃紙として室内イ
ンテリア等に使用できる。
【0025】本発明品はその特異な針状形状のために粒
子間に充分な空隙が生じ、そのため、断熱材、濾過材、
ブレーキライニング等の摩擦材等の用途にも好適に使用
できる。また各種ペースト、シーリング材、塗料等に増
粘剤として使用できる。針状形状のためにこれらの分野
でチキソ性が発揮できると考えられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて更
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限さ
れるものではない。
【0027】実施例1 短径0.1μm、長径1.5μmのアラゴナイト炭カル
を気液反応で生成させた。このものの濃度は150g/
リットルの水スラリーである。これを脱水して水分45
%のケーキ状とした。このケーキにポリアクリル酸を添
加しディスパーで強攪拌して流動性のあるスラリーとし
た。
【0028】このスラリーを湿式粉砕機(シンマルエン
タープライズ社製、商品名「Dynomill」)を使用して粒
子を分散させた。湿式粉砕機の容量は15リットル、充
填させるガラスビーズの直径は0.8mm、ガラスビーズ
の充填率は80%(空隙率も含めて)、ディスパーの回
転数は3500rpm 、フィード量は7リットル/min と
した。こうして分散させたアラゴナイト炭カルは粒度分
布を測定すると(日機装製、商品名マイクロトラック)
50%の累積粒度(D50)は0.7であった。
【0029】この分散させたアラゴナイト炭カルを種晶
として、濃度が水酸化カルシウム80g/リットルの水
スラリー30リットルに対して固形分換算で60g添加
して充分に攪拌した後、この混合スラリーに二酸化炭素
を導入して炭酸化させ大粒径アラゴナイト炭カルを得
た。このとき水酸化カルシウムの水スラリーに予めリン
酸を60g添加しておいた。またスラリー温度は70
℃、二酸化炭素の濃度は30%で、その吹き込み流量は
純度100%として、スラリー30リットルに対して1
リットル/min /kg・水酸化カルシウムであった。
【0030】実施例2 実施例1で得られた大粒径アラゴナイト炭カルと水酸化
カルシウムをモル比で1/10(水酸化カルシウムが全
量炭酸カルシウムになったものとして)の比率で混合し
たスラリーを作り、その他は実施例1と同様にして炭酸
化させ大粒径アラゴナイト炭カルを得た。
【0031】比較例1 実施例1で気液反応により生成させたアラゴナイト炭カ
ルをポリアクリル酸での処理及び湿式粉砕機で分散させ
ることなく、そのまま用いた以外は全て実施例1と同じ
とした。
【0032】実施例1、2及び比較例1で得られた大粒
径アラゴナイト炭カルの粒子形状を表1に示す。また実
施例1、比較例1で得られた大粒径アラゴナイト炭カル
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真を図1、図2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】応用例 実施例1及び比較例1で生成したアラゴナイト炭カルを
用いて、下記の要領でポリプロピレンに配合し強度物性
を測定した。 (1)試験法 配合: ポリプロピレン樹脂 100重量部 (商品名MA−3、三菱油化製) アラゴナイト炭カル 30重量部
【0035】この配合比で混練してペレット化した後、
射出成型して試験片を作り強度物性を測定した。比較と
して、一般にポリプロピレン樹脂用フィラーとして広く
使用されているタルク(富士タルク製、PKS−10
0)と重質炭カル(丸尾カルシウム株式会社製、スーパ
ー3S)を用いて同一の操作を行った。結果を表2に示
した。
【0036】
【表2】
【0037】以上の結果より、本発明品により得られる
高分散性、高アスペクト比の大粒径アラゴナイト炭カル
は従来のアラゴナイト炭カルに比べて優れた物性を発揮
することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアラゴナイト炭カルの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例1で得られたアラゴナイト炭カルの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化カルシウムの水スラリーに二酸化
    炭素を吹き込んで炭酸カルシウムを生成させるに際し、
    アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを含水ケーキとした
    後分散剤を加えてスラリー化し、次いで湿式粉砕させた
    ものと水酸化カルシウムの水スラリーとを予め混合した
    混合スラリーを作り、これに可溶性リン酸化合物を添加
    して二酸化炭素により炭酸化させることを特徴とする、
    針状形状をしたアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 水酸化カルシウムの水スラリーとを予め
    混合するアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの1次粒子
    径が長径0.5〜10μm、短径0.01〜1.5μm
    である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 含水ケーキの固形分が25〜70重量%
    である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 予め水酸化カルシウムの水スラリーと混
    合するアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを水酸化カル
    シウムに対して0.01モル%以上使用する請求項1記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムと水
    酸化カルシウムとの混合スラリーの濃度が10〜250
    g/リットルである請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 二酸化炭素の導入量が100%二酸化炭
    素として4リットル/min/kg・水酸化カルシウム以下
    である請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 炭酸化の温度が30〜90℃である請求
    項1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 可溶性リン酸化合物の添加量が水酸化カ
    ルシウムに対して0.1〜15重量%である請求項1記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 可溶性リン酸化合物が、H3PO4, K3PO4,
    KH2PO4, K2HPO4, Na2HPO4,・12H2O, (NH4)3PO4,・3H2O か
    ら選択される少なくとも1種である請求項1又は8記載
    の製造方法。
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